JP2006064600A - A−priori/In−situHybrid感圧塗料データ処理手法 - Google Patents

A−priori/In−situHybrid感圧塗料データ処理手法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、感圧塗料の温度依存性を補正し、発光量に重畳する他の要因誤差を修正し、補間演算における外挿の影響をなくして、感圧塗料を用いた計測試験における感圧塗料の精度のよいデータ処理手法を提示することにある。
【解決手段】
本発明の感圧塗料データ処理手法は、所定位置についての圧力センサデータの値と感圧塗料データの両者に基づく比である補正係数CPSPを得て、感圧塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧塗料計測における系統誤差を補正した上で、前記模型上の温度分布を反映した温度計測データとから前記a-priori較正データを用いて圧力を算出するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体表面における圧力分布及び温度分布を画像計測する手法と、その手法を用い、流体環境内で使用される機器一般、例えばロケットや航空機及び自動車等の表面圧力分布を算出する圧力分布画像計測システムに関する。
従来、感圧塗料(PSP)を用いて発光量から圧力を算出するデータ処理手法としては、いくつもの算出手法が発表されているところである。このPSPデータ処理で精度を向上させるために大きな課題となるものは、感圧塗料の発光強度は圧力だけでなく温度によっても変化する性質を持っているため、その温度依存性補正を如何に精度良く行うかということと、感圧塗料励起光源の光量変化や、感圧塗料の光量劣化といった感圧塗料計測データに影響を与える種々の誤差要因に如何に適切に対応するかということである。
例えば、非特許文献1では、a-priori法、in-situ法、K-fit法の3種類のデータ処理手法が記述されている。a-priori法は事前に温度及び圧力をパラメータとして感圧塗料の特性を取得し、何らかの検出手段で温度情報を別途得てこれを用いて感圧塗料データから温度補償を行い圧力を算出する手法である。また、in-situ法は所定位置に配置した圧力センサから同時に取得されたデータとその部分の感圧塗料データの相関を取り、これを較正値として用いて圧力を算出するものである。さらに、K-fit法は、
のような算出式で表される方法である。ここでKは、圧力P・温度Tについての設定条件(Pref,Tref)下における発光強度をIrefとし、
で表される。また、(1)における係数、C',C',C'

として表される本来的に温度に依存しないことを仮定して用いられる感圧塗料特性式の係数である。
非特許文献2、非特許文献3でも基本的にこれらのデータ処理手法と同様なデータ処理手法が提示されている。
しかし、a-priori法については感圧塗料励起光源の光量変化や感圧塗料の光量劣化などへの対処が含まれておらず、これらの誤差要因を補正することができない。in-situ法、K-fit法については、圧力センサデータとの比較によってこれらの誤差要因を補正する効果が導入されているが、in-situ法については原理的には模型上の温度が均温な場合にしか適用できず、経験的には温度と圧力に断熱壁温度で定常となっている等の相関がある場合にも拡張できるが、ある1つの圧力に対し、場所による温度分布が存在するような場では統一的な対処ができない。また、K-fit法については、非特許文献1〜3では模型上の温度が均一との仮定が用いられており、さらに、式(1)の係数C',C',C'は式(3)との比較で分かるように、厳密には温度による変化がない感圧塗料に対してのみ適用できるものであり、温度によって大なり小なり圧力感度の変化を伴う現実の感圧塗料に対しては計測結果に誤差を生じることとなる。
非特許文献4では感圧塗料だけでなく、模型上の温度分布を計測するために模型上の別の部位に感温塗料も塗装し、温度分布の同一性を仮定して温度補正する手法が取り入れられている。しかし、データ処理手法としてはa-priori法の拡張であり、感圧塗料計測に伴う温度依存性以外の誤差要因への対応は行うことができない。また非特許文献1では模型上の温度分布を計測する手段としてbinarypaintについても触れられているが、データ処理手法としてはa-priori法に基づくものであり、感圧塗料計測データ処理の上での温度依存性や励起光強度の変化には対応可能であるが、感圧塗料成分の劣化など他の成分の誤差要因への対応は行うことはできない。
非特許文献5では非特許文献4と同様に感圧塗料だけでなく、模型上の温度分布を想定して模型上の半面に感温塗料も塗装し、温度分布まで含めた温度依存性の補正を行っている。また、温度依存性以外の誤差要因への対応としてin-situ法を組み合わせている。すなわち、複数箇所に圧力孔を設けると共に表面に感圧塗料を塗布した模型表面の各区分領域についての温度分布データを感温塗料データより取得するステップと、該温度分布データに基づいて感圧塗料の温度による発光強度変化分を補正し、圧力のみの関数とした感圧塗料の発光強度分布を得るステップと、圧力孔まわりの補正された感圧塗料発光強度と他の圧力計で検出した圧力孔データとを関連付けるin situ法による較正ステップと、該 in situ法による較正特性に基づいて前記圧力のみの関数とした感圧塗料の発光強度分布を圧力分布に変換するステップとからなる。しかし、圧力孔間の領域は内挿法によって補間する手法で、必ずしも線形でない感圧塗料特性を精度良く記述するためには高次のfitting式を採用する必要があり、また相関を取る圧力センサデータとして十分な圧力範囲に分布したデータが使用できない場合には、fitting 式の外挿部分で本来の特性を外れたデータ処理を行う危険性がある。
J. H. Bell, E. T. Schairer, L.A. Hand, and R. D. Mehta, "Surface Pressure Measurements Using Luminescent Coatings," Annual Review of Fluid Mechanics, 2001. 33:155-206.のうちのpp.184-187. M. A. Woodmansee and J. C.Dutton, "Treating temperature-sensitivity effects of pressure-sensitive paint", Experiments in Fluids, Vol. 24, pp.163-174, 1998.のうちのpp.170-173. Mebarki, Y and Cooper K. R.,"Aerodynamic Testing of a Generic Automotive Model with Pressure SensitivePaint", The 10th International Symposium on Flow Visualization, F0120, August 26-29, Kyoto, Japan, 2002. のうちの6.2 Choice of in-situ calibration order及び6.3 Summary of data reduction methods Y. Shimbo, K. Asai, H. Kanda, Y.Iijima, M. Komatsu, S. Kita and M. Ishiguro, "Evaluation of Severalcalibration techniques for Pressure-Sensitive Paint in Transonic Testing,"AIAA Paper 98-2502, 1998. M. Kurita, K. Nakakita, K.Mitsuo, and S. Watanabe, "Data Processing of Pressure-Sensitive Paint for Industrial Wind Tunnel Testing," AIAA-2004-2189, 24th AIAA Aerodynamic Measurement Technology and Ground Testing Conference, June 28 - July 1, Portland, Oregon, USA, 2004.
本発明は、感圧塗料のデータ処理であって、計測対象上に温度分布があり、かつ感圧塗料計測システムとしても光量変化や感圧塗料の光劣化などの誤差成分を含み、また感圧塗料データを修正するための比較用圧力センサデータとしても十分に広い圧力幅にわたってのデータを持たない、といった一般的な感圧塗料を用いた計測試験を対象としたものである。このような計測対象であるときには、上記したようにその温度分布による感圧塗料の温度依存性に基づく誤差の問題、何らかの誤差成分が感圧塗料計測データに重畳していた場合の問題、またこの比較用圧力センサデータが十分に広い圧力幅にわたっていないために起こる外挿の補間演算による精度低下の問題を伴う。
そのような中で、本発明が解決しようとする課題は、感圧塗料の温度依存性を補正し、発光量に重畳する他の要因誤差を修正し、補間演算における外挿の影響をなくして、感圧塗料を用いた計測試験における感圧塗料の精度のよいデータ処理手法を提示することにある。
本発明のA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法は、感圧塗料計測データを用いた圧力測定において、前記感圧塗料計測データと、a-priori較正によって事前に取得された感圧塗料特性データと、模型上の温度分布を反映した温度計測データと、圧力センサによって計測された所定位置の圧力データを基礎データとし、前記所定位置についての前記圧力センサデータと前記感圧塗料データの両者に基づく比である補正係数CPSPを得て、前記感圧塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧塗料計測における系統誤差を補正した上で、前記模型上の温度分布を反映した温度計測データとから前記a-priori較正データを用いて圧力を算出するようにした。
また、本発明の他のA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法は、感圧塗料計測データを用いた圧力測定において、前記感圧塗料計測データと、a-priori較正によって試験前に事前に取得された感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データと、模型上に塗布した感温塗料による計測データと、圧力センサによって計測された所定位置の圧力データを基礎データとし、前記所定位置に対応する感圧塗料計測データと感温塗料計測データと前記感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データとから比較用温度データTTSPを得て、該比較用温度データと前記圧力センサ計測データから前記a-priori較正による感圧塗料特性データを用いて構築される比較用データ化された圧力センサデータと前記所定位置の感圧塗料計測データとの比から感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得て、これを前記感圧塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧塗料計測における系統誤差を補正した上で、前記模型上に塗布した感温塗料による計測データとから前記a-priori較正データを用いて圧力と温度を算出するようにした。
また、本発明の更に異なるA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法は、感圧塗料計測データを用いた圧力測定において、前記感圧塗料計測データと、a-priori較正によって試験前に事前に取得された感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データと、模型上に塗布した感温塗料による計測データと、圧力センサによって計測された所定位置の圧力データと、温度センサによって計測された所定位置の温度データを基礎データとし、まず、前記所定位置に対応する感圧塗料計測データと感温塗料計測データと前記感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データとから比較用温度データTTSPを得て、該比較用温度データと前記圧力センサ計測データから前記a-priori較正による感圧塗料特性データを用いて構築される比較用データ化された圧力センサデータと前記所定位置の感圧塗料計測データとの比から感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得るステップと、前記所定位置に対応する感圧塗料計測データに該in-situ補正係数CPSPをかけて補正したデータと感温塗料計測データと前記感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データとから比較用圧力データPPSPを得て、該比較用圧力データと前記温度センサ計測データから前記a-priori較正による感温塗料特性データを用いて構築される比較用データ化された温度センサデータと前記所定位置の感温塗料計測データとの比から感温塗料計測データのin-situ補正係数CTSPを得るステップとを踏み、得られた感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPと感温塗料計測データのin-situ補正係数CTSPを前記感圧及び感温塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧及び感温塗料計測における系統誤差を補正した上で、両補正データから前記a-priori較正データを用いて圧力と温度を算出するようにした。
本発明のA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法は、a-priori較正特性を用いると共に、感圧塗料計測データの他に特定箇所の精度の良い圧力計測データを用いてin-situ的な較正を施すものであるが、従来のように対応データを一致させ、その間のデータについては内挿的な補間法で処理するものではなく、感圧塗料計測データと精度の良い圧力計測データとからin-situ補正係数CPSPを得て感圧塗料計測データに掛けることによって補正するものであるから、種々の要因による感圧塗料計測における系統誤差を効果的に補正することが出来ると共に、感圧塗料データの比較用圧力センサデータが十分に広い圧力幅にわたってのデータを持たないといった一般的な感圧塗料計測の状況であっても、広いカバー範囲を持つ感圧塗料のa-priori較正データを用いることで外挿の影響をなくすものである。本発明によって、どのような感圧塗料計測環境下にあっても、計測精度を確保した圧力算出が可能となる。
また、本発明の他のA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法は、上記手法であって、温度分布計測データが直接の温度で与えられず、感温塗料データとして得られる場合でも、感温塗料のa-priori較正データを用い、感圧塗料計測データと相互補完的なデータ処理を行うことによって、同様にin-situ補正係数CPSPを算出して感圧塗料計測データに基づく圧力計測データを補正して計測精度を確保しつつ圧力を求めることが出来る。
また、本発明の更に異なるA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法は、温度について感温塗料計測データの他に特定箇所の精度の良い温度計測データを用いてin-situ補正係数CTSPを得てa-priori較正特性から得た値に掛けることによって補正するものであるから、一層正確な温度分布を得ることが出来、ひいてはその情報に基づいて感圧塗料計測データに基づく圧力計測データをより正確に補正して求めることが出来る。
感圧塗料を用いた圧力計測では、1)模型上に温度分布があり、2)励起光源光量の変動、感圧塗料の光劣化などの誤差要因を含む可能性を持つことが一般的であり、十分に定量的な計測ではこれらの対応が必要となる。なお、本発明において用いられる感圧塗料は、ポルフィリン系、遷移金属錯体、多環式芳香族化合物、希土類錯体、フタロシアニン系のいずれかを含むことを想定している。
1)については感圧塗料の発光量は圧力感度だけでなく温度依存性も持つため、本発明では感温塗料や赤外線カメラ、感圧/感温binary paintなどの手法を用いて感圧塗料計測領域内の温度分布を計測し、これによって場所ごとに感圧塗料の温度依存性補正を行う。
2)については、これらの誤差要因は計測結果にオフセット成分として現れるため、本発明では圧力センサに接続された圧力孔計測データなど、感圧塗料計測データと同時に取得された他の精度の高い計測データを併用し、代表点で感圧塗料計測結果とこれらの精度の高い計測データを比較することによって in-situ的な修正を行うことによって誤差要因の補正を行う。
3)しかし、感圧塗料計測での既存 in-situ手法のように純粋に感圧塗料計測結果と精度の高い計測データの比較から相関式を作ることは、一般的な感圧塗料計測での属性である比較用の精度の高い計測データが十分に広い圧力幅にわたってのデータを持たない場合があるといったケースでは、比較用の計測データの圧力幅の外側の外挿部分での特性に誤差を含む可能性があるため、本発明では十分に広い圧力・温度範囲にわたって事前に較正された感圧塗料のa-priori較正データをベースとして用いることによりこのような外挿の影響を避けることとした。
よって、2)3)双方に対応する手法としては、a-priori較正データをベースとして用い、かつ他の精度の高い計測データを併用し、代表点で感圧塗料計測結果とこれらの精度の高い計測データを比較することによってin-situ的な補正係数を導入するものとなる。
本発明の基礎となる手法の概要は模式的に図1に示すようなものであって、感圧塗料計測データとa-priori較正データと感温塗料を用いた測定などで得た温度分布情報とから、まず補正係数Cを決定し、この係数を感圧塗料計測画像全体に適用した後に圧力分布情報を得るものである。補正係数Cの算出方法としては、感圧塗料計測データから特定点における代表情報を取り出し、他の計測手段によって検出した精度の良い圧力値から得られたデータと比較することによってin-situ的に決定できる。
これらに対応する手段を数式化すると、最も基本的な表式として
と書くことができる。ここで、Pは算出すべき計測対象の圧力、Prefは既知の基準状態での圧力、Iは計測された感圧塗料の発光量、Irefは既知の基準状態での感圧塗料の発光量、CPSPは代表点で感圧塗料計測結果と他の精度の高い計測データを比較することによってin-situ的に算出された補正係数である。また感圧塗料の発光特性データとしては、図2に例示するようなP,T, Iref/Iの間のa-priori較正データとして得られる特性面を用いる。
本発明に係るA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理法を適用するために必要な基本的データとしては、
a. 感圧塗料計測データ(I画像:測定時の画像及びIref 画像:基準圧力と基準温度下での画像)
b. 他の圧力センサによる精度の高い特定点の圧力計測データ(in-situ較正用)
c. 感圧塗料計測領域内の温度分布データ
d. 感圧塗料のa-priori較正による特性データ
の4種類のデータが必要となる。
I画像及びIref 画像の感圧塗料計測データとしては、単一の画像が用いられる場合もあるし、複数枚の画像を積算・平均化し、ノイズ除去を施したものが用いられる場合もある。他の精度の高い圧力計測データとしては、感圧塗料計測システムが含む可能性のある光量変化や感圧塗料の光劣化などの誤差成分を修正するための較正用の圧力データであり、感圧塗料計測データと同一の圧力場を計測したとみなせるものを用いる。このデータとしては測定面上の圧力孔と圧力変換器の組み合わせによる離散的な圧力計測手法などを用いることができる。本発明においてこの圧力計測データは必ずしも感圧塗料計測領域内に含まれる圧力範囲を含む広い圧力幅にわたってのデータである必要はなく、理論的には最低1点の較正用圧力計測データ点があれば良い。しかし、実際にはなるべく多くの較正用圧力計測データ点を用いて最小二乗的に算出した方が計測精度上良くなることは明らかである。
温度分布データとしては感温塗料や赤外線カメラ、感圧/感温binary paintなどによって感圧塗料計測領域内の温度分布が計測されるものの他に、これらの温度計測手法を用いるものであって、感圧塗料計測領域内の温度分布を直接は計測しないが、流れ場や温度場の左右対称性や別個の部位での流れ場や温度場の同一性などを仮定した上で感圧塗料計測領域内の温度分布と等価なデータとして用いられる場合もある。
感圧塗料のa-priori較正による特性データとしては、温度と圧力を独立パラメータとしてマトリックス状に計測点を取り、これらの各点に対応する感圧塗料発光量と、基準状態とする温度・圧力における感圧塗料発光量などから感圧塗料特性を較正したものである。このa-priori較正は試験前に行われる場合や、試験後に行われる場合、または試験と並行して行われる場合などがあり、また較正試験を行わずにa-priori較正データがデータベース化された特性データを用いる場合もある。較正試験片としても、試験模型と同一の特性とみなせるサンプル片を用いるものや、模型自体を用いて較正を行い、特性データを取得するものなどがある。
図3に本発明に係るA-priori/In-situ Hybrid 感圧塗料データ処理手法を用いた感圧塗料データ処理の基本的なフローチャートの一例を、図4に図3中のin-situ補正係数算出ルーチンの詳細の基本的な一例を示す。
図3において、画像からカメラの不均一性を除去するダーク画像減算を実行し無次元化した光量比画像(Iref/I) を得る。図中の in-situ補正係数算出ルーチンに供給されるデータとしては、光量比画像(Iref/I) の形とした感圧塗料計測データから比較用圧力計測データと同じ圧力を取るとみなせる領域だけを切り取り、感圧塗料計測データと比較用圧力計測データを対応付けてセットとして用いる。これらのセットは複数あっても良く、図4ではN個のセットがある場合を例として示している。比較用圧力計の圧力孔周りの温度データTを圧力計測データPtapと共に取得し、感圧塗料のa-priori較正データから圧力孔部分の発光量比(Iref/I)tapを算出し、圧力孔周りの感圧塗料計測データ(Iref/I)pspとの比を採って、これをその部分から得た補正係数Cpsp,jを算出する。このようにして、1つの感圧塗料計測データと比較用圧力計測データのセット毎に in-situ補正係数CPSPが算出され、最終的には最小二乗的な代表CPSPとしてN点の平均値が用いられる。ただし、これらN点のデータには誤差要因の影響によって論理的でない点が含まれている可能性があるため、平均値算出よりも前の段階でデータの選別が行われる場合もある。
また直接の温度分布データではなく、代わりに感温塗料計測データを用いる場合には、感温塗料には若干の圧力依存性が存在するため、感温塗料のみからでは精度良く温度分布を算出することができず、先に示した式(4)の拡張としての式
を用いることにより、感圧塗料計測データと感温塗料計測データを用い圧力と温度を同時に算出するデータ処理を行うことが出来る。感温塗料は必ずしも単体で温度分布を算出できず、後述するように感圧塗料データと感温塗料データの2つの入力に対し、圧力と温度の2出力の計算を収束するまで繰り返すデータ処理を経た上で温度分布データが得られるものであるが、A-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法での温度分布データとしてはこのように他のデータとの併用データ処理によって得られる陰的な温度分布データも含むものである。
図5に感温塗料の圧力依存性を考慮し、かつ感圧塗料計測データに比較用圧力センサデータを併用することによって感圧塗料計測データのin-situ補正係数を導入する、本発明に係るA-priori/In-situ Hybrid 感圧塗料データ処理手法を用いた感圧塗料データ処理の概要を模式的に示し、図6にそのフローチャートの一例を示す。ここでは例として機体模型の左半分にPSPを塗布し右半分にTSPを塗布してIref像とI像とを得ている。ここで左右の機体は対象であるから、その温度分布も軸を中心に左右対称であるとの前提で対応させる。また機体表面の特定Nカ所には圧力孔が設けられ、圧力センサーが設置されている。圧力孔の圧力データPtapと圧力孔に対応する部分の感圧塗料及び感温塗料の計測データから感圧塗料及び感温塗料のa-priori較正データを用いて、in-situ補正係数CPSPを算出する。図7は図6中のin-situ補正係算出ルーチン部分を例示的に説明する図である。この場合、図7から分かるように、図2、3のように別途温度分布が固定値として得られているケースと異なり、比較用圧力センサデータと対応する比較用温度データがなく、感圧塗料計測データと感温塗料による計測データからこの比較用温度データに相当する温度データを算出しなければならない。これが図7中のTTSPである。このTTSPは入力データである[Iref/CPSP・I]PSPが更新されるごとに値が変化するため、CPSPの値も変化し、前のステップとの差分が収束するまでイタレーションを繰り返す必要がある。すなわち、得られたTTSPとPtapに基づき感圧塗料のa-priori較正データから圧力孔部分の発光量比(Iref/I)tapを割り出し、その部分の感圧塗料計測データ(Iref/I)PSPとの比を採ってCPSP,jを算出する。これを当初の圧力孔周りの感圧塗料計測データの[Iref/CPSP・I]PSPの新たなCPSP,jとして採用し再計算する。得られたCPSP,jと前回値C'PSP,jとの差が閾値δ以内となるまで繰り返し演算を行う。CPSP,j値が収束したときその値をj点についてのデータから算出したin-situ補正係数CPSP,jとする。この計算をN個の圧力孔のデータについて行いその算術平均を取ってin-situ補正係数CPSP とする。図6に戻り、得られたin-situ補正係数CPSPを感圧塗料計測データ(Iref/I)に適用して補正を行い、既知の感圧塗料のa-priori較正データ及び感温塗料のa-priori較正データから圧力値と温度を割り出すことになる。ここでは式(5)を用い、各区分領域について補正された感圧塗料データと、感温塗料計測データを入力とし、出力として圧力と温度を得る処理が行われるが、前述したように両値が収束するまで繰り返し計算を行う必要はある。以上が感温塗料の圧力依存度を考慮した本発明に係るA-priori/In-situHybrid 感圧塗料データ処理手法である。
式(4)をさらに拡張し、以下の
式(6)が用いられることもある。この式(6)は感圧塗料側と同様に感温塗料計測データにも比較用温度センサデータを併用することによって感温塗料計測データのin-situ補正係数を導入するものである。先の式(5)は式(6)でCTSP=1の場合の例であるとみなすこともできる。比較用温度センサデータとしては、測温抵抗体や熱電対、あるいは赤外線カメラなど感温塗料計測データと同一の温度場を計測したとみなせるものを用いる。比較用圧力計測データと同様に、この比較用温度計測データでも必ずしも感温塗料計測領域内の温度範囲を含む温度幅にわたってのデータである必要はなく、理論的には最低1点の比較用温度計測データ点があれば良い。しかし、実際にはなるべく多くの比較用温度計測データ点を用いて最小二乗的に算出した方が計測精度上良くなることは明らかである。
図8に感温塗料の圧力依存性を考慮し、かつ感圧塗料計測データに比較用圧力センサデータを併用することによって感圧塗料計測データの in-situ補正係数を導入し、感温塗料計測データにも比較用温度センサデータを併用することによって感温塗料計測データのin-situ補正係数も導入する本発明に係るA-priori/In-situHybrid感圧塗料データ処理手法を用いた感圧塗料データ処理の概要を模式的に示し、図9にそのフローチャートの一例を示す。先の図6の態様と異なるのはin-situ補正係数算出に際して必要とする入力情報が圧力孔周りの感圧塗料及び感温塗料の計測データだけでなく温度センサ周りの感圧塗料及び感温塗料の計測データが必要なことと圧力孔の圧力センサデータの他に温度センサデータを要する点である。そして、図10は図9中のin-situ補正係数算出ルーチン部分を例示的に説明する図であるが、この図10では比較用温度計測用データとしてM個のデータがある場合を例として示している。
この場合、CPSP に関しては図7に示した手法と同じである。まず、このCPSP算出ルーチンによって仮のin-situ補正係数CPSP を算出し、CTSP 算出ルーチンを開始する。仮のCPSPを用いて温度センサ周りのPSP光量比データ(Iref/I)PSP を補正計算する。これと温度センサ周りの感温塗料計測データ(I/Iref)TSPを用い、感圧塗料及び感温塗料のa-priori較正データとから比較用圧力データPPSPを算出し、この値と温度センサデータTsensorとを用い、TSP特性を用いて比較する(I/Iref)sensorを割り出す。この値と感温塗料データ(I/Iref)TSPとの比をとって仮のin-situ補正係数CTSPを得る。この後、先のin-situ補正係数CPSP 算出ルーチンに戻りこれを用いて圧力孔周りの感温塗料計測データの補正値[CTSP・I/Iref]TSPを得る。これに基づいてin-situ補正係数CPSPの再計算を開始し、収束するまで実行する。収束したときは既に得られている仮のin-situ補正係数CTSP を用いて新たな温度センサ周りのTSPデータを[CTSP・I/Iref]TSPを得、in-situ補正係数CTSP算出ルーチンを実行する。ここで算出したCTSP と先の値C'TSP との差が閾値δを越えるときは再計算が必要となり、その値をin-situ補正係数CPSPの算出の再計算ルーチンに入る。その後、更新されたin-situ補正係数CTSP を用いて新たな温度センサ周りのTSPデータ[CTSP・I/Iref]TSPを得てin-situ補正係数CTSPが収束するまで再計算を実行する。収束したところで1つの感温塗料計測データと比較用温度計測データのセット毎にin-situ補正係数CTSPが算出されたことになる。M個あるセットについてそれぞれ算出し、最小二乗的な代表CTSPとしてM点の平均値が用いられる。このM点の感温塗料計測データと比較用温度計測データからのin-situ補正係数CTSP算出の各ルーチン内では、それぞれに感圧塗料側の in-situ補正係数CPSPを算出するルーチンを含むため、上記のような2重の繰り返し計算(イタレーション)プロセスから構成されることとなる。また最終的な感圧塗料側のin-situ補正係数CPSPとしては、最後のイタレーション回で算出されたN点の感圧塗料計測データと比較用圧力計測データのセットに対するin-situ補正係数の平均値としてのCPSPが用いられる。ただし、感温塗料側の in-situ補正係数CTSPについても感圧塗料の場合と同様に、これらM点のデータには誤差要因の影響によって論理的でない点が含まれている可能性があるため、平均値算出よりも前の段階でデータの選別が行われる場合もある。
図9に戻り、得られたin-situ補正係数CPSP で感圧塗料計測データの補正[Iref/CPSP・I]を行い、得られたin-situ補正係数CTSPで感温塗料計測データの補正[CTSP・I/Iref]を行い、既知の感圧塗料及び感温塗料のa-priori較正データから圧力値と温度を割り出すことになる。ここでは式(6)を用い、各区分領域について補正された感圧塗料計測データと補正された感温塗料計測データを入力とし、出力として圧力と温度を得る処理が行なわれるが、ここでも前述の方法と同様に両値が収束するまで繰り返し計算を実行する。以上が感温塗料の圧力依存度を考慮し、別の温度センサを併用してTSPデータにもin-situ補正係数を用いた本発明に係るA-priori/In-situHybrid 感圧塗料データ処理手法である。
宇宙航空研究開発機構風洞技術開発センターの2m×2m遷音速風洞の標準模型であるONERAM5模型を用いて行われた感圧塗料試験を実施例として示す。図11に左舷にTSP、右舷にPSPが塗装されたONERA M5模型を示す。この実施例での感圧塗料計測領域内の温度分布データとしては、流れ場と温度場の左右対称性を仮定し、感圧塗料と感圧塗料を併用することにより、感圧塗料データと感温塗料データの2つの入力に対し、圧力と温度の2出力を返すデータ処理を経た上で温度分布データが得られるものを用いている。感圧塗料の誤差要因を補正するための他の精度の高い圧力計測データとしては、模型表面に離散的に設けられた圧力孔から取得される圧力情報をチューブを介して圧力変換機まで伝送する圧力孔計測法を用いている。また感温塗料計測データの比較用温度センサデータとなりうる測温抵抗体も模型内部に設置され、温度データも計測されているが、ここでのデータ処理では感温塗料計測データへのin-situ補正係数の導入は行っていない。
図12に感圧・感温塗料計測データを用い、感温塗料の圧力依存性を考慮し、かつ感圧塗料計測データに比較用圧力センサデータを併用することによって感圧塗料計測データの In-situ補正係数を導入するA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法を用いた圧力分布の結果を圧力係数Cpで表示したものの例を示す。この圧力係数は[(物体表面圧力−気流静圧)/気流動圧]で表されるものである。模型上面と模型下面は別個の試験によって得られたデータを処理し、並べたものである。これらの結果より、感圧・感温塗料を用いることによって模型上の複雑な流れ場の詳細な圧力分布を定量的に計測できていることが分かる。また図13にはデータ処理によって圧力と同時に算出される温度分布の結果を示す。これについても模型上面と模型下面は別個の試験によって得られたデータを処理し、並べたものである。これらの試験は生産性を優先するために、模型上の温度分布が小さくなるまでの時間を十分に取らなかった実用性重視の試験ではあったが、これらの温度分布計測結果より、in-situ法やK-fit法が前提としている模型上の温度の均一性は成り立っていないことが良く分かる。このような温度分布を持った感圧塗料試験データの処理では均一温度を仮定すると大きな誤差要因となり、温度分布まで考慮した温度補正が必要であることが良く分かる。
図14は主翼上の圧力孔列でのa-priori法及び本発明に係るA-priori/In-situ Hybrid 感圧塗料データ処理法と圧力孔計測法との比較である。上面の感圧塗料計測データ処理結果はa-priori法とA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理法でほとんど差がないが、下面側データでは、a-priori法では圧力孔計測データと何らかの誤差要因によって大きな差があるのに対し、A-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理法ではin-situ補正係数を導入したことによって圧力孔計測データとる全体的に良く一致するようになっていることがわかる。この効果は図15の圧力孔計測データとa-priori法及びA-priori/In-situHybrid感圧塗料データ処理法のデータの差分の評価のうち、何らかの誤差要因が混入したと考えられる下面側の結果で、A-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理法の補正効果によって圧力孔計測データとの一致が良くなっていることからも分かる。逆に、a-priori法の結果でも圧力孔計測データとの一致が良好である上面側のデータでは、A-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理法の補正効果を小さくし、このような場合でも圧力孔計測データとの一致を良好に保ったままの結果を算出することができている。
感圧塗料を用いて圧力分布を計測する技術自体は産業を限らず広く活用することができるものである。本発明は、この感圧塗料技術によって計測されたデータから精度良く圧力を算出する技術であり、実施例として航空機模型を用いた風洞試験を例にとり説明しているが、これに限らず感圧塗料が適用できる広い範囲にわたっての用途における感圧塗料データ処理手法として適用できるものである。
本発明の基本的なA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法の概念図である。 本発明で用いる感圧塗料の特性面の例を示す図である。 本発明の基本的なA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法のフローチャート例である。 本発明の基本的なA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法のin-situ補正係数算出ルーチンのフローを示す図である。 感温塗料の圧力依存性を考慮した本発明のA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法の概念図である。 感温塗料の圧力依存性を考慮した本発明のA-priori/In-situ Hybrid感圧塗料データ処理手法のフローチャート例である。 前図におけるin-situ補正係数算出ルーチンのフローを示す図である。 感温塗料の圧力依存性を考慮し、感温塗料計測データにもIn-situ補正係数を導入した本発明のA-priori/In-situHybrid感圧塗料データ処理手法の概念図である。 感温塗料の圧力依存性を考慮し、感温塗料計測データにもIn-situ補正係数を導入した本発明のA-priori/In-situHybrid感圧塗料データ処理手法のフローチャート例である。 前図のin-situ補正係数算出ルーチンのフローを示す図である。 実施例の実験で用いたPSP及びTSPが塗装されたONERA M5模型の写真である。 実施例の実験で得たONERA M5模型を用いた感圧塗料試験のデータ処理による圧力分布画像の例である。(上面と下面は別個に計測されたもの) 実施例の実験で得たONERA M5模型を用いた感圧塗料試験のデータ処理による温度分布画像の例である。(上面と下面は別個に計測されたもの) 実施例の実験で得たONERA M5模型を用いた感圧塗料試験の感圧塗料データと圧力孔計測結果の比較例を示すグラフである。(上面と下面は別個に計測されたもの) 実施例の実験で得たONERA M5模型を用いた感圧塗料試験データのA-priori法による結果とA-priori/In-situHybrid法による結果の比較例示すグラフである。
符号の説明
PSP 感圧塗料(Pressure-Sensitive Paint)
TSP 感温塗料(Temperature-Sensitive Paint)
PSP 感圧塗料計測データのin-situ補正係数
TSP 感温塗料計測データのin-situ補正係数
I 感圧/感温塗料の試験データまたは試験画像
Iref 感圧/感温塗料の既知圧力・既知温度下の基準データまたは基準画像
TSP 比較用温度データ
PSP 比較用圧力データ

Claims (9)

  1. 感圧塗料計測データを用いた圧力測定において、前記感圧塗料計測データと、a-priori較正によって事前に取得された感圧塗料特性データと、模型上の温度分布を反映した温度計測データと、圧力センサによって計測された所定位置の圧力データを基礎データとし、前記所定位置についての前記圧力センサデータと前記感圧塗料データの両者に基づく比である補正係数CPSPを得て、前記感圧塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧塗料計測における系統誤差を補正した上で、前記模型上の温度分布を反映した温度計測データとから前記a-priori較正データを用いて圧力を算出することを特徴とするデータ処理手法。
  2. 補正係数CPSPとしては、所定位置についての圧力センサデータと所定位置についての温度データから前記a-priori較正データによる感圧塗料特性データを用いて構築した比較用データ化された圧力センサデータと、前記所定位置の感圧塗料計測データとの比を用いるものである請求項1に記載のデータ処理手法。
  3. 感圧塗料計測データを用いた圧力測定において、前記感圧塗料計測データと、a-priori較正によって試験前に事前に取得された感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データと、模型上に塗布した感温塗料による計測データと、圧力センサによって計測された所定位置の圧力データを基礎データとし、前記所定位置に対応する感圧塗料計測データと感温塗料計測データと前記感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データとから比較用温度データTTSPを得て、該比較用温度データと前記圧力センサ計測データから前記a-priori較正による感圧塗料特性データを用いて構築される比較用データ化された圧力センサデータと前記所定位置の感圧塗料計測データとの比から感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得て、これを前記感圧塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧塗料計測における系統誤差を補正した上で、前記模型上に塗布した感温塗料による計測データとから前記a-priori較正データを用いて圧力と温度を算出することを特徴とするデータ処理手法。
  4. 比較用データ化された圧力センサデータと所定位置の感圧塗料計測データとの比から感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得る演算は、一旦得たin-situ補正係数を比較用温度データTTSPを得る際の所定位置の感圧塗料計測データに掛ける補正をした上で再計算し、得られたin-situ補正係数と前回計算の時の当該値とが閾値以内に収束するまで繰り返し演算を実行するものである請求項3に記載のデータ処理手法。
  5. 感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得る演算は所定位置に配置された複数の圧力センサ計測データ毎に行いその算術平均から得るものである請求項3または4に記載のデータ処理手法。
  6. 感圧塗料計測データを用いた圧力測定において、前記感圧塗料計測データと、a-priori較正によって試験前に事前に取得された感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データと、模型上に塗布した感温塗料による計測データと、圧力センサによって計測された所定位置の圧力データと、温度センサによって計測された所定位置の温度データを基礎データとし、まず、前記所定位置に対応する感圧塗料計測データと感温塗料計測データと前記感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データとから比較用温度データTTSPを得て、該比較用温度データと前記圧力センサ計測データから前記a-priori較正による感圧塗料特性データを用いて構築される比較用データ化された圧力センサデータと前記所定位置の感圧塗料計測データとの比から感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得るステップと、前記所定位置に対応する感圧塗料計測データに該in-situ補正係数CPSPをかけて補正したデータと感温塗料計測データと前記感圧塗料特性データ及び感温塗料特性データとから比較用圧力データPPSPを得て、該比較用圧力データと前記温度センサ計測データから前記a-priori較正による感温塗料特性データを用いて構築される比較用データ化された温度センサデータと前記所定位置の感温塗料計測データとの比から感温塗料計測データのin-situ補正係数CTSPを得るステップとを踏み、得られた感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPと感温塗料計測データのin-situ補正係数CTSPを前記感圧及び感温塗料計測データに掛けることによって種々の要因による感圧及び感温塗料計測における系統誤差を補正した上で、両補正データから前記a-priori較正データを用いて圧力と温度を算出することを特徴とするデータ処理手法。
  7. 圧力補償した温度センサ計測データと所定位置の感温塗料計測データとの比から感温塗料計測データのin-situ補正係数CTSPを得る演算は、一旦得たin-situ補正係数CTSPを先の感圧塗料計測データのin-situ補正係数CPSPを得る演算における所定位置の感温塗料計測データにかける補正をした上で再計算し、得られたin-situ補正係数CPSPと前回計算の時の当該値とが閾値以内に収束するまで繰り返し演算を実行し、収束した際にはその際のin-situ補正係数CTSPをin-situ補正係数CTSPを演算するにおける所定位置の感温塗料計測データに掛ける補正をした上で再計算し、得られたin-situ補正係数CTSPと前回計算の時の当該値とが閾値以内に収束するまで繰り返し演算を実行し、収束した際の最終計算におけるin-situ補正係数CTSPとin-situ補正係数CPSPとを採用するものである請求項6に記載のデータ処理手法。
  8. 感温塗料計測データのin-situ補正係数CTSPを得る演算は所定位置に配置された複数の温度センサ計測データ毎に行いその算術平均から得るものである請求項3または4に記載のデータ処理手法。
  9. 模型上の温度分布を反映した温度分布計測データとしては、感温塗料を用いかつ模型上の一方の半面に感圧塗料を、他方の半面に感温塗料を塗り分け、模型上の流れ場の対称性を仮定し、感圧塗料の温度補正を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のデータ処理手法。
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