JP2006077819A - 自動変速機のセレクトアシスト装置 - Google Patents

自動変速機のセレクトアシスト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 セレクトレバーとセレクト位置切換装置の機械的連結によりフェール時のレンジ切り換え操作を可能にしつつ、セレクトレバーの小型化によるレイアウト自由度の拡大を図ることができ、しかも要求に応じたセレクトレバー操作力特性を得ることができる自動変速機のセレクトアシスト装置を提供する。
【解決手段】 アシストアクチュエータ2を制御するコントローラ3に、セレクトレバー11の操作位置から目標弾性変位量を設定する目標位置偏差設定部34と、弾性変位量が所定の駆動閾値以上となるとアシストアクチュエータ2の駆動を許可するモータ駆動許可部31と、弾性変位量を目標弾性変位量に追従させるように駆動指令値を演算するモータトルク指令値演算部35を備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動変速機を備えた車両において、ドライバのセレクトレバーの操作に応じて、自動変速機のセレクト位置を制御で切り換える自動変速機のセレクトアシスト装置の技術分野に属する。
従来、自動変速機のセレクトレバーは、ロッドやケーブル等の操作力伝達手段を介して自動変速機のマニュアルバルブと機械的に連結されている。セレクトレバーに入力されるドライバの操作力は、操作力伝達手段を介してマニュアルバルブに伝達され、操作量に応じてセレクト位置が切り換えられる(例えば、特許文献1参照)。
一方、セレクトレバーとマニュアルバルブとが電気的に接続された、いわゆるシフトバイワイヤ技術を用いたものが知られている。この従来技術は、マニュアルバルブを作動するアクチュエータを設け、セレクトレバーの回動操作を電気信号に変化してアクチュエータを駆動することにより、セレクト位置を切り換えるものである(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−323559号公報 特開2003−97694号公報
セレクトレバーの操作時には、操作力伝達手段のフリクション、ディテントの抵抗等、機械的な操作反力が発生するため、大きな操作力が要求される。よって、ドライバの必要操作力を小さくするために、セレクトレバーの長さを十分な梃子力が得られる長さに設定する必要がある。
したがって、上記従来技術のうち前者にあっては、セレクトレバーの長さに起因して形状が大きくなるため、設置場所に制約が多く、車室内におけるレイアウト自由度が低いという問題があった。
一方、後者では、アクチュエータの採用によってセレクトレバーを短く設計でき、前者と比較してレイアウト自由度は高くなる。ところが、セレクトレバーとマニュアルバルブとが機械的に連結していないため、フェール時にレンジ切り換えが不能となる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、セレクトレバーとセレクト位置切換装置の機械的連結によりフェール時のレンジ切り換え操作を可能にしつつ、セレクトレバーの小型化によるレイアウト自由度の拡大を図ることができ、しかも要求に応じたセレクトレバー操作特性を得ることができる自動変速機のセレクトアシスト装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置では、セレクトレバーと自動変速機のセレクト位置切換装置とがセレクト操作力伝達系により連結され、前記セレクト操作力伝達系にはドライバによるセレクト操作力をアシストするアシストアクチュエータが設けられた自動変速機のセレクトアシスト装置において、前記セレクト操作力伝達系を、前記セレクトレバーに連結した第1連結部材と、前記セレクト位置切換装置に連結した第2連結部材と、弾性変位限界までの相対変位を許容しつつ前記両連結部材を連結する弾性連結機構と、を有する構成とし、前記弾性連結機構の弾性変位量を検出する弾性変位量検出手段を設け、前記セレクトレバーの操作位置を検出する操作位置検出手段を設け、前記第2連結部材に設定したアシストアクチュエータを、弾性変位限界内の中立状態を保持するように制御するアシスト制御手段を設け、前記アシスト制御手段は、前記セレクトレバーの操作位置から目標弾性変位量を設定する目標弾性変位量設定手段と、弾性変位量が所定の駆動閾値以上となると前記アシストアクチュエータの駆動を許可する駆動許可手段と、弾性変位量を前記目標弾性変位量に追従させるように駆動指令値を演算する駆動指令値演算手段と、を備えることを特徴とする。
なお、請求項1における「弾性変位限界」は、弾性体の弾性限界と、機構的に弾性変位を制限したことによる変位限界とのいずれであってもよいものとする。
本発明では、セレクトレバーとセレクト位置切換装置の機械的連結を保持しつつ、ドライバのセレクトレバーの操作に応じて自動変速機のセレクト位置切換装置の切り換えを制御駆動で行うことにより、フェール時のレンジ切り換え操作の確保と、セレクトレバーの小型化によるレイアウト自由度の拡大を共に達成できる。
また、弾性変位限界内で中立状態を保持することによって、通常の操作状態では、自動変速機側の作動のための力をセレクトレバーが全く必要としないようにして良好な軽い操作フィーリングを実現でき、且つ通常の操作の際に遊び量がなくなることによる操作の違和感を生じないようにできる。
以下に、本発明の自動変速機のセレクトアシスト装置を実現する実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の自動変速装置の構成を示す側面図、図2はセレクト部の細部構造を示す要部斜視図である。
実施例1の自動変速装置は、図1に示すように、セレクト部1、アシストアクチュエータ2、コントローラ3、コントロールケーブル4、自動変速機5を主要な構成としている。
セレクト部1は、セレクトレバー11、セレクトノブ12、第1回転部13(第1連結部材に相当する)、ウォームホイール16、第2回転部17(第2連結部材に相当する)、ケーブル取付レバー18、支点軸19からなる。
セレクトレバー11は、運転席から操作可能な位置に設けられ、セレクトレバー11の先端には、セレクト操作時にドライバが把持するためのセレクトノブ12が付設されている。セレクトレバー11は、第1回転部13に取り付けられ、第1回転部13は支点軸19を中心に回動操作される。結果的にセレクトレバー11は、回動操作可能となる。セレクトレバー11は、従来の一般的なセレクトレバーよりも250mm短い100mmに設定されている。
さらに、支点軸19には、回転自在に第2回転部17を設ける。第2回転部17は、第1回転部13と同軸となるが、相対回転可能な構造にする。
第2回転部17の一端側には、ウォームホイール16を設け、このウォームホイールと反対側には、ケーブル取付レバー18を設ける。このケーブル取付レバー18にコントロールケーブル4の端部を取り付け、反対側の端部を自動変速機5の制御アーム51に取り付ける。
同じ回転軸(支点軸19)に対して相対回転が可能な第1回転部13と第2回転部17において、第1回転部13には、円周方向に対して所定の長さである遊び溝131を設ける。第2回転部17には、遊び溝131内に位置するよう突起171を設ける。さらに、遊び溝131の内部には、突起171を中点位置に向かって両側から付勢するようにバネ132を設ける。遊び溝131の端部には、バネ132の端部を取り付ける部分と突起171の当接部分とを分けるように段差を設けて、バネ132が座屈を生じる前に突起171が遊び溝131の端部に当接する構造にしておく(図9参照)。また、突起171が遊び溝131の端部に当接した際の引っ張り側の変位量に対して、バネは弾性範囲内となるよう設定されている。
これにより、第1回転部13と第2回転部17の相対回転可能な範囲は遊び溝131の間を突起171が移動でき、弾性変位をバネ132に生じる範囲となる。(第1回転部13の遊び溝131と第2回転部17の突起171、バネ132で弾性連結機構を構成する)
このバネ132は、操作反力を生成するとともに、選択されたセレクト位置が保持されるようにし、操作を伴わない例えば車両の振動等に起因する意図しないレンジセレクトの入力を防止する。
アシストアクチュエータ2は電動モータであり、その出力軸には、ウォーム21を設けて、ウォームホイール16と係合させてウォームギアを構成し、アシストアクチュエータ2により第2回転部17を回転駆動させる構造にする。さらに、支点軸19には、第1回転部13と第2回転部17の相対変位量、つまりバネ132の弾性変位量を検出する位置センサ6(弾性変位量検出手段に該当する)を設ける。また、位置センサ6の内部、もしくは一体的に、固定部材に対する第1回転部13のストローク角度、つまりセレクトレバー11の操作角度を検出する位置センサ61を設ける。
コントローラ3(アシスト制御手段に該当する)は、検出された相対位置に基づいて、アシストアクチュエータ2の指令値を設定し、電動モータの出力デューティ比をPWM制御する。
図3にコントローラ3の制御ブロック図を示す。
セレクト部1において、レンジ切り換え操作されたセレクトレバー11のストローク変化は、第1回転部13と第2回転部17の相対回転変化となり、遊び溝131と突起171との相対変位、つまりバネ132の弾性変位量となる。この弾性変位量は位置センサ6で検出され、コントローラ3へ出力される。
また、セレクトレバー11のストローク変化は、例えばPレンジ相当位置を基準として、位置センサ61で検出され、コントローラ3へ出力される。
モータ駆動許可部31は、位置センサ6からの弾性変位量と駆動閾値を比較し、弾性変位量が駆動閾値以上となる場合に、駆動許可信号を出力する。また、位置センサ61からの操作位置によって、Lレンジ位置からDレンジ位置への切換操作を検知すると、Dレンジ位置とNレンジ位置間の駆動閾値を高くする。
目標位置偏差設定部34は、位置センサ61から入力されるセレクトレバー11の操作位置から、目標位置偏差、つまり目標となる弾性変形量を設定して出力する。
モータトルク指令値演算部35は、目標位置偏差と弾性変形量の偏差にゲインに対応する(例えばゲインを乗じる)モータの駆動制御指令を演算して出力する。
モータ駆動制御部32は、制御指令値に基づいて、アシストアクチュエータ2の電動モータを駆動する。
次に、自動変速機5のディテント構造について説明する。
図4は、自動変速機5のディテント構造を示す斜視図である。
制御アーム51には回転シャフト52が設けられ、この回転シャフト52にディテントプレート53が支持されている。ディテントプレート53の上端には、カム山53aの間に5つのレンジ(P・R・N・D・L)に対応した谷部53bが形成されている。そして、この谷部53bにバネ板54の先端に形成されたディテントピン55を係合させ、選択されたセレクト位置を保持することにより、車両の振動等に起因する意図しないレンジセレクトを防止している。
すなわち、アシストアクチュエータ2の作動力又はセレクトレバー11の操作力により回転シャフト52が回動し、この回動に応じてディテントプレート53がディテントピン55に対して相対移動する。このとき、ディテントピン55がカム山53aを乗り越えて隣のレンジに対応した谷部53bと係合し、係合状態がバネ板54の弾性力により保持される。この弾性力がセレクト操作する際の主要な負荷力となる。
なお、ディテントプレート53には、パーキングロッド56の一端が回動自在に連結されている。このパーキングロッド56は、セレクトレバー11をPレンジに移動させたとき、カム状プレート57を介してパーキングギア58の回転を阻止し、図外の駆動輪をロックするものである。これにより、勾配路上にPレンジで車両を駐車したとき、勾配に応じて駆動輪をロックするように車重負荷が加わり、パーキングロッド56を咬む力として作用する。
実施例1では、自動変速機5とセレクト部1において、それぞれディテント力(チェック力)が働くようにしている。
次に作用を説明する。
[自動変速機のセレクト位置制御処理]
図5は、コントローラ3で実行されるセレクト位置制御処理の基本的な流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS1では、位置センサ6からの相対位置変位量信号を入力して、相対位置の変位量を読み込む。
ステップS2では、読み込んだ相対位置から、相対位置の中点からの偏差を演算する。
ステップS3では、相対位置の中点からの偏差から、モータトルク指令値を設定する。
ステップS4では、モータトルク指令値に従ってアシストアクチュエータ2の電動モータを駆動する。
[自動変速機の操作反力特性]
図6は、P→Rレンジ方向におけるアシストアクチュエータ2の出力軸に発生する操作反力、及び連結状態においてセレクトノブ12に発生する操作反力を示す特性図である。この操作反力特性は、出力軸における操作反力[N]及びセレクトレバー11における操作反力[N]をセレクトレバー11の操作位置(ストローク角度)と対比させたものである。
なお、セレクトレバー11の操作力が自動変速機5へ伝達される場合には、セレクトレバー11における操作反力は、上述したセレクト部1におけるディテントで発生する負荷力に機構の摩擦力等を合成したものである。よって、レンジ切り換え制御中、レンジ切り換え操作を行う場合には、この操作反力以上の手動操作を必要とする。
また、アシストアクチュエータ2の電動モータの出力軸における操作反力は、上述した自動変速機5のディテントで発生する負荷力に、コントロールケーブル4の摩擦力、電動モータのイナーシャ等を合成したものである。よって、アシストアクチュエータ2によるレンジ切り換えは、この操作反力以上の駆動力が必要となる。
図6に示すように、セレクトレバー11をP→Rレンジ方向に操作したときに発生する操作反力は、各レンジ間において、初めにアシストアクチュエータ2の駆動方向と逆方向(D→Nレンジ方向)に発生し、ピーク後に向きを変えて操作方向と同一方向(P→Rレンジ方向)に発生し、レンジ切り換え位置(停止位置)付近でゼロに収束した状態となる。この特性は、ディテントピン55が、カム山53aを乗り越える際に発生する負荷力に起因している。すなわち、ディテントピン55がカム山53aを乗り越えるまでは、バネ板54を付勢する図示しないバネの付勢力により抵抗力が発生し、ディテントピン55がカム山53aを乗り越えた後は、ディテントピン55が次のカム山53aの溝に落ち込んで引き込み力(慣性力)が発生するためである。
[セレクトレバーの操作反力生成の目標値について]
図11は、目標位置偏差設定部34でテーブルデータとして用いられる目標位置偏差マップである。この目標偏差位置は、ディテント力の特性に相似し、P,R,N,D,Lの各レンジ位置で0となるよう設定されている。
[自動変速機のレンジ切り換え制御及びセレクトレバーの反力生成について]
実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、操作前の状態の例として、第1回転部13と第2回転部17は非連結状態であり、遊び溝131内において、突起171は相対位置が中点の位置、つまり、どちらの操作方向に対しても弾性変位量を生じていない状態となっている(図8(a)参照)。
この状態から、例えばセレクトレバー11を操作し始めると、この遊び溝131と突起171の相対位置変位量が変化し、弾性変位量の変化を生じる。しかし、非連結状態における位置範囲内であるので、コントロールケーブル4に動きはない。この弾性変位量の変化は、位置センサ6で検出される。一方、セレクトレバー11の操作位置により目標位置偏差設定部34でその操作位置に応じた目標偏差が設定される。モータ駆動許可部31により、駆動が許可されていれば、目標に対する弾性変位量の偏差に応じたモータ駆動制御指令値が設定されて、アシストアクチュエータ2の電動モータが駆動される。アシストアクチュエータ2の駆動出力は、ウォーム21によりウォームホイール16に伝達され、第2回転部17が回転し、コントロールケーブル4を介して自動変速機5の制御アーム51が駆動されて自動変速機のセレクト位置が切り換えられる。
なお、第2回転部17の回転によりコントロールケーブル4が進退することにより、遊び溝131と突起171の相対位置は、中点近傍に復帰し、弾性変位量を生じない状態となる。
つまり、目標位置偏差設定部34の制御により相対位置変位量を、相対位置の中点近傍に保持することにより、図8(a)〜(c)に示すようにセレクトレバー11の操作による動きに追従させて自動変速機の制御アーム51を駆動して、セレクト位置を切り換えることになる。
この動きは、あたかもセレクトレバー11と自動変速機5の制御アーム51がコントロールケーブル4で接続されているかのような動きとなる。
なお、例として、PレンジからRレンジに移動させる際の相対位置の変化状態を図7に示す。セレクトレバー11に入力される角度を操作角、制御アーム51の角度を作動角とした場合、操作角と作動角の関係は、非連結状態を保ちつつ図7に示すような状態となる。つまり、制御開始当初は、操作角に対して作動角が遅れて追従し、ディテントによる次レンジへの吸い込み力によって、制御後半は、操作角に対して作動角が先行するのである。
よって、バネ132により生成され、セレクトレバー11に伝達される操作反力は、操作前半で作動角に対して操作角が先行することにより生じる弾性変位量に応じた力が伝達され、操作後半では、操作角に対して操作角が先行することにより生じる力が伝達される。つまり、図7(b)に示すように図8の自動変速機のディテント力に相似し、自動変速機よりも小さい操作反力が得られるようにしている。これにより軽い操作の際に良好な節度感(切り換わり感)得る。
[操作フィーリングの向上作用]
実施例1では、上記に説明したように通常の制御が行われている場合、第1回転部13の遊び溝131と、第2回転部17の突起171の相対位置が中点に保たれる。つまり弾性変位量が生じない状態に保たれるため、操作の途中で、第1回転部13と第2回転部17が機械的伝達系として接続して、そのショックがセレクトレバー11に伝達されて操作フィーリングを低下させてしまうことがない。
これにより、実施例1における操作フィーリングは、バネ132で生成されることになる。よって、バネ132の設定により、従来に対して小さいセレクトレバー11の軽い操作フィーリングを非常に良好にする構成にできるのである。
[急な坂道における発進時の操作フィーリングの向上作用と小型軽量化]
急な坂道を発進しようとしてPレンジからDレンジへセレクト操作する場合には、パーキングロッドを引き抜く力が大きくなるため操作力が重くなる。本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、このように負荷が大きい場合には、バネ132が弾性限界となって、遊び溝131の端部に突起171が当接する、つまり弾性連結機構における弾性変位が可能な可動量がない状態となってドライバのセレクトレバー11へ入力される操作力が第2回転部17、コントロールケーブル4に伝達され、これにアシストアクチュエータ2の電動モータのアシスト力を加算してパーキングロッド56を引き抜くため、操作フィーリングとしては軽い操作となり、システムとしては、電動モータの定格を小さくできシステムの小型軽量化となる。
[急激なシフト操作における操作フィーリングの向上作用とコスト低減作用]
本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置において、急激なセレクト操作をした場合には、バネ132が弾性限界となって遊び溝131の端部に突起171が当接する、つまり弾性連結機構における弾性変形が可能な可動量がない状態となってドライバのセレクトレバー11へ入力される操作力が第2回転部17、コントロールケーブル4に伝達され、これにアシストアクチュエータ2の電動モータのアシスト力が加算される。よって、操作フィーリングとしては軽快な操作となり、システムとしては、電動モータへの応答性の要求が緩和され、モータの定格小型化となる。
[セレクトレバーと自動変速機の制御アームの機械的連結]
さらに、実施例1において、フェール時には、セレクトレバー11を、弾性連結状態の位置範囲を超えて操作すれば、その操作方向において、弾性変位の可動量がなくなり、連結状態となって、コントロールケーブル4を介して、その操作力によって、自動変速機5の制御アーム51を操作することができる。
[ゲートが無いレンジ区間の誤操作について]
セレクト部1のセレクトレバー11の支点軸19の部分には、上記で説明していないが、図12に示すゲートプレート50が設けられている。ゲートプレート50は、P・R・N・D・Lのレンジに相当する溝を有し、セレクトレバー11には、ゲートプレート50の溝と係合する図示しない係合部を設ける。この係合部は、溝を回転中心、つまり支点軸19に向かう段差は移動できるようにし、逆に外径方向に外側となる段差は乗り越えられない構成にし、セレクトレバー11には図示しないセレクトボタンを設けて、係合部が乗り越えられない溝の段差は、セレクトボタンを押した状態では、移動できる機構を設ける。各レンジ位置間におけるセレクトボタン押し操作の要、不要について、図13に示す。
この操作においては、図13に示すようにD→N,N→D,L→D,R→N間ではゲートがないため、つまり、セレクトボタン押し操作を不要とするため、誤操作やオーバーランが生じやすいという問題がある。この点、本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、弾性変位量の駆動閾値を設けて、この課題を解決している。
[L→D操作でD→N操作閾値を上げる処理]
図10は、コントローラ3で実行されるL→D操作でD→N操作閾値を上げる処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS11では、セレクトレバー11の操作位置から、Lレンジ位置かどうかを判定し、Lレンジ位置であるならばステップS12へ進み、Lレンジ位置でないならばステップS11へ戻る。
ステップS12では、弾性変位量がD→N操作の駆動閾値の「通常設定値」以上であるかどうかを判断し、「通常設定値」以上であるならばステップS13へ進み、「通常設定値」より小さいならばステップS11へ戻る。
ステップS13では、D→N操作の駆動閾値を「通常設定値」から「通常設定値以上」に変更して設定する。
ステップS14では、目標位置偏差設定部34により「通常設定値以上」のデータをテーブル選択する。
ステップS15では、弾性変位量に応じたモータ制御指令値を演算して、モータを駆動する。
ステップS16では、セレクトレバー11の操作位置が、Dレンジ位置かどうかを判定し、Dレンジ位置であるならばステップS17へ進み、Dレンジ位置でないならばステップS11へ戻る。
ステップS17では、モータの駆動制御指令の出力を停止する。
[駆動許可について]
本実施例1では、弾性変位量が駆動閾値以上にならないと、アシストアクチュエータ2を作動させない。よって、操作意思なくセレクトレバー11手が当たるなどでは、セレクト操作を生じないようにして誤操作を防止する。
[L→D操作について]
本実施例1においては、通常では、図5に示す制御処理が基本的に行われており、特定の条件による割り込み処理等により該当する状態となると図10の処理が行われるものとする。
図10の処理では、操作位置がLレンジ位置になり、Lレンジ位置からの駆動閾値を超えると、D→N間の駆動閾値を高くする(ステップS11〜S13)。
まず、この処理を行わない場合について、図14(a)を参照して説明する。まず、セレクト操作位置がLレンジ位置で停留している状態から、Dレンジ位置に向かってセレクト操作が行われると、弾性変位量が駆動閾値を越え、アシストアクチュエータ2が駆動し、操作角に作動角が追従する制御が行われる。ゲートが存在しないことによって、操作位置(手)はDレンジ位置に対して勢いで行き過ぎる。すると、Dレンジ位置において、弾性変位量が駆動閾値を越えて、駆動許可されNレンジまで操作されてしまうという、誤操作が発生する。
本実施例1において、上記D→N間の駆動閾値を高くする処理を行う場合について、図14(b)を参照して説明する。
Lレンジ位置に停留している状態から、Dレンジ位置に移動する際に弾性変位が生じ、駆動閾値を越えると、D→N間の駆動閾値を高くする。すると、Dレンジ位置にセレクト操作位置が到達した際に、操作位置(手)は勢いで行き過ぎるが、駆動閾値を高くしたためモータ駆動許可部31は、Dレンジ位置からNレンジ位置へ向かうアシストアクチュエータ2の駆動を許可しない。よって、バネ132に弾性変位のみが生じることになり、バネ132の付勢力によりDレンジ位置のセレクトレバー11の停留点に戻ることになる。
よって、ゲートによる操作制限のないレンジ位置範囲において、L→D操作の際、D→N操作を誤操作してしまうことの防止となる。
このようにゲートによる操作制限のないレンジ位置間において、駆動閾値を高くすれば、操作意思のないセレクト操作の防止となる。
なお、操作意思がある場合には、さらに強い操作力が加えられ、弾性変位量が高く変更した駆動閾値を越えて、アシストアクチュエータ2が駆動される。
次に効果を説明する。
本実施の形態の自動変速機のセレクトアシスト装置にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
(1)セレクトレバー11は従来のセレクトレバーよりも車室内空間への突出量が150mm程度少なく、さらに、セレクトレバー11と制御アーム51は弾性変位する可動量を持ってコントロールケーブル4を介して連結されているため、従来品よりも車室内レイアウトの自由度が大きく、インストルメントパネル等、車室内の任意箇所にセレクトレバー11を設定できる。
また、セレクトレバー11と制御アーム51がコントロールケーブル4によって、弾性変位する可動量を有して機械的に連結されているため、アシストアクチュエータ2やコントローラ3がフェールした場合でも、ドライバは手動でセレクト位置を切り換えることができる。
また、第1回転部13の遊び溝131、第2回転部17の突起171、バネ132の係合により弾性連結状態と連結状態とを設け、限界弾性範囲内で中立状態を保持するため、通常の操作の際に弾性連結状態から連結状態となることによる違和感を生じないようにできる。
また、実施例1においては、通常の状態を弾性連結状態とするため、連結状態の際に受ける後段の摩擦抵抗を受けることなく、セレクトレバー11の小型化に合わせた軽い力で操作する良好な操作フィーリングをバネ132で生じさせることができる。
また、実施例1においては、弾性連結状態の限界弾性範囲内の可動量を有するため、セレクトレバー11側と自動変速機5側の組付の際に互いに同期させる調整等を簡略化でき、車両への組付性を向上させることができる。
また、セレクト操作系の負荷が過大となる急な坂道での発進や急激なセレクト操作の際には、ドライバの操作力にモータのアシスト力が加わり、操作を軽快にできる。また、操作力を伝達できるために、システムとしてモータ定格の小型化やモータへの応答性要求の緩和化ができる。
さらに、本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置におけるシフトバイワイヤシステムに対する有利な作用効果について、比較して説明する。
上記に挙げた作用効果において、(A)通常時は、手動操作力を自動変速機にほとんど伝達することなくアクチュエータの作動力によりレンジ切り換えを行う。(B)フェール時は、アクチュエータの作動力を用いることなく、手動操作力によりレンジ切り換えを行う。(C)過大な負荷が生じる場合には、手動操作力とアクチュエータの作動力を加算したものによりレンジ切り換えを行う(アシスト状態)。特に(B),(C)は、シフトバイワイヤシステムに対し有利な作用効果である。
さらに、(A)と(C)の状態も可変であることが有利である。つまり、本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、走行状況に応じて、ドライバの操作力とアシストアクチュエータによるアシスト力の比率を変えることができる。例えば、走行速度が高い時にRレンジからPレンジにシフトしようとする場合に、モータのアシスト力を弱めることにより、ドライバの操作力を高くして(操作を重くして)フィンガータッチの誤セレクトによって車が急停止することが防止できる。このように、操作フィーリングの向上に加えて、誤セレクトの防止や、それにつながるものを抑制することが操作を重くすることで実現できるのである。
さらにシフトバイワイヤシステムと比較すると、ポテンショメータ(位置センサ)のゼロ点の経時移動や電源電圧の変動、回路入力電圧のドリフトなどの外乱に対して、シフトバイワイヤシステムでは制御系の応答性や位置決め精度が劣化しやすい。本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では、制御系に多少の変動があってもドライバはメカリンクを通じてその変動分を吸収して操作できるためシステムのロバスト安定性に優れている。
さらに、シフトバイワイヤシステムがシステムダウンした際には、非常用レバーを探して通常と異なる操作をする必要がありパニックに陥ったドライバには負担が大きい。本実施例1の自動変速機のセレクトアシスト装置では操作力が重くなるものも通常と同様のセレクト操作のまま平常心で運転を続けられる。
本実施例1では、さらにバネ132の弾性変位量を間接的に位置センサ6で検出し、セレクトレバー11の操作位置を位置センサ61で検知し、アシストアクチュエータ2を制御するコントローラ3に、セレクトレバー11の操作位置から目標弾性変位量を設定する目標位置偏差設定部34と、弾性変位量が所定の駆動閾値以上となるとアシストアクチュエータ2の駆動を許可するモータ駆動許可部31と、弾性変位量を目標弾性変位量に追従させるように駆動指令値を演算するモータトルク指令値演算部35を備えるため、上記において、図8を参照して説明したように、セレクトレバー11を操作した際に、限界弾性範囲内であれば操作力は、バネ132の弾性変位量を変化させるのみとなる。言い換えて説明すれば、自動変速機5のディテント力に対して、軽い操作を行うようにしたセレクト部1では、操作力は限界弾性範囲では、バネ132の弾性変位量を変化させるのみとなり、第1回転部13と第2回転部17の相対変位を検出すると、それは弾性変位量を検出したことになる。このようにして検出した弾性変位量が所定の駆動閾値に達しなければ、アシストアクチュエータ2の駆動が許可されないため、誤操作が防止できる。
(2)操作を追加して特定のレンジ位置間の移動操作を行うようにしたセレクトボタンを設け、セレクトボタン押しが無い、つまりゲートによる操作制限が無いレンジ位置間の駆動閾値を高く設定したため、ゲートによる操作制限のないレンジ位置区間における誤操作が防止できる。
(5)Lレンジ位置からDレンジ位置への切り換え操作を検知すると、Dレンジ位置とNレンジ位置間の駆動閾値を高く設定するため、L→Dの操作の際にD→Nへのオーバーランを防止できる。
実施例2は、R→N操作の際に、Nレンジ位置とDレンジ位置間の駆動閾値を高くした例である。すなわち、モータ駆動許可部31において、R→N操作を検出すると、Nレンジ位置とDレンジ位置間の駆動閾値を高くする。その他構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明する。
[R→N操作でN→D操作閾値を上げる処理]
図15は、コントローラ3で実行されるR→N操作でN→D操作閾値を上げる処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS21では、セレクトレバー11の操作位置から、Rレンジ位置かどうかを判定し、Rレンジ位置であるならばステップS22へ進み、Rレンジ位置でないならばステップS21へ戻る。
ステップS22では、弾性変位量がN→D操作の駆動閾値の「通常設定値」以上であるかどうかを判断し、「通常設定値」以上であるならばステップS23へ進み、「通常設定値」より小さいならばステップS21へ戻る。
ステップS23では、N→D操作の駆動閾値を「通常設定値」から「通常設定値以上」に変更して設定する。
ステップS24では、目標位置偏差設定部34により「通常設定値以上」のデータをテーブル選択する。
ステップS25では、弾性変位量に応じたモータ制御指令値を演算して、モータを駆動する。
ステップS26では、セレクトレバー11の操作位置が、Nレンジ位置かどうかを判定し、Nレンジ位置であるならばステップS27へ進み、Nレンジ位置でないならばステップS21へ戻る。
ステップS27では、モータの駆動制御指令の出力を停止する。
[R→N操作について]
本実施例2において、上記R→N間の駆動閾値を高くする処理を行う場合について、図16を参照して説明する。図13に示すように、R→N→Dの操作においても、ゲートによる操作制限がなく、オーバーランを生じやすいという問題がある。本実施例2においては、操作がRレンジ位置に停留している状態から、Nレンジ位置へ移動する際に弾性変位が生じ、駆動閾値(通常設定値)を越えると、N→D間の駆動閾値を高くする(通常設定値→通常設定値以上)。
よって、R→N操作の際に、N→D間の駆動閾値が高くなることから、モータ駆動許可部31は、N→Dへアシストアクチュエータ2を駆動しない。すると、操作位置(手)は勢いで行き過ぎるが、アシストアクチュエータ2が駆動しないため、バネ132に弾性変位が生じるのみとなり、バネ132の付勢力でNレンジ位置の停留点へ戻ることになる。よって、R→N操作の際、N→D操作を誤操作してしまうことの防止となる。
なお、操作意思がある場合には、さらに強い操作力が加えられ、弾性変位量が高く変更した駆動閾値を越えて、アシストアクチュエータ2が駆動される。
効果を説明する。実施例2の自動変速機のセレクトアシスト装置においては、上記(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(6)Rレンジ位置からNレンジ位置への切り換え操作を検知すると、Nレンジ位置とDレンジ位置間の駆動閾値を高く設定するため、R→N操作の際に、Dレンジ位置へのオーバーランを防止できる。
実施例3は、レンジ位置への停留時間の長いほどそのレンジ位置からの駆動閾値を高くした例である。すなわち、モータ駆動許可部31において、停留時間を計測し、停留時間に応じて駆動閾値を変更する。その他構成は実施例1と同様であるので説明を省略する。
作用を説明する。
[停留時間に応じた駆動閾値の変更処理]
図17は、コントローラ3で実行される停留時間に応じた駆動閾値の変更処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS31では、アシストアクチュエータ2が駆動停止状態かどうかを判断し、駆動停止状態であるならばステップS32へ進み、駆動状態であるならばステップS31へ戻る。
ステップS32では、タイマー3のカウントをスタートさせる。
ステップS33では、弾性変位と駆動閾値との比較による駆動許可がされたかどうかを判断し、駆動許可の場合にはステップS34へ進み、不許可の場合にはステップS47へ進む。
ステップS34では、タイマー1のカウントをスタートさせる。
ステップS35では、駆動許可がされたかどうかを判断し、駆動許可の場合にはステップS36へ進み、不許可の場合にはステップS38へ進む。
ステップS36では、タイマー1が所定値1に達したかどうかを判断し、達したならばステップS37へ進み、達しないならばステップS34へ戻る。
ステップS37,S38では、タイマー1のカウントをクリアする。
ステップS39では、駆動閾値を通常より低くする。
ステップS40では、タイマー2のカウントをスタートする。
ステップS41では、駆動許可がされたかどうかを判断し、駆動許可の場合にはステップS42へ進み、不許可の場合にはステップS43へ進む。
ステップS42では、タイマー2のカウントをクリアしてステップS40へ戻る。
ステップS43では、タイマー2が所定値2に達したかどうかを判断し、達したならばステップS44へ進み、達しないならばステップS41へ戻る。
ステップS44では、駆動閾値を通常の値に戻す。
ステップS45では、タイマー2のカウントをクリアする。
ステップS46では、タイマー3のカウントをクリアする。
ステップS47では、タイマー3が所定値3に達したかどうかを判断し、達したならばステップS48へ進み、達しないならばステップS33へ戻る。
[停留時間に応じて駆動閾値を変更する作用]
(a)停留時間が長い場合
レンジ位置への停留時間が長い場合には、次のレンジ位置への操作がないため、弾性変位量が駆動閾値に達することなく時間が経過する。実施例3では、この時間の経過をタイマー3でカウントし、所定値3に達すると次レンジ位置への駆動閾値を高くする(ステップS33→S47→S48)。つまり、同じレンジ位置に停留している時間が長い場合、操作者の操作意思がそのレンジ位置にあると判断し、そのレンジ位置からの駆動閾値を高くする。よって、レンジ操作意思なくセレクトレバー11を持つような行為に対し、操作意思に沿った制御となる。
また、連続的に、例えばP→R→N→Dと操作する際には、Pレンジ位置からの駆動閾値のみを高くすることで、Pレンジ位置を保ちやすくし、誤操作を防止する。
(b)停留時間が短い場合
停留時間が短く、Dレンジ位置とNレンジ位置が頻繁に繰り返される場合を例として、図18を参照して以下に説明する。
まず、最初のD→N操作の際に、弾性変位量が駆動閾値を越えるとステップS34の処理によりタイマー1がカウントスタートする。頻繁な次のN→D操作によりタイマー1が所定値1に達する前に、弾性変位量が駆動閾値を越えて駆動許可状態になる。すると、ステップS35からステップS38〜S46の処理へ移行し、タイマー2でのカウントが所定値2に達するまでDレンジ位置とNレンジ位置間の駆動閾値が低くなり、Dレンジ位置とNレンジ位置を頻繁に切り換える操作意思に沿った制御となる。
効果を説明する。実施例3の自動変速機のセレクトアシスト装置においては、上記(1)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(4)レンジ位置への停留時間が長いほど、停留したレンジ位置から他のレンジ位置への駆動閾値を高く設定したため、操作意思に反する誤操作を防止でき、操作意思が頻繁な場合に操作しやすくすることができ、操作意思に沿って良好な操作感を実現できる。このように、操作意思を考慮した制御となることは、軽い操作と適度な節度感による操作フィーリングをさらに良好にするものである。
また、実施例1〜実施例3を通じて、以下の効果を有する。
(3)Dレンジ位置とNレンジ位置間における駆動閾値を他のレンジ位置間よりも高く設定したため、例えば通常走行時にDレンジ位置からNレンジ位置へ操作意思なく切り換えられることを防止でき、また例えば信号待ちの状態でNレンジ位置からDレンジ位置へ操作意思なく切り換えられることを防止できる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態を実施例1〜実施例3に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
セレクトレバー11の形状や大きさは任意であり、指先で操作可能なスイッチ形状としてもよい。
弾性機構及び両連結部材については、例えば、弾性機構の突起にコントロールケーブルの端部を連結し、第2回転部、アシストアクチュエータを自動変速機側に設けるようにしてもよく、また、コントロールケーブルの途中をピストン・シリンダのように遊びのある接続にし、内部において弾性体で接続した構成にし、コントロールケーブルの途中にメカリンクを設けてアシストアクチュエータでケーブルを駆動できるようにしてもよい。
また、弾性機構の弾性体については、ばねに限定しない。例えば、ピストン・シリンダの遊びを有する構造の内部に弾性体を封入したものでもよい。
第1実施例の自動変速機の構成を示す側面図である。 アクチュエータの細部構造を示す要部斜視図である。 コントロールユニットの制御ブロック図である。 自動変速機のディテントの構造を示す斜視図である。 コントロールユニットで実行されるレンジ切り換え制御処理の流れを示すフローチャートである。 P→Rレンジ方向においてセレクトレバーに発生する操作反力を示す特性図である。 P→Rレンジへの操作におけるセレクトレバーの操作角とアクチュエータの作動角、及び相対位置の特性を示す説明図である。 セレクトレバーの操作とアクチュエータの動作を示す説明図である。 弾性連結機構の説明図である。 L→D操作でD→N操作閾値を上げる処理の流れを示すフローチャート図である。 テーブルデータとして用いられる目標位置偏差マップを示す説明図である。 ゲート機構の説明図である。 セレクト操作におけるセレクトボタン押し操作の要・不要区間の説明図である。 L→D操作でD→N操作閾値を上げる状態を示すタイムチャートである。 実施例2におけるR→N操作でN→D操作閾値を上げる処理の流れを示すフローチャート図である。 実施例2におけるR→N操作でN→D操作閾値を上げる状態を示すタイムチャートである。 実施例3における停留時間に応じた駆動閾値の変更処理の流れを示すフローチャート図である。 実施例3における頻繁なDN間操作で閾値を下げる状態を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 セレクト部
11 セレクトレバー
12 セレクトノブ
13 第1回転部
131 溝
132 バネ
16 ウォームホイール
17 第2回転部
171 突起
18 ケーブル取付レバー
19 支点軸
2 アシストアクチュエータ
21 ウォーム
3 コントローラ
31 モータ駆動許可部
32 モータ駆動制御部
34 目標位置偏差設定部
35 モータトルク指令値演算部
4 コントロールケーブル
5 自動変速機
51 制御アーム
52 回転シャフト
53 ディテントプレート
53a カム山
53b 谷部
54 バネ板
55 ディテントピン
56 パーキングロッド
57 カム状プレート
58 パーキングギア
6 位置センサ
61 位置センサ
50 ゲートプレート

Claims (6)

  1. セレクトレバーと自動変速機のセレクト位置切換装置とがセレクト操作力伝達系により連結され、前記セレクト操作力伝達系にはドライバによるセレクト操作力をアシストするアシストアクチュエータが設けられた自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    前記セレクト操作力伝達系を、前記セレクトレバーに連結した第1連結部材と、前記セレクト位置切換装置に連結した第2連結部材と、弾性変位限界までの相対変位を許容しつつ前記両連結部材を連結する弾性連結機構と、を有する構成とし、
    前記弾性連結機構の弾性変位量を検出する弾性変位量検出手段を設け、
    前記セレクトレバーの操作位置を検出する操作位置検出手段を設け、
    前記第2連結部材に設定したアシストアクチュエータを、弾性変位限界内の中立状態を保持するように制御するアシスト制御手段を設け、
    前記アシスト制御手段は、
    前記セレクトレバーの操作位置から目標弾性変位量を設定する目標弾性変位量
    設定手段と、
    弾性変位量が所定の駆動閾値以上となると前記アシストアクチュエータの駆動を許可する駆動許可手段と、
    弾性変位量を前記目標弾性変位量に追従させるように駆動指令値を演算する駆動指令値演算手段と、
    を備えることを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    操作を追加して特定のレンジ位置間の移動操作を行うようにした誤操作防止手段を設け、
    前記操作防止手段を設けていないレンジ位置間の前記駆動閾値を高く設定した、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  3. 請求項1に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    Dレンジ位置とNレンジ位置間における前記駆動閾値を他のレンジ位置間よりも高く設定した、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  4. 請求項1に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    レンジ位置への停留時間が長いほど、停留したレンジ位置から他のレンジ位置への前記駆動閾値を高く設定した、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  5. 請求項1に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    Lレンジ位置からDレンジ位置への切り換え操作を検知すると、Dレンジ位置とNレンジ位置間の前記駆動閾値を高く設定する、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
  6. 請求項1又は請求項5に記載の自動変速機のセレクトアシスト装置において、
    Rレンジ位置からNレンジ位置への切り換え操作を検知すると、Nレンジ位置とDレンジ位置間の前記駆動閾値を高く設定する、
    ことを特徴とする自動変速機のセレクトアシスト装置。
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