JP2006061925A - 密閉型溶解炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属のインゴットや再生材の溶解において、溶解時や溶湯保持時に生じる酸化物の生成を抑制し、製造品質及び歩留りを向上させること。
【解決手段】 炉蓋2を備えて密閉した坩堝4内に、該炉蓋2に穿設したインゴット溶解層孔5から挿入し、インゴット投入口シャッター10を備えて上方開放空間に対して密閉したインゴット溶解槽7と、インゴット投入機構21を内包し、インゴット投入口シャッター10の上方開放空間を覆って密閉した収容ケース13とで構成し、インゴット20を、あらかじめ減圧した収容ケース13から、外部に対して密閉されたインゴット溶解槽7に投入する。この結果インゴット溶解槽7では、大気と接触することなく溶解できるので、酸化物が発生する事はない。
【選択図】 図1
【解決手段】 炉蓋2を備えて密閉した坩堝4内に、該炉蓋2に穿設したインゴット溶解層孔5から挿入し、インゴット投入口シャッター10を備えて上方開放空間に対して密閉したインゴット溶解槽7と、インゴット投入機構21を内包し、インゴット投入口シャッター10の上方開放空間を覆って密閉した収容ケース13とで構成し、インゴット20を、あらかじめ減圧した収容ケース13から、外部に対して密閉されたインゴット溶解槽7に投入する。この結果インゴット溶解槽7では、大気と接触することなく溶解できるので、酸化物が発生する事はない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋳造装置に供給される金属溶湯を溶解・保持するための溶解炉に関し、特に、溶解時や溶湯保持時に生じる金属溶湯の酸化や蒸発を抑制することができる密閉型溶解炉に関するものである。
マグネシウムやその合金などの非鉄金属を溶解する場合には、溶解された溶湯の酸化や蒸発を抑制するために、炉蓋を備えた坩堝が一般的に用いられている。
鋳造中に給湯された分を該坩堝に補給して溶解するためには、通常炉蓋の一部を大気雰囲気に開放して、コンベアなどで搬送してきたインゴットや再生材を、坩堝の溶湯中に落下投入させるとともに、一部溶湯表面に浮遊した残りのインゴットや再生材は、適当な押し込み機構を使用して、溶湯の中に押し込むようにして投入し、溶湯に浸漬させるようにしている。
このような金属の溶湯を大気雰囲気下に曝すような溶解方法では、これらの金属溶湯が酸化されて、酸化物(ドロス・スラッジ)を新たに生成するので、この発生した酸化物を除去するための作業が必要となる。また、溶湯が酸素を吸収して鋳造などの造塊時に、気孔を生じたり物性変化をきたしたりして機械的特性が低下するという課題がある。
またインゴットや再生材を、坩堝の上から溶湯中に直接落下させるような供給方法では、この落下投入による溶湯の炉蓋や坩堝内壁への跳ね返りのほかに、溶湯表面での保護ガスの撹拌や溶湯面高さの変動にともない、溶湯と大気との接触面が増えて酸化が促進され酸化物が増加して酸化物が坩堝の内壁や炉蓋に堆積する。また、落下投入時に、インゴットや再生材が坩堝の底にあたって、坩堝を損傷させる危険もある。
従来これらの課題を有する非鉄金属の溶解については多くの提案がなされており、たとえば溶解時には保護ガスあるいはフラックスで溶湯表面を被覆しながら溶解する方法や、インゴットの溶解炉への投入時には、フードなどでの閉鎖空間でインゴットを覆ってできるだけ大気雰囲気との接触を少なくするような方法などがある。
たとえば、マグネシウムまたはマグネシウム合金の溶解においては、特に酸化や蒸発がおきやすいので、保護ガスとしては、六フッ化硫黄(SF6)が使用され、フラックスとしては塩化カリウム、塩化カルシウム、フッ化カルシウムなどが従来から使用されている。
保護ガスとしての六フッ化硫黄(SF6)は、この場合、溶湯表面からのマグネシウム蒸気の発生を抑えるのに大量に使用されるが、高価であることに加え、地球温暖化係数の高いガスでもあり環境保護の点でも問題がある。
またフラックスは、溶湯表面を雰囲気から遮断するのに使用されるが、使用後のフラックスの廃棄処分の問題や、フラックスが溶湯内に混入して材料欠陥が発生するおそれがあるという問題もある。
また下記特許文献1には、インゴットチャックを備えた搬送装置により、予熱したインゴットを予熱装置から取り出して炉蓋を備えた溶解保持炉に供給するインゴット供給・溶解方法において、インゴットを把持したインゴットチャック部をフードにより覆うことで閉鎖空間部を設けて、保護ガスを供給した該閉鎖空間部内に、インゴットチャック部で把持したインゴットを、炉蓋に穿設したインゴット供給口を介して、保護ガス雰囲気下のもとで低速で投入する技術が開示されている。この技術によれば、溶湯と大気との接触及び、落下投入による溶湯表面での保護ガスの撹拌や溶湯面高さの変動を極力抑制することができる。
しかし、特許文献1に開示されている技術では、フードによりインゴットを把持したインゴットチャック部を覆って形成された閉鎖空間部の一端は、インゴットを予熱装置から取出す時の取出口及び、溶解保持炉に供給する時の投入口としての開放端とされているので、インゴットを閉塞空間部内に移動させる際には、該閉塞空間部内が大気に開放された状態となってしまう。ここで、閉鎖空間部内には保護ガスが供給されているとはいえ、インゴットを出し入れする際に、閉鎖空間部内への大気の侵入を完全に抑制することができないため、大気に触れる溶湯表面の酸化は避けられない。また、開放端があるため保護ガスも大量に供給する必要があるという問題があった。
また炉蓋を備えて密閉できるような構成にある坩堝側においても、炉蓋に穿設したインゴット投入口を介して、インゴットを坩堝内に投入するときには、該インゴット供給口の蓋を開ける必要があるが、この時、坩堝内の上方空間部の一部も先きのフード内と同じように、大気に開放された状態になるので、保護ガスが供給されているとはいえ大気の進入を完全に抑制することができないため、大気に触れる溶湯表面の酸化は特許文献1の技術と同様に避けられない。また、特許文献1の技術と同様に開放端があるため保護ガスも大量に供給する必要があるという問題がある。
特許第3452812
本発明は、上述した従来の技術における金属インゴットの溶解についての問題点を鑑みてなされたものであり、溶解時の溶湯の酸化や酸素吸収を抑制し、大量の保護ガスまたはフラックスを使用することによるコストアップを低減することができる密閉型溶解炉を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、金属溶湯を収容する坩堝と、前記坩堝の上方開放空間を閉塞するように配置される炉蓋と、中空形状を有し、前記炉蓋に形成される溶解槽挿通孔から前記坩堝内に挿入されるとともに、前記炉蓋側の一端に投入口が形成され、前記坩堝内に挿入される側の他端に前記坩堝内部と連通する開口部が形成されている溶解槽と、該溶解槽の前記投入口を開閉する投入口シャッターと、前記投入口シャッターを介して前記溶解槽内部と隣接する空間を密閉状態で覆い、前記溶解槽に投入するための金属塊が搬入される収容ケースと、前記収容ケース内に収容される金属塊を前記投入口を介して前記溶解槽に投入する投入機構と、を備え、前記収容ケースは、金属塊を該収容ケース内に搬入するための搬入口と、該搬入口を開閉し、該搬入口の閉状態において前記収容ケース内の気密性を保持する搬入口シャッターと、前記収容ケースの壁面に形成され該収容ケース内を減圧する真空開閉弁とを有するものであることを特徴とする密閉型溶解炉としたことである。
また上記技術課題を解決するにあたり請求項2のように、前記溶解槽は、溶湯中に浸漬されないようになっている上部溶解槽と、溶湯中に浸漬された側にあって一部が溶湯表面から露出する下部溶解槽とを有し、該上部溶解槽と該下部溶解槽とが断熱材を介して連結されて一体化されて構成されているのがよい。
また上記技術課題を解決するにあたり請求項3のように、前記収容ケースは、該収容ケースの壁面に保護ガス供給弁を備えることが好ましい。
また上記技術課題を解決するにあたり請求項5のように、前記金属塊はインゴットあるいは再生材であり、前記溶解槽として該インゴットを溶解するためのインゴット溶解槽と該再生材を溶解するための再生材溶解槽とを有するのがよい。
また上記技術課題を解決するにあたり請求項6のように、前記金属溶湯は、マグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯であることが好ましい。
請求項1の発明によれば、溶解槽の投入口側に、収容ケースを設けて、真空開閉弁であらかじめ減圧されて大気を除去した前記収容ケースから、投入口シャッターを開状態として、投入口から溶解槽に金属塊を投入するように構成されている。
具体的には、収容ケースに形成される搬入口を開状態にして、収容ケース内に金属塊を収容した後、搬入口を閉状態にすると、搬入口シャッターにより収容ケース内の気密性が保持される。その後、収容ケースを減圧して、搬入口を開状態としたときに、収容ケースに侵入した大気を除去する。そして、収容ケース内の大気が除去された状態で、投入口シャッターにより投入口を開状態として、金属塊を溶解槽に投入する。収容ケース内の大気が除去された状態で投入口シャッターが開くので、大気が溶解槽内に侵入することがない。
したがって前記インゴット溶解槽への大気の進入による、溶湯の大気接触が避けられて、溶湯の大気中の酸化による、酸化物(ドロス・スラッジ)の発生や溶湯の燃焼が防止されて、溶湯の品質が向上するとともに、溶湯の歩留まりも向上する。
請求項2の発明によれば、溶解槽は、上部溶解槽と下部溶解槽とに分割されるとともに、該上部溶解槽と下部溶解槽の間には、断熱材を介在させる構成にあるので、該断熱材によって、筒状に形成された溶解槽の長手方向の熱伝導は低減される。
したがって、筒状に形成されて、一端を高温下の溶湯側に、他端を大気雰囲気温度側に配置される溶解槽において、高温下にある前記溶湯側から大気側への熱伝導による熱損失が、該断熱材によって低減されるので、溶解や溶湯保持のために供給される加熱エネルギーが節約できる。
請求項3の発明によれば、前記収容ケースをあらかじめ減圧した後にそれぞれ、SF6(六フッ化硫黄)、アルゴン、窒素、CO2などの保護ガスを供給することにより、それらの保護ガスで置換されてほぼ完全に大気中の酸素を除去した前記収容ケースから、同じくあらかじめ保護ガスで置換されてほぼ完全に大気中の酸素を除去した溶解槽に金属塊を投入するように構成されている。
したがって大気中の酸素がほぼ完全に除去された保護ガス雰囲気下で、溶解及び溶湯保持ができるので、溶湯表面にドロス・スラッジのたぐいの酸化物が発生することはなくまた、溶湯の品質が安定するとともに、溶湯の歩留まりを向上させることができる。
またマグネシウムなどの比較的蒸気圧が低くて蒸発しやすい場合では、減圧して置換した保護ガス雰囲気とすることによって、各溶解槽内の圧力を高めることで大気の分圧を下げることで、溶解及び溶湯保持時における蒸発量をも低減することができる。
また、減圧して密閉した収容ケースに保護ガスを供給するような構成にあるので、従来のように大気開放下において保護ガスを供給しながら溶解する方法に比べて、供給する保護ガスを大幅に低減する事ができ、高価な保護ガスに対する経済効果のみならず、六フッ化硫黄などに対する環境保護にも貢献できる。
請求項4の発明によれば、溶解槽の溶湯に侵入される側の端部に、該溶解槽の下方に向かって開口部が形成されており、該開口部に溶解槽の下方に向かって縮径する絞り部が形成されているので、溶解槽に投入された金属塊が該絞り部により係止される。
したがって、溶解槽に金属塊を投入した際に、金属塊が坩堝底面に直接衝突することを防止することができ、坩堝の破損を防止することができる。
請求項6の発明によれば、本発明が対象とする金属はマグネシウム及びマグネシウム合金を含むものであるが、特にイオン化傾向が高くて酸化しやすくまた溶湯から蒸気が発生して燃焼しやすいマグネシウム及びマグネシウム合金では、密閉されて大気を除去した収容ケースに保持された金属塊を、溶解槽に投入して溶解するように構成した本発明によれば、大気中の酸素による溶湯の酸化・燃焼が防止されて歩留まりが向上し、安定して高品質の溶湯が確保できる。
以下本発明に係わる実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。以下、図面において、図面の見やすさを優先して、ハッチングをしていない。
(第1実施形態例)
図1は、本発明の第1実施形態例に係わる密閉型溶解炉の全体概略構成を示す側面図である。特に、図1は、金属塊としてインゴットを溶解するインゴット溶解炉1aを示すものである。図1において、マグネシウムやマグネシウム合金に代表される非鉄金属を溶解するインゴット溶解装置1aは、炉蓋2を備えて上方開放空間3が密閉された坩堝4と、前記炉蓋2に穿設されたインゴット溶解槽孔5に挿入され炉蓋2側の端部の外周にフランジ状のインゴット溶解槽取付治具6を備えて前記炉蓋2に固定されるように形成された筒状のインゴット溶解槽7とを有する。インゴット溶解槽7の炉蓋2側の端面はインゴット投入口16とされており、該インゴット投入口16を開閉するインゴット投入口シャッター10が、前記インゴット溶解槽取付治具6の前記炉蓋2へ固定する反対側に形成されたインゴット投入口シャッター当接面8に載置されている。また、インゴット溶解槽7と投入口シャッター10を介して隣接する上方空間を覆う収容ケース13が、投入口シャッター10を覆う形で配置されている。この収容ケース13内にはインゴットチャック部11を備えた昇降シリンダー12で構成されるインゴット投入機構21が配置されている。収容ケース13には、該収容ケース13内に金属塊を搬入するための搬入口13aが形成されており、該搬入口13aを開閉する搬入口シャッター9が設けられている。さらに、収容ケース13には、該収容ケース13内を外部から減圧する真空開閉弁14が設けられている。
図1は、本発明の第1実施形態例に係わる密閉型溶解炉の全体概略構成を示す側面図である。特に、図1は、金属塊としてインゴットを溶解するインゴット溶解炉1aを示すものである。図1において、マグネシウムやマグネシウム合金に代表される非鉄金属を溶解するインゴット溶解装置1aは、炉蓋2を備えて上方開放空間3が密閉された坩堝4と、前記炉蓋2に穿設されたインゴット溶解槽孔5に挿入され炉蓋2側の端部の外周にフランジ状のインゴット溶解槽取付治具6を備えて前記炉蓋2に固定されるように形成された筒状のインゴット溶解槽7とを有する。インゴット溶解槽7の炉蓋2側の端面はインゴット投入口16とされており、該インゴット投入口16を開閉するインゴット投入口シャッター10が、前記インゴット溶解槽取付治具6の前記炉蓋2へ固定する反対側に形成されたインゴット投入口シャッター当接面8に載置されている。また、インゴット溶解槽7と投入口シャッター10を介して隣接する上方空間を覆う収容ケース13が、投入口シャッター10を覆う形で配置されている。この収容ケース13内にはインゴットチャック部11を備えた昇降シリンダー12で構成されるインゴット投入機構21が配置されている。収容ケース13には、該収容ケース13内に金属塊を搬入するための搬入口13aが形成されており、該搬入口13aを開閉する搬入口シャッター9が設けられている。さらに、収容ケース13には、該収容ケース13内を外部から減圧する真空開閉弁14が設けられている。
前記坩堝4は、前記上方開放空間3側に、前記炉蓋2を戴置して密閉した状態で、前記炉蓋2に穿設されたインゴット溶解槽孔5に挿入した前記インゴット溶解槽7を内蔵し、図示しないが外部に備えた電気抵抗加熱、高周波誘導加熱、ガスや石油燃焼加熱などの適当な加熱機構によって加熱されて、インゴットの溶解及び溶湯15の保持を行なう。
また前記炉蓋2には、前記坩堝4内を、外部から真空ポンプなどで減圧して大気を除去する作業の時に、開弁するようにした図示しない真空開閉弁が具備されて、溶解時や溶湯保持時には、該坩堝4内を減圧して、溶湯15が大気に接触して酸化されないようになっている。
前記インゴット溶解槽7は、前記炉蓋2側の端部をインゴット投入口16にまた、前記溶湯15側の端部を溶湯連通口25とする筒状に形成されて、該炉蓋2の前記インゴット溶解槽孔5を介して坩堝4内に挿入されている。該インゴット溶解槽7の該炉蓋2側の端部外周には、該インゴット溶解槽7を該インゴット溶解槽孔5に固定するフランジ状の前記インゴット溶解槽取付治具6が設けられている。また、該溶湯15側の端部にある該溶湯連通口25には、該坩堝4内の該溶湯15と該インゴット溶解槽7内の溶湯17を流動抵抗をもって連通させる絞り部18を、それぞれ備えて形成されて、前記インゴット20の溶解と前記溶湯17を保持する。
前記絞り部18は、筒状に形成された前記インゴット溶解槽7の溶湯連通口25部の断面積を小さくしたもので、たとえば該インゴット溶解槽7の底部にむけて、順次断面積が小さくなるような漏斗状に形成され、該インゴット溶解槽7にインゴットを投入する時に発生する、前記溶湯17表面側の高さ変動を、前記坩堝4側の該溶湯15表面側に波及しないようにして、該溶湯15表面側の高さ変動に伴う、前記坩堝4側の炉壁へのドロス・スラッジ(酸化物)などの付着による堆積や、該溶湯15表面側の撹拌に伴う、雰囲気ガスの巻き込みによるドロス・スラッジの発生を解消するようになっている。
また前記インゴット溶解槽取付治具6の前記炉蓋2に固定する側と、反対側の端面には、前記インゴット投入口16を備えた、平面状のインゴット投入口シャッター当接面8が形成されて、前記インゴット投入口シャッター10が、前記インゴット投入口シャッター当接面8に対して、気密性が保持されるように戴置される。
前記インゴット投入口シャッター10は、上記のように前記インゴット投入口シャッター当接面8に、気密性が保持されるように戴置されているが、外部信号により開閉動作するインゴット投入口シャッター駆動機構19を備えて、前記インゴット20を、前記インゴット投入口16を介して、前記インゴット溶解槽7に投入する時には開口し、溶解時や溶湯保持時には閉口されるように構成されている。該インゴット投入口シャッター10の閉口時には、前記絞り部18を介して連通した、密閉された前記坩堝4内の前記溶湯15とともに、該インゴット溶解槽7内の気密性を保持するように構成されている。
収容ケース13は、前記インゴット投入機構21を内包して、インゴットを把持した該インゴット投入機構21の動作空間を区画するものである。また、収容ケース13は、前記インゴット投入口シャッター10を戴置した前記インゴット投入口シャッター当接面8の上方開放空間を密閉するように配置されている。また、外部から前記インゴット20を収容ケース13内に搬入する時に開口するインゴット搬入口シャッター9は、その閉状態において、前記インゴット投入口シャッター10とともに、収容ケース13内の気密性を保持するものである。前記インゴット搬入口シャッター9は、上述のように前記インゴット投入密閉室13のインゴット搬入口に気密性が保持されるように配設され、外部信号により開閉するインゴット搬入口シャッター駆動機構23を備えて、前記インゴット20を該インゴット投入密閉室13内に搬入する時には開口するとともに、搬入した後には閉口して、前記インゴット搬入後には、前記インゴット投入密閉室13の気密性を保持するようになっている。
前記インゴット投入機構21は、前記インゴット投入口シャッター10の直上の前記収容ケース13内に配置され、外部の図示しないインゴット投入機構駆動機構と連結してほぼ垂直方向に上下動する昇降シリンダー12及び、該昇降シリンダー12の前記駆動機構が連結される側の反対側端部に連結されたインゴットチャック部11で形成されている。前記インゴット20を、前記インゴット投入口シャッター10を介して、前記インゴット投入口16から、前記インゴット溶解槽7に投入する。
このインゴット投入機構21は、外部信号に基づいて動作する前記インゴット投入機構駆動機構によって、前記インゴット20を前記インゴットチャック部11で把持するとともに、前記インゴット投入密閉室13へ搬入された前記インゴット20を、前記インゴット投入密閉室13内で保持する動作と、前記インゴットチャック部11で把持した該インゴット20を、前記インゴット溶解槽7へ投入する動作を行なうことが出来るように構成されている。
すなわち前記昇降シリンダー12は、連結した外部の前記インゴット投入機構駆動機構によってほぼ垂直方向に上下動するように構成され、前記収容ケース13内での後述する減圧作業に向けて、前記インゴット密閉室13内に搬入された前記インゴット20を、前記インゴットチャック部11を介して、前記昇降シリンダー12を上昇させて吊り上げて、長手方向にほぼ垂直状態に起立させて保持するとともに、前記インゴット密閉室13内での減圧作業の終了後には、該インゴット20を、垂直状態に把持して起立させたままの状態で昇降シリンダー12を下降させて、インゴット投入口シャッター10を介して、前記インゴット溶解槽7の溶湯17中に、投入するように構成されている。
前記インゴットチャック部11は、前記昇降シリンダー12と連結されてインゴットを把持する機構及び回転自在の機構を備えて、外部信号に基づき上述のように該昇降シリンダー12と連動して動作し、まず把持した状態で前記インゴット20を、前記インゴット投入密閉室13内で該昇降シリンダー12を上昇させて、長手方向にほぼ垂直状態に起立させるように構成される。
さらに前記インゴットチャック部11は、該インゴット20全体がほぼ前記溶湯17中に浸漬した時点では、前記インゴット20をリリースして、該インゴットチャック部11だけを前記昇降シリンダー12ともに上昇させて、インゴットの搬入時におけるインゴット把持の位置で待機するように構成される。
前記真空開閉弁14は、前記収容ケース13を形成する躯体の壁面に配設され、図示しないが外部に設けられた真空ポンプと配管で連結されて、外部信号に基づき開閉動作するようになって、弁開放時には、前記収容ケース13を減圧して大気を除去する。
この前記真空開閉弁14を介して、該収容ケース13を減圧して大気を除去し、該収容ケース13から、インゴット溶解槽7に、前記インゴット20を投入することができる。そのため、溶解時や溶湯保持時において、前記インゴット溶解槽7での、該インゴット20や前記溶湯17が大気に接触することは完全に解消されるので、酸化による酸化物生成は、大幅に低減される。
なお上述した本実施形態例に係る、前記坩堝4、前記炉蓋2、前記インゴット溶解槽取付治具6を備えた前記インゴット溶解槽7などの主要部位は、耐熱性、経済性、密閉性に優れるボイラー鋼板など鉄または鉄基性合金で構成される。
上記のように構成された、インゴット状の非鉄金属の溶解炉としてのインゴット溶解炉1aについて、以下に作用を説明する。
まず溶解に先立ち予熱された前記インゴット20がコンベアなどで、前記インゴット搬入シャッター9まで搬送されると、図示しないが搬送されたことを検知するセンサーに基づき前記インゴット搬入口シャッター駆動機構23が作動して、該インゴット搬入口シャッター9により搬入口13aが開口する。開口された搬入口13aから該インゴット20が前記収容ケース13内に搬送され、さらに該インゴット20は、先端が前記インゴットチャック部11に至るまで搬送されると、外部信号に基づきインゴット投入機構駆動機構が作動して、前記昇降シリンダー21を介して前記インゴットチャック部11により把持される。
前記インゴットチャック部11に把持された前記インゴット20は、回転自在に該インゴットチャック部11と連結した、前記昇降シリンダー12で構成されるインゴット投入機構21によって上方に牽引される。その結果、インゴット20は、前記インゴット投入密閉室13内のインゴット投入シャッター10の直上の密閉された空間に、長手方向にほぼ垂直状態に起立する。インゴット20が収容ケース13内で垂直状態で起立して、完全に収容ケース内に搬入されると、前記インゴット搬入シャッター9が閉口される。
この前記インゴット搬入シャッター9が閉口することにより、収容ケース13a内の気密が保持されるが、収容ケース13aの気密が保持された状態で、収容ケース13内を、外部の真空ポンプと連結した前記真空開閉弁14を開弁して減圧する。
この時の減圧のレベルは、前記溶湯17や前記インゴット20の酸化を減らすためには大きいほど良いが、溶解炉構成面での密閉難易度や経済性及び、溶解される非鉄金属の蒸気圧などの特性を鑑みて、−0.3kg/cm2から−0.8kg/cm2の範囲が実用上は望ましい。
次に収容ケース13における減圧作業が終了すると、前記インゴット搬入口シャッター9を閉口した状態で、前記インゴット投入口シャッター10を開口させる。そして、前記インゴット20を長手方向にほぼ垂直状態に起立させた状態で、前記インゴットチャック部11を介して担持したインゴット投入機構21をそのままの状態で下降させるこことにより、密閉されてあらかじめ減圧されている前記インゴット溶解槽7の前記インゴット投入口16から、インゴット溶解槽7にインゴット20を投入する。このとき、インゴット投入にともなう溶湯面の撹拌や変動ならびに、溶湯の跳ね返りなどがないような低速で、前記インゴット20の下端部から順次投入して、前記溶湯17中に浸漬させていくのがよい。ドロス・スラッジのたぐいの酸化物の生成が解消されるとともにそれら酸化部の炉壁や炉蓋への付着も解消できる。
次に前記インゴット20が、前記インゴットチャック部11を残して、ほぼ全体が前記溶湯17に浸漬されて、前記インゴット溶解槽7への投入作業を終了すると、前記インゴット投入機構21を構成する前記インゴットチャック部11に把持された前記インゴット20が、前記溶湯17の中にリリースされる。そして、前記インゴットチャック11を備えた前記インゴット投入機構21は、次のインゴットの溶解におけるインゴットの把持にむけて該インゴットチャック部11が、前記インゴット密閉室13内において、該インゴットを把持する位置にいたるまで上昇させて、次のインゴット搬入時まで待機させておく。
また前記インゴット溶解槽7では、前記インゴット20を長手方向にほぼ垂直状態に起立させた状態で担持した前記昇降シリンダー12を下降させて、前記インゴット20を前記溶湯17の中に低速で投入していくに伴い、該インゴット溶解槽7の前記溶湯連通口25端にある前記絞り部18を介して、該インゴット溶解槽7内の前記溶湯17の一部が、投入された前記インゴット20の容積に応じて、前記坩堝4内の前記溶湯15中に移動して保持される。さらに、インゴット溶解槽17に形成される絞り部18により、溶解槽17に投入されるインゴット20が坩堝4の底面に直接衝突することを抑制することができ、坩堝4の損傷を抑制することができる。
また前記インゴット溶解槽7では、前記昇降シリンダー12を、前記インゴットチャック部11が、次のインゴットの溶解にむけた搬送されるインゴットを把持する高さ位置に至るまで上昇させた後には、外部信号に基づき開閉動作する、前記インゴット投入口シャッター10を閉口させて、前記インゴット溶解槽7内を密閉する。この状態で、図示しないが、前記坩堝4の外部に配置された加熱機構により、前記坩堝4内の前記溶湯15を介して加熱することにより、投入された前記インゴットの溶解が進行する。
(第2実施形態例)
つぎに本発明の第2実施形態例について、図2に基づいて説明する。
つぎに本発明の第2実施形態例について、図2に基づいて説明する。
図2は、本発明の第2実施形態例に係わるインゴット及び再生材溶解炉の全体概略構成を示す側面図である。特に、図2は、金属塊としてインゴットと再生材を溶解するインゴット及び再生材溶解炉1bである。図2に示す、マグネシウムやマグネシウム合金に代表されるインゴット及び再生材溶解装置1bは、図1の第1実施形態例に係わる、インゴット溶解炉1aにおいて、前記坩堝4内に、あらたに再生材溶解用の再生材溶解槽37を追設して再生材も同じように密閉した溶解槽内で溶解できるように構成して、インゴットと再生材の溶解と溶湯保持が同時にできるようにした溶解炉である。
したがって以下、前記インゴット溶解装置1a側を構成する主要部位の説明は略すとともに、図1のインゴット溶解装置1a側を構成する部位と同じ部位にある符号は、図1と同じ符号で説明する。
図2において、インゴット及び再生材溶解炉1bは、坩堝4の上方開口空間3を覆う炉蓋2に、前記インゴット溶解槽孔5に加えて、再生材溶解槽孔35が形成されている。そして、該再生材溶融槽孔35に挿入され、前記炉蓋2側の端部の外周にフランジ状の再生材溶解槽取付治具36を備えて前記炉蓋2に固定されるように形成された筒状の再生材溶解槽37を有する。再生材溶解槽37の炉蓋2側の端面は再生材投入口46とされており、該再生材投入口46を開閉する再生材投入口シャッター40が、前記再生材溶解槽取付治具36の前記炉蓋2へ固定する反対側に形成された再生材投入口シャッター当接面38に載置されている。また、再生材溶解槽7と再生材投入口シャッター40を介して隣接する上方空間を覆う収容ケース43が、再生材投入口シャッター40を覆う形で配置されている。この収容ケース43内には、再生材50を、前記再生材溶解槽37内の溶湯47中に投入後に、該溶湯47中に押圧して浸漬させる再生材押し込み機構51が配置されている。収容ケース43には、該収容ケース43内に再生材50を搬入するための搬入口43aが形成されており、該搬入口43aを開閉する再生材搬入口シャッター39が設けられている。さらに、収容ケース43には、該収容ケース43内を外部から減圧する真空開閉弁44が設けられている。そのため、前記インゴット20と前記再生材50の溶解と溶湯保持を同時に出来るようになっている。
前記再生材溶解槽37は、前記炉蓋2側の端部を再生材投入口46にまた、前記溶湯15側の端部を溶湯連通口55とする筒状に形成されて、前記炉蓋2の前記再生材溶解槽孔35を介して前記坩堝4内に挿入されている。該炉蓋2側端部の外周には、該再生材溶解槽37を前記再生材溶解槽孔35に固定するフランジ状の前記再生材溶解槽取付治具36が設けられている。また、前記溶湯15側端部にある溶湯連通口55には、前記坩堝4内の前記溶湯15と該再生材溶解槽37内の溶湯47を連通させる絞り部48をそれぞれ備えて形成されて、前記再生材50の溶解と前記溶湯47を保持する。
前記絞り部48は、筒状に形成された前記再生材溶解槽37の前記溶湯連通口55部の断面積を小さくしたもので、たとえば前記再生材溶解槽37の底部にむけて順次断面積が小さくなるような漏斗状に形成されている。これにより、前記再生材溶解槽37に前記再生材50を投入する時に発生する前記溶湯47表面側の高さ変動を前記坩堝4側の前記溶湯15表面側に波及しないようにして、該溶湯47表面の高さ変動に伴う前記坩堝4側の炉壁へのドロス・スラッジ(酸化物)などの付着による堆積や、溶湯15表面の撹拌に伴うドロス・スラッジの発生を出来るだけ解消するようになっている。
また前記再生材溶解槽取付治具36の前記炉蓋2に固定する側と反対側の端面には、前記再生材投入口46を備えた平面状の再生材投入口シャッター当接面38が形成されて、前記再生材投入口シャッター40が、前記再生材投入口シャッター当接面38に対して気密性が保持されるように戴置される。
前記再生材投入口シャッター40は、外部信号により開閉動作する再生材投入口シャッター駆動機構49を備えて、前記再生材50を、前記再生材投入口46を介して、前記再生材溶解槽37に投入する時には開口し、溶解時や溶湯保持時には閉口されるように構成されている。閉口時には前記絞り部48を介して連通した、あらかじめ密閉されている前記坩堝4内の溶湯15とともに、前記再生材溶解槽37内の気密性を保持するように構成されている
前記収容ケース43は、前記再生材押し込み機構51を内包して、該再生材押し込み投入機構51の動作空間を区画し、外部から前記再生材50を搬入する時に開口する再生材搬入口シャッター39を備えて、前記再生材投入口シャッター40とともに、前記再生材投入口シャッター40を戴置した前記再生材投入口シャッター当接面38の上方開放空間を覆って密閉するように形成されている。前記再生材50が該収容ケース43に搬入された後の再生材搬入口シャッター39を閉口した状態の時には、外部に対して気密が保持されるように構成されている。再生材搬入口シャッター39は、外部信号により開閉動作する再生材搬入口シャッター駆動機構53を備えている。前記再生材50を、該収容ケース43に搬入する時には開口するとともに、該収容ケース43に搬入した後には閉口して再生材搬入後に、前記収容ケース43の気密性を保持するようになっている。
前記収容ケース43は、前記再生材押し込み機構51を内包して、該再生材押し込み投入機構51の動作空間を区画し、外部から前記再生材50を搬入する時に開口する再生材搬入口シャッター39を備えて、前記再生材投入口シャッター40とともに、前記再生材投入口シャッター40を戴置した前記再生材投入口シャッター当接面38の上方開放空間を覆って密閉するように形成されている。前記再生材50が該収容ケース43に搬入された後の再生材搬入口シャッター39を閉口した状態の時には、外部に対して気密が保持されるように構成されている。再生材搬入口シャッター39は、外部信号により開閉動作する再生材搬入口シャッター駆動機構53を備えている。前記再生材50を、該収容ケース43に搬入する時には開口するとともに、該収容ケース43に搬入した後には閉口して再生材搬入後に、前記収容ケース43の気密性を保持するようになっている。
前記再生材押し込み機構51は、前記収容ケース43内の前記再生材投入口シャッター40の直上の空間に配置され、前記収容ケース43外部に備えた前記再生材押し込み機構駆動機構52と連結してほぼ垂直方向に上下動する連接棒42及び、該連接棒42の該再生材押し込み機構駆動機構52が連結される側の反対側端部に係止した押し込み板41とで構成されている。前記再生材溶解槽37に前記再生材50が投入された後に前記再生材溶解槽37の前記溶湯47表面に浮遊して残った該再生材50を、該連接棒42と一体となって下降する該押し込み板41で押圧して、前記溶湯47の中に浸漬させることにより、該溶湯47との熱伝導を向上させて溶解を促進させる。
すなわち、前記再生材搬入口シャッター39を介して前記再生材投入密閉室43に搬入された前記再生材50は、該再生材投入密閉室43内で後述するような減圧作業が行なわれた後に、前記再生材投入口シャッター40を開口して、あらかじめ減圧された前記再生材溶解槽37の前記溶湯47の中に落下させて投入されるが、この時気泡などを包含して比重が軽くなった再生材や空洞などを有するような形状の前記再生材50は、前記溶湯47の表面に浮遊するので、前記押し込み板41によってこれらを押圧して浸漬させるものである。
前記真空開閉弁54は、前記収容ケース43を形成する躯体の壁面に配設され、図示しないが外部に設けられた真空ポンプと配管で連結されて、外部の動作信号に基づき開閉するようになって、開弁時には前記収容ケース43を減圧して大気を除去するように構成されている。
すなわちこの前記真空開閉弁54を介して、前記再生材50を前記収容ケース43内に搬入して前記再生材搬入口シャッター39を閉口した後に、該再生材50を内蔵した該収容ケース43を減圧することにより、該再生材50を、あらかじめ減圧されて大気のない前記収容ケース43から、密閉された前記再生材溶解槽37に投入するようにしているため、該再生材50の溶解時や溶湯保持時に大気と接触する事は無く、したがって溶湯17の酸化は、大幅に低減または解消される。
再生材溶解槽37の作用は、インゴット溶解槽7の作用と同等であるので、その説明を省略する。
つぎに上述した第1実施形態例に係わる、前記インゴット溶解槽7及び、第2実施形態例に係わる、前記再生材溶解槽37は、前記炉蓋2側の端部をそれぞれ、前記インゴット投入口16、前記再生材投入口46にまた、前記溶湯15側の端部をそれぞれインゴット溶湯連通口25、再生材溶湯連通口55とした、ひとつの筒状の溶解槽としてそれぞれ構成されているが、図3に示すように、該インゴット溶解槽7および該再生材溶解槽37それぞれを、前記炉蓋2側と前記溶湯15側に分割して、その間に断熱材を介在させて一体化した溶解槽として構成する第1変形実施形態でもよい。
すなわち図3に示すように、前記インゴット溶解槽7及び前記再生材溶解槽37は、それぞれ前記インゴット溶解槽取付治具6側及び前記再生材溶解槽取付治具36側にあって、前記溶湯15中に浸漬されないよう形成される上部インゴット溶解槽7a及び上部再生材溶解層37aと、前記溶湯15中に一部が浸漬されて形成される下部インゴット溶解槽7b及び下部再生材溶解槽37bとにそれぞれ分割されている。該上部インゴット溶解槽7aと該下部インゴット溶解槽7bとはインゴット側断熱材26を介して、また、該上部再生材溶解槽37aと該下部再生材溶解槽37bとは再生材側断熱材56を介してそれぞれ連結して、一体化された溶解槽として構成されている。
この変形実施形態によれば、該上部インゴット溶解槽7aと該下部インゴット溶解槽7bの間には、該インゴット側断熱材26がまた、該上部再生材溶解槽37aと該下部再生材溶解槽37bとの間には、該再生材側断熱材56がそれぞれ介在されているので、各断熱材によって筒状に形成された各溶解槽の長手方向の熱伝導は低減される。
したがって熱伝導が比較的よい鉄または鉄基性合金で、筒状に形成された各溶解槽においても、この断熱材を介在させることにより、高温下にある前記溶湯15側から大気への熱伝導による熱損失が低減されるので、溶解や溶湯保持のために供給される加熱エネルギーが節約できる。
さらに上述した第1実施形態例に係わる、前記収容ケース13及び、第2実施形態例に係わる、前記収容ケース43には、それぞれ外部の真空ポンプなどと配管で連結した前記真空開閉弁14、真空開閉弁44が具備されて、前記収容ケース13を減圧して大気を除去するようになっているが、図4に示すように、さらに前記収容ケース13及び、前記収容ケース43にそれぞれ、保護ガス供給弁24、保護ガス供給弁54を追設して構成する第2変形実施形態でもよい。
すなわち図4に示すように、前記保護ガス供給弁44及び、前記保護ガス供給弁54は、前記収容ケース13、収容ケース43を形成するそれぞれの躯体の壁面に配設され、外部から保護ガスを供給する配管で連結されている。そして、外部からの動作信号に基づき、たとえば収容ケース13、収容ケース43を減圧したあとに開弁し、前記収容ケース13及び収容ケース43内にそれぞれ、SF6(六フッ化硫黄)、アルゴン、窒素、CO2などの保護ガスを供給するように構成されている。
この変形実施形態によれば、前記インゴット投入機構21に担持された前記インゴット20を内包する前記収容ケース13及び、前記再生材押し込み機構51と前記再生材50を内包した前記収容ケース43をあらかじめ減圧した後に、前記収容ケース13及び収容ケース43内にそれぞれ、SF6(六フッ化硫黄)、アルゴン、窒素、CO2などの保護ガスを供給することにより、それらの保護ガスで置換されてほぼ完全に大気中の酸素を除去した前記インゴット投入密閉室13及び、前記収容ケース43からそれぞれ、前記インゴット20、前記再生材50を前記インゴット溶解槽7、前記再生材溶解槽37に投入する。
したがって大気中の酸素が除去された保護ガス雰囲気下で、インゴット及び再生材の溶解及び溶湯保持ができるので、溶湯表面にドロス・スラッジのたぐいの酸化物が発生することはなく、溶湯の品質が安定するとともに歩留まりも向上する。
またこの変形実施形態例によれば、マグネシウムなどの比較的蒸気圧が低くて蒸発しやすい非鉄金属では、減圧するレベルを抑制して、置換した保護ガス雰囲気下によって各溶解槽内の圧力を高めることで、大気中の酸素との接触を減らすようにして、溶解及び溶湯保持時における蒸発量を低減することができる。
さらにまたこの変形実施例によれば、前記インゴット20及び、前記再生材50を、密閉構造にある前記収容ケース13及び、前記収容ケース43からそれぞれ、同じように密閉構造にある前記インゴット溶解槽7、前記再生材溶解槽37に投入するように構成されるとともに、あらかじめ減圧してから保護ガスを供給するような構成にあるので、従来の大気開放下における保護ガスの供給に比べて、供給する保護ガスの量を大幅に低減する事ができ、高価な保護ガスに対する経済効果のみならず六フッ化硫黄などに対する環境保護にも貢献できる。
1a・・・インゴット溶解炉(密閉型溶解炉)
1b・・・インゴット及び再生材溶解炉(密閉型溶解炉)
2・・・・炉蓋
3・・・・坩堝の上方開放空間
4・・・・坩堝
5・・・・インゴット溶解槽孔(溶解槽孔)
6・・・・インゴット溶解槽取付治具
7・・・・インゴット溶解槽(溶解槽)
8・・・・インゴット投入口シャッター当接面
9・・・・インゴット搬入口シャッター(搬入口シャッター)
10・・・インゴット投入口シャッター(投入口シャッター)
11・・・インゴットチャック部
12・・・昇降シリンダー
13、43・・・収容ケース
13a、43a・・・搬入口
14・・・真空開閉弁
15・・・坩堝側溶湯
16・・・インゴット投入口(投入口)
17・・・溶解槽側溶湯
18・・・絞り部
19・・・インゴット投入口シャッター駆動機構
20・・・インゴット(金属塊)
21・・・インゴット投入機構(投入機構)
23・・・インゴット搬入シャッター駆動機構
25・・・溶湯連通口
1b・・・インゴット及び再生材溶解炉(密閉型溶解炉)
2・・・・炉蓋
3・・・・坩堝の上方開放空間
4・・・・坩堝
5・・・・インゴット溶解槽孔(溶解槽孔)
6・・・・インゴット溶解槽取付治具
7・・・・インゴット溶解槽(溶解槽)
8・・・・インゴット投入口シャッター当接面
9・・・・インゴット搬入口シャッター(搬入口シャッター)
10・・・インゴット投入口シャッター(投入口シャッター)
11・・・インゴットチャック部
12・・・昇降シリンダー
13、43・・・収容ケース
13a、43a・・・搬入口
14・・・真空開閉弁
15・・・坩堝側溶湯
16・・・インゴット投入口(投入口)
17・・・溶解槽側溶湯
18・・・絞り部
19・・・インゴット投入口シャッター駆動機構
20・・・インゴット(金属塊)
21・・・インゴット投入機構(投入機構)
23・・・インゴット搬入シャッター駆動機構
25・・・溶湯連通口
Claims (6)
- 金属溶湯を収容する坩堝と、
前記坩堝の上方開放空間を閉塞するように配置される炉蓋と、
中空形状を有し、前記炉蓋に形成される溶解槽挿通孔から前記坩堝内に挿入されるとともに、上方に投入口が形成され、下方に前記坩堝内部と連通する開口部が形成されている溶解槽と、
該溶解槽の前記投入口を開閉する投入口シャッターと、
前記投入口シャッターを介して前記溶解槽内部と隣接する空間を密閉状態で覆い、前記溶解槽に投入するための金属塊が搬入される収容ケースと、
前記収容ケース内に収容される金属塊を前記投入口を介して前記溶解槽に投入する投入機構と、を備え、
前記収容ケースは、金属塊を該収容ケース内に搬入するための搬入口と、該搬入口を開閉し、該搬入口の閉状態において前記収容ケース内の気密性を保持する搬入口シャッターと、前記収容ケースの壁面に形成され該収容ケース内を減圧する真空開閉弁とを有するものであることを特徴とする密閉型溶解炉。 - 請求項1において、
前記溶解槽は、溶湯中に浸漬されないようになっている上部溶解槽と、溶湯中に浸漬された側にあって一部が溶湯表面から露出する下部溶解槽とを有し、該上部溶解槽と該下部溶解槽とが断熱材を介して連結されて一体化されて構成されていることを特徴とする密閉型溶解炉。 - 請求項1又は2において、前記収容ケースは、該収容ケースの壁面に保護ガス供給弁を備えたことを特徴とする密閉型溶解炉。
- 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記溶解槽は、前記坩堝内に挿入される側の他端が、該溶解槽の下方に向かって開口する開口部とされており、該開口部に該溶解槽の下方に向かって縮径する絞り部が形成されていることを特徴とする密閉型溶解炉。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記金属塊はインゴットあるいは再生材であり、前記溶解槽として該インゴットを溶解するためのインゴット溶解槽と該再生材を溶解するための再生材溶解槽とを有することを特徴とする密閉型溶解炉。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記金属溶湯は、マグネシウムまたはマグネシウム合金の溶湯であることを特徴とする密閉型溶解炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004245399A JP2006061925A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 密閉型溶解炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004245399A JP2006061925A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 密閉型溶解炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006061925A true JP2006061925A (ja) | 2006-03-09 |
Family
ID=36108836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004245399A Pending JP2006061925A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 密閉型溶解炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006061925A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006064304A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Aisin Seiki Co Ltd | 金属塊材装入装置 |
JP2008096098A (ja) * | 2006-09-11 | 2008-04-24 | Best System Co Ltd | 廃棄アスベスト溶融炉 |
CN103307876A (zh) * | 2013-06-04 | 2013-09-18 | 湖南省科辉墙材有限公司 | 一种用于隧道窑自动加砂装置 |
CN103868362A (zh) * | 2014-03-14 | 2014-06-18 | 河南省四达仙龙实业有限公司 | 一种浇铸合金料仓 |
-
2004
- 2004-08-25 JP JP2004245399A patent/JP2006061925A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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