JP2006066699A - 非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤、電気二重層キャパシタ用非水電解液及び非水電解液電気二重層キャパシタ - Google Patents

非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤、電気二重層キャパシタ用非水電解液及び非水電解液電気二重層キャパシタ Download PDF

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Abstract

【課題】電気二重層キャパシタの漏れ電流値を低減することが可能な非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤を提供する。
【解決手段】分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物からなる非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤である。前記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合としては、炭素−炭素二重結合が好ましく、該炭素−炭素二重結合を含む基としては、アリル基及びビニル基が特に好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤、該電極安定化剤を含む電気二重層キャパシタ用非水電解液、及び該非水電解液を備えた非水電解液電気二重層キャパシタに関し、特に電気二重層キャパシタの60℃における加熱試験後の漏れ電流値を10%以上低減することが可能な電気二重層キャパシタ用電極安定化剤に関するものである。
電気二重層キャパシタは、電極と電解質との間に形成される電気二重層を利用したコンデンサであり、電極表面において電解質から電気的にイオンを吸着するサイクルが充放電サイクルである点で、物質移動を伴う酸化還元反応のサイクルが充放電サイクルである電池とは異なる。このため、電気二重層キャパシタは、電池と比較して瞬間充放電特性に優れることに加え、化学反応を伴わないため、充放電を繰り返しても瞬間充放電特性が殆ど劣化しない。また、電気二重層キャパシタにおいては、充放電時に充放電過電圧がないため、簡単で且つ安価な電気回路で足りる。更に、残存容量が分かり易く、-30〜90℃の広範囲の温度条件下に渡って耐久温度特性を有し、無公害性である等、電池に比較して優れた点が多いため、メモリーバックアップ用等の小容量タイプから、電気自動車のパワーアシスト用等の中容量タイプ及び電力貯蔵用蓄電池の代替等の大容量タイプまで幅広く検討されている。
上記電気二重層キャパシタの電極と電解質との接触界面では、極めて短い距離を隔てて正・負の電荷が対向して配列し、電気二重層を形成している。従って、電解質は、電気二重層を形成するためのイオン源としての役割を担うため、電極と同様に、電気二重層キャパシタの基本特性を左右する重要な物質である。該電解質としては、従来、水系電解液、非水電解液及び固体電解質等が知られているが、電気二重層キャパシタのエネルギー密度を向上させる観点から、高い作動電圧を設定可能な非水電解液が特に脚光を浴び、実用化が進んでいる。該非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等の高誘電率の非プロトン性有機溶媒に、(C25)4P・BF4や、(C25)4N・BF4等の支持塩を溶解させた混合溶液が実用化されている。
また、非水電解液を用いた電気二重層キャパシタの構造としては、円筒形ケース内に分極性電極とセパレーターを渦巻き状に巻いて収納する捲回型と、平板状の分極性電極とセパレーターとを積層して形成する平板型等が知られている。特に、平板型のキャパシタは、一枚のセパレーターを挟む二枚の分極性電極及び集電板からなる1セルを複数個積層することにより、バイポーラ構造とすることができるため、高電圧用途に適している。即ち、前記セル一つ当りの耐電圧は分極性電極に含浸される電解液の電気分解電圧で決まり、有機系電解液を使用した場合、その耐電圧は約2.2〜2.5Vと低いものの、前記セルを複数個重ねて直列接続することにより、高電圧を要求される用途に用いることができ、実用レベルのキャパシタとして、有機系電解液を使用した平板型のセルを40〜50個積層した出力電圧100Vのキャパシタユニット等が開発されている。
上記のように非水電解液電気二重層キャパシタは、瞬間充放電特性に優れ、充放電を繰り返しても瞬間充放電特性が殆ど劣化せず、高い作動電圧を設定することが可能であるなど様々な利点を有するものの、特に高電圧の充電状態において、漏れ電流が流れ、保存期間中に静電容量が徐々に低下するため、長期間使用するに耐えないという問題がある。
一方、下記非特許文献1には、キャパシタ特性を向上させるための種々の電極活物質の製造方法が記載されており、活物質の原料がキャパシタ特性を向上させるための重量な要素であるとして様々な原料が紹介されているが、電解液を改良して、キャパシタの漏れ電流を低減する取り組みについての記述はない。
岡村廸夫,「電気二重層キャパシタと蓄電システム」,日刊工業新聞社
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、電気二重層キャパシタの漏れ電流値を低減することが可能な非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる電極安定化剤を含む電気二重層キャパシタ用非水電解液、及び該非水電解液を備え、漏れ電流が大幅に低減され、信頼性が向上した非水電解液電気二重層キャパシタを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、非水電解液電気二重層キャパシタの電解液に炭素−炭素二重結合等のリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含むホスファゼン化合物を添加することで、電極表面にイオン導電性の高い安定な被膜が形成されて電極が安定化し、キャパシタの漏れ電流が大幅に低減されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤は、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物からなることを特徴とする。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤の好適例においては、前記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合が炭素−炭素二重結合である。ここで、該炭素−炭素二重結合を含む基としては、アリル基及びビニル基が特に好ましい。
また、本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液は、上記非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤と、非プロトン性有機溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする。
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液においては、前記非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤の含有量が0.1体積%以上であるのが好ましく、1体積%以上であるのが更に好ましく、10体積%以上であるのがより一層好ましく、20体積%以上であるのが特に好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液は、更に、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有さないホスファゼン化合物を含むことができる。
更に、本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、上記電気二重層キャパシタ用非水電解液と、正極と、負極とを備えることを特徴とする。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、好ましくは、前記非プロトン性有機溶媒及び前記支持塩からなる非水電解液と、前記正極と、前記負極とを備えた非水電解液電気二重層キャパシタ、即ち、非水電解液に上記電極安定化剤が添加されていない電気二重層キャパシタに比べて、60℃における加熱試験後の漏れ電流値が10%以上低減されている。ここで、本発明において、60℃における加熱試験後の漏れ電流値とは、60℃の恒温槽中で、充電電圧:2.7V、充電電流:2mAで充電後、200時間補充電を行った後、2mAの定電流で放電し、更に、25℃に冷却して、充電電圧:2.7V、充電電流:2mAで充電後、該充電電圧で24時間補充電を行い、補充電24時間の時点での電流値である。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタの好適例においては、前記正極及び前記負極の少なくとも一方が多孔性炭素である。ここで、該多孔性炭素としては、活性炭が特に好ましい。
また、本発明の非水電解液電気二重層キャパシタの他の好適例においては、前記正極及び前記負極の少なくとも一方が黒鉛である。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、充電電圧が2.3V以上であることが好ましい。
本発明によれば、リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含むホスファゼン化合物からなり、電気二重層キャパシタの漏れ電流値を大幅に低減することが可能な非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤を提供することができる。また、該電極安定化剤を含む電気二重層キャパシタ用非水電解液、及び該非水電解液を備え、漏れ電流が大幅に低減され、信頼性の向上した非水電解液電気二重層キャパシタを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
<非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤>
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤は、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物からなることを特徴とする。本発明の電極安定化剤を構成するホスファゼン化合物は、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するため、電気二重層キャパシタの非水電解液に添加されることで、キャパシタの充電時等に電極表面にイオン導電性の高い安定な膜を形成し、キャパシタの充放電等に伴う電極と電解液との反応、即ち、電解液の分解反応を抑制する等して、漏れ電流を低減し、キャパシタの静電容量の低下を長期に渡って抑制することができる。また、該ホスファゼン化合物は、非水電解液電気二重層キャパシタの非常時に窒素ガス及び/又はリン酸エステル等を発生して、非水電解液を不燃性、難燃性又は自己消火性にし、電気二重層キャパシタの発火等の危険性を大幅に低減する作用も有する。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤を構成するホスファゼン化合物において、上記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基としては、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基)を含む基、アルケニル基(例えば、アリル基、ビニル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、2-ペンテニル基等)、アリールアルケニル基(例えば、スチリル基、シンナミル基)等の炭素−炭素二重結合を含む基、カルボキシル基、アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基等)等の炭素−酸素二重結合を含む基等が挙げられる。これらの基は、更に他の置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン元素等)や連結基(例えば、酸素、窒素、リン、炭素等)を有していてもよく、また、これらの置換基や連結基は、互いに結合して環を形成していてもよい。これらリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基の中でも、電極の安定化効果に優れ、キャパシタの漏れ電流を大幅に低減できる点で、炭素−炭素二重結合を含む基が好ましく、アリル基及びビニル基が特に好ましい。
また、上記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物としては、下記式(I):
Figure 2006066699


[式中、R1は、それぞれ独立して一価の置換基又はハロゲン元素を表し;Y1は、それぞれ独立して2価の連結基、2価の元素又は単結合を表し;Xは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、酸素、硫黄、セレン、テルル及びポロニウムからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む置換基を表し;但し、R11及びXの少なくとも一つは、上記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む]で表される鎖状ホスファゼン化合物、及び下記式(II):
(NPR2 2)n ・・・ (II)
[式中、R2はそれぞれ独立して一価の置換基又はハロゲン元素を表し;nは3〜15を表し;但し、R2の少なくとも一つは、上記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む]で表される環状ホスファゼン化合物が好適に挙げられる。
また、上記式(I)又は式(II)で表されるホスファゼン化合物の中でも、25℃(室温)において液体であるものが好ましい。該液状ホスファゼン化合物の25℃における粘度は、300mPa・s(300cP)以下が好ましく、20mPa・s(20cP)以下が更に好ましく、5mPa・s(5cP)以下が特に好ましい。なお、本発明において粘度は、粘度測定計[R型粘度計Model RE500-SL、東機産業(株)製]を用い、1rpm、2rpm、3rpm、5rpm、7rpm、10rpm、20rpm及び50rpmの各回転速度で120秒間づつ測定し、指示値が50〜60%となった時の回転速度を分析条件とし、その際の粘度を測定することによって求めた。ホスファゼン化合物の25℃における粘度が300mPa・s(300cP)を超えると、支持塩が溶解し難くなり、電極材料、セパレーター等への濡れ性が低下し、電解液の粘性抵抗の増大によりイオン導電性が著しく低下し、特に氷点以下等の低温条件下での使用において性能不足となる。また、これらのホスファゼン化合物は、液状であるため、通常の液状電解質と同等の導電性を有する。
式(I)のR1は、一価の置換基又はハロゲン元素であり、各R1は、同一でも、異なってもよい。ここで、一価の置換基としては、上述したアルケニル基、アリールアルケニル基、カルボキシル基、アシル基等のリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基の他に、アルコキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。一方、ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素等が好適に挙げられる。上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等や、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基等が挙げられ、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、上記アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。これら一価の置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されているのが好ましく、該ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素が好適であり、フッ素が最も好ましく、次いで塩素が好ましい。
式(I)のY1は、2価の連結基、2価の元素又は単結合であり、各Y1は、同一でも、異なってもよい。ここで、2価の連結基としては、CH2基の他、酸素、硫黄、セレン、窒素、ホウ素、アルミニウム、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ランタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む2価の連結基が挙げられ、電解液の発火・引火の危険性を効果的に低減する観点から、硫黄及び/又はセレンの元素を含む2価の連結基が好ましい。また、上記2価の元素としては、酸素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらの中でも、式(I)のY1としては、単結合が好ましい。
式(I)のXは、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、酸素、硫黄、セレン、テルル及びポロニウムからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む置換基である。なお、有害性、環境等への配慮の観点から、式(I)のXとしては、炭素、ケイ素、窒素、リン、酸素及び硫黄からなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む置換基が好ましく、下記式(III)、式(IV)又は式(V):
Figure 2006066699


Figure 2006066699


Figure 2006066699


[式(III)、式(IV)及び式(V)中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に一価の置換基又はハロゲン元素を表し;Y3、Y4及びY5は、それぞれ独立に2価の連結基、2価の元素又は単結合を表し;Zは2価の基又は2価の元素を表す]で表される置換基が更に好ましい。
式(III)のR3、式(IV)のR4及び式(V)のR5としては、式(I)のR1で述べたのと同様の一価の置換基又はハロゲン元素がいずれも好適に挙げられる。また、式(III)の2つのR3、並びに式(V)の2つのR5は、それぞれ同一でも、異なってもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
式(III)のY3、式(IV)のY4及び式(V)のY5としては、式(I)のY1で述べたのと同様の2価の連結基又は2価の元素がいずれも好適に挙げられる。同様に、硫黄及び/又はセレンの元素を含む2価の連結基の場合には、電解液の発火・引火の危険性が大きく低減するため特に好ましい。また、Y3、Y4及びY5としては、単結合も好ましい。式(III)の2つのY3、並びに式(V)の2つのY5は、それぞれ同一でも、異なってもよい。
式(III)のZは、2価の基又は2価の元素である限り特に制限はない。ここで、2価の基としては、CH2基、CHR基(ここで、Rは、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基等を表す)、NR基の他、酸素、硫黄、セレン、ホウ素、アルミニウム、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、インジウム、ランタン、タリウム、炭素、ケイ素、チタン、スズ、ゲルマニウム、ジルコニウム、鉛、リン、バナジウム、ヒ素、ニオブ、アンチモン、タンタル、ビスマス、クロム、モリブデン、テルル、ポロニウム、タングステン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む2価の基等が挙げられ;2価の元素としては、酸素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらの中でも、式(III)のZとしては、CH2基、CHR基、NR基の他、酸素、硫黄、セレンからなる群から選ばれる元素の少なくとも1種を含む2価の基が好ましい。特に、硫黄及び/又はセレンの元素を含む2価の基の場合には、電解液の発火・引火の危険性が大幅に低減するため好ましい。
これら置換基としては、特に効果的に発火・引火の危険性を低減し得る点で、式(III)で表されるようなリンを含む置換基が特に好ましい。また、置換基が式(IV)で表されるような硫黄を含む置換基である場合には、電解液の小界面抵抗化の点で特に好ましい。
式(II)のR2は、一価の置換基又はハロゲン元素であり、但し、R2の少なくとも一つは、上記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む。ここで、一価の置換基としては、上述したアルケニル基、アリールアルケニル基、カルボキシル基、アシル基等のリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基の他に、アルコキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。一方、ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素等が好適に挙げられ、これらの中でも、フッ素が特に好ましい。上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基等が挙げられ、上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、上記アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。これら一価の置換基中の水素元素は、ハロゲン元素で置換されているのが好ましく、ハロゲン元素としては、フッ素、塩素、臭素等が好適に挙げられ、フッ素原子で置換された置換基としては、トリフルオロエトキシ基等が挙げられる。
式(I)〜式(V)におけるR1〜R5、Y1、Y3〜Y5、Zを適宜選択することにより、より好適な粘度、添加・混合に適する溶解性等を有するホスファゼン化合物が得られる。これらホスファゼン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物の製造方法としては、例えば、先ず出発原料として(NPCl2)n(環状Cl体)を用い、これをアセトニトリル等の溶媒の下、80℃の温度条件で5時間、フッ化ナトリウム(NaF)等のフッ素化剤によりフッ素化した後、蒸留して、(NPF2)n(環状F体)を得る。次に、(NPF2)n(環状F体)に、ヘキサン等の溶媒の下、炭酸カリウムの存在下で、アリルアルコール、ビニルアルコール等の分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を有するアルコールを反応させ、その後減圧下で単蒸留等する方法等が挙げられる。
<電気二重層キャパシタ用非水電解液>
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液は、上述した非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤と、非プロトン性有機溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とし、キャパシタの漏れ電流を低減できると共に、発火・引火の危険性が非常に低い。
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液に用いる非プロトン性有機溶媒としては、特に制限はないが、電解液の低粘度化が可能であり、容易に電気二重層キャパシタとしての最適なイオン導電性を達成することができる点で、ニトリル化合物、エーテル化合物、エステル化合物等が好ましい。具体的には、アセトニトリル(AN)、プロピオノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物;1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル化合物;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジフェニルカーボネート、γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン等の炭酸エステル化合物が好適に挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等の環状の炭酸エステル化合物、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状の炭酸エステル化合物、1,2-ジメトキシエタン等の鎖状エーテル化合物等が好適である。環状の炭酸エステル化合物は、比誘電率が高く支持塩の溶解能に優れる点で、また、鎖状の炭酸エステル化合物及びエーテル化合物は、低粘度であるため電解液の低粘度化の点で好適である。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液に含有させる支持塩としては、従来公知のものから選択できるが、電解液における電気伝導性等が良好な点で、四級アンモニウム塩が好ましい。該四級アンモニウム塩は、前記電解液において、電気二重層を形成するためのイオン源としての役割を担う溶質であり、電解液の電気伝導性等の電気特性を効果的に向上させることが可能な点で、多価イオンを形成し得る四級アンモニウム塩が好ましい。
前記四級アンモニウム塩としては、例えば、(CH3)4N・BF4、(CH3)325N・BF4、(CH3)2(C25)2N・BF4、CH3(C25)3N・BF4、(C25)4N・BF4、(C37)4N・BF4、CH3(C49)3N・BF4、(C49)4N・BF4、(C613)4N・BF4、(C25)4N・ClO4、(C25)4N・AsF6、(C25)4N・SbF6、(C25)4N・CF3SO3、(C25)4N・C49SO3、(C25)4N・(CF3SO2)2N、(C25)4N・BCH3(C25)3、(C25)4N・B(C25)4、(C25)4N・B(C49)4、(C25)4N・B(C65)4等が好適に挙げられる。また、これらの四級アンモニウム塩の陰イオン部(例えば、・BF4、・ClO4、・AsF6等)を、・PF6で置き換えたヘキサフルオロリン酸塩も好ましい。これらの中でも、分極率を大きくすることで、溶解度を向上させることができる点では、異なるアルキル基がN原子に結合した四級アンモニウム塩が好ましい。更に、前記四級アンモニウム塩としては、例えば、以下の式(a)〜(j)で表わされる化合物等も好適に挙げられる。ここで、式(a)〜(j)において、Meはメチル基を、Etはエチル基を表わす。
Figure 2006066699
これらの四級アンモニウム塩の中でも、特に、高い電気伝導性を確保する点からは、陽イオンとして(CH3)4+や、(C25)4+等を発生し得る塩が好ましい。また、式量が小さい陰イオンを発生し得る塩が好ましい。これらの四級アンモニウム塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解液中の上記支持塩の濃度としては、0.2〜2.5mol/L(M)が好ましく、0.8〜1.5mol/L(M)がより好ましい。支持塩の濃度が0.2mol/L未満では、電解液の電気伝導性等の電気特性を充分に確保することができないことがある一方、2.5mol/Lを超えると、電解液の粘度が上昇し、電気伝導性等の電気特性が低下することがある。
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液における上記ホスファゼン化合物の含有量(即ち、電極安定化剤の含有量)は、キャパシタの電極を安定化して漏れ電流を低減する観点から、0.1体積%以上が好ましく、1体積%以上が更に好ましく、10体積%以上がより一層好ましく、20体積%以上が特に好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタ用非水電解液は、上述した非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤、非プロトン性有機溶媒、及び支持塩の他、更に、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有さないホスファゼン化合物を含むことができる。該ホスファゼン化合物としては、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含まない限り特に制限はなく、例えば、上記式(I)で表され、式(I)中のR11及びXの総てがリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含まない鎖状ホスファゼン化合物、及び上記式(II)で表され、式(II)中のR2の総てがリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含まない環状ホスファゼン化合物等を挙げることができる。
<非水電解液電気二重層キャパシタ>
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、非水電解液と、正極と、負極とを備え、必要に応じて、セパレーター等の電気二重層キャパシタの技術分野で通常使用されている部材を備える。本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、非水電解液に上述した電極安定化剤が添加されているため、漏れ電流が小さく、好ましくは、非水電解液に上記電極安定化剤が添加されていない電気二重層キャパシタに比べて、60℃における加熱試験後の漏れ電流値が10%以上低減されている。また、本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、充電電圧が2.3V以上であることが好ましい。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタの正極及び負極としては、特に制限はないが、通常、多孔性炭素系の分極性電極が好ましい。該電極としては、通常、比表面積及びかさ比重が大きく、電気化学的に不活性で、抵抗が小さい等の特性を有するものが好ましい。上記多孔性炭素としては、活性炭等が好適に挙げられる。なお、本発明の非水電解液電気二重層キャパシタの正極及び負極としては、上記多孔性炭素の他に、黒鉛を用いることもできる。
上記電極は、一般的には、活性炭等の多孔性炭素を含有し、必要に応じて導電剤や結着剤等のその他の成分を含有する。上記電極に好適に用いることができる活性炭の原料としては、特に制限はなく、例えば、フェノール樹脂の他、各種の耐熱性樹脂、ピッチ等が好適に挙げられる。耐熱性樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂が好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記活性炭の形体としては、より比表面積を高くして、非水電解液電気二重層キャパシタの静電容量を大きくする点から、粉末状、繊維布状等の形体が好ましい。また、これらの活性炭は、電気二重層キャパシタの静電容量をより高くする目的で、熱処理、延伸成形、真空高温処理、圧延等の処理がなされていてもよい。
上記電極に用いる導電剤としては、特に制限はないが、黒鉛、アセチレンブラック等が挙げられる。また、上記電極に用いる結着剤としては、特に制限はないが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタは、上述した正極、負極、電解液の他に、セパレーター、集電体、容器等を備えるのが好ましく、更に通常電気二重層キャパシタに使用されている公知の各部材を備えることができる。ここで、セパレーターは、非水電解液電気二重層キャパシタの短絡防止等を目的として、正負電極間に介在される。該セパレーターとしては、特に制限はなく、通常、非水電解液電気二重層キャパシタのセパレーターとして用いられる公知のセパレーターが好適に用いられる。セパレーターの材質としては、例えば、微多孔性フィルム、不織布、紙等が好適に挙げられる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂製の不織布、薄層フィルム等が好適に挙げられる。これらの中でも、厚さ20〜50μm程度のポリプロピレン又はポリエチレン製の微孔性フィルムが特に好適である。
前記集電体としては、特に制限はなく、通常非水電解液電気二重層キャパシタの集電体として用いられる公知のものが好適に用いられる。該集電体としては、電気化学的耐食性、化学的耐食性、加工性、機械的強度に優れ、低コストであるものが好ましく、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性樹脂等の集電体層等が好ましい。
前記容器としては、特に制限はなく、通常非水電解液電気二重層キャパシタの容器として用いられる公知のものが好適に挙げられる。該容器の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、導電性樹脂等が好適である。
本発明の非水電解液電気二重層キャパシタの形態としては、特に制限はなく、シリンダ型(円筒型、角型)、フラット型(コイン型)等の公知の形態が、好適に挙げられる。これらの非水電解液電気二重層キャパシタは、例えば、電気自動車や燃料電池自動車の主電源若しくは補助電源や、種々の電子機器、産業用機器、航空用機器等のメモリーバックアップ用や、玩具、コードレス用機器、ガス機器、瞬間湯沸し機器等の電磁ホールド用や、腕時計、柱時計、ソーラ時計、AGS腕時計等の時計用の電源等として用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<電気二重層キャパシタ用非水電解液の調製>
表1に示す配合の非プロトン性有機溶媒及びホスファゼン化合物(電極安定化剤)からなる混合溶液に、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート[Et4N・BF4](支持塩)を1mol/L(M)の濃度で溶解させて非水電解液を調製した。
<非水電解液電気二重層キャパシタの作製>
次に、活性炭[AC, 商品名:Kuractive-1500、クラレケミカル社製]、アセチレンブラック(導電剤)及びポリフッ化ビニリデン(結着剤)を、それぞれ、質量比(活性炭:導電剤:結着剤)で8:1:1となるように混合して、混合物を得た。得られた混合物の100mgを採取し、これを20mmφの耐圧カーボン製容器に入れて、圧力150kgf/cm2、常温の条件下で圧粉成形し、正極及び負極(電極)を作製した。得られた電極(正極及び負極)と、アルミニウム金属板(集電体, 厚み=0.5mm)と、ポリプロピレン/ポリエチレン板(セパレーター, 厚み=25μm)とを用いてセルを組み立て、真空乾燥によって十分に乾燥させた。該セルを上記非水電解液で含浸し、非水電解液電気二重層キャパシタを作製した。得られた電気二重層キャパシタの加熱試験後の漏れ電流値を下記の方法で測定した。
(1)加熱試験後の漏れ電流値
作製した電気二重層キャパシタを、60℃の恒温槽中で、充電電圧:2.7V、充電電流:2mAで充電後、更に200時間補充電を行い、その後2mAの定電流で放電させた。次に、キャパシタを恒温槽から取り出して25℃まで冷却した。更に、25℃、充電電流2mAで充電電圧2.7Vに到達後、該充電電圧で24時間補充電を行い、補充電24時間の時点での電流値を漏れ電流値とした。また、従来例の電気二重層キャパシタの漏れ電流値i0に対する、各電気二重層キャパシタの漏れ電流値iの低減率を下記式1:
漏れ電流値低減率(%)=(i0−i)/i0×100 ・・・ 式1
から求めた。結果を表1に示す。
Figure 2006066699
表1中、PCは、プロピレンカーボネートを示し;
ホスファゼンAは、式(II)において、nが3であって、6つのR2のうち1つがエトキシ基[−O−CH2CH3]で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物(25℃における粘度:1.1mPa・s、沸点125℃)であり;
ホスファゼンBは、式(II)において、nが3であって、6つのR2のうち2つがエトキシ基[−O−CH2CH3]で、4つがフッ素である環状ホスファゼン化合物(25℃における粘度:1.3mPa・s、沸点194℃)であり;
ホスファゼンCは、式(II)において、nが3であって、6つのR2のうち1つがアリルオキシ基[−O−CH2−CH=CH2]で、5つがフッ素である環状ホスファゼン化合物(25℃における粘度:1.2mPa・s、沸点137℃)である。
表1から明らかなように、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物を非水電解液に添加することで、電気二重層キャパシタの漏れ電流値を大幅に低減できる。


Claims (15)

  1. 分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有するホスファゼン化合物からなる非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤。
  2. 前記リン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合が炭素−炭素二重結合であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤。
  3. 前記炭素−炭素二重結合を含む基がアリル基及びビニル基の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤と、非プロトン性有機溶媒と、支持塩とを含むことを特徴とする電気二重層キャパシタ用非水電解液。
  5. 前記非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤の含有量が0.1体積%以上であることを特徴とする請求項4に記載の電気二重層キャパシタ用非水電解液。
  6. 前記非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤の含有量が1体積%以上であることを特徴とする請求項5に記載の電気二重層キャパシタ用非水電解液。
  7. 前記非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤の含有量が10体積%以上であることを特徴とする請求項6に記載の電気二重層キャパシタ用非水電解液。
  8. 前記非水電解液電気二重層キャパシタ用電極安定化剤の含有量が20体積%以上であることを特徴とする請求項7に記載の電気二重層キャパシタ用非水電解液。
  9. 更に、分子構造内にリン原子−窒素原子間二重結合以外の二重結合を含む基を有さないホスファゼン化合物を含むことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用非水電解液。
  10. 請求項4〜9のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用非水電解液と、正極と、負極とを備えた非水電解液電気二重層キャパシタ。
  11. 前記非プロトン性有機溶媒及び前記支持塩からなる非水電解液と、前記正極と、前記負極とを備えた非水電解液電気二重層キャパシタに比べて、60℃における加熱試験後の漏れ電流値が10%以上低減されていることを特徴とする請求項10に記載の非水電解液電気二重層キャパシタ。
  12. 前記正極及び前記負極の少なくとも一方が多孔性炭素であることを特徴とする請求項10に記載の非水電解液電気二重層キャパシタ。
  13. 前記多孔性炭素が活性炭であることを特徴とする請求項12に記載の非水電解液電気二重層キャパシタ。
  14. 前記正極及び前記負極の少なくとも一方が黒鉛であることを特徴とする請求項10に記載の非水電解液電気二重層キャパシタ。
  15. 充電電圧が2.3V以上であることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の非水電解液電気二重層キャパシタ。
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