JP2006068773A - ハイブリッドレーザ溶接機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハイブリッドレーザ溶接機において、保護ガラスの汚れを少なくすると共に溶接用シールドガスへの影響を小さくすることが可能なコンパクトなダクト形状を提案する。
【解決手段】 ハイブリッドレーザ溶接機はレーザ加工用ヘッド1と溶接トーチ4から構成される。レーザ加工用ヘッドはレーザ発振機(図示せず)よりのレーザ光をレンズ光学系2で集光して被加工物3に照射することにより被加工物3の溶接を行う。レンズ光学系2の下部には保護ガラス7が設置されている。また光路を横切る方向へ気体を噴出するエアーノズル5を前記集光手段と被加工物の間に配置し、かつ、エアーノズルから噴出した気体を排気する排気ダクト6をエアーノズル5と対向して配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ハイブリッドレーザ溶接機はレーザ加工用ヘッド1と溶接トーチ4から構成される。レーザ加工用ヘッドはレーザ発振機(図示せず)よりのレーザ光をレンズ光学系2で集光して被加工物3に照射することにより被加工物3の溶接を行う。レンズ光学系2の下部には保護ガラス7が設置されている。また光路を横切る方向へ気体を噴出するエアーノズル5を前記集光手段と被加工物の間に配置し、かつ、エアーノズルから噴出した気体を排気する排気ダクト6をエアーノズル5と対向して配置する。
【選択図】 図1
Description
本発明はレーザ加工機、特にアーク溶接とレーザ溶接を用いるハイブリッドレーザ溶接機に関する。
一般的に、ハイブリッドレーザ溶接機では、被加工物へのレーザ光照射やアーク放電により熱加工(溶接)を行っており、この際にスパッターやヒューム、プルームが発生する。
このようなスパッター、ヒューム、プルームが光路上に留まったりレンズ光学系へ付着したりすると、被加工物へのレーザ照射率が変化し加工品質の低下に繋がるため、これらのものを積極的に除去すると共に、レンズ光学系を保護する必要がある。
従来のレーザ溶接機においては、スパッター、ヒュームおよびプルームからレンズ光学系を保護するために、レーザ光の光軸に対して略直角方向に圧縮空気などの高速流体を噴射するノズルを設け、スパッター等を吹き飛ばすというものがある(例えば特許文献1参照)が、実際にはエアー流のみではレンズ光学系を十分に保護することができず、このためレンズ光学系の下部に保護ガラスを設置されることが多い。
また、ハイブリッドレーザ溶接機では、アーク放電により溶融された被加工物が酸化されるのを防ぐためにシールドガスを噴出しているが、上記エアー流がこのシールドガスへ与える影響を軽減するため、エアー流は排気ダクトなどにより回収されることが望ましく、レーザ溶接装置において排気用のダクトを設けた例もあった。
図3は上記従来の排気用ダクトを有したレーザ溶接装置を示しており、101はレーザビーム、102はレーザビーム101を集光するための加工レンズ、103は加工レンズ102を溶接時に発生するプルーム108およびスパッタ109から守るための保護ガラス、104は加工レンズ102および保護ガラス103を保持するための加工ヘッド、105および106は被加工物、107は被加工物105および106を載置するテーブルである。
110はエアー流出路110aが被加工物側で狭くなったノズルで、111はノズル110内へエアーを送るエアー供給装置、112はノズル110と被加工物105,106部分との間の空間に面して設けられた排気ダクト、113は排気ダクト112に連通して設けられた吸引装置を示している。
以上のように構成されたレーザ溶接装置について、その動作を説明する。エアー供給装置111よりノズル110を通して流出されたエアーは光軸を略直角方向に横切りスパッタ109等を吹き飛ばすことにより保護ガラス103への付着を軽減する。
エアーはその後、吸引装置113に接続された排気ダクト112へと導かれ、外部に排出される。
特開昭59−16692号公報(2頁右下5〜7行目、第4図)
一方、ハイブリッドレーザ溶接機に上記レーザ溶接装置を用いた場合では、加工ヘッド104をロボットアームの先端に設置することが多く、それに併せてノズル110や吸気ダクト112も同様にロボットアームに設置されるため、ロボットアームの運動性能向上のために装置全体の小型軽量化が望まれている。
このような加工装置全体の小型化を考えた場合、前記吸気ダクト112はエアー流が流れ込んだ後に加工ヘッド104側に曲げられるか、あるいはノズル110側に折り返されることが望ましい。
この際、吸気ダクト112の形状が適切でないと、吸気ダクト112にエアー流が収まらなかったり、吸気ダクト112付近で逆流が生じることがある。
例えば、吸気ダクト112が小さすぎるとエアー流が収まりきらずに周囲に漏れたり、逆に大き過ぎると装置が大きくなるのみならず、吸気ダクト112の曲げ部内面に当たったエアー流が吸気ダクト112入口側へと逆流する恐れがあった。
エアーが逆流するとアーク溶接用トーチから噴出するシールドガス流に影響を与えて溶接品質を劣化させたり、また保護ガラス103に粉塵等が付着して、レーザ照射効率を低下させると同時に、保護ガラスの取替えの頻度を高めるといった恐れがあった。
本発明は、ハイブリッドレーザ溶接機においてノズルからのエアー流によってスパッター等の除去率を高めて保護ガラスの交換率を低下させることを実現し、かつエアー流が周囲に及ぼす影響を軽減することが可能なハイブリッドレーザ溶接機を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明のハイブリッドレーザ溶接機は、レーザ発振器と前記レーザ発振器のレーザ光を被加工物へ導く光路上に配置したレンズを有する集光手段を備え、前記レーザ光に対して横切る方向へ気体を噴出する噴出手段を前記集光手段と被加工物の間に配置し、かつ、前記噴出手段から噴出した気体の排気用の絞り部を有するダクト手段を前記噴出手段と流れの軸がほぼ一致するように対向して配置したもので、前記絞り部の絞り後のダクト幅を、ダクトなどの障害物がなく噴出流体が自由に流れたとした場合にその断面での噴出流体の最大流速の約30%から約40%の流速となる領域の幅、とすることを特徴とした排気ダクトを備えている。
また上記のハイブリッドレーザ溶接機において排気ダクト絞り部の角度が流れの軸に対して約30°以下の傾きを持っていることを特徴とする排気ダクトを備えている。
上記構成によりコンパクトで高性能な排気系が実現できる。
本発明は、エアー流用の排気ダクトの幅を所定の幅に設定し、さらにこの幅に至るまでに絞り部を持たせ、かつこの絞り部の傾斜角を所定の角度に設定したので、エアーノズルからのエアー流の排気効率を高くする効果が得られると共に、排気ダクトを絞り後にレーザ加工ヘッド側やエアーノズル側に曲げた場合でも排気効率を高く保つことができる。
これにより保護ガラスへのスパッター等の付着を低減できるだけでなく、これらの周囲への飛散も低減され、さらにはエアー流の跳ね返りやダクト口付近でのエアー流の逆流を防止でき、これらの流れが原因となるアーク溶接用シールドガスへの悪影響を生じないまま、保護ガラスの交換頻度を低下させることができるという効果があり、同時に装置全体の小型化を実現できる。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるハイブリッドレーザ溶接機の加工ヘッド付近を表している。
図1において、1は加工ヘッド、2は加工ヘッド1の鏡筒内部(図示せず)に設けたレンズを有するレンズ光学系、3は被加工物、4はアーク溶接に用いられる溶接用トーチ、5はエアー流を噴出するエアーノズル、6は噴出されたエアーを回収する排気用ダクト、7はレンズ光学系をスパッターなどより保護する保護ガラスを示す。
以下、上記のように構成されたハイブリッドレーザ溶接機について、図2に基づいてその動作を説明する。なお、図において、図1と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
加工ヘッド1は加工箇所に応じてその位置・角度を変えるためにロボットアーム等に取り付けられている。
加工ヘッド1はレーザ発信機(図示せず)から照射されるレーザ光を被加工物3へと集光するレンズ光学系2を有し、この集光されたレーザ光によって溶接が行われる。
アーク溶接用トーチ4は、2重円筒構造となっており、内側円筒から溶接ワイヤが、内側円筒と外側円筒の隙間からシールドガス4aがそれぞれ供給される。
またアーク溶接用トーチ4は加工ヘッド1に固定されるか、あるいは加工ヘッド1と同期して動くように制御され、レーザ加工機と加工点を共有する。
また、加工ヘッド1にはスパッター等からレンズ光学系2を保護するためにエアーノズル5が備えられ、それと対向する位置に排気ダクト6が備えられる。
またレンズ光学系2下部にはエアー流5aにより除去できなかったスパッター等からレンズ光学系2を保護するための保護ガラス7が備えられている。
エアーノズル5から噴出されたエアー流5aは光路を横切るように流れ、絞り部を持った排気ダクト6へと流れ込む。この時、絞りを終了する位置でのダクト幅を、ダクトなどの障害物がなく噴出流体が自由に流れたとした場合の、その位置での噴出流体の最大流速の約30%から約40%の流速となる領域の幅としている。
また絞り部の傾斜面はエアー流5aの中心軸に対して約30°以下の傾きを持つとしている。なお、排気ダクト6の下流には吸気装置が設置されていても良い。
以上のように、上記排気ダクト6を利用することにより、エアーノズル5からのエアー流5aの排気効率を高くする効果が得られると共に、排気ダクト6を絞り後に加工ヘッド1側やエアーノズル5側に曲げた場合でも、高い排気効率を保つことができる。
これにより保護ガラス7へのスパッター等の付着を低減できるだけでなく、これらの周囲環境への飛散も低減され、さらにはエアー流5aの跳ね返りや排気ダクト口付近でのエアー流6aの逆流を防止でき、これらの流れが原因となるアーク溶接用シールドガスへの悪影響を生じないまま、保護ガラスの交換頻度を低下させることができるという効果があり、同時に装置全体の小型化を実現できる。
本発明のハイブリッド溶接機は、ダクト入り口直後に流路を曲げた場合でも、エアーノズルからのエアー流の排気効率を高く保つことができ、スパッター等の除去性能を保ったまま、装置全体の小型化を実現できるので有用である。
1 加工ヘッド
2 レンズ光学系
3 被加工物
4 アーク溶接用トーチ
5 エアーノズル
6 排気ダクト
7 保護ガラス
2 レンズ光学系
3 被加工物
4 アーク溶接用トーチ
5 エアーノズル
6 排気ダクト
7 保護ガラス
Claims (2)
- レーザ発振器と、前記レーザ発振器のレーザ光を被加工物へ導く光路上に配置したレンズを有する集光手段を備え、前記レーザ光に対して横切る方向へ気体を噴出する噴出手段を前記集光手段と被加工物の間に配置し、かつ、前記噴出手段から噴出した気体を排気する絞り部を有するダクトを前記噴出手段と軸がほぼ一致するように対向して配置し、前記絞り部の絞りが終了する位置でのダクト幅を、ダクトなどの障害物がなく噴出流体が自由に流れたとした場合にその位置での噴出流体の最大流速の約30%から約40%の流速となる領域の幅、とすることを特徴とするハイブリッドレーザ溶接機。
- 請求項1に記載されたダクトにおいて、前記絞り部の角度が約30°以下としたハイブリッドレーザ溶接機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004255233A JP2006068773A (ja) | 2004-09-02 | 2004-09-02 | ハイブリッドレーザ溶接機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024075357A1 (ja) * | 2022-10-06 | 2024-04-11 | 三菱重工業株式会社 | レーザ加工装置およびレーザ加工方法 |
-
2004
- 2004-09-02 JP JP2004255233A patent/JP2006068773A/ja active Pending
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