JP2006064908A - 透過型カラー液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カラーフィルタ上での反射を低減し、更なるコントラストの向上を図る。
【解決手段】光源側の下側偏光板18と表示側の上側偏光板19との間に、下側偏光板18を透過した直線偏光の偏光面を変化させて光透過率を調整する液晶パネル17を配置し、液晶パネル17と上側偏光板19と間にカラーフィルタ20を配置した透過型カラー液晶表示装置において、上側偏光板19とカラーフィルタ20の間に、NDフィルタ21を配置した。
【選択図】図1
【解決手段】光源側の下側偏光板18と表示側の上側偏光板19との間に、下側偏光板18を透過した直線偏光の偏光面を変化させて光透過率を調整する液晶パネル17を配置し、液晶パネル17と上側偏光板19と間にカラーフィルタ20を配置した透過型カラー液晶表示装置において、上側偏光板19とカラーフィルタ20の間に、NDフィルタ21を配置した。
【選択図】図1
Description
本発明は、外光の反射を低減して表示画像のコントラストを高めるようにした透過型カラー液晶表示装置に関する。
現在、各種装置のディスプレイとして、透過型カラー液晶表示装置が広く使用されている。このうち一般に広く利用されているTN(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置は、透明電極を有する2枚のガラス基板間に液晶分子を90度ねじれた状態で封入することで液晶パネルを構成し、その液晶パネルのガラス基板の外側に2枚の偏光板を直交配置した構造を有している。この種の液晶表示装置における画像表示は、両基板間への印加電圧を調整することで液晶分子の配向を変化させて、液晶中を通過する光の出力を変化させることで行われる。
即ち、印加電圧が閾値より低い場合、入射側の偏光板を通過した直線偏光の偏光方向が液晶分子のねじれに沿って90度回転(旋光)するので、旋光された光が、入射側の偏光板に対して直交配置された出射側の偏光板を通過して明るい状態が表示される(白表示)。一方、印加電圧が閾値より高くなると、電極間の中央部分から液晶分子長軸が立ちはじめ、旋光性が低下し始める。さらに印加電圧を高くすると、旋光性がついに無くなってしまい、入射側の偏光板を通過した直線偏光は、旋光することなく、出射側の偏光板に到達するので、出射できず、暗い状態が表示される(黒表示)。
ところで、このような液晶表示装置においては、室内や窓からの外光が画像表示面で反射することにより、例えば、黒表示時の黒の締まりが悪くなり、コントラストの低下をもたらすという問題があった。その原因としては、ディスプレイ最表面の空気界面での反射(表面反射)と、カラーフィルタ部での反射(内部反射)が主として挙げられる。これまでは前者の反射率が一般には後者より高かったので、その対策として、例えばディスプレイ表面に多層干渉効果を取り入れた低反射率フィルムを貼り付けて反射率の低減を図っていた。
しかしながら、低反射率フィルムを貼り付けて空気界面での表面反射率をある程度以下に抑えた場合、相対的に後者のカラーフィルタ表面での内部反射、特にブラックマトリックス表面での反射が、コントラスト向上を図る上での新たな問題となってきた。
従来、カラーフィルタのブラックマトリクスとしては、(1)蒸着、スパッタリング等で形成したクロム薄膜をフォトエッチングしてレリーフしたもの、(2)黒色電着塗料を電着して形成したもの、(3)印刷により形成したもの、等があった(例えば、特許文献1参照)が、今までは、必要な寸法精度を確保しながら十分に反射率を低減したものが無かったので、その対策が必要となってきた。
上述したように、従来では、画像表示面での外光の反射のうち、空気界面での表面反射については、ある程度十分な対策が採られてきたが、カラーフィルタ上での内部反射については、十分な対策が採られていなかった。そのため、更なるコントラスト向上を図る上で、内部反射の問題を解決することが重要になってきた。
本発明は、上記事情を考慮し、カラーフィルタ上での反射を低減し、更なるコントラストの向上を図ることのできる透過型カラー液晶表示装置を提供することを目的とする。
請求項1の透過型カラー液晶表示装置は、光源側の下側偏光板と、表示側の上側偏光板と、前記下側偏光板と前記上側偏光板の間に設けられる液晶パネルと、前記液晶パネルと前記上側偏光板の間に設けられるカラーフィルタとを含む透過型カラー液晶表示装置であって、前記上側偏光板と前記カラーフィルタの間に、前記上側偏光板を透過して前記カラーフィルタで反射する外光の光強度を減少させる手段を備える。
請求項2の透過型カラー液晶表示装置は、前記光強度を減少させる手段がNDフィルタである。
請求項3の透過型カラー液晶表示装置は、前記NDフィルタの光吸収率が5%以上である。
本発明によれば、上側偏光板とカラーフィルタの間に、上側偏光板を透過してカラーフィルタで反射する外光の光強度を減少させる手段を配置したので、観察者の目に入る反射光の影響を減らすことができて、画像表示のコントラストを高めることができる。例えば、前記手段としてNDフィルタ(光量減少フィルタ)を使用した場合、外光が入射した際のカラーフィルタ上での反射光はNDフィルタを2回通過することになるので、その光量はNDフィルタ(ND層)の厚みの2倍に比例した量だけ減少する。一方、画像を形成するためのバックライトからの入射光は、NDフィルタを1回しか通過しないので、その光量はNDフィルタ(ND層)の厚みの1倍に比例した量だけしか減少しない。従って、画像表示に使用する光量減少に比べて、外光の反射光は2倍の光量減少を図ることができるので、コントラストの高い液晶表示が可能となる。なお、NDフィルタによる画像表示の光量減少分をバックライトの光量増加で補えば、表示光量の減少の影響を無くせる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための透過型カラー液晶表示装置の概略断面図である。
透過型カラー液晶表示装置100は、光源11側の下側偏光板18と表示側の上側偏光板19との間に、液晶パネル17を配置し、液晶パネル17と上側偏光板19の間にカラーフィルタ20を配置し、下側偏光板18の下側にバックライトユニット10を配置し、更に、上側偏光板19とカラーフィルタ20の間に、上側偏光板19を透過してカラーフィルタ20で反射する外光の光強度を減少させる手段としてNDフィルタ(光量減少フィルタ)21を配置したものである。NDフィルタ21の光吸収率は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。液晶パネル17は、液晶層とそれを挟むガラスや駆動電極などから構成される。
図1は、本発明の実施形態を説明するための透過型カラー液晶表示装置の概略断面図である。
透過型カラー液晶表示装置100は、光源11側の下側偏光板18と表示側の上側偏光板19との間に、液晶パネル17を配置し、液晶パネル17と上側偏光板19の間にカラーフィルタ20を配置し、下側偏光板18の下側にバックライトユニット10を配置し、更に、上側偏光板19とカラーフィルタ20の間に、上側偏光板19を透過してカラーフィルタ20で反射する外光の光強度を減少させる手段としてNDフィルタ(光量減少フィルタ)21を配置したものである。NDフィルタ21の光吸収率は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。液晶パネル17は、液晶層とそれを挟むガラスや駆動電極などから構成される。
バックライトユニット10は、エッジライト型のもので、液晶パネル17を背面側から照明するための冷陰極管等からなる光源11と、光源11からの光を反射する反射板12と、光源11からの光及び反射板12で反射された光を液晶パネル17側に向けるための導光板14と、導光板14内から出てくる光を導光板14内あるいは液晶パネル17側に戻すための拡散板(又は反射板)13とを備える。また、導光板14と下側偏光板18の間には、導光板14から出射された光を拡散する拡散フィルム15と、拡散フィルム15で拡散された光を集光して液晶パネル17に入射させる集光フィルタ16とが設けられている。なお、拡散板(又は反射板)13、導光板14、拡散フィルム15、集光フィルタ16、下側偏光板18、液晶パネル17、カラーフィルタ20、NDフィルタ21、及び上側偏光板19は、この順に積層されている。
液晶パネル17としては、例えば、下側偏光板18を透過した直線偏光の偏光面を変化させて光透過率を調整(ON/OFFの場合はスイッチング制御)するツイストネマティック(TN)型、スーパーツイストネマティック(STN)型、IPS型、又はVA型等のものが用いられるが、これに限らず、公知の液晶パネルであれば何でも良い。また、カラーフィルタ20は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各フィルタと、その間隙に配されたブラックマトリックスとからなる。
また、下側偏光板18は、集光フィルタ16からの全方位光中の特定の偏光成分を透過する機能を有し、上側偏光板19は特定の偏光成分を透過する機能を有する。ここでは、下側偏光板18と上側偏光板19の偏光方向は直交する関係に設定されている。
次に作用を説明する。
バックライトユニット10からの光は、下側偏光板18によって偏光され、液晶パネル17に入射する。液晶パネル17は、図示しない透明電極間に印加される電圧により光透過率が調整される。即ち、印加電圧により液晶の分子配列が変化し、光透過率が調整される。白表示の場合は液晶パネル17を通過する際に偏光面が90°回転し、黒表示の場合は偏光面が変化しない。カラーフィルタ20を通過した光は、次にNDフィルタ21を1回だけ通過して光量が減少されて上側偏光板19に到達する。そして、白表示の場合は上側偏光板19をそのまま通過し、黒表示の場合は上側偏光板19に吸収される。
バックライトユニット10からの光は、下側偏光板18によって偏光され、液晶パネル17に入射する。液晶パネル17は、図示しない透明電極間に印加される電圧により光透過率が調整される。即ち、印加電圧により液晶の分子配列が変化し、光透過率が調整される。白表示の場合は液晶パネル17を通過する際に偏光面が90°回転し、黒表示の場合は偏光面が変化しない。カラーフィルタ20を通過した光は、次にNDフィルタ21を1回だけ通過して光量が減少されて上側偏光板19に到達する。そして、白表示の場合は上側偏光板19をそのまま通過し、黒表示の場合は上側偏光板19に吸収される。
一方、外光が上側偏光板19を通して入射した場合のカラーフィルタ20上での反射光は、NDフィルタ21を往復で2回通過(図中A)するので、その光量はNDフィルタ(ND層)の厚みの2倍に比例した量だけ減少することになる。従って、画像表示に使用する光量減少(図中Bの1回の通過による光量減少)に比べて、外光の反射光の光量を2倍減らせるので、観察者の目に入る反射光の影響を減らすことができて、画像表示のコントラストを高めることができる。なお、NDフィルタ21による画像表示の光量減少分をバックライト(光源11)の光量増加で補えば、表示光量の減少の影響を無くすことができる。
実施例用の透過型カラー液晶表示装置(装置Xとする)として図1に示した構成のものを用意し、比較例用の透過型カラー液晶表示装置(装置Yとする)として図1に示した構成の装置においてNDフィルタ21を設けないものを用意した。装置Xについては、反射率測定に関して表面での反射を除くために、上側偏光板19とNDフィルタ21との距離を離した。この場合の離す程度は、光源が表示面の垂線に対して45度の位置にある場合に、上側偏光板19上での正反射光と、カラーフィルタ20上での正反射光とが分離して測定できる位置を実験的に決定し、この決定した位置となる程度にした。
そして、装置X、Yの表示面に垂直から45度の位置に(蛍光灯で照明された)100cd/m2の明るさの白色板を配置し、カラーフィルタ20上での正反射光について、白色板の映り込み部での反射率を白表示時と黒表示時について測定し、その比でコントラストを定義した。ここで、装置XのNDフィルタとしては、その吸収率が5%のものと10%のものとの2種類を用いた。また、室内の迷光を防ぐために、暗室の室内にて実験を行った。
そして、装置X、Yの表示面に垂直から45度の位置に(蛍光灯で照明された)100cd/m2の明るさの白色板を配置し、カラーフィルタ20上での正反射光について、白色板の映り込み部での反射率を白表示時と黒表示時について測定し、その比でコントラストを定義した。ここで、装置XのNDフィルタとしては、その吸収率が5%のものと10%のものとの2種類を用いた。また、室内の迷光を防ぐために、暗室の室内にて実験を行った。
測定の結果、NDフィルタの吸収率が5%の装置Xのコントラストは259、NDフィルタの吸収率が10%の装置Xのコントラストは270、装置Yのコントラストは250となった。この結果により、NDフィルタを設けた構成の方が、コントラストを向上させられることがわかった。また、NDフィルタの吸収率が5%以上であればコントラストを向上させることができ、NDフィルタの吸収率が10%以上であればコントラストをより向上させられることも分かった。
100 透過型カラー液晶表示装置
11 光源
17 液晶パネル
18 下側偏光板
19 上側偏光板
20 カラーフィルタ
21 NDフィルタ
11 光源
17 液晶パネル
18 下側偏光板
19 上側偏光板
20 カラーフィルタ
21 NDフィルタ
Claims (3)
- 光源側の下側偏光板と、表示側の上側偏光板と、前記下側偏光板と前記上側偏光板の間に設けられる液晶パネルと、前記液晶パネルと前記上側偏光板の間に設けられるカラーフィルタとを含む透過型カラー液晶表示装置であって、
前記上側偏光板と前記カラーフィルタの間に、前記上側偏光板を透過して前記カラーフィルタで反射する外光の光強度を減少させる手段を備える透過型カラー液晶表示装置。 - 請求項1記載の透過型カラー液晶表示装置であって、
前記光強度を減少させる手段がNDフィルタである透過型カラー液晶表示装置。 - 請求項2記載の透過型カラー液晶表示装置であって、
前記NDフィルタの光吸収率が5%以上である透過型カラー液晶表示装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004246270A JP2006064908A (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | 透過型カラー液晶表示装置 |
US11/203,961 US20060044495A1 (en) | 2004-08-26 | 2005-08-16 | Transmissive color liquid crystal display device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004246270A JP2006064908A (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | 透過型カラー液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006064908A true JP2006064908A (ja) | 2006-03-09 |
Family
ID=36111478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004246270A Pending JP2006064908A (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | 透過型カラー液晶表示装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006064908A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010143552A1 (ja) * | 2009-06-09 | 2010-12-16 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 透過型液晶表示装置 |
JP2014016613A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Visteon Global Technologies Inc | ディスプレイユニット |
-
2004
- 2004-08-26 JP JP2004246270A patent/JP2006064908A/ja active Pending
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WO2010143552A1 (ja) * | 2009-06-09 | 2010-12-16 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 透過型液晶表示装置 |
JP2014016613A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Visteon Global Technologies Inc | ディスプレイユニット |
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