JP2006075094A - スープ類の供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スープ類の供給装置において、レードル内に具糟や抽出物等が堆積されるのを防止し、スープ類の具とスープ液を常に所定の割合ですくい上げて食器に小分けする。
【解決手段】 スープ類を収容する容器5と、スープ類を汲み上げる柄杓部11と、柄杓部11を一端に備えたリンク機構部8と、リンク機構部8を容器5内に回動自在に支持するリンク部支持手段6と、リンク機構部8を回動する駆動手段26と、駆動手段26を制御する駆動制御部67とを備え、容器5内のリンク機構部8が回動してその柄杓部11がスープ類を汲み上げて食器16等に小分けするスープ類の供給装置において、柄杓部11はスープ類を汲み上げる汲み口11aを一方に備え、駆動制御部67はリンク機構部8を容器5内において往復回動しスープ類を攪拌するとき、柄杓部11が汲み口11aを下方に向けて一旦はそのスープ類の液面上方に回動するように駆動手段26を制御する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、容器内に収容されるシチュー、スープ、カレー、味噌汁等のスープ類を所定の量に小分けして顧客に提供するスープ類の供給装置に関するものである。
従来のこのようなスープ類の供給装置としては、特許第3449554号公報に記載されたものが知られている。このスープ類の供給装置は、容器に収容された具入りスープ類を所定の量に小分けして食器に分配する装置であって、開口部を設けてスープ類を収容する容器と、所定の駆動力によって回転する回転軸と、この回転軸に取付けられ容器内を回動する伸縮自在なリンク機構部と、リンク機構部の先端に取付けられ、容器の開口部側に汲出口(汲み口)を有するレードル(柄杓部)と、回転軸の回転と連動してレードルが容器の開口部に到達した場合に、レードルを傾斜させるレードル傾斜手段とを備え、スープ類の入った容器内のレードルが回転軸と連動して開口部側に回転することによって、レードル内にスープ類が収容され、レードルが容器の開口部に到達した場合にレードル傾斜手段によりレードルが傾斜して、容器内のスープ類が食器に吐出されるものである。このようにして、顧客に所定量づつ小分けしてスープ類が提供される。
また、この装置は、スープ類を容器に収容して保温する場合に、リンク機構部が所定の角度の範囲で遥動運動し、その先端に設けられたレードルが容器内を回動することによって容器内のスープ類が攪拌されるように構成されている。
また、このレードルは、汲出口からスープ類をその内部に収容する場合に、スープ液を通過させ、具とスープ液とを分離して収容させる分離手段(例えば、仕切りネット)を内部に備えるので、具とスープ液を所定の割合ですくい上げて容器内のスープ類を食器に小分けすることができる。
特許第3449554号公報
ところで、この従来のスープ類の供給装置に収容されるスープ類は、レードルに配備された分離手段によって分離可能な具の他に、この分離手段を通過してしまう微細な具糟や抽出物を含む場合がある。そして、このようなスープ類が収容された容器内をレードルがその汲出口の方向に回動する場合、その微細な具糟や抽出物は、汲出口から分離手段を通過してレードルの奥部に侵入する。さらに、一旦レードルの奥部に侵入したこの具糟や抽出物は、分離手段によってその逆方向の流動が阻まれて汲出口側に排出され難い状態に置かれる。このため、容器内のスープ類の攪拌動作が多くなり、レードルが容器内を回動する回数が多くなると、レードルの奥部にこのスープ類に混在する具糟や抽出物が堆積する。そうすると、スープ液を収容すべきレードルの奥部が狭くなるから、レードル内にスープ類を収容して食器に小分けする場合に、スープ液の量が相対的に少なくなって、具とスープ液を所定の割合ですくい上げることができなくなる。また、これを防止するためには、レードル内をこまめに清掃するなどして、これらの堆積物を取り除く必要があるので、装置の取り扱いが煩雑となる。
本発明は、このような問題を解決するため、装置に収容されるスープ類が、通常の具の他に微細な具糟や抽出物を混在する場合であっても、レードルの内部にこの具糟や抽出物が堆積されるのを防止し、レードルによって容器内のスープ類をすくい上げるとき、具とスープ液を常に所定の割合ですくい上げて食器に小分けすることができるスープ類の供給装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、開口を設けたスープ類を収容する容器と、前記容器内のスープ類を汲み上げる柄杓部と、前記柄杓部を一端に備えたリンク機構部と、前記リンク機構部を前記容器内に回動自在に支持するリンク部支持手段と、前記リンク機構部を回動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御部とを備え、前記容器内に支持された前記リンク機構部が回動することにより、その一端の前記柄杓部がスープ類を汲み上げて前記開口を介してこれを食器等に小分けするスープ類の供給装置において、前記柄杓部は前記容器内のスープ類を汲み上げる汲み口を一方に備え、前記駆動制御部は、前記リンク機構部を前記容器内において往復回動してその内部に収容するスープ類を攪拌するとき、その一端に備えた前記柄杓部が前記汲み口を下方に向けて一旦はそのスープ類の液面上方に回動するように前記駆動手段を制御するするものである。これによれば、前記柄杓部がその汲み口を下方に向けて前記スープ類の液面上方に一旦位置することにより、前記スープ類の攪拌中に前記柄杓部内の奥に堆積した具糟や抽出物を吐出して前記容器内のスープ類に戻すことができる。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のスープ類の供給装置において、前記駆動制御部は、前記リンク機構部を前記容器内において往復回動してその内部に収容するスープ類を攪拌するとき、前記柄杓部がその汲み口を下方に向けてスープ類の液面上方に回動する頻度を、前記スープ類の種類に応じて可変とするものである。これによれば、前記スープ類が具糟や抽出物をより多く含む種類であるほど、前記柄杓部がその汲み口を下方に向けてスープ類の液面上方に回動する頻度を高くすることで、前記柄杓部の奥に前記具糟や抽出物等を体積し難くすることができる。
請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載のスープ類の供給装置において、前記駆動制御部は、前記柄杓部がその汲み口を下方に向けて前記スープ類の液面上方に回動したとき、その回動を一時停止させるとともに、その一時停止する時間を前記スープ類の種類に応じて可変とするものである。これによれば、例えば前記スープ類のとろみが多くスープ液の粘性が高い種類であるほどに、前記柄杓部の一時停止する時間をより長くすることで、前記柄杓部の奥に体積した具糟や抽出物等を確実にその内部から吐出させることができる。
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、柄杓部がその汲み口を下方に向けてスープ類の液面上方に一旦位置することにより、スープ類の攪拌中に柄杓部内の奥に堆積した具糟や抽出物を吐出して容器内のスープ類に戻すことができるから、柄杓部の内部にこれらの具糟や抽出物が堆積されるのを防止し、柄杓部によって容器内のこのスープ類をすくい上げて食器等に小分けするとき、具とスープ液を常に一定の割合ですくい上げて小分けすることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の発明において、スープ類が具糟や抽出物をより多く含む種類であるほど、柄杓部がその汲み口を下方に向けてスープ類の液面上方に回動する頻度を高くすることで、柄杓部の奥に具糟や抽出物等を体積し難くすることができるから、スープ類の種類に関わらず、柄杓部の内部に具糟や抽出物等が堆積するのを確実に防止し、具とスープ液を常に一定の割合ですくい上げて小分けすることができる。
また、請求項3に係る発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明において、例えば、スープ類のとろみが多くスープ液の粘性が高い種類であるほどに、柄杓部の一時停止する時間をより長くすることで、柄杓部の奥に体積した具糟や抽出物等を確実にその内部から吐出させることができるから、柄杓部の内部に具糟や抽出物等が堆積するのを確実に防止し、具とスープ液を常に一定の割合ですくい上げて小分けすることができる。
本発明の実施形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態のスープ類の供給装置を示す外観斜視図、図2は本発明の実施形態のスープ類の供給装置の内部構造を示す正面断面図、図3は本発明の実施形態のスープ類の供給装置の内部構造を示す側面断面図、図4は本発明の実施形態のスープ類の供給装置において、本体部上部の開口を覆う上蓋部を上方に回動して開いた状態を示す斜視図、図5は本発明の実施形態のスープ類の供給装置のリンク機構部、及び容器の構成を示す斜視図である。
また、図6は、本発明の実施形態のスープ類の供給装置において、容器に収容されたスープ類を食器等に子分けする場合の、容器内のリンク機構部、ホッパー等の動作状態を順に示す側面断面図で、(a)は容器内のリンク機構部が、待機状態からレードルの開口(汲み口)方向の所定の位置まで回動した状態、(b)は容器内のリンク機構部がレードルの開口と反対方向の所定の位置まで回動した状態、(c)は容器内のリンク機構部が再びレードルの開口の方向に回動し、レードルがホッパーの広口に挿入される状態、(d)はレードルがホッパー内に挿入されて、容器の開口を越えて外側に回動し、レードル内のスープ類がホッパーの筒口から食器に吐出される状態、をそれぞれ示すものである。
図1ないし図4に示すように、このスープ類の供給装置は、スープ類を収容する容器5を保持する本体部1と、本体部1の上部を開閉自在に覆う上蓋部2と、本体部1の前方に配設され、スープ類を小分けする食器16を載置する食器置部3等を備えている。
本体部1は、スープ類を収容する容器5を保持する容器保持部21を2個所備え、容器保持部21の底部には、容器5に収容されるスープ類を加熱、保温するため誘導加熱コイル61や、容器5の温度を計測する容器温度センサ62等から成る加温装置22がそれぞれ設けられている。また、容器保持部21の前部には容器5を着脱するための切欠部21aがそれぞれ設けられている。そして、本体部1は、この切欠部21aを覆う前面カバー23を着脱自在に備えている。
また、上蓋部2は、本体部1の容器保持部21に保持された容器5の上方を覆うカバー部25と、カバー部25の上部に配設され、容器5内のスープ類を汲み出すレードル(柄杓部)11を駆動する駆動モータ28等からなる駆動装置(駆動手段)26と、駆動装置26の手前に前方に向かって配置され、スープ類の小分け動作を開始させる小分開始スイッチ32やスープ類の保温温度等を設定する設定ボタン33等が設けられたコントロールパネル31等から構成されている。また、上蓋部2は、その後部に設けられた支軸35によって、上下方向に回動自在に本体部1と連結されている。そして、上蓋部2を上方に回動して、本体部1の上部を開き、容器保持部21の切欠部21aを覆う前面カバー23を取り外す(図4参照)ことにより、スープ類を収容する容器5を本体部1の前方から容器保持部21に容易に着脱することができる。尚、容器5は持ち運びのための把持部7を備える。
また、食器置部3は、食器16を載置する載置台17と、スープ類を食器16に小分けする場合にこぼれたスープ類を回収して溜めるスープ回収樋18を有している。そして、食器置部3は、フック部19により本体部1の前方に着脱自在に係止されている。
スープ類を収容する容器5は、側視形状が略半円状に形成され、その円弧部に沿って底面部5bが形成され、その弦部に開口5aが形成されている。(図5参照)そして、底面部5bの上端部内側には開口5aを介して外側に回動するホッパ40が軸支されている。また、底面部5bは半円状の曲面で形成され、その左右の両側には側面部5cが形成されている。
また、ホッパ40は、容器5に支軸41によって回動自在に軸支され、レードル11が挿入される後述の広口40aとレードル11が汲み上げたスープ類を食器16に吐出する筒口40bを備えている。(図6参照)
容器5内に配設されるリンク機構部8は、図5に示されるように、回転軸9と、この回転軸9に直交して設けられた一対の矩形片10aからなる回転アーム部材10と、この回転アーム部材10の先部に回動自在に軸支された遥動アーム部材12と、この遥動アーム部材12の端部に連結板37を介して回動自在に軸支されるレードル11等から構成されている。
回転軸9に設けられて回転アーム部材10を成す一対の矩形片10aの先端には、遥動アーム部材12を軸支するための係止ピン14a、14bが突設されている。また遥動アーム部材12は係止ピン14a、14bを嵌入するためのピン穴51a、51bが設けられ、その端部にレードル11を連結するための連結穴52a、52bが形成されている。また、レードル11の上部には遥動アーム部材12の連結穴52a、52bに嵌入される連結ピン36a、36bを備えた連結板37が設けられている。
また、このリンク機構部8は、回転軸9の両端を容器5の側面部5cに設けられたU字状の溝部(リンク部支持手段)6に回転自在に、且つ着脱自在に支持され、容器5内を回動自在である。さらに、回転軸9の一端には、上蓋部2に配設される駆動装置26と連結されて、リンク機構部8を前後に回動するための平板状の連結板24が設けられている。そして、この連結板24は、後述する駆動装置26の駆動連結ピン30aと係合するための溝部24aを有している。
レードル11は、図6の(a)に示すように、一方に開口(汲み口)11aを設けて袋状に形成され、その内部にスープ類を汲み上げるスープ収容部11bが設けられている。さらに、このスープ収容部11bには、それを開口11a側と奥側に仕切る仕切板38が備えられている。また、レードル11の底部には容器5の底面部5bに当接するスクレイパー39が備えられている。スクレイパー39は、その底部が容器5の底面部5bに沿うように形成され、リンク機構部8が容器5内を回動するとき、その底部が容器5の底面部5bと幅広く接して、この底面部5b上を摺動する。
ここで、仕切板38は、スープ類に含まれる所定形状の具は通さず、スープ液のみを通す図示しないスリットが形成されている。また、この仕切板38は、上部を支軸45により軸支され開口11a側に回動自在に構成されるとともに、スープ収容部11bの奥側に自重により回動付勢されて仕切位置に保持されている。そして、このような仕切板38を有するレードル11は、容器5内をホッパ40に向かって回動するとき、スープ収容部11bの仕切板38の開口11a側にスープ類に混在する具を収容し、その奥側にスープ液を収容して、スープ類の具とスープ液の比率を一定にしてスープ類を汲み上げる。
上蓋部2に設けられる駆動装置26は、図3に示されるように、駆動モータ28と、駆動モータ28の回転軸28aに固着された駆動アーム27と、駆動アーム27の先端に一端を回動自在に軸支された駆動リンク片30と、駆動リンク片30の長手方向に沿って設けられた長穴30bに係合する案内支軸29と、駆動リンク片30の他端に設けられリンク機構部8の連結板24に設けられる溝部24aと係合する駆動連結ピン30a等から構成されている。このように構成される駆動装置26は、駆動モータ28が通電されると、その回転軸28aとともに駆動アーム27が回転し、その先端に軸支された駆動リンク片30がその長穴30bに係合する案内支軸29に案内されながら遥動する。さらに、駆動リンク片30の他端に設けられた駆動連結ピン30aにより、これと係合するリンク機構部8の連結板24が回転軸9を回動して、リンク機構部8が回動する。このようにして、リンク機構部8は駆動モータ28の回転によって回動される。
また、図8の制御ブロック図に示すように、このスープ類の供給装置はその動作を制御する制御手段60を備えている。ここで、主制御部65は、このスープ類の供給装置の制御を統括するものである。加熱制御部66は、容器温度センサ62により計測される容器5の温度に基づいて誘導加熱コイル61に供給される電流を制御し、容器5内に収容されるスープ類の加熱や保温等を行う。
駆動モータ制御部(駆動制御部)67は、容器5内をレードル11によって攪拌する場合や、容器5内のスープ類をレードル11によって小分けして食器等に取り分ける場合に、レードル11を駆動する駆動モータ28を制御する。
入出力制御部68は、小分け開始スイッチ32や設定ボタン33によって入力されるデータを主制御部65に伝送し、主制御部65はこれに基づいて駆動モータ制御部67を介して容器5内のスープ類をレードル11により食器16に小分けする動作を開始し、あるいは加熱制御部66を介して容器5内に収容されるスープ類の保温温度を設定して加熱を開始する。また、装置の故障や、容器5内のスープ類が無くなった場合は表示器34にその内容を表示するなどして、管理者に点検等を促すように構成されている。
また、RAM71は、設定ボタン33により入力されたスープ類の種類、保温温度、レードル11による小分け回数、および容器内のスープ類の残量などの揮発性データを記憶し、ROM72は、容器5内のスープ類の攪拌動作やスープ類の小分け動作を実行するための適宜なプログラム等の不揮発性データが記憶されている。
このように構成されるスープ類の供給装置において、容器5内にスープ類を収容し、これを食器16に小分けする場合の各部の作用および動作について説明する。
先ず、レードル11を装着したリンク機構部8を容器5内に入れる。そして、容器5にスープ類を注いで収容する。続いて、図4のように本体部1の上部の開口を閉塞する上蓋部2を上方に回動して開く。さらに本体部1に備えられた前面カバー23を取り外し、容器5を容器保持部21に装着する。そして、前面カバー23を本体部1に再び装着し、上蓋部2を下方に回動して本体部1の上部を閉塞する。このとき、上蓋部2に備えられた駆動装置26の駆動連結ピン30aをリンク機構部8の連結板24に設けられた溝部24aに係合させる。そして、コントロールパネル31の設定ボタン33によりスープ類の種類や保存温度等を設定する。そうすると、本実施の形態の容器5は、誘導加熱コイル61に高周波電流が供給され、金属素材からなる容器5に誘導電流が流れることによりジュール熱が発生し、内部に収容されたスープ類が加熱される。
また、容器5内に収容されるスープ類の温度が所定の温度に上昇すると、容器5内のスープ類はリンク機構部8のレードル11によって攪拌される。この場合の攪拌動作を、図9に示すフローチャートを一例に説明する。先ず、ステップ1(S1)で容器温度センサ62によって容器温度Tを計測する。ステップ2(S2)で、その容器温度Tが所定温度Tより高いか否かが判別される。
そして、容器温度Tが所定温度Tより高い場合は、ステップ3(S3)で上蓋部2に設けられた駆動装置26の駆動モータ28が通電され、リンク機構8が回動される。具体的には、駆動リンク片30を介してリンク機構部8とその先端のレードル11が、図3に示す待機位置から開口11aと反対方向の後方側に回動する。そして、後方側に例えば30度傾いた位置(図6(b)参照)まで回動すると、今度はリンク機構部8とともにレードル11がこれと逆方向の前方側(開口11aの方向)に回動する。そして、同様に前方側に30度傾いた位置まで回動すると、また、リンク機構部8とともにレードル11が前述の後方側に回動し、待機位置に戻る。そして、この動作を1サイクル行う毎に回動カウンタCがカウントアップされる。
なお、この場合にレードル11が前後方向に回動する範囲(傾斜角度)は、図3に示される容器保持部21の底部に設けられる誘導加熱コイル61の施設範囲に合わせて設定されることが望ましい。すなわち、これにより誘導加熱コイル61により加熱される容器5の被加熱部をレードル11の底部のスクレーパ39が確実に摺動するから、スープ類の焦げ付きを効果的に防止することができる。
また、容器温度Tが所定温度Tより低い場合は、リンク機構8は回動されない。すなわち、この場合のスープ類は、低温で焦げ付く虞がなくまたスープ液の粘性が高いため、その回動動作の効果が少ない。
次に、ステップ4(S4)でレードル11の回動カウンタCが所定回数Cに到達したか否かが判別される。そして、この回動カウンタCが所定回数Cに到達すると、ステップ5(S5)で、レードル11が、図7に示すように、今度は容器5内のスープ類の液面を越えてその上方に位置するように後方側に大きく回動する。そして、この状態でレードル11が停止し、レードル停止タイマーSTが起動される。なお、このときレードル11が容器5内のスープ類の液面を越えて回動する角度は、容器5内に収容されるスープ類の量に応じて可変としても良い。また、このとき回動カウンタCがクリアされる。さらに、ステップ6(S6)でこのレードル停止時間が所定の時間Sに到達すると、ステップ7(S7)でレードル11が再び前方に回動して待機状態に戻る。そして、攪拌休止タイマーRSが起動される。ステップ8(S8)で攪拌休止時間が所定時間S1に到達すると、ステップ1(S1)に戻り再びレードル11による攪拌動作が開始される。このようにして、容器5内に収容されるスープ類はレードル11により攪拌される。
ここで、レードル11がスープ類の液面を越えて後方に回動し、その開口11aを下方に向けてスープ収容部11b内のスープ類が吐出されるとき、レードル11のスープ収容部11bに侵入した具糟や抽出物は、スープ液とともに流出してその開口11aから吐出される。本実施の形態の場合、レードル11内に備えられた仕切板38は、支軸45により軸支され開口11a側に回動自在に構成されるから、レードル11がスープ類の液面を越えて後方に回動し、その開口11aを下方に向けてスープ収容部11b内のスープ類が吐出されるとき、開口11a側に回動する。したがって、容器5内に収容されるスープ類が、仕切板38のスリットを通過する微細な具糟や抽出物を混在し、これらの具糟や抽出物がスープ液とともにレードル11のスープ収容部11bの奥側に侵入した場合にも、レードル11内のスープ類が開口11aから吐出されるとき、具糟や抽出物がスープ液とともに奥側から開口11a側に流出して吐出される。
すなわち、このようにレードル11がその開口11aを下方に向けてスープ液の液面を越えて上方に回動しながら、容器5内のスープ類を攪拌する場合、レードル11のスープ収容部11bに具糟や抽出物等が堆積することがなく、その容積が狭くなることがないから、スープ類を汲み上げるとき、具とスープ液の比率を常に一定にすることができる。
ところで、ステップ4(S4)でレードル11の回動回数が所定回数Cに到達したか否かが判別され、ステップ8(S8)で攪拌休止時間が所定時間S1に到達したか否かが判別されるが、これらの所定回数Cおよび所定時間S1は、容器5内に収容されるスープ類の種類に応じて可変とすることが望ましい。すなわち、容器5内に収容されるスープ類が具糟や抽出物をより多く含む種類であるほどに、これらの所定回数Cおよび所定時間S1を小さく、そして短くすることにより、レードル11がその開口11aを下方に向けてスープ類の液面上方に回動する頻度を高くすることができるから、レードル11のスープ収容部11bに具糟や抽出物等を体積し難くすることができる。すなわち、スープ類の種類に関わらず、レードル11内部に具糟や抽出物等が堆積するのを確実に防止し、具とスープ液を常に一定の割合ですくい上げて小分けすることができる。
また、ステップ6(S6)でレードル11が容器5内のスープ類の液面を越えて後方側に大きく傾いた位置に停止し、このレードル停止時間が所定の時間Sに到達したか否かが判別されるが、このレードル11が停止する所定の時間Sもまた容器5内に収容されるスープ類の種類に応じて可変とすることが望ましい。これによれば、容器5内に収容されるスープ類のとろみが多くスープ液の粘性が高い種類であるほどに、レードル11を停止させる所定の時間Sを長くすることで、レードル11のスープ収容部11bに堆積した具糟や抽出物等を確実に吐出させることができる。したがって、レードル11内の具糟や抽出物等の堆積を確実に防止し、具とスープ液を常に一定の割合ですくい上げて小分けすることができる。
次に、食器置部3に食器16が置かれ、コントロールパネル31の小分開始スイッチ32が操作されると、スープ類の小分け動作が開始される。具体的には、駆動装置26の駆動モータ28が通電され、駆動リンク片30を介してリンク機構部8が、図3に示す待機状態からレードル11の開口11aの方向に回転する。そして、図6の(a)に示すように例えば前方側に約30度傾いた所定の位置まで回動すると、今度は、リンク機構部8がレードル11の開口11aと反対方向に回動する。この場合、レードル11は開口11aを斜め上方に向けながら移動するので、スープ類が開口11aからスープ収容部11bに容易に侵入する。そして、そのスープ液は仕切板38のスリットを介してその奥側のスープ収容部11bに収容される。
また、この場合に、レードル11の底部のスクレイパー39は容器5の底面部5bと摺接して、これに沿って円弧運動するので、底面部5bに蓄積された具が容器5のスープ液内に拡散される。
そして、図6の(b)に示すように例えば後方側に約30度傾いた所定の位置まで回動すると、今度は、再びリンク機構部8がレードル11の開口11aの方向に回動する。このとき、レードル11は、開口11aから仕切板38の手前のスープ収容部11bにスープ液中に拡散した具を集積しながら回動する。
さらに、回転が進むと、図6の(c)に示すように、レードル11は、容器5の円弧状の底面部5bから、それに続くように形成されたホッパー40の広口40aに挿入される。このとき、スープ収容部11bの仕切板38の開口11a側には具が、仕切板38の奥側にはスープ液がそれぞれ分離されて収容される。また、これにより、具とスープ液が常に所定の比率でレードル11内に収容される。
そして、さらにリンク機構8が回動すると、レードル11は、ホッパー40内に挿入されて、これと一体となって、ホッパー40を軸支する支軸41を中心に容器5の開口5aを越えてその外側に図6の(d)に示すように回動し、レードル11内のスープ類がホッパー40を介してその筒口40bから略一定の吐出状態で食器16に吐出される。そして、スープ収容部11bのスープ類が全て食器16に小分けされると、リンク機構部8が逆方向に回転され、再びレードル11が容器内に戻される。このような動作により、所定の量のスープ類が容器5から食器16に小分けされる。
尚、容器5の開口5aは、常時は容器カバー20によって覆われて閉塞されている。そして、容器カバー20は、レードル11がホッパー40内に挿入され、これと一体となって容器5の開口5aを超えてその外側に回動する場合に、これに押されて開かれる吐出口扉20aを備えている。
なお、本発明は、言うまでもなく本実施の形態の示す装置のみに限定されず、本発明の趣旨の包含する範囲で応用変更が可能である。
本発明の実施形態のスープ類の供給装置を示す外観斜視図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置の内部構造を示す正面断面図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置の内部構造を示す側面断面図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置において、本体部上部の開口を覆う上蓋部を上方に回動して開いた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置のリンク機構部、及び容器の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置において、容器に収容されたスープ類を食器等に子分けする場合の、容器内のリンク機構部、ホッパー等の動作状態を順に示す側面断面図で、(a)は容器内のリンク機構部が、待機状態からレードルの開口(汲み口)方向の所定の位置まで回動した状態、(b)は容器内のリンク機構部がレードルの開口と反対方向の所定の位置まで回動した状態、(c)は容器内のリンク機構部が再びレードルの開口の方向に回動し、レードルがホッパーの広口に挿入される状態、(d)はレードルがホッパー内に挿入されて、容器の開口を越えて外側に回動し、レードル内のスープ類がホッパーの筒口から食器に吐出される状態、をそれぞれ示すものである。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置において、リンク機構部がレードルの開口と反対方向に回動し、レードルがその開口を下方に向けてスープ類の液面を超えた位置に停止した状態を示す側面断面図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置の制御構成を示す制御ブロック図である。 本発明の実施形態のスープ類の供給装置において、容器内のスープ類を攪拌する動作を順に示すフローチャートである。
符号の説明
1 本体部
2 上蓋部
3 食器置部
5 容器
5a 開口
6 U字状の溝部(リンク部支持手段)
8 リンク機構部
11 レードル(柄杓部)
11a 開口(汲み口)
16 食器
26 駆動装置(駆動手段)
31 コントロールパネル
65 主制御部
67 駆動モータ制御部(駆動制御部)

Claims (3)

  1. 開口を設けたスープ類を収容する容器と、前記容器内のスープ類を汲み上げる柄杓部と、前記柄杓部を一端に備えたリンク機構部と、前記リンク機構部を前記容器内に回動自在に支持するリンク部支持手段と、前記リンク機構部を回動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御部とを備え、前記容器内に支持された前記リンク機構部が回動することにより、その一端の前記柄杓部がスープ類を汲み上げて前記開口を介してこれを食器等に小分けするスープ類の供給装置において、
    前記柄杓部は前記容器内のスープ類を汲み上げる汲み口を一方に備え、
    前記駆動制御部は、前記リンク機構部を前記容器内において往復回動してその内部に収容するスープ類を攪拌するとき、その一端に備えた前記柄杓部が前記汲み口を下方に向けて一旦はそのスープ類の液面上方に回動するように前記駆動手段を制御することを特徴とするスープ類の供給装置。
  2. 前記駆動制御部は、前記リンク機構部を前記容器内において往復回動してその内部に収容するスープ類を攪拌するとき、前記柄杓部がその汲み口を下方に向けて前記スープ類の液面上方に回動する頻度を、前記スープ類の種類に応じて可変とすることを特徴とする請求項1に記載のスープ類の供給装置。
  3. 前記駆動制御部は、前記柄杓部がその汲み口を下方に向けて前記スープ類の液面上方に回動したとき、その回動を一時停止させるとともに、その一時停止する時間を前記スープ類の種類に応じて可変とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスープ類の供給装置。
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