JP2006074096A - Saw発振器および電子機器 - Google Patents

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貴志 小島
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Abstract

【課題】 実装面積の増大を抑制しつつ、小型化され温度変化による発振周波数変動を低減させることが可能な、SAW発振器を提供する。
【解決手段】 半導体基板21に回路形成領域22と、半導体基板21の表裏に弾性表面波装置W1,W2をそれぞれ備え、弾性表面波装置W1,W2は温度に対する周波数特性がそれぞれ異なり、弾性表面波装置W1,W2からの出力に基づいて、弾性表面波装置W1,W2が組み込まれた発振器の発振周波数を補正する発振周波数補正部としての温度補償回路を回路形成領域22に構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、温度補償機能を有する1チップ化されたSAW発振器、および当該SAW発振器を備えた電子機器に関する。
従来の発振器の温度補償回路では、温度変化による発振器の周波数変動を抑制するため、温度特性に優れたデバイスの特性を参照しながら、発振器の周波数変動を制御することが行われている。
例えば、特許文献1には、温度特性の異なる複数の水晶発振器を設け、温度センサの出力に従って水晶発振器のいずれか一つを選択的に駆動することにより、水晶発振器の出力を温度補償する方法が開示されている。
実開昭60−158310号公報
このような、従来の発振器の温度補償を行う回路構成によれば、温度特性を持ったデバイスの特性を参照するために、サーミスタなどの温度センサ部品を外付けする必要があり、実装面積の増大を招くという問題があった。一方、発振器の小型化の要求に対して、近年、温度補償回路をIC化する試みがなされている。しかしながら、温度補償回路をIC化するには、温度センサやA/Dコンバータなどが必要になり、回路規模や消費電力の増大を招くという問題がある。
そこで、本発明の目的は、温度補償回路をIC化し実装面積の増大を抑制しつつ、小型化され温度変化による発振周波数変動を低減させることが可能な、SAW発振器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のSAW発振器は、1つの半導体基板に、集積回路と複数の弾性表面波装置とを備えたSAW発振器であって、前記弾性表面波装置は、温度に対する周波数特性がそれぞれ異なり、前記半導体基板の厚み方向に対向する面にそれぞれ少なくとも1つの前記弾性表面波装置を備え、前記弾性表面波装置からの出力に基づいて、前記弾性表面波装置が組み込まれた発振器の発振周波数を補正する発振周波数補正部とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、弾性表面波装置の温度特性に基づいて発振周波数を補正することが可能となるとともに、半導体基板上に弾性表面波装置を集積化することができる。このため、サーミスタなどの個別の部品を外付けすることなく、SAW発振器の温度補償を行うことが可能となり、実装面積の増大を抑制しつつ、温度変化による発振周波数変動を低減させることができる。さらに、半導体基板の表裏に弾性表面波装置を設けることにより、半導体基板のスペースを有効に利用でき、SAW発振器を小型化することができる。
また、本発明のSAW発振器において、前記弾性表面波装置は、前記半導体基板上に積層された薄膜圧電体と、前記薄膜圧電体上に形成されたIDT電極とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、薄膜圧電体を半導体基板上に成膜することで、弾性表面波装置を半導体基板上に積層することが可能となり、SAW発振器の実装面積の増大を抑制しつつ、温度変化による発振周波数変動を低減させることができる。
また、本発明のSAW発振器において、前記発振周波数補正部は、第1の弾性表面波装置が組み込まれた第1の発振器を構成する第1の帰還回路と、第2の弾性表面波装置が組み込まれた第2の発振器を構成する第2の帰還回路と、前記第1の発振器の発振周波数を制御する第1の可変容量コンデンサと、前記第2の発振器の発振周波数を制御する第2の可変容量コンデンサと、前記第1の発振器の発振周波数を第1の電圧に変換する第1の周波数/電圧変換回路と、前記第2の発振器の発振周波数を第2の電圧に変換する第2の周波数/電圧変換回路と、前記第1の電圧と前記第2の電圧との差分を算出し、前記第1の可変容量コンデンサに入力する差分算出回路と、前記差分算出回路にて算出された差分を反転させてから、前記第2の可変容量コンデンサに入力する反転回路とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、発振周波数補正部として、温度補償回路の構成要素のうち弾性表面波装置以外の部分をIC化でき、かつ、弾性表面波装置を半導体基板上に積層することが可能となるとともに、弾性表面波装置の温度特性に基づいて発振周波数を補正することが可能となる。このため、SAW発振器の実装面積の増大を抑制しつつ、温度変化による発振周波数変動を低減させることができる。
また、本発明のSAW発振器において、前記発振周波数補正部は、第1の弾性表面波装置が組み込まれた第1の発振器を構成する第1の帰還回路と、第2の弾性表面波装置が組み込まれた第2の発振器を構成する第2の帰還回路と、前記第1の発振器の発振周波数を制御する第1の可変容量コンデンサと、前記第2の発振器の発振周波数を制御する第2の可変容量コンデンサと、前記第1の発振器の発振周波数を電圧に変換し、前記第2の可変容量コンデンサに入力する第1の周波数/電圧変換回路と、前記第2の発振器の発振周波数を電圧に変換し、前記第1の可変容量コンデンサに入力する第2の周波数/電圧変換回路とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、発振周波数補正部として、温度補償回路の構成要素のうち弾性表面波装置以外の部分をIC化でき、かつ、弾性表面波装置を半導体チップ上に積層することが可能となるとともに、回路構成の簡略化を図りつつ、弾性表面波装置の温度特性に基づいて発振周波数を補正することが可能となる。このため、SAW発振器の実装面積の増大を抑制しつつ、温度変化による発振周波数変動を低減させることが可能となるとともに、SAW発振器の回路規模および消費電力の増大を抑制することができる。
また、本発明のSAW発振器は、前記第1の弾性表面波装置と前記第2の弾性表面波装置とは、温度による周波数変化が互いに逆方向であることを特徴とする。
この構成によれば、温度変化に応じて、第1および第2の弾性表面波装置がそれぞれ組み込まれた発振器の発振周波数を互いに異ならせることが可能となる。このため、温度変化による発振器の発振周波数の差分を検出することが可能となり、温度変化による第1および第2の発振器の周波数変動を抑制することができる。
また、本発明の電子機器は、上記SAW発振器を備えたことを特徴とする。
このように、電子機器は小型で温度変化による発振周波数変動を低減させる小型のSAW発振器を備えており、小型で特性の優れた電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るSAW発振器の構成を示す断面図である。
図1において、SAW発振器20の半導体基板21の一方の面(表面)には、回路形成領域22が設けられ、回路形成領域22にはトランジスタ、抵抗、容量などの素子と、それぞれの素子を繋ぐ配線が形成されている。この回路形成領域22には、SAW発振器20の発振回路や、後述する発振周波数補正部としての温度補償回路を含んでいる。
そして、回路形成領域22上にはSiO2層23が成膜され、SiO2層23上にはZnO層24が積層されている。ZnO層24上にはIDT(Interdigital Transducer)電極31が形成されている。IDT電極31は、互いにかみ合うように配置された1組の櫛形電極にて構成することができる。このように、SiO2層23と薄膜圧電体であるZnO層24、およびIDT電極31にて弾性表面波装置W1を構成している。
また、IDT電極31は、スルホール配線32によりZnO層24、SiO2層23を貫通して回路形成領域22に接続されている。
一方、半導体基板21の他方の面(裏面)には、SiO2層25が成膜され、SiO2層25上にはZnO層26が積層されている。そして、ZnO層26上にはIDT電極33が形成されている。IDT電極33は、互いにかみ合うように配置された1組の櫛形電極にて構成することができる。このように、SiO2層25と薄膜圧電体であるZnO層26、およびIDT電極33にて弾性表面波装置W2を構成している。
また、IDT電極33は、スルホール配線34によりZnO層26、SiO2層25、半導体基板21を貫通して回路形成領域22に接続されている。
弾性表面波装置W1,W2は、半導体基板21の表裏に積層されたZnO層24,26の膜厚を選択することにより異なる温度特性を得ることができる。
図7はSiO2とZnOの膜厚と一次温度係数(TCD〔ppm/℃〕)との関係を示す図であり、弾性表面波の波長をλ、SiO2膜の膜厚をt_SiO2[μm]、ZnO膜の膜厚をt_ZnO[μm]とした場合、横軸にkh(SiO2)=2π(t_SiO2/λ)、縦軸にkh(ZnO)=2π(t_ZnO/λ)を採った図である。
この関係から、kh(SiO2)を一定とし、正と負の傾きを持った一次温度係数を適宜選択し、そのときのkh(ZnO)の値から、ZnO層の膜厚が得られる。
このことから、半導体基板21の表裏に積層されたZnO層24,26の膜厚は、負の温度特性を持つ弾性表面波装置W1のZnO層24は厚く、正の温度特性を持つ弾性表面波装置W2のZnO層26は薄く成膜されることが理解される。
このように、ZnO層の膜厚を選択することにより、温度による周波数変化がお互いに逆方向の弾性表面波装置W1,W2を構成することができる。
また、弾性表面波装置W2のZnO層26に代えて、SiO2層25の上にZnO層を成膜し、さらにその上にSiO2層を成膜したSiO2/ZnOの2層構造としてもよい。なお、本実施形態では弾性表面波装置W1を回路形成領域22に積層して設けたが、半導体基板21上の回路を形成しない部分に弾性表面波装置W1を設けてもよい。
このように、半導体基板21の厚み方向に対向する面(表裏の関係になる面)に、温度による周波数変化がお互いに異なる弾性表面波装置W1,W2が設けられている。
なお、半導体基板21の材質としては、例えば、Si、Ge、SiGe、SiC、SiSn、PbS、GaAs、InP、GaP、GaN、ZnSeなどを用いることができる。
図2は、パッケージされたSAW発振器の構成を示す部分断面図である。
SAW発振器20は、セラミック等で形成された収容容器41の凹部に収容され、SAW発振器20の裏面の接続パッド35と収容容器41に形成されたAuバンプ42に接続されている。また、SAW発振器20の表面に形成された接続パッド36はAuワイヤ44を介して、収容容器41に形成された接続パッド43に接続されている。
そして、収容容器41の上面で蓋体45により、収容容器41内を真空雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気に保持して封止され、パッケージされたSAW発振器40として構成される。
このように、半導体基板21の表裏に弾性表面波装置W1,W2を設けても実装が可能であり、小型化されパッケージされたSAW発振器40を得ることができる。
次に、弾性表面波装置が組み込まれた発振器の、発振周波数を補正する発振周波数補正部としての温度補償回路について説明をする。
図3は、半導体基板に設けた回路形成領域内に形成された温度補償回路の構成を示す回路図である。
図3において、弾性表面波装置W1,W2には、弾性表面波を励振するIDT電極が設けられるとともに、弾性表面波を反射する反射器電極が設けられている。
ここで、弾性表面波装置W1の櫛形電極間には3段構成のインバータN1〜N3が接続され、弾性表面波装置W1およびインバータN1〜N3にて発振器が構成されている。また、弾性表面波装置W1の櫛形電極間には抵抗R1が接続されるとともに、1組の櫛形電極にはバリキャップCg1,Cd1がそれぞれ接続されている。
また、弾性表面波装置W2の櫛形電極間には3段構成のインバータN4〜N6が接続され、弾性表面波装置W2およびインバータN4〜N6にて発振器が構成されている。また、弾性表面波装置W2の櫛形電極間には抵抗R2が接続されるとともに、1組の櫛形電極にはバリキャップCg2,Cd2がそれぞれ接続されている。
また、各弾性表面波装置W1,W2の発振周波数f1,f2を電圧V1,V2にそれぞれ変換する周波数/電圧変換回路F1,F2が設けられるとともに、各周波数/電圧変換回路F1,F2から出力された電圧V1,V2の差分を算出するオペアンプP1が設けられている。そして、オペアンプP1の出力は、バリキャップCg1、Cd1の制御電圧端子に接続されるとともに、インバータN7を介してバリキャップCg2、Cd2の制御電圧端子に接続されている。
ここで、弾性表面波装置W1,W2は、温度に対する周波数特性が互いに異なるように構成されている。弾性表面波装置W1,W2の温度に対する周波数特性を互いに異ならせる場合、弾性表面波が励振される薄膜圧電体の膜厚を異ならせることで実施できる。例えば、弾性表面波装置W1のIDT電極が配置される薄膜圧電体としてZnO層を厚く成膜することにより、弾性表面波装置W1に負の温度特性を持たせることができる。また、弾性表面波装置W2のIDT電極が配置される薄膜圧電体としてZnO層を薄く成膜することにより、弾性表面波装置W2に正の温度特性を持たせることができる。
図4は、図3の弾性表面波装置の温度と発振周波数との関係を示す図である。
図4において、弾性表面波装置W1のZnO層の膜厚が厚く構成される場合、温度の上昇に伴って弾性表面波装置W1の周波数を下降させることができる。一方、弾性表面波装置W2のZnO層の膜厚が薄く構成される場合、温度の上昇に伴って弾性表面波装置W2の周波数を上昇させることができる。
また、弾性表面波装置W1と弾性表面波装置W2の、温度に対する周波数特性の交点が基準温度かつ基準周波数となるように設定されている。
そして、図3において、弾性表面波装置W1からの出力はインバータN1〜N3を介して帰還され、発振周波数f1の信号が周波数/電圧変換回路F1に入力される。そして、発振周波数f1の信号が周波数/電圧変換回路F1に入力されると、発振周波数f1が電圧V1に変換され、オペアンプP1の反転入力端子に入力される。
一方、弾性表面波装置W2からの出力はインバータN4〜N6を介して帰還され、発振周波数f2の信号が周波数/電圧変換回路F2に入力される。そして、発振周波数f2の信号が周波数/電圧変換回路F2に入力されると、発振周波数f2が電圧V2に変換され、オペアンプP1の正転入力端子に入力される。
そして、各周波数/電圧変換回路F1,F2からの電圧V1,V2がオペアンプP1に入力されると、オペアンプP1はこれらの電圧V1,V2の差分を算出し、バリキャップCg1,Cd1に制御電圧として入力する。また、オペアンプP1は、インバータN7を介して、電圧V1,V2の差分をバリキャップCg2,Cd2に制御電圧として入力する。
ここで、弾性表面波装置W1,W2の温度が上昇すると、弾性表面波装置W1の発振周波数f1は下降し、弾性表面波装置W2の発振周波数f2は上昇する。このため、弾性表面波装置W1の発振周波数f1は弾性表面波装置W2の発振周波数f2より小さくなり、周波数/電圧変換回路F1から出力される電圧V1は周波数/電圧変換回路F2から出力される電圧V2より低くなる。この結果、オペアンプP1から出力される電圧はハイレベルとなり、このハイレベルの電圧がバリキャップCg1,Cd1に入力されるとともに、このハイレベルの電圧がインバータN7にて反転されたロウレベルの電圧がバリキャップCg2,Cd2に入力される。
そして、バリキャップCg1,Cd1,Cg2,Cd2は制御電圧が高くなると容量が小さくなる。このため、ハイレベルの電圧がバリキャップCg1,Cd1に入力されると、図4(a)に示すように、弾性表面波装置W1の発振周波数f1は上昇する。一方、ロウレベルの電圧がバリキャップCg2,Cd2に入力されると、弾性表面波装置W2の発振周波数f2は下降する。そして、弾性表面波装置W1の発振周波数f1が上昇するとともに、弾性表面波装置W2の発振周波数f2が下降すると、弾性表面波装置W1の発振周波数f1と弾性表面波装置W2の発振周波数f2との差分が小さくなり、弾性表面波装置W1の発振周波数f1と弾性表面波装置W2の発振周波数f2とが一致した点で安定する。
一方、弾性表面波装置W1、W2の温度が下降すると、弾性表面波装置W1の発振周波数f1は上昇し、弾性表面波装置W2の発振周波数f2は下降する。このため、弾性表面波装置W1の発振周波数f1は弾性表面波装置W2の発振周波数f2より大きくなり、周波数/電圧変換回路F1から出力される電圧V1は周波数/電圧変換回路F2から出力される電圧V2より高くなる。この結果、オペアンプP1から出力される電圧はロウレベルとなり、このロウレベルの電圧がバリキャップCg1,Cd1に入力されるとともに、このロウレベルの電圧がインバータN7にて反転されたハイレベルの電圧がバリキャップCg2,Cd2に入力される。
従って、図4(b)に示すように、弾性表面波装置W1の発振周波数f1は下降するとともに、弾性表面波装置W2の発振周波数f2は上昇する。そして、弾性表面波装置W1の発振周波数f1が下降するとともに、弾性表面波装置W2の発振周波数f2が上昇すると、弾性表面波装置W1の発振周波数f1と弾性表面波装置W2の発振周波数f2との差分が小さくなり、弾性表面波装置W1の発振周波数f1と弾性表面波装置W2の発振周波数f2とが一致した点で安定する。
これにより、弾性表面波装置W1、W2の温度変化による周波数の変動分を相互に打ち消すことが可能となり、温度変化によるSAW発振器の周波数変動を抑制することができる。
以上のように、本実施形態のSAW発振器20は、弾性表面波装置W1、W2の温度特性に基づいて発振周波数を補正することが可能となるとともに、半導体基板21上に弾性表面波装置W1、W2を集積化することができる。このため、サーミスタなどの個別の部品を外付けすることなく、温度補償を行うことが可能となり、SAW発振器の実装面積の増大を抑制しつつ、温度変化による発振周波数変動を低減させることができる。
また、1つの半導体基板21の表裏に弾性表面波装置W1,W2を形成するため、弾性表面波装置W1,W2の温度差をほぼ同じにすることができ、温度に対する発振周波数の補正を良好に行うことができる。さらに、上記のような弾性表面波装置W1,W2の出力に応じて温度に対する発振周波数を補正することができるため、サーミスタなどの部品に比べて温度追従性が良く、温度追従性のよいSAW発振器20を提供できる。
(変形例)
次に、他の構成からなる温度補償回路について説明をする。
図5は温度補償回路の構成を示す回路図である。
図5において、弾性表面波装置W11の櫛形電極間には3段構成のインバータN11〜N13が接続され、弾性表面波装置W11およびインバータN11〜N13にて発振器が構成されている。また、弾性表面波装置W11の櫛形電極間には抵抗R11が接続されるとともに、1組の櫛形電極にはバリキャップCg11,Cd11がそれぞれ接続されている。
また、弾性表面波装置W12の櫛形電極間には3段構成のインバータN14〜N16が接続され、弾性表面波装置W12およびインバータN14〜N16にて発振器が構成されている。また、弾性表面波装置W12の櫛形電極間には抵抗R12が接続されるとともに、1組の櫛形電極にはバリキャップCg12,Cd12がそれぞれ接続されている。
また、各弾性表面波装置W11、W12の出力周波数f1,f2を電圧V1、V2にそれぞれ変換する周波数/電圧変換回路F11,F12が設けられ、周波数/電圧変換回路F12から出力はバリキャップCg1,Cd1の制御電圧端子に接続されるとともに、周波数/電圧変換回路F11から出力はバリキャップCg12,Cd12の制御電圧端子に接続されている。
ここで、弾性表面波装置W11,W12は、温度に対する周波数特性が互いに異なるように構成されている。弾性表面波装置W11は負の温度特性を持ち、弾性表面波装置W12は正の温度特性を持つように構成されている。
そして、弾性表面波装置W11からの出力はインバータN11〜N13を介して帰還され、発振周波数f1の信号が周波数/電圧変換回路F11に入力される。そして、発振周波数f1の信号が周波数/電圧変換回路F11に入力されると、発振周波数f1が電圧V1に変換され、バリキャップCg12,Cd12に制御電圧として入力される。
一方、弾性表面波装置W12からの出力はインバータN14〜N16を介して帰還され、発振周波数f2の信号が周波数/電圧変換回路F12に入力される。そして、発振周波数f2の信号が周波数/電圧変換回路F12に入力されると、発振周波数f2が電圧V2に変換され、バリキャップCg11,Cd11に制御電圧として入力される。
ここで、弾性表面波装置W11,W12の温度が上昇すると、弾性表面波装置W11の発振周波数f1は下降し、弾性表面波装置W12の発振周波数f2は上昇する。このため、周波数/電圧変換回路F11から出力される電圧V1は低くなり、周波数/電圧変換回路F12から出力される電圧V2は高くなる。この結果、バリキャップCg11,Cd11に入力される制御電圧は高くなり、バリキャップCg12,Cd12に入力される制御電圧は低くなる。
従って、弾性表面波装置W11の発振周波数f1は上昇するとともに、弾性表面波装置W12の発振周波数f2は下降し、弾性表面波装置W11の発振周波数f1と弾性表面波装置W12の発振周波数f2とが一致した点で安定する。
一方、弾性表面波装置W11,W12の温度が下降すると、弾性表面波装置W11の発振周波数f1は上昇し、弾性表面波装置W12の発振周波数f2は下降する。このため、周波数/電圧変換回路F11から出力される電圧V1は高くなり、周波数/電圧変換回路F12から出力される電圧V2は低くなる。この結果、バリキャップCg11,Cd11に入力される制御電圧は低くなり、バリキャップCg12,Cd12に入力される制御電圧は高くなる。
従って、弾性表面波装置W11の発振周波数f1は下降するとともに、弾性表面波装置W12の発振周波数f2は上昇し、弾性表面波装置W11の発振周波数f1と弾性表面波装置W12の発振周波数f2とが一致した点で安定する。
これにより、温度補償回路の構成要素のうち弾性表面波装置W11,W12以外の部分を半導体基板上に形成することを可能としつつ、弾性表面波装置W11,W12を半導体基板上に積層することが可能となる。そして、回路構成の簡略化を図りつつ、弾性表面波装置W11,W12の温度特性に基づいて発振周波数を補正することが可能となる。このため、SAW発振器として、実装面積の増大を抑制しつつ、温度変化による発振周波数変動を低減させることが可能となるとともに、半導体チップの回路規模および消費電力の増大を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る電子機器の実施形態について説明をする。
図6は電子機器の構成を示す概略構成図である。例えば、キーレスエントリーシステムなどの電子機器50にSAW発振器40を備えている。
このように、電子機器50は小型で温度変化による発振周波数変動を低減させるSAW発振器40を備えており、小型で特性の優れた電子機器50を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るSAW発振器の構成を示す断面図。 パッケージされたSAW発振器の構成を示す部分断面図。 本発明の第1実施形態に係る回路の構成を示す回路図。 (a)および(b)は、弾性表面波装置の温度と発振周波数との関係を示す図。 回路構成の変形例を示す回路図。 本実施形態の電子機器の構成を示す構成図。 SiO2とZnOの膜厚と一次温度係数との関係を示す図。
符号の説明
W1,W2,W11,W12…弾性表面波装置、F1,F2,F11,F12…周波数/電圧変換回路、P1…オペアンプ、N1〜N7,N11〜N16…インバータ、R1,R2,R11,R12…抵抗、Cg1,Cd1,Cg2,Cd2,Cg11,Cd11,Cg12,Cd12…バリキャップ、20…SAW発振器、21…半導体基板、22…回路形成領域、23,25…SiO2層、24,26…ZnO層、31,33…IDT電極、40…パッケージされたSAW発振器、50…電子機器。

Claims (6)

  1. 1つの半導体基板に、集積回路と複数の弾性表面波装置とを備えたSAW発振器であって、
    前記弾性表面波装置は、温度に対する周波数特性がそれぞれ異なり、前記半導体基板の厚み方向に対向する面にそれぞれ少なくとも1つの前記弾性表面波装置を備え、
    前記弾性表面波装置からの出力に基づいて、前記弾性表面波装置が組み込まれた発振器の発振周波数を補正する発振周波数補正部とを備えたことを特徴とするSAW発振器。
  2. 前記弾性表面波装置は、
    前記半導体基板上に積層された薄膜圧電体と、
    前記薄膜圧電体上に形成されたIDT電極とを備えることを特徴とする請求項1記載のSAW発振器。
  3. 前記発振周波数補正部は、
    第1の弾性表面波装置が組み込まれた第1の発振器を構成する第1の帰還回路と、
    第2の弾性表面波装置が組み込まれた第2の発振器を構成する第2の帰還回路と、
    前記第1の発振器の発振周波数を制御する第1の可変容量コンデンサと、
    前記第2の発振器の発振周波数を制御する第2の可変容量コンデンサと、
    前記第1の発振器の発振周波数を第1の電圧に変換する第1の周波数/電圧変換回路と、
    前記第2の発振器の発振周波数を第2の電圧に変換する第2の周波数/電圧変換回路と、
    前記第1の電圧と前記第2の電圧との差分を算出し、前記第1の可変容量コンデンサに入力する差分算出回路と、
    前記差分算出回路にて算出された差分を反転させてから、前記第2の可変容量コンデンサに入力する反転回路とを備えることを特徴とする請求項1記載のSAW発振器。
  4. 前記発振周波数補正部は、
    第1の弾性表面波装置が組み込まれた第1の発振器を構成する第1の帰還回路と、
    第2の弾性表面波装置が組み込まれた第2の発振器を構成する第2の帰還回路と、
    前記第1の発振器の発振周波数を制御する第1の可変容量コンデンサと、
    前記第2の発振器の発振周波数を制御する第2の可変容量コンデンサと、
    前記第1の発振器の発振周波数を電圧に変換し、前記第2の可変容量コンデンサに入力する第1の周波数/電圧変換回路と、
    前記第2の発振器の発振周波数を電圧に変換し、前記第1の可変容量コンデンサに入力する第2の周波数/電圧変換回路とを備えることを特徴とする請求項1記載のSAW発振器。
  5. 前記第1の弾性表面波装置と前記第2の弾性表面波装置とは、温度による周波数変化が互いに逆方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のSAW発振器。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載のSAW発振器を備えたことを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008124638A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Ube Ind Ltd 薄膜圧電デバイス及びその製造方法
JP2008135850A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Seiko Npc Corp 電圧制御saw発振回路
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RU193491U1 (ru) * 2019-08-05 2019-10-30 Акционерное общество "Научно-производственый центр "Алмаз-Фазотрон" Генератор

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