JP2006069613A - 梱包用フィルム、および物品の包装構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)1,2−結合含量が70%以上、結晶化度が5〜50%である1,2−ポリブタジエン30〜100重量%、および(B)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体70〜0重量%[ただし、(A)+(B)=100重量%]を主成分とする梱包フィルム用組成物からなる梱包用フィルム、この梱包用フィルムを用いた物品の包装構造。
【選択図】なし
Description
ここで、上記梱包フィルム用組成物には、(A)〜(B)成分の合計量100重量部に対し、さらに(C)顔料を0・001〜1重量部含有させても良い。
次に、本発明は、台紙上に被梱包物を載置し、本発明の上記梱包用フィルムで保持してなる物品の包装構造に関する。
また、本発明は、台紙内部に本発明の上記梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙にて、被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造に関する。
さらに、本発明は、台紙内部に本発明の上記梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙と、補強部分を残した台紙内部に本発明の上記梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙にて被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造に関する。
さらに、本発明は、補強部分を残した台紙内部に本発明の上記梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙にて、被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造に関する。
本発明の梱包用フィルムは、(A)1,2−結合含量が70%以上、結晶化度が5〜50%である1,2−ポリブタジエン単独、あるいは、この(A)1,2−ポリブタジエンに(B)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を主成分とする梱包フィルム用組成物から構成される。
本発明に用いられる(A)1,2−ポリブタジエンは、結晶化度が5〜50%である結晶性を有する1,2−ポリブタジエンであり、好ましくは、その融点が70〜140℃のシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである。結晶化度・融点がこの範囲にあることにより、引張強度、引裂強度などの力学強度と柔軟性のバランスに優れる結果となる。
このうち、高級アルキル基で置換された1,3−ブタジエン誘導体としては、1−ペンチル−1,3−ブタジエン、1−ヘキシル−1,3−ブタジエン、1−ヘプチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
一般式(III)中、Arは下記で示される基を示す。
また、一般式(III)中、R’はシクロアルキル基、アルキル置換シクロアルキル基を示し、nは0〜3の整数である。
重合反応は、回分式でも、連続式でもよい。なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%である。
また、重合体を製造するために、本発明の触媒および重合体を失活させないために、重合系内に酸素、水あるいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極力なくすような配慮が必要である。重合反応が所望の段階まで進行したら反応混合物をアルコール、その他の重合停止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加し、次いで通常の方法に従って生成重合体を分離、洗浄、乾燥して本発明に用いられるシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを得ることができる。
製造方法(2)によれば、あらかじめコバルト化合物(A’)と周期律表第III族の金属の水素化金属化合物(B’)とを、(A’)に対し1〜100倍モルの共役ジエンの存在下で接触させて得られた触媒に、二硫化炭素、フェニルイソチアン酸およびキサントゲン化合物から選ばれた少なくとも1種を共存させた触媒系の存在下で1,3−ブタジエンなどの共役ジエンを水系において重合させる。
以上の製造方法(2)の詳細は、特公平3−76326号公報第3欄第41行〜第7欄第29行に詳述されている。
この製造方法(3)では、
工程(I):水中に、乳化剤の存在下において、第一の触媒成分溶液を乳化分散させてエマルジョンとし、この第一の触媒成分を溶液よりなる微小な油滴群を形成させ、
工程(II):工程(I)において得られた系内に共役ジエン単量体(1,3−ブタジエン)を加え、さらに第二の触媒成分を加えて重合を行なう。
ここで、第一の触媒成分溶液は、(A’)コバルト化合物と(B’)周期律表第II族〜第III族の金属によって形成される有機金属化合物もしくは水素化合物とを、上記(A’)コバルト化合物に対して1〜1000倍モルの(C’)共役ジエン化合物の存在下において接触させることによって得られる。
また、上記第二の触媒成分は、(D)二硫化炭素、フェニルイシチオシアン酸およびキサントゲン化合物より選択される少なくとも一種の化合物よりなる。
以上の製造方法(3)の詳細は、特公平5−86411号公報第3欄第36行〜第10欄第6行に詳述されている。
この懸濁重合法について、上記特許公開公報を準用して、以下に説明する。
第4成分の添加量は、第4成分として用いる化合物の種類に応じて適宜調節できる。以下、各々の化合物について説明する。
まず、1,3−ブタジエンと遷移金属化合物および有機金属化合物を接触させ、熟成させる。熟成温度は−60〜50℃の範囲が好ましい。熟成の際、トルエンやベンゼン、キシレン、n−ヘキサン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、あるいはケロシンなどの炭化水素系溶媒や、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが共存していてもよい。ただし、これらの溶媒は、熟成温度において、1,3−ブタジエンや遷移金属化合物、有機金属化合物と反応するものであってはならない。熟成工程で得られた熟成液を、次に分散媒中に分散させる。
高比重不活性有機溶媒は、分散媒中に予め分散させておいてもよく、熟成液を分散媒中に添加してから加えてもよい。ただし、第4成分は、予め分散媒中に共存させておく必要がある。最後に、二硫化炭素等を加え、懸濁重合を開始する。
二硫化炭素等は予め分散媒中に分散させてもよく、高比重不活性有機溶媒とともに加えてもよく、最後に加えてもよい。
また、本発明で得られる1,2−ポリブタジエンの結晶化度は、5〜50%、好ましくは15〜40%、さらに好ましくは20〜35%である。5%未満では、軟質かつ耐摩耗性が損なわれ実用性に乏しく、一方、50%を超えると、成形機を用いて加工する際、180℃以上の温度を必要とし、1,2−ポリブタジエンの熱安定性が損なわれるため好ましくない。
結晶化度は、重合温度などにより調整することができる。
さらに、本発明で得られる1,2−ポリブタジエンの分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、10万〜60万である。10万
未満では、強度的性質に劣り、一方、60万を超えると加工性が劣るようになる。分子量は、重合の温度やモノマー(1,3−ブタジエン)濃度により調整することができる。
さらに、本発明に用いられる(A)1,2−ポリブタジエンがシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである場合、その融点は70〜140℃、好ましくは70〜130℃である。70℃未満では、破断強度耐熱性が劣り、一方、140℃を超えると成形加工温度が高くなりポリブタジエンが熱劣化する。
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの融点は、重合温度などにより調整することができる。
本発明に用いられる(B)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体としては、スチレン/イソプレン重量比が10/90〜30/70、好ましくは14/86〜23/77であり、ブロック共重合体全体の重量平均分子量が10〜29万、好ましくは14〜24万のものが挙げられる。
この(B)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の具体例としては、JSR社製のSIS5229P、クレイトンポリマージャパン社製のD−1107CP、日本ゼオン社製QUINTAC3421などが挙げられる。
本発明では、(A)成分のほかに、(B)成分を配合することにより、特に得られる包装構造における梱包用フィルムの緊張保持性が向上し、また引張永久歪および耐寒性が向上するという効果を奏する。
このうち、(C)顔料は、梱包用フィルムに変色防止または変色隠蔽を高めたり、識別機能を付与する役目を果たすものである。
(C)顔料の具体例としては、群青、ベンガラ、チタンイエロー、カーボンなどが挙げられる。
(C)顔料の使用割合は、上記(A)〜(B)成分の合計量100重量部に対し、好ましくは0.001〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.2重量部である。
また、上記その他の添加剤の具体例としては、パラフィンオイル、シリコンオイル、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミドなどの滑剤のほか、タルク、シリカ、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ガラス、カーボンファイバー、ガラスバルーンなどのフィラーを挙げることができる。
なお、滑剤の使用量は、(A)〜(B)成分の合計100重量部に対して10重量部以下、好ましくは0.01〜8重量部である。10重量部を超えると、滑剤が製品からブリードアウトするので、好ましくない。
本発明の梱包フィルム用組成物は、上記(A)成分、あるいは、(A)〜(B)成分、およびその他の成分を混合して、二軸押出機、バンバリー型ミキサー、加圧ニーダー、オープンロールなどの一般のプラスチックおよびゴム配合に使用される混練装置を用いて混練りして調製される。
このときの混練り温度は、好ましくは70〜170℃の範囲の温度である。
なお、本発明の梱包フィルム用組成物は、上記(A)成分、あるいは(A)〜(B)成分、およびその他の成分を、ドライブレンドすることによっても調製することができる。
次に、梱包用フィルムの成形は、Tダイ押出成形、インフレーション成形、あるいはキャスト成形などにより、成形することができる。
本発明の梱包用フィルムの厚さは、通常、50〜200μm、好ましくは80〜120μmである。50μm未満では、包装構造におけるフィルムの物品に対する緊張保持性能が劣り、また強度が劣りフィルムが破壊し易い。一方、200μmを超えると、初期応力が強くなり被梱包品を緊張保持させる作業性が悪くなる。
また、本発明の梱包用フィルムは、本発明の物品の包装構造に用いられるので、通常、無延伸のまま用いられるが、一軸延伸や二軸延伸を行っても良い。
本発明の梱包用フィルムを用いた物品の包装構造としては、図1に示すように台紙10上に被梱包物20を載置し、本発明の梱包用フィルム30で保持してなる物品の包装構造が挙げられる。
また、本発明の梱包用フィルムを用いた物品の包装構造としては、図2に示すように、台紙10の内部に本発明の梱包用フィルム30からなる保持領域部11を持つ台紙10にて、被梱包物20の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造が挙げられる。なお、図3は、台紙10の内部に梱包用フィルムからなる保持領域部11を持つ台紙(A)の平面図である。
さらに、本発明の梱包用フィルムを用いた物品の包装構造としては、図4に示すように、台紙10の内部に本発明の梱包用フィルム30からなる保持領域部11を持つ台紙と、補強部分12を残した台紙内部に本発明の梱包用フィルム30からなる保持領域部11を持つ台紙にて被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造が挙げられる。なお、補強部分を残した台紙内部に梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙としては、図5示す台紙(B)や、図6に示す台紙(C)が挙げられる。
さらに、本発明の梱包用フィルムを用いた物品の包装構造としては、補強部分12を残した台紙内部に本発明の梱包用フィルムからなる保持領域部11を持つ、台紙10[図5の台紙(B)や図6の台紙(C)]にて、被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造が挙げられる。
なお、実施例中、部は重量基準である。また、実施例における物性は、次のようにして測定した。
単軸40mm押出機(L/D=28)を用い、Tダイ押出成形により、厚さ80μmのフィルムを成形する際の加工性を比較した。
○:成形温度領域が広く(±15℃以上)、巻き取りロールへの粘着が弱い。
△:成形温度領域が広く(±15℃以上)、巻き取りロールへの粘着が若干強い。
×:成形温度領域が狭く(±10℃以下)、巻き取りロールへの粘着が強い。
(引張試験:M100・破断強度・破断伸び)
引張試験は、JIS K7127に準拠して測定した。
(引張永久歪)
引張永久歪は、JIS K6262に準拠して測定した。伸長率は、200%で保持時間は10分で測定した。
(ヘイズ)
ヘイズ値は、透明性の尺度であり、その値が小さくなるほど、透明性がよくなる。JIS K7105に準拠して測定した。
(体積抵抗率)
体積抵抗率は、JIS K6911に準拠して測定した。
(脆化温度)
脆化温度は、JIS K7216に準拠して測定した。
(フィルム作成)
フィルム試験片は、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(JSR社製、RB 830P)を、単軸50mm押出機(L/D=28)にスパイラルダイを装着してインフレーション成形して、100μm厚のフィルムを作成し評価した。結果を表1に示す。
原料を表1記載の変えた以外は、実施例1と同様にしてフィルム化を作成し評価した。結果を表1に示す。
*2)JSR社製、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
*3)クラレ社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(クラミロンU3180)
20 被梱包物
30 梱包用フィルム
Claims (6)
- (A)1,2−結合含量が70%以上、結晶化度が5〜50%である1,2−ポリブタジエン30〜100重量%、および(B)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体70〜0重量%[ただし、(A)+(B)=100重量%]を主成分とする梱包フィルム用組成物からなる梱包用フィルム。
- 梱包フィルム用組成物には、(A)〜(B)成分の合計量100重量部に対し、さらに(C)顔料を0.001〜1重量部含有する請求項1記載の梱包用フィルム。
- 台紙上に被梱包物を載置し、請求項1または2記載の梱包用フィルムで保持してなる物品の包装構造。
- 台紙内部に請求項1または2記載の梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙にて、被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造。
- 台紙内部に請求項1または2記載の梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙と、補強部分を残した台紙内部に請求項1または2記載の梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙にて被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造。
- 補強部分を残した台紙内部に請求項1または2記載の梱包用フィルムからなる保持領域部を持つ台紙にて、被梱包物の上下を当該梱包用フィルムで挟み保持してなる物品の包装構造。
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