JP2006081540A - 糖ヌクレオチド合成酵素およびその利用 - Google Patents

糖ヌクレオチド合成酵素およびその利用 Download PDF

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【課題】これまで知られていなかったUDP-L-アラビノースピロフォスフォリラーゼの特徴、アミノ酸配列、cDNA配列を明らかにし、UDP-L-アラビノースを効率よく製造することができるポリペプチドおよび/または酵素タンパク質とそれをコードするDNA を提供すること。
【解決手段】アミノ酸配列が、特定なる配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列からなるピロフォスフォリラーゼ活性を有するポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。および、特定なる配列のcDNA配列と相同性を有し、特定なる配列のアミノ酸配列よりなるポリペプチドおよび/または酵素タンパク質と実質的に同質の生物学的活性を有することを特徴とするポリペプチドおよび/または酵素タンパク質をコードするDNAを提供する 。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物体内で重要な糖ヌクレオチドの合成を触媒する新規な酵素、およびそれをコードするDNA とその利用に関する。
細胞には種々のオリゴ糖やオリゴ糖を結合したタンパク質が存在し、それらが多くの生理機能に関与している。植物の細胞分化や生育制御にこれらの分子が関与しており、アラビノース(Ara) やキシロース(Xyl) などのペントースを含むオリゴ糖、多糖、糖タンパク質の果たす役割が注目されている。これら生理活性を有するオリゴ糖の合成や分解などの調節にはUDP-糖などの糖ヌクレオチドが関与している。
UDP-糖の合成には、ピロフォスフォリラーゼが関与し、UDP-グルコース(UDP-Glc) の合成には、UDP-Glc ピロフォスフォリラーゼが利用され、UDP-N-アセチルグルコサミン(UDP-GlcNAc)の合成には、UDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼが利用される。例えばUDP-Glc ピロフォスフォリラーゼはジャガイモから抽出され、cDNAもクローニングされた(非特許文献1および2参照)。また、UDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼはブタやジアルジア原虫から同定されている(非特許文献3および4参照)。UDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼは共通の触媒部位配列モチーフを持つことも報告されており(非特許文献5参照)、大腸菌のUDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼはグルコサミン1リン酸アセチルトランスフェラーゼ活性をもつ二機能性の酵素であることも明らかにされている(非特許文献6参照)。また、大腸菌の酵素は、触媒部位配列モチーフがUDP-GlcNAcと結合することが結晶構造解析から示されている(非特許文献7参照)。これらのUDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼは、UDP-GlcNAcやUDP-Glc などのヘキソース1リン酸に対して活性を示すが、ペントース1リン酸に対する活性は認められていない。ペントースであるL-アラビノース(L-Ara) は植物界に広く分布する単糖であり、植物細胞壁を構成する多糖、プロテオグリカンの糖鎖成分として広く存在している。L-Ara を主な構成単糖として含有する細胞壁成分には、ペクチンのアラビナン側鎖、アラビノガラクタン、グルクロノアラビノキシラン、エクステンシン、アラビノガラクタン−プロテインがあり(非特許文献8および9参照)、これらL-Ara を含む多糖類は、成長・分化などに重要な役割を果たしている生理活性物質と考えられている。
Sowokinos et al., Plant Physiol., 101, 1073-1080 (1993) Katsube et al., J. Biochem., 108, 321-326 (1990) Szumilo et al., J. Biol. chem., 271, 13147-13154 (1996) Bulik et al., Biochem. Parasitol., 95, 135-139 (1998) Mio et al., J. Biol. chem., 273, 14392-14397 (1998) Mengin-Lecreulx et al., J. Bacteriol., 176, 5788-5795 (1994) Brown et al., The EMBO J., 18, 4096-4107 (1999) Carpita and Gibeaut, Plant J., 3, 1-30 (1993) Showalter, Plant Cell, 5, 9-23 (1993)
このようにペントースを含む多糖類は、様々な生理活性を保持しており有用で、その代謝や生合成機構、調節作用の解明が必要であるが、アラビノース1リン酸(L-Ara 1-P) やキシロース1リン酸(Xyl 1-P) に作用する糖ヌクレオチドピロフォスフォリラーゼに関しては、ほとんど研究報告がなく、同酵素の解明が望まれている。UDP-キシロースピロフォスフォリラーゼ(UDP-Xyl ピロフォスフォリラーゼ、EC2.7.7.11)は、マングビーンから粗酵素が抽出されたが(Ginsburg V. etal, Pro. Natl. Acad. Sci. USA 42, 333-335, 1956 参照)、単離された酵素に関する知見はなく、アミノ酸配列に関する知見はないし、cDNAクローニングも成されていない。UDP-L-アラビノースピロフォスフォリラーゼ(UDP-L-Araピロフォスフォリラーゼ) については、EC番号も存在しない。従って、これらペントース−ヌクレオチドを効率よく合成する酵素はこれまでに見出されているとはいえない。
本発明者らは、ペントース−ヌクレオチドを効率よく合成する酵素を解析するために検討を重ねた結果、L-Ara 1-P からUDP-L-Ara を効率よく合成する新規な酵素を豆苗の抽出物から単離してその特徴を解析し、該酵素のアミノ酸配列、該酵素をコードするDNA を単離してその塩基配列を明らかにすることができた。さらに得られたcDNAがコードするポリペプチド鎖がUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を有することを確認し、UDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を有する酵素タンパク質を工業的に生産する可能性を拓くものとして本発明に至った。
すなわち、本発明は、ピロフォスフォリラーゼ活性を有するポリペプチドおよび/または酵素タンパク質とそれをコードするDNA を提供するものである。
本発明により、これまで知られていなかったUDP-L-アラビノースピロフォスフォリラーゼの特徴、アミノ酸配列、cDNA配列を明らかにすることができ、新規なタンパク質であることを明らかにした。本発明により、UDP-L-Ara を効率よく製造することが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般的に植物における糖ヌクレオチド生成には、前駆体糖ヌクレオチドの変換反応により合成されるde novo 経路と遊離単糖からリン酸化反応を経て合成されるSalvage 経路の二つの合成経路が存在する。Salvage 経路では、UDP-L-Ara は、遊離L-Ara からAra 1-P を経て、UDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼによりUDP-L-Ara に合成されると考えられている(Feingold, The Biochemistry of Plants Vol. 3, 101-170, Academic Press, New York, (1980))。L-Ara を含むオリゴ糖が植物に広く存在しているので、その合成に関与する酵素、すなわち、UDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼが植物細胞中に存在することは、推測されるものであったが、同酵素はこれまでに単離されておらず、タンパク質分子の性状、アミノ酸配列、コードするDNA 配列については、まったく知られていなかった。
本発明のUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を有する酵素タンパク質(以下、本酵素ともいう)は、Ara 1-P に作用し、UDP-L-Ara の合成を触媒する活性を有する分子を指し、本発明では植物から抽出によって得られるタンパク質分子をはじめ、タンパク質分子から一部を切り出したポリペプチド鎖、単離されたcDNAを微生物や動植物細胞に導入し発現させたタンパク質やポリペプチド鎖などの全てを本酵素とする。本酵素は、ピロフォスフォリラーゼ特有の配列モチーフに類似する配列を持ちながらも、既存のピロフォスフォリラーゼとは異なる集団を形成し、機能も異なる新規のピロフォスフォリラーゼである。
(本発明の酵素タンパク質の性質)
本酵素をエンドウ豆苗(Pisum sativum L.)から抽出された酵素を例として説明すると、精製された本酵素はSDS-PAGEにて分子量測定した結果、約67 kDaである。酵素活性における最適pHは 6. 5〜7.5 である。これまでに知られるUDP-糖ピロフォスフォリラーゼはこれより高い最適pHを有するのに比較して(例えば、ポテト由来のUDP-グルコースピロフォスフォリラーゼの最適pHは8.5)、本酵素の最適pHは低い特徴がある。本酵素は、pH 6.5〜8.0 において安定で、pH 5.0以下では活性は、最適時の活性の20%以下に低下する。最適温度は45℃であり、55℃ではその活性が99%失われる。本酵素は糖1リン酸とUTP からUDP-糖とピロリン酸(PPi) を生成する反応を触媒する一方で、PPi の存在化で、UDP-糖を糖1リン酸とUTP に変換する活性も有する。本酵素のKm値とVmaxはHanes-Woolf プロットによると、グルコース1リン酸(Glc 1-P)、Ara 1-P 、UTP およびPPi に対するKm値は、それぞれ0.34 mM 、0.96 mM 、0.048 mM、0.25 mM であり、Vmaxは、それぞれ106 μmol/min./mg protein 、 71 μmol/min./mg protein 、 81 μmol/min./mg protein 、164 μmol/min./mg protein である。また、本酵素の基質特異性は、幅広く、L-Ara 1-P はもちろんのこと、Glc 1-P とガラクトース1リン酸(Gal 1-P) をはじめ、Xyl 1-P も基質とする。また、GlcNAc 1-Pにはわずかに反応し、グルコース6リン酸(Glc 6-P) には活性を示さない。本酵素は、活性の強弱はあるもののペントース、ヘキソースの1リン酸に対して幅広くピロフォスフォリラーゼ活性を示す。本酵素は、活性発現にMg2+とMn2+のいずれかの金属イオンを要求する。
本酵素のcDNAは配列番号4に示すとおりで、分子量は66,040 kDa(600アミノ酸) である。
(抽出方法)
本酵素は植物に広く存在すると考えられ、いかなる植物から抽出してもよく、いかなる部位から抽出してもよい。例えば、エンドウ豆苗(Pisum sativum L.)、イネ(Oryza sativa)、シロイズナズナ(Arabidopsis thaliana)に含有されており、これらの植物体から抽出することができる。エンドウ豆苗(Pisum sativum L.)にて本酵素の分布を調べたところ、根、上胚軸、葉の組織別では、上胚軸で一番高く、葉では低かった。一方、生重量当りの活性では、葉で一番高く、ついで上胚軸、根の順であった。活性が比較的高い上胚軸と葉を含む地上部より抽出するのが好ましい。
抽出方法は、当該酵素の活性を損なわなければ、いかなる方法で抽出してもよいし、さらに精製して純度を高めるのが好ましい。例えば、酵素精製の定法に従い、まず粗酵素液を調製し、硫安分画により酵素を濃縮し、UDP-L-Ara の合成に使用することができる。抽出に用いる植物体を4℃または氷中冷却下、酵素活性を損なわない溶液、例えば蒸留水や緩衝液、塩溶液を用いて抽出する。使用できる塩や緩衝液は、pHが 5以上 9以下であればいずれを用いても良いが、pH 6.0以上 7.5以下が最も好ましい。使用する塩類、緩衝液として例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リン酸、トリス塩酸、エタノールアミン、酢酸、クエン酸、などの緩衝液を用いることができる。植物体は抽出溶媒とともにジューサーミキサーなどに入れて破砕し、破砕液を濾過し、さらに遠心分離で上清液を回収し粗酵素液とする。
(濃縮・精製方法)
本酵素の濃縮は、エバポレーター、凍結乾燥などでそのまま水分を蒸発させてもよく、エタノールや硫酸アンモニウム・硫酸ナトリウムなどによって沈殿(塩析)させてもよい。例えば、硫酸アンモニウムを添加し、酵素を濃縮する場合、粗酵素液に硫酸アンモニウムを90%飽和となるように溶解した際の沈殿物、好ましくは、硫酸アンモニウムを10%以上となるよう添加し沈殿物を除去し、80%飽和まで濃度を上げて沈殿を回収させたもの、さらに好ましくは30%以上の飽和濃度で沈殿物を除去し、75%以下の濃度で沈殿を回収すると当該酵素が濃縮され好ましい。
純度の高い酵素を得るために、さらに精製を行ってもよい。本酵素の精製は、タンパク質の精製に利用される定法に従い、透析、限外濾過、液体クロマトグラフィー、電気泳動法、膜分離法、遠心分離法など、いかなる方法も利用できる。例えば、液体クロマトグラフィーでは、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなどを単独あるいは組み合わせて実施できる。本酵素の精製には、陰イオン交換クロマトグラフィーによる分離と疎水クロマトグラフィーによる分離の組み合わせがよく、さらにゲル濾過クロマトグラフィー分離すると純度が最も好ましい。イオン交換クロマトグラフィーは繰り返し使用すると純度が上がり好ましい。また、本酵素に対する抗体を調製し、イムノクロマトグラフィ−(アフィニティ−クロマトグラフィー)により本酵素を直接高純度に精製することができる。
(UDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼの製造方法)
本酵素の製造は、既に述べたように植物体から抽出してもよく、アミノ酸配列の情報に従ってタンパク質を合成してもよいが、DNA 配列を利用し、遺伝子操作で組換えタンパク質を得るのが効率よく好ましい。例えば、配列番号4に示すcDNAを発現ベクターとともに大腸菌や枯草菌、酵母、カビなどの遺伝子組換え系が確立された微生物に組み込み大量生産することができる。あるいは、特定部位で発現するベクターとともに植物体に導入し、特定部位に高発現させ、本酵素を分離する方法で製造することができる。その他、昆虫や動物細胞などに組み込んで生産することも可能である。
(UDP-糖の製造方法)
次に本酵素を用いたUDP-糖の製造方法を説明する。基本的には、本酵素以外に、目的とするUDP-糖に対応した1リン酸とUTP を添加し、酵素の至適条件で反応させることにより、UDP-糖を製造することができる。例えば、UDP-Glc を製造する場合は、本酵素以外にUTP とGlc 1-P を添加し反応させてUDP-Glc を得る。UDP-L-Ara を製造する場合は、本酵素以外にUTP とL-Ara 1-P を添加し反応させてUDP-L-Ara を得る。この他、同様に作用させて、UDP-ガラクトース(UDP-Gal) 、UDP-グルクロン酸(UDP-GlcA)、UDP-キシロース(UDP-Xyl) を得ることができる。本酵素は、多種類の糖1リン酸とUTP からUDP-糖を生成するので、単一の糖1リン酸を基質として、それぞれのUDP-糖を製造することが可能であり、また、2種類以上の糖1リン酸を添加して、2種類以上のUDP-糖を同時に合成してもよい。合成法は、具体的にはpH 4〜9 、好ましくはpH 6〜7 前後、反応温度は、 4〜60℃、好ましくは30〜45℃の酵素反応に最適な条件にて、本酵素、酵素活性に必要なMg2+やMn2+存在下、UTP および糖1リン酸を添加し、数分から数時間反応させる。酵素反応液には牛アルブミンタンパク質などを酵素の安定剤として添加使用してもよい。反応終了後は、加熱やpHを変化させて酵素を失活させることもできる。
また、本発明の酵素は、PPi の存在下では、UTP と糖1リン酸からUDP-糖を得る反応の逆反応、すなわち、UDP-糖をUTP と糖1リン酸に加水分解する反応が進行する。そこで、UDP-糖の合成においては、ピロフォスファターゼ活性を有する酵素、例えば酵母由来の酵素を添加してPPi を消失させ、逆反応の進行を抑制することが望ましい。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。しかしながら、これらの実施例により本発明の技術的範囲が限定されるべきものではない。
実施例1:(UDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼの抽出・単離・精製)
市販のエンドウ豆苗を入手し、25℃にて光照射下、1日間、グロースチャンバーで保持し訓化した後、酵素の抽出に用いた。粗酵素は、小林らの方法(Plant Cell Physiol. 43, 1259-1265 (2002))を若干修正して調製した。全ての操作は 0〜4 ℃にて行った。訓化した上胚軸と葉を含むエンドウ豆苗 1 kg をカッターで細かく切断し、2倍量の抽出緩衝液(20 mM リン酸カリウム(pH6.9))、1 mM DTTおよび 1 mM EDTAとともにホモジナイザーで破砕した。得られた破砕液を三重のナイロンメッシュにより濾過し、遠心分離(1500×g、15 min. )にて上清液1.8 L を得て粗酵素液とした。粗酵素液に硫酸アンモニウムを40%濃度となるまで添加し、pHが6.9 になるように飽和炭酸ナトリウム溶液を加え調整した。氷上で30分間静置後、懸濁液を12,000×gで30分間遠心分離した。上清を回収し、さらに70%になるように硫酸アンモニウムを加えた。この時、懸濁液のpHが6.9 になるように調整した。氷上で30分間静置後、遠心分離にて沈殿を回収、120 mlの陰イオン交換クロマトグラフィー用の緩衝液 (20 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.9), 1 mM DTT) に懸濁し、同じ緩衝液に対して一晩透析した。得られた硫安分画物を 4℃で保存した。なお、UDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を測定したところ、硫安分画物は、粗酵素液に比べ比活性が2.8 倍に上昇していた。
次に得られた硫安分画物(40−70%飽和硫酸アンモニウム沈殿画分)を、下記のようにしてクロマト分離にて酵素を精製した。その結果を図1−A、B、CおよびDに示した。
まず、硫安分画物のタンパク質量約1152 mg をDEAE-Sepharose Fast Flowカラム(2.8 x 73cm:ファルマシア社製)に添加、吸着させ、 0〜0.5 M NaClを含む緩衝液 (20 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.9), 1 mM DTT) にて溶出した。その結果を図1−Aに示した。UDP-Glc ピロフォスフォリラーゼ活性のある画分が2つ得られ、NaCl濃度が約90 mM で溶出される前ピークはUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を有しており本発明の酵素であると考えられた。前ピークを含む画分を陰イオン交換カラム精製画分とした。なお、陰イオン交換クロマトグラフィー精製画分のUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性は、粗酵素液に比べ比活性が40倍に上昇していた。
さらに陰イオン交換カラム精製画分 (タンパク質量約57.71 mg) に30%となるように硫酸アンモニウムを添加し、30%の硫酸アンモニウム溶液で平衡化したButyl-TOYOPEARL 650Mカラム(2 x 19.5 cm :東ソー社製)にて疎水クロマトグラフィーを行った(図1−B)。硫酸アンモニウム濃度30〜0 %の直線的濃度勾配によって溶出させ、酵素活性を示す単一の画分を得て疎水クロマトグラフィー精製画分とし、 4℃で保存した。なお、図1−B〜図1−DにはUDP-Glc ピロフォスフォリラーゼ活性に対する酵素活性をモニタリングした結果のみを示した。疎水クロマト精製画分のUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性は、粗酵素液に比べ比活性が430 倍であった。
疎水クロマト精製画分に80%となるように硫酸アンモニウムを添加、遠心分離にて沈殿を回収した。沈殿 (タンパク質量 1.262 mg)を2 mlの緩衝液 (20 mM リン酸カリウム緩衝液 (pH 6.9), 1 mM DTT 、100 mM NaCl)に溶解させ、Sephacryl S-200 カラム(2 x 112cm :ファルマシア社製)にてゲル濾過クロマトグラフィーを行い(結果は図1−C)、UDP-Glc ピロフォスフォリラーゼ活性を示す画分を得てゲル濾過クロマトグラフィー精製画分とした。なお、ゲル濾過クロマトグラフィー精製画分のUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性は、粗酵素液に比べ比活性が400 倍であった。
最後にゲル濾過クロマトグラフィー精製画分を再度、DEAE-Sepharose Fast Flowカラム(0.7 x 12cm:ファルマシア社製)に添加、吸着させ、 0〜0.5 M NaClを含む緩衝液 (20 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.9), 1 mM DTT)にて溶出し(図1−D)、UDP-Glc ピロフォスフォリラーゼ活性を示す画分を得て、最終的なカラム精製画分とした。なお、最終的なカラム精製画分のUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性は、粗酵素液に比べ比活性が1200倍で、収率は0.4 %であった。
エンドウ豆苗から本発明のUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼを精製した各段階での酵素活性、収率を表1にまとめて示した。

最終的なカラム精製画分をSDS-PAGE解析した。SDS-PAGEはLaemmli の方法(Leammli,1970) に従って行った。ゲルのアクリルアミド濃度は12%とした。分子量マーカーとして、フォスフォリラーゼb(94 kDa)、BSA (67 kDa)、オボアルブミン(43 kDa)、カルボニックアンヒドラーゼ(30 kDa)、大豆トリプシンインヒビター(20 kDa)、α−ラクトアルブミン(14 kDa)を用いた。タンパク質の染色は銀染色法で行った。精製酵素は単一バンドとして観察され、分子量は67 kDaと算出された(図2参照)。
実施例2:精製酵素によるUDP-糖の合成
実施例1で得た精製酵素を用いてUDP-糖の合成を行った。精製酵素を 1 mM のUTP およびGlc 1-P と25℃にて反応させたところ、図3−Aの黒丸に示すように反応時間とともにUDP-Glc が生成したが、一定量で平衡状態に達し、生成量は添加量のおよそ3割であった。また、図3−Aの白丸で示すように精製した酵素とPPi の共存下において反応させた場合、PPi により逆反応が生じ、UDP-Glc の量はおよそ3割となった。そこで、精製酵素を1 mMのUTP およびGlc 1-P と25℃にて反応させた系に酵母由来のピロフォスファターゼを添加し、PPi をリン酸へ分解させたところ、図3−Bに示したように添加したGlc 1-P の99.7%がUDP-Glc に変換され、効率よくUDP-Glc が製造できた。
また、合成に対する金属イオンの影響を検討した。その結果、表2に示すように、UDP-糖の合成にはMg2+, Mn2+, Zn2+の何れかの金属イオンの存在が必須であり、最適濃度は 1〜5 mMであった。また、最適pHと最適温度は、図4−AおよびBに示したように、pH 6.5〜7.5 、最適温度は45℃であった。
1 mMのGlc 1-P とUTP 、精製酵素の反応系にヌクレオチド3リン酸(ATP 、CTP 、GTP 、ITP )やPPi を添加し、合成反応への影響を検討したところ、表3に示したヌクレオチド3リン酸では合成反応の阻害は起こらず、PPi で強く阻害される結果であった。
次に、精製酵素の基質特異性を検討した。精製酵素のGlc 1-P への活性を、100 %とすると、Glc 1-P への活性は、116.2 %、GlcA 1-Pへの活性は、71.3%、L-Ara 1-P への活性は、70.5%、Xyl 1-P への活性は、35.9%、GlcNAc 1-Pへの活性は、4.3 %であり、精製酵素は、複数の基質に作用し、UDP-糖を合成する能力があることが判った。
さらに精製酵素のKm値とVmaxは表4にまとめて示した。UTP とPPi に対するKm値は、0.048 mMおよび0.25 mM であり、ヒトやポテト由来のもの(0.058-0.33 mM や0.11-2.4 mM )に比較的類似していた。しかし、Glc 1-P とUDP-Glc に対する精製酵素のKm値は、0.34 mM と0.34 mM であり、ヒトやポテト由来のもの(0.14-0.18 mM や0.04-0.12 mM) に比較すると有意に高値を示す特徴が見出された。精製酵素のVmaxは、UTP に対して 81 μmol/min./mg-protein 、グルコース1リン酸に対して106 μmol/min./mg-protein であり、基質濃度を0.05〜0.2 mMに設定した場合に決定されたポテト由来酵素のVmax、すなわちUTP に対して 94 μmol/min./mg-protein 、Glc 1-P に対して 64 μmol/min./mg-protein に類似していた。しかし、精製酵素のUDP-Glc とPPi に対するVmaxは145 μm ol/min./mg-protein、164 μmol/min./mg-protein であり、ポテト由来酵素の890 μmol/min./mg-protein 、827 μmol/min./mg-protein に比較すると低い値であった。
実施例3:アミノ酸配列の解析
実施例1で得た最終的なカラム精製品 10 μgにV8プロテアーゼ(和光純薬社製)を添加、25℃、15分間、反応させた後、SDS-PAGEで分離、PVDF膜(Osmonics社製)へ転写し、N末端配列を決定した。なお、ペプチドシーケンサーはHPG1000(ヒューレットパッカード社製) を用いた。
酵素処理で得られた31,000 Da のポリペプチド鎖のN末端配列は、YNQLDPLxRASGYPD であった。8番目のxは検出できなかった。この配列を基に、DDBJ BLAST検索、及びTAIR BLAST検索を行った。得られた配列は、機能が知られていないシロイナズナ(Arabidopsis thaliana)のオープンリーディングフレーム At5g52560中に見出されるYNQLDPLLRASGFPD と86.7%相同であった。また、シロイナズナと同様に機能が知られていないイネのcDNA配列AK064009中に見出されるYNQLDPLLRASGHPD と86.7%相同であった。
実施例4:cDNAクローニングとcDNA解析
エンドウ種子を発芽させ7日間生育させた上軸胚、葉、根を含む材料を液体窒素で凍結、破砕後、全RNA をRNA 抽出キットISOGEN(日本ジーン社製)にて抽出し、逆転写酵素(ReverTraAce-α:Toyobo社製)とオリゴ(dT)アダプターのプライマー(5'-GCGACATCATCGAATTCCGATGTTTTTTTTTTTTTTT-3')より1本鎖cDNAを得た。
この1本鎖cDNAをテンプレートに2つのプライマー、F−1(5'-CAYGGNCAYGGNGARGT-3') とR−1(5'-GGRTARTCYTGCATCATRCAYTC-3') にてdegenerate-PCRを行った(条件:変性0.5 min. 94 ℃、アニーリング 0.5 min. 45℃、伸長 1.5 min. 75℃、35サイクル)。
得られた増幅cDNAをpGEM T-Easy ベクター(Promega 社製)にてサブクローニングしDNA 配列を決定した。DNA シーケンサーはABI310(アプライドバイオシステムズ社製)を用いた。
遺伝子の3'領域は、一本鎖cDNAをテンプレートに2つのプライマー(5'-GGCTCACCCACTCTGATGGG-3'及び5'-GCGACATCATCGAATTCCGATG-3')にて増幅した(条件:変性 0.5 min. 94℃、アニーリング 0.5 min. 55℃、伸長 2.0 min. 72℃、30サイクル)。
遺伝子の5'領域は、5'RACEキット(インビトロゲン社製)を用いて、2つのプライマー(5'-CCATACTTTCAGAATACCGC-3'及び5'-AGAACCCATTTCAACCCGGC-3')にて増幅した。
本酵素をコードする領域は、ポリメラーゼKOD-plus(東洋紡社製)を用いて増幅し、DNA 配列を決定した。
本酵素のcDNAは配列番号4に示すとおりで、分子量は 66,040 kDa (600アミノ酸) であった。
エンドウ豆の一本鎖cDNAより得られた506 bpのPCR 産物には、ペプチド配列の解析結果で得られた配列 (YNQLDPLxRASGYPD)と一致する配列を含んでいた(図5−A参照)。精製酵素をコードする全長鎖のcDNAは、3'RACEと5'RACEの手法で得た。得られたcDNAは、PsUSP とした。PsUSP は、600 アミノ酸のポリペプチド鎖であり、分子量 66,040 Daと算出された。PsUSP より得たペプチド配列には、シグナル配列、ミトコンドリアターゲッティング配列、クロロプラスト移行配列、を含んでいなかった。iPSORTによる分析によって本酵素は細胞質に存在すると考えられた。計算された等電点は5.82であった。PsUSP から推測されたアミノ酸配列は、At5g52560 から得られるアミノ酸配列と77%、AK064009から得られるアミノ酸配列と72%一致した。また、ポテト由来のUDP-Glc ピロフォスフォリラーゼやヒト由来のUDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼに対してともにアミノ酸配列のレベルで15%相同であった。また、PsUSP から推測されたアミノ酸配列は、ピロフォスフォリラーゼに共通していると考えられている領域とウリジン結合部位(Val-123 、Lsy-137 、Val-233 、Tyr-257 )を含んでいる。
さらに、既存のUDP-グルコースピロフォスフォリラーゼおよびUDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼとの比較を行い、無根系統樹を作製したところ、PsUSP は、At5g52560 とAK064009とともにUDP-Glc ピロフォスフォリラーゼやヒト由来のUDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼとは異なるグループに属することが判った(図5−B参照)。
実施例5:組換え酵素の発現と精製
実施例4で得たcDNAをもとにcoding領域をクローニングした。coding領域は、制限酵素BamHI とSacIの認識部位を含む S-1(5-GGATCCATGGCTTCCTCCCTCGG-3 )と A-1(5-GAGCTCTCTATATTCTTTGCGCAC-3)にて増幅し、得られたcDNA断片をpGEM 5zf+ ベクター(Promega 社製)にてサブクローニングしDNA 配列を決定した。次に得られたDNA 断片は、発現ベクターpET32a(Novagen 社製)のBamHI とSacI領域に導入し、組換えタンパク質は、N末端で6xHis-tagsとチオレドキシンの融合タンパク質として得られるよう設計した。DNA 断片を組み込んだ発現ベクターpET32aを導入した大腸菌は10℃にて培養し、0.5 mMイソプロピル−β-D- チオガラクトピラノシドで24時間処理して組換え融合タンパク質を誘導した。菌体を集菌後、0.5 mMフェニルメチルスルフォニルフルオライド、0.2 %卵白リゾチームを含む 25 mMリン酸カリウム緩衝液(pH 8.0)にて溶菌させた。組換え融合タンパク質は、Chelating-SepharoseFF カラム(アマシャムバイオサイエンス社製)に加え、50 mM のイミダゾールを含む 50 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.2)で洗浄後、250 mMイミダゾールを含む 50 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.2)で溶出させた。500 mlの培養液から 5 mg の精製した酵素を融合タンパク質として得た。融合タンパク質の 1 mg に 0.1 unit のトロンビン(Novagen 社製)を添加、20℃にて24時間反応させて、融合タンパク質からチオレドキシンと6xヒスチジンを消化し、透析、DEAE-SepharoseFFカラムにて精製(0-300 mM NaCl にて溶出)し、精製した組換え酵素を得た。
得られた組換え酵素をSDS-PAGE解析した。SDS-PAGEは精製酵素と同様に実施した。その結果、単一バンドが観察され、分子量は 70,000 Daと算出された(図6参照)。天然抽出酵素の分子量 67,000 Daに比較すると分子量は大きいが、これはpET32aベクターに挿入されたPsUSP 配列とトロンビン認識サイトの間のDNA 配列に由来すると考えられる。
実施例6:組換え酵素によるUDP-糖の製造
50 mM MOPS-KOH緩衝液(pH 7.0)、5 mM MgCl2、0.01%BSA 、1 mM L-Ara 1-P、1 mM UTP、1 unit/ml のピロフォスファターゼ(酵母由来)を含む溶液に 0.4 unit/mlとなるように精製した組換え酵素を添加し、最終的に 50 mlの溶液を、35℃、24時間反応させた。L-Ara 1-P からUDP-L-Ara への変換率はHPLCで分析したところ、84%であった。反応終了後、charcoalカラム(4.8 x 10cm:和光純薬社製)に吸着させ、反応産物は、0.1 M のアンモニア水溶液を含む70%エタノールで溶出した。溶出液からUDP-L-Ara を単離するためWhatman 3MM 濾紙を用いたペパークロマトグラフィーを実施した。1−ブタノール/エタノール/水の7:4:2 溶液で塩類を除去してから、エタノール/1 M 酢酸アンモニウムの溶液(5:2 、pH 6.8)で展開、8 mgの精製UDP-L-Ara を得た。得られたUDP-L-Ara は、NMR にて構造を確認した(1H- は 600 MHz、13C-は 150 MHz、31P-は 243 MHz)。1H -NMR (δ=3.75ppm)、13C-NMR (δ=67.4ppm)では内部標準としてジオキサンを、31P-NMR (δ=0.0ppm )では内部標準としてリン酸を用いて、PFG-COSY、PFG-HMQC、PFG-HMBCを測定し、報告されているUDP-L-Ara のNMR スペクトル(Pauly M. et al, Anal. Biochem. 278, 69-73, 2000 、 Ernst C. et al, J. Org. Chem., 68, 5780-5783, 2003 )と比較した。その結果、両者は一致して、L-Ara 1-P とUTP を基質とし、組換え酵素によって得られる産物がUDP-L-Ara であることを確認した。
次に、組換え酵素の基質特異性を検討した。その結果を精製酵素と比較して表5に示した。組換え酵素の活性は、UDP-Glc ピロフォスフォリラーゼ活性を100 %とすると、UDP-Gal ピロフォスフォリラーゼ活性は、138.9 %、UDP -GlcAピロフォスフォリラーゼ活性は、62.2%、UDP-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性は、74.8%、UDP-Xyl ピロフォスフォリラーゼ活性は、28.2%、UDP-GlcNAcピロフォスフォリラーゼ活性は、0.2 %であった。
組換え酵素は、精製酵素と同様、複数の基質に作用し、UDP-糖を合成する能力があることが判った。
実施例7:シロイヌナズナAt5g52560 組換えタンパク質の作製
実施例4、5、6と同様に操作し、シロイヌナズナAt5g52560 組換えタンパク質(以下、AT5G52560)を調製した。At5g52560 はpET32aベクターに導入し、チオレドキシンタグ(Trx) 、ヒスチジンタグ(His) との融合タンパク質として発現させ、ニケッルキレートカラム(Chelating Sepharose) で精製した。その後、トロンビン(Novagen) で消化し、タグを外した。At5g52560 組換えタンパク質の酵素活性を調べたところ、精製酵素と同様なUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を示した。また、組換えタンパク質はTrx-His を外してもその活性に影響がないことが分かった。
実施例8:イネAK064009組換えタンパク質の作製
実施例4、5、6と同様に操作し、イネ(Oryza sativa)より得られた機能未知遺伝子AK064009より組換えタンパク質を調製した。トロンビン(Novagen) で消化し、タグを外した組換えタンパク質の酵素活性を調べたところ、精製酵素と同様なUDP-L-Ara ピロフォスフォリラーゼ活性を示した。
図1−Aは、実施例1で得られた硫安分画物の陰イオン交換クロマトグラムであり、図1−Bは、図1−Aの前ピークを含む陰イオン交換カラム精製画分の疎水クロマトグラムであり、図1−Cは、図1−Bの疎水クロマト精製画分のゲル濾過クロマトグラムであり、図1−Dは、図1−Cのゲル濾過精製画分のクロマトグラムである。 図2は、実施例1で得られた最終的なカラム精製画分のSDS-PAGE解析図である。 図3−Aは、PPi 存在下のUDP-Glc 量と反応時間との関係を示すグラフであり、図3−Bは、ピロフォスファターゼ(酵母由来)を添加した場合のUDP-Glc 量と反応時間との関係を示すグラフである。 図4−Aは、酵素活性とpHとの関係を示すグラフであり、図4−Bは、酵素活性と温度との関係を示すグラフである。 図5−Aは、ペプチド配列の解析図であり、図5−Bは、無根系統樹である。 図6は、実施例5で得られた組換え酵素のSDS-PAGE解析図である。

Claims (16)

  1. ピロフォスフォリラーゼ活性を有するポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  2. 請求項1に記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質をコードするDNA 。
  3. 基質として2種類以上の1リン酸糖をUDP-糖へ変換する能力を保持していることを特徴とする請求項1に記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  4. L-アラビノース1リン酸をUDP-L-アラビノースへ変換するUDP-L-アラビノースピロフォスフォリラーゼ活性を有することを特徴とする請求項1または3に記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  5. アミノ酸配列が配列番号1、2および3に示すいずれかの配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列からなる請求項1、3および4のいずれかに記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  6. 配列番号1、2および3に示すいずれかのアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列から成り、配列番号1、2および3に示すいずれかのアミノ酸配列よりなるポリペプチドの機能と実質的に同質の生物学的活性を有することを特徴とするポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  7. アミノ酸配列が配列番号1、2および3に示すいずれかの配列と50%以上相同であることを特徴とする請求項1、3および4のいずれかに記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  8. エンドウ豆(Pisum sativum L.)、イネ(Oryza sativa)、シロイズナズナ(Arabidopsis thaliana)から得られることを特徴とする請求項1および3〜7のいずれかに記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質。
  9. 図2のいずれかのcDNA配列と同一または実質的に同一のDNA 配列からなる請求項2に記載のDNA 。
  10. 配列番号4、5および6に示すいずれかのcDNA配列と相同性を有し、配列番号1、2および3に示すいずれかのアミノ酸配列よりなるポリペプチドおよび/または酵素タンパク質と実質的に同質の生物学的活性を有することを特徴とするポリペプチドおよび/または酵素タンパク質をコードするDNA 。
  11. 配列番号4、5および6に示すいずれかのcDNA配列とDNA の配列が50%以上相同であるDNA 。
  12. 配列番号4、5および6に示すいずれかのc DNA配列または請求項9〜11のいずれかに記載のDNA 配列の全部または一部を発現させることを特徴とする請求項1および3〜7のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
  13. イネ(Oryza sativa)より得られた機能未知遺伝子AKO64009の全部または一部を発現させることを特徴とする請求項1および3〜8のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
  14. シロイズナズナ(Arabidopsis thaliana)より得られた機能未知遺伝子At5g52560 の全部または一部を発現させることを特徴とする請求項1および3〜8のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
  15. 請求項1および3〜8に記載のポリペプチドおよび/または酵素タンパク質ならびに請求項12〜14に記載の製造方法で得られたポリペプチドを用いることを特徴とするUDP-糖の製造方法。
  16. 請求項9〜11のいずれかに記載のDNA の全部または一部にコードされる組換えポリペプチド。
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