JP2006069085A - 帯状ゴムの張力制御方法および装置 - Google Patents

帯状ゴムの張力制御方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 張力変化を正確に検出するとともに、張力変動が直ちに復帰する変位が帯状ゴムBに発生した場合にも張力を安定して制御する。
【解決手段】 ダンサーローラ50をエアシリンダ54によって帯状ゴムBに一定の押付け力で押付け、該帯状ゴムBをくの字形に屈曲させているため、帯状ゴムBの張力が変化したとき、ダンサーローラ50は帯状ゴムBの走行方向にほぼ直交する方向に大きく変位する。この結果、帯状ゴムBの張力が設定値を超えると、検出センサ58はこの事態を正確に検出して、制御手段60により巻出し機11からの巻出し速度を変化させ、帯状ゴムBを破断させたり断面積を変化させることなく、その張力を設定値内に確実に戻す。
【選択図】 図1

Description

この発明は、走行している帯状ゴムの張力が設定値内となるよう制御する制御方法および装置に関する。
従来の帯状ゴム材料の張力制御方法・装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開2002−103477号公報
このものは、送り出し手段から送り出された(射出成形機から射出された)後、引き取り手段(タイヤ成形ドラム)に向かって走行している帯状ゴム材料のたるみ変位量を検出する非接触式の変位検出センサーと、該変位検出センサーからの変位データが予め設定した目標変位データから外れたとき、送り出し手段からの帯状ゴム材料の送り出し速度(射出速度)を引き取り手段の引き取り速度(表面速度)に一致するよう変化させて、帯状ゴム材料の張力を目標値の範囲内となるよう制御する制御手段とを備えたものである。
しかしながら、このような従来の張力制御方法・装置にあっては、帯状ゴム材料の張力が目標値の範囲内にあるときと目標値を超えたときのいずれも、帯状ゴム材料はほぼ直線状に延びて両者のたるみ量に差が殆ど無いため、帯状ゴム材料の張力が目標値を超えても、変位検出センサーによる検出に失敗することがあり、この結果、検出が不正確となって帯状ゴム材料が大きな張力により断面積が大幅に減少したり途中で破断してしまうことがあるという課題があった。
また、従来の張力制御方法・装置にあっては、送り出し手段が、例えば、帯状ゴム材料が巻き取られているリールと、該リールを回転させて帯状ゴム材料をリールから巻き出す回転機構とから構成されている場合、帯状ゴム材料の張力に不必要な変動を与えてしまうことがあるという課題もあった。
その理由は、前述のように送り出し手段がリールと回転機構とから構成されていると、リールから巻き出される帯状ゴム材料がリールに一瞬引っ掛かったり、内層側の帯状ゴム材料に一瞬密着することがあるが、このような引っ掛かり、密着が外れた瞬間に帯状ゴム材料は振動する。このとき、帯状ゴム材料の張力は直ちに元の値に復帰する拘わらず、変位検出センサーは振動に基づく帯状ゴム材料の大きな変位を検出して、リールから巻き出される帯状ゴム材料の巻き出し速度を不必要に変化させ、結果として、帯状ゴム材料の張力に不必要な変動を与えてしまうのである。
この発明は、張力変化を正確に検出することができるとともに、張力変動が直ちに復帰する変位が帯状ゴムに発生した場合にも張力を安定して制御することできる帯状ゴムの張力制御方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、送り出し手段から引き取り手段に向かって走行している帯状ゴムに転がり接触しているダンサーローラに対して、押付け力付与手段から帯状ゴムの走行方向にほぼ直交する方向の一定押付け力を付与し、走行中の帯状ゴムをくの字形に屈曲させるとともに、該ダンサーローラの位置を検出センサにより検出しているとき、前記帯状ゴムの張力が設定値から外れることで、ダンサーローラの位置が設定範囲から外れたことを検出センサが検出すると、制御手段により送り出し手段からの帯状ゴムの送り出し速度を前記張力が設定値内に戻るよう変化させて、帯状ゴムの張力を制御するようにした帯状ゴムの張力制御方法により、達成することができ、
第2に、送り出し手段から引き取り手段に向かって走行している帯状ゴムに転がり接触するダンサーローラと、該ダンサーローラに対して帯状ゴムの走行方向にほぼ直交する方向の一定押付け力を付与し、走行中の帯状ゴムをくの字形に屈曲させる押付け力付与手段と、前記ダンサーローラの位置を検出する検出センサと、前記帯状ゴムの張力が設定値から外れることで、ダンサーローラの位置が設定範囲から外れたことを検出センサが検出したとき、送り出し手段からの帯状ゴムの送り出し速度を前記張力が設定値内に戻るよう変化させて、帯状ゴムの張力を制御する制御手段とを備えた帯状ゴムの張力制御装置により、達成することができる。
この発明においては、ダンサーローラを一定の押付け力で帯状ゴムに押付け、該帯状ゴムをくの字形に屈曲させるようにしているため、帯状ゴムの張力が変化したとき、ダンサーローラは帯状ゴムの走行方向にほぼ直交する方向に大きく変位する。この結果、帯状ゴムの張力が設定値を超えたとき、検出センサはこの事態を正確に検出して、送り出し手段からの送り出し速度を変化させ、帯状ゴムを破断させたり断面積を変化させることなく、その張力を設定値内に確実に戻すことができる。
また、帯状ゴムが、例えばリールに対する引っ掛かりから外れたり、内層側の帯状ゴムとの密着から外れたとき、一瞬の間だけ振動(変位)するとともに、張力が直ちに元の値に復帰するが、このとき、ダンサーローラは慣性によって帯状ゴムの振動に追従せず殆ど反応しないため、送り出し手段からの送り出し速度を不必要に変化させることはなく、これにより、帯状ゴムの張力を安定して制御することできる。
また、請求項3に記載のように構成すれば、帯状ゴムの走行方向にほぼ直交する方向へのダンサーローラの変位を、構造簡単で安価でありながら、確実に検出することができる。
さらに、請求項4に記載のように構成すれば、リールにおける帯状ゴムの巻き径が変化しても、帯状ゴムの走行方向をガイドローラによって常に一定に保持することができ、これにより、帯状ゴムの張力の検出精度を向上させることができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、押出機に必要量のゴムを自動的に連続して供給することができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は未加硫ゴムからなる幅狭の帯状ゴムBを送り出す送り出し手段としての巻出し機であり、この巻出し機11は、周囲に前記帯状ゴムBがロール状に巻き取られた円筒状のシャフト部12と、該シャフト部12の軸方向両端にそれぞれ固定された円板状のフランジ部13とから構成されたリール14を有する。15は前後方向に離れて設置され前記シャフト部12に平行に延びる複数の駆動ローラであり、これらの駆動ローラ15は駆動モータ16から回転駆動力を受けて同一方向に同期回転する。
そして、各フランジ部13の外周を周方向に離れた複数点(ここでは2点)で駆動ローラ15に当接させながらリール14を駆動ローラ15上に載置した後、駆動モータ16により駆動ローラ15を同期回転させると、リール14は駆動ローラ15から回転駆動力を受けて回転し、巻き取られていた帯状ゴムBを巻き出す。前述した駆動ローラ15、駆動モータ16は全体として、リール14を回転させて帯状ゴムBをリール14から前方に向かって巻き出す回転機構17を構成し、また、前記リール14、回転機構17は全体として、前記巻出し機11を構成する。
20は巻出し機11の前方に設置された基台であり、この基台20の上面には前後方向に延びる一対のガイドレール21が敷設されている。22は基台20の上方に設置された平板状の下テーブルであり、この下テーブル22の下面に固定された複数のスライドベアリング23は前記ガイドレール21に摺動可能に係合している。そして、前記下テーブル22は図示していない駆動機構、例えばねじ機構から駆動力を受けることで、ガイドレール21にガイドされながら前後方向に移動する。
前記下テーブル22の上面には左右方向に延びる一対のガイドレール26が敷設され、また、この下テーブル22の上方には平板状の上テーブル27が設置されている。28は前記上テーブル27の下面に固定された複数のスライドベアリングであり、これらのスライドベアリング28は前記ガイドレール26に摺動可能に係合している。そして、前記上テーブル27は図示していない駆動機構、例えばねじ機構から駆動力を受けることで、ガイドレール26にガイドされながら左右方向に移動する。
前記上テーブル27の上面には図示していない回動機構が収納された支持ボックス31が取付けられ、この支持ボックス31には上下方向に延びる引き取り手段としての押出機32が回動可能に支持されている。そして、この押出機32は前記回動機構から必要に応じて駆動力を受け垂直軸回りに回動する。33はブラケット34を介して支持ボックス31に固定されたガイドローラ機構であり、このガイドローラ機構33は巻出し機11から巻き出された帯状ゴムBを押出機32に引き取られる直前においてガイドする。
このようにしてガイドローラ機構33を通じて押出機32に引き取られた帯状ゴムBは、押出機32に内蔵された図示していないスクリュー等により熱入れされながら押出しヘッド38まで移送され、該押出しヘッド38から幅狭のゴムリボンRとして押し出される。このように巻出し機11から巻き出された帯状ゴムBを、幅狭のゴムリボンRとして押し出す押出機32に導くようにすれば、押出機32に必要量のゴムを自動的に連続して供給することができる。
41は前記押出機32の前方に設置されガイドレール26に平行に延びる軸線を中心として回転することができる成形ドラムであり、この成形ドラム41は円筒状あるいは略トロイダル状を呈している。42、43は前記押出しヘッド38の直前において押出機32に回転可能に支持された一対のアプリケータロールであり、これらアプリケーターロール42、43は前記押出機32と一体となって前後、左右に移動するとともに垂直軸回りに回動し、押出機32の押出しヘッド38から押出されたゴムリボンRをその位置、角度を制御しながら、回転している成形ドラム41の周囲に圧着して螺旋状に巻回し、所定断面形状となるよう積層する。
ここで、前記ゴムリボンRがゴムのみからなる場合には、ゴムリボンRを巻回、積層することで、インナーライナー、スキージー、トップトレッド、サイドトレッド、ゴムチェーファー等のタイヤ構成部材を成形することができ、また、前記ゴムリボンRの押出し時、押出機32に金属コード、有機繊維コードを供給しゴムリボンRによりコードの周囲をコーティングしたときには、ベルト強化プライ等のタイヤ構成部材を成形することができる。
46は巻出し機11とガイドローラ機構33との間において帯状ゴムBの走行経路上に設けられた複数のガイドローラであり、これらのガイドローラ46は空中を走行している帯状ゴムBを巻出し機11からガイドローラ機構33までガイドする。47は巻出し機11の近傍でその前方に設置されたガイドローラであり、このガイドローラ47は図示していない固定フレームに回転可能に支持されており、この結果、このガイドローラ47の設置位置は固定である。
そして、前述のようにリール14から巻き出された帯状ゴムBはこのガイドローラ47の外周に転がり接触しながら最後端(上流端)のガイドローラ46に向かって走行するが、このようにリール14から巻き出された直後の帯状ゴムBを位置固定のガイドローラ47に接触させて走行させるようにすれば、リール14における帯状ゴムBの巻き径が巻き出しとともに変化しても、ガイドローラ47を通過後の帯状ゴムBの走行方向を該ガイドローラ47によって常に一定に保持することができ、これにより、後述の検出センサによる帯状ゴムBの張力の検出精度を向上させることができる。
50は前記ガイドローラ47と最後端(上流端)のガイドローラ46との間に設置されたダンサーローラであり、このダンサーローラ50は巻出し機11から押出機32に向かって走行している途中の帯状ゴムBに転がり接触しているとともに、揺動アーム51の先端に回転可能に支持されている。ここで、前記揺動アーム51はその基端が図示していない固定フレームに回動可能に連結されているため、固定フレームに連結された基端を中心として揺動するが、このとき、ダンサーローラ50は前記揺動アーム51の基端を中心とする円弧に沿って変位する。
54はヘッド側が前記固定フレームに連結された押付け力付与手段としてのエアシリンダであり、このエアシリンダ54のピストンロッド55の先端は前記揺動アーム51の中央部に連結されている。そして、このエアシリンダ54内には一定圧力のエアが供給されており、この結果、このエアシリンダ54は帯状ゴムBに接触しているダンサーローラ50に揺動アーム51を介して帯状ゴムBの走行方向にほぼ直交する方向の一定押付け力を付与し、該走行中の帯状ゴムBをエアシリンダ54と反対側、ここでは前下側に向かってくの字形に屈曲させる。
このようにダンサーローラ50に一定の押付け力が付与されているとき、帯状ゴムBの張力が、例えば押出機32の三次元移動により引き取り速度が上昇することで、増大すると、該増大した帯状ゴムBの張力によりピストンロッド55が押し込まれて、ダンサーローラ50がエアシリンダ54側に変位するとともに帯状ゴムBの屈曲量が小さくなり、一方、帯状ゴムBの張力が、例えば、リール14における帯状ゴムBの巻きに緩みがあったことで、低減すると、ピストンロッド55が突出して、ダンサーローラ50がエアシリンダ54から離隔する側に変位するとともに帯状ゴムBの屈曲量が大きくなる。
58は前記揺動アーム51の基端に連結された1個の検出センサであり、この検出センサ58は揺動アーム51の揺動角を検出することで、ダンサーローラ50の位置を検出する。このように検出センサ58を揺動アーム51の揺動角を検出する1個のセンサから構成するようにすれば、帯状ゴムBの走行方向にほぼ直交する方向へのダンサーローラ50の変位を、構造簡単で安価でありながら、確実に検出することができる。
60は前記駆動モータ16および検出センサ58に接続された制御手段であり、この制御手段60には前記検出センサ58からの検出信号(検出結果)が入力される。また、この制御手段60には帯状ゴムBの張力が設定値内にあるとき(上限設定値と下限設定値との間にあるとき)のダンサーローラ50の位置が設定範囲Hとして予め記憶されている。
そして、走行中の帯状ゴムBの張力が、設定値から外れる、例えば上限設定値を超えると、ダンサーローラ50は設定範囲Hから外れた位置、ここでは図1に仮想線で示す位置まで上方に変位するが、このとき、検出センサ58は設定範囲Hから外れたダンサーローラ50の位置(揺動アーム51の揺動角)を検出してその検出結果を制御手段60に出力する。このとき、制御手段60は駆動モータ16に制御信号を出力して駆動モータ16の回転速度(巻出し機11における帯状ゴムBの巻き出し速度)を帯状ゴムBの張力が設定値内に戻る(低減する)よう変化(上昇)させる。
一方、走行中の帯状ゴムBの張力が、設定値から逆に外れる、例えば下限設定値未満となると、ダンサーローラ50は設定範囲から外れた位置、ここでは図1に仮想線で示す位置まで下方に変位するが、このとき、検出センサ58は設定範囲Hから外れたダンサーローラ50の位置(揺動アーム51の揺動角)を検出してその検出結果を制御手段60に出力する。このとき、制御手段60は駆動モータ16に制御信号を出力して駆動モータ16の回転速度(巻出し機11における帯状ゴムBの巻き出し速度)を帯状ゴムBの張力が設定値内に戻るよう(増大する)よう変化(低下または停止)させる。このようにして帯状ゴムBの張力は常に設定値内となるよう制御される。
次に、前記実施例1の作用について説明する。
駆動モータ16から回転駆動力を受けることで駆動ローラ15、リール14が回転すると、該リール14から帯状ゴムBが連続的に巻き出されるが、このようにして巻き出された帯状ゴムBはガイドローラ47および最後端(上流端)のガイドローラ46により経路が決定された状態で前方に走行する。次に、該帯状ゴムBはガイドローラ機構33を通過した後、押出機32に引き取られるが、このとき、リール14から巻き出された後の帯状ゴムBはガイドローラ46、47、ガイドローラ機構33から走行駆動力を受けることがなく、押出機32の引き取り力(のみ込み力)のみによって引き取られるため、低い所定の張力下で走行することになる。
このようにして押出機32に帯状ゴムBが引き取られると、該帯状ゴムBはスクリュー等により熱入れされながら押出しヘッド38まで移送され、該押出しヘッド38から幅狭のゴムリボンRとして押し出される。その後、前記ゴムリボンRは押出機32と一体的に前後、左右に移動するとともに垂直軸回りに回動するアプリケーターロール42、43により、位置、角度が制御されながら、回転している成形ドラム41の周囲に圧着されて螺旋状に巻回され、所定断面形状のタイヤ構成部材が成形される。
このように帯状ゴムBが巻出し機11から巻き出された後、押出機32によって引き取られているとき、ガイドローラ47と最後端(上流端)のガイドローラ46との間の帯状ゴムBには、エアシリンダ54から一定押付け力が付与されたダンサーローラ50が転がり接触しているため、該帯状ゴムBは走行方向にほぼ直交する方向(エアシリンダ54と反対側)に向かってくの字形に屈曲している。
このような状態において、帯状ゴムBの張力が増大すると、ピストンロッド55が押し込まれてダンサーローラ50がエアシリンダ54側に変位するとともに帯状ゴムBの屈曲量が小さくなるが、この帯状ゴムBの張力が上限設定値を超えると、ダンサーローラ50は設定範囲Hをエアシリンダ54側に外れる。このとき、検出センサ58がこの外れたダンサーローラ50の位置(揺動アーム51の揺動角)を検出してその検出結果を制御手段60に出力するため、制御手段60は駆動モータ16に制御信号を出力して駆動モータ16の回転速度(巻出し機11における帯状ゴムBの巻き出し速度)を帯状ゴムBの張力が設定値内に戻る(低減する)よう変化(上昇)させる。そして、ダンサーローラ50が設定範囲H内に復帰すると、駆動モータ16の回転速度を初期値に戻す。
一方、帯状ゴムBの張力が減少すると、ピストンロッド55が突出してダンサーローラ50がエアシリンダ54から離隔する側に変位するとともに帯状ゴムBの屈曲量が大きくなるが、この帯状ゴムBの張力が下限設定値を超えると、ダンサーローラ50は設定範囲Hを反エアシリンダ54側に外れる。このとき、検出センサ58がこの外れたダンサーローラ50の位置(揺動アーム51の揺動角)を検出してその検出結果を制御手段60に出力するため、制御手段60は駆動モータ16に制御信号を出力して駆動モータ16の回転速度(巻出し機11における帯状ゴムBの巻き出し速度)を帯状ゴムBの張力が設定値内に戻る(増大する)よう変化(低下あるいは停止)させる。そして、ダンサーローラ50が設定範囲H内に復帰すると、駆動モータ16の回転速度を初期値に戻す。
このように帯状ゴムBの張力が設定値から外れたとき、検出センサ58によりこの事態を正確に検出して、巻出し機11からの巻き出し(送り出し)速度を変化させるようにしたので、帯状ゴムBの張力を設定値内に確実に戻すことができるのである。これにより、大きな張力により帯状ゴムBの断面積が減少して押出機32からのゴムリボンRの押出量が変化したり、帯状ゴムBが途中で破断するようなことはなく、また、リール14における帯状ゴムBの巻きに緩みが存在していても、リール14から過剰に帯状ゴムBが巻き出されるようなことがなくなる。
また、帯状ゴムBが前述のように巻出し機11から巻き出されているとき、帯状ゴムBがリール14に一瞬引っ掛かったり、内層側の帯状ゴムBに一瞬密着することがあるが、このような引っ掛かり、密着が外れた瞬間に帯状ゴムBは一瞬の間だけ振動する。しかしながら、このような振動に基づく張力変動は直ちに元の値に復帰するため、検出センサ58がこの帯状ゴムBの変位を検出しては不都合であるが、この実施例では、ダンサーローラ50が慣性によって前述のような帯状ゴムBの振動に殆ど反応しないため、制御手段60が巻出し機11からの送り出し速度を不必要に変化させることはなく、これにより、帯状ゴムBの張力を安定して制御することできる。
また、前述のようなリール14に対する帯状ゴムBの引っ掛かりおよび内層側の帯状ゴムBに対する密着は、ダンサーローラ50により帯状ゴムBがくの字形に屈曲され、該帯状ゴムBに所定の張力が付与されているため、このような張力により簡単かつ確実に外され、これにより、不測の事態を未然に防止することができる。
なお、前述の実施例においては、送り出し手段として巻出し機11を用い、引き取り手段として押出機32を用いたが、この発明においては、送り出し手段として押出機、カレンダー装置を用い、引き取り手段として成形ドラム、巻き取り機を用いるようにしてもよい。また、前述の実施例においては、押付け力付与手段としてエアシリンダ54を用いたが、この発明においては、揺動アーム51を反時計回りに付勢するスプリング、重錘を用いてもよく、また、ダンサーローラ50を押付け付与手段に兼用し、その自重によって揺動アーム51を反時計回りに付勢するようにしてもよい。
さらに、前述の実施例においては、ダンサーローラ50を揺動アーム51の基端を中心とする円弧に沿って変位させるようにしたが、この発明においは、ガイドローラ47から最後端(上流端)のガイドローラ46に至る直線に垂直に延びるガイドレールに沿って移動可能なスライダにダンサーローラ50を支持させ、該ダンサーローラ50を帯状ゴムBの走行方向に直交する直線に沿って変位させるようにしてもよい。また、前述の実施例においては、帯状ゴムBをリール14から巻き出して押出機32に供給するようにしたが、この発明においては、収納ケースに収納保管されている帯状ゴムを搬送コンベアにより収納ケースから引き出して押出機に供給するようにしてもよい。
さらに、前述の実施例においては、揺動アーム51の揺動角を検出センサ58により検出することでダンサーローラ50の位置を検出するようにしたが、この発明においては、ダンサーローラ50の位置を検出センサによって直接検出するようにしてもよい。さらに、前述の実施例においては、1個の検出センサ58により検出を行うようにしたが、この発明においては、複数の検出センサにより検出するようにしてもよい。例えば、2個の検出センサを設置し、低速巻出し時におけるダンサーローラの位置を1個目の検出センサで、高速巻き出し時におけるダンサーローラの位置を2個目の検出センサで検出するようにしてもよい。
この発明は、走行している帯状ゴムの張力を制御する産業分野に適用できる。
この発明の実施例1を示す概略正面図である。
符号の説明
11…送り出し手段 14…リール
17…回転機構 32…引き取り手段
47…ガイドローラ 50…ダンサーローラ
51…揺動アーム 54…押付け力付与手段
58…検出センサ 60…制御手段
B…帯状ゴム H…設定範囲
R…ゴムリボン

Claims (5)

  1. 送り出し手段から引き取り手段に向かって走行している帯状ゴムに転がり接触しているダンサーローラに対して、押付け力付与手段から帯状ゴムの走行方向にほぼ直交する方向の一定押付け力を付与し、走行中の帯状ゴムをくの字形に屈曲させるとともに、該ダンサーローラの位置を検出センサにより検出しているとき、前記帯状ゴムの張力が設定値から外れることで、ダンサーローラの位置が設定範囲から外れたことを検出センサが検出すると、制御手段により送り出し手段からの帯状ゴムの送り出し速度を前記張力が設定値内に戻るよう変化させて、帯状ゴムの張力を制御するようにしたことを特徴とする帯状ゴムの張力制御方法。
  2. 送り出し手段から引き取り手段に向かって走行している帯状ゴムに転がり接触するダンサーローラと、該ダンサーローラに対して帯状ゴムの走行方向にほぼ直交する方向の一定押付け力を付与し、走行中の帯状ゴムをくの字形に屈曲させる押付け力付与手段と、前記ダンサーローラの位置を検出する検出センサと、前記帯状ゴムの張力が設定値から外れることで、ダンサーローラの位置が設定範囲から外れたことを検出センサが検出したとき、送り出し手段からの帯状ゴムの送り出し速度を前記張力が設定値内に戻るよう変化させて、帯状ゴムの張力を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする帯状ゴムの張力制御装置。
  3. 前記ダンサーローラを基端を中心として揺動する揺動アームの先端に回転可能に支持させるとともに、前記検出センサを該揺動アームの揺動角を検出する1個のセンサから構成した請求項2記載の帯状ゴムの張力制御装置。
  4. 前記送り出し手段が、帯状ゴムが巻き取られているリールと、該リールを回転させて帯状ゴムをリールから巻き出す回転機構とから構成されているとき、前記リールの近傍に帯状ゴムが接触しながら走行する位置固定のガイドローラを設置した請求項2または3記載の帯状ゴムの張力制御装置。
  5. 前記引き取り手段は、引き取った帯状ゴムを幅狭のゴムリボンとして押し出す押出機である請求項2〜4のいずれかに記載の帯状ゴムの張力制御装置。
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