本発明の画像形成装置は、ディスプレイと、画像データファイルを記憶する画像記憶手段と、前記画像記憶手段に記憶された画像データファイルの補正に関する互いに相関関係を有する第1及び第2のパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、前記第1及び第2のパラメータを入力するために用いられる1つのパラメータコントロールを含むGUI形式の補正画面を前記ディスプレイに表示させる補正画面表示手段と、前記パラメータ記憶手段に記憶された前記第1及び第2のパラメータを、前記補正画面において入力された前記第1及び第2のパラメータに書き換えるパラメータ書換手段と、前記パラメータ記憶手段に記憶されている前記第1及び第2のパラメータに基づいて、前記画像記憶手段に記憶された画像データファイルに補正を施す補正手段と、前記補正手段によって補正された画像データファイルに係る画像を画像形成媒体に形成する画像形成部とを有している。
この構成によると、ポインティングデバイスを用いて1つのパラメータコントロールを操作することによって、第1及び第2のパラメータを入力することができる。したがって、互いに相関関係を有する2つのパラメータの調整を容易に行うことが可能となる。
本発明の画像形成装置は、前記補正手段によって補正された画像データファイルに係る画像を、前記補正画面と共に前記ディスプレイに表示させる画像表示制御手段をさらに備えている。この構成によると、オペレータは、リアルタイムで補正された画像を見ながら第1及び第2のパラメータを入力することができる。したがって、2つのパラメータの調整がより容易になる。
本発明の画像形成装置は、前記パラメータコントロールでは、前記第1及び第2のパラメータを同時に入力することが可能であってもよい。この構成によると、第1及び第2の2つのパラメータの調整がさらに容易になる。
本発明の画像形成装置は、前記第1及び第2のパラメータが、前記画像記憶手段に記憶されている画像データファイルに係る画像中において直交する2方向に関するパラメータであり、前記補正画面表示手段は、前記2方向に対応する部分が前記パラメータコントロールによって入力された前記第1及び第2のパラメータの大きさを反映して変形する図形を含む前記補正画面を前記ディスプレイに表示させることが好ましい。
この構成によると、オペレータが、第1及び第2のパラメータのそれぞれの大きさを視覚的に確認することができる。したがって、第1及び第2のパラメータの調整が一層容易になる。
本発明の画像形成装置は、前記画像記憶手段に記憶されている画像データファイルに係る画像を構成する複数の色成分の中で基準となる色成分を記憶するための基準色記憶手段と、前記基準色記憶手段に記憶されている色成分を書き換えるための基準色書換手段とをさらに有しており、前記補正画面表示手段が、前記画像記憶手段に記憶されている画像データファイルに係る画像を構成する複数の色成分の中で基準となる色成分を選択するための基準色選択コントロールと、前記複数の色成分の中で基準となる色成分以外の色成分の基準となる色成分に対する位置ずれを前記2方向に関して補正する補正値に対応する前記第1及び第2のパラメータを入力するための一又は複数のパラメータコントロールとを含む前記補正画面を前記ディスプレイに表示させ、前記基準色書換手段が前記基準色記憶手段に記憶されている色成分を、前記基準色選択コントロールによって選択された色成分に書き換えてもよい。
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係る写真処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態の写真処理装置1は、インターフェイス部10と、フィルムスキャナ20と、コントローラ30と、プリンタプロセッサ50とを有している。
インターフェイス部10では、写真処理装置1とそれを操作するオペレータとの間の情報のやり取りが行われる。インターフェイス部10は、写真処理装置1に関する様々な情報を表示してオペレータに告知するディスプレイ11と、オペレータが写真処理装置1に対して指示を与えるキーボード12やマウス13からなる入力デバイスとを有している。
フィルムスキャナ20は、ハロゲンランプ21と、ハロゲンランプ21から出射した光の色バランスを調整するための調光フィルタ22と、調光フィルタ22を通過した光を均等に混色するミラートンネル23と、写真フィルム25の各コマ画像とハロゲンランプ21とを順次対向させるフィルム搬送機構24と、写真フィルム25のコマ画像を光電変換するためのCCDラインセンサユニット26と、写真フィルム25を透過した光をCCDラインセンサユニット26上に結像させるためのレンズ27と、光路を90度屈曲させるためのミラー28と、CCDラインセンサユニット26の出力信号を処理する図示しない処理回路とを有している。
CCDラインセンサユニット26は、約5000個の受光部を写真フィルム25の幅方向に配列したCCDラインセンサを3列に並べて備えており、各CCDラインセンサの受光面にはそれぞれ赤色、緑色、青色のカラーフィルタが形成されて、写真フィルム25のコマ画像を色分解して検出する。処理回路は、CCDラインセンサユニット26の出力アナログ信号を増幅した後A/D変換を行って出力する。従って、フィルムスキャナ20では、フィルム搬送機構24に写真フィルム25がセットされると、搬送ローラ対24aにより搬送される写真フィルム25上のコマ画像が順次読み取られて、赤色、緑色、青色毎のデジタル画像データファイルがコントローラ30に対して送信される。
コントローラ30では、写真処理装置1全体の制御が行われる。また、コントローラ30には、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)等のデジタルカメラ用メモリカードから画像データファイルを読み出すカードスロット61、及びCD−R(Compact Disc-Recordable:1度だけ書き込み可能な追記型CD)に対してデータの読み書きを行うCD−Rドライブ62が接続されている。
ここで、図2に、コントローラ30の主要部の構成を示す。図2に示すように、コントローラ30は、画像記憶部31、設定画面表示部32、色収差補正画面表示部33、拡大率記憶部34、拡大率書換部35、拡大範囲記憶部36、拡大範囲書換部37、基準線記憶部38、基準線書換部39、基準色記憶部40、基準色書換部41、補正値記憶部42、補正値書換部43、補正部44、画像表示制御部45とを有している。
画像記憶部31は、フィルムスキャナ20、カードスロット61、またはCD−Rドライブ62から供給された複数の画像データファイルを記憶する。
設定画面表示部32は、図3に示すようなGUI形式のレンズ収差補正画面70をディスプレイ11に表示させる。レンズ収差補正画面70は、画像記憶部31に記憶されている画像データファイルに係る画像90に対して周辺光量補正、色収差補正、歪み補正、台形補正の各種収差補正を施すための4種類の画面の呼び出し元画面である。
詳細には、レンズ収差補正画面70には、図3に示すように、周辺光量補正ボタン71a、色収差補正ボタン71b、歪み補正ボタン71c、台形補正ボタン71dが表示される。オペレータは、ボタン71a〜71dのうちの1つにマウス13のカーソルを合わせた状態でマウス13の右または左ボタンをクリックすることによって、これから行う収差補正を選択することができる。ここで、例えば、色収差補正ボタン71bが選択された場合には、後で詳述する色収差補正画面80がディスプレイ11に表示される。なお、本実施の形態においては、色収差補正についてのみ詳細に説明し、周辺光量補正、歪み補正、及び台形補正の説明は省略する。
また、各種収差補正を行う際に、補正の効き具合等を確認し易くするために、画像90の中心領域90aを拡大して表示する。そこで、レンズ収差補正画面70には、枠91で囲まれた中心領域90aの範囲を操作することができる表示エリア設定部72と、中心領域90aの拡大率を入力するための表示サイズ入力部73とが表示される。マウス13のカーソルが枠91を指した状態で、オペレータがマウス13の右又は左ボタンを押下しつつマウス13をドラッグすると、マウス13の動きに合わせて表示エリア設定部72内に表示された枠91の大きさが変わるようになっている。表示サイズ入力部73をマウス13のカーソルが指した状態で、オペレータが、マウス13の右又は左ボタンをクリックすると、表示サイズ入力部73は入力可能状態となる。このとき、オペレータがキーボード12から数値を入力することによって、中心領域90aの拡大率を入力することができる。以降、中心領域90aの範囲とその拡大率とを総称して「表示条件」と称する。なお、後述するように、表示条件の操作は各種収差補正を施す画面でも行うことができる。
また、後で詳述するように、各種収差補正を行う際には、画像90におけるレンズの光軸に対応する位置を中心座標とし、中心座標を基準として補正を行う。そこで、レンズ収差補正画面70には、各種収差補正を行う際の画像90の中心座標の位置を設定するための中心座標設定部74が表示される。中心座標設定部74では、画像90上に描画された縦軸94aと横軸94bとの交点が中心座標を示している。オペレータは、マウス13のカーソルが縦軸94a、横軸94b又はそれらの交点を指した状態で、マウス13の右又は左ボタンを押下しつつマウス13をドラッグすることによって、中心座標の位置を変更することができる。
さらに、レンズ収差補正画面70の画像表示部75には、画像90の中心領域90a内での拡大画像が表示される。画像表示部75に表示される画像は、各種収差補正の補正値が反映された画像になっている。したがって、オペレータは、画像表示部75に表示された画像によって、各種収差補正の結果を確認することができる。加えて、レンズ収差補正画面70には、画像表示部75に画像90の中心座標を示す縦軸94a及び横軸94bを表示する状態と表示しない状態とを切り替える中心座標表示チェックボックス76が表示される。
色収差補正画面表示部33は、図4に示すようなGUI形式の色収差補正画面80をディスプレイ11に表示させる。図4に示すように、色収差補正画面80には、表示エリア設定部81と、表示サイズ入力部82と、画像表示部83と、基準線表示チェックボックス84と、補正値入力領域85と、OKボタン88と、キャンセルボタン89とが表示される。
表示エリア設定部81及び表示サイズ入力部82は、レンズ収差補正画面70の表示エリア設定部72及び表示サイズ入力部73と同様の機能を有している。したがって、オペレータは、色収差補正画面80において、画像90に対する色収差の補正を行う際に、表示条件の操作を行うことができる。
画像表示部83には、画像90が9分割された状態で表示される。画像表示部83に表示される画像は、補正値入力領域85において入力された補正値が反映されている。画像表示部83に表示されている9つの画像のうち8つの画像に囲まれた中心の画像は、画像90の中心領域90aの画像に対応しており、レンズ収差補正画面70又は色収差補正画面80で設定された表示条件に基づいて表示される。また、画像表示部83に表示される中心領域90aに対応する画像の右横及び下方には、画像90の周辺領域に対応する8つの画像を固定した状態で中心領域90aに対応する画像のみをスクロールさせるためのスクロールバー83a、83bが表示されている。
基準線表示チェックボックス84は、画像表示部83に表示されている中心領域90aに対応する画像に、レンズ収差補正画面70で設定された画像90の縦軸94a及び横軸94bが描画される状態と描画されない状態とを切り替えることができる。
補正値入力領域85には、基準色選択ボタン85aと、基準軸選択ボタン85bと、第1の補正値入力コントロール86と、第2の補正値入力コントロール87とが描画される。オペレータは、基準色選択ボタン85aを用いることによって、画像90を構成するR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色のうち、色収差補正を行う際に基準となる色を選択することができる。詳細には、オペレータが、基準色選択ボタン85aの「R」、「G」、「B」のいずれか1つをマウス13のカーソルが指した状態でマウス13の右又は左ボタンをクリックすると基準色が選択される。また、オペレータが、基準軸選択ボタン85bを用いることによって、色収差補正を行う際の基準となる軸を選択することができる。詳細には、オペレータが、基準軸選択ボタン85bの「横軸補正」又は「縦軸補正」のいずれか一方をマウス13のカーソルが指した状態でマウス13の右ボタン又は左ボタンをクリックすると、基準軸が選択される。
第1及び第2の補正値入力コントロール86、87では、R、G、Bの3色のうち基準色選択ボタン85aによって選択された基準色以外の2色の基準色に対する縦方向及び横方向の位置ずれを補正する補正値、すなわち相関関係を有する2つの補正値をそれぞれ入力することができる。本実施の形態では、図4に示すように、基準色として「R」が選択されており、第1の補正値入力コントロール86では「G」の補正値を、第2の補正値入力コントロール87では「B」の補正値をそれぞれ入力するようになっている。なお、第1及び第2の補正値入力コントロール86、87は、いずれも同様の機能を有しているので、ここでは、第1の補正値入力コントロール86についてのみ説明する。
第1の補正値入力コントロール86には、後で詳述するように、オペレータの操作に伴って変形する環状(図4においては円形状)の線図86aと、線図86aの中心において直交する縦軸86b及び横軸86cとが描画されている。そして、線図86aと縦軸86bとの2つの交点にはそれぞれ縦軸補正ハンドル86dが、線図86aと横軸86cとの2つの交点にはそれぞれ横軸補正ハンドル86eが表示されている。
ここで、図5を参照しつつ、第1の補正値入力コントロール86における補正値の入力方法について説明する。まず、オペレータが、マウス13のカーソルが縦軸補正ハンドル86dを指した状態で、マウス13の右ボタン又は左ボタンを押下しつつ、縦軸86bに沿ってマウス13をドラッグすると、マウス13の移動量に応じて、画像90の縦軸94a方向に対応する補正値(以降、単に「縦補正値」と称する)が変化する。このとき、図5(a)に示すように、マウス13の移動量に応じて線図86aの縦軸86bに沿う長さが変化する。同様に、オペレータがマウス13を用いて、横軸補正ハンドル86eを操作した場合には、画像90の横軸94b方向に対応する補正値(以降、単に「横補正値」と称する)が変化すると共に、図5(b)に示すように、線図86aの横軸86cに沿う長さが変化する。さらに、オペレータが、マウス13のカーソルが4つのハンドル86d、86eを除く線図86a上を指した状態で、マウス13の右ボタン又は左ボタンを押下しつつ、線図86aの径方向に沿ってマウス13をドラッグすると、縦補正値及び横補正値が同時に変化する。このとき、線図86aは、図5(c)に示すように円形を保った状態で拡大又は縮小する。
なお、基準軸選択ボタン85bによって、「縦軸補正」が選択されている場合には、縦軸補正ハンドル86dのみが操作可能となる。同様に、「横軸補正」が選択されている場合には、横軸補正ハンドル86eのみが操作可能となる。
また、第1の補正値入力コントロール86には、補正値表示フィールド86fが表示される。補正値表示フィールド86fには、基準軸選択ボタン85bによって「縦軸補正」が選択されている場合には、縦補正値が表示される。また、「横軸補正」が選択されている場合には、横補正値が表示される。さらに、基準軸選択ボタン85bによって基準軸が選択されていない場合には、画像90の中心座標を中心とする円の径方向に沿う補正値が表示される。
さらに、第1の補正値入力コントロール86には、補正値増加ボタン86g及び補正値減少ボタン86hが表示される。オペレータが、マウス13のカーソルが補正値増加ボタン86gを指した状態で、マウス13の右ボタン又は左ボタンをクリックすると、補正値が増加する。詳細には、基準軸選択ボタン85bによって、「縦軸補正」が選択された状態で補正値増加ボタン86gが操作された場合には、縦補正値が増加し、「横軸補正」が選択された状態で補正値増加ボタン86gが操作された場合には、横補正値が増加する。また、基準軸が選択されていない状態で補正値増加ボタン86gが操作された場合には、縦補正値及び横補正値が同時に増加する。同様に、補正値減少ボタン86hを操作することによって、縦補正値及び/または横補正値を減少させることができる。なお、オペレータが補正値増加ボタン86g又は補正値減少ボタン86hを操作することによって補正値を入力した場合でも、入力された補正値の方向及び大きさに応じて線図86aが変形する。
OKボタン88は、色収差補正画面80で行われた補正を確定させるためのボタンである。詳細には、オペレータによって、マウス13のカーソルがOKボタン88を指した状態でマウス13の右ボタン又は左ボタンがクリックされると、補正値入力領域85において入力された補正値が確定されると共に、色収差補正画面80がディスプレイ11から消去される。また、キャンセルボタン89は、色収差補正画面80で行われた補正をキャンセルするためのボタンである。詳細には、オペレータによって、マウス13のカーソルがキャンセルボタン89を指した状態でマウス13の右ボタン又は左ボタンがクリックされると、補正値入力領域85において入力された補正値がキャンセルされると共に、色収差補正画面80がディスプレイ11から消去される。
図2に戻って、拡大率記憶部34は、色収差補正画面80の画像表示部83に表示される画像90の中心領域90aの拡大率を記憶する。拡大率書換部35は、レンズ収差補正画面70の表示サイズ入力部73、または色収差補正画面80の表示サイズ入力部82において、オペレータによって中心領域90aの拡大率が入力された際に、拡大率記憶部34に記憶されている中心領域90aの拡大率をオペレータが入力した数値に書き換える。
拡大範囲記憶部36は、色収差補正画面80の画像表示部83に表示される画像90の中心領域90aの範囲を記憶する。拡大範囲書換部37は、レンズ収差補正画面70の表示エリア設定部72、または色収差補正画面80の表示エリア設定部81において、オペレータによって中心領域90aの範囲が操作された際に、拡大範囲記憶部36に記憶されている中心領域90aの範囲をオペレータが設定した範囲に書き換える。
基準線記憶部38は、画像90のレンズ収差を補正する際の基準線となる縦軸94a及び横軸94bの位置を記憶する。基準線書換部39は、レンズ収差補正画面70の中心座標設定部74において、オペレータによって縦軸94a、横軸94b又はそれらの交点の位置が操作された際に、基準線記憶部38に記憶されている縦軸94a及び横軸94bの位置をオペレータが設定した位置に書き換える。
基準色記憶部40は、R、G、Bの3色のうち、画像90の色収差を補正する際に基準となる色を記憶する。基準色記憶部40には、デフォルトで「R」が基準色となるように記憶されている。基準色書換部41は、色収差補正画面80の基準色選択ボタン85aにおいて、オペレータによって基準色が選択された際に、基準色記憶部40に記憶されている基準色をオペレータが選択した色に書き換える。
補正値記憶部42は、画像90の色収差補正を行うための補正値を記憶する。詳細には、R、G、Bの3色のうち基準色以外の2色についてそれぞれ、縦補正値と横補正値とが記憶されている。補正値記憶部42には、初期状態では、いずれの補正値もゼロと記憶されている。補正値書換部43は、色収差補正画面80の補正値入力領域85において、オペレータによって補正値が入力された際に、補正値記憶部42に記憶されている補正値をオペレータが入力した数値に書き換える。なお、上で詳述したように、補正値入力領域85において、オペレータが、縦補正値と横補正値とを分けて操作した場合には、補正値記憶部42に記憶されている縦補正値及び横補正値は、個別に書き換えられる。一方、縦補正値と横補正値とを同時に操作した場合には、補正値記憶部42に記憶されている縦補正値及び横補正値は、同時に書き換えられる。
補正部44は、画像記憶部31に記憶されている画像90に対応する画像データファイルに対して、補正値記憶部42に記憶されている補正値に基づいて色収差補正を施す。例えば、補正値記憶部42に、画像90のG(グリーン)成分の縦補正値が30、横補正値がゼロと記憶されている場合には、補正部44は、画像90のG成分の画像が中心座標を中心に縦軸94b方向のみに変形するように、画像90に対応する画像データファイルを補正する。また、補正値記憶部42に、画像90のG成分の縦補正値及び横補正値が共に30と記憶されている場合には、画像90のG成分の画像が縦横比を保ったまま中心座標を中心に変形するように、画像90に対応する画像データファイルを補正する。
画像表示制御部45は、補正部44によって補正された画像データファイルに係る画像を、レンズ収差補正画面70の画像表示部75、及び色収差補正画面80の画像表示部83に表示する。
プリンタプロセッサ50は、コントローラ30から送信された補正済みの画像データファイルに基づいて、印画紙511に対して露光を行うプリンタ51と、露光済みの印画紙511に対して現像、漂白、安定化などの処理が施されるプロセッサ52と、プロセッサ52から排出された印画紙511を乾燥させる仕上げ処理部53とを有している。
プリンタ51は、印画紙511を収納するペーパーマガジン512と、印画紙511をペーパーマガジン512から引き出しつつ搬送する複数の搬送ローラ対513と、印画紙511をプリントサイズにカットするカッター514と、搬送経路に沿って矢印A方向に搬送される印画紙511に対してコントローラ30で補正処理が施された画像データファイルに対応する潜像を形成する露光ヘッド515とを備えている。なお、露光ヘッド515は、例えばレーザ露光方式、PLZT方式、CRT方式など適宜のものを採用することができる。そして、プリンタ51において露光された印画紙511は、プロセッサ52を経て仕上げ処理部53へと搬送され、仕上がりの写真プリントとして排出される。
次に、図6に示す色収差補正の手順を示すフローチャートを参照しつつ、写真処理装置1における処理の手順について説明する。
まず、ディスプレイ11にレンズ収差補正画面70が表示される(ステップS101)。次に、表示エリア設定部72、表示サイズ入力部73において、オペレータによって、表示条件の操作が行われたかどうかが判断される(ステップS102)。表示条件の操作が行われなかったと判断された場合には(ステップS102:NO)、後述するステップS103を省略してステップS104に進む。一方、表示条件の操作が行われたと判断された場合には(ステップS102:YES)、拡大率書換部35及び拡大範囲書換部37によって、拡大率記憶部34及び拡大範囲記憶部36に記憶されている表示条件が、オペレータに設定された表示条件に書き換えられる(ステップS103)。
続いて、中心座標設定部74において、オペレータによって、画像90のレンズ収差補正を行う際の基準線である縦軸94a、横軸94bの位置が操作されたかどうかが判断される(ステップS104)。基準線の操作が行われなかったと判断された場合には(ステップS104:NO)、後述するステップS105を省略して、ステップS106に進む。一方、基準線の操作が行われたと判断された場合には(ステップS104:YES)、基準線書換部39によって、基準線記憶部38に記憶されている縦軸94a及び横軸94bの位置が、オペレータに設定された位置に書き換えられる(ステップS105)。
その後、オペレータによって、色収差補正ボタン71bが操作されると、ディスプレイ11に色収差補正画面80が表示される(ステップS106)。ここで、表示エリア設定部81、表示サイズ入力部82において、オペレータによって、表示条件の操作が行われたかどうかが判断される(ステップS107)。表示条件の操作が行われなかったと判断された場合には(ステップS107:NO)、後述するステップS108を省略してステップS109に進む。一方、表示条件の操作が行われたと判断された場合には(ステップS107:YES)、拡大率書換部35及び拡大範囲書換部37によって、拡大率記憶部34及び拡大範囲記憶部36に記憶されている表示条件が、オペレータに設定された表示条件に書き換えられる(ステップS108)。
続いて、基準色選択ボタン85aにおいて、オペレータによって、色収差補正の基準色が選択されたかどうかが判断される(ステップS109)。基準色が選択されなかったと判断された場合には(ステップS109:NO)、後述するステップS110を省略してステップS111に進む。一方、基準色が選択されたと判断された場合には(ステップS109:YES)、基準色書換部41によって、基準色記憶部40に記憶されている基準色が、オペレータに設定された基準色に書き換えられる(ステップS110)。
さらに、補正値入力領域85において、オペレータによって、補正値の入力が行われたかどうかが判断される(ステップS111)。補正値の入力が行われたと判断された場合には(ステップS111:YES)、その時点までに、基準軸選択ボタン85bにおいて、オペレータによって、基準軸の設定が行われていたかどうか判断される(ステップS112)。
基準軸が設定されていたと判断された場合には(ステップS112:YES)、補正値書換部43が、補正値記憶部42に記憶されているオペレータによって設定された軸に沿う方向の補正値のみを、オペレータが入力した補正値に書き換える(ステップS113)。その後、ステップS111に戻り、再び補正値の入力が行われたかどうかが判断される。
一方、補正軸が設定されていなかったと判断された場合には(ステップS112:NO)、ステップS111で行われた補正値の入力が、線図86a又は87aにおける各軸方向に対応する縦軸補正ハンドル86d、87d又は横軸補正ハンドル86e、87eのいずれかを操作することによって入力されたのもかどうかが判断される(ステップS114)。補正値が各補正ハンドル86d、87d、86e、87eのいずれかを操作することによって入力されたものであると判断された場合には(ステップS114:YES)、上述したステップS113に進み、オペレータによって操作された補正ハンドルに対応する軸に沿う方向の補正値のみが書き換えられる。一方、補正値が各補正ハンドル86d、87d、86e、87eのいずれかを操作することによって入力されたものではないと判断された場合には(ステップS114:NO)、補正値書換部43が、補正値記憶部42に記憶されている縦補正値及び横補正値の両方を同時にオペレータが入力した補正値書き換える。(ステップS115)。その後、ステップS111に戻り、再び補正値の入力が行われたかどうかが判断される。
このとき、画像表示制御部45が、ステップS113又はステップS115において書き換えられた補正値に基づいて色収差補正が行われた画像90を、画像表示部83に表示する。そして、オペレータは、画像表示部83に表示された画像90によって、補正の効き具合を確認する。このようにして、オペレータは画像表示部83に表示された画像90を確認しながら、縦補正値及び横補正値の調整を行う。
一方、補正値の入力が行われなかったと判断された場合には(ステップS111:NO)、オペレータによって、OKボタン88が操作され、色収差補正が完了したかどうかが判断される(ステップS116)。色収差補正が完了していないと判断された場合には(ステップS116:NO)、ステップS111に戻り、再び補正値が入力されたかどうかが判断される。一方、色収差補正が完了したと判断された場合には(ステップS116:YES)、補正値入力領域85において入力された補正値が確定されると共に、色収差補正画面80がディスプレイ11から消去される。
以上のように、本実施の形態の写真処理装置1は、色収差補正画面表示部33が、互いに相関関係を有する縦補正値及び横補正値の両方をそれぞれ入力することができる第1及び第2の補正値入力コントロール86、87を色収差補正画面80に表示する。したがって、縦補正値と横補正値との調整を容易に行うことができる。
また、本実施の形態の写真処理装置1は、画像表示制御部45が、色収差補正画面80の画像表示部83に、補正部44によって補正された画像データファイルに係る画像90を表示させる。したがって、オペレータは、リアルタイムに補正された画像90を確認しながら縦補正値及び横補正値の入力を行うことができる。よって、縦補正値と横補正値との調整がより容易になる。
さらに、本実施の形態の写真処理装置1は、第1及び第2の補正値入力コントロール86、87において、縦補正値及び横補正値の入力を同時に行うことができる。したがって、縦補正値と横補正値との調整がさらに容易になる。
加えて、本実施の形態の写真処理装置1は、色収差補正画面表示部33が、色収差補正画面80に、初期状態においては円形状であり、オペレータによって補正値が入力された場合に、入力された補正値の方向及び大きさに応じて変形可能な線図86a、87aを表示させる。したがって、オペレータは、色収差補正画面80において入力した縦補正値及び横補正値の大きさを視覚的に確認することができる。その結果、縦補正値及び横補正値の調整が一層容易になる。
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
例えば、上述の実施の形態では、画像表示制御部45が、色収差補正画面80の画像表示部83に、補正部44によって補正された画像データファイルに係る画像90を表示させる場合について説明したが、画像表示部83に表示される画像は、補正された画像でなくてもよい。また、色収差補正画面80に画像90が表示されなくてもよい。
さらに、上述の実施の形態では、第1及び第2の補正値入力コントロール86、87において、縦補正値及び横補正値の入力を同時に行うことができる場合について説明したが、縦補正値と横補正値との入力は同時に行うことができなくてもよい。
また、上述の実施の形態では、色収差補正画面表示部33が、色収差補正画面80に、初期状態においては円形状であり、オペレータによって補正値が入力された場合に、入力された補正値の方向及び大きさに応じて変形可能な線図86a、87aを表示させる場合について説明したが、線図86a、87aは表示されなくてもよい。
加えて、上述の実施の形態では、オペレータが、第1及び第2の補正値入力コントロール86、87を操作することによって、縦補正値と横補正値との調整を行い、画像90の色収差を補正する場合について説明したがこれには限られない。補正値入力コントロールは、画像中において直交する2方向に関する補正値の調整を行うためのものであり、画像の周辺部分の光量不足を補正するための周辺光量補正や、画像の周辺部分の歪みを補正するための歪み補正等の色収差補正以外のレンズ収差補正を行ってもよい。また、補正値入力コントロールによって、レンズ収差補正以外の補正が行われてもよい。さらに、画像中において直交する2方向に関する補正値でなく、単に相関関係を有する2つのパラメータを調整するためのパラメータコントロールであってもよい。例えば、画像を拡大して出力する場合に、解像度の低下に起因する画質悪化を防ぐために、画像を構成する各画素を複数に分割する処理が行われる。このような処理を行う際に、オペレータがパラメータコントロールによって、画像の拡大率と画素の分割数とを調整するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、ポインティングデバイスとしてマウス13を用いる場合について説明しているが、マウス13以外のものを用いてもよい。
さらに、上述の実施の形態では、写真処理装置1について説明したが、これには限られない。本発明は、画像形成装置一般に適用可能である。