JP2006075744A - アルミニウムパターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウムパターンを簡易に形成する方法を提供すること。
【解決手段】上記方法は、基体上に、繊維束、フェルト体又は多孔質体からなるペン体を塗布媒体とする塗布機を用いてアラン・アミン錯体を塗布し、次いで熱及び/又は光で処理することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】上記方法は、基体上に、繊維束、フェルト体又は多孔質体からなるペン体を塗布媒体とする塗布機を用いてアラン・アミン錯体を塗布し、次いで熱及び/又は光で処理することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルミニウムパターンの形成方法に関する。
アルミニウムは、各種電子機器の配線、電極部等に使用されている。
従来、アルミニウム配線、電極を形成するには、まず高真空下における蒸着法やスパッタ法により基板全面にアルミニウム膜を形成した後、該アルミニウム膜の上にフォトリソグラフィーによってパターン状レジスト膜を形成し、次いでエッチング法によってアルミニウム膜のパターニングを行い、その後不要のレジスト膜を除去する方法が一般的に採用されていた。しかし、このような方法では真空プロセスを用いるため生産性が低いのみならず、大型基板への対応が困難であり、また、形成されるアルミニウム膜のパターンの自由度が低い等の問題があった。
従来、アルミニウム配線、電極を形成するには、まず高真空下における蒸着法やスパッタ法により基板全面にアルミニウム膜を形成した後、該アルミニウム膜の上にフォトリソグラフィーによってパターン状レジスト膜を形成し、次いでエッチング法によってアルミニウム膜のパターニングを行い、その後不要のレジスト膜を除去する方法が一般的に採用されていた。しかし、このような方法では真空プロセスを用いるため生産性が低いのみならず、大型基板への対応が困難であり、また、形成されるアルミニウム膜のパターンの自由度が低い等の問題があった。
近年、高真空装置を要しないアルミニウム膜の形成方法として、アラン・アミン錯体を前駆体として、熱処理及び/又は光処理でアルミニウム膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この方法によると、高価な装置を要しない利点はあるが、前駆体が空気又は水分と接触すると不安定であることから、不活性雰囲気下の取り扱いを要しハンドリング上の問題があった。
特開2004−6197号公報
この方法によると、高価な装置を要しない利点はあるが、前駆体が空気又は水分と接触すると不安定であることから、不活性雰囲気下の取り扱いを要しハンドリング上の問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みなされたものであり、その目的は、アルミニウムパターンを簡易に形成する方法を提供するものである。
本発明によると、上記課題は、基体上に、繊維束、フェルト体又は多孔質体からなるペン体を塗布媒体とする塗布機を用いてアラン・アミン錯体を塗布し、次いで熱及び/又は光で処理することを特徴とする、アルミニウムパターンの形成方法によって達成される。
本発明により、アルミニウムパターンを簡易に形成する方法が提供される。
本発明の方法は、繊維束、フェルト体又は多孔質体からなるペン体を塗布媒体とする塗布機を用いる。上記塗布機は、少なくとも後述するアラン・アミン錯体を含有する組成物をその内部に保持する構造の外筒と、該外筒の先端に位置するペン体とを有し、内部に保持されたアラン・アミン錯体を含有する組成物を、所定量づつ排出する機能を有するものである。
ペン体としては、繊維束、フェルト体又は多孔質体であることができる。
上記繊維束は、繊維を収束し、バインダーで接着したものである。上記フェルト体は、著しくもつれた繊維で構成された材料をいう。本発明において繊維束及びフェルト体に使用される繊維としては、例えば獣毛、セルロース繊維、合成繊維等を挙げることができるが、これらのうち、合成繊維が好ましく用いられる。上記合成繊維の具体例としては、例えばアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等を挙げることができる。
上記多孔質体を構成する材料としては、活性炭、天然ゴム、合成樹脂等を挙げることができる。これらのうち、天然ゴム又は合成樹脂製の多孔質体が好ましく用いられる。上記合成樹脂の具体例としては、例えばスチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。
ペン体としては、繊維束、フェルト体又は多孔質体であることができる。
上記繊維束は、繊維を収束し、バインダーで接着したものである。上記フェルト体は、著しくもつれた繊維で構成された材料をいう。本発明において繊維束及びフェルト体に使用される繊維としては、例えば獣毛、セルロース繊維、合成繊維等を挙げることができるが、これらのうち、合成繊維が好ましく用いられる。上記合成繊維の具体例としては、例えばアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、脂肪族ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等を挙げることができる。
上記多孔質体を構成する材料としては、活性炭、天然ゴム、合成樹脂等を挙げることができる。これらのうち、天然ゴム又は合成樹脂製の多孔質体が好ましく用いられる。上記合成樹脂の具体例としては、例えばスチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。
上記塗布機には、アラン・アミン錯体を有する組成物が充填される。
本発明の方法に使用するアラン・アミン錯体は、アミン化合物と水素化アルミニウムとの錯体である。ここで、水素化アルミニウム(しばしば慣用的に「アラン」と呼ばれる。)はアルミニウムと水素原子とからなる化合物であり、一般的にはAlH3で表される示性式を持つと信じられている。
本発明の方法に使用するアラン・アミン錯体は、J.K.Ruffら、J.Amer.Chem.Soc.,82巻,2141ページ,1960年、G.W.Fraserら、J.Chem.Soc.,3742ページ,1963年、J.L.Atwoodら、J.Amer.Chem.Soc.,113巻,8183ページ,1991年等の方法に準じて合成できる。
本発明の方法に使用するアラン・アミン錯体は、アミン化合物と水素化アルミニウムとの錯体である。ここで、水素化アルミニウム(しばしば慣用的に「アラン」と呼ばれる。)はアルミニウムと水素原子とからなる化合物であり、一般的にはAlH3で表される示性式を持つと信じられている。
本発明の方法に使用するアラン・アミン錯体は、J.K.Ruffら、J.Amer.Chem.Soc.,82巻,2141ページ,1960年、G.W.Fraserら、J.Chem.Soc.,3742ページ,1963年、J.L.Atwoodら、J.Amer.Chem.Soc.,113巻,8183ページ,1991年等の方法に準じて合成できる。
本発明の方法に使用するアラン・アミン錯体を構成するアミン化合物は下記式(1)で表される。
R1R2R3N ・・・(1)
(ここで、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基又はアリール基である。)
式(1)中R1、R2及びR3の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基の如き飽和アルキル基、メタアリル基の如き不飽和基を有するアルケニル基、フェニルエチニル基の如きアルキニル基、シクロプロピル基の如き環式アルキル基、フェニル基、ベンジル基の如きアリール基を有する基などを好適に使用することができる。またこれらアルキル基、アルケニル基、アルキニル基は直鎖状でもよく環状でもよくまた分岐していてもよい。
R1R2R3N ・・・(1)
(ここで、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基又はアリール基である。)
式(1)中R1、R2及びR3の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基の如き飽和アルキル基、メタアリル基の如き不飽和基を有するアルケニル基、フェニルエチニル基の如きアルキニル基、シクロプロピル基の如き環式アルキル基、フェニル基、ベンジル基の如きアリール基を有する基などを好適に使用することができる。またこれらアルキル基、アルケニル基、アルキニル基は直鎖状でもよく環状でもよくまた分岐していてもよい。
式(1)で示されるアミン化合物の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、トリシクロプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−2−メチルブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルフェニルアミン、ジエチルフェニルアミン、ジイソブチルフェニルアミン、メチルジフェニルアミン、エチルジフェニルアミン、イソブチルジフェニルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、メチルエチルアミン、メチルブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジオクチルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、イソブチルフェニルアミン、メチルメタクリルアミン、メチル(フェニルエチニル)アミン、フェニル(フェニルエチニル)アミン、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、シクロプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−メチルブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,7−ジメチル−1,4,7−トリアザヘプタン、1,7−ジエチル−1,4,7−トリアザヘプタン、トリエチレンテトラアミン、フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノベンゼン、1−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(キヌクリジン)、1−アザシクロヘキサン、1−アザ−シクロヘキサン−3−エン、N−メチル−1−アザシクロヘキサン−3−エン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、N,N’,N”−トリメチル−1,3,5−トリアザ−シクロヘキサン等を用いることができる。これらのアミン化合物は、単独でも、あるいは2種以上の化合物を混合して使用することもできる。
アラン・アミン錯体は、溶媒に溶解した溶液状の組成物として、上記塗布機に充填される。ここで使用される溶媒としては、アラン・アミン錯体を溶解し。且つこれと反応しないものであれば特に限定されない。例えば、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘプタン、n−オクタン、シクロオクタン、デカン、シクロデカン、ジシクロペンタジエン水素化物、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、ドデシルベンゼン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、及び塩化メチレン、クロロホルムなどの極性溶媒を用いることができる。これらのうち、アラン・アミン錯体の溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素系溶媒又は炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒との混合物を用いるのが好ましい。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。
アラン・アミン錯体を含有する組成物中におけるアラン・アミン錯体の濃度は、好ましくは0.1〜50重量%である。この値は、所望のアルミニウムパターンの膜厚に応じて適宜調整することができる。
上記アラン・アミン錯体を含有する組成物は、必要に応じて、アラン・アミン錯体及び溶媒の他に、アラン・アミン錯体以外のアルミニウム化合物、金属及び/又は半導体の微粒子、界面活性剤等を含有することができる。
上記アラン・アミン錯体を含有する組成物は、必要に応じて、アラン・アミン錯体及び溶媒の他に、アラン・アミン錯体以外のアルミニウム化合物、金属及び/又は半導体の微粒子、界面活性剤等を含有することができる。
かくして得られたアラン・アミン錯体を含有する組成物は、上記塗布機に充填される。充填は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。上記不活性雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム等により実現することができる。
アラン・アミン錯体が充填された塗布機は、その先端を基体に圧着し、その位置を相対的に移動させることにより、基体上にアラン・アミン錯体を含有する組成物の任意のパターンを形成することができる。該パターンから溶媒を除去することにより、実質的にアラン・アミン錯体からなるパターンが形成される。
ここで、基体を構成する材料としては、例えば、ガラス、金属、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができ、ガラスとしては石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラスが使用でき、金属としては金、銀、銅、ニッケル、シリコン、アルミニウム、鉄の他ステンレス鋼などが使用できる、プラスチックとしては、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等を挙げることができる。これら基体は、Ti、Pd及びAlからなる群から選ばれる金属原子を含有する有機金属化合物からなる塗膜(下地層)を有する基板として用いることもできる。このような下地層を有することにより、基体とアルミニウム膜との接着が安定に保持される。このような有機金属化合物のうち、Ti原子を含む有機金属化合物が好ましく使用され、特にチタニウムアルコシド、アミノ基を含有するチタニウム化合物、β−ジケトンとのチタニウム錯体、シクロペンタジエニル基を含有するチタニウム化合物又はハロゲン基を含有するチタニウム化合物を好ましく使用できる。
アラン・アミン錯体が充填された塗布機は、その先端を基体に圧着し、その位置を相対的に移動させることにより、基体上にアラン・アミン錯体を含有する組成物の任意のパターンを形成することができる。該パターンから溶媒を除去することにより、実質的にアラン・アミン錯体からなるパターンが形成される。
ここで、基体を構成する材料としては、例えば、ガラス、金属、プラスチック、セラミックスなどを挙げることができ、ガラスとしては石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、鉛ガラスが使用でき、金属としては金、銀、銅、ニッケル、シリコン、アルミニウム、鉄の他ステンレス鋼などが使用できる、プラスチックとしては、ポリイミド、ポリエーテルスルホン等を挙げることができる。これら基体は、Ti、Pd及びAlからなる群から選ばれる金属原子を含有する有機金属化合物からなる塗膜(下地層)を有する基板として用いることもできる。このような下地層を有することにより、基体とアルミニウム膜との接着が安定に保持される。このような有機金属化合物のうち、Ti原子を含む有機金属化合物が好ましく使用され、特にチタニウムアルコシド、アミノ基を含有するチタニウム化合物、β−ジケトンとのチタニウム錯体、シクロペンタジエニル基を含有するチタニウム化合物又はハロゲン基を含有するチタニウム化合物を好ましく使用できる。
溶媒の除去は、アラン・アミン錯体を含有する組成物を塗布した基体を、0〜100℃程度の温度で、0.1〜1時間程度静置することにより容易に行うことができる。
上記の塗布工程は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。かかる不活性雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン等により実現することができる。なお、従来知られているアルミニウム形成方法の場合、塗布法によるものであっても、原料たるアルミニウム前駆体の供給部も含め、塗布機のかなりの部分を不活性雰囲気とする必要があったのに対し、本発明によると、塗布される基体の近傍のみを不活性雰囲気とすれば足り、本発明の方法はこの点でも大きな利点を有する。
上記の塗布工程は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。かかる不活性雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴン等により実現することができる。なお、従来知られているアルミニウム形成方法の場合、塗布法によるものであっても、原料たるアルミニウム前駆体の供給部も含め、塗布機のかなりの部分を不活性雰囲気とする必要があったのに対し、本発明によると、塗布される基体の近傍のみを不活性雰囲気とすれば足り、本発明の方法はこの点でも大きな利点を有する。
上記のようにして基体上に形成された、実質的にアラン・アミン錯体からなるパターンは、次いで、加熱及び/又は光照射することにより、アルミニウムのパターンに変換される。
上記熱処理は、その温度を100℃を超える温度において行うことが好ましく、150℃〜500℃とするのがさらに好ましい。加熱時間は30秒から120分程度で十分である。また、熱処理する時の雰囲気はできる限り酸素のない且つ水素が存在する雰囲気中で焼成すると良質の導電性膜を得ることができるので好ましい。上記焼成雰囲気の水素は、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどとの混合ガスとして用いてもよい。
また、上記光照射に際しては、例えば低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノンの如き希ガスの放電光の他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源としては一般には、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1000Wで十分である。これらの光源の波長は特に限定されないが、通常170nm〜600nmである。また導電性膜の改質効果の点でレーザー光の使用が特に好ましい。
上記熱処理は、その温度を100℃を超える温度において行うことが好ましく、150℃〜500℃とするのがさらに好ましい。加熱時間は30秒から120分程度で十分である。また、熱処理する時の雰囲気はできる限り酸素のない且つ水素が存在する雰囲気中で焼成すると良質の導電性膜を得ることができるので好ましい。上記焼成雰囲気の水素は、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどとの混合ガスとして用いてもよい。
また、上記光照射に際しては、例えば低圧あるいは高圧の水銀ランプ、重水素ランプあるいはアルゴン、クリプトン、キセノンの如き希ガスの放電光の他、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源としては一般には、10〜5000Wの出力のものが用いられるが、通常100〜1000Wで十分である。これらの光源の波長は特に限定されないが、通常170nm〜600nmである。また導電性膜の改質効果の点でレーザー光の使用が特に好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
トリエチルアミン20gを含有するエチルエーテル溶液100mLに、5倍モル量の塩化水素ガスをバブリングさせて反応し、沈殿した塩をフィルターで濾別後、100mLのエチルエーテルで洗浄し、その後減圧にてエチルエーテルを除去し、24gのトリエチルアミンの塩化水素塩を合成した。得られたトリエチルアミン塩化水素塩14gをテトラヒドロフラン500mLに溶解したものを、3.8gのリチウムアルミニウムハイドライド及び500mLのエチルエーテルとからなる懸濁液中へ窒素下室温で1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に6時間室温で攪拌を継続した。反応混合物を0.2μmのメンブレンフイルターで濾過し、濾液を窒素下で濃縮し、濃縮中に析出した析出物を0.2μmのメンブレンフイルターで濾別した。更に300mLのトルエンを添加後溶媒を窒素下で蒸散させて濃縮し、濃縮中に析出した析出物を再度0.2μmのメンブレンフイルターで濾別して精製し、反応生成物(アラン・アミン錯体)の10質量%トルエン溶液を得た。
次いで、アルゴン雰囲気下において、上記で合成したアラン・アミン錯体のトルエン溶液を、図1に示した構造の塗布機(ガラス製の製外筒と、その先端にポリエチレン製のフェルト体(恒川フェルト工業(株)製)からなるペン体を有する塗布機)に充填した。
一方、ガラス基板をチタニウムビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドの1%トルエン溶液に1時間浸漬した後100℃で30分及び300℃で30分間加熱した親水性基板を作製した。
次に、アルゴン雰囲気下で、上記親水性基板上に、上記アラン・アミン錯体のトルエン溶液を充填した塗布機で0.5kg/cm2の圧力で押し付けたまま2.0cm/秒の相対速度で直線上に移動させ、次いで、室温(20℃)で30分静置して、幅200μm、長さ10cmのアラン・アミン錯体の直線パターンを形成した。
更にこのパターンを有する基板を、アルゴン中にて、250℃、30分間加熱した。生成した直線パターンのESCAを測定した所、73.5eVにAl2pに帰属されるピークが観察され、金属状のアルミニウムが得られていることが確認された。また、この膜の導電性を調べたところ、抵抗値15μΩ・cmの導電性を有することが確認された。
実施例1
トリエチルアミン20gを含有するエチルエーテル溶液100mLに、5倍モル量の塩化水素ガスをバブリングさせて反応し、沈殿した塩をフィルターで濾別後、100mLのエチルエーテルで洗浄し、その後減圧にてエチルエーテルを除去し、24gのトリエチルアミンの塩化水素塩を合成した。得られたトリエチルアミン塩化水素塩14gをテトラヒドロフラン500mLに溶解したものを、3.8gのリチウムアルミニウムハイドライド及び500mLのエチルエーテルとからなる懸濁液中へ窒素下室温で1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に6時間室温で攪拌を継続した。反応混合物を0.2μmのメンブレンフイルターで濾過し、濾液を窒素下で濃縮し、濃縮中に析出した析出物を0.2μmのメンブレンフイルターで濾別した。更に300mLのトルエンを添加後溶媒を窒素下で蒸散させて濃縮し、濃縮中に析出した析出物を再度0.2μmのメンブレンフイルターで濾別して精製し、反応生成物(アラン・アミン錯体)の10質量%トルエン溶液を得た。
次いで、アルゴン雰囲気下において、上記で合成したアラン・アミン錯体のトルエン溶液を、図1に示した構造の塗布機(ガラス製の製外筒と、その先端にポリエチレン製のフェルト体(恒川フェルト工業(株)製)からなるペン体を有する塗布機)に充填した。
一方、ガラス基板をチタニウムビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシドの1%トルエン溶液に1時間浸漬した後100℃で30分及び300℃で30分間加熱した親水性基板を作製した。
次に、アルゴン雰囲気下で、上記親水性基板上に、上記アラン・アミン錯体のトルエン溶液を充填した塗布機で0.5kg/cm2の圧力で押し付けたまま2.0cm/秒の相対速度で直線上に移動させ、次いで、室温(20℃)で30分静置して、幅200μm、長さ10cmのアラン・アミン錯体の直線パターンを形成した。
更にこのパターンを有する基板を、アルゴン中にて、250℃、30分間加熱した。生成した直線パターンのESCAを測定した所、73.5eVにAl2pに帰属されるピークが観察され、金属状のアルミニウムが得られていることが確認された。また、この膜の導電性を調べたところ、抵抗値15μΩ・cmの導電性を有することが確認された。
1 親水性基板
2 外筒
3 フェルト体
23 塗布機
4 アラン・アミン錯体のトルエン溶液
5 アラン・アミン錯体のパターン
2 外筒
3 フェルト体
23 塗布機
4 アラン・アミン錯体のトルエン溶液
5 アラン・アミン錯体のパターン
Claims (1)
- 基体上に、繊維束、フェルト体又は多孔質体からなるペン体を塗布媒体とする塗布機を用いてアラン・アミン錯体を塗布し、次いで熱及び/又は光で処理することを特徴とする、アルミニウムパターンの形成方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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