JP2006075500A - 生体活性材料及びその製造方法 - Google Patents

生体活性材料及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006075500A
JP2006075500A JP2004265487A JP2004265487A JP2006075500A JP 2006075500 A JP2006075500 A JP 2006075500A JP 2004265487 A JP2004265487 A JP 2004265487A JP 2004265487 A JP2004265487 A JP 2004265487A JP 2006075500 A JP2006075500 A JP 2006075500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
apatite
layer
body fluid
substrate
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004265487A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Yamamoto
慶一 山本
Tadashi Kokubo
正 小久保
Yumiko Ogura
由美子 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Pentax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentax Corp filed Critical Pentax Corp
Priority to JP2004265487A priority Critical patent/JP2006075500A/ja
Publication of JP2006075500A publication Critical patent/JP2006075500A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

【課題】 基材表面のアパタイト層に亀裂が生じていない生体活性材料、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 高分子からなる基材の表面に、チタニア層を形成した後、温水あるいは酸水溶液で処理してアパタイト形成能を有する酸化チタンに変換し、該酸化チタンを含む中間層を介してアパタイト層を形成させ、さらに該アパタイト層の表面に体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分、好ましくは糖類ないしは水溶性高分子からなる皮膜により被覆した生体活性材料およびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生体活性材料及びその製造方法に関するものであり、生体適合性に優れた医療用材料が要望される分野に好適に利用されるものである。
生体とほぼ同じ組成のアパタイトが優れた生体活性を有することから、そのようなアパタイト、すなわち骨類似アパタイトを各種医療用材料の表面に該材料と強固に結合した形で緻密で均一に形成させる試みが行われてきている。
例えば有機高分子を主成分とする基材表面をシランカップリング剤で処理をして、その後、カルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液に浸漬して基材表面にアパタイトを被覆する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、エチレン-ビニルアルコール共重合体からなる基板ないしは繊維基材にシランカップリング処理を施して後、カルシウムシリケート溶液に浸漬し、得られた該基材をヒトの体液とほぼ等しい無機イオン濃度、pHを有する擬似体液に浸漬して基材表面にアパタイトを形成する方法が知られている(例えば、非特許文献1〜4参照)。
さらに、アパタイトの核形成に有利なチタニアを利用する場合として、有機高分子を主成分とする基材表面を予めシランカップリング剤で処理をして後、チタニアゲルを形成し、続いて温水あるいは酸水溶液処理、さらにカルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液に浸漬して基材表面にアパタイトを被覆する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−293504号公報 日本バイオマテリアル学会シンポジウム2000 予稿集、川口春馬発行(シンポジウム主催者 慶應義塾大学理工学部応用化学科)、118頁、P732(2000年11月) 第4回生体関連セラミックス討論会 講演予稿集、奈良先端大学院大学物質創成科学研究科主催、36頁、II―10(2000年11月) 2001年日本セラミックス協会年会 講演予稿集、社団法人日本セラミックス協会発行、97頁、1H33(2001年3月) Ayako Oyane et.al. Biomaterials,24,2003,1729-1735 特開2002−325834号公報
しかし、表面にアパタイト層を有する基材は、アパタイト層形成の最終工程である乾燥工程で、該基材の収縮によりアパタイト層に微小な亀裂が部分的に発生することがあり、外界からストレスが加わると、亀裂の周辺部分のアパタイト層は基材表面から剥離する場合があった。これによって基材表面は部分的に生体活性を消失するという問題を有していた。しかも前述の問題を回避するためには、生体活性材料の取り扱いが非常に煩雑になるという問題も指摘されていた。
本発明は、基材表面のアパタイト層に亀裂の発生がない生体活性材料と、そのような生体活性材料を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、アパタイト層の少なくとも外表面に、体液溶解性成分あるいは体液に接触すると遊離する成分からなる被覆層を形成することにより、生体活性材料の乾燥工程終了後もアパタイト層部分に亀裂の発生が抑制され、しかも該被覆層が体液に接触すると、速やかにアパタイト層から遊離して基材表面にアパタイト層が露出されることを見出し、さらには露出されたアパタイト層が新たなアパタイトを形成しうる生体活性を有していることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一は、基材の表面にアパタイト層が形成され、さらに該アパタイト層の表面が、体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分により被覆されていることを特徴とする生体活性材料を要旨とするものであり、好ましくは、基材の表面に、酸化チタンからなる中間層を介してアパタイト層が形成されている前記の生体活性材料であり、また好ましくは、体液溶解性を有する成分又は体液との接触によりアパタイト層から遊離し得る成分が、水溶性化合物である前記の生体活性材料である。
また、本発明の第二は、基材の表面にチタニア層を形成した後、温水あるいは酸水溶液で処理をすることにより該チタニア層を生体活性なアパタイト形成能を有する酸化チタンからなる中間層に変換し、次いでカルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液と接触させて該中間層の表面に生体活性なアパタイト被覆層を形成し、さらに該アパタイト層の表面を、体液溶解性を有する成分又は体液と接触して該アパタイト層から遊離し得る成分で被覆することを特徴とする生体活性材料の製造方法を要旨とするものである。
本発明によれば、基材表面に形成されたアパタイト層は、安全性やコストの点で優れる汎用の糖類などの水溶性化合物を被覆することにより、生体活性材料の最終乾燥工程で収縮によるアパタイト層の亀裂の発生が抑制され、かつ取り扱い性に優れることから、生体適合性を有する医療用材料として好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる基材には、有機高分子を主成分とするものや金属などが挙げられる。有機高分子としては、天然の有機高分子、合成の有機高分子あるいはそれらを組み合わせた高分子のいずれでもよい。
天然の有機高分子としては、コラーゲン、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、キチン・キトサン、絹、ヒアルロン酸、グアガムなどの植物性ガム等が挙げられる。
合成の有機高分子としては、ポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高分子、ポリアミド系高分子、脂肪族ポリエステルアミド系高分子、エチレン-酢酸ビニル系高分子やポリビニルアルコールなどの高分子が挙げられる。
ポリエステル系高分子としては芳香族ポリエステル系重合体、脂肪族ポリエステル系重合体が用いられる。
芳香族ポリエステル系重合体の例としては、酸成分にテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン-2,6-ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル類を使用し、アルコール類にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のジオール化合物を使用するホモポリエステル重合体、あるいはポリエステル共重合体が挙げられる。なおこれらの芳香族ポリエステル系重合体には、パラオキシ安息香酸、5-ナトリウムスルフォイソフタール酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAなどが添加されていてもよい。
脂肪族ポリエステル系重合体の例としては、α-ヒドロキシ酸や乳酸を重合させてなるポリグリコール酸やポリ乳酸、またはこれらの共重合体を用いることができる。また、ポリ(ε-カプロラクトン)やポリ(β-プロピオラクトン)等のポリ(ω-ヒドロキシアルカノエート)も用いることができる。さらに、ポリ-3-ヒドロキシプロピオネート、ポリ-3-ヒドロキシブチレート、ポリ-3-ヒドロキシカプロレート、ポリ-3-ヒドロキシヘプタノエート等のポリ(β-ヒドロキシアルカノエート)、またはこれらにポリ-3-ヒドロキシバリレートやポリ-4-ヒドロキシブチレート等を構成モノマー成分に共重合させたものを用いることができる。さらには、アジピン酸やセバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類を酸成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール等のジオール化合物をグリコール成分とする重合体または共重合体を用いることもできる。
ポリオレフィン系高分子としては、炭素数2〜18の脂肪族α-モノオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-オクタデセンからなるポリオレフィン系重合体が挙げられる。これらの脂肪族α-モノオレフィンは多くのエチレン系不飽和モノマー、例えばブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、スチレン、α-メチルスチレンのような類似のエチレン系不飽和モノマーが共重合されたポリオレフィン系重合体であってもよい。
ポリアミド系高分子としては、ポリイミノ-1-オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリウロララクタミド(ナイロン12)ポリメタキシレンアジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリビスシクロヘキシルメタンデカナミド、またはこれらのモノマーを構成単位とするポリアミド系共重合体などが挙げられる。
脂肪族ポリエステルアミド系高分子としては、例えば前記した脂肪族ポリエステル系重合体と、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン12等の脂肪族系ポリアミド重合体とを共重合したものを用いることができる。
これら有機高分子を主成分とする基材は、フィルム状、プレート状、スポンジ状、繊維状、織・編み形状、チューブ状などいずれの形状であってもよい。例えば、繊維からなる三次元構造体を基材とする場合には、少なくとも一部の繊維が熱可塑性高分子から構成される短繊維を原綿として、梳綿機を用いてカーディングしてカードウエブを作製し、得られたカードウエブに高圧液体流処理あるいはニードルパンチング処理を施し、機械的に構成繊維同士を三次元的に交絡させる。次いで交絡させたウエブを加熱されたエンボスローラと表面が平滑な金属ローラなどとからなるローラ間を通す方法、熱風乾燥装置を用いる方法あるいは超音波融着装置を用いる方法などにより構成繊維同士を熱融着し、全体として一体化された三次元構造体を得ることができる。
さらに、上記のような三次元構造体は、該構造体を芯材にしてその周囲に長繊維で構成される編組層を積層することにより、得られる生体活性材料の圧縮強度や曲げ弾性率が優れたものとなるため好ましい(詳細については、特願2003−065038号参照)。
また有機高分子を主成分とする長繊維糸を使用し、両面丸編機、ダブルトリコット編機、ダブルラッセル編機等の2列の針床を有する編機や、モケット織機を利用して3層以上の複数層構造を有する三次元立体構造体を得ることができる。
金属を基材とするものとしては、アルミナ、ジルコニア、ステンレス合金、ニッケル-クロム合金、チタンを主成分とする金属等いずれでもよいが、中でもチタンを主成分とする金属が好ましく、そのような金属としてはチタン金属及びチタン合金が挙げられる。ここでいうチタン金属とは純チタンからなる金属をいい、またチタン合金とは、主成分の
TiにAl、Sn、Zr、Mo、Ni、Pd、Ta、Nb、V、Ptなどが添加された
合金をいう。中でも好ましいチタン合金としては、Ti−6Al−4V合金、Ti−6Al−2Nb−1Ta合金、Ti−15Mo−5Al−3Zr合金などが挙げられる。
これら基材は、生体活性材料の基材として使用するに際して、力学特性などの基本物性に実質的な影響が無視できる程度であれば、基材の表面でアパタイトとの結合を強くするために、予め該基材を酸素プラズマや放射線などの照射、あるいは酸やアルカリによるエッチング、シランカップリング剤による化学的表面処理、基材表面にアルカリによるアルカリチタネートを含有する皮膜形成処理、イオン注入、サンドブラスト処理などの手段を表面部分に施してもよい。
例えば、酸素プラズマによる表面処理としては、サムコインターナショナル製plasma polymerization system PD-10Sを使用し、酸素分圧0.2Torr、ガス流量30cm3/分、陽電極から基材まで距離8mm〜20mm、処理時間5秒〜60秒間の条件でおこなえばよい。またエッチングに使用する酸としては塩酸や硝酸など、またアルカリとしてはアルカリ金属イオンを含有する溶液、すなわち水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液などが好ましく、濃度範囲は0.1モル濃度〜5モル濃度、温度は10℃〜100℃、処理時間は数秒〜数日間の範囲で、適宜選択しておこなえばよい。
シランカップリング剤による化学的表面処理としては、シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどから適宜選択して、濃度は0.1重量%〜15重量%の範囲で溶液に基材を浸漬後、基材の物性に悪影響を及ぼさない範囲で乾燥、熱処理をするなどの方法でおこなえばよい。
また基材がチタン金属やチタン合金の場合は、アルカリ金属イオンを含有する水溶液に該基材を浸漬して、その後、水洗、乾燥さらには熱処理を施すことで、アルカリチタネートを含有する皮膜形成処理をおこなえばよい(詳細は特許第2775523号公報を参照)。
本発明でいうアパタイト層は、生体骨のアパタイトと構造、組成が類似のアパタイトがミクロンオーダーで基材表面に形成されているアパタイト層が望ましい。
このようなアパタイト層は、基材の表面に直接形成されていてもよく、また基材とアパタイト層の結合を強固にするために、さらには基材表面でのアパタイトの形成を促進するために中間層が設けられていてもよい。
そのような中間層としては、例えば、基材の表面が体液と接触することによって、生体活性なアパタイトの核形成を誘起する酸化チタン中間層が挙げられる。
基材表面に、該酸化チタンからなる中間層を形成し、その表面にアパタイト層を形成する方法としては、例えば次のように行えばよい。
先ず、基材表面にチタニアゲルによるチタニア層を形成した後、温水あるいは酸水溶液に一定時間浸漬することによって、該チタニア層を生体活性なアパタイトの核形成を誘起する酸化チタン中間層に変換する。
基材表面に、チタニアゲルによるチタニア層を形成するためには、例えば、基材をアルコキシチタンを含有する溶液と接触させればよく、この場合のアルコキシチタンは、化学式TiR´n(OR)4-nで表され、式中のRとR´はアルキル基、nは0あるいは1〜3の整数であるものを含むものである。RとR´は、同一または異なるアルキル基であってもよく、さらにRとR´がそれぞれ複数の場合、それぞれが同一または異なるアルキル基の構成であってもよい。そのようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。さらに、式中のRの一部が水素または炭素数2〜10のアルケニル基であってもよく、アルケニル基の例としては、ビニル基、イソプロペニル基、ブタジエニル基、2−メチルアリル基などが挙げられる。式中のR´で示される置換基は、その分子内にエポキシ基またはグリシジル基を含んでいてもよい。
アルコキシチタンの好ましい具体例としては、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタンなどが挙げられる。また、これらアルコキシチタンを主にして2種類以上の前述アルコキシチタンの混合系であってもよい。
溶液の溶媒としては、アルコキシチタンを溶解しうる溶媒であればいずれでもよく、水とアルコールの混合溶媒が取り扱う上で好ましい。アルコールとしては、乾燥による除去が容易な比較的低沸点のものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。また該溶媒には、チタニア層の形成を促進するために塩酸や硝酸などの酸を添加してもよい。
アルコキシチタンを含有する溶液において、アルコキシチタンの含有量が高くなると溶液が粘稠となり、基材内部への溶液の浸透が難しくなると同時に、基材表面に形成される酸化チタンの中間層に厚み斑が生じる。またアルコキシチタンの含有量が低すぎると、酸化チタンの中間層は希薄で緻密性に乏しくなるので、溶液中の水の量は、アルコキシシラン1モルに対して1〜4.5モル、アルコールの量は5〜40モルの範囲が好ましい。
本発明において基材を前述の溶液に接触させる方法としては、少なくとも該基材表面に酸化チタンからなる中間層が形成されればいかなる方法で接触させてもよいが、例えば、アルコキシチタンを含有する溶液中に基材を浸漬し、一定速度で引き上げて風乾後に、加熱処理する方法が採用できる。
基材の浸漬時間は、アルコキシチタンを含有する溶液が基材に十分浸透しさえすれば特に時間に制限はなく、数秒から48時間、好ましくは数分から24時間の範囲で行えばよい。また溶液の基材への浸透性を高めるために、浸漬液に一時的な超音波処理を施すことや脱気操作を加えても良い。
基材の浸漬温度は、アルコキシチタンを含有する溶液が基材に浸透しやすい粘稠度を保持しうる温度であればよく、0℃から37℃の範囲で行うのが好ましい。また加熱処理の温度と時間は、基材を構成する有機高分子によって異なるが、通常100℃以下で数時間から48時間の範囲で行えばよい。
次に、基材表面に形成されたチタニア層は、温水あるいは酸水溶液によって処理する。ここで用いられる温水の温度は、低いほど、生体活性なアパタイト形成能を有する酸化チタン層への変換効率が悪くなるので、生体活性材料に実質的な悪影響がない範囲で高いのが好ましい。具体的には、40℃〜100℃、好ましくは55℃〜100℃、さらに好ましくは 60℃〜 100℃である。
酸水溶液としては、0.01モル濃度〜2モル濃度の塩酸や硝酸などが好ましく、加温された状態で使用しても良い。
これらの温水あるいは酸水溶液によって処理する方法としては、基材をそれらに浸漬するだけでよく、浸漬期間は1時間〜1ヶ月の範囲で適宜選択すればよい。
このような操作によって、チタニア層が、体液との接触によって生体活性なアパタイトの核形成を誘起する酸化チタンからなる中間層に変換される。
本発明においては、基材表面に生体活性なアパタイト層を形成するためには、前述の処理により基材表面に酸化チタンからなる中間層が形成された後、次いで、カルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液と接触させることが必要である。
この場合、カルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液中のそれぞれのイオン濃度は、アパタイトに対して過飽和な濃度であることがアパタイトの形成を促進する上で好ましく、また該水溶液のpHは、生体活性なアパタイトを形成するために体液に類似したpHが好ましい。
このようなカルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液としては、ヒトの体液にほぼ等しい無機イオン濃度とpHを有する擬似体液が好ましく、例えば、J.Biomed.
Mater.Res.24、721−734(1990)に示されているものなどが挙げられる。
基材を上記の水溶液に接触させる方法としては、少なくとも該基材表面の酸化チタン中間層の上にアパタイト層が形成されればいかなる方法で接触させてもよいが、例えば、カルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液に基材を浸漬する方法が採用できる。この場合、浸漬時間は6時間から1週間、浸漬温度は生体温度に近い36.5℃が好ましい。
基材表面に直接アパタイト層を形成する方法としては、例えば、チタン金属やチタン合金よりなる基材の表面をアルカリ溶液にて処理した後、加熱処理し、次いで前述の擬似体液に浸漬するというJ.Biomed.Mater.Res.32、409-417(1996)や特許第2775523号公報に記載されている方法が挙げられる。
基材表面における生体活性なアパタイト被覆層の形成確認は、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)によって行うことができる。
本発明においては、基材表面に直接に、あるいは酸化チタンの中間層を介して形成されたアパタイト層の表面がさらに体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分により被覆されていることが必要である。
本発明において、体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分からなる被覆は、後の乾燥工程においてアパタイト層に亀裂が生じるのを防ぐ役割を果たしている。
ここで、体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分として、好ましくは水溶性化合物が挙げられる。本発明でいう水溶性化合物は、アパタイトの生体活性に何ら影響を及ぼすことなく、体液との接触によって速やかに溶解して取り除かれるか、あるいはアパタイト層から遊離し、容易に生体内で基材表面のアパタイト層を露出しうる水溶性化合物であれば、何れの水溶性化合物でもよい。そのような水溶性化合物としては、例えばゼラチン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニールピロリドン、ポリグルタミン酸、糖類などが挙げられ、それらを単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
糖類としては、例えばグルコースなどの単糖類、スクロース、マルトース、トレハロースなどのオリゴ糖類、さらにはセルロース、アルギン酸、キチン、キトサン、カラギーナンなどの多糖類およびそれら誘導体などが挙げられ、中でも水溶性の高い糖質化合物が好ましい。そのような糖質化合物としては、グルコースなどの単糖類、スクロース、マルトース、トレハロースなどのオリゴ糖類、キトサン、カルボキシメチルキチン、アルギン酸などの多糖類が挙げられる。それらは単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することもでき、単糖類と多糖類、あるいは、二糖類と多糖類の組合せがさらに好ましい。
具体的には、単糖類としてはグルコース、マンノース、ラクトース、二糖類としてはマルトース、スクロース、トレハロース、多糖類としてはカルボキシメチルキチン、アルギン酸のような成分が良好に用いられる。
本発明の生体活性材料においては、体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分からなる被膜は、数nmから数百μmであり、好ましくは、10nmから100μmであり、最も好ましくは10nmから50μmである。
基材表面に形成されたアパタイト層に体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分を被覆する方法としては、該基材を上記の水溶性化合物が溶解した水溶液に浸漬する方法、水溶性化合物を含む水溶液をアパタイト層に噴霧する方法など、基材表面に形成されたアパタイト層が形態的変化を伴わない方法であれば何れの方法を採用しても良く、また必要であれば適宜それらの方法を繰り返すことも、また組み合わせて行うこともできる。
例えば、アパタイト層が形成された基材を上記の糖類が溶解した溶液に浸漬する場合、基材やアパタイト、糖類が安定な温度範囲であれば特に制限はない。また浸漬時間についてもアパタイト層に糖溶液が均一に含浸することができれば特に制限は無く、数秒から数時間の範囲でおこなえばよい。糖溶液の濃度は、溶液を取り扱う上で支障がない粘稠度を有する濃度範囲であれば良く、0.05質量%から15質量%の濃度範囲が好ましく、0.2質量%から5質量%の濃度範囲がさらに好ましい。
その後、乾燥することにより本発明の生体活性材料を得ることができる。乾燥工程は、例えば、アパタイト層が形成された基材を上記の糖溶液から取り出し、室温下で十分に風乾した後、最後に減圧乾燥をおこなえばよい。
該基材を糖溶液から取り出す場合は、被膜の厚み斑を少なくするために、できるだけゆっくりした一定の速度で引き上げるのがよく、例えば1分間に1cm程度の引き上げ速度でおこなうのが好ましい。さらに取り出した該基材を室温下で乾燥する場合は、十分に乾燥するまでの間、被覆溶液が該基材表面にできるだけ均一に分布した状態を維持するのが好ましく、そのような状態を維持するには、例えば一定の速度で該基材を回転させながら乾燥する方法でおこなえばよい。
本発明の生体活性材料は、アパタイト層が糖類などの水溶性化合物からなる被膜により覆われた状態となっているが、本材料を生体に適用した際には、体液と接触することにより被膜を形成している水溶性化合物がアパタイト層から速やかに溶解して取り除かれるか、あるいは被膜がアパタイト層から遊離することで、材料表面にはアパタイト層が露出することになり、生体活性材料が本来有する生体活性作用は何ら抑制されることはない。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
〔生体活性材料の作製〕
ニッティングエレメントを改良した6ゲージの2列針床を有する経編機を用いて、表1に示すチェーンリンクの組織により、上面の地組織(L1,L2筬)と連結糸(L3,L4筬)には、677テ゛シテックスのポリエステルモノフィラメントを、下面の地組織(L5,L6筬)には、鞘成分は融点160℃の共重合ポリエステル、芯成分は融点256℃のポリエステルからなる芯鞘型複合繊維(550テ゛シテックス/48フィラメント)を使用して立体編物を編成した。次いで形態を整えるために180℃、2分間、乾熱処理をおこなった。
該編物は、テトライソプロピルチタン酸/蒸留水/硝酸/エタノールの混合モル比が1.0/1.0/0.10/10.0のチタニアゾル溶液160mlに25℃で24時間浸漬した。その後、該試料を10mm/minの速度で引き上げ、風乾後、100℃で24時間熱処理をおこなって基材表面にチタニア層を形成した。
次に、該基材を1N塩酸溶液200mlに80℃で10日間浸漬後、蒸留水で洗浄し、次いで表2に示した組成の擬似体液(pH7.40)120mlに36.5℃で2日間浸漬した。その後、蒸留水で洗浄して基材表面にアパタイト層を形成した。
次に、取出した基材を乾燥することなく、1質量%グルコースと2質量%カルボキシメチルキチン(甲陽ケミカル株式会社製、商品名:CM−キチン)を含む水溶液に、室温で30分間浸漬して後取り出し、風乾後、減圧乾燥をおこなって、糖類がアパタイト層の表面に被覆された生体活性材料を得た。得られた生体活性材料表面のSEM観察結果を図1に示すが、アパタイト層に微小なクラックの発生は認められなかった。
〔体液への適用試験〕
上記のようにして得られた生体活性材料を擬似体液に所定時間浸漬したのち、その表面構造をFT-IR ATR測定ならびにSEM観察をおこない、糖類からなる表面被覆層の溶出挙動を調べた。
基材表面のIRスペクトル結果(図2)によると、糖類を被覆する前後のIRスペクトル(a、b)は大きく異なり、例えば1700cm-1付近の大きな吸収の出現は、CM-キチンで被覆されていることを示しているが、擬似体液に12時間浸漬された試料のIRスペクトル(c)では消失しており、被覆された糖類は溶出していることを示した。さらに擬似体液浸漬期間が長くなると、1000−1100cm-1あたりの吸収が相対的に増大し、基材表面におけるアパタイトの新たな形成が示唆された。またSEM観察の結果からは、擬似体液に12時間浸漬後の基材表面は、アパタイト層が露出していることが確認された(図3)。
比較例1
実施例1においてアパタイト層が表面に形成された基材を糖液に浸漬しない以外は、全て同様の工程により試料を作製した。得られた試料を風乾後、減圧乾燥をして、表面をSEM観察した結果、アパタイト層は微小なクラックの発生が広範囲に認められた(図4)。
実施例1で得られた生体活性材料の表面について、糖類で被覆されたアパタイト層の状態を示す電界放出型走査電子顕微鏡写真(FE−SEM)である。 実施例1で得られた生体活性材料を擬似体液に浸漬した後、被覆糖類の溶出挙動を示すFT−IR ATRスペクトルである。
(a)表面にアパタイト層を有する基材
(b)アパタイト層の外表面が糖類で被覆された実施例1の生体活性材料
(c)実施例1の生体活性材料を擬似体液に12時間浸漬後
(d)実施例1の生体活性材料を擬似体液に3.5日間浸漬後
実施例1で得られた生体活性材料を擬似体液に12時間浸漬した後、材料表面のアパタイト層の状態を示す電界放出型走査電子顕微鏡写真(FE−SEM)である。 比較例1で得られた生体活性材料の表面について、アパタイト層の状態を示す電界放出型走査電子顕微鏡写真(FE−SEM)である。

Claims (4)

  1. 基材の表面にアパタイト層が形成され、さらに該アパタイト層の表面が、体液溶解性を有する成分又は体液との接触により該アパタイト層から遊離し得る成分により被覆されていることを特徴とする生体活性材料。
  2. 基材の表面に、酸化チタンからなる中間層を介してアパタイト層が形成されている請求項1記載の生体活性材料。
  3. 体液溶解性を有する成分又は体液との接触によりアパタイト層から遊離し得る成分が、水溶性化合物である請求項1又は2記載の生体活性材料。
  4. 基材の表面にチタニア層を形成した後、温水あるいは酸水溶液で処理をすることにより該チタニア層を生体活性なアパタイト形成能を有する酸化チタンからなる中間層に変換し、次いでカルシウムイオンとリン酸イオンを含有する水溶液と接触させて該中間層の表面に生体活性なアパタイト被覆層を形成し、さらに該アパタイト層の表面を、体液溶解性を有する成分又は体液と接触して該アパタイト層から遊離し得る成分で被覆することを特徴とする生体活性材料の製造方法。
JP2004265487A 2004-09-13 2004-09-13 生体活性材料及びその製造方法 Withdrawn JP2006075500A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004265487A JP2006075500A (ja) 2004-09-13 2004-09-13 生体活性材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004265487A JP2006075500A (ja) 2004-09-13 2004-09-13 生体活性材料及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006075500A true JP2006075500A (ja) 2006-03-23

Family

ID=36155429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004265487A Withdrawn JP2006075500A (ja) 2004-09-13 2004-09-13 生体活性材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006075500A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008143219A1 (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 National University Corporation Okayama University 生体親和性インプラントの製造方法
JP2009018086A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 繊維芽細胞成長因子徐放性生体材料
WO2014027612A1 (ja) * 2012-08-16 2014-02-20 学校法人中部大学 骨修復材料及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6257548A (ja) * 1985-05-20 1987-03-13 住友化学工業株式会社 骨内インプラントの製造方法
JPS6434372A (en) * 1987-07-31 1989-02-03 Toa Nenryo Kogyo Kk Filler for bone depleted part and void part
JP2002325834A (ja) * 2001-05-02 2002-11-12 Japan Science & Technology Corp 人工骨に好適な高分子材料
JP2005230243A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Unitika Ltd 生体活性材料及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6257548A (ja) * 1985-05-20 1987-03-13 住友化学工業株式会社 骨内インプラントの製造方法
JPS6434372A (en) * 1987-07-31 1989-02-03 Toa Nenryo Kogyo Kk Filler for bone depleted part and void part
JP2002325834A (ja) * 2001-05-02 2002-11-12 Japan Science & Technology Corp 人工骨に好適な高分子材料
JP2005230243A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Unitika Ltd 生体活性材料及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008143219A1 (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 National University Corporation Okayama University 生体親和性インプラントの製造方法
JP5360660B2 (ja) * 2007-05-18 2013-12-04 国立大学法人 岡山大学 生体親和性インプラントの製造方法
JP2009018086A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 繊維芽細胞成長因子徐放性生体材料
WO2014027612A1 (ja) * 2012-08-16 2014-02-20 学校法人中部大学 骨修復材料及びその製造方法
JPWO2014027612A1 (ja) * 2012-08-16 2016-07-25 学校法人中部大学 骨修復材料及びその製造方法
JP2017144342A (ja) * 2012-08-16 2017-08-24 学校法人中部大学 骨修復材料及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kurakula et al. Moving polyvinyl pyrrolidone electrospun nanofibers and bioprinted scaffolds toward multidisciplinary biomedical applications
Klemm et al. Nanocellulose materials–different cellulose, different functionality
Pham et al. Electrospinning of polymeric nanofibers for tissue engineering applications: a review
Yang et al. Development of an electrospun nano-apatite/PCL composite membrane for GTR/GBR application
Thuaksuban et al. Biodegradable polycaprolactone-chitosan three-dimensional scaffolds fabricated by melt stretching and multilayer deposition for bone tissue engineering: assessment of the physical properties and cellular response
Erol‐Taygun et al. Bioactıve glass‐polymer nanocomposites for bone tıssue regeneration applicatıons: a revıew
Sindhu et al. Medical applications of cellulose and its derivatives: present and future
JPH11504341A (ja) 移植用生体内分解性遮蔽膜および製造方法
Cai et al. Synthesis and antimicrobial activity of mesoporous hydroxylapatite/zinc oxide nanofibers
Wang et al. Applications of calcium phosphate nanoparticles in porous hard tissue engineering scaffolds
WO2024025978A2 (en) Novel electrospun synthetic membranes for soft tissue repair applications
Mallakpour et al. Current achievements in 3D bioprinting technology of chitosan and its hybrids
Pattanayak et al. Advancing strategies towards the development of tissue engineering scaffolds: a review
KR100464930B1 (ko) 조직재생 유도용 차폐막 및 그의 제조방법
JP2006075500A (ja) 生体活性材料及びその製造方法
CN110869065B (zh) 包含硅酸钙的结缔组织例如骨、牙本质或牙髓再生材料
CN114081999A (zh) 一种复合神经导管及其制备方法
Paul et al. Nanohydroxyapatite‐Based Composite Materials and Processing
Liu et al. Recent progress in the synthesis and biomedical properties of natural biopolymer composites
Mokhena et al. Electrospun PCL‐Based Materials for Health‐Care Applications: An Overview
CN112675363A (zh) 用于骨组织工程的3d聚乳酸支架及其制备方法
Qi et al. The Synergetic Effect of 3D Printing and Electrospinning Techniques in the Fabrication of Bone Scaffolds
JP2004160157A (ja) 骨修復材料およびその製造方法
WO2010101242A1 (ja) 非多孔質体及びその製造方法
Miyazaki et al. Apatite mineralization behavior on polyglutamic acid hydrogels in aqueous condition: effects of molecular weight

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070821

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101124

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110203