JP2006060095A - ダイアタッチ可能な半導体チップの製造方法 - Google Patents

ダイアタッチ可能な半導体チップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
表面に回路が形成されたウエハとその裏面に形成された接着剤層とを一体的にダイシングし、切断・分離された接着剤層付き半導体チップをシリコーン系粘着性ダイシングフィルムから剥離させて容易に取り出す、ダイアタッチ可能な半導体チップの製造方法を提供する。
【解決手段】
(イ) 表面に回路が形成されたウエハの裏面に接着剤層を形成させる工程、
(ロ) 前記接着剤層上に、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層を重ねて貼り付ける工程、
(ハ) 前記ウエハを前記接着剤層とともに一体的にダイシングする工程、および
(ニ) 前記接着剤層を裏面に有する半導体チップを、前記粘着性ダイシングフィルムから剥離させて取り出す工程
を有してなる、接着剤層を裏面に有するダイアタッチ可能な半導体チップの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着剤層を裏面に有するダイアタッチ可能な半導体チップであって、各種プリント回路基板、半導体パッケージ等に適用することができる半導体チップを製造する方法に関する。
近年の電気・電子機器の小型化および多機能化に伴い、電子部品も高機能なものとなっており、プリント回路基板や半導体装置の配線も、より微細化および高密度化が進んでいる。このような状況のなかで、これら電子部品の製造工程においてダイボンド剤等として用いられる接着剤としては、各種基材に対する接着力がより高く、高機能なものが要求されてきている。特に、半導体装置の高密度化が求められる用途においては、半導体チップ自体が大型化したり、また、リードフレームを有しないエリアアレイ接合型のチップと同サイズの構造(Chip Size Package:CSP)や、複数のチップが積層された構造(スタックドCSP、System in Pacage:SiP)の半導体装置となるため、これら半導体チップのパッケージングプロセスにおける加熱処理時(ハンダリフロー工程等)の熱応力も厳しいものとなってきており、半導体装置の製造に用いられる接着剤には、この熱応力に対応でき、かつ接着力および耐熱性が高く、弾性率が低い材料が求められている。
また、半導体チップ搭載用の支持基板についても微細化・高精度化が要求されている。そして、液状の接着剤を用いた場合には、半導体チップ搭載時のチップ端からの過剰接着剤のはみ出しによる電極等の半導体部品の汚染や、接着層の厚みを均一なものとすることが困難であることに起因するチップ面の傾斜によるワイヤボンディングの不具合等が生じるため、これらの欠点を改善できる接着剤のフィルム化が望まれてきている。
一方、これらの半導体装置は、通常、大径のシリコンウエハを粘着テープ(ダイシングテープ)によりダイシングフレームに粘着・固定し、ダイシング(切断分離)して半導体チップに加工し、次いでこのチップをダイシングテープより剥離し、取り出し(ピックアップ)、リードフレームに硬化性の液状接着剤(ダイボンド剤)等を用いて熱圧着および接着固定して、製造されている。最近では、このダイシングとダイボンド工程とを連続に行うことによって工程の合理化を図り、また、上記問題を有する液状接着剤に代えてフィルム状やB-ステージ状態の接着剤層を採用することとし、そのために適切なダイシングテープとチップ加工方法が求められている。
これら接着剤層の材料として、従来、耐熱性に優れた樹脂であるポリイミドやポリアミドイミドに、シロキサン構造を導入した、低弾性率材料が開発されてきた。例えば、シロキサン変性ポリアミドイミドが提案されているが、これらの樹脂は接着力が十分でなく、耐熱性も十分でない。
シロキサン変性ポリアミドイミドにマレイミド基を2個以上有する化合物を配合して、高温特性を改良することが提案されている(特許文献1)が、この接着剤層は特に銅箔に対する接着性に劣る。
ポリイミドシリコーンとエポキシ樹脂とを含む耐熱性接着剤フィルムが提案されている(特許文献2、特許文献3)が、ポリイミドシリコーンは硬化反応に関与する官能基を有しないため、接着性およびその信頼性に劣る。
フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーンとエポキシ樹脂との耐熱性接着剤フィルムが提案されている(特許文献4)が、フェノール性水酸基が分子構造からみて立体的に密な位置に存在するために、エポキシ樹脂との反応が困難であり、フェノール性水酸基とエポキシ樹脂の反応によって生じる水酸基の接着効果が期待できない。この問題を改善するため、本発明者らは、ポリマー骨格にエポキシ基に対する反応性の高いフェノール性水酸基および主鎖にシロキサン結合を有するポリイミド樹脂を用いることを提案し、効果を確認している(特許文献5)。
また、ダイシング・ダイボンドテープとして、プラスチックフイルム基材上にダイシング・ダイボンド層として熱可塑性のポリイミド樹脂を形成したシートが提案されている(特許文献6)。具体的には、ダイシング時に基材に密着したポリイミド樹脂層上にウエハを熱圧着固定し、ダイシングを行い、ポリイミド樹脂層が付着したチップを取り出し(ピックアップ)、リードフレームへ熱圧着固定し、加熱接着するものである。
この場合、ウエハの固定およびチップ取り出し(ピックアップ)性は、ポリイミド樹脂層とウエハが熱圧着により強固に密着しているため、基材とポリイミド樹脂層との密着性に依存し、容易にはコントロールできない。また接着層は熱可塑性のポリイミド樹脂であるため、接着性、特に半導体装置の製造工程である、ワイヤボンディング、封止、ハンダリフロー等の工程で要求される加湿後の接着性、高温時での接着性および強度が不十分であるなどの欠点がある。
(メタ)アクリレート共重合体ポリマー、(メタ)アクリル基含有ポリマーあるいは多官能性アクリル化合物と光重合開始剤とからなる組成物からなる放射線重合性粘着層によって、基材とダイボンド層の密着性をコントロールすることが報告されている(特許文献7)。しかし、紫外線照射による反応、あるいはダイシング工程におけるウエハ固定の熱圧着により軟化したダイボンド層と粘着層との融着などにより、密着力が増大し、容易にチップ取り出し(ピックアップ)できなくなる。また、経時によりダイボンド層と放射線重合性粘着層との密着力・粘着力が増大し、同様にチップ取り出し(ピックアップ)ができなくなるなどの問題点がある。
また、放射線重合性を有する基材と、この基材上に設けられ、(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)フェノール樹脂および(D)硬化促進剤を含有する接着剤層を有するダイシング・ダイボンドテープが提案されている(特許文献8)。このダイボンド層は、硬化性のエポキシ樹脂組成物を含有するため、加湿後の接着性、高温時での接着性、強度は改善されるが、ダイシング後のチップ取り出し(ピックアップ)性が困難になる場合がある。
特開平10−60111号公報 特開平7−224259号公報 特開平8−27427号公報 特許第3221756号公報 特開2004−51794号公報 特開平9−67558号公報 特許第2984549号公報 特開2002−256236号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、接着剤層を裏面に有するダイアタッチ可能な半導体チップであって、各種プリント回路基板、半導体パッケージ等に適用することができる半導体チップを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(イ) 表面に回路が形成されたウエハの裏面に接着剤層を形成させる工程、
(ロ) 前記接着剤層上に、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層を重ねて貼り付ける工程、
(ハ) 前記ウエハを前記接着剤層とともに一体的にダイシングする工程、および
(ニ) 前記接着剤層を裏面に有する半導体チップを、前記粘着性ダイシングフィルムから剥離させて取り出す工程
を有してなる、接着剤層を裏面に有するダイアタッチ可能な半導体チップの製造方法を提供するものである。
本発明方法によれば、表面に回路が形成されたウエハの裏面に形成された接着剤層と、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層との密着力(粘着力)を、調整することができ、ダイシングに耐えるウエハの固定力、およびダイシング後の前記接着剤層の前記粘着層からの取り出し力(剥離性)を、ともに良好なものとすることができる。従って、前記回路形成ウエハを前記接着剤層とともに一体的にダイシングすることができ、更に、切断・分離された接着剤層を裏面に有する半導体チップを、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムから剥離させて容易に取り出す(ピックアップ)ことができる。更に、この接着剤層を有する半導体チップをリードフレームに、熱圧着固定・加熱硬化することにより、半導体チップを強固に接着・固定することができることから、半導体装置の製造工程の合理化を図ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[接着剤層]
本発明においては、先ず(イ)工程として、表面に回路が形成されたウエハの裏面に接着剤層を形成させる。
この接着剤層としては、
(A) フェノール性水酸基およびシロキサン結合をポリマー骨格に有するポリイミド系樹脂、
(B) 2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、および
(C) エポキシ樹脂用硬化剤
を含む接着剤組成物からなる接着剤層とすることが好ましい。前記接着剤組成物は、常温で固体であって所定形状を保ち、フィルム状薄膜を形成することができ、加熱により可塑状態を経て、硬化するものであって、ウェハおよびダイボンド工程における基材(リードフレーム等)に対し、優れた接着性を有するものである。また、弾性率が低く、耐熱性に富む硬化物を与える。
<(A)ポリイミド系樹脂>
上記(A)成分のフェノール性水酸基およびシロキサン結合をポリマー骨格に有するポリイミド系樹脂としては、下記一般式(3):
Figure 2006060095

(式中、Xは芳香族環または脂肪族環を含む四価の有機基であり、Yは二価の有機基であり、nは1〜300、好ましくは2〜300、より好ましくは5〜300整数である。)
で表される構造のポリイミド前駆体であるポリアミック酸、および該ポリアミック酸の閉環誘導体である下記一般式(4):
Figure 2006060095

(式中、X、Yおよびnは上記と同じである。)
で表される構造のポリイミドより成る群から選ばれるポリマーを用いることができる。
前記ポリアミック酸を用いると、本発明製法により得られた半導体チップのダイボンド工程における接着剤層の加熱硬化時に閉環(イミド化)により水が副生し、接着界面の剥離等が生じる場合があるため、閉環誘導体であるポリイミドを使用することが、より好ましい。
なお、イミド化が不十分である等の場合に、また所望により、ポリアミック酸とポリイミドとを組み合わせて用いることができるが、上記のとおり、接着剤層の加熱硬化時に水が副生するので、その対策が必要とされる。
本発明で用いる接着剤組成物を構成する(A)成分のポリイミド系樹脂としては、そのポリマー骨格にフェノール性水酸基およびシロキサン結合を有するものであるものが好ましい。前記フェノール性水酸基は、(B)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基と高い反応性を有することから、接着力の向上に寄与し、また、前記シロキサン結合はポリイミド樹脂の低弾性率化に寄与するものである。
この(A)成分のポリイミド系樹脂として、上記一般式(3)で表されるポリアミック酸は、下記の方法により容易に得ることができる。また、上記一般式(4)で表されるポリイミドについては、前記ポリアミック酸を常法により脱水・閉環させることによって得ることができる。
上記一般式(3)で表されるポリアミック酸は、下記一般式(5):
Figure 2006060095

(式中、Xは上記と同じである。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(6):
2N−Y−NH2 (6)
(式中、Yは上記と同じである。)
で表されるジアミンとのほぼ等モル量を、常法に従って有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
<テトラカルボン酸二無水物>
一般式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006060095

なお、一般式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<ジアミン>
次に、上記一般式(6)で表されるジアミンとしては、フェノール性水酸基を有するジアミンとジアミノシロキサン化合物との組み合わせを含むジアミンを用いることが好ましい。上記のとおり、フェノール性水酸基を有するジアミンの使用は、接着力の向上に寄与し、また、ジアミノシロキサン化合物の使用は、ポリイミド樹脂の低弾性率化に寄与するものである。
<フェノール性水酸基を有するジアミン>
フェノール性水酸基を有するジアミンとしては、例えば、下記一般式(7):
Figure 2006060095

[式中、R1は独立に水素原子、ハロゲン原子または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Aは独立に下記構造式:
Figure 2006060095

(上記各式中、R1は上記と同じである。)
で表される2価の基から選ばれる基であり、Bは独立に下記構造式:
Figure 2006060095

(上記各式中、R1は上記と同じである。)
で表される2価の基から選ばれる基であり、pは1〜5の整数である。]
で表されるジアミンが挙げられる。
上記R1としては、水素原子の他に、例えば、フッ素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
上記一般式(7)で表されるフェノール性水酸基を有するジアミンの中でも、特に下記一般式(1):
Figure 2006060095

(式中、R1は上記と同じである。)
で表されるジアミンが好ましい。この上記一般式(1)で表されるジアミンの好適な具体例としては、下記構造式のものが挙げられる。
Figure 2006060095
上記のフェノール性水酸基を有するジアミンは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、その使用量は、テトラカルボン酸二無水物との反応に供するジアミン全体の5〜60モル%、特に10〜40モル%とすることが好ましい。前記使用量が少なすぎると接着力が低くなる場合があり、また多すぎると接着剤層の柔軟性が不足する場合がある。
<ジアミノシロキサン化合物>
ジアミノシロキサン化合物としては、下記一般式(2):
Figure 2006060095

(式中、R2は独立に炭素原子を3〜9個有する二価の有機基であり、R3およびR4は各々独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、mは1〜200、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは1〜80の整数である。)
で表されるジアミンが挙げられる。
上記R2としては、例えば、式:−(CH2)3−、式:−(CH2)4−、式:−CH2CH(CH3)−(なお、上記一般式(2)中のアミノ基は、式:−CH2CH(CH3)−NH2 で表される基を構成するように結合する)、式:−(CH2)6−、式:−(CH2)8− 等で表されるアルキレン基;下記構造式:
Figure 2006060095

等で表されるアリーレン基;これらが組み合わされたアルキレン・アリーレン基(なお、上記一般式(2)中のアミノ基は、アリーレン基中の芳香環に結合する);式:−(CH2)3−O−、式:−(CH2)4−O−等で表されるオキシアルキレン基(なお、上記一般式(2)中のアミノ基は、アルキレン基側に結合する);下記構造式:
Figure 2006060095

等で表されるオキシアリーレン基(なお、上記一般式(2)中のアミノ基は、アリーレン基中の芳香環に結合する);下記構造式:
Figure 2006060095

等で表されるアルキレンオキシ・アリーレン基(なお、上記一般式(2)中のアミノ基は、アリーレン基中の芳香環に結合する);等のエーテル結合性酸素原子を含んでもよい二価炭化水素基が挙げられる。
上記R3およびR4としては、各々、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基:ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、3-クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、これらの中では、メチル基およびフェニル基が好ましい。
上記一般式(2)で表されるシロキサンジアミンの具体例としては、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006060095
上記のジアミノシロキサン化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、その使用量は、テトラカルボン酸二無水物との反応に供するジアミン全体の1〜60モル%、特に1〜60モル%とすることが、得られるポリイミド樹脂の有機溶剤への溶解性、基材に対する接着性、低弾性、柔軟性等の点から好ましい。
<他のジアミン>
上記一般式(6)で表されるジアミンであって、上記のフェノール性水酸基を有するジアミンおよび上記のジアミノシロキサン化合物以外のジアミン(以下、「他のジアミン」という)を更に組み合わせて使用することができる。
この他のジアミンとしては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2'-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(p-アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4-ビス(m-アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4-ビス(p-アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4-ビス(m-アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-クロロ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[3-クロロ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[3,5-ジメチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3-クロロ-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5-ジメチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]パーフルオロプロパン等の芳香族環含有ジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記具体例の中では、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、および 2,2-ビス[3-メチル-4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)フェニル]プロパンが好ましい。
上記他のジアミンは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。更に、その使用量は、上記のフェノール性水酸基を有するジアミンについて記載の使用量(モル%)と、上記のジアミノシロキサン化合物について記載の使用量(モル%)との和の残余(100モル%との差)の量(モル%)である。
<ポリアミック酸等の調製>
ポリアミック酸およびポリイミドの調製方法としては、例えば、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを含む出発原料を、不活性な雰囲気下で溶媒に溶かし、通常、80℃以下、好ましくは0〜40℃で反応させて、ポリアミック酸を合成する。更に、得られたポリアミック酸を、通常、100〜200℃、好ましくは150〜200℃の高温下で処理することにより、ポリアミック酸の酸アミド部分を脱水閉環させ、目的とするポリイミドを合成する方法が挙げられる。
上記反応に使用する有機溶媒は、得られるポリアミック酸に不活性なものであればよく、前記出発原料を完全に溶解できるものでなくても差し支えない。その具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、中でも好ましくは非プロトン性極性溶媒であり、特に好ましくはN-メチルピロリドン、シクロヘキサノンおよびγ-ブチロラクトンである。これらの溶媒は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記ポリアミック酸を脱水閉環してポリイミドを容易にするためには、トルエン、キシレン等の共沸脱水剤を用いるのが望ましい。また、無水酢酸/ピリジン混合溶液を用いて比較的低温で脱水閉環を行うこともできる。
なお、ポリアミック酸およびポリイミドの分子量を調整するために、無水マレイン酸、無水フタル酸等のジカルボン酸無水物;アニリン、n-ブチルアミン、下記一般式:
Figure 2006060095

(式中、R1は上記と同じである。)
Figure 2006060095

[式中、R1は上記と同じであり、Dは独立に下記一般式:
Figure 2006060095
Figure 2006060095

(上記各式中、R1は上記と同じである。)
で表される基から選ばれる基であり、qは1〜3の整数である。]
で表されるフェノール性水酸基を有するモノアミン等のモノアミン;またはこれら両者の組み合わせを添加することもできる。また、前記ジカルボン酸無水物およびモノアミンは、何れも、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。但し、ジカルボン酸無水物の添加量は、テトラカルボン酸二無水物に対して、通常、0〜2モル%であり、モノアミンの添加量は、ジアミンの全量に対して、通常、0〜2モル%である。
<(B)エポキシ樹脂>
上記(B)成分の2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂に特に制限はない。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、レゾルシノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸類のグリシジルエステル;アニリン、イソシアヌール酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものなどのグリシジル型(メチルグリシジル型も含む)エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化して得られるビニルシクロヘキセンジエポキシド;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;メタキシリレン・パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;クロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテル;ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、上記(B)成分の2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
<(C)エポキシ樹脂用硬化剤>
上記(C)成分のエポキシ樹脂用硬化剤としては、従来から公知のものを全て使用するこことができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N-アミノエチルピペラジン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンアミン、メンタンジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等のアミン化合物、エポキシ樹脂−ジエチレントリアミンアダクト、アミン−エチレンオキサイドアダクト、シアノエチル化ポリアミンなどの変性脂肪族ポリアミン、メラミン樹脂、アニリン樹脂等のアミノ樹脂等のアミン系化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、トリメチロールアリルオキシフェノール;低重合度のフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック樹脂、部分エポキシ化もしくはブチル化フェノール樹脂、Super Beckcite 1001(商品名、日本ライヒホールド化学工業社製)、Hitanol 4010(商品名、日立製作所社製)、Scado form L.9(商品名、Scado Zwoll社製)、Methylon 75108(商品名、ゼネラルエレクトリック社製)等の一分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を含有するフェノール樹脂;Beckamine P.138(商品名、日本ライヒホールド化学工業製)、メラン(商品名、日立製作所社製)、U−Van 10R(商品名、三井化学社製)等の炭素樹脂;式:HS(C24OCH2OC24SS)n24OCH2OC24SH(式中、nは1〜10の整数である)で表される樹脂等の1分子中にメルカプト基を少なくとも2個有するポリスルフィド樹脂;無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸、ドデシル無水こはく酸、無水クロレンディック酸等の有機酸もしくはその無水物(酸無水物)などが挙げられる。
これらの中でも、フェノール系樹脂、特にフェノールノボラック樹脂が、接着剤に良好な成形作業性を与えるとともに、優れた耐湿性を与え、また毒性がなく、比較的安価であるので望ましい。
この(C)成分のエポキシ樹脂用硬化剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、本発明で用いる接着剤組成物においては、(A)成分であるポリイミド系樹脂がそのポリマー骨格にフェノール性水酸基を有しており、このフェノール性水酸基は、(B)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基との反応性を有し、前記接着剤組成物の硬化反応に寄与する点に特徴を有する。従って、(C)成分のエポキシ樹脂用硬化剤としてフェノール系樹脂等のフェノール性水酸基を有する硬化剤を用いる場合、その配合量の設定には一定の条件が必要となる。
(C)成分としてフェノール系樹脂等のフェノール性水酸基を有する硬化剤を用いる場合には、(A)成分中のフェノール性水酸基と、(C)成分としてフェノール系樹脂等を用いた場合の該成分中のフェノール性水酸基との双方と、(B)成分中のエポキシ基との反応を利用して硬化反応が行われるが、フェノール性水酸基の合計量に対して、エポキシ基が少なすぎると被着体との接着力が十分でなくなるおそれがあり、また逆にエポキシ基が多すぎると硬化物の弾性率が上昇し、柔軟な接着剤フィルム層を作製するためには不適となる場合がある。
よって、(B)成分のエポキシ樹脂の量と(C)成分としてフェノール系樹脂等を用いた場合の該成分の量との合計は、(A)成分のポリイミド系樹脂100質量部に対して、通常、1〜900質量部、特に5〜400質量部であることが好ましい。
ここで、(B)成分中のエポキシ基に対する、(C)成分中のフェノール性水酸基と(A)成分のフェノール性水酸基との合計の化学当量比(フェノール性水酸基(モル数)/エポキシ基(モル数))は特に制限されないが、通常、0.7〜1.3の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2である。前記化学当量比がこの範囲を超えると硬化物の特性に経時的変化をきたす場合がある。
なお、(C)成分の硬化剤として、フェノール性水酸基を有しないものを用いる場合であっても、(B)成分中のエポキシ基に対する、(A)成分のフェノール性水酸基の化学当量比が上記範囲となるようにすることが好ましい。
よって、本発明で用いる接着剤組成物への(B)成分の配合量は、(A)成分のポリイミド系樹脂100質量部に対して、通常、1〜900質量部、特に5〜400質量部であることが好ましい。
<硬化促進剤>
本発明で用いる接着剤組成物には、上記(C)エポキシ樹脂硬化剤に加えて、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。この硬化促進剤としては、公知のものを全て使用することができ、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。
ここで、リン系硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムトリフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、下記一般式:
Figure 2006060095

(式中、R5〜R12は独立に水素原子、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数が1〜8の一価炭化水素基、または炭素原子数が1〜8のアルコキシ基である。)
で表されるリン系化合物等が挙げられる。
上記R5〜R12としては、上記R1について例示したものと同じもの、およびメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
また、アミン系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体等が挙げられる。
本発明において硬化剤促進剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、その接着剤組成物への配合量は、有効量であればよく特に制限されないが、上記(B)成分のエポキシ樹脂全量に対して、通常、0.1〜10質量%、特に1〜5質量%とすることが好ましい。
<他の配合成分等>
本発明で用いる接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、更に、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、導電性粒子等の充填剤;無機系あるいは有機系の顔料、染料等の着色剤;濡れ向上剤、酸化防止剤、熱安定剤等の添加剤などを目的に応じて添加することができる。
本発明で用いる接着剤組成物は、上記(A)〜(C)成分および必要により硬化促進剤等のその他の成分を常法に準じて混合することにより調製することができる。
[接着剤層の形成]
本発明方法の(イ)工程は、表面に回路が形成されたウエハの裏面に接着剤層を形成させる工程であり、上記のとおりにして得られた接着剤組成物を用いて、表面に回路が形成されたウエハの裏面に接着剤層を形成させる。
その方法としては、例えば、接着剤組成物をトルエン、シクロヘキサノン、NMP等の非プロトン性極性溶媒に適当な濃度に溶解し、フィルム形成用支持基材上に塗布し、乾燥させて、フィルム状成形体を形成させる。次いで、これにウエハの裏面を圧着して加熱処理し、硬化させ、硬化した接着剤層を、フィルム形成用支持基材から剥離させて、裏面に接着剤層が形成されたウエハを得る。
または、上記のとおりにして形成されたフィルム状成形体をフィルム形成用支持基材から剥離して、これを剥離性表面を有する基板とウエハとの間に挟み、圧着して加熱処理し、硬化させ、基板から裏面に接着剤層が形成されたウエハを剥離して取り出すこともできる。
上記フィルム形成用支持基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、紙、金属箔等、あるいはこれらの表面をフッ素化合物等の離型剤を用いて離型処理したもの等を用いることができる。
また、他の方法としては、接着剤組成物の溶液を、直接、回路形成されたウエハーの裏面にスピンコート法により塗布し、乾燥させて、加熱処理して硬化させる方法や、前記スピンコート法に代えて、スクリーン印刷法やステンシル印刷法によって接着剤層を形成する方法が挙げられる。
上記の各方法において塗布した接着剤組成物溶液を乾燥させる際の条件としては、常温〜200℃、特に80〜150℃で、1分〜1時間、特に3〜10分間程度とすることが好ましい。
乾燥させて形成される接着剤層の膜厚は特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、通常、10〜100μm、特に15〜50μmであることが好ましい。また、接着剤層の硬化条件としては、圧力:0.01〜10MPa、特に0.1〜2MPaで圧着した後、温度:100〜200℃、特に120〜180℃で、30分〜5時間、特に1〜2時間程度とすることが好ましい。
[シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの形成]
本発明方法の(ロ)工程は、上記により得られたウエハ裏面の前記接着剤層上に、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層を重ねて貼り付ける工程である。なお、後述するように、前記接着剤層とシリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層とは、ウエハおよび前記接着剤層のダイシングに耐える程度に密着している必要があるが、ダイシング工程後には、両者の界面で容易に剥離し得るものでなければならない。
<シリコーン系粘着剤組成物>
上記粘着性ダイシングフィルムの粘着層の原料としては、例えば、付加反応硬化型、有機酸化物硬化型等の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であって、得られる硬化物が粘着性を示すように三次元網状のオルガノポリシロキサンレジンを配合したものを用いるのがよい。
付加反応硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物としては、例えば、(a)鎖状のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(b)式:R13 3SiO1/2(式中、R13は非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である)で表されるシロキサン単位と式:SiO4/2で表されるシロキサン単位とからなる三次元網状のオルガノポリシロキサン共重合体レジン(なお、[式:R13 3SiO1/2(式中、R13は前記と同じである)で表されるシロキサン単位]/[式:SiO4/2で表されるシロキサン単位](モル比)=0.5〜1.5)、(c)架橋剤としてケイ素原子結合水素原子(SiH基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、および(d)ヒドロシリル化反応触媒を含有するものである。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。上記R13としては、上記R1について例示の一価炭化水素基と同じ基が挙げられ、好ましくはメチル基である。上記(d)成分としては、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のビニルシロキサンとの錯体等の白金系触媒が挙げられる。
有機酸化物硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物としては、例えば、上記(a)成分、上記(b)成分、および架橋硬化剤として有機過酸化物を含有するものである。
上記有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。
上記の中では、ダイシングフィルムの形成に際して基材として伸展性のポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム等を用いる場合、これらの基材は熱により変形する場合があることから、比較的低温で硬化することのできる白金系触媒を配合した付加反応硬化型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いることが特に好ましい。
<粘着性ダイシングフィルムの形成>
粘着性ダイシングフィルムは、基材フィルム上に、上記シリコーン系粘着剤組成物を塗布し、加熱処理して硬化させることにより形成させることができる。
基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリブタジエンフイルム、ポリブテンフイルム、ポリメチルペンテンフイルム等のポリオレフィンフイルム;ポリ塩化ビニルフイルム;オレフィン系共重合体フィルム;ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリブチレンテレフタレートフイルム等のポリエステルフイルム;(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエーテルケトンフイルム、ポリエーテル・エーテルケトンフイルム、ポリエーテルスルフォンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリイミドフイルム、ポリエーテルイミドフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリスチレンフイルム等が挙げられる。
これらの中では、ダイシング工程後、半導体チップの取り出しを容易にするため、基材を引き伸ばす(エキスパンド)ことにより、切断されたチップを個々に離間させることができる伸展性のあるポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム等の汎用フィルムが好ましい。また、これらの表面を電子線等の照射により架橋させたもの、表面をプラズマやコロナ放電処理して粗面化したもの、これらフィルム同士または別のフィルムを積層したものであってもよい。
この基材フィルムの膜厚は、フィルムの種類および要望される伸展性によるが、通常、20〜400μm、好ましくは30〜150μmである。
この粘着性ダイシングフィルムのシリコーン系粘着層は、ウエハ裏面の接着剤層に対して、通常、0.2〜2.0N/25mm、特に0.3〜1.5N/25mmの粘着力を有するものがこのましい。前記粘着力が小さすぎると、ダイシング時にチップが接着剤層と共に剥れてしまい、所謂「飛ぶ」場合がある。また、粘着力が大きすぎると、チップ取り出し(ピックアップ)が困難となる。なお、この粘着力は、シリコーン系粘着剤組成物の組成、例えば、付加反応硬化型のものであれば、ケイ素原子結合水素原子(SiH基)/アルケニル基(モル比)を調整して硬化物である粘着層の架橋密度を変更したり、三次元網状オルガノポリシロキサンレジンの配合量等を設定することにより容易に変更・調整することができる。
[ダイアタッチ可能な半導体チップの製造]
上記のとおりにして得られた基材フィルム上に粘着層が形成されているシリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層面と、上記裏面に接着剤層が形成されたウエハの接着剤層面とを圧着させて張り合わせる。ここで、前記粘着層と接着剤層とを圧着させる際の圧着条件としては、常温で、通常、0.01〜2MPa、特に0.1〜1MPa程度とすることが好ましい。
次いで、本発明の(ハ)および(ニ)工程において、シリコーン系粘着性ダイシングフィルム側の面をダイシングフレームに取り付け、通常のとおりダイシングする。ダイシングの後、個々に切断され、裏面に接着剤層が形成された半導体チップを、粘着性ダイシングフィルムの粘着層面から剥離させて取り出す(ピックアップ)。こうして、ダイアタッチ可能な半導体チップを得ることができ、該半導体チップは、ダイボンド工程へと送られる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1]<ポリイミドA1の調製>
(1) 環流冷却器を連結したコック付き25mLの水分定量受器、温度計、および攪拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、ジアミノシロキサン:KF−8010(商品名:信越化学社製)44.03質量部、反応溶媒として 2-メチルピロリドン 100質量部を仕込み、80℃で攪拌し、ジアミンを分散させた。これに酸無水物として2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(6FDA)38.72質量部と 2-メチルピロリドン 100質量部の溶液を滴下して室温で2時間攪拌反応を行うことにより、酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを合成した。
(2) 次に、下記構造式:
Figure 2006060095

で表されるフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(ジアミン−1)17.25質量部と 2-メチルピロリドン 100質量部を環流冷却器が連結されたコック付き25mLの水分定量受器、温度計、および攪拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに仕込み、分散させ、上記酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを滴下した後、室温で16時間攪拌し、ポリアミック酸溶液を合成した。その後、キシレン 25mLを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間環流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥してポリマー骨格にフェノール性水酸基を有するポリイミドA1を得た。
得られた樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未閉環による官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1および1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3500cm-1にフェノール性水酸基に基づく吸収を確認した。
[合成例2]<ポリイミドA2の調製>
合成例1に記載の工程(1)において、酸無水物として6FDAに代えてベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物(BTDA)33.84質量部を用いること、ジアミノシロキサンとしてKF−8010に代えて 1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(PAM20)36質量部を用いること、2-メチルピロリドン(全量)を 401.21質量部用いること以外は、合成例1と同じにして、ポリマー骨格にフェノール性水酸基を有するポリイミドA2を得た。
[合成例3]<ポリイミドAy(比較用)の調製>
合成例1に記載の工程(1)において、ジアミノシロキサン:KF−8010(商品名:信越化学社製)45.10質量部および酸無水物として6FDA 39.67質量部を用いること、工程(2)において、芳香族ジアミン(ジアミン−1)を使用せず、これに代えてBAPP 15.24質量部を用いること以外は、合成例1と同じにして、ポリマー骨格にフェノール性水酸基を有しないポリイミドAyを得た。
[調製例1〜5]<接着剤組成物I〜IV、並びに接着剤組成物V(比較用)の調製>
合成例1〜3で得られたポリイミド−A1、A2、またはAyの各40質量部をシクロヘキサノン60質量部に溶解した。この溶液に、下記構造式:
Figure 2006060095

で表されるエポキシ化合物(B1):RE−600NM(商品名、日本化薬社製)、液状エポキシ樹脂(B2):RE310S(商品名、日本化薬社製)、または、エポキシクレゾールノボラック樹脂(B3):EOCN−1020−55(商品名、日本化薬社製)を表1〜表3に記載のとおりにして前記ポリイミドと組み合わせ、その各40質量部、および(C)ジシアンジアミド系硬化剤:DICY−7(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)2.0質量部を混合し攪拌して表1〜表3に記載の接着剤組成物I〜IV、並びに接着剤組成物V(比較用)を得た。
[接着剤層の調製]
上記調製例1〜5で得られた各接着剤組成物を、フルオロシリコーン系離型剤を被覆した厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、80℃で30分間加熱し乾燥し、厚さ約50μmの接着剤層を形成させ、各接着剤組成物−I〜VIから接着剤層−I〜VIを調製した。
[調製例6]<シリコーン系粘着剤組成物D1の調製>
(a) 式:(CH3)3SiO1/2で表されるシロキサン単位 1.1モルと、式:SiO4/2で表されるシロキサン単位 1モルとの割合からなる三次元網状構造のメチルポリシロキサンレジンを60質量%含むトルエン溶液 50質量部、(b)分子鎖末端および側鎖にビニル基を100g当たり0.002モル有する、重合度2,000の生ゴム状のジメチルポリシロキサン 70質量部、並びに、(c)トルエン 80質量部を均一になるまで溶解し、次いで、この混合溶液に、(d)下記構造式:
Figure 2006060095

で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.64質量部と、(e)前記(b)および(d)成分の合計量に対して白金金属原子として重量基準で40 ppm なる量の、塩化白金酸の2-エチルヘキサノール変性溶液と、(f)反応抑制剤として 3-メチル-1-ブチン-3-オール 0.15質量部を混合して、シリコーン系粘着剤組成物D1を調製した。
[調製例7]<シリコーン系粘着剤組成物D2の調製>
上記調製例6に記載の、(a)成分(トルエン溶液)66.66質量部、(b)成分 60質量部、(c)成分 73.34質量部、(d)成分 0.55質量部、(e)成分(40 ppm)、および(f)成分0.15質量部を混合して、シリコーン系粘着剤組成物D2を調製した。
[調製例8]<シリコーン系粘着剤組成物Dx(比較用)の調製>
上記調製例6に記載の、(a)成分(トルエン溶液)83.33質量部、(b)成分 50質量部、(c)成分 66.67質量部、(d)成分 0.46質量部、(e)成分(40 ppm)、および(f)成分0.15質量部を混合して、シリコーン系粘着剤組成物Dxを調製した。
[調製例9]<シリコーン系粘着剤組成物Dy(比較用)の調製>
上記調製例6に記載の、(a)成分(トルエン溶液)25質量部、(b)成分 85質量部、(c)成分 90質量部、(d)成分 0.78質量部、(e)成分(40 ppm)、および(f)成分0.15質量部を混合して、シリコーン系粘着剤組成物Dyを調製した。
[調整例10]<紫外線硬化型粘着剤組成物Dz(比較用)の調製>
ブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレートの質量比が75/25である共重合体(重量平均分子量:290,000)の25質量%酢酸エチル溶液 100重量部と、ジブチル錫ジラウレート 0.05質量部との混合溶液に、メタクリロイルオキシエチルイソシアネ−ト 6.7重量部と酢酸エチル7重量部との混合溶液を滴下した。滴下終了後、赤外吸収スペクトル測定によりイソシアネート基(−NCO)に由来する吸収が消失するまで、60℃で加熱攪拌し、メタクリロイル基を有するアクリレート重合体を含む溶液を得た。
得られた溶液 71.4重量部、ブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレートの質量比が75/25である共重合体(重量平均分子量:290,000)の25質量%酢酸エチル溶液 33質量部、多価イソシアネート化合物:コロネートL(商品名:日本ポリウレタン社製)0.5重量部、および光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:イルガキュアー184(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)1重量部を混合して、紫外線照射により粘着力が低下する紫外線硬化型粘着剤組成物Dzを調製した。
[シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの調製]
上記調製例6〜9で得られた各シリコーン系粘着剤組成物−D1、D2、DxまたはDyを、厚さ 100μmの無延伸ポリエチレン(LLDP)上に塗布し、100℃で10分間加熱して厚さ 15μmのシリコーン粘着層を形成させることにより、シリコーン系粘着性ダイシングフィルム−D1、D2、DxまたはDyを調製した。
[紫外線硬化型粘着性ダイシングフィルムの調製]
上記調製例10で得られた紫外線硬化型粘着剤組成物Dzを、厚さ 100μmの無延伸ポリエチレン(LLDP)上に塗布し、100℃で10分間加熱して厚さ 30μmの粘着層を形成させ、更に、0.5ppmの酸素濃度雰囲気下で2000mJの紫外線を照射することにより、紫外線硬化型粘着性ダイシングフィルムDzを調製した。
[実施例1〜5、比較例1〜6]
表面に回路が形成されているシリコンウエハ(径:6インチ(15.24cm))の裏面を、上記各接着剤層−I〜Vの上に重ねて、2kg/cmの荷重で圧着し、次いでPETフィルムを剥離して除去し、接着剤層付きシリコンウエハ−I〜Vを調製した。
この接着剤層付きシリコンウエハ−I〜Vと、シリコーン系粘着性ダイシングフィルム−D1、D2、DxまたはDy、或いは、紫外線硬化型粘着性ダイシングフィルムDzとを、表1〜表3に記載されているように組み合わせて選択し、各接着剤層付きシリコンウエハへ各粘着性ダイシングフィルムを貼り付けた。
即ち、各粘着性ダイシングフィルムの粘着層面と、各接着剤層付きシリコンウエハの接着剤層面とを重ねて、幅300mmのロールにより荷重2kgをかけて圧着し、各粘着性ダイシングフィルムに貼り付けられた接着剤層付きシリコンウエハを調製した。
[実施例6、比較例7]
表面に回路が形成されているシリコンウエハ(径:6インチ(15.24cm))の裏面に、MIKASA社製;MIKASA SPINNER 1H-DS を用いて、接着剤組成物Iを500rpm/30秒および1000rpm/30秒の回転条件でスピンコートして、80℃で30分間加熱乾燥し、厚さ約50μmの接着剤層を形成した後に、上記実施例1〜5、比較例1〜6と同じにして、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムD1または紫外線硬化型粘着性ダイシングフィルムDzを貼り付けた。
[実施例7、比較例8]
表面に回路が形成されているシリコンウエハ(径:6インチ(15.24cm))の裏面に、CW Price社製Thick Film Printerと、スクリーン(厚さ:100μm)とを用いて、接着剤組成物Iをスクリーン印刷し、厚さ約50μmの接着剤層を形成した後に、上記実施例1〜5、比較例1〜6と同じにして、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムD1または紫外線硬化型粘着性ダイシングフィルムDzを貼り付けた。
<性能評価>
(1) 上記のとおりにして得られた接着剤層−I〜Vについて、ガラス転移点、ヤング率、接着力および湿熱処理後の接着力を下記試験方法に従って測定した。結果を表1〜表3に示す。
−ガラス転移点(Tg)−
上記接着剤層−I〜Vを175℃で1時間熱処理し、硬化させ、20mm×5mm×50μmのフィルムを得て、これを試料として、熱機械特性の測定装置:TMA−2000(商品名、アルバック理工製)を用い、引張りモード、チャック間距離:15mm、測定温度:25〜300℃、昇温速度:10℃/分、および測定荷重:10gの条件で、ガラス転移点(℃)を測定した。
−ヤング率−
上記ガラス転移点の測定に用いたものと同じ試料を用いて、動的粘弾性測定装置を用い、引張りモード、チャック間距離:15mm、測定温度:25℃、および測定周波数:30Hzの条件で、ヤング率(MPa)を測定した。
−接着力−
上記接着剤層−I〜Vを5mm×5mmに切断して、基材フィルム(PETフィルム)を剥離し、これを18mm×18mmの42アロイ(凸版印刷社製:KAKU−42、42アロイの試験片)に80℃,0.01MPaの条件で30秒間熱圧着し、固定した後、再度、18mm×18mmの42アロイの試験片を前記と同条件で熱圧着し、固定した。この熱圧着した積層体を、175℃で1時間加熱処理して接着剤層を硬化させ、接着用試験片(42アロイ−接着剤層−42アロイ)を作製した。その後、この接着用試験片を試料として、島津製作所社製のオートグラフ引張り試験機を用いて、速度:2.0mm/分でせん断接着力(MPa、初期値)を測定した。
−湿熱処理後の接着力−
上記接着用試験片を85℃/85%RHの条件下で168時間保持した。得られた湿熱処理後の接着用試験片を用いて、上記と同じにしてせん断接着力(MPa、湿熱処理後)を測定した。
(2) 上記のとおりにして得られた接着剤層−I〜Vと、上記粘着性ダイシングフィルムD1、D2、Dx、DyまたはDzとを用いて、下記のとおりにして粘着力を測定した。結果を表1〜表3に示す。
−粘着力−
上記接着剤層と上記粘着性ダイシングフィルムの粘着層とを、幅300mmのロールを用いて荷重2kgをかけて、圧着して、粘着性ダイシングフィルム付き接着剤層を幅25mmのテープ状に切り出した。接着剤層側の基材フィルム(PETフィルム)を剥離して除去し、接着剤層側の全面をステンレス板(SUS27CP、厚さ:1.0mm、幅:30mm)に80℃,0.01MPaの条件で60秒間熱圧着して、固定し、試験体とした。
この試験体を25±2℃,50±5%RHの恒温恒湿下に30分以上放置した後、接着剤層から粘着性ダイシングフィルムの端を180度の方向へ平行に折り返し、300mm/分の速度で引き剥がしたときの剥離力を測定し、粘着力(N/25mm)とした。
(3) 上記実施例および比較例で得られた粘着性ダイシングフィルムに貼り付けた接着剤層付シリコンウエハを用いて、下記のとおりにしてダイシングおよびチップ取り出し(ピックアップ)試験を行なった。結果を表1〜表3に示す。
−ダイシング時のチップ飛びの有無−
上記粘着性ダイシングフィルムに貼り付けた接着剤層付シリコンウエハを、その粘着性ダイシングフィルム側の面をダイシングフレームに取り付けて、10mm×10mmの形状のチップにダイシングした。
ダイシング時乃至ダイシング終了前に、接着剤層付チップが粘着性ダイシングフィルムから剥離してチップ飛びが生じたか否かを目視により確認し、チップ飛びがなかった場合について○で表示し、チップ飛びがあった場合について×で表示した。
−チップ取り出し性−
上記ダイシング時にチップ飛びがなかったものについて、ダイシング終了後、切断されたチップの面に直径8mmの吸引コレットを配置して、吸引により、接着剤層付チップの分離・取出し(ピックアップ)を行なった。
接着剤層付チップが粘着性ダイシングフィルムから剥離してチップ取り出しが可能であった場合について○で表示し、接着剤層付チップが粘着性ダイシングフィルムから剥離せずチップ取り出しが不可能であった場合に×で表示した。
Figure 2006060095
Figure 2006060095

注)*ダイシングまたはチップ取り出しが不良であったため、測定せず。
Figure 2006060095

*チップ取出しが不良(剥離せず)のため、測定せず。

Claims (5)

  1. (イ) 表面に回路が形成されたウエハの裏面に接着剤層を形成させる工程、
    (ロ) 前記接着剤層上に、シリコーン系粘着性ダイシングフィルムの粘着層を重ねて貼り付ける工程、
    (ハ) 前記ウエハを前記接着剤層とともに一体的にダイシングする工程、および
    (ニ) 前記接着剤層を裏面に有する半導体チップを、前記粘着性ダイシングフィルムから剥離させて取り出す工程
    を有してなる、接着剤層を裏面に有するダイアタッチ可能な半導体チップの製造方法。
  2. 前記接着剤層が、
    (A) フェノール性水酸基およびシロキサン結合をポリマー骨格に有するポリイミド系樹脂、
    (B) 2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、および
    (C) エポキシ樹脂用硬化剤
    を含む接着剤組成物から形成されたものである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(A)成分のポリイミド系樹脂が、テトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(1):
    Figure 2006060095

    (式中、R1は独立に水素原子、ハロゲン原子または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。)
    で表される構造のジアミン、および下記一般式(2):
    Figure 2006060095

    (式中、R2は独立に炭素原子を3〜9個有する二価の有機基であり、R3およびR4は各々独立に非置換または置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、mは1〜200の整数である。)
    で表される構造のジアミンを含むジアミンとの反応生成物であるポリアミック酸、並びに、該ポリアミック酸の閉環誘導体であるポリイミドより成る群から選ばれるポリマーである、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記粘着性ダイシングフィルムの粘着層の前記接着剤層に対する粘着力が 0.2〜2.0N/25mmである、請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記粘着性ダイシングフィルムの粘着層が、白金系触媒を含む付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物から形成されたものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の製造方法。
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