JP2006082649A - プログラム書き換えシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両に搭載された車両コンピュータシステムと車両外のセンタとからなり、車両コンピュータシステムがメモリ内のプログラムを上記センタから送信されてきたプログラムに書き換えるように構成されたプログラム書き換えシステムにおいて、車両コンピュータシステムは、プログラムの書き換えを実施する前に、車両の状態をプログラムの書き換えに適した状態に設定するための処理(S615〜S630)を行う。例えば、プログラム書き換えに関係のない機器の作動を禁止する。そして、車両コンピュータシステムは、その設定処理の完了後にプログラムの書き換えを実施する。このため、人による作業に頼ることなく、信頼性の高いプログラム書き換えを実現できる。
【選択図】 図12
Description
つまり、プログラム書き換えが保証される温度や電圧の条件が満たされていない状態でプログラムの書き換えを行った場合、プログラム書き換えを正常に行うことができない可能性がある。そして、プログラムの書き換えに失敗した場合には、コンピュータが機能しなくなり、車載ユニットを新たな製品に交換する必要が生じてしまう。また、プログラム書き換えが保証される温度や電圧の条件が満たされていない状態でプログラムの書き換えを行った場合、一時的にプログラム書き換えが正常に完了できたかのように振舞っても、時間が経過するとコンピュータが正常に機能しなくなる可能性もある。
そして、この構成によれば、プログラム書き換えの実施中に、特定の機器が作動してバッテリ電圧が変動し、延いてはプログラム書き換え対象のコンピュータに供給される電源電圧が変動してしまうことを防止することができ、車両の状態をプログラムの書き換えに適した状態に設定することができる。
そして、この構成によれば、プログラムの書き換え中に、特定の機器を作動させる操作が行われても、その操作によって本来ならば通電される機器へは電力が供給されなくなるため、バッテリ電圧が変動してプログラム書き換え対象のコンピュータに供給される電源電圧が変動してしまうことを防止することができ、車両の状態をプログラムの書き換えに適した状態に設定することができる。
図1に示すように、本実施形態のプログラム書き換えシステムは、車両に搭載された車両コンピュータシステム1と、その車両コンピュータシステム1に書き換え対象のプログラムを送信する情報センタ(以下単に、センタという)3とからなる。
尚、一般的なことなので図示は省略しているが、各ECU11〜26,…には、1つ又は複数のマイコン(マイクロコンピュータ)とメモリが少なくとも備えられている。そして、各ECU11〜26,…では、メモリに格納されているプログラムをマイコンが実行することにより、そのECUの動作が実現される。
まず図2に示すように、ドアシステム管理ECU21には、運転席ドアの開閉状態を検出する運転席カーテシスイッチ(SW)43と、助手席ドアの開閉状態を検出する助手席カーテシスイッチ44と、右後席ドアの開閉状態を検出する右後席カーテシスイッチ45と、左後席ドアの開閉状態を検出する左後席カーテシスイッチ46と、ラゲッジルームの開閉部(以下、ラゲッジドアという)の開閉状態を検出するラゲッジカーテシスイッチ47と、ユーザに携帯される電子キーとしての携帯機と無線通信を行うための通信機48と、運転席ドアを施錠(ロック)及び解錠(アンロック)させる運転席ドアロックモータ50と、助手席ドアを施錠及び解錠させる助手席ドアロックモータ51と、右後席ドアを施錠及び解錠させる右後席ドアロックモータ52と、左後席ドアを施錠及び解錠させる左後席ドアロックモータ53と、ラゲッジドアを施錠及び解錠させるラゲッジロックモータ54とが接続されている。
図7に示すように、ナビゲーションECU15は、書き換え制御動作として、プログラム書き換えの開始判定処理(S110)と、センタ3からプログラムをダウンロードするダウンロード処理(S120)と、プログラム書き換えモードへの移行処理(S130)と、車両の状態がプログラムの書き換えに適しているかいないかを確認する車両状態の確認処理(S140)と、車両の状態をプログラムの書き換えに適した状態に設定する車両状態の設定処理(S150)と、プログラム書き換え対象のマイコン(以下、ターゲットマイコンともいう)にプログラムを書き換えさせるプログラム書き換え処理(S160)と、プログラムの書き換えが正常に完了したか否かを確認するプログラム書き換え完了の確認処理(S170)と、プログラムの書き換えが正常完了したことをユーザやセンタ3へ通知するプログラム書き換え完了の通知処理(S180)とを実施する。尚、プログラム書き換えの開始判定処理(S110)とプログラムのダウンロード処理(S120)は、順番が入れ替わっても良い。
図8に示すように、ナビゲーションECU15は、まずS210にて、通信端末7を介してセンタ3と通信することにより、センタ3(詳しくは、その制御部42)に書き換え対象プログラム(つまり、更新すべき新バージョンのプログラム)があるか否かを判断する。例えば、センタ3からプログラム書き換え要求通知があった場合に、このS210にて、書き換え対象プログラムがあると判断する。また、ユーザがナビゲーション装置等の操作ボタンを操作して、プログラム更新が必要か否かを問い合わせる入力を行ったことを検知すると、センタ3へ書き換え対象プログラムがあるか否かを問い合わせ、その返事に基づいて、書き換え対象プログラムがあるか否かを判断するようにしても良い。また、ユーザの操作によらず、定期的にセンタ3へ書き換え対象プログラムがあるか否かを問い合わせるようにしても良い。
そして、図9に示すように、まずS310にて、ユーザへプログラムのダウンロードを実施することを通知する。
即ち、プログラムのダウンロードに関わる無線通信能力及びコンピュータの処理負荷を確保する為に、例えば、オーディオECU26やディスプレイECU23へ指令して、AV系機器の操作を全般にわたり禁止する(つまり、AV系機器の操作が行われても、その操作に対応する機能が行われないようにする)。また、このような機能制限と共に、ユーザへ、AV系機器の操作に関する制限内容を通知する。
そして、次のS350にて、ダウンロードしたデータに対してパリティチェックなどの検査を実施することにより、ダウンロードが正常に完了したか否かを判定し、ダウンロードが正常完了したならば(S350:YES)、次のS360にて、ダウンロードが完了したことをユーザに通知すると共に、上記S320で実施していた機能制限を解除するために、他のECUへダウンロード完了通知を送信する。つまり、他のECUは、ダウンロード完了通知を受信すると、上記S320でナビゲーションECU15が出した指令に基づき実施していた機能の禁止を解除する。
また、例えばS320とS330との間で、ユーザがダウンロードの開始を許可したか否かを、ユーザによるボタン操作や音声入力などで判断し、ユーザの許可が得られなければ、上記S320での機能制限を解除すると共に、ダウンロードを中止するようにしても良い。
即ち、他の全ECUへ、プログラムの書き換えを開始することと、ターゲットマイコンがどのECUのどのマイコンであるのかを示すターゲット識別情報と、後述するS620及びS630の処理によって作動が禁止されることとなる機能、ECU及び電気負荷を表す禁止内容情報とを通知する。
ここで、作動禁止対象機器とは、プログラムの書き換えには関連しない(換言すれば、影響が無い)機器であって、プログラム書き換えの実施中に作動を禁止すべき機器である。そして、プログラムの書き換えに関連しないECUを除くと、主に、作動することで一時的又は定常的に消費電流が大きくなる電気負荷が、作動禁止対象機器として決定される。そして更に、この作動禁止対象機器としては、後述するS620で電力供給を遮断することにより、その作動を禁止する第1種機器と、後述するS630でその機器を制御するECUに、その機器を作動させないようにすることにより、その作動を禁止する第2種機器とがある。
まず、車両コンピュータシステム1のECUのうち、本プログラム書き換えシステムが適用された全ての車両に搭載される特定のECU(例えばエンジンECU11又はナビゲーションECU15)のデータ用不揮発性メモリには、自車両の車種を表す車種識別情報と、車種毎の作動禁止対象機器を記録した情報マップとが予め記憶されている。このため、S617では、上記データ用不揮発性メモリから車種識別情報を読み出して、自車両の車種を特定し、上記データ用不揮発性メモリ内の情報マップから上記特定した車種に該当する作動禁止対象機器を検索するのである。
まず、図7におけるS110〜S130の処理(図8〜図10の処理)が実施されず、その代わりに、プログラム書き換えを実施する際には、工場やディーラーといった特定の作業場にて、作業者が、スキャンツール91を車両内の通信線(この例では、通信線33)にコネクタ(図示省略)を介して接続する。
Claims (20)
- 車両に搭載されたコンピュータシステム(以下、車両コンピュータシステムという)と、その車両コンピュータシステムへ書き換え対象のプログラムを送信する車両外のプログラム供給手段とからなり、前記車両コンピュータシステムが、メモリ内のプログラムを前記プログラム供給手段から送信されてきたプログラムに書き換えるように構成されたプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムがプログラムの書き換えを実施する前に、前記車両の状態をプログラムの書き換えに適した状態に設定するための設定処理を行う状態設定手段を備え、
前記車両コンピュータシステムは、前記状態設定手段による設定処理の完了後に、プログラムの書き換えを実施するように構成されていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、前記設定処理として、特定の機器が作動するのを禁止すること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項2に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、前記設定処理として、前記特定の機器への電力供給を遮断すること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムは複数のコンピュータを備えており、
前記状態設定手段は、前記設定処理として、プログラムの書き換えに関連するコンピュータには電力を供給し、プログラムの書き換えに関連しない少なくとも1つ以上のコンピュータへの電力供給は遮断すること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、前記設定処理として、前記車両の電源スイッチの操作を無効にすること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、前記設定処理として、特定の機器を作動させるための操作を無効にすること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項6に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、エンジン始動用のスタータモータを作動させる操作と、ワイヤレスによりドアロックモータを作動させる操作と、パワーウィンドウを作動させる操作と、ライトを点灯させる操作と、ワイパーを作動させる操作と、ウィンドウウォッシャモータを作動させる操作とのうちの、少なくとも1つを無効にすること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムは、前記プログラム供給手段と通信線を介して通信可能に接続されるように構成されていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムは、前記プログラム供給手段と無線で通信するように構成されていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項9に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、前記車両の状態を、その車両のドアロック機能が正常に作動する範囲内で設定すること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項9に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段は、前記車両の状態を、その車両への不正行為を検知して警報するセキュリティ機能が正常に作動する範囲内で設定すること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段の設定処理によって作動しなくなる機能を、使用者又は作業者に通知する非作動機能通知手段を備えていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項12の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段が前記設定処理を完了させることができない場合に、そのことを使用者又は作業者に通知する設定不成功通知手段を備えていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項13の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態設定手段が前記設定処理を開始する前に、前記車両の状態がプログラムの書き換えに不適切な状態であるか否かを判定する状態判定手段を備えると共に、
前記車両コンピュータシステムは、前記状態判定手段により前記車両の状態がプログラムの書き換えに不適切な状態であると判定されたならば、プログラムの書き換えを中止するように構成されていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項14に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態判定手段は、
前記車両に搭載されたバッテリの電圧と、そのバッテリの劣化状態と、プログラム書き換え対象のコンピュータ又は該コンピュータが搭載されたユニットに供給されている電源電圧と、前記車両の外気温度と、前記車両の室内温度と、前記車両のエンジンが停止してからの経過時間と、前記車両のイグニッションキーシリンダにおけるキーの操作位置と、前記車両の現在位置と、前記車両が存在する場所での有事情報とのうちの、少なくとも1つに基づいて、前記車両の状態がプログラムの書き換えに不適切な状態であるか否かを判定すること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 車両に搭載されたコンピュータシステム(以下、車両コンピュータシステムという)と、その車両コンピュータシステムへ書き換え対象のプログラムを送信する車両外のプログラム供給手段とからなり、前記車両コンピュータシステムが、メモリ内のプログラムを前記プログラム供給手段から送信されてきたプログラムに書き換えるように構成されたプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムがプログラムの書き換えを実施する前に、前記車両の外気温度と、前記車両の室内温度と、前記車両のエンジンが停止してからの経過時間と、前記車両の現在位置と、前記車両が存在する場所での有事情報とのうちの、少なくとも1つに基づいて、前記車両の状態がプログラムの書き換えに不適切な状態であるか否かを判定する状態判定手段を備えると共に、
前記車両コンピュータシステムは、前記状態判定手段により前記車両の状態がプログラムの書き換えに不適切な状態であると判定されたならば、プログラムの書き換えを中止するように構成されていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項14ないし請求項16の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記状態判定手段により前記車両の状態がプログラムの書き換えに不適切な状態であると判定された場合に、そのことを使用者又は作業者に通知する不適状態通知手段を備えていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項17の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムは複数のコンピュータを備えており、
更に、当該プログラム書き換えシステムには、プログラム書き換え対象のコンピュータが前記複数のコンピュータのうちの何れであるかを他のコンピュータに通知する書換対象通知手段が備えられていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項18の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムがプログラムの書き換えを正常に完了した場合に、そのことを使用者又は作業者に通知する正常完了通知手段を備えていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。 - 請求項1ないし請求項19の何れか1項に記載のプログラム書き換えシステムにおいて、
前記車両コンピュータシステムがプログラムの書き換えを正常に完了しなかった場合に、そのことを使用者又は作業者に通知する書換不成功通知手段を備えていること、
を特徴とするプログラム書き換えシステム。
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