JP2006069819A - ガラス状炭素製屈曲パイプ及びその製造方法 - Google Patents

ガラス状炭素製屈曲パイプ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易に製造することができて、量産性に優れたガラス状炭素製屈曲パイプ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 継ぎ目のない屈曲部を有することを特徴とするガラス状炭素製屈曲パイプである。また、継ぎ目のない屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法であって、熱硬化性樹脂を成形して直管の熱硬化性樹脂製パイプを得る工程と、この直管の熱硬化性樹脂製パイプに、その屈曲すべき部分を加熱した状態で曲げ力を加えて塑性変形させることにより屈曲部を形成し、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプを得る工程と、得られた熱硬化性樹脂製屈曲パイプを炭素化する工程と、を含むことを特徴とするガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法である。
【選択図】 図1

Description

ガラス状炭素からなり、L字形などの屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプは、ウェハ上に薄膜を化学気相成長させるCVD装置に備えられて成膜材料となる反応ガスを流す配管用パイプなどへの適用が考えられている。本発明は、ガラス状炭素製屈曲パイプ及びその製造方法に関するものである。
ガラス状炭素は、不活性雰囲気では2000℃以上の耐熱性を有し、フッ化水素やフッ素に対しても優れた耐食性を示す炭素材料である。このため、ガラス状炭素製部品は、CVD装置の構成部品(例えば、成膜材料となる反応ガスをウェハ上に吹き付けるためのガス噴出ノズル)のように腐食性ガスを扱い、しかも不純物の発生の少ないことが要求される部品や、他の様々な反応器にガスや液体を供給・排出するための配管用パイプへ適用することが考えられている。そして、
配管用パイプとして使用するには、直管だけでなく、曲管および種々の継ぎ手が必要である。なお、継ぎ手に関しては、従来、ガラス状炭素製パイプにフランジを形成する方法が提案されている。
ところで、ガラス状炭素自体は溶接接合や接着接合ができないことから、一般に、ガラス状炭素製部品の製造の際には、フラン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を、最終製品に近い形状に成形し(製品が管であれば管形状に成形する)、この熱硬化性樹脂成形体を高温の(普通1000℃以上)不活性雰囲気中で熱処理して炭素化を行うようにしている。なお、必要であれば、熱硬化性樹脂成形体に対して機械加工が施される。
したがって、屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプ(ガラス状炭素製屈曲管)を製造するための従来技術は、いずれも、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプから出発する方法を採用している。
その従来技術の一例として、特開平11−322428号公報に、屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法が提案されている。この従来方法の代表的な製造工程を図2及び図3に基づいて説明する。
図2において、51は平面視L字型をなし、半円形断面を有する溝状雌型である下型であり、53は平面視L字型をなし、下型51より小曲率半径の半円形断面を有するかまぼこ状雄型である第1上型である。また、56は下型51と同一成形面を有する別の溝状雌型である第2上型である。
ガラス状炭素製屈曲パイプは、次のような工程にて製造されている。1.下型51に熱硬化性樹脂製屈曲パイプ下半分の成形材料(フェノール樹脂材料)52aを投入する[図2(a)]。2.第1上型53を下降させて型を閉じることにより、熱硬化性樹脂製屈曲パイプ下半分の圧縮成形を行う[図2(b)]。3.成形材料が未硬化の状態で第1上型53を開く[図2(c)]。4.L字型の中子55を下半分の圧縮成形体54内にセットする[図2(d)]。5.第1上型53と第2上型56を交換する[図2(e)]。6.熱硬化性樹脂製屈曲パイプ上半分の成形材料(フェノール樹脂材料)52bを投入する[図2(e)]。7.第2上型56を下降させて型を閉じることにより熱硬化性樹脂製屈曲パイプ上半分側の圧縮成形を行う[図2(f)]。8.完全硬化後取り出し、中子成形体57[図3(a)]を得る。 9.オーブンに入れ、中子55を溶融させ流出させて熱硬化性樹脂製屈曲パイプを得る。10.熱硬化性樹脂製屈曲パイプを焼成してガラス状炭素製屈曲パイプ58[図3(a)]を作製する。このようにして、ガラス状炭素製屈曲パイプを製造するようにしている。
特開平11−322428号公報(段落[0014]、図1、図2、図8、図9)
しかし前述した従来方法では、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプの製作に際し、大掛かりで複雑な金型を必要とし、成形工程が複雑であるという欠点があった。
そこで本発明の課題は、簡易に製造することができて、量産性に優れたガラス状炭素製屈曲パイプ及びその製造方法を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
請求項1の発明は、継ぎ目のない屈曲部を有することを特徴とするガラス状炭素製屈曲パイプである。
請求項2の発明は、継ぎ目のない屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法であって、熱硬化性樹脂を成形して直管の熱硬化性樹脂製パイプを得る工程と、この直管の熱硬化性樹脂製パイプに、その屈曲すべき部分を加熱した状態で曲げ力を加えて塑性変形させることにより屈曲部を形成し、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプを得る工程と、得られた熱硬化性樹脂製屈曲パイプを炭素化する工程と、を含むことを特徴とするガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法である。
請求項3の発明は、請求項2記載のガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法において、前記熱硬化性樹脂製パイプのガラス転移点をTg(℃)としたとき、前記塑性変形による屈曲部の形成を、(Tg+10℃)≦T≦150℃という関係を満たす温度T(℃)にて行うことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2又は3記載のガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法において、前記塑性変形による屈曲部の形成に際し、前記熱硬化性樹脂製パイプの中空部に粉体を充填して塑性変形を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、直管の熱硬化性樹脂製パイプを前駆体として用い、そのTgによって規定される所定温度範囲に過熱した状態でその屈曲すべき部分に曲げ力を加えて塑性変形させる工程を導入することにより簡易に製造することができて、量産性に優れ、しかも、継ぎ目がないことで、継ぎ目部分での強度低下や、継ぎ目部分への流体の滞留や異物付着などというような不具合が生じることがなくて、CVD装置などの構成部品として適したガラス状炭素製屈曲パイプを提供することができる。
また、本発明によれば、継ぎ目がないことで、継ぎ目部分での強度低下や、継ぎ目部分への流体の滞留や異物付着などというような不具合が生じることがなくて、CVD装置などの構成部品として適したガラス状炭素製屈曲パイプを、直管の熱硬化性樹脂製パイプに対してその屈曲すべき部分に曲げ力を加えて塑性変形させる工程を導入することにより、簡易に製造することができるガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について、詳しく具体的に説明する。
本発明のガラス状炭素製パイプの製造方法は、(1)熱硬化性樹脂を成形して直管の熱硬化性樹脂製パイプを得る工程と、(2)この直管の熱硬化性樹脂製パイプに、その屈曲すべき部分を加熱した状態で曲げ力を加えて塑性変形させることにより屈曲部を形成し、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプを得る工程と、(3)得られた熱硬化性樹脂製屈曲パイプを炭素化する工程と、を含むことを特徴とするものである。
(1)まず、熱硬化性樹脂を成形して直管の熱硬化性樹脂製パイプを得る工程について説明する。この工程では、原料となる熱硬化性樹脂を長尺円筒形の直管に成形する際の成形法は、遠心成形法、射出成形法、押出成形法など公知の技術を採用することが可能であるものの、亀裂などの発生原因となる接合線のないものを得るという点から、二重管になった型に樹脂を注ぐ注型成形や、遠心成形法を採用することが好ましい。特に遠心成形法が好ましく、その理由としては、遠心成形法では、遠心力により溶融状態の原料樹脂を成形型の内面側に流動させて硬化させるため、円筒体の成形が容易でその寸法精度も高く、さらには、成形時において内面側が開放されているので、気泡をなくすためのガス抜きも良好に実施できることが挙げられる。なお、原料樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂など、公知の熱硬化性樹脂を採用できる。
(2)次に、熱硬化性樹脂製屈曲パイプを得る工程について説明する。前記の工程で得られた直管の熱硬化性樹脂製パイプについて塑性変形による屈曲部を形成するにあたり、その塑性変形の手段は特に限定されず、例えば、少なくとも屈曲させる部分を加熱し、屈曲部を備える割り型を用い、プレスにより荷重を加えて前記割り型に嵌めるやり方、あるいは、熱硬化性樹脂製パイプの屈曲させたい部分をそのまま押し曲げるやり方、あるいは、治具を設け、これを起点としてその両側のパイプ部分を押し曲げるやり方を挙げることができる。
このように曲げ力を加えて塑性変形させる加工について、さらに詳細に説明する。一般に熱硬化性樹脂製パイプは、靭性に乏しいので、機械加工することは容易でないことが知られている。したがって、予め複数に分割された熱硬化性樹脂製成形体を接合することにより熱硬化性樹脂製屈曲パイプをつくるは容易ではない。そこで、本発明者は、塑性変形による屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプについて種々検討した結果、直管の熱硬化性樹脂製パイプの屈曲させる部分を、その熱硬化性樹脂製パイプのガラス転移点(以下、Tgという)以上に加熱した状態で曲げ力を加えると、屈曲部を形成するのに十分な延性と塑性を示すことを見出し、本発明を完成したものである。
この場合、塑性変形させるときの熱硬化性樹脂製パイプの温度T(℃)は、(Tg+10℃)〜150℃の範囲を満足することがよい。この範囲より低温度の場合には、すなわち、温度差(T−Tg)が10℃より小さい場合には、塑性変形に大きな力を必要とし、しばしば破断に至る。したがって、Tgより10℃以上高い温度が好ましい。また、上限温度は、熱硬化性樹脂の硬化速度を勘案して150℃以下が好ましい。高温ほど熱硬化性樹脂の変形性が高まり、変形操作はしやすい半面、高すぎると効果反応が急速に進み、逆に変形操作に使える時間が短くなるからである。好ましくは120℃以下、特に好ましくは90℃以下である。
また、塑性変形に供する直管の熱硬化性樹脂製パイプは、そのTgが100℃以下、好ましくは60℃以下であるものが望ましい。Tgが高い場合は、塑性変形のためにより高温に熱する必要がある。このため、曲げるための変形操作が困難であるばかりでなく、塑性変形操作中に硬化反応が急速に進むため、変形させることが難しくなるためである。Tgの下限は特になく、一般に低い方が望ましい。ただし、過剰に低い場合には室温での強度が不足して取り扱いが困難となるため、室温近傍以上、25℃以上のTgを有することが望ましい。
塑性変形による屈曲部の形成は、前述したように、屈曲させる部分を加熱し、屈曲部を備える割り型を用い、プレスにより荷重を加えて前記割り型に嵌めること、あるいは、直管の熱硬化性樹脂製パイプの屈曲させたい部分をそのまま押し曲げること、あるいは、治具を設け、これを起点としてその両側のパイプ部分を押し曲げることにより行われる。このとき、熱硬化性樹脂製パイプに対する加熱は、屈曲させる部分のみについて行うことが好ましい。あまり広い領域にわたって加熱してしまうと、必要のないところが変形してしまうからである。具体的には、[変形後の屈曲部分(エルボ部分)に対応する領域]+[その両端それぞれ5〜30mm程度]の領域部分が好ましい。
ここで、曲げ力を作用させて直管の熱硬化性樹脂製パイプを屈曲させる際は、屈曲部中空部分が潰れてしまうことを防ぐために、予め該パイプ内に粉体を充填しておくことが重要である。
この粉体の充填による作用について説明する。中空部に何も充填していない熱硬化性樹脂製パイプを、それが軟化可能な温度まで加熱して屈曲させると、屈曲部の外周側に引っ張り応力が生じるため、パイプ中空部が潰れてしまい、内径が小さくなる。甚だしい場合には、配管部品としての用をなさない。これに対して、パイプ中空部に適度な流動性のある粉体を充填して屈曲させると、粉体はパイプを潰す力に抗しつつも、曲げ変形には追随するために、潰れを殆ど生じることなく屈曲部を形成することができる。ここで、適度な流動性とは、パイプに流し入れる、流し出す、が容易にできる範囲の流れ性のことである。
この目的に適した粉体としては、種々の砂、シリカ、黒鉛等の炭素粉、セラミックス粉、ガラス粉、プラスチック粉などが挙げられる。そのなかでも海砂が簡便で使いやすい。小麦粉のように微細すぎて、かつ圧縮性の大きな粉体や、発泡スチロール粉のように簡単に潰れてしまう粉体は好ましくない。粉体の粒径は、0.1〜1mm程度が適当である。
粉体を充填する部分は、原理的には塑性変形させる部分のみで問題ないが、実際には、パイプ全体に充填させる方が簡単で実用性が高い。充填率は自然に詰まった状態でよい。充填率がそれより低いと充填の効果が薄れ、高いと変形に追随できなくなることがある。実際には、7割〜9割弱程度の充填率となる。
さて、熱硬化性樹脂製屈曲パイプの屈曲部の形状・大きさは、部品仕様によって適宜設定されるべきものであるが、本発明は、概ね、[肉厚/パイプ外径]の値が1/20以上、より好ましくは1/10以上のパイプに適用することがよい。この数値が小さい場合、パイプ全体の剛性が小さいため、塑性変形させる段階でパイプが破損する恐れが大きい。
熱硬化性樹脂製屈曲パイプの屈曲部の内側曲率半径の値は、パイプ外径寸法以上とすることが望ましい。なぜなら、内側曲率半径を小さくしすぎると、屈曲部の外周、及び内周での変形量が大きくなりすぎてパイプが破損することがあるからである。内側曲率半径値がパイプ外径値と等しい場合には、外周と内周の変形は25%程度であり、加熱条件を適宜選定することにより、破損することなく曲げることができる。内側曲率半径の上限値はない。塑性変形の速度はとくに限定されないが、一般には数分から数時間にわたって荷重をかけて行うことでよい結果が得られる。急激な変形をおこすと、熱硬化性樹脂の劣化が進むことがある。
塑性変形させて屈曲部を形成した後の熱硬化性樹脂製屈曲パイプは、一旦急冷して構造を固定する。加熱したままの状態では軟らかいために、無用の変形が起こりやすくなる。急冷方法としては特に特定されないが、例えば冷水に漬けることが挙げられる。冷却は、前記パイプが少なくともTgより低い温度となるまで行う。なお、しかるべき型を使用する場合は、無用の変形が起こる心配がないため、急冷を行わなくてもよい。
このように塑性変形させた後は、さらに高い温度でキュアリング(化学反応を促進するための加熱)を行なうことで、それ以上の好ましくない変形を防止し、完全硬化させることができる。キュアリング条件は、塑性変形温度によって異なるが、例えばフェノール樹脂を用いる場合では、空気中で、温度:180〜350℃、時間:10〜100時間、とすることができる。
(3)次に、熱硬化性樹脂製屈曲パイプを炭素化する工程について説明する。この炭素化工程では、前述した塑性変形させる工程で得た熱硬化性樹脂製屈曲パイプに対して炭素化処理を施し、ガラス状炭素製屈曲パイプとする。炭素化処理の条件としては、例えば、非酸素雰囲気中(不活性ガス雰囲気中など)で、温度:800〜2500℃で熱処理することが一般的である。
そして、このようにして製造されるガラス状炭素製屈曲パイプは、その屈曲部にパイプ長さ方向あるいはパイプ周方向に延びるような継ぎ目が一切ないものである。この継ぎ目がないという構造は、継ぎ目部分での強度低下や、継ぎ目部分への流体の滞留や異物付着、などというような不具合が生じることがなくて、ガラス状炭素製配管材料として理想的な、しかも、従来の製造方法では実現できないものである。
市販の液状フェノール樹脂である群栄化学製PL4804を、減圧下100℃で1時間熱処理して水分率を調整し、これをガラス状炭素原料樹脂とした。
[直管の熱硬化性樹脂製パイプの製作] 内径12mm、長さ1000mmの円筒形遠心成形金型に前記ガラス状炭素原料樹脂90gを投入し、この円筒形遠心成形金型を毎分500回転の速度で回転させながら円筒形遠心成形金型表面温度90℃で5時間の遠心成形を行って、外径12mm、長さ950mm、肉厚2.5mmの直管をなす熱硬化性樹脂製パイプ1を得た(図1(a)参照)。この熱硬化性樹脂製パイプ1のTgは、55℃であった。
[塑性変形による曲げ加工] 熱硬化性樹脂製パイプ1内に和光純薬製の海砂2(粒径300〜600μm)を詰めて、パイプ末端を綿花3で塞いだ(図1(b)参照)。次いで、パイプ1の一端からの距離が8cmから12cmの領域を80℃に加熱しつつ、その部分を内側曲率半径が15mmになるように押し曲げて塑性変形させ、L字形の屈曲パイプ形状とし、その形状を維持したまま、氷水につけて冷却して曲げ構造を固定し、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプ4とした(図1(c)参照)。氷水による急冷の後、充填していた海砂2の取り出しを行った。
[キュアリングと炭素化] 次に、この熱硬化性樹脂製屈曲パイプ4について、空気雰囲気において、2℃/分の昇温速度で250℃まで昇温し、この温度で50時間保持して、完全硬化させた。しかる後、この熱硬化性樹脂製屈曲パイプ4を窒素雰囲気中にて1000℃で5時間熱処理して炭素化させて、屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプを得ることができた。このガラス状炭素製屈曲パイプの外径は10mm、肉厚は2mmであった。
比較例1として、実施例と同じ方法で得た熱硬化性樹脂製パイプを用い、それと同じ条件で、ただし、海砂を充填することなく、塑性変形させて曲げ加工を行った。その結果、屈曲部中空部分の内径が狭いところでは1mm以下にまで潰れてしまい、配管部品としての用をなすものはできなかった。
比較例2として、実施例と同じ方法で得た熱硬化性樹脂製パイプを用い、それと同じ条件で、ただし、加熱温度を本発明で規定する下限温度(Tg+10℃)を下回る60℃にして塑性変形させて曲げ加工を行った。その結果、所望の変形量を得る力を加える前に、パイプに亀裂が生じて破損した。
比較例3として、実施例と同じ方法で得た熱硬化性樹脂製パイプを用い、それと同じ条件で、ただし、加熱温度を本発明で規定する上限温度150℃を上回る160℃として曲げ加工を開始した。その結果、熱硬化性樹脂製パイプは一旦軟化したものの、急速に硬化反応が進み、所望の変形量を得る前に、それ以上の塑性変形が不能となった。
本発明の製造方法を説明するための断面図であって、その(a)は直管の熱硬化性樹脂製パイプを示す図、その(b)は直管の熱硬化性樹脂製パイプ内に海砂を充填した様子を示す図、その(c)は塑性変形による屈曲部を形成した様子を示す図である。 従来のガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法の説明図である。 従来のガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法の説明図である。
符号の説明
1…直管の熱硬化性樹脂製パイプ
2…海砂
3…綿花
4…熱硬化性樹脂製屈曲パイプ

Claims (4)

  1. 継ぎ目のない屈曲部を有することを特徴とするガラス状炭素製屈曲パイプ。
  2. 継ぎ目のない屈曲部を有するガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法であって、熱硬化性樹脂を成形して直管の熱硬化性樹脂製パイプを得る工程と、この直管の熱硬化性樹脂製パイプに、その屈曲すべき部分を加熱した状態で曲げ力を加えて塑性変形させることにより屈曲部を形成し、屈曲部を有する熱硬化性樹脂製屈曲パイプを得る工程と、得られた熱硬化性樹脂製屈曲パイプを炭素化する工程と、
    を含むことを特徴とするガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂製パイプのガラス転移点をTg(℃)としたとき、前記塑性変形による屈曲部の形成を、下記式(1)の関係を満たす温度T(℃)にて行うことを特徴とする請求項1記載のガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法。
    (Tg+10℃)≦T≦150℃ …(1)
  4. 前記塑性変形による屈曲部の形成に際し、前記熱硬化性樹脂製パイプの中空部に粉体を充填して塑性変形を行うことを特徴とする請求項2又は3記載のガラス状炭素製屈曲パイプの製造方法。
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