JP2006084489A - 分波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力光を分波して、出力面に2次元状に分布する複数の点光波源群として出力させる分波装置であって、簡便な構成で作製が容易である。
【解決手段】第1の形態の分波装置100は、第1光分割素子10と第2光分割素子20とを具えて構成される。第1光分割素子は、第1入力ポート10aと第1出力ポート群10bとを有しており、第1出力ポート群は1次元状に配列された複数の第1出力ポート(10b-1乃至10b-n)から成っている。第2光分割素子は、第2入力ポート群20aと出力面20sとを有している。第2入力ポート群は、第1出力ポートから出力される第1出力光群14を構成する各第1出力光(14-1乃至14-n)をそれぞれ一対一の関係で入力するよう割り当てられた各第2入力光を入力するための第2入力ポート群(20a-1乃至20a-n)から成っている。
【選択図】図1

Description

この発明は、波長多重(Wavelength-Division Multiplexing: WDM)光通信システム等に利用する、光信号を2次元状に分波する分波素子に関し、特に多重されるチャネル数が数百チャネルと大きなWDM光通信システムに利用して好適で、かつコンパクトであり、しかも、作製が容易である分波素子に関する。
近年、超長距離・大容量の光通信システムが求められ、この光通信システムを用いて光波ネットワークを構築することが要請されている。WDM方式は、大容量化を実現する方式の1つであって、研究開発が盛んに行われている。
WDM方式による光通信システムにおいては、波長多重信号光を受信してこの信号光を分離して、多重されている信号光を個々に取り出すための素子が必要となる。従来このための素子として、回折格子あるいはアレイ導波路グレーティング(AWG: Arrayed Waveguide Grating)等が知られている。これらの素子は、一つの波長分離素子で多数の波長を分離することができる特長を有している。したがって、多数の波長の信号光が多重された波長多重信号光に対しても、これらの素子を利用した比較的簡単な構成の波長分離装置によって、波長分離がなされてきた。
上述の波長分離装置は、平面波あるいは球面波の伝播姿態で入力される波長多重信号光を、それら光波の伝播ベクトルと垂直な方向に波長分割して、複数の回折光を生じさせる。これら回折光間の干渉を利用することによって、波長ごとに波長多重信号光が分離される。
しかしながら、上述の回折格子あるいはAWG等を利用して構成される波長分離装置によって波長分離された信号光は、1次元状に並んで出力される。そのため、多重する光信号の数(WDM光通信におけるチャンネル数)が数百以上となると、波長分離装置そのものが巨大化するという問題を抱えている。
この波長分離装置が巨大化するという問題を解決する方法として、波長分離された信号光を1次元状に並べて出力する代わりに、平面上に2次元配列して出力させる構成が考えられている。
すなわち、多重信号光をx軸方向に波長分離して出力させる素子とy軸方向に波長分離して出力させる素子とを組み合わせて波長分離装置を構成することで、装置が巨大化するという問題を解決した装置が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
この装置によれば、入力光は、凸レンズで平行光にされてx方向に波長を分離する回折格子に入力され、この回折格子で回折された光が凸レンズで集光されて、第1のDOE(Diffractive Optical Element)に入力される。そして第1のDOEによってy方向に波長分離される。更に第2のDOEを用いて、2次元配列された波長分離スポットを得る構成となっている。
ただし、この方法は、バルク型の波長分離素子を2つ(第1のDOE及び第2のDOE)用いて2段階に波長分離を行なう構成となっているため、バルク型の波長分離素子相互の光軸を合わせることに高度な技術を必要とする。
また、自由スペクトル領域(FSR: Free Spectral Range)を利用することで、1個の回折格子のみで波長分離して2次元平面へ波長ごとに配列させて出力させる波長分離素子が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。FSRとは、回折格子によって分光した場合に、隣り合う回折次数の回折光の重なりが回避できる波長領域をいう。
非特許文献2に開示されている発明では、光の進行方向に平行な方向にAWGを積層させて、入力光である波長多重光を光分割して2次元平面へ配列させて出力させる波長分離素子が利用されている。ここでは、入力光を凸レンズで平行光にしてこの波長分離素子に入力し、この波長分離素子からの出力光を凸レンズで集光して2次元平面に波長ごとに分離されたスポットが得られる構造とされている。すなわち、この波長分離素子から出力される光分割された複数の光スポットの回折及び干渉を利用して入力光である波長多重光を波長分離している。
しかしながら、この波長分離素子においては、何十層ものAWGを波長の数分の一の精度で積層させなければならず、このAWGを積層するために高度な技術を必要とする。その上、非特許文献2にはAWGを積層させて構成される波長分離素子の具体的な設計指針は示されていない。
"Design of a two-dimensional optical wavelength (de)multiplexer," F. Thomas-Dupuis, M. Chateauneuf, M. Menard, and A. G. Kirk, The 2002 International Topical Meeting on Optics in Computing, Taiwan, April 2002. "Two-dimensional wavelength demultiplexing employing multilevel arrayed waveguides," Jianyi Yang, Xiaoqing Jiang, Minghua, Wang and Yuelin Wang, OPTICS EXPRESS vol. 12, No. 6, pp. 1084-1089, 2004.
そこで、この発明の目的は、入力光を分波して出力面に2次元状に分布する複数の点光波源群として出力させる、簡便な構成であって、作製が容易である分波装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、この発明の分波装置は、第1光分割素子と第2光分割素子とを具えて構成される。
第1光分割素子は、第1入力ポートと第1出力ポート群とを有しており、第1出力ポート群は1次元状に配列された複数の第1出力ポートから成っている。そして第1光分割素子は次の機能を有している。すなわち、第1入力ポートに入力される第1入力光を光分割して複数の第1分割光を生成し、この複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加してそれぞれ一対一の関係で第1出力ポートに割り当てられる第1出力光群を生成する。この第1出力光群を構成する各第1出力光を割り当てられた各第1出力ポートから出力する。なお、光分割とは、光の波面分割あるいは光の振幅分割のいずれかを指すものとする。
第2光分割素子は、第2入力ポート群と出力面とを有している。第2入力ポート群は、第1出力ポートから出力される第1出力光群を構成する各第1出力光をそれぞれ一対一の関係で入力するよう割り当てられた各第2入力光を入力するための第2入力ポートから成っている。したがって、第2入力ポート群を構成する第2入力ポートの数は第1出力光群を構成する第1出力光の数に等しい。
そして第2光分割素子は次の機能を有している。すなわち、各第2入力ポートに入力された各第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに得られる複数の第2分割光を、出力面の一方の次元を規定する方向に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する。そして、この1次元分散点光波源群を、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向に並列して、出力面に2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群を出力する。
第1光分割素子及び第2光分割素子を具えた上述の分波装置に、更にフーリエ変換レンズを具えて構成してもよい。フーリエ変換レンズとしては、凸レンズを用いることができ、この凸レンズを、第2出力光を出力する出力面を前側焦点面とする位置に配置すればよい。
また、第1光分割素子及び第2光分割素子を具えた上述の分波装置に、フーリエ変換レンズに加えて、更に波長分波光群受光手段を具えて構成してもよい。この波長分波光群受光手段は、第1入力光が波長ごとに分波された複数の波長分波光を波長ごとに一対一に対応させて個別に受光するそれぞれの受光ポートが、2次元配置されて構成される。波長分波光群受光手段は上述のフーリエ変換レンズの後側焦点面に配置される。
フーリエ変換レンズは、第2出力光を出力する出力面と波長分波光群受光手段との距離が長くならないようにして、分波装置そのものの大きさをコンパクトにまとめたい場合に、利用すると効果的である。したがって、第2出力光を出力する出力面と波長分波光群受光手段とを十分に離して配置してもよい場合などには、上述のこの発明の分波装置に、フーリエ変換レンズを設置しないで分波装置を構成してもよい。
この発明の分波装置は、第1光分割素子を具えているので、波長多重信号光等の入力光をこの第1光分割素子に入力すると、この第1光分割素子の有する第1出力ポート群から、相異なる位相を有する第1出力光が1次元状に配列されて第1出力光源として出力される。この第1出力光源を構成する第1出力光は、入力光が光分割されてそれぞれに相異なる位相が付加されているだけであり、波長ごとに分波されたものではない。すなわち、第1出力光源を構成する各第1出力光のスペクトルは、波長多重光信号等の入力光のスペクトルと相等しい。
また、第2光分割素子を具えているので、この第2光分割素子の有する第2入力ポート群に、第1出力ポートから出力される第1出力光群を構成する各第1出力光をそれぞれ一対一の関係で入力するよう割り当てられた各第2入力光を入力すれば、入力された各第2入力光は、相異なる位相が付加されつつ複数回光分割されて、出力面の一方の次元を規定する方向に1次元分散点光波源群として生成される。この1次元分散点光波源群を構成する各第2分割光も、各第2入力光が光分割されてそれぞれに相異なる位相が付加されているだけであり、波長ごとに分波されたものではない。すなわち、1次元分散点光波源群を構成する各第2分割光のスペクトルは、波長多重光信号等の入力光のスペクトルと相等しい。
そして、第2入力光群を構成する各第2入力光の各々に対して1次元分散点光波源群が生成されるので、この1次元分散点光波源群が、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向に並列されて、出力面に2次元分散点光波源群として第2出力光群が出力される。当然に、第2出力光群を構成する各第2出力光のスペクトルは、波長多重光信号等の入力光のスペクトルと相等しい。
以上説明したように、この発明の分波装置によれば、波長多重光信号等の入力光が分波されて、2次元分散点光波源群としての第2出力光群が出力面から出力される。すなわち、入力光を分波して出力面に2次元状に分布する位相が互いに異なる複数の点光波源群として出力させることができ、しかも後述するように、この発明の分波装置を構成する第1及び第2光分割素子は、いずれも平行平板導波路、平面型光導波路(PLC: Planar Lightwave Circuit)及びAWG等を利用して構成できるので、簡便な構成の分波装置が実現できる。
更に第2出力光を出力する出力面を前側焦点面とする位置にフーリエ変換レンズを配置して構成された分波装置によれば、後側焦点面に上述の出力される2次元状に分布する複数の点光波源群のフーリエ像を得ることができる。すなわち、第1入力光が2次元状に波長分波されたスポット像を得ることが可能である。
また、更に波長分波光群受光手段を上述のフーリエ変換レンズの後側焦点面に具えて構成された分波装置によれば、上述の第1入力光が2次元状に波長分波されたスポット像の各スポット像をこの波長分波光群受光手段を構成している各受光ポート入力させることができる。このことによって、入力波を波長分波して波長ごとに受光することが可能なシステムを構築できる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明に係る一構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の断面形状や配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の材料および条件等を用いることがあるが、これら材料および条件は好適例の一つに過ぎず、したがって、何らこれらに限定されない。また、各図において同様の構成要素については、同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
<実施の形態>
図1(A)及び(B)を参照して、この発明の分波装置について説明する。図1(A)はこの発明の分波装置の概略的ブロック構成を示す平面図である。図1(B)はこの発明の分波装置の概略的ブロック構成を示す正面図である。以下の説明においては、この発明の第1の形態の分波装置100にn波多重信号が入力されて分波されるものとして説明する。すなわち、第1の形態の分波装置100には、n通りの互いに波長の異なる信号光が合波された多重信号光(1波長に1チャンネルが割り当てられているとすればnチャンネルの多重信号光)が入力されて分波される場合を想定して説明する。ここで、nは自然数である。
第1の形態の分波装置100は、第1光分割素子10と第2光分割素子20とを具えて構成される。第1光分割素子10は、第1入力ポート10aと第1出力ポート群10bとを有しており、第1出力ポート群10bは1次元状に配列された複数の第1出力ポート(10b-1乃至10b-n)から成っている。そして第1光分割素子10は次の機能を有している。
すなわち、第1入力ポート10aに入力される第1入力光12を光分割して複数の第1分割光を生成し、この複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加してそれぞれ一対一の関係で第1出力ポート(10b-1乃至10b-n)に割り当てられる第1出力光群14を生成する。この第1出力光群14を構成する各第1出力光(14-1乃至14-n)を割り当てられた各第1出力ポート(10b-1乃至10b-n)から出力する。
第2光分割素子20は、第2入力ポート群20aと出力面20sとを有している。第2入力ポート群20aは、第1出力ポート(10b-1乃至10b-n)から出力される第1出力光群14を構成する各第1出力光(14-1乃至14-n)をそれぞれ一対一の関係で入力するよう割り当てられた各第2入力光を入力するための第2入力ポート群20a (20a-1乃至20a-n)から成っている。したがって、第2入力ポート群20aを構成する第2入力ポートの数は第1出力光群を構成する第1出力光の数nに等しい。
そして第2光分割素子20は次の機能を有している。すなわち、各第2入力ポート(20a-1乃至20a-n)に入力された各第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割する。そして、それぞれの光分割ごとに得られる複数の第2分割光を、出力面の一方の次元を規定する方向(図1(A)に示すy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群(16-1乃至16-n)として生成する。複数の第2分割光とは、例えば、図1(A)に示す第2入力ポート20a-1に入力される第2入力光について言えば、第2分割光16-1-1乃至16-1-mに相当する。ここで、mは自然数である。自然数nとmとの間に特定の関係はなく、任意に設定することができる。
そして、この1次元分散点光波源群(16-1乃至16-n)を、第2入力ポートの数(n)に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向(図1(A)に示すx方向)に並列して、出力面20sに2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群16を出力する。
各第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに得られる複数の第2分割光を、出力面20sの一方の次元を規定する方向に1次元分散点光波源群(16-1乃至16-n)として生成するための詳細な構造については、後述する。
第1の形態の分波装置100に対して、フーリエ変換レンズ及び波長分波光群受光手段を更に設けた第2の形態の分波装置の構成とすることによって、新たに第2出力光群16を波長分波光に変換する効果を生じさせることができる。
図2を参照して、この第2の形態の分波装置につき説明する。この第2の形態の分波装置は、波長分波光変換手段を具えていて、この波長分波光変換手段としてフーリエ変換レンズを利用することができる。更に、この第2の形態の分波装置は、この波長分波光変換手段の他に波長分波光群受光手段を具えて構成してもよい。また、以後の説明において、便宜上、出力面20sから出力される第2出力光群16のフーリエ変換像が形成される面を波長分波面ということもある。
図2は、第2光分割素子20の出力面20sから出力される第2出力光群16をフーリエ変換レンズ30でフーリエ変換して、波長分波面にフーリエ変換像を得、このフーリエ変換像が波長分波光群受光手段40によって受光される様子を概略的に示す図である。図2は、分波装置を構成する第1光分割素子10を省略して示してある。
この第2の形態の分波装置は、第2出力光群16を出力する出力面20sを前側(物体側)焦点面とする位置に、焦点距離がfであるフーリエ変換レンズ30を配置した構成としている。この第2の形態の分波装置によれば、フーリエ変換レンズ30から出力される出力光18によって形成される、出力面20sに2次元状に分布する複数の2次元分散点光波源群(第2出力光群16)のフーリエ変換像を得ることができる。すなわち、フーリエ変換レンズ30の後側(像側)焦点面である波長分波面に第2入力光が2次元状に波長分波されたスポット像を得ることが可能である。
また、第3の形態の分波装置は、上述した第2の形態の分波装置に、更に波長分波光群受光手段40を上述の波長分波面に具えた構成としている。この第3の形態の分波装置によれば、上述の第2入力光が2次元状に波長分波されたスポット像を構成する各スポット像をこの波長分波光群受光手段40を構成している各受光ポート42に入力させることができる。各受光ポート42に入力された分波信号光は、各受光ポート42に接続されている光ファイバ44によって受光面に伝播される。各受光ポート42の位置に受光面を配置する構成とすることも可能である。この場合は各受光ポート42に接続されている光ファイバ44は不要となる。
なお、第3の形態の分波装置において、フーリエ変換レンズ30を具えることが必須ではない。出力面20sに2次元状に分布する複数の2次元分散点光波源群(第2出力光群16)のフーリエ変換像は、数学的には出力面20sから無限遠に形成されるが、現実的には出力面20s上の2次元分散点光波源群からの出力光の波面が平面であるとみなせる程度の距離だけ出力面20sから離れれば、第2出力光群16のフーリエ変換像が得られる。したがって分波装置の利用形態によっては、フーリエ変換レンズ30を具えずとも、出力面20sから有限な距離(分波装置を利用するのに支障が生じない程度の距離)だけ離れた位置に第2出力光群16のフーリエ変換像を得ることができる。したがって、この場合にはフーリエ変換レンズ30は不要である。
以上説明したように、第2あるいは第3の形態の分波装置によれば、第1入力光12を波長分波して波長ごとに受光することが可能なシステム、すなわち、WDM方式の光通信システムにおいて分波器(demultiplexer)を構築できる。
第1乃至第3の形態の分波装置は、いずれもWDM方式の光通信システムに利用して好適な分波装置であるが、WDM方式の光通信システム以外の用途にも利用することが可能である。いかなる用途に利用するかによって、あるいはWDM方式の光通信システムへの利用の形態如何に応じて、第1乃至第3の形態の分波装置のいずれを市場に供給するかが決定される。いずれにしても、第1乃至第3の形態の分波装置は、それぞれ独立して取引の対象とすることが可能である。
また、この発明の分波装置100は、入力側(第1光分割素子の第1入力ポート)と出力側(第2光分割素子の出力面)とを逆にして、多重される前の複数の波長の異なる信号光を第2光分割素子の出力面から入力させ、これら波長の異なる信号光を合波(多重)して第1光分割素子の第1入力ポートから出力させる形態で利用することで、合波装置として利用することもできる。すなわち、この発明の分波装置は、第1入力ポートを多重光信号の入力端として利用すれば、WDM方式の光通信システムの分波器として機能させることが可能であり、あるいは、第2光分割素子の側から波長の異なる複数の光信号を入力させて利用すれば、WDM方式の光通信システムの合波器(multiplexer)として機能させることが可能である。
以下、第1光分割素子及び第2光分割素子の具体的な構造を一例として提示しつつ、第1の形態の分波装置の構造及びその機能について説明する。第2の形態の分波装置は、以下に説明する第1の形態の分波装置の実施例の分波装置それぞれにフーリエ変換レンズ30を具えている。また、第3の形態の分波装置は、以下に説明する第1の形態の分波装置の実施例の分波装置それぞれにフーリエ変換レンズ30及び波長分波光群受光手段40を具えている。
まず、図を参照して、第1光分割素子と第2光分割素子を具える分波装置の実施例について具体的に説明する。以下に説明する実施例においては、フーリエ変換レンズ及び波長分波光群受光手段に関する具体的な構造の説明は省略する。フーリエ変換レンズは通常の凸レンズを用いればよいので、特段の説明を要しないからである。また、波長分波光群受光手段は、受光素子の受光面あるいは光ファイバ端等の受光端子をマトリックス状に配列して構成すればよく、その具体的な構造は、波長分割多重光通信システム等、分波装置が利用されるシステムの設計指針に依存し、設計的事項であるからである。
<第1実施例>
図3(A)及び(B)を参照して第1実施例である分波装置120を説明する。図3(A)は分波装置120の平面図であり、図3(B)は分波装置120の正面図である。図3(A)及び(B)いずれの図も、分波装置120の構造及びその機能を説明するために十分な程度に簡略化して描いてあり、各部分の重なりの様子等を厳密に描いた断面図ではない。
分波装置120は、基板62上にそれぞれ形成された、第1光分割素子に相当する部分及び第2光分割素子に相当する部分を具えている。基板62は、好ましくは、シリコン単結晶基板等、この発明の第1及び第2光分割素子を作り込む上で好適な素材で作られた基板とすればよい。
第1光分割素子に相当する部分は、AWG 50として構成し、第2光分割素子に相当する部分は、平行平板導波路60として構成する。平行平板導波路60は、多モード光導波路デバイスとして構成するのが好適であり、このデバイスは、例えば、薄膜導波路の上面に半透明の反射膜をコーティングし、その下面を反射鏡に加工して得る。
第1光分割素子に相当する部分を構成するAWG 50は、スターカプラとして機能し、及び平面導波路52、導波路アレイ54及び接続手段56を具えている。平面導波路52は、第1入力ポート58に入力される第1入力光12を光分割(波面分割)して複数の第1分割光を生成する。導波路アレイ54は、複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加して相互に位相差を与える。接続手段56は、位相差が与えられた第1分割光を、第2光分割素子に相当する平行平板導波路60の第2入力ポート群へそれぞれ接続する。
上述した導波路アレイ54は、複数本のチャネル型導波路から成り、複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加するために、それぞれの長さが異なっている。基板62は、AWG 50を設置するために平行平板導波路60を設置する位置に比べて薄く形成してある。AWG 50及び平行平板導波路60は、これらを基板62に設置したときに、AWG 50の上面50aと平行平板導波路60の下面60bとが合致するように配置する。
被分波光である入力光12は、第1入力ポート58に入力され、平面導波路52に導かれる。第1実施例において、第1入力ポート58は、チャネル型光導波路、すなわち、AWG 50の入力光を入力させるための入力部分であって、入力端58-1から出力端58-2(平面導波路52の入力端52-1)に至るまでのチャネル型光導波路である。入力光12は、第1入力ポート58に入力されて平面導波路52の入力端52-1から平面導波路52に導かれ、平面導波路52の出力端52-2に達する。
一方、導波路アレイ54は、その一端が平面導波路52の出力端52-2と合致しており、その他端が接続手段56に繋がっている。出力端52-2に達した入力光は、この出力端52-2にその一端が接続されている導波路アレイ54の各導波路に波面分割されて入力される。導波路アレイ54の各導波路に入力された第1分割光は、導波路アレイ54を伝播して接続手段56に到達する。導波路アレイ54を構成している導波路はそれぞれ、平面導波路52の出力端52-2から接続手段56に到達するまでの長さが相異なるので、接続手段56に到達した第1分割光には、それぞれ相異なる位相が付加されている。
接続手段56は、高反射面によって実現できる。例えば、この高反射面は、導波路アレイ54の他端を斜めにドライエッチングして、このドライエッチングによって形成される面に高反射膜を形成することによって、実現される。導波路アレイ54を構成する光導波路を伝播した第1分割光は、この導波路の他端での上述の高反射面で反射されて、第2入力ポートに入力される。この第2入力ポートは、平行平板導波路60で構成される第2光分割素子の第2入力ポート群を構成している。
第1実施例の分波装置120において、第2入力ポート群は、平行平板導波路60の下面60bである。また、第1出力ポートは、導波路アレイ54の他端であり、この他端の高反射面が、接続手段56の役割を果たす。そして、接続手段56で反射された第1出力光群を構成する各第1出力光は、各第2入力光として、平行平板導波路60の下面60bである第2入力ポートにそれぞれ入力される。このとき各第1出力光は、それぞれ一対一の関係で各第2入力ポートに入力するように割り当てられている。
第2光分割素子を構成する平行平板導波路60は、次の機能を有している。すなわち、この平行平板導波路60は、第2入力ポート(平行平板導波路60の下面60b)に入力された第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに第2分割光をそれぞれ生成する。得られた複数の第2分割光は、出力面の一方の次元を規定する方向(図3(A)のy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群を構成している。
具体的には、接続手段56で反射された第1出力光群を構成する第1出力光が、平行平板導波路60の下面60bから第2入力光として入力する。この第2入力光は、平行平板導波路60の上面60aの点Pで反射及び透過される。例えば、透過された光16-1-1は第2分割光となる。点Pで反射された光は、平行平板導波路60の下面60b上の点Rで反射されて平行平板導波路60の上面60aの点Sに達して、再び反射及び透過される。点Sで透過された光16-1-2は、同じく第2分割光と成る。すなわち、平行平板導波路60の上面60aが第2光分割素子の出力面に相当する。
光16-1-1と光16-1-2と比較すると、両者の間に光路PQの光路長と光路PRSの光路長との差に相当する位相差が存在する。厳密には、光路PRSは経路長(幾何学的な長さ)に平行平板導波路60を構成する素材の屈折率を乗じたものである。
したがって、平行平板導波路60では、第2入力ポートに入力された各第2入力光が平行平板導波路60の上面60aに到達するごとに透過する光に対して光路PQの光路長と光路PRSの光路長との差に相当する位相差が付加されるので、平行平板導波路60の上面60aから出力される第2分割光のそれぞれの位相は相異なる。ここで、点Qは、第2出力光群を構成する第2分割光の伝播方向と平行な点Pを起点とする直線に対して、点Sからこの直線に対して垂直に下ろした垂線の足が交わる点である。
このようにして、既に説明したように、平行平板導波路60では、第2入力ポートに入力された各第2入力光が平行平板導波路60の上面60aに到達するごとに相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに得られる光16-1-1と光16-1-2等の複数の第2分割光を、出力面60aの一方の次元を規定する方向(図3(A)中ではy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する。
この1次元分散点光波源群を、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向(図3(A)中ではx方向)に並列して、出力面に2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群を出力する。
図3(A)及び(B)では、第2出力光群として1次元分散点光波源群を構成する第2出力光の数を5つとし、第2入力ポートの数を4つとした例を示しているが、この発明の第1実施例の分波素子としてはこれに限定されるものではない。一般に、第2出力光群として1次元分散点光波源群を構成する第2出力光の数をnとし、第2入力ポートの数をm個とすることができる。
AWG 50は、良く知られたPLC(Planar Lightwave Circuit)によって構成することができる。また、平行平板導波路60を構成する多モード光導波路デバイスは、ガラス平行平板をシリコン単結晶基板上に貼り合わせるか、あるいはシリコン単結晶基板上にSiO2層を形成することで構成できる。第1実施例において、平行平板導波路60は、平行平板ガラス板の上面を半透鏡として機能するように金属薄膜を蒸着し、下面を反射鏡として機能するように上面より厚く金属薄膜を蒸着したものとするのが好適である。もちろん金属薄膜に換えて、誘電体薄膜を利用しても同様の目的が達成できる。いずれを利用するかは設計的事項に属する。
<第2実施例>
図4(A)及び(B)を参照して第2実施例である分波装置130を説明する。図4(A)は分波装置130の平面図であり、図4(B)は分波装置130の正面図である。図4(A)及び(B)いずれの図も、分波装置130の構造及びその機能を説明するために十分な程度に簡略化して描いてあり、各部分の重なりの様子等を厳密に描いた断面図ではない。
第2実施例である分波装置130が、第1実施例である分波装置120と異なるのは、第2光分割素子に相当する箇所の構造である。第2光分割素子に相当する箇所の構造が異なることによって、第2入力ポート群への接続手段56に相当する部分が不要となることが、第1実施例である分波装置120と本質的に異なる点である。これ以外の点は、第1実施例である分波装置120と構造上共通する。以下の既述において、この共通する箇所に関しては、特に必要となる場合を除き、その説明を省略する。
分波装置130は、基板72上に第1光分割素子に相当する部分及び第2光分割素子に相当する部分が形成されている。基板72を構成する素材は、シリコン単結晶基板等、この発明の分波素子を利用する上で好適な素材の中から選択すればよい。
分波装置130の第1光分割素子に相当する部分は、第1実施例である分波装置120の第1光分割素子に相当する部分と共通する。すなわち、第1光分割素子は、第1入力ポート58に入力される第1入力光12を光分割して複数の第1分割光を生成し、この複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加し相互に位相差を与え、これらを第2入力ポート群へ入力させる役割を果たす。
基板72の上面は平坦に形成されており、第1光分割素子及び第2光分割素子は、第1実施例の分波装置120と異なり、モノリシックに形成される。すなわち、両素子ともに同一の基板上に、PLCとして形成される。したがって、第1実施例の分波装置120において必要であった、接続手段56を必要としないので、それだけ構成が簡単化され作製が容易となる。
第1光分割素子及び第2光分割素子を構成するPLCの素材としては、好ましくは、BK-7等のガラス素材を利用することができる。第1光分割素子を構成する、第1入力ポート58、平面導波路52及び導波路アレイ54は、好ましくは、図4(A)に示したパターンどおりに、BK-7等のガラス素材の表面にAgNO3などを用いたイオン交換法で形成できる。導波路アレイ54はチャネル型光導波路であり、その終端部分が第1光分割素子と第2光分割素子との境界70-1に揃えられるように形成すればよい。BK-7は光学ガラスの一種で組成の分類上では硼珪酸ガラスに属する。BK-7は光学ガラスの中では一番多く製造され、350 nm〜2000 nmまでの波長範囲の光に対して透過率が高く、安価な光学材料である。
第2光分割素子70は、PLCに間隔Λで部分反射鏡74を形成したものである。部分反射鏡74は、第2光分割素子70を構成するPLC内に形成された反射面とPLCを構成するPLCの上面70aとの交線が、第2入力光の伝播方向に対して直交する向きとなるように構成される。
部分反射鏡74を形成するには、例えば、次のように行なうのが好適である。すなわち、第2光分割素子70を構成するPLCに、ドライエッチング法等で、間隔ΛでPLCの上面70aに対して斜め方向に矩形の溝を複数本形成する。この矩形の溝の本数が、第2入力光が振幅分割される回数に等しくなり、1次元分散点光波源群を構成するスポットの個数と等しい。ドライエッチングされて形成された溝には、好ましくは、ポリメチルメタクリレート(PMMA:Polymethylmethacrylat)等のプラスチック素材を高温にして均一に挿入することで、部分反射鏡74を形成できる。すなわち、BK-7とPMMAとではその屈折率が異なるので、ドライエッチングされて形成された溝に挿入されたPMMAは、部分反射鏡74として機能する。
また、部分反射鏡74を次のようにして形成することもできる。例えば、基板72をシリコン単結晶基板等で形成し、第2光分割素子70を構成するPLCをGeO2がドープされたSiO2で形成する。そして、部分反射鏡74を形成する部分のみに、パルスエキシマレーザから発生する波長248 nmの紫外光を選択的に照射する。このようにすると、紫外光が照射された部分が照射されない部分よりも屈折率が高くなり、この部分を部分反射鏡74として機能させることができる。
第2光分割素子70は、第1実施例の場合と同様に、第2入力ポート(第1光分割素子と第2光分割素子との境界70-1)に入力された第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに第2分割光を生成する。これら得られた複数の第2分割光を、出力面の一方の次元を規定する方向(図4(A)のy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する機能を果たすのは、上述のPMMAである。図4(A)から明らかなように、部分反射鏡74で部分反射されるごとに、Λに相当する位相差(厳密には、ΛにPLCの等価屈折率を乗じた値に相当する位相差)が付加されていく。
すなわち、第2光分割素子70を構成するPLCでは、PLCの部分反射鏡74で得られる光16-1-1と光16-1-2等の複数の第2分割光を、出力面の一方の次元を規定する方向(図4(A)中ではy方向)に、1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成される。そして、第2光分割素子70を構成するPLCでは、この1次元分散点光波源群を、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向(図4(A)中ではx方向)に並列して、出力面に2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群が出力される。
図4(A)及び(B)では、第2出力光群として1次元分散点光波源群を構成する第2出力光の数を5つとし、第2入力ポートの数を4つとした例を示しているが、この発明の第2実施例の分波素子としてはこれに限定されるものではない。一般に、第2出力光群として1次元分散点光波源群を構成する第2出力光の数をnとし、第2入力ポートの数をm個とすることができる。
<第3実施例>
図5(A)及び(B)を参照して第3実施例である分波装置140を説明する。図5(A)は分波装置140の平面図であり、図5(B)は分波装置140の正面図である。図5(A)及び(B)いずれの図も、分波装置140の構造及びその機能を説明するために十分な程度に簡略化して描いてあり、各部分の重なりの様子等を厳密に描いた断面図ではない。
第3実施例である分波装置140が、第2実施例である分波装置130と異なるのは、第2光分割素子に相当する箇所の構造である。この箇所以外の、第2実施例と共通する箇所に関しては、特に必要となる場合を除き、その説明を繰り返さない。
第2光分割素子80は、第2光分割素子80を形成するPLCの上面80aに、周期Λの回折格子84が形成されている。すなわち、回折格子84の表面が第2光分割素子80の出力面である。回折格子84は、その回折方向が図5(A)に示すy方向に平行な面内であるように形成される。すなわち、回折格子の溝の方向が図5(A)に示すx方向に平行となるように形成される。
回折格子84を形成するには、例えば、次のように行なうのが好適である。すなわち、第2光分割素子80を構成するPLCの上面80aに、第2光分割素子80を構成するPLCの構成素材と異なる屈折率を有する透明の素材を形成し、この透明素材にドライエッチング法等で、間隔Λでエシェレット型の溝を複数本形成する。ドライエッチングされて形成されたエシェレット型の溝は、回折格子84として機能する。
第2光分割素子80の第2入力ポート(第1光分割素子と第2光分割素子との境界80-1)に入力された第2入力光を、第2光分割素子80の出力面の一方の次元を規定する方向(図5(A)のy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する機能を果たすのは、上述の回折格子84である。そして、この1次元分散点光波源群を、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向(図5(A)中ではx方向)に並列して、出力面に2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群を出力する。
第2実施例の第2光分割素子70と異なり、第3実施例では第2光分割素子80を、回折格子84を具えて構成してある。そのために、第2入力光が、第2光分割素子80を構成する回折格子84を具えるPLCをy方向伝播する間に、伝播した距離に応じた位相差が付加されつつ回折されていく。
したがって、回折格子84で回折される回折光は、第2光分割素子80の出力面上では、上述の第1及び第2実施例の分波装置におけるようにスポット状とはならず、連続したパターンとなる。しかしながら、この連続パターンは、図2において示した波長分波面において、第2出力光群16のフーリエ変換像を形成する動作としては、上述の第1及び第2実施例の分波装置におけるようにスポット状のパターンに対する場合と同様に論ずることができる。
図5(A)及び(B)では、第2入力ポートの数を4つとした例を示しているが、この発明の第3実施例の分波素子としてはこれに限定されるものではない。一般に、第2出力光群として1次元分散点光波源群を構成する第2出力光の数をnとし、第2入力ポートの数をm個とすることができる。
<第4実施例>
図6(A)及び(B)を参照して第4実施例である分波装置150を説明する。図6(A)は分波装置150の平面図であり、図6(B)は分波装置150の正面図である。図6(A)及び(B)いずれの図も、分波装置150の構造及びその機能を説明するために十分な程度に簡略化して描いてあり、各部分の重なりの様子等を厳密に描いた断面図ではない。
第4実施例である分波装置150が、第3実施例である分波装置140と異なるのは、第2光分割素子に相当する箇所の構造である。この箇所以外の、第3実施例と共通する箇所に関しては、特に必要となる場合を除き、その説明を繰り返さない。
第2光分割素子90は、図6(A)に示すy方向に向いたチャネル型導波路が、x方向に並列して複数形成されて構成されている。
チャネル型導波路を形成するには、例えば、次のように行なうのが好適である。すなわち、基板72はシリコン単結晶基板等で形成し、第2光分割素子90を構成するPLCを、素材としてGeO2がドープされたSiO2を用いて形成する。そして、チャネル型導波路を形成する部分のみに、パルスエキシマレーザから発生する波長248 nmの紫外光を選択的に照射する。このようにすれば、紫外光が照射された部分のみの屈折率が高くなり、チャネル型導波路を構成することができる。また、第2光分割素子90を構成するPLCを、素材としてBK-7ガラスを用いて形成する。チャネル型導波路は、AgNO3等を用いたイオン交換法を用いることによって形成できる。
第2光分割素子90の第2入力ポート(第1光分割素子と第2光分割素子との境界90-1)に入力された第2入力光を、第2光分割素子90の出力面の一方の次元を規定する方向(図6(A)のy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する機能を果たすのは、上述のチャネル型導波路である。そして、チャネル型導波路が図6(A)中のx方向に並列して形成されていいるので、この1次元分散点光波源群を、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向(図6(A)中ではx方向)に並列して、2次元分散点光波源群として第2出力光群を出力することができる。
第2光分割素子を構成するPLC 90に形成されるチャネル型導波路は次の機能を有している。すなわち、各第2入力ポート(第1光分割素子と第2光分割素子との境界90-1)に入力された各第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに得られる複数の第2分割光を、出力面の一方の次元を規定する方向(図6(A)のy方向)に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する。
具体的には、第2光分割素子を構成するPLC 90に形成されるチャネル型導波路に部分反射鏡75を形成する。この部分反射鏡75は第3実施例の部分反射鏡74と同様の働きをする。すなわち、第2光分割素子を構成するPLC 90に形成されるチャネル型導波路では、第2入力ポートに入力された各第2入力光が第2光分割素子を構成するチャネル型導波路に形成された部分反射鏡75に到達するごとに相異なる位相を付加されつつ複数回光分割されてそれぞれの光分割ごとに得られる光16-1-1と光16-1-2等の複数の第2分割光を、出力面の一方の次元を規定する方向に、1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成される。
したがって、PLC 90では、第2入力ポートに入力された各第2入力光が相異なる位相を付加されつつ複数回光分割されて、チャネル型導波路の長手方向に沿って1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成する。そして、この1次元分散点光波源群を、第2入力ポートの数に等しい数だけ出力面の他方の次元を規定する方向(図6(A)中ではx方向)に並列されたチャネル型導波路の上面90aから、2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群を出力する。
第2実施例の第2光分割素子と異なり、第4実施例では、第2光分割素子が、チャネル型導波路を具えて構成してある。そのために、第2入力ポートに入力される第2入力光は、第2光分割素子90を構成するPLCをy方向に広がらずに伝播することになる。したがって、1次元分散点光波源群を構成する各スポット状の点状光波源の寸法が大きくならず一定の大きさとして生成される。すなわち、1次元分散点光波源群を構成する各スポット状の点状光波源のビームスポットが、PLC 90の上面90aに対して平行な直線上に並ぶことになる。そして、波長分波面に第1入力光が波長分波されて、2次元状に配列された波長分波スポット像を均一の大きさとして得ることが可能となり、波長分波光群受光手段の構成を単純化することが可能となる。
すなわち、1次元分散点光波源群を構成する各スポット状の点状光波源の寸法が大きくならず一定の大きさとして生成されると、この点状光波源から出力されるガウスビームのビームウエスト(虚像としてのビームウエスト)の位置が、出力面であるPLC 90の上面90aに平行な直線上に並ぶ。これに対して、第1乃至第3実施例におけるように、1次元分散点光波源群を構成する各スポット状の点状光波源の寸法がy方向に進むにつれて大きくなる場合、この点状光波源から出力されるガウスビームのビームウエストの位置を連ねる直線は、y方向に進むにつれて出力面から離れて行く。
このため、出力面と波長分波面とが平行となるようにするためには、波長分波光に変換する手段に特段の工夫をする必要がある。すなわち、出力面と波長分波面とが平行とならないと、分波素子の構造がそれだけ複雑になる。
なお、図6(A)及び(B)では、第2入力ポートの数を4つとした例を示しているが、この発明の第4実施例の分波素子としてはこれに限定されるものではない。一般に、第2入力ポートの数をn個とすることができる。
<分波装置の動作原理>
図7を参照して、この発明の分波装置の動作原理を説明する。図7は、分波装置の出力面のフーリエ変換面(波長分波面)における、光スポットの分布の様子を示す図である。横軸はx軸に平行な方向の面内での偏向角θxを、縦軸はy軸に平行な方向の面内での偏向角θyをそれぞれ示している。x-y軸とは、図1を参照して説明したこの発明の分波装置の第2光分割素子の出力面上に設定したx-y軸である。x軸に平行な方向の面とは、第2光分割素子の出力面と直交し、かつx軸に平行な面を言う。また、y軸に平行な方向の面についても同様である。以後、x軸に平行な方向の面内をx方向、y軸に平行な方向の面内をy方向ということもある。
縦軸に平行な直線上に並ぶ光スポット、すなわち、θxの値が等しい光スポットはそれぞれ異なる波長である。x方向に対する波長分解能は、このように一つ一つの光スポットを分離できる程度であることが必要である。一方、y方向に対する波長分解能は、x方向に対して要求されるほどの波長分解能は必要でなく、y方向に連続的に分散している程度でよい。したがって、第1出力光群を構成する第1出力光相互の位相差は十分に大きくとる必要があり、第2分割光を構成する第2分割光相互の位相差は大きくとる必要はない。
図7において、θx軸に平行な直線上に並ぶ光スポットは全て等しい波長の光スポットである。例えば、R、Pで示す光スポットを通る直線状に並んだ光スポットは全て等しい波長である。このように、波長分波面上において、θx軸に平行な直線上に並ぶ波長の等しい光スポットを、θy軸の方向で更に波長分波する構成とされているのが、この発明のポイントである。
θx軸に平行な直線上に並ぶ波長の等しい光スポットを、θy軸の方向に更に波長分割できる構成であるので、図7の左側から順に波長が増大した光スポットが出現しつつ右側の波長と、折り返された左側に出現する光スポットの波長とが等しくなる瞬間が出現する。そして再び、この波長からスタートして左側から順に波長が増大した光スポットが出現しつつ右側の波長と折り返された左側に出現する光スポットの波長とが等しくなる瞬間が出現するという現象が繰り返されて、複数の波長が異なる光スポットが2次元状に分散して配置される。
光スポットの波長を小さい順に追っていくと、左側から右側に向かって波長が少しずつ長くなり、右側で現れた波長と等しい波長の光スポットが左側に現れたら、その光スポットを再度スタートポイントして、右側に向けて順におっていくと再び右側で現れた波長と等しい波長の光スポットが左側に現れる。丁度テレビジョンの画像表示の走査線の走査と同様に、左側から右側に向けて波長が等差数列的に増大して行き、折り返されて再び左側から右側に向けて波長が等差数列的に増大して行くということが繰り返されて、2次元平面に波長の異なる光スポットがマトリックス上に配列される。
図7において、第2出力光の回折方向をθy軸上で、αからβの範囲に制限すれば(FSRに制限すれば)、同一の波長の光スポットは含まれない。また、直線a, b, cは、それぞれx方向の-1次、0次、+1次の回折次数の光スポットを連ねた直線である。y方向については、0次の回折次数のみが示されている。
図8を参照して、この発明の分波装置を以下の条件で動作させた場合の、分波装置の出力面のフーリエ変換面(波長分波面)における光スポットの分布の様子をシミュレーションした結果を説明する。横軸はx軸に平行な方向の面内での偏向角θxをラジアン(radian: rad)で表示してあり、縦軸はy軸に平行な方向の面内での偏向角θyをラジアン(radian: rad)でそれぞれ示している。
第1入力光の波長範囲は1.52μmから1.58μmの範囲である。x方向の回折次数は405次から390次、y方向の回折次数は1次のみとした。第2実施例の第2光分割素子の平面光導波路、すなわちPLCに形成された部分反射鏡の間隔Λを0.803μm、隣接する部分反射鏡からの回折光の光路長差を616.4μmとした。また、第1出力ポートの個数を32個、第2分割光の個数を370個とし、第1出力ポート群の隣接する第1出力ポート間の間隔を9.3μmと設定してシミュレーションを行なった。
図7において一点破線で囲った四角と図8において同じく1点破線で囲った四角とが対応する。また、直線a, b, cについてもそれぞれ対応する。また、P, Q, R, Sで示す光スポットもそれぞれ対応する。従ってP及びRで示した光スポットの波長は互いに等しく、また、Q及びSで示した光スポットの波長も互いに等しい。この発明の分波装置を利用する場合には、波長分波されて得られる光スポットの集合を、一点破線で囲った四角内に得られる回折光に限定する。このように、一点破線で囲った四角はy方向については1次回折光のみに限定しておけば、この一点破線で囲った範囲内には等しい波長を有する光スポットは存在せず、全て異なる波長の光スポットとなる。
Sで示す光スポットをスタートして、直線bに沿って左から右に向かって並んでいる光スポットを順に追って行くと、波長が少しずつ変わっていってPで示す光スポットに到達する。そうすると、Pで示す光スポットの波長と等しい波長の光スポットがRで示す位置に現れる。Sで示す光スポットの波長とQで示す光スポットの波長とは相等しい。また、Pで示す光スポットの波長とRで示す光スポットの波長とは相等しい。しかしながら、S及びRで示す光スポットは、この一点破線で囲まれた四角内には存在しないので、一点破線で囲った四角内には、波長が相互に等しい光スポットの組は存在しないこととなる。
以上説明したように、この発明の分波装置によれば、入力光を分波して出力面に2次元状に分布する複数の点光波源群として出力させることができ、この出力面に2次元状に分布する複数の点光波源群のフーリエ変換面(波長分波面)において、波長の異なる光スポットをマトリックス上に配列して得ることができる。
<第1光分割素子の他の実施例>
図9(A)及び(B)を参照して第1光分割素子の他の実施例を説明する。図9(A)は第1光分割素子として平行平板型光導波路210を利用する例であり、図9(B)は第1光分割素子として3次元回折格子230を利用する例である。図9(A)及び(B)いずれの図も、第1光分割素子の構造及びその機能を説明するために十分な程度に簡略化して描いてあり、各部分の重なりの様子等を厳密に描いた断面図ではない。
平行平板型光導波路210及び3次元回折格子230のいずれも、第1光分割素子として利用して分波装置を構成することができる。この場合、第1乃至第4実施例で利用した形態の第2光分割素子のいずれに対しても、その第2光分割素子の構造の一部を変更するだけで、第2光分割素子として利用することができる。ここで、開示する第1光分割素子の他の実施例の特徴は、次のようである。
すなわち、第1乃至第4実施例で利用した形態の第1光分割素子は、第1入力光12を波面分割して複数の第1分割光を生成するものであった。これに対して、ここで開示する第1光分割素子は、第1入力光12を振幅分割して複数の第1分割光を生成する点が特徴である。ここでは、上述の振幅分割によって複数の第1分割光を生成する第1光分割素子について説明することとし、第2光分割素子220の具体的な構造については特に触れない。
図9(A)に示す第1光分割素子は、平行平板型光導波路210を利用して形成される。平行平板型光導波路210は、BK-7等のガラス材料を用いて形成できる。平行平板型光導波路210の第1入力光12が入力する側の面210aは、第1入力光12が入力する点12aを除き反射鏡が形成されている。この反射鏡は十分な厚みに高反射金属膜を面210aへの入力光が透過しない程度の厚さに蒸着することで形成できる。また、第1出力光群214が出力される側の面、すなわち第1入力光12が入力する側とは反対側の面210bは、この面210bへの入力光の一部が透過する程度の厚みとなるように、高反射金属膜を面210bへ蒸着することで形成できる。
平行平板型光導波路210の面210bに到達するごとに、点12aから入力された第1入力光12は振幅分割されて出力される。そして、平行平板型光導波路210では、点12aから入力された第1入力光12が平行平板型光導波路210の面210bに到達するごとに位相差が付加されるので、平行平板型光導波路210の面210bから出力される第1出力光群214を構成する第1出力光のそれぞれの位相は相異なる。点12aから入力された第1入力光12が平行平板型光導波路210の面210bに到達するごとに位相差が付加される理由は、第1の実施例の平行平板導波路60において、第2入力光が平行平板導波路60の上面60aに到達するごとに透過する光に対して位相差が付加されるのと同様の理由による。
以上説明したように、図9(A)に示す平行平板型光導波路210によれば、第1入力ポートに入力される第1入力光を振幅分割して複数の第1分割光を生成し、この複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加してそれぞれ一対一の関係で前記第1出力ポートに割り当てられる第1出力光群を生成し、この第1出力光群を構成する各第1出力光を、割り当てられた各前記第1出力ポートから出力させることができる。
また、第1光分割素子を、図9(B)に示すように3次元回折格子230を利用して第1光分割素子として構成することも可能である。
3次元回折格子230は、例えば、素材としてGeO2がドープされたSiO2平行平板を利用する。そして、このGeO2がドープされたSiO2の平行平板を3次元回折格子として形成するには、パルスエキシマレーザから発生する波長248 nmの紫外光を周期的な位相構造を有する位相格子を介してその位相格子で紫外光を回折させて、GeO2がドープされたSiO2の平行平板表面に周期的な強度分布をもつ紫外光を照射する。このようにすれば、紫外光が強く照射された部分のみの屈折率が高くなり、3次元回折格子を構成することができる。
第1入力光12を、図9(B)に示すように3次元回折格子230のサイドから入力させて、3次元回折格子230で生成される回折光を第1出力光群として生成する。3次元回折格子230で生成される回折光214に、付加される位相差が十分でない場合には、3次元回折格子230を図9(B)に示すように、第1出力光群に対して直交する軸の周りにδだけ回転させて傾けて設置することで、付加される位相差を調整できる。
以上説明したように、図9(B)に示す3次元回折格子230によれば、第1入力ポートに入力される第1入力光を振幅分割して複数の第1分割光を生成し、この複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加してそれぞれ一対一の関係で前記第1出力ポートに割り当てられる第1出力光群を生成し、この第1出力光群を構成する各第1出力光を、割り当てられた各前記第1出力ポートから出力させることができる。
<第2光分割素子の他の実施例>
図10(A)及び(B)を参照して第2光分割素子の他の実施例を説明する。図10(A)は第2光分割素子の他の実施例の平面図であり、図10(B)は第2光分割素子の他の実施例の正面図である。図10(A)及び(B)いずれの図も、第2光分割素子の他の実施例の構造及びその機能を説明するために十分な程度に簡略化して描いてあり、各部分の構造等を厳密に描いた断面図ではない。
第2光分割素子222は、第2実施例の第2光分割素子70を構成するPLCと同様に基板72(図10(A)及び(B)においては図示せず。)上に形成されている。すなわち、第2光分割素子222はPLCに、集光回折格子が形成されたものである。集光回折格子は以下のとおりに形成される。
第2光分割素子222の出力面222uをx−y平面にとり、この出力面222uに垂直な方向をz軸方向にとる。図10(A)及び(B)において、回折格子diは、屈折率が高くなっている箇所である。すなわち第2光分割素子222の出力面222uには屈折率の周期的な変化構造が作られている。この周期的な屈折率変化構造が集光回折格子の役割を果たす。ここで、iは回折格子を順番に指定するためのパラメータであって連続する正の整数である。図10(A)では、一例としてi=m-2, m-1, m, m+1に対応する回折格子について表示してある。ここで、mの値は、iの値が負にならなければ幾らに設定してもかまわない。
屈折率周期構造は、例えば、上述の3次元回折格子を作成するのと同様の手法で形成できる。すなわち、第2光分割素子222を素材としてGeO2がドープされたSiO2平行平板を利用して構成する。そして、パルスエキシマレーザから発生する波長248 nmの紫外光を、図10(A)に示す周期的な形状がパターニングされたマスクを介して、GeO2がドープされたSiO2の平行平板表面に照射する。このようにすれば、紫外光が強く照射された部分のみの屈折率が高くなり、図10(A)に示す周期的な形状の集光回折格子を構成することができる。
次に、この集光回折格子を構成する回折格子(図10(A)において、diを付して示す一つ一つの回折格子)の形状について説明する。まず、dmで示す回折格子の形状を説明する。第2光分割素子222の第2入力端の位置222aを原点にとり、dmで示す回折格子の極大点のy座標をymとする。dmで示す回折格子上の点を(x、y)とすれば、xとyとの関係は次式(1)で与えられる。
(x2+y2+Zf 2)1/2+y=(ym 2+Zf 2)1/2+ym であるから、x2+y2+Zf 2=[(ym 2+Zf 2)1/2+ym-y]2
すなわち、y−ym=-x2/[(ym 2+Zf 2)1/2+ym] (1)
ここで、Zfは第2光分割素子222の出力面222uから集光点Fまでの距離である。
また、回折格子dm上の点Mm(xm、ym)から集光点Fまでの距離とdm+1上の点Mm+1(xm+1、ym+1)までの距離との差dL は、波長の整数倍とならなければならないので、隣接する回折格子の間隔ΛとdLとの関係は次式(2)で与えられる関係に設定する必要がある。
Λ=dL/[nw+y/(y2+Zf 2)1/2] (2)
ただし、ベクトルMmFとベクトルMm+1Fとは同一平面上にあるベクトルである。また、隣接する回折格子の間隔Λは、上述のベクトルMmF及びベクトルMm+1Fを含む面と隣接する回折格子とのそれぞれの交点から交点までの間隔である。
上述の式(2)を満足する集光回折格子を第2光分割素子に形成すれば、図2を参照して説明した第2出力光群を波長分波光に変換する手段をこの集光回折格子が果たすので、波長分波光に変換する手段を新たに設ける必要がない。したがって、図2に示してた構成の分波素子と同一の機能を有する分波素子をより簡便な構成で実現できる。
分波装置の概略的ブロック構成図である。 第2出力光群を波長分波光に変換する手段を具えた分波装置の概略的構成図である。 第1実施例の分波装置の概略的構成図である。 第2実施例の分波装置の概略的構成図である。 第3実施例の分波装置の概略的構成図である。 第4実施例の分波装置の概略的構成図である。 分波装置の波長分波面における出力像の概念図である。 分波装置の波長分波面における出力像のシミュレーション結果を示す図である。 第1光分割素子の他の実施例の説明に供する図である。 第2光分割素子の他の実施例の説明に供する図である。
符号の説明
10:第1光分割素子
12:第1入力光
14、214:第1出力光群
16:第2出力光群
20、70、80、90、220、222:第2光分割素子
20s:出力面
30:フーリエ変換レンズ
40:波長分波光群受光手段
42:受光ポート
44:光ファイバ
50:アレイ導波路グレーティング(AWG: Arrayed Waveguide Grating)
52:平面導波路
54:導波路アレイ
56:接続手段
58:第1入力ポート
60:平行平板導波路
62、72:基板
74、75:部分反射鏡
84:回折格子
100、120、130、140、150:分波装置
210:平行平板型光導波路
230:3次元回折格子

Claims (13)

  1. 第1入力ポート、及び1次元状に配列された複数の第1出力ポートからなる第1出力ポート群を有し、
    該第1入力ポートに入力される第1入力光を光分割して複数の第1分割光を生成し、該複数の第1分割光のそれぞれに相異なる位相を付加してそれぞれ一対一の関係で前記第1出力ポートに割り当てられる第1出力光群を生成し、該第1出力光群を構成する各第1出力光を、割り当てられた各前記第1出力ポートから出力する第1光分割素子と、
    該第1出力ポートから出力される前記第1出力光群を構成する各第1出力光をそれぞれ一対一の関係で入力するよう割り当てられた複数の第2入力ポートからなる第2入力ポート群、及び第2出力光群を出力する出力面を有し、
    前記各第2入力ポートに入力される、前記第1出力光と一対一に対応する各第2入力光を、相異なる位相を付加しつつ複数回光分割してそれぞれの光分割ごとに得られる複数の第2分割光を、前記出力面の一方の次元を規定する方向に1次元状に配列された1次元分散点光波源群として生成し、及び
    該1次元分散点光波源群が、前記第2入力ポートの数に等しい数だけ前記出力面の他方の次元を規定する方向に並列されて、前記出力面に2次元状に分布された複数の2次元分散点光波源群として第2出力光群を出力する第2光分割素子とを具える
    ことを特徴とする分波装置。
  2. 請求項1に記載の分波装置において、更に、フーリエ変換レンズを具えることを特徴とする分波装置。
  3. 請求項1に記載の分波装置において、更に、波長分波光群受光手段を具え、
    該波長分波光群受光手段は、前記2次元分散点光波源群のフーリエ変換像を構成する、前記第1入力光が波長ごとに分波された複数の波長分波光を波長ごとに一対一に対応させて個別に受光するそれぞれの受光ポートが、2次元配置されて構成されている
    ことを特徴とする分波装置。
  4. 請求項1に記載の分波装置において、更に、フーリエ変換レンズと、波長分波光群受光手段とを具え、
    該波長分波光群受光手段は、前記2次元分散点光波源群のフーリエ変換像を構成する、前記第1入力光が波長ごとに分波された複数の波長分波光を波長ごとに一対一に対応させて個別に受光するそれぞれの受光ポートが、2次元配置されて構成されている
    ことを特徴とする分波装置。
  5. 請求項1に記載の分波装置であって、前記第1光分割素子がアレイ導波路グレーティングで形成されることを特徴とする分波装置。
  6. 請求項1に記載の分波装置であって、前記第2光分割素子が、平行平板導波路の上面に半透明の反射膜をコーティングし、その下面を反射鏡に加工して構成された多モード光導波路デバイスであることを特徴とする分波装置。
  7. 請求項1に記載の分波装置であって、前記第1光分割素子と前記第2光分割素子とが、モノリシックに形成されていることを特徴とする分波装置。
  8. 請求項7に記載の分波装置であって、前記第2光分割素子が部分反射鏡を具えていることを特徴とする分波装置。
  9. 請求項7に記載の分波装置であって、前記第2光分割素子が回折格子を具えていることを特徴とする分波装置。
  10. 請求項7に記載の分波装置であって、前記第2光分割素子が前記出力面の一方の次元を規定する方向に向いたチャネル型導波路が、前記出力面の他方の次元を規定する方向に並列して複数形成されて構成されていることを特徴とする分波装置。
  11. 請求項1に記載の分波装置であって、前記第1光分割素子が平行平板型光導波路で形成されることを特徴とする分波装置。
  12. 請求項1に記載の分波装置であって、前記第1光分割素子が3次元回折格子で形成されることを特徴とする分波装置。
  13. 請求項1に記載の分波装置であって、前記第2光分割素子が集光回折格子を有することを特徴とする分波装置。
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