JP2006068423A - 浴用タオル布帛及び浴用健康タオルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 自然界の天然の草木から抽出した樹液に含まれる成分で天然繊維に染色を施し、この天然繊維を使用することにより、いわゆる垢すり用としての機能的な特徴も有するとともに、自然感のある色調及び風合いを有する浴用健康タオルを提供する。
【解決手段】 媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することにより、浴用タオル布帛を製造する。また、媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することにより得られた上記の浴用タオル布帛を裁断し、縫製することにより、浴用健康タオルを製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】 媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することにより、浴用タオル布帛を製造する。また、媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することにより得られた上記の浴用タオル布帛を裁断し、縫製することにより、浴用健康タオルを製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、浴用タオル布帛の製造方法、浴用健康タオルの製造方法に関するものである。更に詳しくは、垢すり用としての機能的な特徴も有するとともに、濃淡色或いは未染色部分が交錯した自然感のある独特な色調及び風合いを有する浴用健康タオルの製造方法に関するものである。
体の表皮の老廃物である垢を落とすため、或いは美容方法の一つとして、いわゆる浴用健康タオルが広く利用されている。この浴用健康タオルは、一般に、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等の合成繊維によって構成される。これらの合成樹脂を用いた浴用健康タオルは硬度が高いので、垢や汚れの掻き取り性には優れるものの、吸水性が低いため体に付着した水分を拭き取る能力に劣り、また、肌を傷つけ易いため皮膚障害の原因になるという問題がある。
また、従来の浴用健康タオルは、垢や汚れの掻き取り機能性が重視されており、使用者にリラックス感を与える視覚効果に欠けるという不満がある。
特開2002−153398号公報には、天然繊維及び/又は合成繊維により帯状に織成若しくは編成された浴用タオル本体からなる浴用タオルが開示されており、該浴用タオル本体の端より部分に洗浄操作用手係合部を設けることにより、背中などを洗浄するときでも浴用タオルが握った手から滑って不意に外れることのない機能を有することが示されている。
しかし、特開2002−153398号公報に開示された浴用タオルは、天然繊維と合成繊維を織成若しくは編成したものであって、合成繊維のみからなる浴用タオルに比べると使用感という機能において優れるものであるが、視覚効果という機能においては合成繊維のみからなる浴用タオルと同様であり、自然感のある色調及び風合いが考慮されたものではなく、リラックス感を与えるものではない。
天然染料は、合成染料には無い、独特の渋さ、落ち着き、光沢、風合を繊維製品に与える用途で使用される。そこで、本発明は、自然界の天然の草木から抽出した樹液に含まれる成分で天然繊維に染色を施し、この天然繊維を使用することにより、いわゆる垢すり用としての機能的な特徴も有するとともに、自然感のある色調及び風合いを有する浴用健康タオルを提供することを目的とする。
本発明の浴用タオル布帛の製造方法は、媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することを特徴としている。
また、本発明の浴用健康タオルの製造方法は、媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することにより得られた上記の浴用タオル布帛を裁断し、縫製したことを特徴としている。
上記の本発明の製造方法によれば、自然界の天然の草木から抽出した樹液に含まれる成分で天然繊維に染色を施すので、個々の草木の持つ抗菌作用や消臭効果を有する浴用タオルを得ることができる。また、この抗菌作用及び消臭効果は、漢方薬の成分としても利用されるものが多く含有されているので、本発明により得られた浴用タオルは、人体親和性が高く、皮膚の弱い使用者も安心して使用することができる。また、本発明の製造方法によれば、天然染料により染色された天然繊維と合成繊維とを用いて編成又は織成するので、本発明により得られた浴用タオルは、いわゆる垢すり用としての機能的な特徴も有するとともに、濃淡色或いは未染色部分が交錯した自然感のある独特な色調及び風合いを有する。
本発明の製造方法における天然繊維とは、木綿、麻、絹、羊毛等を挙げることができ、レーヨン、アセテート等も使用される。天然繊維の太さは、繊維の種類により異なるが、10d〜1000dの範囲から任意に選択すれば良い。
また、天然染料は、クチナシ、エンジュ、ログウッド、黄はだ、藍、茜、うこん、紫根、やまもも、お茶、ヨモギ及びラック等を挙げることができる。本発明において使用する天然染料は、濃厚水溶液の形態で、被染色物である天然繊維の0.001〜50重量%の割合で水に溶解又は分散させて用いる。溶解温度は100℃以下にする。また、天然染料による染色は25℃〜110℃、好ましくは60℃〜100℃の温度で、10分〜120分、好ましくは20分〜40分行われる。温度及び時間がそれぞれ下限値未満では、天然染料の天然繊維への染着が十分でなく、またそれぞれ上限値を超えると染色後の天然繊維が変色したり、色素が脱落する不具合を生じる。染液のpH5.0〜9.0に調製される。
本発明の製造方法においては、媒染剤による天然繊維の処理が必須である。この媒染剤は、酸化鉄、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化錫、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム及び硫酸銅から選ばれた1種又は2種以上の化合物である。また、本発明において使用される上記媒染剤は、被処理物である天然繊維の1〜30重量%、好ましくは5〜10重量%である。媒染剤の割合が下限値未満では天然色素の発色が十分でなく、上限値を超えてもその効果は不変であるため、上記範囲で媒染処理は行われる。また、媒染処理は25℃〜100℃、好ましくは80℃〜100℃の温度で、5分〜40分、好ましくは5分〜20分行われる。温度及び時間がそれぞれ下限値未満では、媒染処理の効果に乏しく、また、それぞれ上限値を超えると媒染剤による着色や染色ムラを生じ、所望の色相が得られない恐れがある。また、媒染剤を被処理物の天然繊維に均一に反応させるために、媒染剤を予めキレート剤によりキレート化合物にしておく方法もある。この場合、このキレート化合物を被処理物の天然繊維に反応させ、その後キレート状態を解除することにより、元の媒染剤の機能を復元する。この媒染処理は、天然染料で天然繊維を染色する前若しくは後、又は前後或いは染色中に行われる。この媒染処理のタイミングは、用いる天然染料、媒染剤及び目的の色相によって決定される。
尚、染色反応終了後は、適宜ソーピング、水洗い等の後処理を行ってから、自然乾燥または熱風乾燥する。
本発明の製造方法における合成繊維とは、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリベンズイミダゾール等を挙げることができる。合成繊維の太さは、用途に応じて10d〜1000dの範囲から任意に選択すれば良い。
上記のごとく天然染料により染色反応させた天然繊維と、合成繊維を用いて編成又は織成することにより、浴用タオル布帛を製造する。尚、編成加工又は織成加工は、編機等の通常の方法を採用すれば良く、編成加工又は織成加工した該浴用タオル布帛を、仕上げ等の処理を施しても良い。
また、上記の本発明の製造方法において、浴用タオル布帛に使用する織物は、10d〜1000dの合成繊維と、上記のごとく染色された天然繊維糸10d〜1000dとを数本毎に交互に使用して編成又は織成することが好ましい。この交互に使用する糸の本数は、目的とするところの色調及び風合いに応じ、適宜選択して使用することができる。尚、上記の合成繊維及び染色された天然繊維の本数は、それぞれタオル全長にわたって常に一定でなくてもよく、中央部と周辺部とで変化させるなどの適宜の所望の変化をさせることも可能である。このようにして得られた浴用タオル布帛を裁断し、縫製することにより、浴用健康タオルが製造される。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
マニラ麻を主原料とする700dの麻糸を噴射型のかせ染機を用いて、次の一連の処理及び染色を行った。まず、かせ染機に上記麻糸を入れた後、化成ソーダを麻糸100重量%に対して10重量%含む水溶液を染色機に入れた。この水溶液を50℃から昇温して100℃で10分間、麻糸を前処理した。脱液後、該麻糸を十分に水洗した。次いでみょうばんを麻糸100重量%に対して10重量%含む水溶液をかせ染機に入れ、この液を50℃から昇温して100℃で15分間、麻糸を媒染処理した。脱液後、該麻糸を十分に水洗した。次に藍を麻糸100重量%に対して10重量%含む染液をかせ染機に入れ、この染液を50℃から20分間で100℃まで昇温して100℃で40分間麻糸を染色した。その結果、水色に染色された麻糸を得た。
マニラ麻を主原料とする700dの麻糸を噴射型のかせ染機を用いて、次の一連の処理及び染色を行った。まず、かせ染機に上記麻糸を入れた後、化成ソーダを麻糸100重量%に対して10重量%含む水溶液を染色機に入れた。この水溶液を50℃から昇温して100℃で10分間、麻糸を前処理した。脱液後、該麻糸を十分に水洗した。次いでみょうばんを麻糸100重量%に対して10重量%含む水溶液をかせ染機に入れ、この液を50℃から昇温して100℃で15分間、麻糸を媒染処理した。脱液後、該麻糸を十分に水洗した。次に藍を麻糸100重量%に対して10重量%含む染液をかせ染機に入れ、この染液を50℃から20分間で100℃まで昇温して100℃で40分間麻糸を染色した。その結果、水色に染色された麻糸を得た。
上記の染色処理を施した麻糸と、30dのポリエステル繊維と200dのポリエステル繊維との引き揃え糸とを3本毎に交互に織成するように編機にて浴用タオル布帛を製造した。さらに、該浴用タオル布帛を裁断し、縫製することにより、実施例1の浴用健康タオルを製造した。
(実施例2)
500dの綿糸を高圧パッケージ染色機を用いて、次の一連の処理及び染色を行った。まず、染色機に綿糸を入れた後、苛性ソーダを20g/リットルの割合で含む液を染色機に入れ、この液を30℃から70℃まで昇温し70℃で30分間綿糸を処理した。次に酸化第二鉄及び硫酸銅を綿糸100重量%に対してそれぞれ10重量%及び10重量%含む水溶液を染色機に入れ、この液を50℃から昇温して100℃で10分間綿糸を媒染処理した。脱液後、該綿糸を十分に水洗した。次にインド茜液を綿糸100重量%に対して10重量%含む染液を染色機に入れ、この染液を50℃から20分間で100℃まで昇温して100℃で30分間綿糸を染色した。その結果、濃いエンジ色に染色された綿糸を得た。
500dの綿糸を高圧パッケージ染色機を用いて、次の一連の処理及び染色を行った。まず、染色機に綿糸を入れた後、苛性ソーダを20g/リットルの割合で含む液を染色機に入れ、この液を30℃から70℃まで昇温し70℃で30分間綿糸を処理した。次に酸化第二鉄及び硫酸銅を綿糸100重量%に対してそれぞれ10重量%及び10重量%含む水溶液を染色機に入れ、この液を50℃から昇温して100℃で10分間綿糸を媒染処理した。脱液後、該綿糸を十分に水洗した。次にインド茜液を綿糸100重量%に対して10重量%含む染液を染色機に入れ、この染液を50℃から20分間で100℃まで昇温して100℃で30分間綿糸を染色した。その結果、濃いエンジ色に染色された綿糸を得た。
上記の染色処理を施した綿糸と、30dのポリエステル繊維と200dのポリエステル繊維との引き揃え糸とを3本毎に交互に織成するように編機にて浴用タオル布帛を製造した。さらに、該浴用タオル布帛を裁断し、縫製することにより、実施例2の浴用健康タオルを製造した。
こうして得られた実施例1及び実施例2で製造した浴用健康タオルは、いずれも濃淡色或いは未染色部分が交錯した自然感のある独特な色調及び風合いを有するものであった。また、上記の実施例1及び実施例2の浴用健康タオルについて、入浴時の垢すりに実際に使用して使用感を試験したところ、いずれも垢をよく落とすことができ、泡立ちに優れていた。また、これらの実施例の浴用健康タオルの表面の凹凸も、長期間維持された。
Claims (5)
- 媒染剤を用い、天然繊維を天然染料により染色反応させ、
次いで、該天然繊維及び合成繊維を用いて編成又は織成することを特徴とする、
浴用タオル布帛の製造方法。 - 媒染剤による天然繊維の処理が、天然染料で該天然繊維を染色する前若しくは後又は前後或いは染色中に行われることを特徴とする、
請求項1に記載の浴用タオル布帛の製造方法。 - 媒染剤が、酸化鉄、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化錫、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム及び硫酸銅から選ばれることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の浴用タオル布帛の製造方法。 - 天然染料が、クチナシ、エンジュ、ログウッド、黄はだ、藍、茜、うこん、紫根、やまもも、お茶、ヨモギ及びラックから選ばれることを特徴とする、
請求項1乃至3に記載の浴用タオル布帛の製造方法。 - 請求項1乃至4いずれか記載の浴用タオル布帛を、
裁断し、縫製したことを特徴とする、
浴用健康タオルの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004258241A JP2006068423A (ja) | 2004-09-06 | 2004-09-06 | 浴用タオル布帛及び浴用健康タオルの製造方法 |
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KR101001001B1 (ko) | 2010-04-14 | 2010-12-14 | 재단법인나주시천연염색문화재단 | 홀치기 염색용 천연 염색 교구용 패키지 |
CN111893640A (zh) * | 2020-07-15 | 2020-11-06 | 何炽斌 | 一种彩色无纺布纸巾及其制备方法 |
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- 2004-09-06 JP JP2004258241A patent/JP2006068423A/ja active Pending
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