JP2006084485A - ホログラム多重記録装置 - Google Patents

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佳久 高山
Kashiko Kodate
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【課題】 画像毎にランダムな波面を生成することにより、多重蓄積や読出しが可能となり、従来例の様に波長を変えることなくホログラムの多重記録を行う。
【解決手段】 レーザ光を物体光と参照光とに分岐し物体光を変調して、上記の分岐された参照光から波面乱雑化素子を用いて生成された波面の乱雑な参照光と上記の変調された物体光とを記録媒体上で干渉させ、その干渉パタンを記録する際に、記録媒体の同一部分に記録情報ごとに乱雑パタンを変えた干渉光を用いて多重記録を行い、記録時とおなじ乱雑パタンをもった参照光を照射して、記録された情報を読み出すホログラムメモリ装置であって、記録情報ごとに乱雑パタンを変える方法は、上記の分岐された参照光が通過することによってその波面が乱雑になる波面乱雑化素子を、予め決められた軸の周りに回転することにより多重化を図る。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ランダムな波面を持った参照光発生手段を用いたホログラム多重記録装置に関している。
ホログラムを用いることにより、画像や、デジタルデータの多重記録が可能となり、多重化することにより、1000倍以上の情報量を蓄積できる事が知られている。一般に、このようにホログラムを用いたホログラム記憶装置では、レーザ光を分岐して、物体を照射する物体光と、参照光とを生成し、この参照光を用いて、記録が行われてきた。
図7(a)に、その従来例を示す。レーザ光源から出射されたレーザ光は、半透過性の分岐鏡で物体光と参照光とに分岐される。物体光を、空間変調器を用いて記録すべき情報で変調し、記録盤を照射する。また、分岐された他方の参照光の方向を調整して、物体光が記録盤を照射する場所を照射するようにする。このように物体光と参照光とで照射されることによって、ホログラムによって情報が記録される。また。読み出しにおいては、図7(b)に示すように、空間変調器で物体光を遮断して、参照光のみで、記録盤を照射する。この記録盤を透過した光を光検出器で検出することにより、ホログラム情報を読み取ることができる。
また、ホログラムを多重に記録し読み出す記憶装置として、特許文献1には、光化学ホールバーニングによって、特定の波長の吸収係数のホールを作り、このホールの深さとそれに伴って生じる屈折率の変化を情報として蓄積する光化学ホールバーニング媒体に、ビット列からなる有限長の光パルスの波長と等しい複数の波長の光を参照光とし、該光セルを物体光として、両者を光記録媒体中で互いに干渉させて生じた複数の周期の異なる干渉縞をホログラムとして記録し、ホログラムの再生においては、読み出し光として上記のビット列からなる有限長の光パルスの波長と等しい複数の波長の光を照射することによって、記録されたビット列を再生する光メモリが開示されている。
特開平6−59333号公報
上記の様に、ホログラムは物体光と参照光の干渉により結晶に書込まれ,これと同じ参照光により記録された物体光が再生される。しかし,書込み時と読出し時に用いた参照光が異なる場合,ホログラムは読出されない。これを積極的に利用すると、画像毎にランダムな波面を生成することにより、多重蓄積や読出しが可能となる。この方法は、従来例の様に波長を変えることなくホログラムの多重記録を可能にするものである。
この発明のランダム参照光発生手段を用いることにより、従来例の様に波長を変えることなくホログラムの多重記録を実現することが容易になる。
本発明は、レーザ光を物体光と参照光とに分岐し物体光を変調して、上記の分岐された参照光から波面乱雑化素子を用いて生成された波面の乱雑な参照光と上記の変調された物体光とを記録媒体上で干渉させ、その干渉パタンを記録する際に、記録媒体の同一部分に記録情報ごとに乱雑パタンを変えた干渉光を用いて多重記録を行い、記録時とおなじ乱雑パタンをもった参照光を照射して、記録された情報を読み出すホログラムメモリ装置であって、記録情報ごとに乱雑パタンを変える方法は、上記の分岐された参照光が通過することによってその波面が乱雑になる波面乱雑化素子を、予め決められた軸の周りに回転することによるものである。
上記の、波面乱雑化素子は、複数の光ファイバーの束からなるファイバー束、あるいは、曹灰硼石(Ulexite)である。
また、波面乱雑化素子は、円筒形で、光の入射方向について予め定められた角度を有する軸の回りに回転するものとする。
また、上記の波面乱雑化素子は円筒形で、光の入射方向に平行な回転軸を有し、前記の回転軸に予め定められた角度をもって回転するものとする。
また、上記の波面乱雑化素子は、円形と楕円形の底面を持った円筒形で、前記の底面の中心を結ぶ回転軸の回りに回転し、光は、円形の底面から入射して、楕円形の底面部から出射するものとする。
また、上記の波面乱雑化素子は、円形と楕円形の底面を持った円筒形で、前記の底面の中心を結ぶ回転軸の回りに回転し、光は、楕円形の底面から入射して、円形の底面部から出射するものとする。
あるいは、上記の、レーザ光は、波長可変のレーザ光源から得られたレーザ光であり、上記の記録情報ごとに乱雑パタンを変えた干渉光を用いた多重記録を、異なる波長のレーザ光を用いてさらに多重化するものである。
よく知られているように、ホログラムは物体光と参照光の干渉により結晶に書込まれ,これと同じ参照光により記録された物体光が再生される。しかし、書込み時と読出し時に用いた参照光が異なる場合,ホログラムは読出されない。そこで上記の様に、これを積極的に利用すると、画像毎にランダムな波面を生成することにより、多重蓄積や読出しが可能となる。この方法は、従来例の様に波長を変えることなくホログラムの多重記録を可能にするもので、この発明では、容易に乱雑パタンを変えることができるランダム参照光発生手段をもったホログラム多重記録装置を提案する。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図1に本発明のホログラム多重記録装置の実施例を示す。レーザ光源1は、高速の記録を行う場合は、書き込みをパルスレーザ光源とし、読み出し時には、連続レーザ光源とすることが望ましい。しかし、書き込み速度が重要でない場合には、書き込みに連続レーザ光を用いることができる。レーザ光源としては、例えば、その波長を半分にして532 nm.としたNd:YVO4レーザである。また、レーザ光源1から出射されたレーザ光は、ビーム拡散器2でレーザ光のビーム径が拡大される。また、半波長板3で、円偏光とされ、偏光分岐器4で、互いに直交する偏光である物体光と参照光とに分岐される。物体光は、鏡9で空間光変調器10で記録すべき情報による変調を受け、記録媒体に照射される。また、参照光は、鏡5で反射され、参照光の波面を乱雑にする波面乱雑化手段6を通過する。波面乱雑化手段6には、回転する波面乱雑化素子が設けられている。波面乱雑化素子としては、例えば、多数の光ファイバーを円筒形に束ねたファイバー束や、円筒形に切り出した曹灰硼石(Ulexite)、あるいは、微細な気泡を多数含んだセラミクスガラスなどを用いることができる。波面乱雑化手段6を通過した光の偏光性は、通常は乱れているので偏光板7を用いてその偏光方向を揃えることが望ましい。このようにして生成された参照光は、記録媒体上に先の物体光の共に照射されその干渉パターンが記録される。記録媒体としては、例えば、LiNbO3:Fe 結晶である。
図1のホログラム多重記録装置で読み出しを行う場合は、上記した従来例の場合と同様に、物体光を空間変調器で遮断して、参照光を記録媒体に照射し、記録媒体を透過した光、あるいは、記録盤から反射した光を、検出器8で検出する。この際、波面乱雑化手段6を書き込み時と同じ条件にする必要がある。
ここで、波面乱雑化手段6は、できるだけ簡単な装置であることが望ましい。そこで、本発明では、図2から5に示すように、波面乱雑化素子を回転して、参照光の波面を乱雑化するパタンを変える構成とする。波面乱雑化素子としては、図2から5では、多数の光ファイバーを円筒形に束ねたファイバー束としたが、その他、円筒形に切り出した曹灰硼石(Ulexite)、あるいは、微細な気泡を多数含んだセラミクスガラスなどを用いることができる。
図2に示す波面乱雑化手段は、ファイバー束を入射光に対して1度から30度程度傾けた軸の周りに回転するものであるので、以下では、回転ファイバー束15と称する。この回転ファイバー束に用いる光ファイバーは、マルチモード、シングルモード、どちらの光ファイバーでも用いることができる。よく知られているように、マルチモード光ファイバーでは、入射した光は、その入射部位の僅かな差のために、光ファイバー壁面での反射の繰り返しが異なることにより、その波面が乱雑になる。また、シングルモードの光ファイバーの場合には、それぞれの光ファイバーの長さがレーザ光の波長以下の水準で均一にならないために、その波面が乱雑になる。回転ファイバー束15の回りには、回転角検出パターン16が設けられており、これを回転角検出器17で検出する。
また、図3に示す波面乱雑化手段は、図2と同様な回転ファイバー束15を、用いているが、回転軸は、入射光に平行にして、回転ファイバー束を、その回転軸に1から30度程度傾けて回転するようにしたものである。
図4に示す波面乱雑化手段は、多数の光ファイバーを円筒形に束ねたファイバー束とし、その一端を側面に直角に切断したものと同等の底面とし、多端をその側面に斜めに切断したものと同等の底面とすることにより、円形の底面と、楕円形の底面とを実現したものである。このファイバー束を、入射光線に平行な回転軸の周りに回転させることにより、参照光の波面を乱雑なものとするものである。回転角は、上記の場合と同様に、回転ファイバー束15の回りの回転角検出パターン16を回転角検出器17で検出する。
図5に示す波面乱雑化手段は、図4の例の入射面と出射面とを入れ替えるように配置したものである。図5に示す波面乱雑化手段の利点は、入射光が出射光と平行になるため、記録媒体への照射強度を一定に保ち易いことにある。
図1の構成に図2の回転ファイバー束を用いて、画像を実際に多重書き込み、読み出しを行った結果を図6に示す。これに用いた光ファイバーは、50ミクロン径のマルチモード光ファイバーで、約200本あり、ファイバー束の径は約1cmである。この書き込みにおいては、回転軸の角度は入射光に対して4.7度傾いており、図6にあるように、数字の1から30までを、それぞれの数字について、30秒間の書き込み時間を設けている。多重記録を行うために、それぞれの数字を記録する毎に0.2度回転した。読み出しは、参照光のみとし、回転ファイバー束を0.2度づつ回転して行ったものである。検出器としては、CCDカメラを用いている。
図6から、容易に分かるように、良好な信号対雑音比で、書き込み、読み出しができる。図6に示した例は、アナログデータであるが、マトリクス状のデジタルデータを記録する場合も良好な信号対雑音比となる。図6に示した例では、360度全てについて記録する事にすると多重度は、1800になる。
上記の例においては、連続光を用いる場合を示したが、より高速に記録する場合は、回転中の回転ファイバー束を擬似的に停止状態にあるものとすることができるように、パルスレーザを用いることが望ましい。この場合には、パルスレーザ、回転ファイバー束、および空間光変調器のタイミングをコントローラで制御することが望ましい。また、レーザ光の波長を変えることにより、上記の多重化に加えてレーザ光の波長による多重化を容易に実現することができることは、容易に理解できる。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 波面乱雑化手段の模式図である。 波面乱雑化手段の模式図である。 波面乱雑化手段の模式図である。 波面乱雑化手段の模式図である。 本発明を適用して記録再生した画像例である。 従来のホログラムメモリ装置の模式図である。
符号の説明
1 レーザ光源
2 ビーム拡散器
3 半波長板
4 偏光分岐器
5 鏡
6 波面乱雑化手段
7 偏光板
8 検出器
9 鏡
10 空間光変調器
11 記録媒体
12 レンズ
13 コントローラ
14 回転軸
15 回転ファイバー束
16 回転角検出パターン
17 回転角検出器

Claims (7)

  1. レーザ光を物体光と参照光とに分岐し物体光を変調して、上記の分岐された参照光から波面乱雑化素子を用いて生成された波面の乱雑な参照光と上記の変調された物体光とを記録媒体上で干渉させ、その干渉パタンを記録する際に、記録媒体の同一部分に記録情報ごとに乱雑パタンを変えた干渉光を用いて多重記録を行い、
    記録時とおなじ乱雑パタンをもった参照光を照射して、記録された情報を読み出すホログラムメモリ装置であって、
    記録情報ごとに乱雑パタンを変える方法は、上記の分岐された参照光が通過することによってその波面が乱雑になる波面乱雑化素子を、予め決められた軸の周りに回転することによるものであることを特徴とするホログラム多重記録装置。
  2. 波面乱雑化素子は、複数の光ファイバーの束からなるファイバー束、あるいは、曹灰硼石であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム多重記録装置。
  3. 波面乱雑化素子は、円筒形で、光の入射方向について予め定められた角度を有する軸の回りに回転することを特徴とする請求項2に記載のホログラム多重記録装置。
  4. 波面乱雑化素子は円筒形で、光の入射方向に平行な回転軸を有し、前記の回転軸に予め定められた角度をもって回転することを特徴とする請求項2に記載のホログラム多重記録装置。
  5. 波面乱雑化素子は、円形と楕円形の底面を持った円筒形で、前記の底面の中心を結ぶ回転軸の回りに回転し、光は、円形の底面から入射して、楕円形の底面部から出射することを特徴とする請求項2に記載のホログラム多重記録装置。
  6. 波面乱雑化素子は、円形と楕円形の底面を持った円筒形で、前記の底面の中心を結ぶ回転軸の回りに回転し、光は、楕円形の底面から入射して、円形の底面部から出射することを特徴とする請求項2に記載のホログラム多重記録装置。
  7. 請求項1ないし7のいずれかに記載のホログラム多重記録装置において、レーザ光は、波長可変のレーザ光源から得られたレーザ光であり、記録情報ごとに乱雑パタンを変えた干渉光を用いた多重記録を、異なる波長のレーザ光を用いてさらに多重化したことを特徴とするホログラム多重記録装置。
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