JP2006067391A - ブレ補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像内の被写体の動きが、ブレによるものであるか、パニング/チルティングによるものであるか、に応じて、適切にブレ補正を行うブレ補正装置を提供する。
【解決手段】 撮像部から出力される動画像の画像信号に基づいて画像内の被写体の動きを検出する動きベクトル検出回路と、検出された画像内の被写体の動きが小さくなるように画像信号の一部を切り出すためのメモリアドレスを指定するメモリ読出制御回路と、動きベクトル検出回路による時系列的なi回分の動き検出結果に基づいて同一方向の移動量が所定の閾値よりも大きい回数COUNTを計数するカウント部24と、このカウント部24により計数されたCOUNTが所定のカウント閾値THR_Cよりも大きいか否かを判別し大きいときには動き補正量を低下または停止させるように制御するカウント判定部25と、を備えたブレ補正装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、時系列的な画像信号に係る画像内の被写体の動きが小さくなるように補正するブレ補正装置に関する。
ビデオカメラやデジタルカメラ等の撮像装置は、該撮像装置を保持するユーザの技術等に応じて、画面内の被写体が動いてしまうブレ(いわゆる手ブレ)が発生することが知られている。
このようなブレを低減するための技術は種々のものが提案されているが、例えば撮影レンズ内にブレ補正用の光学素子を設けて行う光学的なブレ補正や、あるいは撮像素子上に結像された電子的な画像の一部を切り出すことにより画像内の被写体像の移動を抑制する電子的なブレ補正などが知られている。
このようなブレ補正の技術を適用するには、ブレを検出することが必要である。該ブレ検出の技術の一例として、例えば、特開平2−111179号公報には、時系列的に隣接する画面間における画像位置の変化を検出するブレ検出回路と、このブレ検出回路の出力信号の中のカメラブレの周波数帯域の信号成分のみを数フィールドまたは数フレームに渡って加算し蓄積する第1の積分回路と、この第1の積分回路の出力に基づき可変頂角プリズムを駆動して、検出された画像の動きが小さくなる方向に補正を行う補正手段と、上記ブレ検出回路の出力信号の中のカメラブレの周波数帯域よりも低い帯域成分の信号を数フィールドまたは数フレームに渡って加算し蓄積する第2の積分回路と、この第2の積分回路の出力が予め決められた閾値を超えるときに、パニング/チルティングが発生したものと判断して、上記補正手段による画像の動き補正を低下させまたは停止させる制御手段と、を備えたブレ補正装置が記載されている。
特開平2−111179号公報
しかしながら、上記特開平2−111179号公報に記載のものでは、ブレ検出回路の出力信号から、カメラブレの周波数を分離するための帯域通過フィルタが必要であるとともに、さらに、パニング/チルティングの周波数を分離するための帯域通過フィルタも必要となり、構成が複雑になるという課題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、画像内の被写体の動きが、ブレによるものであるか、パニング/チルティングによるものであるか、に応じて、適切にブレ補正を行うことができる簡単な構成のブレ補正装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の発明によるブレ補正装置は、撮影レンズを含んで構成されこの撮影レンズにより結像された被写体像を繰り返し撮像して画像信号を時系列的に出力する撮像手段と、上記撮像手段から出力される画像信号に基づいて画像内の被写体の動きを検出する動き検出手段と、上記動き検出手段により検出された画像内の被写体の動きが小さくなるように補正する補正手段と、上記動き検出手段による時系列的なi(iは正の整数)回分の動き検出結果に基づいて同一方向の移動量が所定の閾値よりも大きい回数COUNT(COUNTはi以下の正の整数)を計数する計数手段と、上記計数手段により計数されたCOUNTが所定のカウント閾値THR_C(THR_Cはiよりも小さい正の整数)よりも大きいか否かを判別する判別手段と、上記判別手段により上記COUNTが所定のカウント閾値THR_Cよりも大きいと判別されたときは上記補正手段による動き補正量を低下させまたは該補正手段による動き補正を停止させるように制御する制御手段と、を具備したものである。
また、第2の発明によるブレ補正装置は、上記第1の発明によるブレ補正装置において、上記所定のカウント閾値THR_Cが、(i−1)よりも小さい正の整数であることを特徴とする。
さらに、第3の発明によるブレ補正装置は、上記第1の発明によるブレ補正装置において、上記撮影レンズが焦点距離可変なズームレンズであって、上記計数手段は、該撮影レンズの焦点距離に応じて、上記所定の閾値を変化させるものである。
第4の発明によるブレ補正装置は、上記第1の発明によるブレ補正装置において、上記動き検出手段が、画像内の独立した2つの方向における被写体の動きを検出するものであり、上記補正手段、計数手段、判別手段、および制御手段は、上記独立した2つの方向のそれぞれにおいて、各独立して、各処理を実行するものである。
本発明のブレ補正装置によれば、画像内の被写体の動きが、ブレによるものであるか、パニング/チルティングによるものであるか、に応じて、適切にブレ補正を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1から図4は本発明の実施例1を示したものであり、図1はブレ補正装置の構成を示すブロック図である。
このブレ補正装置は、例えばデジタルビデオカメラ等の撮像装置に適用されたものとなっている。
すなわち、該ブレ補正装置は、撮像部1と、Y/C分離回路2と、バッファ3と、差分演算回路4と、積分回路5と、動きベクトル検出回路6と、パニング検出回路7と、メモリ読出制御回路8と、メモリ9と、レンズ制御駆動部10と、CPU11と、ズームスイッチ12と、を有して構成されている。
上記撮像部1は、焦点距離可変なズームレンズとして構成された撮影レンズと、この撮影レンズにより結像された被写体像を繰り返し撮像して画像信号を時系列的に出力する撮像素子と、この撮像素子から出力されるアナログの画像信号を、デジタルの画像信号に変換するA/D変換回路と、等を含んで構成された撮像手段である。
上記Y/C分離回路2は、上記撮像部1から出力されるデジタルの画像信号を、輝度信号Yと色差信号Cy,Cbとに分離するものである。このブレ補正装置においては、このY/C分離回路2により分離された信号の内の、輝度信号Yのみが動き検出に用いられるようになっている。
上記バッファ3は、上記Y/C分離回路2により分離された輝度信号Yを、少なくとも1画面分(1フレーム分、あるいは1フィールド分)記憶するためのものである。これにより、このバッファ3は、画像信号を1画面分遅延させるための遅延手段としての機能を果たすようになっている。
上記差分演算回路4は、上記Y/C分離回路2から出力された画像信号(輝度信号Y)と、上記バッファ3に記憶されている時系列的に1つ前の画像信号(輝度信号Y)と、の差分を算出して、さらに該差分を絶対値として出力するものである。
上記積分回路5は、上記差分演算回路4から出力された輝度信号の差分の絶対値を、画面横方向(パン方向)、画面縦方向(チルト方向)にそれぞれ個別に積分するものである。このように、上記差分演算回路4と積分回路5とは、時系列的に隣接する画像同士の相関を演算する相関演算手段の機能を果たすようになっている。
上記動きベクトル検出回路6は、上記積分回路5の出力に基づいて、画面内の被写体の動き量が、パン方向において正/負の何れの方向にどれだけ発生しているか、チルト方向において正/負の何れの方向にどれだけ発生しているか、を検出する動き検出手段である。
上記パニング検出回路7は、上記動きベクトル検出回路6により検出されたパン方向の移動ベクトルおよびチルト方向の移動ベクトルに基づいて、パン方向のパニングと、チルト方向のチルティングと、の少なくとも一方が発生しているか否かを検出するものである。このパニング検出回路7の詳細については、後で他の図面を参照して説明する。
上記メモリ読出制御回路8は、上記パニング検出回路7の出力に基づいて、上記メモリ9に記憶されている画像信号から画像データとして切り出しを行う領域を決定する補正手段である。この画像データの切り出しは、メモリ9内における画像信号が記憶されているアドレスの内から、読み出しを行うアドレスを指定することにより行われる。
上記メモリ9は、上記撮像部1から出力されるデジタルの画像信号を、所定範囲内のアドレスに記憶するものである。
上記レンズ制御駆動部10は、上記撮像部1に含まれる撮影レンズのフォーカス制御やズーム制御を行うためのものであり、該撮影レンズのフォーカス位置やズーム位置に関する情報を取得して、CPU11へ出力するようになっている。
上記ズームスイッチ12は、上記撮像部1に含まれる撮影レンズの焦点距離を長くする(望遠側にする)操作や、該撮影レンズの焦点距離を短くする(広角側にする)操作を行うためのものであり、そのスイッチ状態は、CPU11により検出されるようになっている。
上記CPU11は、このブレ補正装置内の各回路を統合的に制御するためのものであり、上記ズームスイッチ12の操作に応じて上記レンズ制御駆動部10を制御するとともに、該レンズ制御駆動部10から取得したズーム位置情報である撮影レンズの焦点距離fを上記パニング検出回路7へ出力し得るようになっている。なお、パニング検出回路7において、焦点距離fの情報をどのように利用するかについては、後述の実施例2において説明する。
次に、図2は、パニング検出回路7の構成を示すブロック図である。
このパニング検出回路7は、動きベクトル用バッファ21と、ブレ方向判定部22と、ブレ量判定部23と、カウント部24と、カウント判定部25と、を有して構成されている。
上記動きベクトル用バッファ21は、上記動きベクトル検出回路6から時系列的に出力される移動ベクトル(ブレデータ)を、最新のものから過去へ遡って少なくとも(所定回数−1回)分だけ記憶するものである。
上記ブレ方向判定部22は、上記動きベクトル用バッファ21に記憶されている(所定回数−1回)分の移動ベクトルと、上記動きベクトル検出回路6から出力される最新の移動ベクトルと、に基づいて、画像中の被写体の移動がパン方向における正方向であるか負方向であるか、および、画像中の被写体の移動がチルト方向における正方向であるか負方向であるか、を判定するものである。
なお、このパニング検出回路7は、以下の処理についてもパン方向とチルト方向とを独立して行うようになっているために、以下では簡単のためにパン方向についてのみ説明を行う。
上記ブレ量判定部23は、上記動きベクトル用バッファ21に記憶されている(所定回数−1回)分の移動ベクトルと、上記動きベクトル検出回路6から出力される最新の移動ベクトルと、の合計して所定回数となる移動ベクトルのそれぞれについて、その大きさが、所定の閾値THR_Xよりも大きいか否かを判定するものである。
上記カウント部24は、上記ブレ量判定部23により所定の閾値THR_Xよりも大きいと判定された場合に、該移動ベクトルの方向が上記ブレ方向判定部22により正方向であると判定されている場合には正方向のカウンタをカウントアップし、該移動ベクトルの方向が該ブレ方向判定部22により負方向であると判定されている場合には負方向のカウンタをカウントアップする計数手段である。
上記カウント判定部25は、上記所定回数分の動きベクトルに関する上記カウント部24のカウント結果に基づいて、パン(またはチルト)が行われているか否かを判定する判別手段および制御手段である。このカウント判定部25は、さらに、パン(またはチルト)が行われていると判定した場合には、上記動きベクトル検出回路6から出力される移動ベクトル(ブレデータ)を、その大きさが低下するように補正するか、または0ベクトルとして補正するようになっている。一方、該カウント判定部25は、パン(またはチルト)が行われていないと判断した場合には、上記動きベクトル検出回路6から出力される移動ベクトル(ブレデータ)の補正は行わない。なお、このカウント判定部25による移動ベクトル(ブレデータ)の補正は、上述したように、パン方向とチルト方向とで独立して行われるために、パンまたはチルトの何れか一方のみが行われている場合には、該方向についてはブレ補正の低下または停止が行われる。これに対して、パンが行われていない方向、またはチルトが行われていない方向については、通常のブレ補正が実行される。
次に、このようなパニング検出回路7の作用について、図3および図4を参照して説明する。図3はパニング検出回路7の作用を示すフローチャート、図4はパニング動作を説明するためのブレデータの一例を示す線図である。
なお、図3に示す例においては、最新の画像データを含む5回分の画像データに係るブレデータに基づいて、パン(またはチルト)が行われているか否かを判定する場合を示しているが、もちろんこれに限るものではない。
この動作を開始すると、正方向カウンタCOUNT_Pと負方向カウンタCOUT_Mとをリセットして0にする(ステップS1)。これらのカウンタは、後述するように、閾値を超えた回数をカウントするためのものであり、正方向カウンタCOUNT_Pには正方向の閾値を超えた回数が、負方向カウンタCOUT_Mには負方向の閾値を超えた回数が、それぞれ記憶されるようになっている。
そして、上述したような最新のものから過去へ遡った5回分の画像データに係る5回分のブレデータについて、ループを開始する(ステップS2)。ここに、ループ回数を示す変数として、iを設定している。
ループを開始すると、i番目のブレデータBL(i)が正方向の閾値(+THR_X)よりも大きいか否かを判断する(ステップS3)。ここに、変数THR_Xには閾値の絶対値が代入されており、正方向の閾値であることを示すために正負号「+」を付加している。同様に、後述する負方向の閾値は(−THR_X)と記載している。
ここで、ブレデータBL(i)が正方向の閾値(+THR_X)よりも大きい場合には、正方向カウンタCOUNT_Pをカウントアップする(ステップS4)。ここに、記号「++」は、例えばプログラミング言語Cにおいて用いられるものと同様に、値を1だけ増加させることを示している。
このステップS4の処理が終了するか、または上記ステップS3においてブレデータBL(i)が正方向の閾値(+THR_X)以下であると判断された場合には、次に、i番目のブレデータBL(i)が負方向の閾値(−THR_X)よりも小さいか否かを判断する(ステップS5)。
ここで、ブレデータBL(i)が負方向の閾値(−THR_X)よりも小さい場合には、負方向カウンタCOUNT_Mをカウントアップする(ステップS6)。
このステップS6の処理が終了するか、または上記ステップS5においてブレデータBL(i)が負方向の閾値(−THR_X)以上であると判断された場合には、ループが5回に達していないときはiをカウントアップしてから上記ステップS2へ戻って上述したような処理を繰り返して行い、ループが5回に達しているときは該ループを終了する(ステップS7)。
次に、ループ終了後の正方向カウンタCOUT_Pが、所定のカウント閾値THR_Cよりも大きいか否かを判断する(ステップS8)。このカウント閾値THR_Cは、パン(またはチルト)が行われているか否かを判定するための閾値であり、処理対象の画像数(つまり、上記ステップS2におけるループ数)以下の所定数で、かつ、該画像数の半分を超える所定数(半分を超えないと、このステップS8の判断が「Y」となる場合であって、実際には実行されないステップS9の判断が「Y」となる場合があり得るため。)として設定される。そして、基本的にはパン(またはチルト)の動作が行われている最中であっても、動きに少しムラがあるなどの理由により、ブレデータの一部が上記THR_Xを超えないことがある。このような場合(いわゆる、ノイズが発生する場合)を考慮して、カウント閾値THR_Cを処理対象の画像数よりも少し小さく設定すると良い。具体的には、ステップS2からステップS7までのループ回数が5回に設定されているときは、カウント閾値THR_Cを3に設定することが考えられる。この場合には、正方向カウンタCOUT_Pが3以下のときには正方向へのパン(または正方向へのチルト)は行われていないと判定され、一方、該正方向カウンタCOUT_Pが4または5となるときには正方向へのパン(または正方向へのチルト)が行われていると判定される。なお、次に述べる負方向カウンタCOUT_Mの判定についても、同様である。
ここで、正方向カウンタCOUT_Pがカウント閾値THR_C以下である場合には、次に、負方向カウンタCOUT_Mが、該カウント閾値THR_Cよりも大きいか否かを判断する(ステップS9)。
上記ステップS8において、正方向カウンタCOUT_Pがカウント閾値THR_Cよりも大きい場合には、正方向へのパン(またはチルト)が行われていると判断され、上記ステップS9において、負方向カウンタCOUT_Mが、カウント閾値THR_Cよりも大きい場合には、負方向へのパン(またはチルト)が行われていると判断される。
従って、これらの場合の何れかであるときには、上記動きベクトル検出回路6により検出された移動ベクトル(ブレデータ)の大きさを低下させるか、または該移動ベクトルを0ベクトルにするパニング処理を行う(図4参照)(ステップS10)。
このステップS10の処理が終了するか、または上記ステップS9において、負方向カウンタCOUT_Mがカウント閾値THR_C以下であると判断された場合には、この処理を終了する。
その後は、上記メモリ読出制御回路8が、上述したように、上記パニング検出回路7からの出力に基づいて、上記メモリ9に記憶されている画像信号から画像データとして切り出しを行う領域を決定することになる。このときに、パンまたはチルトが検出された場合は、該パン方向またはチルト方向へのブレ補正処理を低減し(動き補正量を低下させ)、またはブレ補正を行わない(動き補正を停止させる)ことになる。一方、パンまたはチルトが検出されていない場合は、画像内の被写体の動きが小さくなるような画像の切り出し領域が決定されることになる。
このような実施例1によれば、最新の所定数の画像データに基づくブレデータが所定の閾値を超える回数が、所定のカウント閾値よりも大きいか否かにより、パンまたはチルトが行われているか否かを判定するようにしたために、構成を簡単にすることができる。
このとき、ブレデータの数に対して、カウント閾値をやや小さくすることにより、ノイズ等の影響があったとしても、より確実な判定を行うことが可能となる。
さらに、パン方向のブレ判定とチルト方向のブレ判定とをそれぞれ独立に行っているために、パニングのみが行われている場合には、該パン方向のブレ補正を抑制しながら、チルト方向のブレ補正を通常と同様に行うことができ、同様に、チルティングのみが行われている場合には、該チルト方向のブレ補正を抑制しながら、パン方向のブレ補正を通常と同様に行うことができる。従って、パニングやチルティングによる画像の動きを妨げることなく、ブレのない見易い画像を生成することが可能となる。
図5および図6は本発明の実施例2を示したものであり、図5はパニング検出回路7の構成を示すブロック図、図6はブレ量判定部23Aの処理を示すフローチャートである。
この実施例2において、上述の実施例1と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
図5に示すパニング検出回路7は、基本的には実施例1の図2に示したものと同様であるが、ブレ量判定部23がブレ量判定部23Aとなっている点が異なっている。このブレ量判定部23Aには、CPU11を介して上記レンズ制御駆動部10からの撮影レンズの焦点距離データが入力されるようになっている。そして、ブレ量判定部23Aは、この焦点距離データに基づいて、上記閾値THR_Xの値を変更する。すなわち、撮影レンズが望遠側になっているときには、手ブレ等による画像内の被写体の移動量が大きくなるのに対して、撮影レンズが広角側になっているときには、同じ大きさの手ブレであっても、画像内の被写体の移動量はそれほど大きくない。従って、手ブレであるか否かを判別するための閾値THR_Xも、撮影レンズの焦点距離に応じて適応的に変更するようにしたものである。
このブレ量判定部23Aにおいて、閾値THR_Xの値を変更する動作について、図6を参照して説明する。
ズームスイッチ12が操作されて、該操作を検出したCPU11の指令により、レンズ制御駆動部10により撮影レンズの焦点距離が変更されると、該焦点距離情報が、レンズ制御駆動部10からCPU11を介してパニング検出回路7のブレ量判定部23Aに入力される。
すると、ブレ量判定部23Aが、図6に示す動作を開始して、まず、入力される焦点距離データを読み込む(ステップS21)。
次に、入力した焦点距離データに基づき、閾値THR_Xの算出を行う(ステップS22)。この閾値THR_Xの算出は、例えば、次のようにして行われる。
手ブレ等による撮影レンズの光軸の角度の変化は、ズーム位置によらずほぼ一定であると考えられる。従って、この手ブレ等とパン/チルトとを区別するための、光軸の角度変化に対する閾値をθT とすると、この閾値θT もズーム位置によらず一定である。
閾値THR_Xが、撮影画面内における長さで与えられるとすると、焦点距離がf0 のときの閾値THR_X0 と、焦点距離がf1 のときの閾値THR_X1 と、には、それぞれ次の数式1に示すような関係が成り立つ。
[数1]
Figure 2006067391
数式1に示した2つの式からtan(θT /2)を消去すると、閾値THR_X0 と閾値THR_X1 との焦点距離に応じた関係式が、次の数式2に示すように得られる。
[数2]
Figure 2006067391
従って、ある標準となる焦点距離f0 における閾値THR_X0 が与えられているときに、焦点距離がf1 に変更された場合には、数式2に基づいて、該焦点距離f1 における閾値THR_X1 を算出することができる。
続いて、このように算出された新たな閾値を、閾値THR_Xとして設定して(ステップS23)、この閾値の変更処理を終了する。
その後は、新たな閾値THR_Xに基づいて、上記図3に示したような処理が行われる。
このような実施例2によれば、上述した実施例1とほぼ同様の効果を奏するとともに、焦点距離に応じて手ブレであるか否かを判別するための閾値THR_Xの値を変更するようにしたために、撮影レンズがズームレンズであって、焦点距離が変更された場合にも、パンまたはチルトが行われているか否かを精度良く判定することができる。
なお、上述した各実施例では、パン方向のカウント閾値THR_Cと、チルト方向のカウント閾値THR_Cと、が同一であるか否かについて述べていないが、同一としても良いし、必要がある場合には異ならせても構わない。同様に、閾値THR_Xについても、パン方向とチルト方向とで同一であっても良いし、異なっていても構わない。
さらに、上述した各実施例では、正方向カウンタCOUT_Pと負方向カウンタCOUT_Mとの両方を、同一のカウント閾値THR_Cと比較したが、例えば、チルト(つまり、上下方向にカメラを傾ける場合)には、上方向と下方向とでユーザの動きに相違が生じる可能性がある。このような場合を考慮して、カウント閾値THR_Cを正方向と負方向とで異ならせても構わない。同様に、閾値THR_Xについても、正方向と負方向とで同一であっても良いし、異なっていても構わない。
そして、判定に用いる画像数(つまり、上記ステップS2におけるループ数)も、適応的に変更することが考えられる。例えば、動きベクトル検出回路6により検出されたベクトルの大きさが閾値THR_Xよりもずっと大きいときには、ユーザが大きな角速度で撮影光軸を傾けていることになるために判定に用いる画像数を小さくし、ベクトルの大きさが閾値THR_Xに近い大きさであるときには判定に用いる画像数を大きくするようにしても良い。
加えて、パニング検出は、画面の垂直方向と水平方向との2方向にのみ分解して、各独立に検出するに限るものではない。すなわち、パンやチルトが斜め方向へ向けて行われることもあるために、該斜め方向(ブレデータ(動きベクトル)の主成分が得られる方向)と、それに垂直な斜め方向と、の2方向に分解して、各独立にパニング検出を行うようにすることも可能である。このときには、検出された動きベクトルに応じて、パニング検出を行う2方向が適応的に変更されることになる。
また、上述した各実施例は、電子的なブレ補正を行う場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、光学的なブレ補正を行う場合にも適用することが可能である。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
本発明は、時系列的な画像信号に係る画像内の被写体の動きが小さくなるように補正するブレ補正装置に好適に利用することができる。
本発明の実施例1におけるブレ補正装置の構成を示すブロック図。 上記実施例1におけるパニング検出回路の構成を示すブロック図。 上記実施例1におけるパニング検出回路の作用を示すフローチャート。 上記実施例1においてパニング動作を説明するためのブレデータの一例を示す線図。 本発明の実施例2におけるパニング検出回路の構成を示すブロック図。 上記実施例2におけるブレ量判定部の処理を示すフローチャート。
符号の説明
1…撮像部(撮像手段)
2…Y/C分離回路
3…バッファ
4…差分演算回路
5…積分回路
6…動きベクトル検出回路(動き検出手段)
7…パニング検出回路
8…メモリ読出制御回路(補正手段)
9…メモリ
10…レンズ制御駆動部
11…CPU
12…ズームスイッチ
21…動きベクトル用バッファ
22…ブレ方向判定部
23,23A…ブレ量判定部
24…カウント部(計数手段)
25…カウント判定部(判別手段、制御手段)
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (4)

  1. 撮影レンズを含んで構成され、この撮影レンズにより結像された被写体像を繰り返し撮像して画像信号を時系列的に出力する撮像手段と、
    上記撮像手段から出力される画像信号に基づいて、画像内の被写体の動きを検出する動き検出手段と、
    上記動き検出手段により検出された画像内の被写体の動きが小さくなるように補正する補正手段と、
    上記動き検出手段による時系列的なi(iは正の整数)回分の動き検出結果に基づいて、同一方向の移動量が所定の閾値よりも大きい回数COUNT(COUNTはi以下の正の整数)を計数する計数手段と、
    上記計数手段により計数されたCOUNTが、所定のカウント閾値THR_C(THR_Cはiよりも小さい正の整数)よりも大きいか否かを判別する判別手段と、
    上記判別手段により上記COUNTが所定のカウント閾値THR_Cよりも大きいと判別されたときは、上記補正手段による動き補正量を低下させ、または該補正手段による動き補正を停止させるように制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とするブレ補正装置。
  2. 上記所定のカウント閾値THR_Cは、(i−1)よりも小さい正の整数であることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
  3. 上記撮影レンズは焦点距離可変なズームレンズであって、
    上記計数手段は、該撮影レンズの焦点距離に応じて、上記所定の閾値を変化させるものであることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
  4. 上記動き検出手段は、画像内の独立した2つの方向における被写体の動きを検出するものであり、
    上記補正手段、計数手段、判別手段、および制御手段は、上記独立した2つの方向のそれぞれにおいて、各独立して、各処理を実行するものであることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007292831A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Seiko Epson Corp 手ぶれ検出装置、手ぶれ検出方法、および手ぶれ検出プログラム
WO2007132646A1 (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Opt Corporation 動画の表示方法、動画表示システムおよび広角動画撮像装置
JP2013046192A (ja) * 2011-08-24 2013-03-04 Casio Comput Co Ltd 手ぶれ補正装置、手ぶれ補正方法及びプログラム
JP2013135442A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Canon Inc 撮像装置及びその制御方法

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