JP2006076270A - 複合型画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジエット印刷部でのコックリング等による、用紙の波打ちや浮きに起因する不具合発生を防止することにより、画質劣化を未然に防止することができるハイブリッド印刷装置等を含む複合型画像形成装置を提供する。
【解決手段】 孔版印刷部4とインクジェット印刷部5とを具備する複合型画像形成装置1であって、インクジェット記録ヘッド26と、孔版印刷画像およびインクジェット印刷画像の少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な、従動ローラ82と駆動ローラ83との間に掛け渡された静電吸着搬送ベルト81と、静電吸着搬送ベルト81に接触して帯電させる、交流電圧を静電吸着搬送ベルト81に印加する電極ローラ86を備えた電圧印加手段84とを有し、静電吸着搬送ベルト81に対する電極ローラ86による帯電範囲を、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲以内にした(帯電幅G≦印字幅H)。
【選択図】図1
【解決手段】 孔版印刷部4とインクジェット印刷部5とを具備する複合型画像形成装置1であって、インクジェット記録ヘッド26と、孔版印刷画像およびインクジェット印刷画像の少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な、従動ローラ82と駆動ローラ83との間に掛け渡された静電吸着搬送ベルト81と、静電吸着搬送ベルト81に接触して帯電させる、交流電圧を静電吸着搬送ベルト81に印加する電極ローラ86を備えた電圧印加手段84とを有し、静電吸着搬送ベルト81に対する電極ローラ86による帯電範囲を、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲以内にした(帯電幅G≦印字幅H)。
【選択図】図1
Description
本発明は、複合型画像形成装置に関し、詳しくはインクジェット印刷方式による画像形成と孔版印刷方式等による画像形成との双方を行うことが可能な複合型画像形成装置に関する。
多孔性の支持円筒体からなる版胴と、熱可塑性樹脂フィルムに多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタ(版)とを用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム部分をサーマルヘッドで加熱溶融穿孔・製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインク供給手段により版胴内周面に適量のインクを供給し、プレスローラあるいは圧胴等の押圧手段によって用紙(上位概念的には記録媒体あるいは印刷媒体とも呼ばれる)を版胴上の製版済みのマスタに押圧することにより、版胴の開孔部分およびマスタの穿孔部分より滲出したインクを用紙に転移・転写させて印刷を行う感熱デジタル式の孔版印刷機とも呼ばれる孔版印刷装置が知られている。インクは、インキとも呼ばれるが、この明細書では「インク」という用語に統一することとする。
このような孔版印刷装置は、印刷済みの用紙の裏面のほぼ全面をエア吸引でエア吸着保持しながら排紙台やソータ等のシート分配装置、あるいは用紙の搬送方向下流側に同様に配置された孔版印刷部等に向けて印刷済みの用紙を搬送するために、エア吸引によるエア吸着搬送ベルトを具備している。以下、このような印刷済みの用紙の搬送方式を、エア吸着搬送ベルト方式という。エア吸着搬送ベルト方式によれば、搬送ローラ等を含むコロによって印刷済みの用紙を搬送するのと比べ、印刷済みの用紙の印刷画像面のインク付着部にベルト接触面が直接接触しないためインク汚れ(コロ跡汚れとも呼ばれる)が発生せず、搬送途中で位置ずれを起こすことなく同じ姿勢を保持しつつ排紙台や次工程部に整合した状態で搬送することができるという利点がある。この利点は、静電吸着による静電吸着搬送ベルトを用いた場合にも得られる。
一般的に、孔版印刷装置は、版として同一のマスタを用いて同一の印刷内容を得るため印刷物1枚当たりのコストが低く、かつ、高速印刷が可能であることから短時間で多数の印刷物を得ることができるため、主に同一の画像を数十枚以上の多枚数必要とする際に用いられている。孔版印刷装置は、用紙の種類として普通紙(PPC)や孔版上質紙への印刷の他に、ハガキや封筒への印刷、あるいはダイレクトメール(以下、「DM」と略称する)用の案内文書印刷等にも活用されている。そのため、ハガキ、封筒、またはDMに対する印刷画像全体の中で一部分には1枚毎に異なる印刷をしたいという要望や、レターヘッドや名刺、ハガキ等で一部分にカラー印刷画像を印刷したいという要望もあるが、孔版印刷装置だけでそれらの要望を実現させることは困難であった。
一方、上述したように孔版印刷装置は高速印刷性に優れているが、印刷内容の可変対応性には劣る点があるため、高速印刷性に優れている孔版印刷部(孔版印刷装置)と、印刷内容の可変対応性に優れているインクジェット記録方式を用いたインクジェット印刷部(インクジェット印字装置)とを有し、それぞれの利点を活用して各種要望に対してフレキシブルに応えられる、いわゆるハイブリッド印刷装置ないしはハイブリッド孔版印刷装置も既に提案されている(例えば、特許文献1ないし3参照)。
前記ハイブリッド印刷装置では、当然のことながら、孔版印刷装置だけで実現させることが困難であった前記各要望に応えることが可能になる。
前記ハイブリッド印刷装置では、当然のことながら、孔版印刷装置だけで実現させることが困難であった前記各要望に応えることが可能になる。
特許文献1ないし3記載のハイブリッド印刷装置では、給紙部と孔版印刷部との間にインクジェット印刷部を配置して、同一の用紙に対して、孔版印刷とインクジェット印刷との双方の印刷を行えるように構成している。そして、前記ハイブリッド印刷装置のインクジェット印刷部での用紙搬送方法として、特開2002−137514号公報(特許文献1)ではエア吸着搬送ベルト方式が採用されている。
また、プロセスカートリッジ(電子写真方式の画像形成部)とインクジェット画像形成部とを有し、一般的なオフィス等での使用頻度の高い、文字画像を主体とする白黒画像は電子写真方式によって、使用頻度の低いカラー画像はインクジェット方式によってそれぞれ形成し、各画像形成方式を適宜使いわけるようにした画像形成装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
前記特開平8−248707号公報(特許文献4)記載のプロセスカートリッジおよびインクジェット印刷部での用紙搬送方法として、静電吸着搬送ベルトによる静電吸着搬送ベルト方式が採用されている。
ハイブリッド印刷装置もしくは複合型画像形成装置ではないが、静電吸着搬送ベルト方式のさらに具体的な技術も提案されている(例えば特許文献5および6参照)。
前記特開平8−248707号公報(特許文献4)記載のプロセスカートリッジおよびインクジェット印刷部での用紙搬送方法として、静電吸着搬送ベルトによる静電吸着搬送ベルト方式が採用されている。
ハイブリッド印刷装置もしくは複合型画像形成装置ではないが、静電吸着搬送ベルト方式のさらに具体的な技術も提案されている(例えば特許文献5および6参照)。
しかしながら、インクジェット記録方式では、非接触でインクを用紙に噴射して付着させるため、インク付着部の用紙がインクに含まれている水分によって伸びる「コックリング現象」が発生するという特有の問題がある。コックリングの程度が悪くなると、せっかく前記利点を有するエア吸着搬送ベルトや静電吸着搬送ベルトを用いて用紙の裏面全面を吸着保持・固定した状態で用紙搬送を行っても、用紙は前記伸び分の行き場がないため波打ちを生じて同搬送ベルトの吸着保持表面から部分的に浮き上がることにより、インクの着弾位置がずれたり、浮き上がった用紙がインク記録ヘッドのノズル面と接触してノズル面を汚して吐出曲がりを生じたり、また用紙自体も汚れてしまって画像品質が低下する不具合となってしまう。通常、ノズル面のインク吐出口と用紙表面までの距離は、最大のものでも2mm以下に設定されている。
特に、インクジェット印刷に先立って孔版印刷を最初に行うレイアウト構成のハイブリッド印刷装置では、孔版印刷によりインクが染み込んだ用紙にさらにインクジェットでインクを付着させるため、前記不具合はより顕著に現れやすい。
特許文献1(特開2002−137514号公報)で採用のエア吸着搬送ベルト方式や、(特許文献4)特開平8−248707号公報で採用の静電吸着搬送ベルト方式、あるいは特許文献5(特開2004−175494号公報)および特許文献6(特許第2897960号公報)記載の静電吸着搬送ベルト方式によるベルト搬送によって、用紙全面をベルトに吸着保持しながらインクジエット印刷部で印刷画像形成を行うと、用紙搬送方向に沿って長さが実質的に変化しない搬送ベルトに用紙全面が固定された状態での用紙搬送となっているので、インクの水分により伸びた用紙の行き場が搬送ベルトの上方のみとなってしまい、コックリングによる波打ちや浮きをさらに増大させる問題点が発生してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、前記問題点を解決し、インクジエット印刷部でのコックリング等による、用紙の波打ちや浮きに起因する不具合発生を防止することにより、画質劣化を未然に防止することができるハイブリッド印刷装置等を含む複合型画像形成装置またはインクジエット記録装置を提供することを主な目的とする。
本発明は、上述した課題を解決して前記目的を達成するために、請求項ごとの発明においては以下の構成を採っていることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有する複合型画像形成装置において、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする。
請求項1記載の発明は、インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有する複合型画像形成装置において、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする。
ここで、インク記録ヘッド(インクジェット記録ヘッドもしくは記録ヘッド)には、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等をインクを吐出・噴射するためのエネルギー発生手段として有する公知の全てのものが含まれる。
また、印刷方式としては、後述する実施形態ではライン型インクジェット記録ヘッドを採用している。この場合の印字範囲は、インク記録ヘッドの用紙幅方向における印字幅に相当する(以下の請求項および技術構成でも、同様である)。
また、印刷方式としては、後述する実施形態ではライン型インクジェット記録ヘッドを採用している。この場合の印字範囲は、インク記録ヘッドの用紙幅方向における印字幅に相当する(以下の請求項および技術構成でも、同様である)。
ライン型インクジェット記録ヘッドに限らず、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)にも準用可能である。この場合の印字範囲は、インク記録ヘッドが用紙幅方向に走査する走査範囲に相当する(以下の請求項および技術構成でも、同様である)。
画像形成部には、製版済みのマスタを版胴に巻装し版胴の内部からインクを供給しながら版胴上の製版済みのマスタに用紙を押し付けることにより孔版印刷を行う孔版印刷装置の孔版印刷部が含まれる(請求項10および11参照)他、オフセット印刷機を含む平版印刷装置等の印刷部、プリンタ、ファクシミリ、複写装置あるいはプロッタ等において画像形成を行う画像形成部周りが含まれる。これら孔版印刷部、孔版印刷以外の印刷部、画像形成部等は、目的および用途に応じて適宜選択されて用いられる。
用紙には、上記背景技術に記載した用紙種類(例えば、普通紙、孔版上質紙、ハガキ(葉書)、封筒)の他に、中質紙、上質55kg紙、再生紙、画用紙、上質135kg紙、上質180kg紙等が含まれ、これらの何れもが多かれ少なかれインクに含まれる水分に起因する上記コックリングを生じるが、厚紙やハガキではその程度が比較的小さい。
上位概念用語である記録媒体もしくはシート状記録媒体には、上述の具体的な用紙が含まれる他、上記コックリングの程度が極めて小さいかまたは実質的に無視できるレベルであるOHP等も含まれる。
用紙には、上記背景技術に記載した用紙種類(例えば、普通紙、孔版上質紙、ハガキ(葉書)、封筒)の他に、中質紙、上質55kg紙、再生紙、画用紙、上質135kg紙、上質180kg紙等が含まれ、これらの何れもが多かれ少なかれインクに含まれる水分に起因する上記コックリングを生じるが、厚紙やハガキではその程度が比較的小さい。
上位概念用語である記録媒体もしくはシート状記録媒体には、上述の具体的な用紙が含まれる他、上記コックリングの程度が極めて小さいかまたは実質的に無視できるレベルであるOHP等も含まれる。
「前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にした」とは、厳密には、「静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による用紙幅方向の帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの用紙幅方向の印字範囲以内にした」と表現できる。また、「帯電範囲」および「印字範囲」には、用紙幅方向の位置と幅寸法とが含まれる(以下、同様)。
請求項2記載の発明は、インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有する複合型画像形成装置において、前記静電吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部に無帯電領域が形成されるように、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を設けたことを特徴とする。
ここで、「前記静電吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部に無帯電領域が形成されるように、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を設けた」とは、厳密には、「前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による用紙幅方向の帯電範囲が前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向の印字範囲以内であって、かつ、前記静電吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの前記印字範囲の両端よりも外側の一部に無帯電領域が形成されるように、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による前記帯電範囲を設けた」と表現できる(以下、同様)。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の複合型画像形成装置において、前記インク記録ヘッドを前記静電吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記帯電手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを具備することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1つに記載の複合型画像形成装置において、前記静電吸着搬送手段は、少なくとも2つのローラ間に掛け渡された静電吸着搬送ベルトであり、前記インク記録ヘッドと対向する前記静電吸着搬送ベルトの裏面側に、前記静電吸着搬送ベルトの表面に静電吸着保持された用紙と前記インク記録ヘッドとの間隔を保持するための案内部材を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか1つに記載の複合型画像形成装置において、前記帯電手段は、交番する電圧を前記静電吸着搬送手段に印加する電圧印加手段であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段と、該エア吸着搬送手段からエア吸引させるエア吸引手段とを有する複合型画像形成装置において、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする。
ここで、「前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にした」とは、厳密には、「前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段による用紙幅方向のエア吸引範囲が前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向の印字範囲以内であって、かつ、エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段による前記エア吸引範囲を、前記インク記録ヘッドの前記印字範囲以内にした」と表現できる。「エア吸引範囲」には、用紙幅方向の位置と幅寸法とが含まれる(以下、同様)。
請求項7記載の発明は、インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段と、該エア吸着搬送手段からエア吸引させるエア吸引手段とを有する複合型画像形成装置において、前記エア吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部にエア無吸引領域が形成されるように、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を設けたことを特徴とする。
ここで、「前記エア吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部にエア無吸引領域が形成されるように、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を設けた」とは、厳密には、「前記エア吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの用紙幅方向の印字範囲の両端よりも外側の一部にエア無吸引領域が形成されるように、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段による用紙幅方向のエア吸引範囲を設けた」と表現できる(以下、同様)。
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の複合型画像形成装置において、前記インク記録ヘッドを前記エア吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記エア吸引手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項6ないし8の何れか一つに記載の複合型画像形成装置において、前記エア吸引手段による掃き出しエアを誘導して、前記インク記録ヘッドの用紙搬送方向の上流側で前記画像の形成された用紙に吹き付ける掃き出しエア誘導手段を有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項6または7記載の複合型画像形成装置において、前記インク記録ヘッドを前記エア吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、前記エア吸引手段による掃き出しエアを誘導して、前記インク記録ヘッドの用紙搬送方向の上流側で前記画像の形成された用紙に吹き付ける掃き出しエア誘導手段と、前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記エア吸引手段およびを前記掃き出しエア誘導手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項3、8または10記載の複合型画像形成装置において、用紙に対する前記画像の画像位置を前記用紙幅方向に移動調整するための第1の調整操作部と、第1の調整操作部によって調整された画像位置の移動量を表示する第1の移動量表示部と、第1の調整操作部の操作に基づいて前記画像の画像位置を移動調整させる第1の移動手段と、用紙に対する前記インクジェット印刷画像の画像位置を前記用紙幅方向に移動調整するための第2の調整操作部と、第2の調整操作部によって調整された画像位置の移動量を表示する第2の移動量表示部と、第2の調整操作部の操作に基づいて前記インクジェット印刷画像の画像位置を移動調整させる第2の移動手段と、第1の調整操作部の操作により前記画像の画像位置を移動させた際に、これに連動して前記インクジェット印刷画像の画像位置と前記帯電手段または前記エア吸引手段または前記エア吸引手段および前記掃き出しエア誘導手段との位置を同方向に同移動量だけ移動させる連動手段とを有し、前記ヘッド移動手段が、第2の移動手段を兼ねていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか一つに記載の複合型画像形成装置において、上記画像形成部は、製版済みのマスタを版胴に巻装して孔版印刷を行う孔版印刷部であることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の複合型画像形成装置において、前記孔版印刷部で孔版印刷画像を形成した後、前記インクジェット印刷部で印刷画像を形成することを特徴とする。
従って、請求項1ないし12記載の発明では、始めにインクジェット印刷部で印刷画像を形成した後、画像形成部でその画像形成または孔版印刷部で孔版印刷画像を形成するものを含むことを意味する。
従って、請求項1ないし12記載の発明では、始めにインクジェット印刷部で印刷画像を形成した後、画像形成部でその画像形成または孔版印刷部で孔版印刷画像を形成するものを含むことを意味する。
請求項1、2、6、7および後述する技術構成において、静電吸着搬送手段またはエア吸着搬送手段とインク記録ヘッドとの配置関係について述べると、次のとおりである。通常、インク記録ヘッドからのインクの噴射に関し重力を利用することで高画質を得る点から、静電吸着搬送手段またはエア吸着搬送手段はインク記録ヘッドの下方に近接して配置される(例えば、後述する第1ないし第6の実施形態のようにほぼ鉛直方向に配置されたインク記録ヘッドに対して静電吸着搬送手段またはエア吸着搬送手段がほぼ水平方向に配置される)が、レイアウト上の制約等から例えば静電吸着搬送手段またはエア吸着搬送手段が、鉛直方向から斜めに傾斜して配置されたインク記録ヘッドに対してこれと直交するように斜めに配置されたりすることもあり得る。
本発明は、後述の第6の実施形態および産業上の利用可能性の欄等に記載したように、ハイブリッド印刷装置等を含む複合型画像形成装置に限定されず、インクジェット印字装置とも呼ばれるインクジェット記録装置に限っても適用することが可能であり、その技術構成を下記しておく。
すなわち、第1の技術構成は、インクジェット印刷画像を用紙に形成するインク記録ヘッドと、該インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有するインクジェット記録装置において、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする。
すなわち、第1の技術構成は、インクジェット印刷画像を用紙に形成するインク記録ヘッドと、該インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有するインクジェット記録装置において、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする。
第2の技術構成は、インクジェット印刷画像を用紙に形成するインク記録ヘッドと、該インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有するインクジェット記録装置において、前記静電吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部に無帯電領域が形成されるように、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を設けたことを特徴とする。
第3の技術構成は、第1または第2の技術構成に記載のインクジェット記録装置において、前記インク記録ヘッドを前記静電吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記帯電手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを具備することを特徴とする。
第4の技術構成は、第1ないし第3の技術構成の何れか1つに記載のインクジェット記録装置において、前記静電吸着搬送手段は、少なくとも2つのローラ間に掛け渡された静電吸着搬送ベルトであり、前記インク記録ヘッドと対向する前記静電吸着搬送ベルトの裏面側に、前記静電吸着搬送ベルトの表面に静電吸着保持された用紙と前記インク記録ヘッドとの間隔を保持するための案内部材を設けたことを特徴とする。
第5の技術構成は、第1ないし第4の技術構成の何れか1つに記載のインクジェット記録装置において、前記帯電手段は、交番する電圧を前記静電吸着搬送手段に印加する電圧印加手段であることを特徴とする。
第6の技術構成は、インクジェット印刷画像を用紙に形成するインク記録ヘッドと、該インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像を形成された用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段と、該エア吸着搬送手段からエア吸引させるエア吸引手段とを有するインクジェット記録装置において、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする。
第7の技術構成は、インクジェット印刷画像を用紙に形成するインク記録ヘッドと、該インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像を形成された用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段と、該エア吸着搬送手段からエア吸引させるエア吸引手段とを有するインクジェット記録装置において、前記エア吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部にエア無吸引領域が形成されるように、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を設けたことを特徴とする。
第8の技術構成は、第6または第7の技術構成に記載のインクジェット記録装置において、前記インク記録ヘッドを前記エア吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記エア吸引手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを有することを特徴とする。
第9の技術構成は、第6ないし第8の技術構成の何れか一つに記載のインクジェット記録装置において、前記エア吸引手段による掃き出しエアを誘導して、前記インク記録ヘッドの用紙搬送方向の上流側で用紙に吹き付ける掃き出しエア誘導手段を有することを特徴とする。
第10の技術構成は、第6ないし第8の技術構成の何れか一つに記載の前記インク記録ヘッド、前記エア吸着搬送手段および前記エア吸引手段がインクジェット印刷部を構成しており、該インクジェット印刷部を複数備えたインクジェット記録装置であって、前記エア吸引手段による掃き出しエアを誘導して、前記インク記録ヘッドの用紙搬送方向の上流側でインクジェット印刷画像を形成された用紙に吹き付ける掃き出しエア誘導手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、上述した問題点を解決して新規な複合型画像形成装置を提供することができる。本発明の主な効果を挙げれば次のとおりである。
本発明によれば、静電吸着搬送手段またはエア吸着搬送手段における用紙が静電吸着・保持またはエア吸着・保持される範囲について画質を維持することが可能なインク記録ヘッドの印字範囲以内に限定したことにより、インク記録ヘッドの印字範囲外でコックリング等による用紙の伸びが許容されることで解消され、印字範囲内ではコックリング等による用紙の波打ちや浮きが生じないので、画質劣化を未然に防止することができる(請求項1、請求項6)。
本発明によれば、静電吸着搬送手段またはエア吸着搬送手段における用紙が静電吸着・保持またはエア吸着・保持される範囲について画質を維持することが可能なインク記録ヘッドの印字範囲以内に限定したことにより、インク記録ヘッドの印字範囲外でコックリング等による用紙の伸びが許容されることで解消され、印字範囲内ではコックリング等による用紙の波打ちや浮きが生じないので、画質劣化を未然に防止することができる(請求項1、請求項6)。
本発明によれば、インク記録ヘッドの印字範囲の両脇でコックリング等による用紙の伸びが許容されることで解消されるので、用紙の波打ちや浮きが生ぜず、画質劣化を未然に防止することができる。また、静電吸着搬送手段に対する帯電手段による帯電範囲またはエア吸引手段によるエア吸引範囲を、単にインク記録ヘッドの印字範囲以内にした構成と比較して、静電吸着搬送手段の帯電範囲またはエア吸着搬送手段のエア吸引範囲が広がることにより用紙の吸着保持力が増加し、搬送性が向上する(請求項2、請求項7)。
本発明によれば、インク記録ヘッドが用紙幅方向に移動可能な構成でも、上述した発明(請求項1、請求項2、請求項6、請求項7)と同様な効果を奏する(請求項3、請求項8、請求項10)。
本発明によれば、インク記録ヘッドと対向する静電吸着搬送ベルトの裏面側に設けられた案内部材によって、静電吸着搬送ベルトの表面に静電吸着保持された用紙とインク記録ヘッド(のインク吐出口)との間隔が保持されつつ静電吸着搬送ベルトが案内されるので、静電吸着搬送ベルトの波打ちや変動を防止してより高い平面性を確保することができて、良好な画質を維持することが可能となる(請求項4)。
本発明によれば、インクジェット印刷部以外の画像形成部で用紙浮きが発生しても、インクジェット印刷部でインクジェット印刷画像が形成される前にその浮きが解消されるので、より確実に画質劣化を防止することができる(請求項9、請求項10)。特に、画像形成部がインクの用紙への裏移りの発生しやすい孔版印刷部であるときには、その孔版印刷画像のインクの乾燥効果も発揮できるようになることで孔版印刷特有の裏移りを防止する効果も奏するようになる(請求項12、請求項13)。
本発明によれば、孔版印刷部での孔版印刷によりインクが染み込んだ用紙に、さらにインクジェット印刷部でインクを付着させることとなるので、前記効果を顕著に奏する(請求項12、請求項13)。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施形態を説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素をそのまま引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
図1ないし図10を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合型画像形成装置を示している。同図において複合型画像形成装置1は、シート状記録媒体の一例としての用紙2を給送する給紙部3と、給紙部3より給送された用紙2に対して孔版印刷を行い孔版印刷画像を形成する孔版印刷部4と、孔版印刷された用紙2に対してさらにその一部にインクを噴射することによりインクジェット印刷画像を形成するインクジェット印刷部5と、印刷済みの用紙2を排出する排紙部6とを有している。
複合型画像形成装置1は、上述したようにインクジェット印刷部5と、このインクジェット印刷部5とは別の画像形成方式(印刷方式)により用紙2に印刷を行うことによって孔版印刷画像を用紙2に形成する画像形成部の一例としての孔版印刷部4とを有する基本的な構成を有していて、いわゆるハイブリッド印刷装置とも呼ばれる複合機を構成している。
図1ないし図10を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合型画像形成装置を示している。同図において複合型画像形成装置1は、シート状記録媒体の一例としての用紙2を給送する給紙部3と、給紙部3より給送された用紙2に対して孔版印刷を行い孔版印刷画像を形成する孔版印刷部4と、孔版印刷された用紙2に対してさらにその一部にインクを噴射することによりインクジェット印刷画像を形成するインクジェット印刷部5と、印刷済みの用紙2を排出する排紙部6とを有している。
複合型画像形成装置1は、上述したようにインクジェット印刷部5と、このインクジェット印刷部5とは別の画像形成方式(印刷方式)により用紙2に印刷を行うことによって孔版印刷画像を用紙2に形成する画像形成部の一例としての孔版印刷部4とを有する基本的な構成を有していて、いわゆるハイブリッド印刷装置とも呼ばれる複合機を構成している。
給紙部3は、多数の用紙2が積載される給紙台としての給紙トレイ10と、給紙トレイ10上の用紙2をその最上位のものから1枚ずつ給送する給紙手段としての給紙ローラ11と、給紙ローラ11によって給送された用紙2を一時停止させた後に孔版印刷部4に向けて所定のタイミングで給送するレジスト手段としてのレジストローラ対12とを有している。
孔版印刷部4の右上方には、製版部7が配設されている。製版部7は、ロール状に巻成されたマスタ13を収容するマスタ収容部14と、マスタ収容部14よりもマスタ搬送方向下流側に配設された製版手段としてのサーマルヘッド15およびプラテンローラ16、マスタ13を切断する切断手段17、マスタ搬送手段としてのマスタ搬送ローラ対18等を有している。製版部7は、マスタ13に穿孔製版画像を形成した後に孔版印刷部4に向けて搬送する。
孔版印刷部4は、製版部7において製版されたマスタ13(以下、「製版済みのマスタ19」という)を外周面上に巻装する版胴20と、版胴20の外周面に対して接離自在に設けられた押圧手段としてのプレスローラ22と、用紙2を版胴20の外周面上から剥離する剥離爪23と、剥離された用紙2を吸引ファン24で多孔性のベルト面に吸引しつつ搬送するベルト搬送部25とを有している。
版胴20の内部には、インクローラ21およびドクターローラ8を有するインク供給手段9が配設されている。孔版印刷部4は、給紙部3より給送された用紙2をプレスローラ22によって版胴20の外周面上に巻装された製版済みのマスタ19に押圧することにより、インク供給手段9から供給されたインクを用紙2に転写させて用紙2上に孔版印刷画像を形成する。版胴20の左上方には、版胴20の外周面上から使用済みの製版済みのマスタ19を剥離して廃棄する図示しない排版装置が配設されている。
また孔版印刷部4には、用紙2に形成される孔版印刷画像の位置、すなわち版胴20の外周面上に巻装された製版済みのマスタ19の製版画像に対する用紙2の位置を移動調整させる第1の移動手段を構成する図示しない移動機構が設けられている。この図示しない移動機構は、例えば特開平9−104159号公報に開示された移動機構80,280と同様のものを用いることができる。
インクジェット印刷部5は、図1および図2に示すように、用紙2の搬送経路上方に配置されインクを用紙2に噴射するインク記録ヘッドとしてのインクジェット記録ヘッド26と、インクジェット記録ヘッド26の下方に近接して配置され孔版印刷画像およびインクジェット印刷画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された印刷済みの用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段としての、従動ローラ82と駆動ローラ83との間に掛け渡された静電吸着搬送ベルト81と、静電吸着搬送ベルト81に接触して帯電させる帯電手段としての、交番する電圧を静電吸着搬送ベルト81に印加する電圧印加手段84と、静電吸着搬送ベルト81を案内する機能等を備えた案内部材としてのガイド板85(図2(b)に示す)と、用紙2の搬送方向先端を検出して用紙2に対するインクジェット印刷の開始基準を設定するための用紙検出センサ32とを有している。
インクジェット記録ヘッド26は、ライン型インクジェット記録ヘッドと呼ばれるものであり、例えば4色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のインクを吐出・噴射可能な4個のインクジェットヘッドの吐出口(ノズル)が下方に向けて装着され、かつ、用紙搬送方向Xに沿って並設されている。なお、インクジェット記録ヘッド26の用紙搬送方向Xの長さは、図の簡明化のために故意に短く描いている(以下、後述する実施形態および変形例でも同様。これとは逆に幾分拡大して示す図18参照。)。インクジェット記録ヘッド26は、上記フルカラー構成のものに限らず、単色ないしは多色に対応して構成されたものでも構わない。
静電吸着搬送ベルト81は、誘電体製の無端ベルトであり、従動ローラ82と駆動ローラ83との間に掛け渡されて、その上部が用紙搬送方向X(ベルト搬送方向)に沿って周回するように構成されている。静電吸着搬送ベルト81は、例えば上記特開2004−175494号公報の段落「0022」〜「0025」に詳しく記載されていると同様に、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材である、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層(21a)と、この表層(21a)と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)(21b)とを有して構成することが好ましい。
従動ローラ82および駆動ローラ83は、それぞれ軸を介してインクジェット印刷部5の本体側板(図示せず)に回転自在に支持されている。駆動ローラ83の軸は、その軸に取り付けられた図示しないプーリおよびベルトあるいはギヤ列等の駆動力伝達手段を介してベルト駆動モータ80に連結されていて、ベルト駆動モータ80によって回転駆動される。従動ローラ82は、例えば適宜の金属でできていて、接地されている。
電圧印加手段84は、静電吸着搬送ベルト81の用紙2(裏面)を保持する側の表面に接触し、接触した状態で該表面に交番する電圧を印加する、すなわち交番する電荷密度パターンを形成する帯電ローラとも呼ばれる電極ローラ86と、電極ローラ86に交番する電圧を印加する交流電源87とを具備している。
電圧印加手段84の電極ローラ86は、静電吸着搬送ベルト81の上記表層に接触し、静電吸着搬送ベルト81の回転に従動して回転するように支持されている。電極ローラ86には交流電源87により交番する電圧、すなわち交流電圧が印加されているので、従動ローラ82はそのための対向電極の役割をもっている。
電圧印加手段は、電極ローラ86に限らず、上記特許第2897960号公報の第2図(b)に示されているようなブレード状電極(3’)であってもよい。
電圧印加手段84の電極ローラ86は、静電吸着搬送ベルト81の上記表層に接触し、静電吸着搬送ベルト81の回転に従動して回転するように支持されている。電極ローラ86には交流電源87により交番する電圧、すなわち交流電圧が印加されているので、従動ローラ82はそのための対向電極の役割をもっている。
電圧印加手段は、電極ローラ86に限らず、上記特許第2897960号公報の第2図(b)に示されているようなブレード状電極(3’)であってもよい。
図2(a)、(b)に示すように、図示しない制御回路によって、高圧の交流電源87からプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように交流電圧が電極ローラ86に対して印加され、さらに電極ローラ86が用紙搬送方向Xに走行・搬送される静電吸着搬送ベルト81の表面に接触していることにより、電極ローラ86の用紙幅方向Yのローラ幅寸法である帯電幅Gに対応した静電吸着搬送ベルト81の表面領域に、静電吸着搬送ベルト81の搬送方向(用紙搬送方向X)にプラスとマイナスとが所定の幅で交互に帯電され、同図(a)に波状模様で示すように交番する電荷密度パターンが形成される。この電荷密度パターンによる帯電した領域によって、用紙2を静電吸着する静電吸着エリアFが形成される。
ガイド板85は、図2(b)にのみ示すように、静電吸着搬送ベルト81が波打ったりしわとならないように高い平面性を確保して静電吸着搬送ベルト81を整然と案内する上記機能を有する他、静電吸着搬送ベルト81の表面に静電吸着保持された印刷済みの用紙とインクジェット記録ヘッド26との間隔を保持する機能も有する。それ故に、ガイド板85の形成範囲は、インクジェット記録ヘッド26を中心としてその用紙搬送方向Xの上流および下流間の所定の範囲と、用紙幅方向Yにおける少なくともインクジェット記録ヘッド26の印字幅Hを含む範囲とに亘り設ける必要がある。
この点から本実施形態では、ガイド板85は、上側の静電吸着搬送ベルト81の裏面と対向・接触するように、インクジェット記録ヘッド26を中心としてその用紙搬送方向Xの上流および下流間の図2(b)に示すような所定の範囲と静電吸着搬送ベルト81の用紙幅方向Yの幅寸法と同等程度に用紙幅方向Yに延設されている(後述する図11(b)に示すガイド板85と同様である)。
この点から本実施形態では、ガイド板85は、上側の静電吸着搬送ベルト81の裏面と対向・接触するように、インクジェット記録ヘッド26を中心としてその用紙搬送方向Xの上流および下流間の図2(b)に示すような所定の範囲と静電吸着搬送ベルト81の用紙幅方向Yの幅寸法と同等程度に用紙幅方向Yに延設されている(後述する図11(b)に示すガイド板85と同様である)。
ガイド板85は、静電吸着搬送ベルト81の静電吸着エリアFの帯電状態に支障とならない状態で設けることが必要であり、接地していなければその材質は何でもよいが、非導電材で形成することが好ましい。静電吸着搬送ベルト81の裏面と対向・接触するガイド板85の表面側は、摺動抵抗ができる限り小さくするように形成される。
上述の構成を踏まえ、本実施形態の特徴は、静電吸着搬送ベルト81に対する電極ローラ86による帯電範囲を、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲以内に設定したことにある。換言すれば、図2(a)および図2(c)に示すように、時計回りに従動回転する電極ローラ86によって用紙搬送方向Xに走行する静電吸着搬送ベルト81に対して帯電させる用紙幅方向Yの帯電幅Gを、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yにおける印字可能な画像形成可能長さである印字幅H以内に設定したことにある(G≦H)。また、後述する理由により、印字幅Hは、用紙2の用紙幅方向Yの寸法である用紙幅よりも小さく設定されている。
本実施形態では、静電吸着搬送ベルト81において、用紙2が吸着保持・固定される静電吸着エリアFについて画質を維持することが可能なインクジェット記録ヘッド26の印字範囲以内に限定したことにより、帯電幅Gが印字幅H以下(G≦H)であれば、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングにより伸びた用紙2部分が、静電吸着搬送ベルト81の上方ではなく用紙2が固定されない範囲で用紙搬送方向Xの搬送面側および用紙幅方向Yの印字範囲外に解放されることにより、印字範囲内ではコックリングによる用紙2の波打ちや浮きが生じないので、画質劣化を未然に防止することができる。
一方、帯電幅Gが印字幅Hを超えると(G>H)、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングによる用紙2の伸びによって用紙2の波打ちや浮きが発生し、同印字範囲内で画質劣化が生じてしまうから、好ましくない。
さらに、静電吸着エリアFの用紙幅方向Yの代用特性としての帯電幅Gと、用紙幅方向Yにおける印刷画像形成長さの代用特性としての印字幅Hとの好ましい関係について言及すると、印字幅Hの100%未満、50%以上の範囲内になるように帯電幅Gを設定することがより好ましい(0.5H≦G<H)。帯電幅Gが印字幅H以上になると印字範囲境界(G=H)を含めてコックリングによる用紙2の伸びによって用紙2の波打ちや浮きが生じる虞もある点から好ましくなく、逆に帯電幅Gが印字幅Hの50%未満になると、静電吸着搬送ベルト81の静電吸着エリアFが減少し過ぎてしまって用紙2を吸着保持する能力が減少し、用紙2の位置ずれを起こしたりする点から好ましくない。
静電吸着搬送ベルト81は、ベルト駆動モータ80によって用紙2を所定のインクジェット印刷スピードで搬送される。このときの搬送速度は、孔版印刷部4の排紙搬送速度と同等以上となるように設定されている。
静電吸着搬送ベルト81は、ベルト駆動モータ80によって用紙2を所定のインクジェット印刷スピードで搬送される。このときの搬送速度は、孔版印刷部4の排紙搬送速度と同等以上となるように設定されている。
ライン型のインクジェット記録ヘッド26は、図3に示すように、第2の移動手段を兼ねるヘッド移動手段としての移動機構36によって用紙幅方向Yに移動自在に構成されている。移動機構36は、案内レール70、保持部71、ヘッド移動モータ72、リードねじ73、ヘッド用ホームポジションセンサ74から主に構成されている。
インクジェット記録ヘッド26の上部には、フレーム75に固設された案内レール70に緩く嵌合することにより用紙幅方向Yに案内されて移動可能な保持部71が一体的に設けられている。インクジェット記録ヘッド26には、リードねじ73が螺合している。リードねじ73は、ステッピングモータからなるヘッド移動モータ72に連結されている。従って、フレーム75に固定されたヘッド移動モータ72によってリードねじ73が回転駆動されると、インクジェット記録ヘッド26が用紙幅方向Yに移動される。インクジェット記録ヘッド26の位置は、案内レール70に固設されインクジェット記録ヘッド26の初期位置を検出するヘッド用ホームポジションセンサ74とヘッド移動モータ72のステップ数とによって検出される。
同図において、符号76は着脱可能なインク容器を、符号77はインク送出用のポンプを、符号78はインク搬送用のフレキシブルホースをそれぞれ示しており、符号Hはインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yにおける画像形成可能長さ、すなわち印字範囲を表す印字幅を示している。
上述した移動機構36により、用紙2に形成されるインクジェット印刷画像の用紙幅方向Yにおける位置が調整移動される。
同図において、符号76は着脱可能なインク容器を、符号77はインク送出用のポンプを、符号78はインク搬送用のフレキシブルホースをそれぞれ示しており、符号Hはインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yにおける画像形成可能長さ、すなわち印字範囲を表す印字幅を示している。
上述した移動機構36により、用紙2に形成されるインクジェット印刷画像の用紙幅方向Yにおける位置が調整移動される。
図4には、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、電極ローラ86を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段としての連動移動機構65が示されている。
連動移動機構65は、案内レール90、移動部材91、ローラ移動モータ92、リードねじ93、ローラ用ホームポジションセンサ94から主に構成されている。
電極ローラ86は、用紙幅方向Yに延びたキー溝状の案内溝86bを形成されたローラ軸86aに緩く嵌合されていることより、用紙幅方向Yに摺動可能に設けられている。電極ローラ86は、ローラ軸86aの両端部が側面視コ字状のフレーム95の両端部に回転自在に支持されていることにより、静電吸着搬送ベルト81の周回に従動して回転するようになっている。
ローラ軸86aに案内溝86bを形成することなく、電極ローラ86を案内溝86bが形成されていないローラ軸に回転可能かつ用紙幅方向Yに摺動可能に設けたものであっても構わない。この場合、上記ローラ軸はフレーム95の両端部に固定されていればよい。連動移動機構65は、送りねじを利用した往復直線運動機構に限らず、ラックアンドピニオンを利用したものや、ベルトおよびプーリを利用した往復直線運動機構等であってもよい(後述の実施形態等でも同様)。
ローラ軸86aに案内溝86bを形成することなく、電極ローラ86を案内溝86bが形成されていないローラ軸に回転可能かつ用紙幅方向Yに摺動可能に設けたものであっても構わない。この場合、上記ローラ軸はフレーム95の両端部に固定されていればよい。連動移動機構65は、送りねじを利用した往復直線運動機構に限らず、ラックアンドピニオンを利用したものや、ベルトおよびプーリを利用した往復直線運動機構等であってもよい(後述の実施形態等でも同様)。
電極ローラ86の近傍には、電極ローラ86の両端部を挟む状態で、フレーム75に固設された案内レール90に緩く嵌合することにより用紙幅方向Yに案内されて移動可能な移動部材91が設けられている。移動部材91には、電極ローラ86の両端部を緩く挟みローラ軸86aに緩く嵌入されたシフトフォーク部91aと、リードねじ93が螺合する螺合部91bと、案内レール90に緩く嵌合し案内される被案内部91cとが一体形成されている。リードねじ93は、ステッピングモータからなるローラ移動モータ92に連結されている。従って、フレーム95に固定されたローラ移動モータ92によってリードねじ93が回転駆動されると、電極ローラ86が用紙幅方向Yに移動される。電極ローラ86の位置は、案内レール90に固設され電極ローラ86の初期位置を検出するローラ用ホームポジションセンサ94とローラ移動モータ92のステップ数とによって検出される。
上述した連動移動機構65により、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、電極ローラ86を同方向に同移動量だけ移動させることができると共に、電極ローラ86の用紙幅方向Yにおける位置も調整移動可能となる。
上述した連動移動機構65により、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、電極ローラ86を同方向に同移動量だけ移動させることができると共に、電極ローラ86の用紙幅方向Yにおける位置も調整移動可能となる。
連動移動手段は、上記連動移動機構65に限らず、機構として大型化しても構わないのであれば、例えば、図4に示した移動部材91から螺合部91bおよび被案内部91cを除去したシフトフォーク部91aを用紙搬送方向Xに延ばし、上側の静電吸着搬送ベルト81を挟む態様で折り曲げた後、用紙幅方向Yの保持部71に向けて延ばし側面視コ字状にしてインクジェット記録ヘッド26を保持する図3に示す保持部71に結合することにより、保持部71に一体的に設けることで、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、電極ローラ86を同方向に同移動量だけ移動させるような手段であってもよい。
用紙2に形成されるインクジェット印刷画像の用紙搬送方向Xにおける位置は、インクジェット記録ヘッド26の作動タイミングによって調整移動される。インクジェット記録ヘッド26は、複合型画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータ45(図6参照)あるいは複合型画像形成装置1の内部に設けられた図示しない可変データ記録メモリ48(図6参照)から送出される画像データに基づいて画像形成を行う。
図7において、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yにおける画像形成可能長さは印字幅Hであり、孔版印刷部4の用紙幅方向Yにおける製版可能長さはKである。通常、製版可能長さKは、A3サイズの印刷を可能とするために290mm前後に設定されている。しかし、印字幅Hをこれと同じとすると、インクジェット記録ヘッド26が非常に高価なものとなってしまうと共に、画像形成の信頼性も低下してしまう。そこで、本実施形態ではインクジェット記録ヘッド26を安価なものとするため、その印字幅Hを30〜100mm(1.3〜4インチ)程度としている(H<K)。この複合型画像形成装置1において、インクジェット記録ヘッド26により可変印刷を行いたい部分は宛名部分あるいは通し番号部分等の一部であるので、この程度の印字幅Hで十分に対応可能である。同図中に符号28を付してハッチングを施して示す領域は、用紙2に形成される孔版印刷画像の最大幅のものを、符号30を付してハッチングを施して示す領域は、用紙2に形成されるインクジェット印刷画像の中程度の幅のものをそれぞれ示している。
また、印字幅Hと用紙サイズとの関係について言及すると、印字幅Hと製版可能長さKとの関係において上述した理由から、通常、印字幅Hは複合型画像形成装置1で使用される用紙2の最大用紙幅よりも小さく設定される。
インクジェット印刷部5の用紙搬送方向下流側には、排紙部6が配設されている。排紙部6は、インクジェット印刷部5においてインクジェット印刷画像を形成された用紙2を吸引ファン33で多孔性のベルト面に吸引しつつ搬送するベルト搬送部34と、ベルト搬送部34によって搬送された印刷済みの用紙2を積載する排紙台としての排紙トレイ35とを有している。
なお、インクジェット印刷部5においては上述したように静電吸着搬送ベルト81が配置されているため、ベルト搬送部34は必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。
なお、インクジェット印刷部5においては上述したように静電吸着搬送ベルト81が配置されているため、ベルト搬送部34は必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。
孔版印刷部4の上方には、画像読取部40が配設されている。画像読取部40は、原稿42上の画像を読み取る移動自在な走査ユニット41、走査ユニット41によって走査された画像データが入力されるCCD等の画像センサ43等を有する周知の構成である。
図5は、複合型画像形成装置1の操作パネルを示している。同図において操作パネル50は、複合型画像形成装置1の装置本体の上部前面に配設されている。操作パネル50には、製版スタートキー51、プリントスタートキー52、試し刷りキー53、ストップキー54、テンキー55、クリアキー56、7セグメントLEDからなる表示装置57、LCDからなる表示装置58、4方向キー59、画像位置調整キー60、画像切替キー61、連動移動キー62、インクジェット合成キー63等が設けられている。
表示装置57には各種の数値が置数され、表示装置58は階層構造となっていて各種情報を表示する。4方向キー59は上キー59a、下キー59b、左キー59c、右キー59dを有しており、各種設定時に使用される。画像位置調整キー60は、上記図示しない移動機構および/または移動機構36(これと連動する連動移動機構65を含む)を作動させて孔版印刷画像および/またはインクジェット印刷画像の用紙2に対する位置ならびに電極ローラ86を移動させる際に押下される。画像切替キー61は、用紙2に対する位置を移動させる画像を選択する際に押下され、押下毎に移動される画像が孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とに切り替えられる。画像切替キー61の近傍には、移動される画像を示すLED61a,61bが配設されている。
連動移動キー62は、用紙2に対する位置を移動させる画像として孔版印刷画像とインクジェット印刷画像と電極ローラ86との3者を選択し、これらを同方向に同じ移動量だけ移動させる際に押下される。インクジェット合成キー63は、孔版印刷画像が形成された用紙2に対してインクジェット印刷画像を形成する際に押下される。インクジェット合成キー63の近傍には、合成ありの場合と合成なしの場合とを示すLED63a,63bが配設されている。インクジェット合成なしの場合には、インクジェット記録ヘッド26を不作動とさせた状態で用紙2が静電吸着搬送ベルト81によって用紙搬送方向Xの下流側、すなわち排紙部6側に搬送される。
図6は、複合型画像形成装置1の制御ブロック図を示している。この複合型画像形成装置1は内部に画像処理装置37を備えている。画像読取部40で読み取られた共通印刷画像データは、共通画像データ処理装置38で所定の画像処理が行われた後、画像形成部選択手段39を経由してサーマルヘッド駆動制御装置44に送られ、このデータに基づいてサーマルヘッド15の各発熱素子が選択的に発熱してマスタ13に対して穿孔製版を行う。
一方、パーソナルコンピュータ45から送出された可変画像データは、可変画像データ処理装置46で所定の画像処理が行われた後、画像形成部選択手段39を経由してインクジェットヘッド駆動制御装置47に送られ、このデータに基づいてインクジェット記録ヘッド26が選択的にインクを噴射して画像形成を行う。または、予め必要な画像データが記録されている可変データ記録メモリ48から送られた可変画像データが画像形成部選択手段39を経由してインクジェットヘッド駆動制御装置47に送られ、このデータに基づいてインクジェット記録ヘッド26が選択的にインクを噴射して画像形成を行う。搬送される用紙2に対するインクジェット記録ヘッド26の作動は、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49によって制御される。
記録ヘッド位置決め駆動制御装置49は、ヘッド用ホームポジションセンサ74とヘッド移動モータ72のステップ数とに基づいて、インクジェット記録ヘッド26の位置を検出・認識すると共に、後述する動作で説明するように操作パネル50で指示された内容に従って、インクジェット記録ヘッド26を用紙幅方向Yに移動するようにヘッド移動モータ72を制御する機能を有する。また、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49は、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動に連動して、ローラ用ホームポジションセンサ94とローラ移動モータ92のステップ数とに基づいて、電極ローラ86の位置を検出・認識すると共に、電極ローラ86をインクジェット記録ヘッド26の移動と同方向に同移動量だけ移動するようにローラ移動モータ92を制御する機能を有する。
(動作例1)
上述の構成に基づき、以下に複合型画像形成装置1を用いて用紙2上に孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを画像形成する際の動作例1を説明する。動作例1は、図7に示した孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30との移動調整を行わない場合の動作例である。
上述の構成に基づき、以下に複合型画像形成装置1を用いて用紙2上に孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを画像形成する際の動作例1を説明する。動作例1は、図7に示した孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30との移動調整を行わない場合の動作例である。
オペレータは操作パネル50上のインクジェット合成キー63を押下してLED63aを点灯させると共に、画像読取部40に原稿42をセットして製版スタートキー51を押下する。
製版スタートキー51が押下されると、走査ユニット41が原稿42の画像を走査してこのデータを画像センサ43に送ると共に、図示しない排版装置が作動して版胴20の外周面上より使用済みの製版済みのマスタ19が剥離される。排版動作完了後、版胴20は所定の給版待機位置まで回転して停止し、その外周面上に開閉自在に設けられた図示しないクランパを開放して給版待機状態となる。
製版スタートキー51が押下されると、走査ユニット41が原稿42の画像を走査してこのデータを画像センサ43に送ると共に、図示しない排版装置が作動して版胴20の外周面上より使用済みの製版済みのマスタ19が剥離される。排版動作完了後、版胴20は所定の給版待機位置まで回転して停止し、その外周面上に開閉自在に設けられた図示しないクランパを開放して給版待機状態となる。
版胴20が給版待機状態となると、プラテンローラ16およびマスタ搬送ローラ対18が作動してマスタ13が送り出される。送り出されたマスタ13はサーマルヘッド15を通過する際に画像センサ43(あるいはパソコン45)から送られた画像データに基づいて穿孔製版される。製版され製版済みのマスタ19となったマスタ13は版胴20のクランパにその先端部を挟持された後、版胴20がマスタ13の搬送速度と同じ周速度で回転駆動されることにより版胴20の外周面上に巻装される。そして、1版分のマスタ13が搬送されると切断手段17が作動してマスタ13が切断され、巻装動作が完了する。
巻装動作完了後、オペレータによって試し刷りキー53が押下されると、給紙ローラ11が作動して給紙トレイ10上より1枚の用紙2が給送される。給送された用紙2は、レジストローラ対12によって一時停止された後、所定のタイミングで版胴20とプレスローラ22との間に向けて給送される。レジストローラ対12の作動と共にプレスローラ22がその周面を版胴20の外周面上に巻装された製版済みのマスタ19に用紙2を圧接させ、これにより用紙2に孔版印刷画像が転写される。孔版印刷画像を転写された用紙2は剥離爪23によって版胴20上の製版済みのマスタ19より剥離され、ベルト搬送部25に送られてさらに用紙搬送方向Xの下流へと搬送される。
この際には、適宜の起動タイミングでベルト駆動モータ80が既に駆動されており、静電吸着搬送ベルト81は用紙搬送方向Xに走行している。ベルト搬送部25によって送られた用紙2は、電極ローラ86によって帯電された静電吸着搬送ベルト81の静電吸着エリアFに静電的に吸着保持されながらさらに搬送され、その先端が用紙検出センサ32によって検出されると、図示しないパーソナルコンピュータあるいは図示しないデータ記録装置からデータが送出される。そして、送出されたデータに基づいてインクジェット記録ヘッド26が作動し、用紙2にはインクジェット印刷画像が形成される。孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを形成された用紙2は静電吸着搬送ベルト81によってさらに送られ、ベルト搬送部34の搬送を介して排紙トレイ35に排出される。
(動作例2)
図8は、上述の試し刷りによって画像形成がなされた用紙2を示している。用紙2上には孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30とがそれぞれ形成されている。この試し刷りされた用紙2を確認して、それぞれの画像28,30の位置を移動させる場合を動作例2として以下に説明する。
図8は、上述の試し刷りによって画像形成がなされた用紙2を示している。用紙2上には孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30とがそれぞれ形成されている。この試し刷りされた用紙2を確認して、それぞれの画像28,30の位置を移動させる場合を動作例2として以下に説明する。
図8において、孔版印刷画像28は用紙搬送方向Xおよび用紙幅方向Yに移動可能であり、インクジェット印刷画像30は矢印XXで示す用紙搬送方向および矢印YYで示す用紙幅方向に移動可能である。オペレータは、各画像28,30の移動に先立ち、操作パネル50上の画像位置調整キー60を押下する。画像位置調整キー60が押下されると、表示装置58の表示が図5に示す状態となる。
次にオペレータは、位置調整を行いたい画像が孔版印刷画像28であるかインクジェット印刷画像30であるかを選択する。選択は画像切替キー61を押下することにより行われる。画像切替キー61は、1回押下される毎に位置調整を行う画像を孔版印刷画像28あるいはインクジェット印刷画像30に切り替え、この際に対応するLED61a,61bを点灯させる。位置調整を行う画像が選択されると、次に4方向キー59を押下して移動したい方向に画像の移動量を入力する。
表示装置58には、図5に示すように孔版印刷画像28の移動量とインクジェット印刷画像30の移動量とが互いに隣接して表示され、さらに用紙搬送方向Xの移動量と用紙幅方向Yの移動量とが互いに隣接して表示される。オペレータはこの表示を見ながら各画像28,30の位置調整を行う。
例えば、孔版印刷画像28を用紙搬送方向X下流側に2.5mm移動させる場合には、画像切替キー61を押下してLED61aを点灯させ、次に左キー59cを押下する。この例では4方向キー59の押下1回毎に画像の移動量が0.5mmずつ加算されるので、2.5mm移動させる場合には左キー59cを5回押下することとなる。すると、表示装置58の表示58aが「+2.5」となり、これで指示が完了する。この例では孔版印刷画像28を用紙幅方向Yには移動させておらず、表示装置58の表示58dは「0」のままである。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72およびローラ移動モータ92は共に非作動状態となるように制御されており、インクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86は、例えば図10(a)に示したような位置を占めたままである。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72およびローラ移動モータ92は共に非作動状態となるように制御されており、インクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86は、例えば図10(a)に示したような位置を占めたままである。
次に、インクジェット印刷画像30を用紙搬送方向X下流側に2.0mm移動させる場合には、画像切替キー61を押下してLED61bを点灯させ、次に左キー59cを4回押下して表示装置58の表示58bに「+2.0」を表示させる。さらにインクジェット印刷画像30を用紙幅方向Y手前側に1.5mm移動させる場合には、下キー59bを3回押下して表示装置58の表示58cに「−1.5」を表示させる。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72の作動と連動してローラ移動モータ92が作動されることにより、インクジェット記録ヘッド26は移動機構36を介して、電極ローラ86は連動移動機構65を介して、それぞれ用紙幅方向Y手前側に1.5mm移動されることとなる。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72の作動と連動してローラ移動モータ92が作動されることにより、インクジェット記録ヘッド26は移動機構36を介して、電極ローラ86は連動移動機構65を介して、それぞれ用紙幅方向Y手前側に1.5mm移動されることとなる。
この第1の実施形態では、画像位置調整キー60、画像切替キー61、4方向キー59によって第1および第2の調整操作部が構成され、各表示58a,58dによって第1の移動量表示部が、また各表示58b,58cによって第2の移動量表示部がそれぞれ構成される。また、4方向キー59が操作手段として機能し、画像切替キー61が切替手段として機能する。
上述の構成によれば、電極ローラ86がインクジェット記録ヘッド26の移動と連動して同方向に同移動量だけ移動されるので、インクジェット記録ヘッド26が用紙幅方向Yに移動可能な構成でも、帯電幅Gが印字幅H以下(G≦H)であれば、画質を維持することが可能な必要最小限の静電吸着エリアFに限定され、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングによる用紙2の伸びが許容されて解消され、印字範囲内ではコックリングによる用紙2の波打ちや浮きが生じないので、画質劣化を未然に防止することができる。
また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
(動作例3)
次に、各画像28,30の位置関係をそのままとして各画像28,30全体を用紙2に対して移動させる動作例3を説明する。
この場合、オペレータは操作パネル50上の連動移動キー62を押下する。連動移動キー62が押下されると各LED61a,61bが共に点灯し、連動移動状態となる。この状態から上述と同様に4方向キー59の押下によって移動量を入力することにより、各表示58a,58b,58c,58dの数値がぞれぞれ同じ移動量だけ増減され、各画像28,30が現在の位置関係を保ったまま用紙2に対して移動される。
次に、各画像28,30の位置関係をそのままとして各画像28,30全体を用紙2に対して移動させる動作例3を説明する。
この場合、オペレータは操作パネル50上の連動移動キー62を押下する。連動移動キー62が押下されると各LED61a,61bが共に点灯し、連動移動状態となる。この状態から上述と同様に4方向キー59の押下によって移動量を入力することにより、各表示58a,58b,58c,58dの数値がぞれぞれ同じ移動量だけ増減され、各画像28,30が現在の位置関係を保ったまま用紙2に対して移動される。
この際、4方向キー59の押下により各画像28,30が用紙幅方向Yに移動されるときには、上述したと同様にインクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86は、それぞれ用紙幅方向Yに同移動量だけ移動されることとなる。連動移動状態からさらに連動移動キー62が押下されると、連動移動状態が解除される。この実施形態によれば、連動移動キー62が連動手段として機能し、各画像28,30の位置関係を保ったまま各画像28,30の用紙2に対する位置を移動調整することができるので、操作をさらに容易化することができる。
(動作例4)
次に、図9および図10を参照して、動作例4を説明する。
各画像28,30が形成された用紙2において、インクジェット印刷画像30はその画像形成領域が小さく、場合によっては大きく移動させたい場合がある。この場合に、上述のように4方向キー59によって0.5mmずつ移動量を加算させていると、作業性が著しく低下してしまう。そこで、テンキー55を用いて移動量を直接入力する場合を説明する。
次に、図9および図10を参照して、動作例4を説明する。
各画像28,30が形成された用紙2において、インクジェット印刷画像30はその画像形成領域が小さく、場合によっては大きく移動させたい場合がある。この場合に、上述のように4方向キー59によって0.5mmずつ移動量を加算させていると、作業性が著しく低下してしまう。そこで、テンキー55を用いて移動量を直接入力する場合を説明する。
オペレータは、画像切替キー61を押下してLED61bを点灯させ、移動させるべき画像としてインクジェット印刷画像30を選択した後、テンキー55を押下して例えば移動量「50」を表示装置57に置数する。その後、上キー59aを押下することにより表示装置58の表示58cに「+50」が入力され、用紙2上に印刷されるインクジェット印刷画像30の位置が、図9に破線で示す位置から実線で示す位置へと用紙幅方向Y奥側に移動される。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72の作動と連動してローラ移動モータ92が作動されることにより、インクジェット記録ヘッド26は移動機構36を介して、電極ローラ86は連動移動機構65を介して、図10(a)に示すインクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86の各同位置から図10(b)に示す各同位置へとそれぞれ用紙幅方向Y奥側に50mm移動されることとなる。この動作例4によれば、直接入力手段として機能するテンキー55を用いて直接的に移動量を入力できるので、操作性をさらに向上させることができる。
本発明の実施形態は、図1ないし図10に示した第1の実施形態に限らず、電極ローラ86における用紙幅方向Yの両端の位置が、インクジェット記録ヘッド26における用紙幅方向Yの両端の位置の内側にあって、かつ、帯電幅Gが印字幅H以下に設定されている(G≦H)という条件を満足すればよく、この点から図3ないし図10に示した電極ローラ86を用紙幅方向Yに移動させる連動移動機構65は、必須の構成ではなく除去してもよい。
すなわち、例えば図2に示したインクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86のうちの少なくとも電極ローラ86の用紙幅方向Yの位置状態のように、電極ローラ86が用紙幅方向Yに移動不能に固定配置されているような構成であってもよい(請求項1参照)。
すなわち、例えば図2に示したインクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86のうちの少なくとも電極ローラ86の用紙幅方向Yの位置状態のように、電極ローラ86が用紙幅方向Yに移動不能に固定配置されているような構成であってもよい(請求項1参照)。
この場合、図5に示した操作パネル50構成においては、インクジェット記録ヘッド26および電極ローラ86のうちの少なくとも電極ローラ86の位置調整に係る分の画像位置調整キー60および連動移動キー62の機能を除去すると共に、図6に示した制御構成からはローラ移動モータ92、ローラ用ホームポジションセンサ94等を除去し、さらに電極ローラ86の案内溝86bが形成されていないローラ軸を上記図示しない本体側板に従動回転可能に支持するように構成すればよい。このような構成においても、第1の実施形態と同様の利点(但し用紙幅方向Yに移動可能に構成した場合の利点を除く)が得られることは自明かつ当然である。
(第2の実施形態)
図11に、第2の実施形態を示す。
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、電極ローラ86に代えて、図11に示すように、帯電手段および電圧印加手段84Aとしての電極ローラ88を有することが主に相違する。この他は、第1の実施形態と同様である。
図11に、第2の実施形態を示す。
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、電極ローラ86に代えて、図11に示すように、帯電手段および電圧印加手段84Aとしての電極ローラ88を有することが主に相違する。この他は、第1の実施形態と同様である。
すなわち、第2の実施形態は、静電吸着搬送ベルト81に対する電圧印加手段による帯電範囲(帯電幅G、静電吸着エリアF)をインクジェット記録ヘッド26の印字範囲(印字幅H)以内に設定した第1の実施形態の特徴点に加えて、静電吸着搬送ベルト81に対するインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yの印字範囲の両端よりも外側の一部、すなわち静電吸着搬送ベルト81に対するインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yの印字範囲の両脇の一部に無帯電領域としての非静電吸着エリアEが形成されるように、静電吸着搬送ベルト81に対する電極ローラ88による帯電範囲を設けたことが主に相違する。
電極ローラ88は、静電吸着搬送ベルト81の表面に接触して3箇所の静電吸着エリアFを形成する3箇所の大径部88bと、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yの印字範囲の両脇の一部に対応して静電吸着搬送ベルト81の表面に接触しない2箇所の小径部88cと、大径部88bおよび小径部88cを用紙幅方向に摺動可能かつ従動回転可能に支持するローラ軸88aとから構成されている。
電圧印加手段は、電極ローラ88に限らず、上記特許第2897960号公報の第2図(b)に示されているようなブレード状電極(3’)に対して、電極ローラ88の小径部88cに相当する切欠き溝を形成したブレード状電極であってもよい。本実施形態では、電極ローラ88によるインクジェット記録ヘッド26の印字幅Hの両端に約+5mmずつ加えた用紙幅以上のサイズの用紙2が使用可能である。
本実施形態では、重複説明を避ける上から図を省略しているが、電極ローラ86に代えた電極ローラ88を図4に示した連動移動機構65と同様の移動機構によって、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、電極ローラ86を同方向に同移動量だけ移動させることも第1の実施形態と同様にできる。また、図6に示したと同様の制御構成によって、第1の実施形態の動作例1ないし4と同様に動作することもできる。
第2の実施形態によれば、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲の両脇でコックリングによる用紙2の伸びが許容されることで解消されるので、用紙2の波打ちや浮きが生ぜず、画質劣化を未然に防止することができる。また、第1の実施形態と比較して、静電吸着搬送ベルト81の帯電範囲が広がることにより用紙2の吸着保持力が増加し、搬送性が向上する。
また、電極ローラ88がインクジェット記録ヘッド26の移動と連動して同方向に同移動量だけ移動されるので、インクジェット記録ヘッド26が用紙幅方向Yに移動可能な構成でも、上記と同様の利点が得られる。また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
本発明の実施形態は、図11に示したと同様の構成でもよく、すなわち第1の実施形態の連動移動機構65と同様の移動機構を除去して、例えば同図に示したインクジェット記録ヘッド26および電極ローラ88のうちの少なくとも電極ローラ88の位置状態のように、電極ローラ88を用紙幅方向Yの所定の同位置に移動不能に固定配置されているような構成であってもよい(請求項2参照)。
この場合、図5に示した操作パネル50構成においては、インクジェット記録ヘッド26および電極ローラ88のうちの少なくとも電極ローラ88の画像位置調整に係る分の画像位置調整キー60および連動移動キー62を除去すると共に、図6に示した制御構成からはローラ移動モータ92、ローラ用ホームポジションセンサ94等を除去し、さらに電極ローラ88のローラ軸88aを上記図示しない本体側板に従動回転可能に支持するように構成すればよい。
この場合、図5に示した操作パネル50構成においては、インクジェット記録ヘッド26および電極ローラ88のうちの少なくとも電極ローラ88の画像位置調整に係る分の画像位置調整キー60および連動移動キー62を除去すると共に、図6に示した制御構成からはローラ移動モータ92、ローラ用ホームポジションセンサ94等を除去し、さらに電極ローラ88のローラ軸88aを上記図示しない本体側板に従動回転可能に支持するように構成すればよい。
(第3の実施形態)
図12ないし図15に、第3の実施形態を示す。
第3の実施形態は、第1の実施形態と比較して、インクジェット印刷部5に代えたインクジェット印刷部5Aを有することのみ相違する。以下、第1の実施形態と相違するインクジェット印刷部5Aの構成要素等について説明するが、第1の実施形態と同様の構成・内容は断りなく省略することがある。
図12ないし図15に、第3の実施形態を示す。
第3の実施形態は、第1の実施形態と比較して、インクジェット印刷部5に代えたインクジェット印刷部5Aを有することのみ相違する。以下、第1の実施形態と相違するインクジェット印刷部5Aの構成要素等について説明するが、第1の実施形態と同様の構成・内容は断りなく省略することがある。
インクジェット印刷部5Aは、図12に示すように、上記インクジェット記録ヘッド26と、インクジェット記録ヘッド26の下方に近接して配置され孔版印刷画像およびインクジェット印刷画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された印刷済みの用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段としての、従動ローラ102と駆動ローラ103との間に掛け渡されたエア吸着搬送ベルト101と、エア吸着搬送ベルト101に穿設された多数のエア吸引孔101aからエア吸引させるエア吸引手段としてのエア吸引ダクト104および吸引ファン105と、上記用紙検出センサ32とを有している。
エア吸着搬送ベルト101は、耐油性(耐インク腐食性)および用紙2に対する高摩擦係数を有するゴムで形成された無端ベルトであり、従動ローラ102と駆動ローラ103との間に掛け渡されて、その上部が用紙搬送方向X(ベルト搬送方向)に沿って周回するように構成されている。エア吸着搬送ベルト101に対するエア吸引孔101aの形成範囲は、本実施形態ではエア吸引ダクト104および吸引ファン105の用紙幅方向Yへの移動を伴うため、ほぼ全面に亘って形成されている。
エア吸着搬送ベルト101は、1本で形成されているが、後述するエア吸引エリアにおける用紙2の吸引保持力およびインクジェット記録ヘッド26でのインクジェット印刷画像の画像形成時に実質的に影響を及ぼさない範囲および隣る分割されたベルト間の隙間等を考慮して、2本以上に分割されたものを用いることも可能である。
エア吸着搬送ベルト101は、1本で形成されているが、後述するエア吸引エリアにおける用紙2の吸引保持力およびインクジェット記録ヘッド26でのインクジェット印刷画像の画像形成時に実質的に影響を及ぼさない範囲および隣る分割されたベルト間の隙間等を考慮して、2本以上に分割されたものを用いることも可能である。
従動ローラ102および駆動ローラ103は、それぞれ軸を介してインクジェット印刷部5Aの本体側板(図示せず)に回転自在に支持されている。駆動ローラ103の軸は、その軸に取り付けられた図示しないプーリおよびベルトあるいはギヤ列等の駆動力伝達手段を介してベルト駆動モータ100に連結されていて、ベルト駆動モータ100によって回転駆動される。
エア吸引ダクト104の用紙幅方向Yの開口範囲は、後述するようにインクジェット記録ヘッド26の印字幅Hと特有の関係を持って設定されている。エア吸引ダクト104の開口部の平面視形状は、図12に示すように用紙搬送方向Xに長い長方形の枠体をなす。エア吸引ダクト104のエア吸着搬送ベルト101裏面と対向接触する上部には、エア吸着搬送ベルト101が波打ったりしわとならないように高い平面性を確保してエア吸着搬送ベルト101を整然と案内するための図示しない案内リブが複数箇所に亘り格子状に形成されている。エア吸引ダクト104の上記長方形の枠体および上記図示しない案内リブは、上記機能を有する他、エア吸着搬送ベルト101の表面にエア吸着保持された印刷済みの用紙とインクジェット記録ヘッド26との間隔を保持する機能も有する。吸引ファン105は内蔵された電動モータで回転駆動される。以下、内蔵された電動モータを単に吸引ファン105という。
上述の構成を踏まえ、本実施形態の特徴は、エア吸着搬送ベルト101に対するエア吸引ダクト104によるエア吸引範囲を、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲以内に設定したことにある。換言すれば、図12(a)および図12(c)に示すように、吸引ファン105によりエア吸引されるエア吸引ダクト104の用紙幅方向Yのエア吸引開口幅Cを、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yにおける印字可能な画像形成可能長さである印字幅H以内に設定したことにある(C≦H)。また、第1の実施形態と同じ理由から、印字幅Hは、用紙2の用紙幅方向Yの寸法である用紙幅よりも小さく設定されている。
本実施形態では、エア吸着搬送ベルト101において、用紙2がエア吸着保持・固定されるエア吸引エリアAについて画質を維持することが可能なインクジェット記録ヘッド26の印字範囲以内に限定したことにより、エア吸引開口幅Cが印字幅H以下(C≦H)であれば、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングにより伸びた用紙2部分が、エア吸着搬送ベルト101の上方ではなく用紙2が固定されない範囲で用紙搬送方向Xの搬送面側および用紙幅方向Yの印字範囲外に解放されることにより、印字範囲内ではコックリングによる用紙2の波打ちや浮きが生じないので、画質劣化を未然に防止することができる。
一方、エア吸引開口幅Cが印字幅Hを超えると(C>H)、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングによる用紙2の伸びによって用紙2の波打ちや浮きが発生し、同印字範囲内で画質劣化が生じてしまうから、好ましくない。
一方、エア吸引開口幅Cが印字幅Hを超えると(C>H)、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングによる用紙2の伸びによって用紙2の波打ちや浮きが発生し、同印字範囲内で画質劣化が生じてしまうから、好ましくない。
さらに、エア吸引エリアAの用紙幅方向Yの代用特性としてのエア吸引開口幅Cと、用紙幅方向Yにおける印刷画像形成長さの代用特性としての印字幅Hとの好ましい関係について言及すると、印字幅Hの100%未満、50%以上の範囲内になるようにエア吸引開口幅Cを設定することがより好ましい(0.5H≦C<H)。エア吸引開口幅Cが印字幅H以上になると印字範囲境界(C=H)を含めてコックリングによる用紙2の伸びによって用紙2の波打ちや浮きが生じる虞もある点から好ましくなく、逆にエア吸引開口幅Cが印字幅Hの50%未満になると、エア吸着搬送ベルト101のエア吸引エリアAが減少し過ぎてしまって用紙2を吸着保持する能力が減少し、用紙2の位置ずれを起こしたりする点から好ましくない。
エア吸着搬送ベルト101は、ベルト駆動モータ100によって用紙2を所定のインクジェット印刷スピードで搬送される。このときの搬送速度は、孔版印刷部4の排紙搬送速度と同等以上となるように設定されている。
エア吸着搬送ベルト101は、ベルト駆動モータ100によって用紙2を所定のインクジェット印刷スピードで搬送される。このときの搬送速度は、孔版印刷部4の排紙搬送速度と同等以上となるように設定されている。
インクジェット記録ヘッド26は、第1の実施形態と同様の図3に示す移動機構36によって用紙幅方向Yに移動自在に構成されている。
図13には、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段としての連動移動機構109が示されている。
図13には、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段としての連動移動機構109が示されている。
連動移動機構109は、案内レール110、ダクト保持部材111、ダクト移動モータ112、リードねじ113、ダクト用ホームポジションセンサ114から主に構成されている。
図12(c)に示されているエア吸引ダクト104の左右の側壁には一対のダクト保持部材111が固着されている。一方のダクト保持部材111にはリードねじ113が螺合しており、他方のダクト保持部材111は案内レール110に緩く嵌合している。リードねじ113は、ステッピングモータからなるダクト移動モータ112に連結されている。従って、フレーム115に固定されたダクト移動モータ112によってリードねじ113が回転駆動されると、エア吸引ダクト104および吸引ファン105が用紙幅方向Yに移動される。エア吸引ダクト104および吸引ファン105の位置は、案内レール110に固設されエア吸引ダクト104の初期位置を検出するダクト用ホームポジションセンサ114とダクト移動モータ112のステップ数とによって検出される。
上述した連動移動機構109により、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105を同方向に同移動量だけ移動させることができると共に、エア吸引ダクト104および吸引ファン105の用紙幅方向Yにおける位置も調整移動可能となる。なお、図13では、互いに重なり合う構成要素、すなわちリードねじ113と案内レール110との各高さ位置を故意にずらして見やすくしていることを付記しておく。
連動移動手段は、上記連動移動機構109に限らず、機構として大型化しても構わないのであれば、例えば、図13に示したダクト保持部材111を用紙搬送方向Xに延ばし、上側のエア吸着搬送ベルト101を挟む態様で折り曲げた後、用紙幅方向Yの図3に示す保持部71に向けて延ばし側面視コ字状にしてインクジェット記録ヘッド26を保持する保持部71に結合することにより、保持部71に一体的に設けることで、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105を同方向に同移動量だけ移動させるような手段であってもよい。インクジェット印刷部5Aにおいては上述したようにエア吸着搬送ベルト101が配置されているため、排紙部6のベルト搬送部34は必須の構成ではなく、これを省略することも可能である。
本実施形態における操作パネル50の画像位置調整キー60は、上記図示しない移動機構および/または移動機構36(これと連動する連動移動機構109を含む)を作動させて孔版印刷画像および/またはインクジェット印刷画像の用紙2に対する位置ならびにエア吸引ダクト104および吸引ファン105を移動させる際に押下される。また、連動移動キー62は、用紙2に対する位置を移動させる画像として孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とエア吸引ダクト104および吸引ファン105との3者を選択し、これらを同方向に同じ移動量だけ移動させる際に押下される。インクジェット合成キー63の押下によって、インクジェット合成なしが選択された場合には、インクジェット記録ヘッド26を不作動とさせた状態で用紙2がエア吸着搬送ベルト101によって用紙搬送方向Xの下流側、すなわち排紙部6側に搬送される。
図14は、第3の実施形態の複合型画像形成装置1の制御ブロック図を示している。第3の実施形態の複合型画像形成装置1の制御構成は、第1の実施形態のそれと比較して、次の点が主に相違する。
すなわち、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49は、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動に連動して、ダクト用ホームポジションセンサ114とダクト移動モータ112のステップ数とに基づいて、エア吸引ダクト104および吸引ファン105の位置を検出・認識すると共に、エア吸引ダクト104および吸引ファン105をインクジェット記録ヘッド26の移動と同方向に同移動量だけ移動するようにダクト移動モータ112を制御する機能を有する点が相違する。
すなわち、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49は、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動に連動して、ダクト用ホームポジションセンサ114とダクト移動モータ112のステップ数とに基づいて、エア吸引ダクト104および吸引ファン105の位置を検出・認識すると共に、エア吸引ダクト104および吸引ファン105をインクジェット記録ヘッド26の移動と同方向に同移動量だけ移動するようにダクト移動モータ112を制御する機能を有する点が相違する。
(動作例5)
上述の構成に基づき、以下にインクジェット印刷部5に代えて、インクジェット印刷部5Aを有する複合型画像形成装置1で用紙2上に孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを画像形成する際の動作例5を説明する。
上述の構成に基づき、以下にインクジェット印刷部5に代えて、インクジェット印刷部5Aを有する複合型画像形成装置1で用紙2上に孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを画像形成する際の動作例5を説明する。
動作例5は、図7に示した孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30との移動調整を行わない場合の動作例であり、オペレータが操作パネル50上のインクジェット合成キー63を押下してLED63aを点灯させると共に、画像読取部40に原稿42をセットして製版スタートキー51を押下してから、孔版印刷部4で孔版印刷画像を転写された用紙2がベルト搬送部25によって送られまでは第1の実施形態の動作と同様であるため、その説明を省略する。
孔版印刷部4で孔版印刷画像を転写された際には、適宜の起動タイミングでベルト駆動モータ100および吸引ファン105が既に駆動されており、エア吸着搬送ベルト101は用紙搬送方向Xに走行している。ベルト搬送部25によって送られた用紙2は、エア吸引ダクト104のエア吸引開口およびエア吸着搬送ベルト101のエア吸引孔101aを介してエア吸引されることで生じる負圧の吸着力によってエア吸着搬送ベルト101のエア吸引エリアAに吸着保持されながらさらに搬送される。その際、用紙2の先端が用紙検出センサ32によって検出されると、図示しないパーソナルコンピュータあるいは図示しないデータ記録装置からデータが送出される。そして、送出されたデータに基づいてインクジェット記録ヘッド26が作動し、用紙2にはインクジェット印刷画像が形成される。孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを形成された用紙2はエア吸着搬送ベルト101によって吸着保持されながらさらに送られ、ベルト搬送部34の搬送を介して排紙トレイ35に排出される。
(動作例6)
図8に示すように、上述の試し刷りによって孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30とがそれぞれ形成され用紙2を確認して、それぞれの画像28,30の位置を移動させる場合を動作例6として、第1の実施形態の動作例2と相違する点を中心に以下に説明する。
図8に示すように、上述の試し刷りによって孔版印刷画像28とインクジェット印刷画像30とがそれぞれ形成され用紙2を確認して、それぞれの画像28,30の位置を移動させる場合を動作例6として、第1の実施形態の動作例2と相違する点を中心に以下に説明する。
第1の実施形態の動作例2と同様に、図8において、孔版印刷画像28は用紙搬送方向Xおよび用紙幅方向Yに移動可能であり、インクジェット印刷画像30は矢印XXで示す用紙搬送方向および矢印YYで示す用紙幅方向に移動可能である。オペレータは、各画像28,30の移動に先立ち、操作パネル50上の画像位置調整キー60を押下する。画像位置調整キー60が押下されると、表示装置58の表示が図5に示す状態となる。
次にオペレータは、位置調整を行いたい画像が孔版印刷画像28であるかインクジェット印刷画像30であるかを選択するために、画像切替キー61を押下することにより、位置調整を行う画像を選択し、次に4方向キー59を押下して移動したい方向に画像の移動量を入力する。
オペレータは、孔版印刷画像28の移動量、インクジェット印刷画像30の移動量、用紙搬送方向Xの移動量および用紙幅方向Yの移動量とが表示された図5に示す表示装置58の表示を見ながら各画像28,30の位置調整を行う。
オペレータは、孔版印刷画像28の移動量、インクジェット印刷画像30の移動量、用紙搬送方向Xの移動量および用紙幅方向Yの移動量とが表示された図5に示す表示装置58の表示を見ながら各画像28,30の位置調整を行う。
例えば、孔版印刷画像28を用紙搬送方向X下流側に2.5mm移動させる場合には、画像切替キー61を押下してLED61aを点灯させ、次に左キー59cを押下する。この例では4方向キー59の押下1回毎に画像の移動量が0.5mmずつ加算されるので、2.5mm移動させる場合には左キー59cを5回押下することとなる。すると、表示装置58の表示58aが「+2.5」となり、これで指示が完了する。この例では孔版印刷画像28を用紙幅方向Yには移動させておらず、表示装置58の表示58dは「0」のままである。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72およびダクト移動モータ112は共に非作動状態となるように制御されており、インクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105は、例えば図15(a)に示したような位置を占めたままである。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72およびダクト移動モータ112は共に非作動状態となるように制御されており、インクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105は、例えば図15(a)に示したような位置を占めたままである。
次に、インクジェット印刷画像30を用紙搬送方向X下流側に2.0mm移動させる場合には、画像切替キー61を押下してLED61bを点灯させ、次に左キー59cを4回押下して表示装置58の表示58bに「+2.0」を表示させる。さらにインクジェット印刷画像30を用紙幅方向Y手前側に1.5mm移動させる場合には、下キー59bを3回押下して表示装置58の表示58cに「−1.5」を表示させる。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72の作動と連動してダクト移動モータ112が作動されることにより、インクジェット記録ヘッド26は移動機構36を介して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105は連動移動機構109を介して、それぞれ用紙幅方向Y手前側に1.5mm移動されることとなる。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72の作動と連動してダクト移動モータ112が作動されることにより、インクジェット記録ヘッド26は移動機構36を介して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105は連動移動機構109を介して、それぞれ用紙幅方向Y手前側に1.5mm移動されることとなる。
本実施形態でも、画像位置調整キー60、画像切替キー61、4方向キー59によって第1および第2の調整操作部が構成され、各表示58a,58dによって第1の移動量表示部が、また各表示58b,58cによって第2の移動量表示部がそれぞれ構成される。また、4方向キー59が操作手段として機能し、画像切替キー61が切替手段として機能する。
上述の構成によれば、エア吸引ダクト104および吸引ファン105がインクジェット記録ヘッド26の移動と連動して同方向に同移動量だけ移動されるので、インクジェット記録ヘッド26が用紙幅方向Yに移動可能な構成でも、エア吸引開口幅Cが印字幅H以下(C≦H)であれば、画質を維持することが可能な必要最小限のエア吸引エリアAに限定され、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲外でコックリングによる用紙2の伸びが許容されて解消され、印字範囲内ではコックリングによる用紙2の波打ちや浮きが生じないので、画質劣化を未然に防止することができる。
また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
(動作例7)
次に、各画像28,30の位置関係をそのままとして各画像28,30全体を用紙2に対して移動させる、第1の実施形態の動作例3に相当する動作例7を説明する。
次に、各画像28,30の位置関係をそのままとして各画像28,30全体を用紙2に対して移動させる、第1の実施形態の動作例3に相当する動作例7を説明する。
この場合、オペレータは操作パネル50上の連動移動キー62を押下する。連動移動キー62が押下されると各LED61a,61bが共に点灯し、連動移動状態となる。この状態から上述と同様に4方向キー59の押下によって移動量を入力することにより、各表示58a,58b,58c,58dの数値がぞれぞれ同じ移動量だけ増減され、各画像28,30が現在の位置関係を保ったまま用紙2に対して移動される。
この際、4方向キー59の押下により各画像28,30が用紙幅方向Yに移動されるときには、上述したと同様にインクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105は、それぞれ用紙幅方向Yに同移動量だけ移動されることとなる。連動移動状態からさらに連動移動キー62が押下されると、連動移動状態が解除される。この実施形態でも、連動移動キー62が連動手段として機能し、各画像28,30の位置関係を保ったまま各画像28,30の用紙2に対する位置を移動調整することができるので、操作をさらに容易化することができる。
(動作例8)
図9および図10を参照して、第1の実施形態の動作例4に相当する動作例8を説明する。オペレータは、画像切替キー61を押下してLED61bを点灯させ、移動させるべき画像としてインクジェット印刷画像30を選択した後、テンキー55を押下して例えば移動量「50」を表示装置57に置数する。その後、上キー59aを押下することにより表示装置58の表示58cに「+50」が入力され、用紙2上に印刷されるインクジェット印刷画像30の位置が、図9に破線で示す位置から実線で示す位置へと用紙幅方向Y奥側に移動される。
図9および図10を参照して、第1の実施形態の動作例4に相当する動作例8を説明する。オペレータは、画像切替キー61を押下してLED61bを点灯させ、移動させるべき画像としてインクジェット印刷画像30を選択した後、テンキー55を押下して例えば移動量「50」を表示装置57に置数する。その後、上キー59aを押下することにより表示装置58の表示58cに「+50」が入力され、用紙2上に印刷されるインクジェット印刷画像30の位置が、図9に破線で示す位置から実線で示す位置へと用紙幅方向Y奥側に移動される。
この際、記録ヘッド位置決め駆動制御装置49からの指令によって、ヘッド移動モータ72の作動と連動してダクト移動モータ112が作動されることにより、インクジェット記録ヘッド26は移動機構36を介して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105は連動移動機構109を介して、図15(a)に示すインクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105の各同位置から図15(b)に示す各同位置へとそれぞれ用紙幅方向Y奥側に50mm移動されることとなる。この動作例8でも、直接入力手段として機能するテンキー55を用いて直接的に移動量を入力できるので、操作性をさらに向上させることができる。
本発明の実施形態は、図12ないし図15に示した第3の実施形態に限らず、エア吸引ダクト104の用紙幅方向Yのエア吸引開口部の両内壁面の位置が、インクジェット記録ヘッド26における用紙幅方向Yの両端の位置の内側にあって、かつ、エア吸引開口幅Cが印字幅H以下に設定されている(C≦H)という条件を満足すればよく、この点から図13ないし図15に示したエア吸引ダクト104および吸引ファン105を用紙幅方向Yに移動させる連動移動機構109は、必須の構成ではなく除去してもよい。
すなわち、例えば図12に示したインクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105のうちの少なくともエア吸引ダクト104および吸引ファン105の用紙幅方向Yの位置状態のように、エア吸引ダクト104および吸引ファン105が用紙幅方向Yに移動不能に固定配置されているような構成であってもよい(請求項6参照)。
すなわち、例えば図12に示したインクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105のうちの少なくともエア吸引ダクト104および吸引ファン105の用紙幅方向Yの位置状態のように、エア吸引ダクト104および吸引ファン105が用紙幅方向Yに移動不能に固定配置されているような構成であってもよい(請求項6参照)。
この場合、図5に示した操作パネル50構成においては、インクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト104および吸引ファン105のうちの少なくともエア吸引ダクト104および吸引ファン105の位置調整に係る分の画像位置調整キー60および連動移動キー62の機能を除去すると共に、図14に示した制御構成からはダクト移動モータ112、ダクト用ホームポジションセンサ114等を除去すればよい。また、エア吸着搬送ベルト101のエア吸引口101aの形成範囲は、図12に示したようなエア吸着搬送ベルト101のほぼ全面に亘り形成する必要はなく、例えば図12で説明すればエア吸引エリアAの形成範囲およびその近傍にのみ形成したものでもよい。このような構成においても、第3の実施形態と同様の利点(但し用紙幅方向Yに移動可能に構成した場合の利点を除く)が得られることは自明かつ当然である。
(第4の実施形態)
図16に、第4の実施形態を示す。
第4の実施形態は、第3の実施形態と比較して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105に代えて、図16に示すように、エア吸引手段としてのエア吸引ダクト106および吸引ファン107を有することが主に相違する。この他は、第3の実施形態と同様である。
図16に、第4の実施形態を示す。
第4の実施形態は、第3の実施形態と比較して、エア吸引ダクト104および吸引ファン105に代えて、図16に示すように、エア吸引手段としてのエア吸引ダクト106および吸引ファン107を有することが主に相違する。この他は、第3の実施形態と同様である。
すなわち、第4の実施形態は、エア吸着搬送ベルト101に対するエア吸引範囲(エア吸引エリアA)をインクジェット記録ヘッド26の印字範囲(印字幅H)以内に設定した第3の実施形態の特徴点に加えて、エア吸着搬送ベルト101に対するインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yの印字範囲の両端よりも外側の一部、すなわちエア吸着搬送ベルト101に対するインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yの印字範囲の両脇の一部にエア無吸引領域としてのエア無吸引エリアBが形成されるように、エア吸着搬送ベルト101に対するエア吸引ダクト106および吸引ファン107によるエア吸引範囲を設けたことが主に相違する。
エア吸引ダクト106は、エア吸着搬送ベルト101の裏面に対向して3箇所のエア吸引エリアAを形成するエア吸引開口部106a、106b、106bと、インクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yの印字範囲の両脇の一部に対応してエア吸着搬送ベルト101からエア吸引をしない2箇所の非開口部106c、106cとから一体的に形成されている。吸引ファン107は、第3の実施形態の吸引ファン105と比較して、エア吸引能力を向上させたことのみ相違する。
本実施形態でも、第2の実施形態と同様に、インクジェット記録ヘッド26の印字幅Hの両端に約+5mmずつ加えた用紙幅以上のサイズの用紙2が使用可能である。
本実施形態でも、第2の実施形態と同様に、インクジェット記録ヘッド26の印字幅Hの両端に約+5mmずつ加えた用紙幅以上のサイズの用紙2が使用可能である。
本実施形態では、重複説明を避ける上から図を省略しているが、エア吸引ダクト104および吸引ファン105に代えたエア吸引ダクト106および吸引ファン107を、図13に示した連動移動機構109と同様の移動機構によって、移動機構36によるインクジェット記録ヘッド26の用紙幅方向Yへの移動と連動して、エア吸引ダクト106および吸引ファン107を同方向に同移動量だけ移動させることも第3の実施形態と同様にできる。また、図14に示したと同様の制御構成する(但し、吸引ファン105に代えて吸引ファン107とする)ことによって、第3の実施形態の動作例5ないし8と同様に動作することもできる。
第4の実施形態によれば、インクジェット記録ヘッド26の印字範囲の両脇でコックリングによる用紙2の伸びが許容されることで解消されるので、用紙2の波打ちや浮きが生ぜず、画質劣化を未然に防止することができる。また、第3の実施形態と比較して、エア吸着搬送ベルト101のエア吸引範囲が広がることにより用紙2の吸着保持力が増加し、搬送性が向上する。
また、エア吸引ダクト106および吸引ファン107がインクジェット記録ヘッド26の移動と連動して同方向に同移動量だけ移動されるので、インクジェット記録ヘッド26が用紙幅方向Yに移動可能な構成でも、上記と同様の利点が得られる。また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
また、エア吸引ダクト106および吸引ファン107がインクジェット記録ヘッド26の移動と連動して同方向に同移動量だけ移動されるので、インクジェット記録ヘッド26が用紙幅方向Yに移動可能な構成でも、上記と同様の利点が得られる。また、孔版印刷画像28の用紙2に対する形成位置とインクジェット印刷画像30の用紙2に対する形成位置とをそれぞれ独立に設定することができるので、用紙2の所望の位置に所望の画像を簡単に配置することができ、操作の容易化および画像レイアウトの多様化を図ることができる。
本発明の実施形態は、図16に示したと同様の構成でもよく、すなわち第3の実施形態の連動移動機構109と同様の移動機構を除去して、例えば同図に示したインクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト106および吸引ファン107のうちの少なくともエア吸引ダクト106および吸引ファン107の位置状態のように、エア吸引ダクト106および吸引ファン107を用紙幅方向Yの所定の同位置に移動不能に固定配置されているような構成であってもよい(請求項7参照)。
この場合、図5に示した操作パネル50構成においては、インクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト106および吸引ファン107のうちの少なくともエア吸引ダクト106および吸引ファン107の画像位置調整に係る分の画像位置調整キー60および連動移動キー62を除去すると共に、図14に示した制御構成からはダクト移動モータ112、ダクト用ホームポジションセンサ74等を除去すればよい。
この場合、図5に示した操作パネル50構成においては、インクジェット記録ヘッド26およびエア吸引ダクト106および吸引ファン107のうちの少なくともエア吸引ダクト106および吸引ファン107の画像位置調整に係る分の画像位置調整キー60および連動移動キー62を除去すると共に、図14に示した制御構成からはダクト移動モータ112、ダクト用ホームポジションセンサ74等を除去すればよい。
(第5の実施形態)
図16に、第5の実施形態を示す。
第5の実施形態は、第3の実施形態のエア吸引ダクト104および吸引ファン105固定タイプの例(連動移動機構109を有していないインクジェット印刷部)に加えて、エア吸引ダクト104を介して吸引ファン105により掃き出された掃き出しエア99を誘導して、インクジェット記録ヘッド26近傍の用紙搬送方向Xの上流側で孔版印刷画像の形成された用紙2に吹き付ける掃き出しエア誘導手段としての掃き出しエア誘導ダクト120を有する点が主に相違する。この他は、第3の実施形態と同様である。
図16に、第5の実施形態を示す。
第5の実施形態は、第3の実施形態のエア吸引ダクト104および吸引ファン105固定タイプの例(連動移動機構109を有していないインクジェット印刷部)に加えて、エア吸引ダクト104を介して吸引ファン105により掃き出された掃き出しエア99を誘導して、インクジェット記録ヘッド26近傍の用紙搬送方向Xの上流側で孔版印刷画像の形成された用紙2に吹き付ける掃き出しエア誘導手段としての掃き出しエア誘導ダクト120を有する点が主に相違する。この他は、第3の実施形態と同様である。
掃き出しエア誘導ダクト120は、門型に形成された上部ダクト120aと上部ダクト120aの下部において用紙幅方向Yの内側にそれぞれ延びた下部ダクト120bとから形成される。上部ダクト120aの水平部分の下部壁には、下部ダクト120b側から誘導されてきた掃き出しエア99を、インクジェット記録ヘッド26近傍の用紙搬送方向Xの上流側で孔版印刷画像の形成された用紙2に吹き付けるための多数のエア吐出口が形成されている。下部ダクト120bは、吸引ファン105のエア掃き出し部を取り囲むように配設されている。
孔版印刷部4で孔版印刷画像を転写されベルト搬送部25によって送られてきた用紙2は、エア吸引ダクト104のエア吸引開口部およびエア吸着搬送ベルト101のエア吸引孔101aを介してエア吸引されることで生じる負圧の吸着力によってエア吸着搬送ベルト101のエア吸引エリアAに吸着保持されながらさらに搬送される。その際、用紙2の先端が用紙検出センサ32によって検出されると、図示しないパーソナルコンピュータあるいは図示しないデータ記録装置からデータが送出される。そして、送出されたデータに基づいてインクジェット記録ヘッド26が作動し、用紙2にはインクジェット印刷画像が形成される。孔版印刷画像とインクジェット印刷画像とを形成された用紙2はエア吸着搬送ベルト101によって吸着保持されながらさらに送られ、ベルト搬送部34の搬送を介して排紙トレイ35に排出される。
その際、吸引ファン105により掃き出された掃き出しエア99は、下部ダクト120bに集められて同ダクト120bに案内・誘導され、次いで上部ダクト120aに案内・誘導され、同ダクト120aの下部壁に形成された多数のエア吐出口から、掃き出しエア99が孔版印刷画像の形成された用紙2に吹き付けられるので、その用紙2がエア吸着搬送ベルト101から浮いても同ベルト101の搬送面上に風圧で押さえ付けられ密着されることとなる。このときの掃き出しエア99は、掃き出しエア誘導ダクト120によって案内・誘導される際に適度にその風圧が減少するので、インクジェット記録ヘッド26のインク噴射に悪影響を及ぼすことがない。
従って、本実施形態によれば、第3の実施形態におけるエア吸引ダクト104および吸引ファン105固定タイプの利点に加えて、孔版印刷部4で用紙2の浮きが発生しても、インクジェット印刷部5Aでインクジェット印刷画像が形成される前に、掃き出しエア誘導ダクト120からの掃き出しエア99が孔版印刷画像の形成された用紙2に吹き付けられてその浮きが解消されるので、画質劣化をさらに確実に防止することができる。また、先に用紙2に形成された孔版印刷画像の乾燥効果も期待できるようになることで、孔版印刷特有の裏移りを防止することにも役立つものとなる。
第3の実施形態のエア吸引ダクト104および吸引ファン105移動タイプ(連動移動機構109を有しているインクジェット印刷部5A)にも、第5の実施形態の掃き出しエア誘導手段を適用することが可能である。この場合、図17に示した掃き出しエア誘導ダクト120の上部ダクト120aおよび下部ダクト120bをそれぞれ用紙幅方向Yの外側へ延出させればよい。
第5の実施形態の掃き出しエア誘導手段は、第4の実施形態におけるエア吸引ダクト106および吸引ファン107の移動タイプおよび固定タイプを問わず適用可能である。このことは、第4の実施形態を示す図16を見れば自明であり、当業者であれば極めて容易に理解して実施できるから、これ以上の説明は冗長となるため省略する。
(第6の実施形態)
図18に、本発明の第6の実施形態に係るインクジェット記録装置(もしくはインクジェット印字装置)を示す。
図18に示すインクジェット記録装置は、例えば特開2002−113848号公報の図1に示されているインクジェット記録方式を用いた記録装置(プリンタ)と比較して、同記録装置の送紙部(3)および記録ヘッド(7)を備えた記録ヘッド部に代えて、図1ないし図10に示した本発明の第1の実施形態におけるインクジェット印刷部5と実質的に同一のインクジェット印刷部5’を置き換え適用したことが主に相違する。この他は、第1の実施形態と同様である。
図18において、インクジェット印刷部5’以外の主な構成要素の符号は、上記特開2002−113848号公報の図1に示されている記録装置(プリンタ)の符号に数値200を加えた符号を付すことにより、その説明を簡単にするに留める。
図18に、本発明の第6の実施形態に係るインクジェット記録装置(もしくはインクジェット印字装置)を示す。
図18に示すインクジェット記録装置は、例えば特開2002−113848号公報の図1に示されているインクジェット記録方式を用いた記録装置(プリンタ)と比較して、同記録装置の送紙部(3)および記録ヘッド(7)を備えた記録ヘッド部に代えて、図1ないし図10に示した本発明の第1の実施形態におけるインクジェット印刷部5と実質的に同一のインクジェット印刷部5’を置き換え適用したことが主に相違する。この他は、第1の実施形態と同様である。
図18において、インクジェット印刷部5’以外の主な構成要素の符号は、上記特開2002−113848号公報の図1に示されている記録装置(プリンタ)の符号に数値200を加えた符号を付すことにより、その説明を簡単にするに留める。
すなわち、符号202は上記特開2002−113848号公報の図1に示されている給紙部(2)と同様の給紙部の構成要素を、符号204は上記特開2002−113848号公報の図1に示されている排紙部(4)と同様の排紙部の構成要素をそれぞれ具備している。
ちなみに、給紙部202は、ベース220と、記録媒体としての記録紙(P)(以下、「用紙2」と置き換える)を積載するためのベース220に結合された回転軸200aを中心に揺動可能な圧板221と、用紙2を給紙する給送回転体222と、圧板221を給送回転体222に押し付ける向きに付勢する圧板バネ224と、給送回転体222と対向する圧板221の自由端部に配設され用紙2の重送を防止する分離パッド225と、ベース220に配設され用紙2の一方向の角部を覆い用紙2を1枚ずつ分離するための分離爪226と、圧板221と給送回転体222との当接を解除する図示しないリリースカム等を具備していて、上記特開2002−113848号公報の段落「0024」に記載されている給紙動作が可能となっている。
ちなみに、給紙部202は、ベース220と、記録媒体としての記録紙(P)(以下、「用紙2」と置き換える)を積載するためのベース220に結合された回転軸200aを中心に揺動可能な圧板221と、用紙2を給紙する給送回転体222と、圧板221を給送回転体222に押し付ける向きに付勢する圧板バネ224と、給送回転体222と対向する圧板221の自由端部に配設され用紙2の重送を防止する分離パッド225と、ベース220に配設され用紙2の一方向の角部を覆い用紙2を1枚ずつ分離するための分離爪226と、圧板221と給送回転体222との当接を解除する図示しないリリースカム等を具備していて、上記特開2002−113848号公報の段落「0024」に記載されている給紙動作が可能となっている。
排紙部204は、排紙ローラ241、拍車242および排紙トレイ243で構成されている。インクジェット印刷部5’でインクジェット印刷画像を形成された用紙2は、排紙ローラ241と拍車242とで挟持されながら用紙搬送方向Xのさらに下流側に搬送されて排紙トレイ243に排出される。
図18において、符号290は、手差し給紙用の給送回転体であり、手差しトレイ291上に載置された用紙(図示せず)をコンピュータの記録開始命令信号に従って、給送回転体290で給紙し、搬送ローラ(32)上の搬送ベルト(31)に代えた従動ローラ82上の静電吸着搬送ベルト81へ搬送するものである。
インクジェット印刷部5’は、第1の実施形態のインクジェット印刷部5と比較して、給紙部202から反転搬送されてくる用紙2を整然と受け入れてインクジェット印刷を行う上から、従動ローラ82と対向する静電吸着搬送ベルト81に従動回転可能に設けられ、静電吸着搬送ベルト81に圧接する向きに図示しない付勢手段により付勢されたピンチローラ233を付加した点、インクジェット印刷部5’の入口に配設され給紙部202から搬送されてくる用紙2をガイドする上ガイド227および下ガイド228を付加した点、用紙検出センサ32に代えて、センサレバー229で搬送されてきた用紙2の先端、後端の位置を検出する用紙検出センサ(図示せず)を有する点、およびインクジェット記録ヘッド26を用紙搬送方向Xに拡大して示している点のみが相違し、この他は第1の実施形態と同様である。
インクジェット印刷部5’は、第1の実施形態のインクジェット印刷部5と比較して、給紙部202から反転搬送されてくる用紙2を整然と受け入れてインクジェット印刷を行う上から、従動ローラ82と対向する静電吸着搬送ベルト81に従動回転可能に設けられ、静電吸着搬送ベルト81に圧接する向きに図示しない付勢手段により付勢されたピンチローラ233を付加した点、インクジェット印刷部5’の入口に配設され給紙部202から搬送されてくる用紙2をガイドする上ガイド227および下ガイド228を付加した点、用紙検出センサ32に代えて、センサレバー229で搬送されてきた用紙2の先端、後端の位置を検出する用紙検出センサ(図示せず)を有する点、およびインクジェット記録ヘッド26を用紙搬送方向Xに拡大して示している点のみが相違し、この他は第1の実施形態と同様である。
インクジェット記録ヘッド26は、上記特開2002−113848号公報の図1に示されているフルライン型のインクジェット記録ヘッド(7)、すなわち用紙搬送方向Xと直交する用紙幅方向に複数のノズルが用紙2の用紙幅方向のほぼ全幅に亘り印刷可能に配列されたフルライン型のインクジェット記録ヘッド(7)とは相違するものであり、上述した理由から用紙幅方向に移動可能な(または用紙幅方向の所定位置に固定された)ライン型のインクジェット記録ヘッドとして構成されている。インクジェット記録ヘッド26は、本実施形態では4色のブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に4個のインクジェットヘッド26K、26C、26Y、26Yが用紙搬送方向Xに沿って所定間隔で配置されている。
従って、第6の実施形態では、孔版印刷部4での孔版印刷を除く動作が第1の実施形態と同様に行われ、第1の実施形態で詳述した上記各利点(但し、孔版印刷に係る利点を除く)と同様の利点が得られることはいうまでもない。
第6の実施形態に限らず、インクジェット印刷部5’を用紙搬送方向Xに複数接続して使用されるインクジェット記録装置であってもよく、このような重連されたインクジェット記録装置でも、上記各利点と同様の利点が得られることはいうまでもない。
第6の実施形態に限らず、インクジェット印刷部5’を用紙搬送方向Xに複数接続して使用されるインクジェット記録装置であってもよく、このような重連されたインクジェット記録装置でも、上記各利点と同様の利点が得られることはいうまでもない。
本発明の実施形態は、第6の実施形態に限らず、図18に示すインクジェット記録装置において、インクジェット印刷部5’に代えて、図11に示した第2の実施形態のインクジェット印刷部、図12ないし図15に示した第3の実施形態のインクジェット印刷部5A、図16に示した第4の実施形態のインクジェット印刷部、図17に示した第5の実施形態のインクジェット印刷部をそれぞれ置き換えて適用することにより、それぞれの実施形態と同様の上記各利点(但し、孔版印刷に係る利点を除く)が得られることはいうまでもない。
また、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置は、上記特開2002−113848号公報の図1に示されている記録装置(プリンタ)に適用した例に限らず、例えば特許第3384385号公報の図1等に示されているプリンタにおける印刷手段(5)およびエア吸着搬送方式の吸着搬送手段(6)、特開2000−246982号公報の図4に示されているエア吸着搬送方式や、図6に示されている静電吸着搬送方式の強制的平面保持機構(8)に代えて、図11に示した第2の実施形態のインクジェット印刷部、図12ないし図15に示した第3の実施形態のインクジェット印刷部5A、図16に示した第4の実施形態のインクジェット印刷部、図17に示した第5の実施形態のインクジェット印刷部をそれぞれ置き換えて適用することにより、それぞれの実施形態と同様の上記各利点(但し、孔版印刷に係る利点を除く)が得られることはいうまでもない。
第1ないし第6等の実施形態において、インクジェット記録ヘッド26の静電吸着ベルト81またはエア吸着ベルト101に対する用紙搬送方向Xの配置位置は、上記各図に示したようなほぼ中央位置近傍に限らず、例えば図2に示した従動ローラ82に巻き掛けられている静電吸着ベルト81上方、または図12に示した従動ローラ102に巻き掛けられているエア吸着ベルト101上方のそれぞれ近傍に近接して配置したものでもよい。このようにインクジェット記録ヘッド26を静電吸着ベルト81またはエア吸着ベルト101の上流側端部近傍に配置した場合、いわゆる「縁なし印刷」を行うことが可能となる。
本発明は、上述した実施形態等に限定されず、第1ないし第6等の実施形態の特徴的な構成等を適宜組み合わせて採用するようなことも本発明が開示する範囲にすぎない。すなわち、例えば電圧印加手段(電極ローラまたはブレード状電極)とエア吸引手段(エア吸引ダクトおよび吸引ファン)とを併用する場合も考えられる。
本発明に係る複合型画像形成装置は、インクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部としての孔版印刷部に限らず、例えば、特開平7−17013号公報(特許第2790963号公報)に開示されているような版胴(印刷ドラム)の外側からインクを供給する構成のもの、つまり版胴上のマスタにインクを供給して、印刷画像を用紙上に形成するいわば凹版印刷装置とも呼べるような構成の印刷装置であってもよく、この場合にも第1ないし第5の実施形態と同様の利点を得らることができる。
本発明は、上述したとおりインクジェット印刷方式に特有のコックリングによる用紙の伸びに伴う用紙浮き、ノズル面を汚しての吐出曲がり、用紙汚れ等の画質劣化を防止することを主な課題としていて、これを解決する手段を提供するものであるから、インクジェット印刷方式による画像形成と孔版印刷方式等を含む画像形成との双方を行うことが可能な複合型画像形成装置に限らず、インクジェット記録装置(もしくはインクジェット印字装置)自体にも適用可能であり、またはインクジェット記録装置を複数接続して使用する装置にも適用可能なものである。
1 複合型画像形成装置
2 用紙
4 孔版印刷部(画像形成部の一例)
5、5A、5’ インクジェット印刷部
13 マスタ
20 版胴
26 インクジェット記録ヘッド(インク記録ヘッド)
28 孔版印刷画像(画像の一例)
30 インクジェット印刷画像
36 移動機構(ヘッド移動手段、第2の移動手段)
55 直接入力手段(テンキー)
58a,58d 第1の移動量表示部(表示)
58b,58c 第2の移動量表示部(表示)
61 切替手段(画像切替キー)
62 連動手段(連動移動キー)
65 連動移動機構(連動移動手段)
81 静電吸着搬送ベルト(静電吸着搬送手段)
84、84A 電圧印加手段(帯電手段)
85 ガイド板(案内部材)
86、88 電極ローラ(電圧印加手段を構成する)
101 エア吸着搬送ベルト(エア吸着搬送手段)
104、106 エア吸引ダクト(エア吸引手段)
105、107 吸引ファン(エア吸引手段)
109 移動機構(連動移動手段)
120 掃き出しエア誘導ダクト(掃き出しエア誘導手段)
2 用紙
4 孔版印刷部(画像形成部の一例)
5、5A、5’ インクジェット印刷部
13 マスタ
20 版胴
26 インクジェット記録ヘッド(インク記録ヘッド)
28 孔版印刷画像(画像の一例)
30 インクジェット印刷画像
36 移動機構(ヘッド移動手段、第2の移動手段)
55 直接入力手段(テンキー)
58a,58d 第1の移動量表示部(表示)
58b,58c 第2の移動量表示部(表示)
61 切替手段(画像切替キー)
62 連動手段(連動移動キー)
65 連動移動機構(連動移動手段)
81 静電吸着搬送ベルト(静電吸着搬送手段)
84、84A 電圧印加手段(帯電手段)
85 ガイド板(案内部材)
86、88 電極ローラ(電圧印加手段を構成する)
101 エア吸着搬送ベルト(エア吸着搬送手段)
104、106 エア吸引ダクト(エア吸引手段)
105、107 吸引ファン(エア吸引手段)
109 移動機構(連動移動手段)
120 掃き出しエア誘導ダクト(掃き出しエア誘導手段)
Claims (13)
- インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有する複合型画像形成装置において、
前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする複合型画像形成装置。 - インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙を静電吸着保持しながら搬送可能な静電吸着搬送手段と、該静電吸着搬送手段を帯電させる帯電手段とを有する複合型画像形成装置において、
前記静電吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部に無帯電領域が形成されるように、前記静電吸着搬送手段に対する前記帯電手段による帯電範囲を設けたことを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項1または2記載の複合型画像形成装置において、
前記インク記録ヘッドを前記静電吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、
前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記帯電手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを具備することを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項1ないし3の何れか1つに記載の複合型画像形成装置において、
前記静電吸着搬送手段は、少なくとも2つのローラ間に掛け渡された静電吸着搬送ベルトであり、
前記インク記録ヘッドと対向する前記静電吸着搬送ベルトの裏面側に、前記静電吸着搬送ベルトの表面に静電吸着保持された用紙と前記インク記録ヘッドとの間隔を保持するための案内部材を設けたことを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項1ないし4の何れか1つに記載の複合型画像形成装置において、
前記帯電手段は、交番する電圧を前記静電吸着搬送手段に印加する電圧印加手段であることを特徴とする複合型画像形成装置。 - インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段と、該エア吸着搬送手段からエア吸引させるエア吸引手段とを有する複合型画像形成装置において、
前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を、前記インク記録ヘッドの印字範囲以内にしたことを特徴とする複合型画像形成装置。 - インク記録ヘッドを備えインクジェット印刷画像を用紙に形成するインクジェット印刷部と、このインクジェット印刷部とは別の画像形成方式で画像を用紙に形成する画像形成部と、前記インク記録ヘッドに近接して配置され前記インクジェット印刷画像および前記画像のうちの少なくとも一方の画像を形成された用紙をエア吸着保持しながら搬送可能なエア吸着搬送手段と、該エア吸着搬送手段からエア吸引させるエア吸引手段とを有する複合型画像形成装置において、
前記エア吸着搬送手段に対する前記インク記録ヘッドの印字範囲の両脇の一部にエア無吸引領域が形成されるように、前記エア吸着搬送手段に対する前記エア吸引手段によるエア吸引範囲を設けたことを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項6または7記載の複合型画像形成装置において、
前記インク記録ヘッドを前記エア吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、
前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記エア吸引手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを有することを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項6ないし8の何れか一つに記載の複合型画像形成装置において、
前記エア吸引手段による掃き出しエアを誘導して、前記インク記録ヘッドの用紙搬送方向の上流側で前記画像の形成された用紙に吹き付ける掃き出しエア誘導手段を有することを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項6または7記載の複合型画像形成装置において、
前記インク記録ヘッドを前記エア吸着搬送手段に対して用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動させるヘッド移動手段と、
前記エア吸引手段による掃き出しエアを誘導して、前記インク記録ヘッドの用紙搬送方向の上流側で前記画像の形成された用紙に吹き付ける掃き出しエア誘導手段と、
前記ヘッド移動手段による前記インク記録ヘッドの前記用紙幅方向への移動と連動して、前記エア吸引手段およびを前記掃き出しエア誘導手段を同方向に同移動量だけ移動させる連動移動手段とを有することを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項3、8または10記載の複合型画像形成装置において、
用紙に対する前記画像の画像位置を前記用紙幅方向に移動調整するための第1の調整操作部と、第1の調整操作部によって調整された画像位置の移動量を表示する第1の移動量表示部と、第1の調整操作部の操作に基づいて前記画像の画像位置を移動調整させる第1の移動手段と、
用紙に対する前記インクジェット印刷画像の画像位置を前記用紙幅方向に移動調整するための第2の調整操作部と、第2の調整操作部によって調整された画像位置の移動量を表示する第2の移動量表示部と、第2の調整操作部の操作に基づいて前記インクジェット印刷画像の画像位置を移動調整させる第2の移動手段と、
第1の調整操作部の操作により前記画像の画像位置を移動させた際に、これに連動して前記インクジェット印刷画像の画像位置と前記帯電手段または前記エア吸引手段または前記エア吸引手段および前記掃き出しエア誘導手段との位置を同方向に同移動量だけ移動させる連動手段とを有し、
前記ヘッド移動手段が、第2の移動手段を兼ねていることを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項1ないし11の何れか一つに記載の複合型画像形成装置において、
上記画像形成部は、製版済みのマスタを版胴に巻装して孔版印刷を行う孔版印刷部であることを特徴とする複合型画像形成装置。 - 請求項12記載の複合型画像形成装置において、
前記孔版印刷部で孔版印刷画像を形成した後、前記インクジェット印刷部で印刷画像を形成することを特徴とする複合型画像形成装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004266022A JP2006076270A (ja) | 2004-09-13 | 2004-09-13 | 複合型画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-09-13 JP JP2004266022A patent/JP2006076270A/ja active Pending
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