JP2006081802A - 次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法及びそれに用いる装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 悪臭物質収容施設内に次亜塩素酸含有水の微粒子を噴霧して、悪臭の拡散を抑制し、効果的に殺菌・消臭できる次亜塩素酸含有水による殺菌・消臭方法及びそれに用いる装置を提供。
【解決手段】 水道水等の原水へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加して、pH3〜8、残留塩素濃度が0.5〜500ppmの次亜塩素酸含有水を生成させ、得られた次亜塩素酸含有水を霧状水粒子にして、これを悪臭物質収容施設に噴霧又は放出することにより、悪臭が空気中へ拡散することを抑制しながら、殺菌・消臭することを特徴とする次亜塩素酸含有水による殺菌・消臭方法などによって提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法及びそれに用いる装置に関し、さらに詳しくは、悪臭物質収容施設の空間や収容された生ゴミ、堆肥などに次亜塩素酸含有水の微粒子を噴霧して、悪臭の拡散を抑制しながら効果的に殺菌・消臭できる次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法及びそれに用いる装置に関する。
一般廃棄物(生ゴミ)を含むゴミ置き場においては、従来から悪臭の発生、周辺への拡散が問題になっている。
生ゴミ(以下、単にゴミともいう)の成分は、地域差などがあり一概には言えないが、残飯などに含有される水分が45〜50%、金属やセラミックス系の灰分が5〜10%、紙や木質などの可燃物が50〜55%程度とされている。この残飯などからは、飲食物の腐敗に伴う悪臭が発生し、ゴミを出す際、回収する際、焼却炉にて処理する際にゴミ袋から悪臭がモレ出て、清掃作業員だけでなく地域住民や通行人などへの不快感を惹起していた。また、屋外のゴミ置き場では、カラスがゴミ袋を漁ってゴミを散乱させ後始末を要するという問題が増えている。
このような状況にあって、マンションなどが併設しているゴミ置き場(倉庫)では、芳香剤を設置してゴミの臭いをマスキングすることが行われているが、殺菌・消臭を同時にしかも短時間で行うことができず、有効な悪臭除去策がなかったというのが現状である。
ゴミは、一般に専用のゴミ収集車(パッカー車といわれる車両)で、ゴミ収集施設(ピット)に搬入されており、その投入口は、投入されるゴミと、下方から舞い上がるゴミによって多量の悪臭が発生する。これによって、運転手だけでなく、その周辺で働く作業員の環境を極めて劣悪なものとしていた。
このような場所では、生ゴミから発生するアンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、硫化メチルやメチルメルカプタンなどの窒素又は硫黄含有化合物、さらには各種雑菌類が空気中へ放出される。また、作業場では、ゴミ収集車が排気ガスを撒き散らすことによって、肺がん、気管支ぜんそく、アレルギー病など極めて深刻な病気を招くことも危惧されていた。
そのため、大規模なゴミ焼却場における悪臭ガスの消臭技術として、水洗浄、酸洗浄あるいはアルカリ洗浄などによる洗浄法、オゾンによる酸化法、活性炭などによる吸着法、燃焼法等種々の方法が開発され、それぞれ実用されている。
大規模なゴミ焼却場では、例えば、有機廃棄物から発生する悪臭ガス中の臭気成分を除去するために、酸液処理室と、オゾン処理室と、活性炭処理室とをこの順に組み合わせた消臭装置が提案されている(特許文献1参照)。これによれば、悪臭ガスの通路にデミスタを設けるので、悪臭ガスの漏出と活性炭処理室での雑菌の繁殖が抑えられ、長期間安定して消臭処理が行えるものと期待される。しかしながら、オゾンは分解して殺菌効果が早期に失われてしまい、また、活性炭は比較的高価で、また再生作業が必要であるために、処理コストが負担になる。
一方、病院や介護関連の公共的な施設や食品加工場などのゴミ置き場においては、安全衛生上の観点から消毒剤を使用する屋内殺菌が検討され、一部で実施されている。
消毒剤としては、水溶液中で次亜塩素酸ナトリウムの一部が解離して次亜塩素酸(HOCl)になった次亜塩素酸含有水が、塩素化反応又は酸素化反応を起こすことにより顕著な殺菌効果を発揮すると言われている。
ところが、次亜塩素酸の発生を促すために塩酸などの酸を一緒にすると有毒ガスが発生するので危険である。仮に安全性を確認して調合することができたとしても、この調合作業は煩わしく、しばしば作業員が次亜塩素酸ナトリウム水溶液や塩酸水溶液の液量の確認を忘れていて、次亜塩素酸含有水がタンクに貯蔵されておらず殺菌できないという事態が頻発していた。
そこで、殺菌性の次亜塩素酸含有水を連続的に生成させ、これに高温蒸気や超音波などを作用させることにより、霧状の微小粒子にして放出する屋内の殺菌方法が提案されている(特許文献2参照)。これにより、次亜塩素酸含有水を粒径0.5〜50μmを主体とする霧状水粒子にし、噴霧することにより天井や壁はもちろん空中も同時に殺菌ができ、しかも、水滴を生じない湿度で充分に殺菌効果が得られるようになった。
ところが、この方法は、病院などの施設の屋内を殺菌することを目的としており、ゴミからの悪臭を除去することを意図しておらず、発生した次亜塩素酸含有水の霧が装置の放出口付近に集中してしまうので、ゴミ置き場一帯を消臭するには長時間かかるだけでなく、大量の次亜塩素酸含有水を消費するという問題がある。また、次亜塩素酸含有水は、においがきつく、腐食力が強く、使い方によっては人肌に対して危険性があるなどという欠点も完全には克服されていなかった。
このようなゴミ置き場における状況は、通常、悪臭物質を袋に収容しないということを除けば、有機質肥料置き場や堆肥製造施設においても同様である。しかも、悪臭の度合いは有機質肥料置き場や堆肥製造施設のほうが強烈である。しかし、これらの場所で悪臭を効率的に抑制できる手段は殆ど採られていないのが現状である。
このような状況にあって、前記のようなゴミ置き場などの悪臭物質収容施設における悪臭の発生と拡散を抑制することにより、これまで清掃や悪臭物質を扱う作業員や施設の近隣住民などの不満を取り除くことができる殺菌・消臭方法、それに用いることができる装置の出現が切望されていた。
特開平11−207138号公報 特開平10−316517号公報
従って、本発明の主たる目的は、次亜塩素酸含有水を微粒子として噴霧することにより、悪臭物質収容施設の天井や壁はもちろん空中も同時に殺菌でき、しかも、悪臭物質収容施設の空間やゴミなどに噴霧することで、薬害を発生させることなく作業員の健康を保全できる殺菌・消臭方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、次亜塩素酸含有水を微小な粒子の霧にして大量に、しかもタイムリーに悪臭物質収容施設に噴霧・散布でき、殺菌・消臭効率を向上させる上記の方法に用いられる殺菌・消臭装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ね、次亜塩素酸含有水が強い殺菌力、消臭力を発揮することに着目し、水道水等の原水へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加して、特定のpH値、かつ残留塩素濃度の次亜塩素酸含有水を生成させ、得られた次亜塩素酸含有水を霧状水粒子にして、これを悪臭物質収容施設に噴霧又は放出することにより、悪臭が空気中へ拡散することを抑制しながら、ゴミ焼却場をはじめ、マンション、アパート、病院、食品加工工場などに併設されたゴミ置き場(倉庫)だけでなく、有機質肥料置き場や堆肥製造施設においてもゴミや堆肥などの殺菌、消臭を行なえることを確認して、本発明を完成した。
上記第1の目的を達成するために、本発明は、水道水等の原水へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加して、pH3〜8、残留塩素濃度が0.5〜500ppmの次亜塩素酸含有水を生成させ、得られた次亜塩素酸含有水を霧状水粒子にして、これを悪臭物質収容施設又はその空間に噴霧又は放出することにより、悪臭が空気中へ拡散することを抑制しながら、殺菌・消臭することを特徴とする。
そして、その悪臭物質が生ゴミ、有機質肥料又は堆肥であることを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために、本発明の装置は、水道水等の原水を供給する原水給水管路と、この給水管路へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加し、所定のpH値及び残留塩素濃度の次亜塩素酸含有水を生成する手段と、生成した次亜塩素酸含有水を加圧給水し、霧状水粒子として噴出する第一の噴霧手段と、次亜塩素酸含有水を収容するタンクと、このタンク内の次亜塩素酸含有水を加圧給水し、霧状水粒子として噴出する第二の噴霧手段を具備したことを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために本発明の他の装置は、さらに、悪臭物質収容施設への車両の進入やドアの開閉を検知するセンサー、検知した信号を噴霧手段に伝送する手段を備えてなることを特徴とする。
本発明の殺菌・消臭方法は、次亜塩素酸含有水の微粒子を悪臭物質収容施設または空間に噴霧して殺菌・消臭するため、従来のオゾンや活性炭を用いた方法よりも低コストで、悪臭物質収容施設全体の殺菌・消臭が可能になり効率が著しく向上する。
噴霧される次亜塩素酸含有水は、反応性が高く、反応後は空気中で単なる水分に戻り、残留性が少ない。従って、環境、人体に安全であり、従来の消毒剤とは全く違った水の感覚で使用できるとともに、強力な消臭力により、水滴が生ずるほどの高い湿度にして噴霧する必要がないので、人がいる場所でも、そのまま殺菌・消臭作業ができる。
本発明の殺菌・消臭装置は、次亜塩素酸含有水を生成し、必要に応じていつでもゴミや有機質肥料などのある空間に噴霧できるとともに、次亜塩素酸含有水を一旦タンクに蓄え、これをゴミ集積所や堆肥製造所などに噴霧する手段を備えていることから、悪臭が空気中に拡散することを抑制できるだけでなく、作業員の健康を保全できるという効果がある。
以下に、本発明の次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設などの殺菌・消臭方法及びそれに用いる装置を詳細に説明する。
本発明において、悪臭物質収容施設とは、狭義には前記生ゴミなどが置かれ、あるいは搬入される場所を意味するが、これら生ゴミが原材料として扱われる有機質肥料置き場や堆肥製造施設なども含まれるものとする。したがって、後者にあっては、以下、ゴミを有機質肥料や堆肥と読み替え、悪臭物質収容施設を有機質肥料置き場や堆肥製造施設と読み替えることは言うまでもない。
1.次亜塩素酸含有水による殺菌・消臭方法
本発明の方法は、水道水等の原水へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加して、特定のpH値、残留塩素濃度の次亜塩素酸含有水を生成させ、得られた次亜塩素酸含有水を平均粒径が特定範囲の霧状水粒子にして、これを悪臭物質収容施設などに噴霧又は放出することにより、悪臭が空気中へ拡散することを抑制しながら殺菌・消臭する方法である。
すなわち、本発明では、まず、(1)特定のpH値、残留塩素濃度の次亜塩素酸含有水を生成し、次に、(2)調製された次亜塩素酸含有水をタンクに供給しながら、(3)次亜塩素酸含有水の生成装置および/またはタンクに接続された噴霧手段から次亜塩素酸含有水を悪臭物質収容施設内に噴霧し、(4)必要により、タイマーを用いて所望の時間噴霧を行うものである。
(1)次亜塩素酸含有水の調製
まず、原水に次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸などの酸性水溶液を添加・混合して、pH3〜8、残留塩素濃度が0.5〜500ppmの次亜塩素酸含有水を調製する。
塩素ガスの発生を抑え、有効な殺菌力、消臭力が得られる次亜塩素酸含有水を生成するには、生成工程中のpH管理と残留塩素濃度の濃度管理が重要である。
原水に次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸などの酸性水溶液を添加・混合することにより、水中に塩素が遊離するが、水中の遊離残留塩素は、水のpH値によって形態が変化する。すなわち、pH値が2以下では約30%が塩素ガス(Cl)の形で存在するのに対し、pH3程度ではその90%以上が次亜塩素酸の形で存在し、塩素ガスの形で存在するのは残りの分だけになる。また、pH4.5〜5.5の範囲では遊離残留塩素の100%が次亜塩素酸の形で存在し、さらに、pH8程度では約20%が次亜塩素酸の形で存在し、残りは次亜塩素酸イオン(ClOイオン)の形で存在する。
次亜塩素酸は、強い殺菌力、消臭力を有し、0.5ppmというきわめて低い濃度でも殺菌剤、消臭剤として有効に機能する。ただし、500ppmを超えると殺菌力が強くなりすぎて肌に触れると逆効果になるので好ましくない。
そこで、本発明では、給水管路を流れる水道水などの原水に次亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸などの酸性水溶液を添加する工程において、塩素ガスの発生が小量か、あるいは発生しないpH3〜8に次亜塩素酸含有水が保持され、且つ、残留塩素濃度が0.5〜500ppmを保つように添加量を調整して混合するのである。
原水に次亜塩素酸ナトリウムと酸を同時に添加すると局部的に急激な反応がおこり、塩素ガスが発生し易くなるため、まず給水管路の上流側で一方の薬液を添加し、よく混合してから他方の薬液を添加すれば、次亜塩素酸ナトリウムと酸が緩やかに反応するので塩素ガスが発生しにくくなる。
すなわち、原水に酸を添加し、pH2以上に調整した後に、次亜塩素酸ナトリウムを添加するようにしてもよい。また、原水の流量に応答して、薬液添加量を調整することを併用することも可能である。
本発明の方法では、上記のように次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)に塩酸などの酸水溶液を添加・混合して調製するが、必ずしもこれに限定されず、塩化ナトリウム水溶液などの塩化物イオン含有水溶液を電気分解することによって調製してもよい。
なお、次亜塩素酸含有水の原水としては、水道水、井戸水、河川水、雨水等が挙げられ、このうち安定的に供給できることから水道水が最も好ましい。また、酸性水溶液としては、塩酸、硫酸、酢酸などの鉱酸を使用できるが、塩酸は食品添加物として用いられており、安全かつ安価で入手しやすいことから最も好ましく使用できる。
(2)次亜塩素酸含有水の貯蔵
得られた次亜塩素酸含有水は、その一部を生成装置から管路を通じて専用のタンクへ移送して貯蔵する。悪臭物質収容施設の殺菌・消臭が必要なとき、すぐに次亜塩素酸含有水を噴霧できるようにするためである。
その際、タンクの水量又は圧力を検出して原水給水管路の開閉弁を開閉制御すれば、次亜塩素酸含有水を所定の濃度に希釈することができる。こうして、ゴミの種類や量に応じた濃度の次亜塩素酸含有水を噴霧装置に供給することができる。
(3)次亜塩素酸含有水の噴霧
調製された次亜塩素酸含有水は、悪臭物質収容施設に投入されるゴミに噴霧するとともに、タンクに貯蔵された次亜塩素酸含有水も悪臭物質収容施設内に噴霧する。
噴霧に際しては、次亜塩素酸含有水がゴミに集中的に降りかかり、清掃作業員には降りかからないように噴霧手段を配置する以外は、特に事前に行う作業はない。悪臭物質収容施設では、風向き、風量などの気流の条件に特に注意を払わねばならない。
次亜塩素酸含有水の残留塩素濃度は、臭気の強さ、ゴミの種類、量などによっても異なるので一概にはいえないが、例えば、0.5〜500ppm、特に1〜200ppm、さらには3〜100ppmとすることが好ましい。0.5ppm未満では殺菌力、消臭力が不十分であり好ましくない。一方、500ppmを越えると経済性が悪化する。
次亜塩素酸含有水をゴミ全体に噴霧しても良いし、臭いの強いゴミとその周辺(空間)に対して集中的に噴霧しても良い。特に好ましいのは、悪臭物質収容施設の空間に噴霧して悪臭物質から出るガスを分解することである。所望の殺菌・消臭性能が一度に得られない場合は、数回に分けて間欠的に噴霧してもよい。
本発明では、次亜塩素酸含有水を霧状水粒子化するので、空気中に飛散した臭い物質に結合し易くするとともに、悪臭物質収容施設の全域に行きわたらせることができる。霧状水粒子の平均粒径は、特に限定されるわけではないが、悪臭物質収容施設の空間に噴霧する場合は1〜80μmに微細化することが好ましい。1μm未満では、殺菌力の面では問題ないが飛散しやすく、悪臭ガスに接触しない場合が生じ、80μmを超えても、表面積が小さくなり効果が低減する場合がある。
本発明においては、上記次亜塩素酸含有水を、悪臭物質収容施設の一帯、すなわち空中、天井、壁、床を含む室内全体に行き渡らせることが望ましい。悪臭物質収容施設に堆積しているゴミに対しては、単位時間当たりにすると少量でよいが、比較的長時間かけて噴霧することが必要である。この場合、次亜塩素酸含有水は殺菌力、消臭力が強いので、天井や壁に殺菌水の水滴がつくほど噴霧しなくとも充分な効果が得られる。
臭気が発生しやすく雑菌が繁殖しやすい雰囲気温度は、ゴミの種類によっても異なるが、高温になるほど顕著であり、なるべく20℃以下であることが望ましく、特に15℃以下が望ましい。したがって、噴霧作業は、室温より低い比較的湿度が高い雰囲気中で比較的短時間のうちに行うことが望ましい。
次亜塩素酸含有水の濃度は、ゴミの種類や状況によって適宜変えることができる。すなわち、臭気が強いゴミの場合は次亜塩素酸含有水濃度を比較的高めにし、臭気が弱い場合は濃度を薄くすることができる。このようにすれば、次亜塩素酸含有水の供給量をあまり増加させることなく、しかも十分な殺菌力、消臭力を持たせることが可能となる。
(4)処理時間の制御
悪臭物質収容施設では、センサーがゴミ収集車の進入を検知してから噴霧を開始し、投入終了後、所定の臭気まで低減したところで噴霧を終了することができる。したがって、噴霧時間は、悪臭物質収容施設の規模、投入されるゴミの量、製造される堆肥の量などによって異なるが、タイマーを用いて管理することができる。
有機質肥料置き場や堆肥製造施設においては、有機質肥料や堆肥の攪拌装置を連動させることが望ましい。攪拌装置が作動することで有機質肥料や堆肥からは強烈な悪臭が発生するが、500ppmまでの比較的高濃度の次亜塩素酸含有水を噴霧することで効果的に消臭することができる。
消臭後のゴミは、焼却炉において燃焼処理される。ゴミへ噴霧される次亜塩素酸含有水の量は僅かであり、消臭後、大半が水として逸散してしまうので、残留塩素によってダイオキシンが発生する恐れや、汚水処理装置への影響は極めて少ない。また、有機質肥料や堆肥の場合は、悪臭が強烈なのでゴミの場合よりも多量の次亜塩素酸含有水を用いることになるが、同様に消臭後、大半が水として逸散してしまう。
2.殺菌・消臭装置
本発明の殺菌・消臭装置は、上記の方法を効率的に実施するための装置であって、水道水等の原水を供給する原水給水管路と、この給水管路へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加する手段と、所定のpH値及び残留塩素濃度の次亜塩素酸含有水を生成する手段と、生成した次亜塩素酸含有水を霧状水粒子として噴出する第一の噴霧手段と、次亜塩素酸含有水を収容するタンクと、このタンク内の次亜塩素酸含有水を加圧給水し、霧状水粒子として噴出する第二の噴霧手段を具備している。
本発明の装置には、さらに、悪臭物質収容施設への車両の進入やドアの開閉を検知するセンサー、検知した信号を噴霧手段に伝送する手段を備えることにより、一層好ましい性能を有するものとなる。また、有機質肥料置き場や堆肥製造施設においては、有機質肥料や堆肥の攪拌装置を連動させる手段を備えることにより、一層好ましい性能を有するものとなる。
すなわち、本発明の殺菌・消臭装置は、次亜塩素酸含有水を生成する手段(A)、次亜塩素酸含有水を収容するタンク(B)、第一の噴霧手段(C)、および第二の噴霧手段(D)を具備している。
図1は、本発明の次亜塩素酸含有水による殺菌・消臭装置を示している。次亜塩素酸は、生成装置1で製造され、第一の噴霧手段2からゴミに直接噴霧されるとともに、一旦、タンク10にて貯蔵され、第二の噴霧手段3からもゴミに対して噴霧されるよう構成されている。
本発明の装置を設置する場所は、殺菌・消臭を必要とする悪臭物質収容施設であれば特に限定されない。すなわち、悪臭物質収容施設は屋外、屋内のいずれでもよく、家庭からのゴミを置く小規模なゴミ置き場でも、事業所などから多量に排出されるゴミの置き場でも、さらには自治体の大規模なゴミ焼却場のゴミ置き場(ピット)、有機質肥料置き場や堆肥製造施設であってもよい。
(A)次亜塩素酸含有水を生成する手段
本発明において、次亜塩素酸含有水を生成する手段は、水道水などの原水給水管路1aと、薬液タンク20から所望の濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を添加する次亜塩素酸ナトリウム添加手段21と、別の薬液タンク22から塩酸などの所望濃度の酸性水溶液を供給する酸添加手段23を有する。
本発明において、pH3〜8、次亜塩素酸濃度0.5〜500ppmの次亜塩素酸水を生成するには、市販の装置を用いることができるが、特に好ましいのは、テクノマックス社の弱酸性次亜塩素酸希釈水連続生成装置、ハセッパー(登録商標)H−1500などである。
給水管路1aに流量検出装置を有するとともに、その検出信号に応答して次亜塩素酸ナトリウムの添加手段21と酸添加手段23のポンプ送り量を調整する制御部を備えることにより、次亜塩素酸ナトリウムと酸の添加量を自動的に制御できる。また、次亜塩素酸ナトリウムの添加手段21と酸添加手段23には、給水管路に次亜塩素酸ナトリウムと酸が逆流しないように、逆止弁などの安全装置を設けることが望ましい。
原水に添加される次亜塩素酸ナトリウムと酸は、それぞれ所定量をよく混合することにより塩素ガスの発生を抑え、且つ次亜塩素酸(HClO)を含む殺菌水を生成させる。このため、給水管路1aの内部に邪魔板を配した混合筒などの混合部を介装してもよい。これは、給水管路1aの途中を二股にし、原水に対し、次亜塩素酸ナトリウムと酸を別々に添加・混合した水を混合筒で混合し、次亜塩素酸ナトリウムと酸が緩やかに反応させるものである。
給水管路1aの上流側の水に一方の薬液(図では酸性水溶液)を添加した後、混合筒の水位に対応して他方の薬液(図では次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を小分けして、徐々に添加してもよい。このために、次亜塩素酸ナトリウム添加手段21の供給パイプの先を複数の枝管に分岐し、各々の枝管を混合筒の長手方向(流れ方向)に沿って、間隔をあけて接続してもよい。
以上のように、本発明では原水に次亜塩素酸ナトリウムと酸を添加して次亜塩素酸を含む殺菌・消臭水を生成するに際し、生成される殺菌水のpH値を3〜8に規制して塩素ガスの発生を抑制するが、必要により、混合筒の下流側に塩素ガス吸収部を設けてもよい。
悪臭物質収容施設の用途、規模や環境などによって、必要とされる噴霧量があるので、それに応じて噴霧量が最適な次亜塩素酸含有水発生装置を選択することが望ましい。すなわち、ゴミの搬入量が多い場所、悪臭物質の発生量が多い場所には、次亜塩素酸発生量が大きい装置を設置することが望ましい。このようなものに、テクノマックス社から市販されている弱酸性次亜塩素酸希釈水連続生成装置、ハセッパー(登録商標)H−1500などが挙げられる。
(B)タンク
本発明では次亜塩素酸含有水発生装置からの殺菌・消臭水を貯蔵する貯水タンク10を設けている。給水管路1aに開閉弁を設けるとともに、混合部の下流側の殺菌・消臭水供給管路1bにも、内部の水量又は圧力を検出してその検出信号で開閉制御する開閉弁を設けることができる。これにより、給水管路1aの給水量は、蛇口の取水量に影響されなくなり、給水管路1aを流れる水量は常に一定量に保持され、前記薬液添加の制御が容易かつ簡略になる。
また、タンク10は、貯えられる次亜塩素酸水溶液の液面を一定の水位に規制するためのオーバーフロー手段を設けることができ、タンクの底部を貫通させて先端を前記一定の水位に設定した中空パイプで液面計を構成してもよい。
タンクのサイズは、悪臭物質収容施設の規模にもよるが、所期の消臭効果を得るのに十分な量の次亜塩素酸含有水を貯蔵できなければならない。タンクの底部には、超音波振動子を設置し、ここで超音波を作用させても良い。超音波霧化装置は、超音波振動子からタンクの殺菌・消臭水水面に向けて超音波を発振することにより、殺菌・消臭水を微粒子化することができる。なお、タンクは、単数でなく複数でもよく、複数の場合、一つを主タンクとし、その他を予備タンクとして用いても良い。生成された次亜塩素酸水の濃度が、例えば100ppmまでの次亜塩素酸含有水を貯蔵するタンクと、100ppmを超える次亜塩素酸含有水を貯蔵するタンクとに分けても良い。
(C)第一の噴霧手段
本発明において、第一の噴霧手段は、上記生成された次亜塩素酸含有水を噴射ノズルに供給してゴミに噴霧する手段である。生成された次亜塩素酸水は、第一の噴霧手段であるノズル装置において、例えば空気圧送器から圧送される空気に混合される。
ノズル装置は、次亜塩素酸水を霧状水粒子に微細化して噴霧できるものであれば特に限定されない。ノズル装置の一例として、殺菌・消臭水の通路の近傍に電極を有し、この電極に電圧を印加することにより内部を通る次亜塩素酸含有水又はその霧状水粒子に電荷が付与されるものを挙げることができる。
このようにして電圧をかけ、電荷を付与しながら噴霧することにより、霧状水粒子は、粒子についた電子間で引き合い、空気中のゴミやほこり、菌等に吸着し易くなるとともに、天井、壁、カーテンなどの表面に付着し易くなり、悪臭物質収容施設内の殺菌効果を高める作用がある。尚、ノズル装置の電極への印加電圧は、300〜800V(静電気)を付与すると霧状水粒子を均一に噴霧するのに都合が良い。
このようにして生成された次亜塩素酸含有水の霧状水粒子は、噴霧手段からゴミまたは空間に向けて放出され、気流に乗って殺菌・消臭作用を与える。
(C)第二の噴霧手段
本発明における第二の噴霧手段は、上記タンクに蓄えられた次亜塩素酸含有水をポンプにより加圧給水し、噴射ノズルに供給して、悪臭物質収容施設に収容されたゴミまたは空間に噴霧する手段である。このためには、タンクから噴射ノズルに繋がる管路に圧縮空気を供給する管路を接続することができる。
これにより、噴射ノズルから次亜塩素酸含有水を圧縮空気とともに噴出させることができる。この方法に好適な噴射ノズルは、次亜塩素酸含有水を霧状水粒子として噴出できるものであれば、特に限定されない。
例えば遠心噴霧機の回転体を用いることができる。この遠心噴霧機用回転体は、円板の円周縁辺に沿って多数の翼片を円板に対して垂直に且つ、所定角度、所定間隔で固設し、各翼片の先端側を補強リングで一体化したものである。
高速(例えば5,000〜50,000rpm)で回転させた上記遠心噴霧機用回転体の円板の中心に前記次亜塩素酸含有水を供給すると、次亜塩素酸含有水は遠心力により円板の面を薄い層となって広がり、翼片面によってさらに薄い層と化した後、外側に吹き飛ばされることにより、供給した次亜塩素酸含有水のほとんどが、例えば80μm以下の超微細ミストに霧化される。
本発明においては、霧化された次亜塩素酸水溶液を、高速の噴射気流に吸引させてより遠くへ運ぶようにすることが望ましい。従って、霧通路からの噴霧流よりも外筒からの噴射気流が高速になるように、各々の送風断面積あるいは送風装置の風力を設計される。また、上記の目的から、次亜塩素酸水溶液の霧と噴射気流は常に同じ方向を向き、方向を変えるときも水溶液噴霧流と噴射気流が同時に同じ方向へ変わるように構成することができる。
本発明においては、悪臭物質収容施設の用途や広さなどに応じて様々なサイズの噴霧装置を使用できる。ただし、噴霧効率や取り扱い性を考慮すれば、専用に開発された前記のような市販の装置を選択することが好ましい。
噴霧性能の大きな装置を採用すれば、多量の噴霧量が確保されるため、広範囲に噴霧を作用させることができ消臭効果も向上する。一方、噴霧量が小さい装置を採用すれば、少量の噴霧しか得られないが、狭い箇所や複雑な形状の悪臭物質収容施設への設置が可能となる。
噴霧装置は一箇所につき一基だけ使用すればよいが、特に大きな効果を期待する箇所には、二基以上を設置できる。
3.ゴミ置き場への適用例
以下に、添付の図面を参照して本発明の殺菌・消臭方法をさらに具体的に説明する。図2は、本発明の次亜塩素酸含有水による殺菌・消臭方法をマンションのゴミ置き場に適用した状態を示している。
ゴミ置き場(倉庫)の屋根に次亜塩素酸含有水の生成装置1、次亜塩素酸含有水を一旦貯蔵するタンク10を設置し、第一の噴霧装置2を入り口ドア30の近くに、タンク10からの次亜塩素酸含有水を噴霧する第二の噴霧装置3を設置している。また、ゴミ置き場へ人が入るとき、侵入を検知するセンサー、および検知した信号を噴霧手段に伝送する手段を備えることができる。
ゴミからの悪臭は、ゴミ置き場のドア30が開放されたときに空気に同伴されて流出し、ゴミ袋が投下されると、さらに臭気が強くなることが多い。衝撃で袋が裂けたり、袋の結び目が緩んだりしてゴミが露出するためである。
このため、次亜塩素酸含有水の噴霧は、ゴミ置き場のドアが開放されたときに開始され、ゴミが投入される際にも噴霧されなければならない。ゴミが投入される際には、連続的に生成される次亜塩素酸含有水をタンクに供給せずに、直接ゴミに噴霧することができる。
次亜塩素酸含有水は、ゴミ置き場のドア30が開放されたときには、用意されていなければならず、常時、タンク10に貯蔵されている必要がある。
4.ゴミ焼却場への適用例
また、図3は、本発明の次亜塩素酸含有水による殺菌・消臭方法を大規模なゴミ焼却場のゴミ収集設備に適用した状態を示している。
図2と同様に、ゴミ置き場(ピット)に次亜塩素酸含有水の生成装置1、次亜塩素酸含有水を一旦貯蔵するタンク10を設置し、第一の噴霧装置2を入り口ドア30の奥でゴミ収集車50が停止するライン近くの天井に、また、タンク10からの次亜塩素酸含有水をゴミまたは空間に向けて噴霧する第二の噴霧装置3を壁に取り付けている。なお、入り口ドア30は、エアカーテンが採用される場合もある。
ゴミ収集車50が入り口ドア30からゴミ置き場に進入してきたときからゴミの悪臭が漂いはじめる。ゴミ収集車50は、大量のゴミ袋を積載しながら、車内で圧縮させるためにゴミ袋が破れるためである。
そのため、第一の噴霧手段から、ゴミ収集車50に向けて次亜塩素酸含有水が噴霧される。その後、内部のドア40が開放されたときに空気に同伴されてピット内に堆積していたゴミからも悪臭が流出し、ゴミが投下されるとともに悪臭が増加する。このため、ゴミ置き場の内部のドア40が開放されたときに、壁に設置された第二の噴霧手段からも次亜塩素酸含有水が噴霧され、ゴミが投下される際に噴霧されなければならない。
したがって、次亜塩素酸含有水は、ゴミ置き場のドア30が開放されたときには、用意されていなければならず、常時、タンク10に貯蔵されている必要がある。すなわち、ゴミ置き場のドア30が開放されたとき、予め次亜塩素酸含有水を生成してタンクに貯留しておいたものを供給することが望ましい。ゴミが投下される際には、連続的に生成される次亜塩素酸含有水をタンクに供給せずに、直接ゴミに噴霧することができる。
本発明においては、ゴミ置き場の殺菌・消臭をより効果的に行うために、ゴミ置き場への車両の進入やドアの開閉を検知するセンサー、および検知した信号を噴霧手段に伝送する手段を備えることが望ましい。
これにより、ゴミ置き場へ車両が進入し、あるいはドア30が開放されたらセンサーで検知し、検知した信号を少なくとも第一の噴霧手段に伝送して、噴霧を開始し、所定の時間が経過後、悪臭のレベルの低減を確認したところで噴霧を終了することが可能となる。このためにタイマーを設置しておくことができる。
なお、有機質肥料置き場や堆肥製造施設においては、有機質肥料や堆肥の攪拌装置を連動させ、また、タイマーの設定で間欠的に噴霧するようにする。
堆肥を攪拌するには、堆肥攪拌機を回転させながら、移動台車をレールに添って堆肥場の前後方向に移動させる。この移動によりレールの下の堆肥全体を攪拌することができる。移動台車の前後移動は連続移動でも間欠移動でもよい。堆肥攪拌機の移動速度、回転速度は、特に限定されない。前後移動速度は、毎分30〜50cm程度、堆肥攪拌機の回転速度は、毎分20回転程度が適当である。
また、堆肥攪拌装置によって、高圧高温気体を堆肥中に供給して、発酵を促進させてもよい。1週間に1回程度、高圧高温気体を供給すれば堆肥全体に空気を十分に供給することができ、十分に発酵させることができる。高圧高温気体の供給条件は、堆肥の種類、堆肥攪拌機の攪拌能力、気体噴出口からの気体噴出量、堆肥場内の悪臭の度合い等によって任意に選択することができる。
ところで、従来の悪臭物質収容施設から発生する悪臭ガスを燃焼させる方式の消臭装置では、悪臭ガスに薬剤を投入してから、回転ファンの駆動でダクトより燃焼装置に導入し、燃焼させて処理している。本発明は、このような装置にも好ましく適用することができ、腐食性の薬剤の投入量を大幅に削減することが可能となる。
なお、本発明の装置を用いるとともに、それ以外に活性炭吸着装置などを併用することもできる。本発明の装置を用いれば、活性炭の使用量や再生の頻度を大幅に低減することも可能となる。
本発明の殺菌・消臭装置は、悪臭物質収容施設に設置されるが、殺菌・消臭水供給管路1bに、それ以外の殺菌・消臭水利用装置を接続してもよい。例えば、食品加工工場であれば、殺菌・消臭水供給管路1bに、蛇口を設けた取水設備と、噴霧ノズル、シャワーノズル、超音波加湿器などを設けた屋内殺菌設備と、食材等の洗浄ラインへ接続される洗浄設備を並列に接続することができる。各々の殺菌・消臭水利用設備には殺菌・消臭水を希釈するための希釈給水管路を接続すれば、利用目的に応じて殺菌・消臭水を多様に希釈して使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
一般家庭から出る生ゴミを対象として、本発明に係わる次亜塩素酸含有水(弱酸性塩素希釈水)を噴霧して、その消臭効果を確認した。
まず、前記次亜塩素酸含有水生成装置を用いて、次亜塩素酸含有水を製造し、これを100ccのスプレー容器に充填した。この次亜塩素酸含有水は、残留塩素濃度が75ppm、pHが6.5であった。
次に、用意した生ゴミ200gを二つに分け、それぞれを容量が20リットルのビニール袋に入れ、このゴミ袋二つを室内の台所に半日放置した。生ゴミの中身は、魚の骨、西瓜の食べ残し、煮物の残り物、ご飯粒などであった。
その後、ビニール袋から内容物の生ゴミだけを取り出し、それぞれの袋内の臭いを測定器(KALMOR−Σ(登録商標)、株式会社カルモア製)で測定した。
次に、一方の袋A(サンプルA)に、上記スプレー容器から次亜塩素酸含有水を1.2cc噴霧し、5分後に前記測定器を用いて臭気を測定した。また、他方の袋B(サンプルB)には、100ccのスプレー容器に充填した水道水を1.2cc噴霧し、5分後に前記測定器を用いて臭気を測定した。水道水は、水戸市の上水道(残留塩素濃度が0.7ppm、pH7.2)を用いた。この結果、表1に示すデータが得られた。データは、サンプルA、Bの噴霧前、噴霧後の臭気をΣ値で表したものであり、参考までに測定室内大気中の臭気を併記した。
なお、Σ値が600以上は、6段階表示法による臭気強度が6(全ての人が不快感を持つ、強烈な臭い)に相当し、Σ値が200は、6段階表示法による臭気強度が2(普通の人でも臭いを感じないレベル)、Σ値が300は、6段階表示法による臭気強度が3(普通の人でも楽々臭いを感知できるレベル)に相当する。
Figure 2006081802
この予備実験により、水道水でもある程度の消臭効果は認められたが、弱酸性次亜塩素酸含有水を噴霧した場合は、Σ値が大幅に降下し消臭効果が大きいことが確認された。なお、大気中には生ゴミ以外の臭いが存在するので、ある数値以下に減少させることはできない。
(実施例2)
マンションのゴミ置き場(倉庫容量:100m)に生ゴミ500kgをポリ容器に入れ、1日保管した。生ゴミの中身は、魚の骨、西瓜の食べ残し、煮物の残り物、ご飯粒であり、西瓜の食べ残しを多めに入れた。倉庫内は悪臭がたちこめており、実施例1に記載した測定器で臭気を測定したところ、測定値は1020であった。
そこで、消臭用に活性炭300gを用意し、壁とポリ容器の近くの2箇所に150gずつ設置した。ゴミ置き場のドアを閉めて、3時間後に屋内の臭気を測定したところ、測定値は若干低減し、708になったが、悪臭は依然として残った状態であった。
そこで、活性炭を取り去って、本発明の消臭装置を設置した。本発明の消臭装置は、テクノマックス社から市販されている弱酸性次亜塩素酸希釈水連続生成装置、ハセッパー(登録商標)H−1500を用い、図2のように配置した。第一の噴霧器のノズルを天井に取り付け、また、ゴミを収容するポリ容器に近接して第二の噴霧器を設置した。
1日経過後、悪臭はさらに強くなっており、臭気を測定したところ、912の数値が示された。
そこで、ゴミ置き場のドアを閉めて、第一の噴霧器から屋内に残留塩素73ppm、pH6.4の次亜塩素酸含有水を平均10μmの微細粒子状として、10分ごとに30秒間噴霧した。また、第二の噴霧器から、直接ゴミに向けて次亜塩素酸含有水を平均20μmの微細粒子状として10分ごとに30秒間噴霧した。
その結果、3時間後に屋内の臭気を測定したところ、測定値が348に低減しており、悪臭の程度は大幅に改善された。
本発明の殺菌・消臭装置の特に好ましい用途は、自治体の大規模ゴミ焼却場、マンション、アパートなどのゴミ置き場、また、生ゴミが原材料として扱われうる有機質肥料置き場や堆肥製造施設などである。本発明は、屋内、屋外を問わず各種悪臭物質収容施設で殺菌・消臭効果が期待できる。
本発明の殺菌・消臭方法は、病院内の殺菌消毒、食品加工や野菜栽培工場の無菌エリア、給食室、事務室、一般家屋等、消毒、殺菌が必要なすべての場所に適用することができる。
本発明の殺菌・消臭装置の全体を示す概略図である。 本発明の殺菌・消臭装置をマンションに併設されたゴミ置き場に適用した場合の配置図である。 本発明の殺菌・消臭装置を大規模ゴミ焼却場の悪臭物質収容施設に適用した場合の配置図である。
符号の説明
1 次亜塩素酸含有水の生成手段
2 第一の噴霧手段
3 第二の噴霧手段
10 タンク



Claims (5)

  1. 水道水等の原水へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加して、pH3〜8、残留塩素濃度が0.5〜500ppmの次亜塩素酸含有水を生成させ、得られた次亜塩素酸含有水を霧状水粒子にして、これを悪臭物質収容施設の悪臭物質又は該施設の空間に噴霧又は放出することにより、悪臭が空気中へ拡散することを抑制しながら、殺菌・消臭することを特徴とする次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法。
  2. 悪臭物質が生ゴミであることを特徴とする請求項1に記載の次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法。
  3. 悪臭物質が有機質肥料又は堆肥であることを特徴とする請求項1に記載の次亜塩素酸含有水による悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法。
  4. 請求項1に記載の悪臭物質収容施設の殺菌・消臭方法に用いられる装置であって、
    水道水等の原水を供給する原水給水管路と、この給水管路へ次亜塩素酸ナトリウムと塩酸等の酸を添加する手段と、所定のpH値及び残留塩素濃度の次亜塩素酸含有水を生成する手段と、生成した次亜塩素酸含有水を霧状水粒子として噴出する第一の噴霧手段と、次亜塩素酸含有水を収容するタンクと、このタンク内の次亜塩素酸含有水を加圧給水し、霧状水粒子として噴出する第二の噴霧手段を具備したことを特徴とする悪臭物質収容施設の殺菌・消臭装置。
  5. さらに、悪臭物質収容施設への車両の進入やドアの開閉を検知するセンサー、検知した信号を噴霧手段に伝送する手段を備えてなる請求項4に記載の悪臭物質収容施設の殺菌・消臭装置。


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