JP2006069319A - シート空調装置 - Google Patents

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光年 加藤
Tomohiro Inada
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Abstract

【課題】 炎天下の車両の駐車時等において、シート表面温度を効率よく下げる。
【解決手段】 車両において座席付近を空調するためのシート空調装置は、シート表面付近に配置されていて且つ空調空気を吹き出す複数の吹出口と、壁状部材であるシートカバーと、シートカバーの一方の端部が連結されるメインローラであって、シートカバーが使用されない時に引き込まれて、その周りに巻き付けられる回転可能なメインローラと、メインローラを回転駆動するモータとを具備する。駐車時にシートカバーは、シートの吹出口と対向する位置にシート表面に沿うように壁状に、モータにより回転駆動される前記メインローラの回転によりメインローラから引き出されてシート表面に突き出しており、更にシートの吹出口から吹出した空調空気を、シート表面とシートカバーとの間の空間に流す。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空調装置に係り、特別には自動車用空調装置に係わり、より特別には自動車用シート空調装置に関する。
車両において駐車後に乗車する際に、快適さの面から種々の要望がある。例えば、陽射しが強い季節に炎天下の路上等に長時間駐車させると、車内はかなりの高温となり、車に乗車することは不快なことである。この様な不快な状況の改善が要望されている。
炎天下に長時間駐車されて高温となった車両内へ乗車する際の搭乗者の不快感を改善するために、シート付近で空調エアを吹き出す案がある。この様な案の従来例のシート空調装置50を図3に示す。図3は車両の例えば運転席の側断面図である。運転席11は、搭乗者が座るシートクッション13と、背を預けるシートバック15を具備する。シートクッション13には、複数のシートクッション吹出口4aが設けられており、シートクッション吹出口4aから空調エアをシートクッション13の裏面に吹き出して、シートクッション13を冷却するように形成される。同様に、シートバック15には、複数のシートバック吹出口4bが設けられており、シートバック吹出口4bから空調エアをシートバック15の裏面に吹き出し、シートバック15を冷却するように形成される。シートクッション吹出口4aとシートバック吹出口4bは、シート空調用配風ダクト2に、図3に示されるように接続する。シート空調用配風ダクト2は更にシート空調用ファン1に接続しており、シート空調用ファン1は、空調エアをシート空調用配風ダクト2に供給する。この様な例に類似のシート空調装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のように座席面の裏側に風を当てたり、あるいは熱伝導材を接触させることにより着座面を冷やすものが提案されているが、いずれも直接乗員が触れる座席表面ではなく裏側を冷やしているため、効率よく表面を冷却できない問題がある。これらの従来技術では、炎天下に長時間駐車されて高温となった車両内へ乗車する際の搭乗者の不快感を十分に改善する案とは言えない。従って、より効率的に、迅速にシートを冷却するシート空調装置が要望される。
特開2002−234,332
本発明は、上述した事情に鑑みなされたもので、乗員が乗車後直ぐに体感できる嬉しさを出すために、直接乗員が触れる座席表面に風を当てるという点に着目し、シート表面温度を効率よく下げることのできるシート空調装置を提供することを目的とする。
本発明のその他の目的は、上記シート空調において、吹き出す空調エア風量を減少して、消費電力を出来るだけ節減することを目的としている。
本発明の請求項1の形態では、上述した目的を達成するために、車両において座席付近を空調するためのシート空調装置は、シート表面付近に配置されていて且つ空調空気を吹き出す複数の吹出口(4a)と、シートの前記吹出口(4a)と対向する位置においてシート表面に沿うように突き出ることが可能な壁状部材であるシートカバー(5)と、前記シートカバー(5)の一方の端部が連結されるメインローラ(6)であって、前記シートカバー(5)が使用されない時に引き込まれて、その周りに巻き付けられる回転可能なメインローラ(6)と、前記メインローラ(6)を回転駆動するモータ(8)とを具備する。駐車時に前記シートカバー(5)は、シートの前記複数の吹出口(4a)と対向する位置にシート表面に沿うように壁状に、前記モータ(8)により回転駆動される前記メインローラ(6)の回転により前記メインローラ(6)から引き出されてシート表面に突き出しており、更にシートの前記吹出口(4a)から吹出した空調空気を、シート表面と前記シートカバー(5)との間の空間に流すことでシート表面温度を下げるように作動することを特徴とする。
この様に構成することにより、自動車の駐車時に、シート表面の吹出口と対向する位置にシート表面に沿うような壁状部材であるシートカバーを突き出すことで、特には夏の炎天下において、シート表面への直接的な日射を防止して、日射によるシート表面温度上昇を防止することが出来る。更に、シートの吹出口から吹出した空気をシート表面と壁状部材との空間に流すことでシート表面温度を一層効率良く下げることが出来る。更にこれに加えて、前記空間に空気による断熱層を形成することを可能とし、日射による壁状部材からの熱の伝達を防止する。これにより、乗員は車両に乗車すると直ぐに嬉しさを体感できることを実現させた。
本発明の請求項2の形態では、上記請求項1の形態において、車両の運転時等の該シート空調装置が作動しない時には、前記シートカバー(5)は、前記モータ(8)による前記メインローラ(6)の逆方向の回転により、引き込まれて前記メインローラ(6)の周りに巻き付けられるように収納されることが出来ることを特徴とする。
本形態によれば、シート空調装置が作動しない時において、シートカバーはメインローラに巻き付けられるので搭乗者の邪魔になることはない。
本発明の請求項3の形態では、上記請求項1又は2のいずれかの形態において、前記シートカバー(5)の引き出し及び引き込みを行うワイヤー(9)と、前記ワイヤー(9)を案内するサブローラ(7)とを更に具備する。前記ワイヤー(9)はその第1の側で前記メインローラ(6)と係合し、前記第1の側に対向する第2の側で前記サブローラ(7)と係合しており、更に前記ワイヤー(9)は、前記第1の側と前記第2の側との間で前記シートカバー(5)の突き出し側の先端付近に取り付けられることを特徴とする。
本形態によれば、シートカバーの引き出し及び引き込みを確実に実施可能な形態を開示する。
本発明の請求項4の形態では、上記請求項1から3の形態のいずれか一項において、座席のシートクッション及び/又はシートバックに適用されることを特徴とする。
本形態によれば、本発明のシート空調装置の用途をより具体化する。
本発明の請求項5の形態では、上記請求項1から4の形態のいずれか一項において、前記シートカバー(5)は黒色、または金属の素材により形成されることを特徴とする。
本形態によれば、遮光性を高めて日射によるシート表面温度上昇の防止効果を高めることができる。
本発明の請求項6の形態では、上記請求項1から5の形態のいずれか一項において、前記吹出口(4a)から吹出す空調空気は、シート表面と前記シートカバー(5)との間に形成される空気層の維持に必要な風量のみを断続的に吹出すことを特徴とする。
本形態によれば、消費電力を節減できる。
本発明の請求項7の形態では、上記請求項1から6の形態のいずれか一項において、前記シート空調装置の作動に合わせて、車両用空調装置を作動させて車室内空気の換気を行うことを特徴とする。
本形態によれば、シート近傍の空気温度を下げ、効果的にシート表面温度を下げることができる。
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態のシート空調装置を詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係るシート空調装置の第1の実施の形態の図解的な説明図であり、図1は該シート空調装置が作動していない状態の側面図(上)と平面図(下)であり、図2は該シート空調装置が作動している状態の側面図(上)と平面図(下)である。図1及び2を参照すると、図3に示される従来例の要素部分と同じ又は同様である図1及び2の要素部分は、同じ参照符号により指定されている。
まず図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態のシート空調装置10が車両の運転席11のシートクッション13に搭載されて、炎天下に長時間駐車される場合等において稼動している様子を示している。シート空調装置10は、空調エアを吹き出す複数のシートクッション吹出口4aと、シートクッション13を覆うように引き出すことが可能なシート表面カバー5と、シート表面カバー5が使用されない時に引き込まれて、その周りに巻き付けられる回転可能なメインローラ6と、メインローラ6を回転駆動するモータ8と、シート表面カバー5の張り出し側の先端に取り付けられてシート表面カバー5の引き出し及び引き込みを行うワイヤー9と、ワイヤー9を案内していて回転可能なサブローラ7とを具備する。本実施の形態においてワイヤー9は無限軌道の形で形成されており、図2に示されるように、メインローラ6からサブローラ7へとそれらの周りを通り、シート表面カバー5に接続された後にメインローラ6へ戻る。メインローラ6は、シートクッション13とシートバック15との交差部付近のシートクッション13の内部に設置される。一方、サブローラ7は、シートバック15に対向する側のシートクッション13内部に設置される。サブローラ7は、図2に点線で示されるように旋回するように移動させられて、ワイヤー9のテンションを調整するオートテンショナーとしても作動する。
シート表面カバー5は、シートクッション13の幅方向のほぼ全面を覆うことが出来ることが好ましいが、一部分であっても良い。従って、メインローラ6とサブローラ7も、シートクッション13の全幅にわたり伸張することが好ましい。ワイヤー9は、シート表面カバー5の幅方向の両側に1本づつ設けられることが好ましいが、片側1本でもあっても良い。ワイヤー9は、シートクッション13の側面の外側に位置することが好ましいが、運転者の邪魔にならないその他の位置であっても良い。ワイヤー9の材質は、金属、プラスティック、炭素繊維等の既知の線材料であって良い。
シートクッション吹出口4aは、前記の従来例と同様にシートクッション13内部に設けられて、シートクッション13の裏面に当たるように吹き出すが、シートクッション13の材質を空調エアがシートクッション13を容易に通過するように選択されるので、シートクッション13の外側に十分な風量が吹き出す。シートクッション吹出口4aはシートクッション13の前面に均一に配置されることが好ましいが、一部に集中するように設ける等の別の状態で配置されても良い。シート表面カバー5の材質は、プラスティックシート、コーティングした布等の、柔軟でエア通過性のない既知の材料であって良い。また、シート表面カバー5は、遮光性を高めて日射によるカバー5の表面温度の上昇を防止するために、黒色または金属の素材であることが好ましい。
上記構成にて、本実施の形態のシート空調装置10の作動を説明する。
駐車時において、モータ8を作動させて、メインローラ6を図2において反時計回りに回転し、ワイヤー9もメインローラ6により反時計方向に回されて、メインローラ6の周りに巻き付けられたシート表面カバー5を引き出す。シート表面カバー5は完全に引き出した状態では、図2に示されるように、シートクッション13の吹出口4aと対向する位置にシート13の表面を沿うように壁状に配置される。この状態で、シートクッション吹出口4aから空調エアを吹き出す。吹き出された空調エアは、シートクッション13の表面を通過して、シート表面カバー5に衝突するが、シート表面カバー5はエアを通過させないため、シート表面カバー5に沿って流れる。この際、シート表面カバー5とシートクッション13の表面との間の隙間は小さいため、空調エアは実質的にシートクッション13の表面に沿って流れて、シートクッション13の縁部から流出する。この様に、空調エアはシートクッション13の上面に沿って流れるので、シートクッション13を効率良く冷却する。また、シートクッション13の表面とシート表面カバー5との間に空気層を形成する。この際シート空調装置10の作動に合わせてメインの車両用空調装置(図示されない)を作動しても良い。これによりシート空調効果は一層高まる。
図1にシート表面カバー5が引き込められたシート空調がオフの状態を示す。この様な状態は、例えばドライバが搭乗して運転している状態である。図2に示されるシート空調オン時の状態から、モータ8を逆転させて、メインローラ6を図2において時計回りに回転し、ワイヤー9もメインローラ6により時計方向に回される。この操作により、突き出された(伸張した)シート表面カバー5は、メインローラ6の周りに巻き付けられるように引き込められる。図1のシート表面カバー5が完全に引き込められた状態では、シートクッション13上からシート表面カバー5は完全に取り除かれており、ワイヤー9のシートクッション13上に現れない状態になっている。メインローラ6がシートクッション13とシートバック15との交差点付近に配置されるため、図1のシート空調オフ時に、シート表面カバー5がドライバの邪魔になることはない。
以上が、シートクッション13に本実施の形態のシート空調装置10を適用した形態であるが、本実施の形態のシート空調装置10は、シートバック15に適用することも可能である。この場合の構成及び作動についても、シートクッション13に適用した場合と実質的に同様であるので、記載の重複を避けて省略する。
本発明の第2の実施の形態において、シート表面とシートカバー5との間の空気層を維持するように、シートクッション吹出口4aから吹出す空気を断続的に吹き出すようにシート空調用ファン1を制御する。本実施の形態のこれ以外の構成及び作動は、第1の実施の形態と同様である。
次に上記実施の形態の効果及び作用について説明する。
本発明の第1の実施の形態のシート空調装置により以下の効果が期待できる。
・自動車の駐車時に、シート表面の吹出口と対向する位置にシート表面に沿うような壁状部材であるシートカバーを突き出すことで、特には夏の炎天下において、シート表面への直接的な日射を防止して、日射によるシート表面温度上昇を防止すると共に、シートの吹出口から吹出した空気をシート表面と壁状部材との空間に流すことでシート表面温度を一層効率良く下げることが出来る。
・更にこれに加えて、前記空間に空気による断熱層を形成することを可能とし、日射による壁状部材からの熱の伝達を防止する。
・シート表面カバー5は黒色または金属の素材により形成されることにより、遮光性を高めて日射によるシート表面温度上昇の防止効果を高めることができる。
・前記シート空調装置の作動に合わせて、車両用空調装置を作動させて車室内空気の換気を行うことにより、シート近傍の空気温度を下げ、効果的にシート表面温度を下げることができる。
・これにより、乗員は車両に乗車すると直ぐに嬉しさを体感できることを実現させた。
本発明の第2の実施の形態の空調装置により、上記第1の実施の形態の効果に加えて、以下の効果が期待できる。
・シート表面と壁状部材との間にある空気層の維持に必要な風量のみを断続的に吹出すことで消費電力を減らすことができる。
上記において記載した、あるいは添付図面に示した実施の形態において、シート空調装置は、運転席に適用された例により説明されたが、助手席や後部座席等の運転席以外の座席に適用されても良い。
上記の説明において、サブローラ(オートテンショナー)は1基のみ具備されるように記載されたが、複数のサブローラが具備されても良い。
上記の実施の形態は本発明の例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
図1は、本発明に係るシート空調装置の第1の実施の形態の図解的な説明図であり、シート空調装置が作動していない状態の側面図(上)と平面図(下)である。 図2は、本発明に係るシート空調装置の第1の実施の形態を図解的な説明図であり、シート空調装置が作動している状態の側面図(上)と平面図(下)である。 図3は、従来例のシート空調装置50を説明する、車両の運転席の側断面図である。
符号の説明
1 シート空調用ファン
2 シート空調用配風ダクト
4a シートクッション吹出口
5 シート表面カバー
6 メインローラ
7 サブローラ
8 モータ
9 ワイヤー
10 シート空調装置
11 座席(シート)
13 シートクッション
15 シートバック

Claims (7)

  1. 車両において座席付近を空調するためのシート空調装置において、このシート空調装置は、
    シート表面付近に配置されていて且つ空調空気を吹き出す複数の吹出口と、
    シートの前記吹出口と対向する位置においてシート表面に沿うように突き出ることが可能な壁状部材であるシートカバーと、
    前記シートカバーの一方の端部が連結されるメインローラであって、前記シートカバーが使用されない時に引き込まれて、その周りに巻き付けられる回転可能なメインローラと、
    前記メインローラを回転駆動するモータと、
    を具備しており、
    駐車時に前記シートカバーは、シートの前記複数の吹出口と対向する位置にシート表面に沿うように壁状に、前記モータにより回転駆動される前記メインローラの回転により前記メインローラから引き出されてシート表面に突き出しており、更に
    シートの前記吹出口から吹出した空調空気を、シート表面と前記シートカバーとの間の空間に流すことでシート表面温度を下げるように作動する、
    ことを特徴とするシート空調装置。
  2. 車両の運転時等の該シート空調装置が作動しない時には、前記シートカバーは、前記モータによる前記メインローラの逆方向の回転により、引き込まれて前記メインローラの周りに巻き付けられるように収納されることが出来ることを特徴とする請求項1に記載のシート空調装置。
  3. 前記シートカバーの引き出し及び引き込みを行うワイヤーと、
    前記ワイヤーを案内するサブローラと、
    を更に具備しており、
    前記ワイヤーはその第1の側で前記メインローラと係合し、前記第1の側に対向する第2の側で前記サブローラと係合しており、更に前記ワイヤーは、前記第1の側と前記第2の側との間で前記シートカバーの突き出し側の先端付近に取り付けられる、
    ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のシート空調装置。
  4. 座席のシートクッション及び/又はシートバックに適用されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシート空調装置。
  5. 前記シートカバーは黒色の素材、もしくは遮光性の高い金属により形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシート空調装置。
  6. 前記吹出口から吹出す空調空気は、シート表面と前記シートカバーとの間に形成される空気層の維持に必要な風量のみを断続的に吹出すことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のシート空調装置。
  7. 前記シート空調装置の作動に合わせて、車両用空調装置を作動させて車室内空気の換気を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のシート空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010137760A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

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