JP2006076078A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トレッド補強プライの端部付近で生じがちな大きな空気溜まりを低減してユニフォミティを改善しうる空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】 未加硫のサイドウォールゴム2を成形するサイドウォールゴム成形工程と、前記成形されたサイドウォールゴム2を、カーカスプライ3のサイドウォール領域に貼り付ける工程と、該カーカスプライ3のトレッド領域に、両側縁4eが前記サイドウォールゴム3のトレッド側の端部分2Aの少なくとも一部と重なるようにトレッド補強プライ4を貼り付ける工程とを含む生タイヤ成形工程を含んで空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法である。サイドウォールゴム成形工程は、前記端部分2Aに前記トレッド補強プライ4の厚さを吸収する段差部Dを有するサイドウォールゴム2を成形することを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 未加硫のサイドウォールゴム2を成形するサイドウォールゴム成形工程と、前記成形されたサイドウォールゴム2を、カーカスプライ3のサイドウォール領域に貼り付ける工程と、該カーカスプライ3のトレッド領域に、両側縁4eが前記サイドウォールゴム3のトレッド側の端部分2Aの少なくとも一部と重なるようにトレッド補強プライ4を貼り付ける工程とを含む生タイヤ成形工程を含んで空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法である。サイドウォールゴム成形工程は、前記端部分2Aに前記トレッド補強プライ4の厚さを吸収する段差部Dを有するサイドウォールゴム2を成形することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、トレッド補強プライの端部付近で生じがちな空気溜まりを低減してユニフォミティを改善しうる空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤは、未加硫の生タイヤを成形し、これを加硫することにより製造することができる。例えば乗用車用の空気入りタイヤの生タイヤ成形工程は、図6(A)〜(C)に示されるような工程で行われる。図6(A)〜(C)には、夫々右半分の断面略図が示される。先ず図6(A)に示されるように、図示しない成形ドラムに未加硫のカーカスプライ3が円筒状で巻き付けられる。この例のカーカスプライ3は、ラジアル構造のカーカスプライであり、その両端部はビードコア6の周りで折り返されている。ビードコア6には、例えばビードエーペックス7が予め一体化に固着されている。なおカーカスプライのタイヤ軸方向の両端部は保持リング9によって保持されている。
次に、図6(B)に示されるように、円筒状のカーカスプライaのサイドウォール領域に、予めサイドウォールゴム成形工程で成形された未加硫のサイドウォールゴム10が貼り付けられる。しかる後、同図(C)に示されるように、ビードコア6、6間(図では一方のビードコア6しか示していない)の軸方向の距離を縮めながらカーカスプライ3のトレッド領域をタイヤ半径方向外側に膨出させ、該トレッド領域に、予め待機している環状のトレッド補強プライ4を貼り付ける。またさらにその外側にはトレッドゴム5が貼り付けされる。これらの各部材4ないし5は、いずれも未加硫である。
この例のトレッド補強プライ4は、例えばスチールコードからなりかつタイヤ半径方向内、外で重なる2枚のベルトプライ4A、4Bを少なくとも含んで構成される。またこの例では、タイヤ半径方向内側のベルトプライ4Aは、外側のベルトプライ4Bよりも幅広で形成されており、その側端面がトレッド補強プライ4のタイヤ軸方向外側の側端面4e1を形成する。
また、トレッド補強プライ4は、図9に示されるように、例えば予めトレッドゴム5のタイヤ半径方向の内側面5iに一体化されている場合がある。具体的には、トレッドゴム5とトレッド補強プライ4とは互いの幅中心線を揃えられて貼り合わされている。またトレッドゴム5のタイヤ軸方向の幅TGWは、トレッド補強プライ4のタイヤ軸方向の幅BWよりも大きい。従って、トレッドゴム5の両端部には、トレッド補強プライ4からタイヤ軸方向外側にはみ出すはみ出し部5Aがある。またトレッド補強プライ4は、その両側縁4eがサイドウォールゴム10のトレッド側の端部分10Aの少なくとも一部と重なるように貼り付けされる。これは、走行時におけるトレッド補強プライ4の両側縁4eの歪をサイドウォールゴム10にて吸収させるのに役立つ。さらにトレッドゴム5の前記はみ出し部5Aもサイドウォールゴム10の外側に重ねられる。
また、生タイヤLは、各構成部材間に空気が残らないように成形されることが望まれる。生タイヤLの内部に残された空気は、加硫時の圧力によって大部分は各部材間の隙間から外部へと排出されるが、その一部は内部に閉じこめられる。内部に閉じこめられた空気は、加硫等の製造工程でタイヤ外部に排出されるが、タイヤの均一性に影響を与える。そして、その不均一さは、タイヤのユニフォミティ悪化の原因となる。
生タイヤの構成部材間に内包された空気を外部に排出させる方法として、例えば図7に示されるようなステッチング工程が知られている。このステッチング工程は、生タイヤLをその回転軸周りに回転させるとともに、トレッドゴム5に押し付けられた回動自在なステッチングローラjを、タイヤ赤道C付近からトレッド端側に向かってゆっくりと移動させることにより行われる。これにより、該トレッドゴム5とともにトレッド補強プライ4を、カーカスプライ3に密着させ、これらの間の空気をタイヤ軸方向外側へと排出させる。なお生タイヤの成形に関連する文献には次のものがある。
図6(B)、(C)に示されるように、トレッド補強プライ4が重ね合わされるサイドウォールゴム10のトレッド側の端部分10Aは、滑らかに厚さが漸減する先細形状で構成されている。このため、図8に拡大して示されるように、トレッド補強プライ4は、サイドウォールゴム10に重ねられることにより、該サイドウォールゴム10の外表面から大きく突出する。とりわけトレッド補強プライ4の側端面4e1は、ステップ状の大きな段差を形成する。
他方、図9に示したように、トレッドゴム5の断面形状は、タイヤ半径方向の外側面5oには所定のプロファイルが設けられる場合が多いが、その内側面5iはコンベヤによる搬送を考慮して実質的に平坦に成形される。このため、上述のようなステッチング工程を行っても、トレッドゴム5の内側面5iが、トレッド補強プライ4の前記側端面4e1の段差に沿って密な接触状態へと変形させることは難しく、この部分に比較的大きな空気溜まりkが生じやすい。
特に近年のトレッド補強プライ4は、ベルトコードの大径化や図10に示されるようにバンドプライ14等の一体化によるプライ厚さの増加傾向があり、前記側端面4e1の厚さt3がさらに大きくなるなど、より大きな空気溜まりkを生じさせる傾向がある。そして、このような大きな空気溜まりが上述のようにユニフォミティを悪化させることを発明者らは突き止めた。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、端部分にトレッド補強プライの厚さを吸収する段差部を有するサイドウォールゴムを成形する工程を含ませることを基本として、トレッド補強プライの側端面付近での大きな空気溜まりの生成を防止しユニフォミティを向上しうる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、未加硫のサイドウォールゴムを成形するサイドウォールゴム成形工程と、前記成形されたサイドウォールゴムを、カーカスプライのサイドウォール領域に貼り付ける工程と、該カーカスプライのトレッド領域に、両側縁が前記サイドウォールゴムのトレッド側の端部分の少なくとも一部と重なるようにトレッド補強プライを貼り付ける工程とを含む生タイヤ成形工程を含んで空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、前記サイドウォールゴム成形工程は、前記端部分に前記トレッド補強プライの厚さを吸収する段差部を有するサイドウォールゴムを成形することを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記サイドウォールゴム成形工程は、前記段差部を有したサイドウォールゴムを押し出しにより成形することを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項3記載の発明は、前記段差部は、前記トレッド補強プライのタイヤ半径方向内側面が接触する支持面と、
前記支持面から立ち上がり前記トレッド補強プライのタイヤ軸方向外側の側端面と向き合う段差面とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
前記支持面から立ち上がり前記トレッド補強プライのタイヤ軸方向外側の側端面と向き合う段差面とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
また請求項4記載の発明は、前記段差部は、前記支持面の長さが10.0〜40.0(mm)かつ前記段差面の長さが1.0〜3.0(mm)であることを特徴とする請求項3記載の空気入りタイヤの製造方法である。
本発明では、未加硫のサイドウォールゴムを成形する際、トレッド補強プライが重ねられる端部分に、該トレッド補強プライの厚さを吸収する段差部を有するサイドウォールゴムが成形される工程を含む。従って、トレッド補強プライをサイドウォールゴムに重ねた際に、トレッド補強プライがサイドウォールゴムから大きく突出し、その側端面が形成する段差状の凹凸を極力減じる。従って、トレッドゴムとの間に大きな空気溜まりが形成されるのを防止しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法では、生タイヤを成形する生タイヤ成形工程と、成形された生タイヤを加硫する加硫工程とを含む。
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法では、生タイヤを成形する生タイヤ成形工程と、成形された生タイヤを加硫する加硫工程とを含む。
生タイヤ成形工程は、図1(A)に示されるような未加硫のサイドウォールゴム2を成形するサイドウォールゴム成形工程と、図2(A)に示されるように、このサイドウォールゴム2を、略円筒状のカーカスプライ3のサイドウォール領域に貼り付ける工程と、図2(B)に示されるように、前記カーカスプライ3のトレッド領域に、両側縁4eが前記サイドウォールゴム2のトレッド側の端部分2Aの少なくとも一部と重なるようにトレッド補強プライ4を貼り付ける工程とを含む。図2(A)、(B)に示されるように、サイドウォールゴム2をカーカスプライ3に貼り付ける工程や、カーカスプライ3のトレッド領域にトレッド補強プライ4を貼り付ける工程については、「背景技術」で説明したのとほぼ同じ方法で行われるため、ここでは特に詳しく説明しない。
前記サイドウォールゴム2の断面形状は、図1(A)に示されている。
本実施形態のサイドウォールゴム2は、トレッド側に位置するトレッド側の端部分2Aと、ビード側に位置するビード部側の端部分2Cと、これらの間の中間部2Bとを含んで構成される。この例では、サイドウォールゴム2のビード部側の端部分2Cに、硬質のビードゴム9が一体に設けられた態様が示されている。また本実施形態のサイドウォールゴム2及びビードゴム9は、その断面形状において、タイヤ軸方向の内側面2i、9iはいずれも平坦な直線状で成形されたものが例示される。ただし、ビードゴム9は本発明の必須の要素ではない。
本実施形態のサイドウォールゴム2は、トレッド側に位置するトレッド側の端部分2Aと、ビード側に位置するビード部側の端部分2Cと、これらの間の中間部2Bとを含んで構成される。この例では、サイドウォールゴム2のビード部側の端部分2Cに、硬質のビードゴム9が一体に設けられた態様が示されている。また本実施形態のサイドウォールゴム2及びビードゴム9は、その断面形状において、タイヤ軸方向の内側面2i、9iはいずれも平坦な直線状で成形されたものが例示される。ただし、ビードゴム9は本発明の必須の要素ではない。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、サイドウォールゴム成形工程において、トレッド側の端部分2Aに、前記トレッド補強プライ4の厚さを吸収する段差部Dを有するサイドウォールゴム2を成形することを特徴事項の一つとしている。
前記段差部Dは、図1(B)及び図3に拡大して示されるように、トレッド補強プライ4のタイヤ半径方向の内側面4iと接触する支持面D1と、この支持面D1から立ち上がり前記トレッド補強プライ4のタイヤ軸方向外側の側端面4e1と向き合う段差面D2とを含んで構成される。換言すれば、この実施形態の段差部Dは、サイドウォールゴム2において、前記支持面D1と前記段差面D2とが設けられた部分と言える。前記支持面D1及び段差面D2は、いずれも滑らかな表面で構成されており、2つの面は、例えばほぼ90〜130゜程度の角度で交わるものが望ましい。
また段差部Dは、前記支持面D1をタイヤ軸方向の外面側に持つ基部11と、前記段差面D2を表面に持った副部12とを含む。
前記基部11は、サイドウォールゴム2のトレッド側の先端2Aeまで厚さが滑らかに漸減する先細状で構成されている。基部11は、トレッド補強プライ4のタイヤ半径方向内側に配されることにより、トレッド補強プライ4の側縁部4eに生じがちな走行時の歪を緩和するクッション効果を発揮する。このため、基部11の長さL1は、トレッド補強プライ4との重なり長さに合わせて設定されるのが好ましい。特に限定はされないが、乗用車用タイヤの場合、前記重なり長さを考慮すると、前記基部11の長さL1は、例えば10〜40mmが望ましい。また基部11は、その最大厚さt1から零まで厚さが漸減するが、この最大厚さt1が小さすぎても同様にクッション効果が低下しやすい。このような観点より、前記最大厚さt1は、好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは1.0〜3.0mmが望ましい。また、基部11の長さL1と、該基部11の最大厚さt1との比(t1/L1)で表される厚さの変化率α1は、特に限定はされないが、好ましくは10〜30%、より好ましくは15〜20%程度が望ましい。
また本実施形態の副部12は、サイドウォールゴム2のトレッド側の先端2Aeに向かって厚さが急激に減少する部分で構成されている。これにより、前記段差面D2が形成される。副部12の長さL2は、例えば0〜3mm、より好ましくは1〜3mm程度が望ましい。また、副部11の最大厚さt2と、基部11の最大厚さt1との差(t2−t1)は、重ねられるトレッド補強プライ4の厚さに応じて種々設定されるが、一例としては好ましくは0.5〜3mm、より好ましくは1〜3mm程度が望ましい。また副部12の長さL2と、前記厚さの差(t2−t1)との比{(t2−t1)/L2}で表される厚さの変化率α2は、前記基部の厚さの変化率α1よりも大であり、例えば100〜145%程度が望ましい。
本実施形態のサイドウォールゴム成形工程は、図示しないゴム押出機からサイドウォールゴム2を押出し成形することにより行われる。段差部Dは、ゴム押出機の吐出口に設けられる例えば口金に、前記段差部Dに等しい断面形状を与えることにより、押出しと同時に成形できる。従って、段差部Dの成形に際して余分な工程が追加されることがなく生産性を損ねることがない。むしろ、ゴムの使用量を減じ、低コスト化に役立つ。またこの例では、双頭式の押出機などを用いることにより、ビードゴム9がサイドウォールゴム2と一体化されて同時に押し出し成形される。
以上のような段差部Dは、サイドウォールゴム2のトレッド側の端部分2Aの厚さが局部的にかつ段差を有して減じられている。そして、その支持面D1にトレッド補強プライ4の側縁部4eが載置されて重ねられ、また段差面D2は、トレッド補強プライの側端面4e1と接近しかつ向き合う。このような段差部Dは、トレッド補強プライ4の側縁部4eの厚さを吸収する。すなわち、図3に示されるように、トレッド補強プライ4がサイドウォールゴム3の外表面から大きく突出するのを防止し、かつトレッド補強プライ4の側端面4e1が形成する段差状の凹凸を極力無くしフラット化する。従って、トレッドゴム5をトレッド補強プライ4の側縁部4eに沿わせて貼り合わせるに際し、その内側面5iが平坦に形成されている場合でも、従来のような大きな空気溜まりkが形成されるのが効果的に防止される。そして、このような生タイヤLを慣例に従って加硫成形することにより、ユニフォミティに優れかつ構造部材間に空気溜まりの少ない品質の良い空気入りタイヤを製造しうる。
図4には、段差部Dの他の実施形態のいくつかの例が示される。
図4(A)の実施形態では、段差部Dの支持面D1が、サイドウォールゴム2の先端2Ae側に設けられた先端側の支持面D1aと、この先端側の支持面D1aよりも厚さの減少率が相対的に小さい基部側の支持面D1bとを含むものが例示される。ベルトプライ4Aの端部を、例えば薄いゴムシート13でコ字状に被覆することにより、その接着性を向上させる場合がある。このような場合、ベルトプライ4Aの厚さやその内側面の形状等に合わせて、支持面D1が厚さの減少率を異ならせた少なくとも2つの支持面を含むことにより、前記のようなベルトプライ4Aにより密着させることができる。従って、さらに空気溜まりを低減できる。
図4(A)の実施形態では、段差部Dの支持面D1が、サイドウォールゴム2の先端2Ae側に設けられた先端側の支持面D1aと、この先端側の支持面D1aよりも厚さの減少率が相対的に小さい基部側の支持面D1bとを含むものが例示される。ベルトプライ4Aの端部を、例えば薄いゴムシート13でコ字状に被覆することにより、その接着性を向上させる場合がある。このような場合、ベルトプライ4Aの厚さやその内側面の形状等に合わせて、支持面D1が厚さの減少率を異ならせた少なくとも2つの支持面を含むことにより、前記のようなベルトプライ4Aにより密着させることができる。従って、さらに空気溜まりを低減できる。
また図4(B)には、さらに本発明の他の実施形態が示されている。この実施形態では、段差部Dが、支持面D1と段差面D2とからなる段差が複数個(この例では2個)設けられたものが例示される。具体的には、サイドウォールゴムの先端2Ae側に設けられた第1の支持面D1aと、これに連なる第1の段差面D2aとからなる第1の段差部Da、及び第1の段差部Daからビード部側にのびる第2の支持面D1bと、この第2の支持面D1bに連なる第2の段差面D2bとからなる第2の段差部Dbを含む。このような段差部Dは、例えばタイヤ半径方向内側のベルトプライ4Aのタイヤ軸方向の幅を、外側のベルトプライ4Bよりも小としたトレッド補強プライ4において、各々の厚さをそれぞれ第1ないし第2の段差部Da、Dbで吸収できる。従って、この実施形態では、上述のようなトレッド補強プライ4に採用することにより、トレッド補強プライ4の側縁部4eでのサイドウォールゴムからの突出量をさらに低減しうる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は乗用車用の空気入りタイヤ以外にも種々のカテゴリーの空気入りタイヤの製造方法に適用することができる。また、その際、種々の態様に変形して実施しうるは言うまでもない。
195/65R15の乗用車用空気入りタイヤを本発明の製造方法に基づいて300本試作し、ユニフォミティレベルを調べた。ユニフォミティレベルは、JASO C607「自動車用タイヤのユニフォミティ試験方法」に準拠し、テストを行った。
また比較のために、図5に示されるように、トレッド側の端部分10Aが滑らかに厚さが漸減する従来のサイドウォールゴムを用いた従来の方法により製造された空気入りタイヤについても同様の本数を試作し、同様のテストを行った。いずれの空気入りタイヤも、1枚のカーカスプライと、2カットのスチールベルトプライからなるベルト層と、1層の有機繊維コードのジョイントレスバンドプライ(小巾の帯状プライをベルト層の外側に螺旋状に巻き付けたもの)からなるバンド層を有するものとし、サイドウォールゴムの断面形状のみを異ならせた。
本発明方法で用いられたサイドウォールゴムは、図1に示した段差部を有して押出し成形されたもので、各部の寸法は次の通りとした。また従来方法では、図5に示されるように、本発明方法のサイドウォールゴムの前記厚さt2の位置から先端まで厚さが漸減する断面形状(段差部を埋めた形状)のものが用いられた。
L1:20.0mm
L2:1.5mm
t1:1.5mm
t2:2.7mm
トレッド補強プライの側端面の厚さ:1.2mm
トレッド補強プライのサイドウォールゴムとの重なり長さ:20mm
L1:20.0mm
L2:1.5mm
t1:1.5mm
t2:2.7mm
トレッド補強プライの側端面の厚さ:1.2mm
トレッド補強プライのサイドウォールゴムとの重なり長さ:20mm
また本発明方法、従来方法とも、生タイヤに同一の条件でステッチング工程を行った後、加硫工程を行って空気入りタイヤを製造した。テストの結果を表1に示す。
、テストの結果、本発明方法で得られたタイヤは、従来方法のタイヤに比して、ユニフォミティに優れており、特にLFVにおいて大きな改善が見られ、本発明の顕著な優位性が確認できた。
2 サイドウォールゴム
2A トレッド側の端部分
3 カーカスプライ
4 トレッド補強プライ
4e トレッド補強プライの側縁部
D 段差部
D1 支持面
D2 段差面
2A トレッド側の端部分
3 カーカスプライ
4 トレッド補強プライ
4e トレッド補強プライの側縁部
D 段差部
D1 支持面
D2 段差面
Claims (4)
- 未加硫のサイドウォールゴムを成形するサイドウォールゴム成形工程と、
前記成形されたサイドウォールゴムを、カーカスプライのサイドウォール領域に貼り付ける工程と、
該カーカスプライのトレッド領域に、両側縁が前記サイドウォールゴムのトレッド側の端部分の少なくとも一部と重なるようにトレッド補強プライを貼り付ける工程とを含む生タイヤ成形工程を含んで空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、 前記サイドウォールゴム成形工程は、前記端部分に前記トレッド補強プライの厚さを吸収する段差部を有するサイドウォールゴムを成形することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 - 前記サイドウォールゴム成形工程は、前記段差部を有したサイドウォールゴムを押し出しにより成形することを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記段差部は、前記トレッド補強プライのタイヤ半径方向の内側面が接触する支持面と、
前記支持面から立ち上がり前記トレッド補強プライのタイヤ軸方向外側の側端面と向き合う段差面とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。 - 前記段差部は、前記支持面の長さが10.0〜40.0(mm)かつ前記段差面の長さが1.0〜3.0(mm)であることを特徴とする請求項3記載の空気入りタイヤの製造方法。
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