JP2006078321A - 位置計測装置、該位置計測装置を装備した露光装置及び該位置計測装置を使用する露光方法 - Google Patents

位置計測装置、該位置計測装置を装備した露光装置及び該位置計測装置を使用する露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】計測精度を向上させることが可能な位置計測装置等を提供すること。
【解決手段】RA光学系30AをレチクルRの下面にピントを合わせるためのRA−AF系37では、レチクルRと光学的に共役な位置からファイン計測系36中の屈折力のある光学部材に至る光路、例えば第2対物レンズ61と第3対物レンズ65との間の光路上に、光学的に2枚以上の正負のレンズで構成され、全体でほぼ無屈折力(焦点距離無限大)となるレンズ系であるアフォーカル系レンズ38を配置して、このアフォーカル系レンズ38を光軸上に沿って駆動させてピント調整を行う。第2対物レンズ61と第3対物レンズ65との間の光路は、第1対物レンズ50とレチクルRとの間の光路に比してスペース的に余裕があり、焦点距離が長く、アフォーカル系レンズ38の移動ストロークを十分確保できる。このため分解能を向上させることができ、高精度で合焦動作(ピント合わせ)を行うことが出来る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、位置計測用パターンなどを撮像して該位置計測用パターンなどの位置を計測する際のピント調整が精度良く行え、計測精度を向上させることが可能な位置計測装置、該位置計測装置を装備した露光装置及び該位置計測装置を使用する露光方法に関する。
一般に、半導体製造のためのリソグラフィ工程においては、被露光基板としてのウエハ上に各種のマスクパターンとしてのレチクルパターンが繰り返し露光され、現像、エッチング、化学的処理等を行ないながら複雑な回路が形成されていく。
従来、ステッパおよびスキャナのレチクルアライメント系においては、露光光を用いた画像処理アライメント光学系が用いられてきた。このような装置においては、明視野型の顕微鏡であるレチクルアライメント(RA)光学系を用いて、レチクル上のレチクルアライメントマーク(RM)と、投影レンズを介してウエハステージ上のアライメント基板上にあるフィデューシャルマーク(基準マークFM)とを同時に観察・撮像し、得られた波形信号を画像処理して、RMとFMの相対マーク位置を検出する。計測のための照明光は、露光に使用するエキシマレーザ光源等をメイン照明系光路より切り換え分岐し、ライトガイド及びリレーレンズ等によりRA光学系に導き、RA光学系内の照明系と、第1対物レンズを経てRMひいてはFMを落射照明している。
レチクルアライメント(RA)は、レチクルを交換するたびにレチクル上の左右2箇所にあるRMをウエハステージ上のFMと同時に合わせて計測することで、レチクルの中心座標と回転を計測し、ウエハステージ座標に換算する機能を有する。結果として、正しいレチクル座標系情報をウエハ座標系で得ることにより、投影レンズを介して、ウエハ上の正しい位置へレチクルパターンを焼付け可能にする。
レチクルアライメント(RA)の後は、ウエハアライメント系(例えばFIA系)を用いて、レジストが塗布されたウエハ上の任意のショット内に形成されたアライメントマークを、複数ショットで検出し画像処理により各位置を求めると共に、統計処理によりウエハ全体の位置と回転量を算出する(EGA計測)。その結果を受け、ステッパは、ウエハステージを正確に位置決めしながらステッピング露光動作を行ない、レチクルパターンをウエハ上の各ショットに重ねて所望の位置に形成することができる。きわめて細い線幅の露光パターンを露光するため、この重ね合せは、数nm(ナノメートル)の精度で行われる必要がある。よって、アライメント精度には更なる精度が要求されている。
また、ステッパにおいては、半導体を効率良く大量生産するために、1時間に何枚のウエハを露光できるか(スループット)の性能が非常に重要である。よって、レチクルアライメント(RA)においても、高いアライメント精度をもつことに加え、いかに高速にアライメント(RA)計測を行えるかが重要である。
さらに、近年、数枚のレチクルを交換して一つの露光領域に重ね露光する2重露光を行うことが増えている。この際には1回目の露光の後、レチクルを交換しレチクルアライメント(RA)計測を行ないレチクル位置・回転情報を得て、露光動作に移るという工程を繰り返している。
上述した投影レンズは、その主光線が両側テレセントリックなレンズであるが、レチクル側の主光線には若干の傾きが残存する場合がある。これはレチクルパターンをウエハ上に投影するための結像においては、何ら問題がないものの、RA光学系では以下のような問題がある。
すなわち、レチクルアライメント光学系においては、レチクル下面に対するピントを厳密に合わせないと、RMとFMの合成像においてその相対位置がずれて計測誤差となることを意味している。RMの像は落射照明光による反射像とFM反射光による透過像とが合成された像である。RA光学系のピントがずれていたり、レチクルの厚みが変わったりして、レチクルへの焦点がずれると、RM反射成分の像とFM反射成分の像(RM透過像含め)が、投影レンズのレチクル側主光線の傾き分だけ横シフトしてしまう。この様な誤差を防ぐため、レチクルアライメント光学系にはオートフォーカス機構(RA−AFと呼ぶ:レチクル・アライメント−オート・フォーカス)が搭載されているが、これまでのRA−AF機構では、RA光学系の第1対物レンズの先に(レチクル寄り位置)、アフォーカル系レンズ(光学的に2枚以上の正負のレンズで構成され、全体でほぼ無屈折力(焦点距離無限大)となるレンズ系)を設置しているので、このアフォーカル系レンズを光軸方向に沿って駆動させるための、物理的に余裕のあるスペース(分解能を上げるためのストローク)を十分確保することができず、このため更なるアライメント精度要求に応じることが難しい問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、計測精度を向上させることが可能な位置計測装置、該位置計測装置を装備して高精度の露光が行える露光装置及び該位置計測装置を使用して高精度の露光が行える露光方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する、本発明の請求項1に記載の位置計測装置は、第1物体(レチクルR)上に形成された位置計測用パターン(レチクルアライメントマークRM)及び第2物体(ウエハW)を載置するステージ(ウエハステージWST)の所定面(基準部材又はウエハW)上に位置する基準マークを、光源からの照明光を用いて照明し、前記位置計測用パターンの像及び前記基準マークの像を撮像手段(ファイン計測用CCDカメラ、サーチ計測用カメラ)により撮像して計測信号を得て、該計測信号に基づいて前記位置計測用パターンと前記基準マークとの相対位置を計測する計測装置であって、前記位置計測パターンの像と前記基準マークの像とを形成する結像光学系(サーチ計測系33、ファイン計測系36)を備え、該結像光学系は、前記第1物体(レチクルR)と光学的に共役な位置から前記結像光学系中のパワー(屈折力)を有する光学部材(凸レンズ、凹レンズ、反射ミラーなどの屈折力を有する光学部材:例えば図2に示す第3対物レンズ)に至る光路中(例えば図2の第2対物レンズと第3対物レンズとの間の光路中)に配置されて、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系(RA−AF系37、アフォーカル系レンズ38)を備えていることを特徴とする。
請求項1に記載の位置計測装置において、前記光源と前記位置計測用パターンとの間の照明光路及び/又は前記前記位置計測パターンと前記撮像手段との間の結像光路中に配置されて、該光路を分割する光路分割部材(ハーフミラー45,48,66)と、前記光路分割部材の近傍に配置された絞り(開口絞り60又は視野絞り53)と、を備え、前記光路分割部材の厚みを、該光路分割部材で発生し且つ前記照明光路及び/又は前記結像光路を進行する光と干渉し得る光を前記絞りの遮光部に導く厚みに設定することが好ましい(請求項2)。
請求項1又は2に記載の位置計測装置において、前記結像光学系の波面収差をPV(Peak to Valley)値で0.2λ以下に設定することが好ましい(請求項3)。
請求項1乃至3の何れか一項に記載の位置計測装置において、前記基準マークは、前記ステージ上に設けられた基準部材上に形成される(請求項4)。
上記目的を達成する、本発明の請求項5に記載の露光装置は、マスクパターン(レチクルパターン)を照明して、該マスクパターンの像をステージ(ウエハステージWST)に載置された被露光基板(ウエハW)に転写する露光装置であって、請求項1乃至4の何れか一項に記載の位置計測装置と、前記マスクに形成された位置計測用パターンと前記ステージ上の所定面に位置する基準マークとを前記位置計測装置を用いて計測した結果に基づいて、前記マスクと前記被露光基板との相対位置を調整する制御手段(主制御系)と;を備えることを特徴とする。
上記目的を達成する、本発明の請求項6に記載の露光方法は、マスクパターン(レチクルパターン)を照明して、該マスクパターンの像をステージ(ウエハステージWST)に載置された被露光基板(ウエハW)に転写する露光方法であって、前記マスクに形成された位置計測用パターン(レチクルアライメントマークRM)と前記ステージ上の所定面(基準部材又はウエハW)に位置する基準マークとを請求項1乃至4の何れか一項に記載の位置計測装置を用いて計測する計測工程と、この計測工程による計測結果に基づいて、前記マスクと前記被露光基板との相対位置を調整する調整工程と、この相対位置を調整した後に、前記マスクパターンの像を前記被露光基板に転写する転写工程と;を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の位置計測装置によれば、結像光学系が、第1物体(レチクルR)と光学的に共役な位置から結像光学系中のパワー(屈折力)を有する光学部材に至る光路中に配置されて、結像光学系の結像位置を調整する調整光学系(RA−AF系37、アフォーカル系レンズ38)を備えているので、すなわちスペース的に余裕のある箇所に調整光学系が設置されているので、ピント調整(合焦)のために調整光学系をその光軸に沿って移動させる移動ストロークを大きくとることが可能となり、分解能を上げて高精度のピント調整が行え、またスペース的に余裕があることから、振動などに対して安定した構造のものが構築でき、これらの結果、位置計測用パターンと基準マークの計測精度(第1物体と第2物体との相対位置の計測精度)を向上させることができる。
請求項2に記載の位置計測装置によれば、照明光路及び/又は結像光路に配置された光路分割部材(ハーフミラー)とこの近傍に配置された絞り(開口絞り又は視野絞り)を備え、光路分割部材の厚みを、該光路分割部材で発生し且つ照明光路及び/又は結像光路を進行する光と干渉し得る光を絞りの遮光部に導く厚みに設定してあるので、請求項1に記載の効果を奏する上に、RA光学系において発生する干渉縞を可及的に低減することができ、計測精度をさらに向上させることが可能となる。
請求項3に記載の位置計測装置によれば、結像光学系の波面収差をPV(Peak to Valley)値で0.2λ以下に設定してあるので、請求項1に記載の効果を奏する上に、結像した像の波形信号のエッジの劣化を抑え、計測精度をさらに向上させることが可能となる。
請求項4に記載の位置計測装置によれば、基準マークをステージ上に設けられた基準部材上に形成してあるので、位置計測用パターンの像と共に撮像される基準マークの像の撮像が容易になり、計測がスムーズに行える。
請求項5に記載の露光装置、請求項6に記載の露光方法によれば、請求項1乃至4に記載の何れか一項に記載の位置計測装置を使用しているので、位置計測用パターンと基準マークの計測精度、すなわちマスクと被露光基板との相対位置の計測精度を向上させることができ、この結果、露光精度を向上させることが可能となる。
以下本発明の位置計測装置、該位置計測露光方法及び該露光方法を実施する露光装置の実施形態について図1乃至図6を参照して説明する。
図1は本発明の位置計測装置を備えた露光装置の一実施形態を示す全体構成図、図2は本発明の位置計測装置を詳細に示す平面図、図3は図2に示す位置計測装置に装備されたサーチ計測用CCDカメラ、ファインX軸、Y軸計測用ラインセンサの近傍に配置した温調機構の説明図、図4は図2に示す位置計測装置の計測照明光学系の構成図、図5(A)は図4の計測照明光学系のライトガイドを示す一部省略した説明図、(B)は同ライトガイドの密封構造の一部切欠した説明図、図6(A)、(B)は図2に示す位置計測装置に配置されたハーフミラー及びこのハーフミラーの近傍に設置された開口絞り、視野絞りによる干渉縞低減対策を説明する説明図、図7(A)図2に示す位置計測装置に装備されたファインX軸、Y軸計測用ラインセンサの側面図、(B)は同平面図、図8は図2に示す位置計測装置の光学系(レチクルアライメント(RA)光学系)のコマ収差と像エッジ劣化との関係を示すグラフ、図9は図2に示す位置計測装置の光学系(レチクルアライメント(RA)光学系)の球面収差と像エッジ劣化との関係を示すグラフ、図10はファイン計測系とサーチ計測系における、レチクルアライメントマークRM、基準マークFM及びこれらの検出像を示す説明図である。
先ず、本実施形態の露光装置10の全体構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態においては、露光装置10は、マスクとしてのレチクルR上に形成された回路パターン等のレチクルパターンを、ステップ・アンド・リピート方式により投影光学系PLを介して被露光基板としてのウエハWの各ショット領域上に順次露光転写する、縮小投影型の露光装置である。図1中、X軸及びZ軸は紙面に並行に設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。
露光装置10は、エキシマレーザ11,ビームマッチングユニット12(図4参照)などを備えた照明光学系14と、レチクルRを保持するレチクルステージRSと、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを保持する可動ステージとしてのウエハステージWSTと、レチクルアライメントの際に使用される、位置計測装置である、結像光学系としてのレチクルアライメント(RA)光学系(レチル顕微鏡)30A、30Bと、不図示のウエハライメント光学系、フォーカス検出系及び装置全体を統括制御する主制御系15(主制御部16、位置演算部17)等を備えている。
レチクルRは、照明光学系14の下方に配置されたレチクルステージRS上に載置されて、不図示のバキュームチャック等を介して吸着保持される。レチクルステージRSは、水平面(XY平面)内で2次元移動可能に構成されており、レチクルRが載置された後、レチクルRのパターンが形成された領域の中心点が光軸と一致するように位置決めが行われる。このレチクルRの位置決めのために、前述したRA光学系30A、30Bを使用してレチクルアライメントが行われる。
レチクルRには、図10に示すように、回路パターンなどが形成された領域の左右外側に位置計測用パターンであるレチクルアライメントマークRMが形成されている。このレチクルアライメントマークRMは、レチクルアライメント(RA)光学系30A、30Bを使用してレチクルアライメントを行う際に使用するもので、例えばクロムなどの金属薄膜により形成される。図10では、十字状のパターンと正方形状のパターンをそれらの中心が互いに一致するように重ね合わせ且つ正方形状のパターンの外側に適宜間隔をあけて各辺にそれぞれ平行に1本の直線状のパターン(合計4本の直線状のパターン)を配置して形成した場合を示している。
レチクルステージRSには、不図示のレチクル干渉計からのレーザビームを反射する不図示の移動鏡が固定され、レチクルステージRSの移動面内での位置が、所定の分解能で常時検出される。レチクル干渉計からのレチクルステージRSについての位置情報は、主制御系15に送られる。主制御系15は、この位置情報に基づいてレチクルステージ駆動系19を介してレチクルステージRSを駆動する。
投影光学系PLは、複数のレンズエレメントから構成され、これらレンズエレメントが両側テレセントリックな光学配置になるように共通のZ軸方向の光軸を有する。投影光学系PLとしては、投影倍率が例えば1/4、1/5又は1/6のものが使用されており、照明光によりレチクルRのパターンが形成された領域が照明されると、レチクルRのパターンの像が投影光学系PLによって縮小された状態で感光剤としてのレジストが塗布されたウエハW上に縮小投影され、ウエハW上のあるショット領域にレチクルRのパターンの縮小像が転写される。
ウエハWは、ウエハステージWST上に、ウエハホルダ21を介して真空吸着等により固定されている。ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に配置され、水平面(XY面)内を2次元移動可能なXYステージ22と、このXYステージ22下に搭載された光軸方向(Z軸方向)に微動可能なZステージ23等から構成される。
ウエハステージWSTの2次元的な位置は、ウエハステージWST上に固定された移動鏡24を介して干渉計18により所定の分解能(例えば1nm程度)で常時検出される。干渉計18の出力は主制御系15に送られ、該主制御系15の制御部16からウエハステージ駆動系20を介してウエハステージWSTが制御され、例えばウエハW上の1つのショット領域に対するレチクルRのパターンの転写露光が終了すると、次のショット位置までウエハWをステッピングさせるようにウエハステージWSTが制御される。
ウエハWの面のZ軸方向の位置は、前述したフォーカス検出系(図示せず)により測定される。このフォーカス検出系は、例えば投影光学系PLの結像面に向けて結像光束若しくは平行光束を光軸AXに対して斜め方向より照射する照射光学系と、この結像光束若しくは平行光束のウエハWの表面(基準板FMの表面)での反射光束を受光する受光光学系とを有する。受光光学系からの信号は、主制御系15に供給され、主制御系15は、この信号に基づき、投影光学系PLの最良結像面にウエハWの面が位置するように、ウエハWのZ軸方向の位置を制御する。
ウエハステージWST上には、レチクルアライメント及びベースライン計測のための基準マークFM(図10参照)が形成された基準部材25が固定される。この基準マークFMは、例えば、図10に示すように、3本の直線状パターンをX軸方向に所定の間隔をあけて2組配列すると共に、3本の直線状パターンをY軸方向に所定の間隔をあけて2組配列して形成される。
主制御系15は、制御部16と位置演算部17とを備えており、RA光学系(レチクル顕微鏡)30A、30Bやウエハライメント光学系から撮像信号(計測信号)を入力し、この計測信号に基づいて位置演算部17でレチクルRとウエハWの位置を演算し、この演算結果や干渉計18、レチクル干渉計からの信号等に基づいて制御部16を介してレチクルステージ駆動系19、ウエハステージ駆動系20等に制御信号を出力するように構成されている。これによりレチクルRとウエハWとの相対位置が調整される。
RA光学系30A、30Bは、VRA(画像検出方式のレチクルアライメント:Video Reticle Alignment)センサから構成されており、RA光学系30Aは、図1は露光装置10に向かって右側に配置され、またRA光学系30Bは、投影光学系PLの光軸を挟んだX方向反対側の対称位置である左側に配置される。
RA光学系30Aについての説明を行い、RA光学系30Bについては、RA光学系30Aと同一構成部分に同一符号を付してその説明を省略する。
RA光学系30Aは、図2に示すように、露光用の照明光を照明光学系14から分岐してRA光学系30Aに導く計測照明光学系31と、図10に示すようなサーチ系の検出像を撮像するサーチ計測用CCDカメラ32を備えた、結像光学系としてのサーチ計測系33と、図10に示すようなファイン系の検出像を撮像する、同じく結像光学系としてのファイン計測用ラインセンサ34,35を備えたファイン計測(ファイン結像)系36と、RA光学系30AをレチクルRの下面にピントを合わせるためのレチクル・アライメント・オート・フォーカス(RA−AF)37と、を具備する。
なお、ファイン計測系36では、図10に示すように、基準マークFM上にレチクルアライメントマークRMが重なった状態の検出像が撮像されるが、サーチ計測系33では、基準部材25のクロム(Cr)反射面、または場合によってはガラス面が下地となり、この反射面上にレチクルアライメントマークRMが重なった状態の検出像が撮像される。
先ず、計測照明光学系31について図4を参照して説明すると、計測照明光学系31は、ビームマッチングユニット12及びミラー26を介してメイン照明系である照明光学系14へ導かれるエキシマレーザ11からの露光光を分岐するための分岐ミラー41を備えている。この切換ミラー41は、エキシマレーザ11からの露光光の光路に挿脱可能に設けられており、露光光の光路に挿入されたときには、切換ミラー41で反射された露光光を計測用照明光としてライトガイド41aの金属ターミナル部82の入射端に導く。ライトガイド41aに導かれた計測用照明光は、中継レンズ84を経た後に2分岐ライトガイド46bに導かれ、その金属ターミナル部86の射出端から射出され、計測照明光学系31の照明テレセントリシティを調整するためのテレセンハービング(平行平板)42、コンデンサレンズ43、照野絞り44、ハーフミラー45、サーチ計測用第2対物レンズ46、ミラー47、ハーフミラー48を介して偏向ミラー49に至り、この偏向ミラー49で光路がレチクルR側に向けられ、第1対物レンズ50、クランクミラー51(図1参照)を介してレチクルR下面のレチクルアライメントマークRMを均一且つ照野絞りで決められた照明エリア(照野)でケーラー照明する。クランクミラー51は、レチクルアライメント時にのみ図1に示すように照明光学系14とレチクルRとの間の空間に導入され、露光処理時にはこの空間の外側に移動される。レチクルアライメントマークRMは図10に示すように形成されており、刻線部以外の大部分の領域は照明光が透過する。透過した計測用照明光は投影光学系PLを介して基準部材25に導かれて基準マークFMを照明する。
基準部材25の表面は、Cr膜等の金属膜に基準マークFMの部分のみがエッチングされたガラス基板面となっている。基準部材25を反射した光は、再度投影光学系PLによりレチクルRの下面へと導かれ、基準マークFMの像がレチクルアライメントマークRM下面に形成される。レチクルアライメントマークRMは再度基準部材25の反射領域にて下から照明される。このようにしてレチクルアライメントマークRMと基準マークFMは照明されて、その反射光は、クランクミラー51、第1対物レンズ50及び偏向ミラー49を介してハーフミラー48に導かれる。ハーフミラー48を透過した反射光は、サーチ計測系33に導かれ、またハーフミラー48で反射した反射光(レチクルアライメントマークRMの反射光と基準マークFMの反射光)は、ファイン計測系36に導かれる。
次に、サーチ計測系33について説明する。サーチ計測系33は、ファイン計測系36に比して計測倍率が低く、基準マークFMの代わりに基準部材25の反射面(Crまたはガラス面)からの反射光を使用し、レチクルアライメントマークRMのみの2次元信号波形を得て、レチクルR上の広いエリアを計測する。レチクルRが投入された直後に、レチクルアライメントマークRMを観察し位置計測し、ラフアライメントを行なう際に使用される。
ハーフミラー48を透過した反射光は、ミラー47、サーチ計測用第2対物レンズ46を介してハーフミラー45に導かれ、このハーフミラー45を反射してサーチ視野絞り53位置で中間結像する。サーチ視野絞り53を通過した反射光はミラー54で反射され、サーチ第1リレーレンズ55、サーチ開口絞り56、サーチ第2リレーレンズ57などを介して偏向ミラー58(図3参照)に至り、この偏向ミラー58により光軸が偏向されてサーチ計測用CCDカメラ32に入射し、このサーチ計測用CCDカメラ32の受光素子上に結像する。
次に、ファイン計測系36について説明する。ファイン計測系36は、サーチ計測系33に比して計測倍率が高く、基準マークFMに対するレチクルアライメントマークRMの位置を高精度に計測するものである。
ハーフミラー48を反射した反射光は、開口絞り60、ファイン第2対物レンズ61、光軸ハービング(平行平板)62を介してミラー63に導かれ、このミラー63を反射して視野絞り64位置で中間結像する。視野絞り64を通過した反射光は、ファイン第3対物レンズ65を介してハーフミラー66に導かれる。このハーフミラー66を反射した反射光は、アス調整用レンズ67aを含むX軸第4対物レンズ67、光軸ハービング70を介して偏向ミラー72(図3参照)に至り、この偏向ミラー72により光軸が偏向され、ファインX軸計測用ラインセンサ34に入射し、結像する。ハーフミラー66を透過した反射光はミラー69で反射され、Y軸第4対物レンズ68、光軸ハービング71を介して偏向ミラー73(図3参照)に至り、この偏向ミラー73により光軸が偏向され、ファインY軸計測用ラインセンサ35に入射し、結像する。
ファイン計測系(結像系)では、図10の検出像、すなわちレチクルアライメントマークRMと基準マークFMの合成像が得られる。ここで、レチクルアライメントマークRMはレチクルR上への落射照明光による反射像と基準マークからの反射光による透過像が合成された像になっている。ファインX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35で撮像された信号波形は、位置演算部17で画像処理され、基準マークFMとレチクルアライメントマークRMとの相対位置が計測される。この際、基準マークFMのウエハステージ座標系における位置は、干渉計18にて正確に計測され、レチクルアライメントマークRMのレチクルステージ座標系における位置は同様に、不図示のレチクルステージ干渉計(ステージXY座標計測)にて正確に計測されており、信号波形から求められた基準マークFMとレチクルアライメントマークRMの相対位置ずれから、レチクルアライメントマークRMのウエハステージ座標系換算値のXY座標を求めることができる。
上述したサーチ計測用CCDカメラ32、X軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35の付近には、図3に示すように、温調機構74がそれぞれ装備されていて、これらサーチ計測用CCDカメラ32、X軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35から発生する熱がレチクルR側の光学系に伝わらないようにしている(レチクルステージRSを含むレチクルR周辺の雰囲気が変動しないように熱を遮断している)。
RA光学系30AとRA光学系30Bは、レチクルR中心に対し線対称に左右に設置されており、左右2つのレチクルアライメントマークRMマークを同時に計測することができる。これにより、レチクルRの回転も計測できるため、レチクルRの位置・回転を正確に求めることができる。
次に、レチクル・アライメント・オート・フォーカス(RA−AF)系37について説明する。RA−AF系37では、レチクルRと光学的に共役な位置からファイン計測系36中の屈折力のある光学部材に至る光路、例えば第2対物レンズ61と第3対物レンズ65との間の光路上に、光学的に2枚以上の凸凹のレンズで構成され、全体でノンパワー(焦点距離無限大)となるレンズであるアフォーカル系レンズ38を配置して、このアフォーカル系レンズ38を光軸上に沿って駆動させてピント調整を行っている。第2対物レンズ61と第3対物レンズ65との間の光路は、第1対物レンズ50とレチクルRとの間の光路に比してスペース的に余裕があり、焦点距離が長く、アフォーカル系レンズ38の移動ストロークを十分確保できる。このため分解能を向上させることができ、高精度で合焦動作(ピント合わせ)を行うことが出来る。また、スペース的に余裕があることから、アフォーカル系レンズ38を光軸に沿って移動させる機構として機械的に安定した高強度構造のものを構築することができる。
なお、この第2対物レンズ61と第3対物レンズ65との間の光路と、従来例の第1対物とレチクル間の光路以外では、倍率が変化すること、波面収差が変化するなどのデメリットがある。
RA−AF37の信号処理は主制御系16の位置演算部17で行われ、この信号処理としては、アフォーカル系レンズ38を駆動させた際のレチクルアライメントマークRMの像の信号波形を取り込み、各波形信号に対し微分信号の最大値(通常、像の左右エッジにある)を求め、その微分最大値がフォーカス変化(つまりアフォーカル系レンズ駆動)によって、さらに最大となる位置を求める。微分最大値とフォーカスの関係は、山型の正規分布のような曲線となり、例えば2次フィッティングし最大値を取るなど、各種アルゴリズムにてその最大値を求めることができる。
本発明では、アフォーカル系レンズ38を上述のように第2対物レンズ61と第3対物レンズ65との間の光路に設置する他に、次のような工夫が施されている。
RA光学系30A(RA光学系30Bについても同様)に配置される、光路分割部材としての各ハーフミラー45,48,66には、図6(A)、(B)の説明図に示すように干渉縞を低減する対策が施されている。図6(A)は同図の下側から光がハーフミラーに入射した場合の干渉縞低減対策を示し、同(B)は同図の上側から光がハーフミラーに入射した場合の干渉縞低減対策を示している。なお、ハーフミラー48の場合にあっては、計測照明光をレチクルRに導くときには図6(B)に示すように上側から光が入射し、反射光をサーチ計測系33やファイン計測系36に導くときには図6(A)に示すように下側から光が入射する。
ハーフミラー45,48,66では、入射する光の一部がミラー面HMで反射する一方、残りの光がミラー面HMを透過するが、この透過した光のうちの一部がミラー面HMと反対側にある裏面で反射してしまい、この裏面での反射光がミラー面HMでの反射光や透過光と干渉して干渉縞を発生させる。この干渉縞がRA光学系30Aで発生すると、計測精度を向上させることができなくなる。
そこで、本発明では、干渉縞を低減させるために、各ハーフミラー45,48,66の近傍にサーチ視野絞り53、ファイン開口絞り60などを配置すると共に、ハーフミラー45,48,66の厚さを、ハーフミラー45,48,66内で発生し且つ照明光路及び/又は結像光路(レチクルアライメントマークRMなどから反射してサーチ計測用CCDカメラ32、ファインX軸計測用ラインセンサ34などに導く光路)を進行する光と干渉し得る光(例えばハーフミラー45,48,66の裏面で反射する光)をサーチ視野絞り53、開口絞り60などの遮光部へ導く厚さに設定している。
なお、ハーフミラー66の近傍には視野絞り、開口絞りが配置されていないが、図2に示すように遮光部66aがファイン開口絞りと共役位置近傍に配置されている。
したがって、ハーフミラー45,48,66の裏面で反射した光は、ハーフミラー45,48,66を反射、透過して照明光路や結像光路に進行する光と干渉する前にカットされ、干渉縞を低減して計測精度を向上させることが可能となる。
各ハーフミラー45,48,66は、光束が絞られる瞳面近傍やレチクルRの共役面近傍の位置にそれぞれ配置されており、上述したミラー面HMと反対側の裏面での反射光をカットしやすい配置となっている。この瞳面近傍やレチクルRの共役面近傍以外の箇所では、ハーフミラー45,48,66をさらに厚くしなければ光を反射光と透過光に分離するのが困難となる。
なお、各ハーフミラー45,48,66の裏面には、通常、反射防止効果のあるコーティングがなされているが、それでも微小な干渉縞が受光センサ上で発生してしまうことがある。この対策のために、ハーフミラー45,48,66の裏面の形状を曲率半径の鈍いレンズ面にする手法や、楔をつける手法がある(例えば特開2003−344010号公報参照)。これらの効果により、ハーフミラー45,48,66の裏面の反射光が、サーチ計測用CCDカメラ32、ファインX軸計測用ラインセンサ34などに届かなくなるか、受光面上で発生する干渉縞のピッチがサーチ計測用CCDカメラ32、ファインX軸計測用ラインセンサ34のピクセルの大きさよりも小さくなれば、干渉縞の影響を排除することが出来る。
結像光学系である、サーチ計測系33とファイン計測系36の光学系に(コマ収差成分や球面収差成分)が残存していると、結像した波形信号のエッジが鈍くなり計測精度に影響する。
そこで、本発明では、結像光学系である、サーチ計測系33とファイン計測系36の光学系の波面収差をPV(Peak to Valley)値で0.2λ(λ=193nmまたは248nm等の露光光波長)以下に設定してある。これにより、サーチ計測用CCDカメラ32、ファインX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35で撮像した像のエッジの劣化が抑えられて、サーチ計測用CCDカメラ32、ファインX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35からの信号波形を主制御系15の位置演算部17で画像処理して、基準マークFMとレチクルアライメントマークRMとの相対位置を計測する際の計測精度を向上させることが可能となる。
図8はコマ収差と像エッジ微分値との関係を示し、また図9は球面収差と像エッジ微分値との関係を示しており、いずれの場合にあっても波面収差(コマ収差、球面収差)のPV値を0.2λ以下に設定することによって、像エッジの微分値が1程度に維持されることが(像のエッジでの傾きがシャープに維持され、計測精度を向上させることが)裏付けられた。
本実施形態では、図4に示すように、切換ミラー40から分岐した露光光の一部である計測照明光の光路上に変倍リレーレンズ80,回転拡散板81,ライトガイド41a、中継レンズ84,2分岐ライトガイド41bを配置して計測照明光学系31内で発生する干渉縞を低減する工夫が施してある。すなわち、2本のライトガイド41a、41b間に中継レンズ84を配置し、ライトガイド41aの金属ターミナル部83にある射出端とライトガイド41bの金属ターミナル部85にある入射端をそれぞれ中継レンズ84の前側焦点位置と後側焦点位置に設置する構成とし、ライトガイド41aからの光束に基づいてライトガイド41bの入射端をケーラー照明して、計測照明光学系31内で発生する干渉縞を低減している。
なお、図4では中継レンズ84を1枚のレンズで図示してあるが、中継レンズ84の枚数は1枚に限定されない。また、中継レンズ84に加えて、リレー光学系や、光路を偏向するための光路偏向プリズムなどを配置してもよい。同様に、変倍リレーレンズ80の前後の光路にも、変倍リレーレンズ80に加えて、別のリレー光学系や、光路を偏向するための光路偏向プリズムなどを配置しても良い。
なお、変倍リレーレンズ80は、計測照明光の光束の断面をライトガイド41aの入射端面に合わせた大きさに調整するものである。また、回転拡散板81を設置し、これに対向するライトガイド41aの入射端を傾斜設置することにより、角度(発散角)を有し且つ面積を有する二次光源をライトガイド41aの射出端に形成している。
また、ライトガイド4a、41b内部には、光ファイバ素線の被服物質や、端面の充填剤(多数のライトガイド間の隙間を埋めるもの)等があり、このような材料から発生する曇り物質(レンズ等に付着しエキシマ波長域での透過率を劣化させる)が外部に漏れることを防止するために、密封構造にすることが望ましい。すなわち、図5(A)、(B)に示すように、ライトガイド41a、41bは、そのフレキシブル管87を空気の漏れない密封タイプとし(フレキシブルなガス管のようなもの)、両端の金属ターミナル部82(83,85,86)はガラス89で密封した構造とする。すなわち、ケミカルクリーン対応のため、周辺の環境に不要なガス成分を発散しないような構造とする。ガラス89による密封手法は特に問わない。ただし、内部の材料から曇りを発生させる物質が発生しない場合にはこの限りではない。
また、本実施態様では、図7(A)、(B)に示すように、X軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35のカバーガラス34a、35aを5度程度傾けて設置し、またカバーガラス34a、35aには使用波長で有効な反射防止コートを蒸着する。これにより、X軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35の受光面とカバーガラス34a、35a等で発生する干渉縞を低減かつ縞の周期をX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35のピクセルサイズよりも小さくすることで影響を無視できるようにしている。
また、本実施態様では、図2に示すファイン計測系36内にアス(ピントのXY差)調整機構を設置している。すなわち、X軸第4対物レンズ67内にアス調整用レンズ67aを設置してピントのXY差を調整できるようにしている。装置組立時においてピントのXY差を調整するのにX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35を光軸に沿って移動させようとすると、例えば倍率が30倍乃至40倍の場合には長距離移動させる必要があるが、アス調整用レンズ67aを設置し、このアス調整用レンズ67aで調整する場合には、X軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35を光軸に沿って移動させる必要が全くなく、アス調整用レンズ67aを光軸に沿って僅かに移動調整させるだけで済む。
また、本実施態様では、アフォーカル系レンズ38と視野絞り64の間、およびX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35の近傍に、光軸ハービング(傾け可能な平行平板)62,70,71をそれぞれ設置し、光学調整後に残存するレチクルアライメントマークRM上の光軸ズレ(X軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35上にレチクルアライメントマークRMがずれて投影される)を容易に調整可能としてある。これまでは、危険防止のために、エキシマレーザの照射を中断して、この中断時にX軸計測用ラインセンサ34、ファインY軸計測用ラインセンサ35自体を移動させる、非常に手間がかかる調整作業が必要であったが、これを省略することが出来る。
また、本実施態様では、各光学部品をホールドする金物・鏡筒の継ぎ目の隙間をなくし、外から光路が見えないように密封構造とする。また、センサ周りに関しては密封カバーを取り付ける等の遮光対策をとっている。これにより、エキシマレーザ光等を使用しているDUV(遠紫外)光を導光した際の漏れ光を防止した。これにより、調整作業時においてもDUV(遠紫外)光が漏れることが無くより安全となる。
また、本実施態様では、計測用照明光学系31の照野内に亘っての照明テレセントリック性の向上、ファイン計測系34,35の視野内に亘っての結像テレセントリック性の向上、ファイン計測系34,35のディストーションの低減を図っている。
例えば、照野内に亘るテレセントリック性に関しては、コンデンサレンズ43,サーチ第2対物レンズ46及び第1対物レンズ50を介してレチクルRにいたる計測照明光学系31において、レチクルR側の主光線のテレセントリシティが十分によくなるように設計されている。また、視野内に亘っての結像テレセントリック性に関しては、第1対物レンズ50、第2対物レンズ61、第3対物レンズ65、第4対物レンズ67,68で形成されるファイン計測系36においては、レチクル側のテレセントリシティ(主光線が光軸に平行)が十分によくなるように設計されている。
また、ディストーション低減では、ファイン計測系36において、ディストーションが残存していると、レチクルアライメントマークRMの位置が若干ずれて設定された際や、レチクルアライメントマークRMのデザインが異なる場合(本数や大きさ)にレチクルアライメント計測誤差となるので、光学系のディストーションがレチクルアライメントの精度に影響を与えないよう十分小さくしてある。
サーチ計測系31においては、レチクルRの挿入時にはレチクルアライメントマークRMが視野内の中心からずれた位置に設置されている。サーチ計測は、撮像素子のピクセル座標を光学系倍率で換算してレチクル座標に置き換え位置計測を行っているので、光学系のディストーションがあると、そのレチクルアライメントマークRMの場所に応じて光学系の倍率誤差が生じ計測結果がだまされるので、これが生じないように光学系のディストーションが十分小さくしてある。
いずれにしても光学系のディストーションを抑え、計測誤差要因として問題ない大きさとするか、または前記ピクセル座標をレチクル座標に換算する過程で、ディストーションによる誤差分をソフト的に補正する手段が必要となる。
なお、本実施態様では、上述したように種々の干渉縞低減対策を施しているが、暗視野により干渉縞を低減するようにしてもよい。
RA光学系30A、30Bにおいては、明視野の結像系を使っているが、暗視野の結像系を用いれば前記各種干渉縞を低減できる可能性が高い。しかし、本例のような通常のレチクルアライメントマークRMの場合、金属膜部とガラス部の反射強度差により像として結像している(強度パターン)。この強度パターンでは、暗視野では像コントラストが得られないので、暗視野系で良好な観察像を得るためには、強度パターンに代えて、段差パターンのようなパターンの位相差部分が結像に寄与するパターンにするようにしてもよい。
本実施態様ではエキシマレーザを露光光源とする装置を例に説明したが、本技術は、DUV(遠紫外)、水銀ランプ(波長g線、i線、h線)等を光源とした露光装置にも容易に適用できる。
本発明の位置計測装置を備えた露光装置の一実施形態を示す全体構成図である。 本発明の位置計測装置を詳細に示す平面図である。 図2に示す位置計測装置に装備されたファイン計測用CCDカメラの近傍に配置した温調機構の説明図である。 図2に示す位置計測装置の照明光学系の構成図である。 図5(A)は図4の照明光学系のライトガイドを示す一部省略した説明図である。
図5(B)は同ライトガイドの密封構造の一部切欠した説明図である。
図6(A)は図2に示す位置計測装置に配置されたハーフミラー及びこのハーフミラーの近傍に設置された開口絞り、視野絞りによる干渉縞低減対策を説明する説明図である。
図6(B)は図2に示す位置計測装置に配置されたハーフミラー及びこのハーフミラーの近傍に設置された開口絞り、視野絞りによる干渉縞低減対策を説明する説明図である。
図7(A)は図2に示す位置計測装置に装備されたファイン計測用CCDカメラの側面図である。
図7(B)は同平面図である。
図2に示す位置計測装置の光学系(レチクルアライメント(RA)光学系)のコマ収差と像エッジ劣化との関係を示すグラフである。 図2に示す位置計測装置の光学系(レチクルアライメント(RA)光学系)の球面収差と像エッジ劣化との関係を示すグラフである。 ファイン計測系とサーチ計測系における、レチクルアライメントマークRM、フィデューシャルマーク(基準マークFM)及びこれらの検出像を示す説明図である。
符号の説明
10 露光装置
15 主制御系
25 基準部材
30A、30B RA光学系
31 計測照明光学系
32 サーチ計測用CCDカメラ
33 サーチ計測系
34 ファインX軸計測用ラインセンサ
35 ファインY軸計測用ラインセンサ
36 ファイン計測系(結像光学系)
37 RA−AF系
38 アフォーカル系レンズ
45,48,66 ハーフミラー
53 サーチ視野絞り
60 開口絞り
R レチクル(マスク)
RS レチクルステージ
W ウエハ(被露光基板)
WST ウエハステージ(可動ステージ)
RM レチクルアライメントマーク(位置計測用パターン)
FM 基準マーク

Claims (6)

  1. 第1物体上に形成された位置計測用パターン及び第2物体を載置するステージの所定面上に位置する基準マークを、光源からの照明光を用いて照明し、前記位置計測用パターンの像及び前記基準マークの像を撮像手段により撮像して計測信号を得て、該計測信号に基づいて前記位置計測用パターンと前記基準マークとの相対位置を計測する計測装置であって、
    前記位置計測パターンの像と前記基準マークの像とを形成する結像光学系を備え、
    前記結像光学系は、前記第1物体と光学的に共役な位置から前記結像光学系中のパワーを有する光学部材に至る光路中に配置されて、前記結像光学系の結像位置を調整する調整光学系を備えていることを特徴とする位置計測装置。
  2. 請求項1に記載の位置計測装置において、
    前記光源と前記位置計測用パターンとの間の照明光路及び/又は前記前記位置計測パターンと前記撮像手段との間の結像光路中に配置されて、該光路を分割する光路分割部材と、
    前記光路分割部材の近傍に配置された絞りと、を備え、
    前記光路分割部材の厚みは、該光路分割部材で発生し且つ前記照明光路及び/又は前記結像光路を進行する光と干渉し得る光を前記絞りの遮光部に導く厚みに設定されていることを特徴とする位置計測装置。
  3. 請求項1又は2に記載の位置計測装置において、
    前記結像光学系の波面収差をPV値で0.2λ以下に設定してなることを特徴とする位置計測装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の位置計測装置において、
    前記基準マークは、前記ステージ上に設けられた基準部材上に形成されることを特徴とする位置計測装置。
  5. マスクに形成されたマスクパターンを照明して、該マスクパターンの像をステージに載置された被露光基板に転写する露光装置であって、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の位置計測装置と、
    前記マスクに形成された位置計測用パターンと前記ステージ上の所定面に位置する基準マークとを前記位置計測装置を用いて計測した結果に基づいて、前記マスクと前記被露光基板との相対位置を調整する制御手段と;を備えることを特徴とする露光装置。
  6. マスクに形成されたマスクパターンを照明して、該マスクパターンの像をステージに載置された被露光基板に転写する露光方法であって、
    前記マスクに形成された位置計測用パターンと前記ステージ上の所定面に位置する基準マークとを請求項1乃至4の何れか一項に記載の位置計測装置を用いて計測する計測工程と、
    前記計測工程による計測結果に基づいて、前記マスクと前記被露光基板との相対位置を調整する調整工程と、
    前記相対位置を調整した後に、前記マスクパターンの像を前記被露光基板に転写する転写工程と;を備えることを特徴とする露光方法。
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