JP2006059950A - 赤色光発光素子とその製造方法 - Google Patents

赤色光発光素子とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006059950A
JP2006059950A JP2004239174A JP2004239174A JP2006059950A JP 2006059950 A JP2006059950 A JP 2006059950A JP 2004239174 A JP2004239174 A JP 2004239174A JP 2004239174 A JP2004239174 A JP 2004239174A JP 2006059950 A JP2006059950 A JP 2006059950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
light emitting
red light
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004239174A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsun-Neng Yang
ツンノン ヤン
Shan-Ming Lan
シャンミン ラン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATOMIC ENERGY COUNCIL
Institute of Nuclear Energy Research
Original Assignee
ATOMIC ENERGY COUNCIL
Institute of Nuclear Energy Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ATOMIC ENERGY COUNCIL, Institute of Nuclear Energy Research filed Critical ATOMIC ENERGY COUNCIL
Priority to JP2004239174A priority Critical patent/JP2006059950A/ja
Publication of JP2006059950A publication Critical patent/JP2006059950A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】ケイ素を含む発光層を備えた赤色光発光素子を提供する。
【解決手段】赤色光発光素子50は、上表面23Aと下表面23Bとを有する基板22と、上表面23A上に設けた第1窓層25と、その第1窓層25上に設けた二酸化ケイ素層26と、二酸化ケイ素層26内に分布する複数個のケイ素ナノメートル結晶24と、二酸化ケイ素層26上に設けた第2窓層27と、その第2窓層27上に設けた透明導電層28と、その透明導電層28上に取り付けた第1オーム接触電極65と、その下表面23Bに取り付けられた第2オーム接触電極30とを含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、赤色光発光素子とその製造方法、特にケイ素含有発光層をもつ赤色光発光素子とその製造法に関するものである。
2000年以降、可視光発光ダイオードの技術開発は、発光光の明るさの増加および発光効率の向上に重点が置かれるようになっている。米国のMonsanto社、Hewlett−Packard社などの企業によりGaAsP/GaAs赤色光発光ダイオードを相次ぎ開発された1968年からは既に36年経過している。日本は、1973年の石油ショック以後、エネルギー消費を軽減することを重視し、電気消費量が少ない、かつ使用寿命が長いGaP赤色光発光ダイオードの開発に成功し、それをきっかけに可視光発光ダイオードの領域への進出を果たした。現段階では、光電素子(特に発光素子)の製造は主に結晶技術が採用され、さらにダイレクトバンドギャップ(Direct band−gap)を有する III−V族またはII−VI族などの元素を原料として使用している。
1947年に電気結晶が発明された後、ケイ素材料は集積回路産業の中でずっと重要な役割を演じてきた。ムーアの法則(Moore’s Law)の予測によると、集積回路の素子の大きさは約18ヶ月ごとに元の半分に縮減する。ムーアの法則の主な根拠は、新技術の絶え間ない進歩と潜在的応用開発などの条件下で導き出した結果によるものであり、そしてケイ素材料はこの急速な進歩の重要な基礎である。長年の発展の結果、ケイ素材料を集積回路に応用する工程技術は最も完璧で最も低コストになっているといえる。そのため、ケイ素材料をさらに開発によって発光素子にすることができれば、具体的に発光素子と大規模集積回路(VLSI)を整合させることができる。
ケイ素材料(IV族元素)は、室温下では無効率の発光源である。その主な原因は、ケイ素材料が間接バンドギャップ(Indirect band−gap)材料に属し、その光輻射重合率(Radiative recombination rate)が非常に低く、さらに内部量子の発光効率(Internal quantum efficiency)がわずか10−6〜10−7しかなく、そのためにいつも発光源としての役割から除外されているからである。したがって、光電産業におけるケイ素材料の応用は、現在のところ検出器、電荷結合デバイス(Charge coupled Device,CCD)のアレイ画像センシング装置と太陽電池などの受光素子での使用に限られている。
1990年、英国人のL.T.Canhamは、アルゴンフッ素酸溶液の中で陽極電解ケイ素材料を利用して形成された多孔性ケイ素材料(Porous Si,PSi)は、高効率の可視光源を生じさせることができることを発見した(非特許文献1参照)。この重要な発明により、世界各国の研究チームがこぞってケイ素光源開発に取り組んだ。2000年〜2003年の間に、世界の多くの学術研究機関と研究者がみなケイ素を基材とする発光ダイオードの開発に取り組み、そしてかなりの進展が見られた(非特許文献2参照)。とはいっても、どんな形であれ、商業化された発光ダイオードなどの光電製品は今のところまだ現れていない。
多孔性ケイ素材料は、海綿状の組織構造を有するため、発光素子に応用する場合重大な欠点となる。機械的特性でいえば、多孔性ケイ素材料は砕け易いために標準半導体製造工程に整合させるのは不適当である。また、多孔性ケイ素材料の化学的特性は、高い活性が現れるために空気中の酸素原子と化学作用を起こし易く、光電性能を退化させてしまうため、その光電性能の時間に伴う変化状況のコントロールが困難である。
Canham L.T.Appl.Phys.Lett.,57,1046(1990) :Mykola Sopinskyy and Viktoriya Khomchenko,Current Opinion in Solid State and Material Science 7(2003)pp.97−109.)
本発明の主な目的は、ケイ素を含む発光層を備えた赤色光発光素子とその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、赤色光発光素子とその製造方法を開示する。この赤色光発光素子は、上表面と下表面を有する基板と、その上表面上に設けた第1窓層と、第1窓層上に設けた二酸化ケイ素層と、その二酸化ケイ素層内に分布する複数個のケイ素ナノメートル結晶と、その二酸化ケイ素層上に設けた第2窓層と、第2窓層上に設けた透明導電層と、その透明導電層上に取り付けた第1オーム接触電極と、その下表面に取り付けられた第2オーム接触電極とを含む。基板はp−型ケイ素基板でもn−型ケイ素基板でもよく、第1窓層と第2窓層は、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコン、窒化ガリウムで構成してよい。透明導電層は酸化イリジウム錫で構成してよい。第1オーム接触電極は、アルミニウム、ニッケル、またはアルミニウムとニッケルを含む合金で構成してよい。二酸化ケイ素層の厚さは1〜10000nmの間にあり、さらにこのケイ素ナノメートル結晶のサイズは3〜8nmの間にある。
この赤色光発光素子のもう1つの実施例は、基板と、基板上に設けた第1窓層と、第1窓層の一部表面に設けた二酸化ケイ素層と、二酸化ケイ素層内に分布する複数個のナノメートル結晶と、二酸化ケイ素層上に設けた第2窓層と、第2窓層上に設けた透明導電層と、透明導電層上に設けた取り付けた第1オーム接触電極と、第1窓層の一部表面に取り付けられた第2オーム接触電極とを含む。この第1窓層と第2窓層はアモルファスシリコン、微結晶シリコンまたは窒化ガリウムで構成されており、基板は石英基板または三酸化二アルミニウム基板である。
この赤色光発光素子の製造方法は、まず基板に不足当量の酸化ケイ素層を形成し、この不足当量の酸化ケイ素層の酸素原子数とケイ素原子数の比率が2未満である。次に、酸素環境における熱処理工程によって、不足当量の酸化ケイ素層の中の一部ケイ素原子結晶を複数個のケイ素ナノメートル結晶に形成させる。そして、酸素環境においてもう一つの熱処理工程を行い、この熱処理工程の処理温度は500〜600℃の間にあり、処理時間は1〜120分の間にある。
不足当量の酸化ケイ素層は常圧化学蒸着工程によって基板上に形成され、常圧化学蒸着工程の温度は700〜1100℃の間にあり、さらに堆積時間は1〜300分の間にある。常圧化学蒸着工程は、流量比が10:1〜1:10の間にあるジクロロジヒドロケイ素と一酸化二窒素、またはシランと一酸化二窒素を反応気体として使用する。この常圧化学蒸着工程は水素、窒素またはアルゴンを搬送気体として使用し、反応気体を均一に混合してから反応室に送り込む。
量子の極限効果(Quantum confinement effect)により、材料のバンドギャップの間隔は、サイズが小さくなるほど広くなるため、ナノメートルサイズの結晶は一般的大きさの材料と異なる独特な光電特性をもっている。そのため、研究者は、周知の多孔性ケイ素材料の利用のほかに、高安定性の二酸化ケイ素層の中でケイ素ナノメートル結晶(silicon nanocrytstal,Si−NC)を形成させてケイ素光源を作成することも試みている。
ケイ素ナノメートル結晶の製造方法は、まず化学蒸着技術を利用して、過剰ケイ素原子(Excess of silicon)成分をもつ不足当量の酸化ケイ素(SiOx)層(Sub−stoichiometric silica film)を形成し、その酸素原子数とケイ素原子数の比(x)は2未満である。次に、少なくとも1つの高温焼きなまし処理(Annealing)をして2つの異なる金属相(即ちケイ素と二酸化ケイ素)を互いに分離し、秩序ある(order)構造のケイ素ナノメートル結晶と均質構造(Amorphous)の二酸化ケイ素を同時に形成させる。そのうち、二酸化ケイ素層はケイ素ナノメートル結晶の寄宿用の母体組織(matrix)とする。二酸化ケイ素材料は均質構造であるため、ケイ素ナノメートル結晶と二酸化ケイ素の間にひずみはない(Strain−free)。ケイ素ナノメートル結晶の大きさと密度は層の堆積温度と焼きなまし温度などの作業パラメータによってコントロールできる。
もう1つのケイ素ナノメートル結晶の製造方法は、イオン注入技術を採用することである。イオン注入技術は、長年開発されてきた成熟した技術であり、すでに大型半導体集積回路の製造工程に使用されている。イオン注入技術は、加速したケイ素イオンを直接二酸化ケイ素層の中に注入して、二酸化ケイ素層内の一部エリアに過剰ケイ素原子を形成させる。次に焼きなまし処理によって過剰ケイ素原子を核結晶にして、二酸化ケイ素層(母体組織)内に寄宿するケイ素ナノメートル結晶を形成させる。
イオン注入技術は、注入するイオンのエネルギー量と用量を調節することにより、特定の一部エリアと深さ範囲で必要な過剰ケイ素原子濃度(concentration)と分布輪郭(Profile)を注入する。なお、イオン注入過程で、多くの構造的欠陥(Structural defects)も形成されるが、これらの構造的欠陥は原子拡散の活性エネルギー(Activation energy of diffusion)を低減させ、金属相の分離に必要な焼きなまし処理の温度もこれに伴って下がる。しかし、化学蒸着工程に比べ、イオン注入技術で過剰ケイ素原子濃度を形成させるのに必要な時間が長すぎるため、発光素子の発光層の製造に応用するのは不適当である。
半導体製造工程に広く使用されている化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition,CVD)は、作業温度範囲(100〜1000℃)と作業圧力範囲(大気圧から7Paなどまでの変化)により、常圧化学蒸着法(APCVD)、低圧化学蒸着法(LPCVD)、プラズマ化学蒸着法(PECVD)の3種類に分かれる。イオン注入技術に比べ、化学蒸着法は精確に堆積層の組成と構造をコントロールし、均一で速い堆積速度、高生産量、低製造コストなどの長所をもつ。
低圧化学蒸着法とプラズマ化学蒸着法などの低温堆積工程で形成されるケイ素含有層の金属相構造は比較的疎散し、さらに結晶の成長を抑止する構造的欠陥と不純物が比較的多い。本発明は、高温の常圧化学蒸着工程を選定して、発光ダイオードのケイ素含有層を製造する。高温環境下で製造されるケイ素含有発光層は、構造的欠陥と不純物が比較的少なく、また、複雑なケイ素―窒素―酸素(Si−N−O)複合物は高緻密性と高密度分布のケイ素ナノメートル結晶を形成できる。このように、ケイ素ナノメートル結晶のルミネセンススペクトルには高明晰度、高輝度と比較的狭い光スペクトル半幅を有する。
図1は常圧化学蒸着装置100の説明図である。図1に示すように、この常圧化学蒸着装置100は反応室10、反応室10の周辺に取り付けられた高周波振動電源12、反応室10の中のグラファイトブロック14、入気分岐管16および排気分岐管18を含んでいる。グラファイトブロック14は、層堆積を行おうとする基板22を載せるのに使用される。グラファイトブロック4自体は、酸素分子がグラファイトブロック14を侵食するのを防ぐために、予め炭化ケイ素と二酸化ケイ素で構成された層15を堆積させている。
図2〜図4は、本発明の赤色光発光ダイオードの製造方法を示す。本発明は、発光ダイオード50を製造するとき、まず基板22を反応室10のグラファイトブロック14の上に置き、次に高周波電源12を利用して、堆積温度Tになるまでグラファイトブロック14を加熱する。この基板22はp−型ケイ素基板でもn−型ケイ素基板でもよく、さらに上表面23Aと下表面23Bを有する。第1窓層25は基板22の上表面23A上に堆積される。次に搬送気体(水素、アルゴンまたは窒素を選択してよい)11によって一定のモル数または体積比の反応気体17を、入気分岐管16を通って均一に混合してから反応室10に送り込む。反応気体17は、ジクロロジヒドロケイ素(SiHCl)と一酸化二窒素(NO)の混合気体でよく、両者の流量比は10:1〜1:10の間である。このほかに、反応気体17はシラン(SiH)とNOであってもよく、両者の流量比は10:1〜1:10の間である。
この反応室10を堆積温度Tに−予定時間tに保ち、過剰ケイ素原子をもつ不足当量の酸化ケイ素(SiO)層20を第1窓層25上に形成し、酸素原子数とケイ素原子数の比率(x)は2未満である。その他の反応副産物19、たとえば窒素(N)と塩化水素(HCl)などの気体は排気分岐管18から連続的に排出される。次に、酸素含有気体を反応室10の中に送り込んで酸素環境を形成させ、さらに反応室10の温度を処理温度Tまで上昇させ、さらに予定時間tを保って熱処理工程を行う。この酸素含有気体は、酸素(O)は勿論、オゾン(O)や、処理温度Tにおいて熱分解により酸素原子Oを生成することができる分子から構成された気体などであってもよい。反応室10の環境は、不足当量の酸化ケイ素層20内の過剰ケイ素原子を結晶成長と成熟などの反応工程を行うよう駆り立てることによって、不足当量の酸化ケイ素層20を、ケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26に転化させる。二酸化ケイ素層26の厚さは1〜10000nmの間にあり、このケイ素ナノメートル結晶24のサイズは3〜8nmの間にある。酸素環境において、ケイ素ナノメートル結晶24と二酸化ケイ素母体組織間のケイ素−窒素−酸素結合(Si−N−O)のダングリングボンド(dangling bonds)ルミネセンス中心(luminescence centers)は、窒素結合部分が酸素原子に取って代わることによって、赤色ミネセンス中心が形成される。 次に、水素を反応室10内に通し、さらに反応室10の温度を水素パッシベーション温度TPHにまで上昇させ、予定時間tPH保ち、ケイ素ナノメートル結晶24の表面パッシベーション工程を行う。熱処理工程と表面パッシベーション工程は、この不足当量の酸化ケイ素層20を、ケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26に転化させる。この二酸化ケイ素層26をケイ素ナノメートル結晶24の寄宿用の母体組織とする。
図4を参照すると分かるように、二酸化ケイ素層26上に第2窓層27、透明導電層28、第1オーム接触電極65が順序に従い形成され、さらに基板22の下表面23Bに第2オーム接触電極30が形成されて、この発光ダイオード50の製造が完了する。第1窓層25と第2窓層27は、微結晶シリコン(炭化ケイ素)、アモルファスシリコン、または窒化ガリウムで構成してよい。第1窓層25、二酸化ケイ素層26、第2窓層27はPIN接合構造を含む。透明導電層28は、酸化インジウム錫(indium tin oxide,ITO)で構成してよい。第1オーム接触電極65は、アルミニウム(Al)、またはニッケル(Ni)とアルミニウムを含む合金で構成してよい。第1オーム接触電極65上に正電圧を加え、第2オーム接触電極30上に負電圧を加えた場合、この発光ダイオード50は電流の励起によって赤色光40を発射する。
図5は、本発明の堆積工程、熱処理工程と表面パッシベーション工程の操作温度および時間を示す。図5に示すように、堆積温度Tは700℃〜1100℃の間にあり、さらに堆積時間tは1〜300分の間にある。熱処理工程の温度Tは800〜1300℃の間にあり、さらに処理時間tは1〜300分の間にある。表面パッシベーション工程の温度TPHは500〜600℃の間にあり、作動時間tPHは1〜120分の間にある。
図6は本発明の二酸化ケイ素層26のケイ素ナノメートル結晶24のフォトルミネセンス(Photoluminescence,PL)スペクトル図である。このフォトルミネセンススペクトル図はアルゴンレーザビーム(波長が488nm)を二酸化ケイ素層26に直接照射し、さらにケイ素ナノメートル結晶24が発するフォトルミネセンスを測定したものである。図6に示すように、二酸化ケイ素層26のケイ素ナノメートル結晶24が発するフォトルミネセンスの波長は600〜850nmの間であり、ピーク波長は約650〜700nm前後であり、即ち赤色光である。
図7は、本発明の実施例2の発光ダイオード70を示す。図7に示すように、この発光ダイオード70は、基板33と、基板33上に設けた第1窓層25と、第1窓層25の一部表面に設けた二酸化ケイ素層26と、二酸化ケイ素層26上に設けた第2窓層27と、第2窓層27上に設けた透明導電層28と、透明導電層28上に設けた第1オーム接触電極65と、第1窓層25の別の一部表面に設けた第2オーム接触電極64を含む。この二酸化ケイ素層26は前記方法で製造されるため、赤色光を発するケイ素ナノメートル結晶24をもつ。第1窓層25はケイ素、ニッケルとガリウムで構成され、さらに、n型即ちn−GaNiSi層である。また、第2窓層27もアモルファスシリコン、微結晶シリコンまたは窒化ガリウムで構成してよい。第1窓層25、二酸化ケイ素層26、第2窓層27は、PIN接合構造を含む。第2このオーム接触電極64はチタン−アルミニウム合金で構成してもよい。基板33は石英(Quatz)基板または三酸化二アルミニウム(Al Sapphire)基板であってもよい。
本発明は高温の常圧化学蒸着工程を採用して不足当量の酸化ケイ素層20を製造し、その化学反応式は以下のとおりである。
SiHCl+xNO→SiO+xN+2HCl
堆積温度(T)が700〜1100℃の間の高温環境下で、水素、アルゴンまたは窒素となる搬送気体によって予定のモル数または体積比のSiHClとNO気体を均一に混合してから反応室10に送り込む。高温反応室10の中で、SiHClとNOの2つの気体はそれぞれ高温によって原子態に解離した後、再編成して不足当量の酸化ケイ素を形成し、さらに基板22上に堆積する。第1窓層25上に堆積した酸化ケイ素は過剰ケイ素原子成分を含み、また過剰ケイ素原子成分の多寡は非破壊測定方法を利用して、その酸素原子数と過剰ケイ素原子数(O/Si)の相対比を測定できる。例えば、標準二酸化ケイ素(SiO)に相対する光屈折率の大きさを測定すれば、酸素原子数と過剰ケイ素原子数(O/Si)の相対比を類推することができる。
ケイ素の融点(T)は約1430℃であり、その結晶成核温度(T)は約0.6×T≒858℃である。この不足当量の酸化ケイ素層20の堆積温度Tは700〜1100℃の間で、明らかに結晶成核温度より高い。そのため、不足当量の酸化ケイ素層20の堆積過程では、反応室10内の高温も同時に、不足当量の酸化ケイ素層20内の大部分の過剰ケイ素原子をケイ素ナノメートル結晶核(Nucleus)の形成に駆り立て、さらにケイ素ナノメートル結晶核と母体(二酸化ケイ素で構成)間の中間面(Interstate)構造を形成させる。ケイ素ナノメートル結晶核と母体間の中間面構造は主にケイ素ナノメートル結晶周辺のダングリングボンド(dangling bonds)と窒素−酸素結合で構成されている。例えば、ケイ素−窒素結合(Si−N bonds)、ケイ素−酸素結合(Si−O bonds)、およびケイ素−窒素−酸素結合(Si−N−O)である。この中間面構造が主なルミネセンス中心(luminescence centers)である。
次に、酸素環境下でケイ素ナノメートル結晶24の成長と成熟などの焼きなまし工程を行う。不足当量の酸化ケイ素層20の主な構造組成は、均質構造(Amorphous)の酸化ケイ素と過剰ケイ素原子が形成するクラスタ(Clusters)を含む。そのうち、過剰ケイ素原子クラスタの大部分がすでにケイ素ナノメートル結晶核を形成している。この不足当量の酸化ケイ素層20を熱処理温度(T)の高温環境内に置き、さらに一定時間tを保つことにより、すべてのケイ素ナノメートル結晶24の成長と中間面構造の成熟を完成させる。これは、不足当量の酸化ケイ素層20を、ケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26に転化させることでもある。酸素原子とケイ素原子は比較的に強く結合されることができ、中間面構造のケイ素−窒素−酸素結合(Si−N−O)は主なルミネセンス中心であり、窒素原子と酸素原子の比例(x/y)を調整することによって赤色ルミネセンス中心を得ることができる。また、ケイ素ナノメートル結晶24の大きさを3〜8nm間にすることが望ましい。
このほかに、不足当量の酸化ケイ素層20内の過剰ケイ素原子がこの堆積工程でケイ素結晶核を形成しなかった場合、この熱処理工程の高温がさらに不足当量の酸化ケイ素層20内の過剰ケイ素原子の成核に駆り立てる。次に、ケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26を水素環境内に置き、さらに予定温度TPMと時間(tPH)を維持してケイ素ナノメートル結晶24の表面水素パッシベーション処理(Hydrogen passivation)を行う。この表面パッシベーション処理を完成すると、ケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26は、安定した赤色光発光層を形成する。
周知の技術と比較すると、本発明は、高温の常圧化学蒸着技術と熱処理技術を利用してケイ素含有発光層(即ちケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26)をもつ赤色光発光ダイオード50を製造するものである。これには以下の長所がある。
1.本発明は煩雑な結晶製造工程と高価な製造設備を使用する必要がなく、不足当量の二酸化ケイ素層26を堆積させる工程と熱処理工程があればよく、製造工程が簡単で速いという長所がある。
2.本発明は常圧化学蒸着工程を利用してこの不足当量の酸化ケイ素層20を製造し、また常圧化学蒸着工程は標準化した半導体製造工程の中に整合することが可能である。したがって、本発明には、発光ダイオードを大量生産する長所がある。
3.周知の技術は III−V族化合物を利用して発光素子の発光層を製造するため、製造コストが高い。本発明は、酸化ケイ素を使用して発光ダイオード50のケイ素含有発光層を製造するため、材料も製造コストも相対的に低廉である。
4.周知の技術が使用する III−V族化合物は有毒化学物質を発生させる。本発明は、酸化ケイ素を使用して発光素子のケイ素含有発光層を製造し、さらに化学および有毒重金属の使用および排出問題がなく、環境にやさしい製造工程である。
5.本発明は高温T条件を選定して、過剰ケイ素原子を含む不足当量の酸化ケイ素層20を形成し、さらに熱処理によってケイ素ナノメートル結晶24をもつ二酸化ケイ素層26に転化させる。そのため、温度安定性が比較的高く、さらに製造された発光層は、狭い幅の赤色光スペクトル分布をもつ。
6.高温T処理後の二酸化ケイ素層26より高緻密性、高密度分布のケイ素ナノメートル結晶24を有し、不純物が比較的低い。そのため、ケイ素ナノメートル結晶24とその中間面構造は励起されると、明晰で高輝度のスペクトルを生じさせる。
本発明の技術内容と技術の特徴は上記のとおりであるが、この技術の熟練者は本発明の教示と開示を元に、本発明の精神から逸脱しないさまざまな代替および修飾を行うことが可能である。従って、本発明の保護範囲は、実施例で開示したものに限るべきではなく、本発明から外れないさまざまな代替および修飾を含むべきであり、さらに下記特許請求の範囲に網羅されていなければならない。
常圧化学蒸着装置の説明図である。 本発明の発光ダイオードの製造方法を示す図である。 本発明の発光ダイオードの製造方法を示す図である。 本発明の発光ダイオードの製造方法を示す図である。 本発明の堆積工程、熱処理工程および表面パッシベーション工程の操作温度と時間を示すグラフである。 本発明の二酸化ケイ素層のケイ素ナノメートル結晶のフォトルミネセンススペクトルを表すグラフである。 本発明の実施例2の発光ダイオードを示す図である。
符号の説明
10 反応室
11 搬送気体
12 高周波電源
14 グラファイトブロック
15 層
16 入気分岐管
17 反応気体
18 排気分岐管
19 反応副産物
20 不足当量の酸化ケイ素層
22 基板
23A 上表面
23B 下表面
24 ナノメートル結晶
25 第1窓層
26 二酸化ケイ素層
27 第2窓層
28 透明導電層
30 第2オーム接触電極
33 基板
40 赤色光
50 発光ダイオード
64 第2オーム接触電極 65 第1オーム接触電極 70 発光ダイオード
100 化学蒸着装置

Claims (19)

  1. 赤色光発光素子であって、
    上表面と下表面を有する基板と、
    前記上表面に設けた第1窓層と、
    前記第1窓層上に設けた二酸化ケイ素層と、
    前記二酸化ケイ素層内に分布し、サイズが3〜8nmの間にある複数個のケイ素ナノメートル結晶と、
    前記二酸化ケイ素層上に設けた第2窓層と、
    前記第2窓層上に設けた透明導電層と、
    前記透明導電層上に取り付けた第1オーム接触電極と、
    前記下表面に取り付けられた第2オーム接触電極とを含むことを特徴とする赤色光発光素子。
  2. 前記二酸化ケイ素層の厚さが1〜10,000nmの間にあることを特徴とする、請求項1に記載の赤色光発光素子。
  3. 前記基板が、p−型ケイ素基板またはn−型ケイ素基板であり、前記第1窓層と第2窓層が微結晶シリコン、アモルファスシリコンまたは窒化ガリウムで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の赤色光発光素子。
  4. 前記第1透明導電層が酸化インジウム錫で構成され、前記第1オーム接触電極がアルミニウム、ニッケル、またはそれらの合金で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の赤色光発光素子。
  5. 赤色光発光素子であって、
    基板と、
    前記基板上に設けた第1窓層と、
    前記第1窓層の一部表面に設けた二酸化ケイ素層と、
    前記二酸化ケイ素層内に分布し、サイズが3〜8nmの間にある複数個のケイ素ナノメートル結晶と、
    前記二酸化ケイ素層上に設けた第2窓層と、
    前記第2窓層上に設けた透明導電層と、
    前記透明導電層上に取り付けた第1オーム接触電極と、
    前記第1窓層の別の一部表面に取り付けられた第2オーム接触電極とを含むことを特徴とする、赤色光発光素子。
  6. 前記二酸化ケイ素層の厚さが1〜10,000nmの間にあることを特徴とすることを特徴とする、請求項5に記載の赤色光発光素子。
  7. 前記第1窓層と第2窓層が微結晶シリコン、アモルファスシリコン、または窒化ガリウムで構成されることを特徴とする、請求項5に記載の赤色光発光素子。
  8. 前記透明導電層が酸化インジウム錫で構成され、前記第1オーム接触電極がアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金で構成されることを特徴とする、請求項5に記載の赤色光発光素子。
  9. 前記基板は石英基板または三酸化二アルミニウム基板であることを特徴とする、請求項5に記載の赤色光発光素子。
  10. 赤色光発光素子の製造方法であって、
    基板を提供し、
    不足当量の酸化ケイ素層の酸素原子数とケイ素原子数の比率が2未満である、不足当量の酸化ケイ素層を前記基板上に形成し、
    酸素含有環境中における第1の熱処理工程によって前記不足当量の酸化ケイ素層を転化させて、ケイ素ナノメートル結晶のサイズが3〜8nmの間にあるケイ素ナノメートル結晶を持った二酸化ケイ素層にする、
    諸ステップを含むことを特徴とする、赤色光発光素子の製造方法。
  11. 前記不足当量の酸化ケイ素層が常圧化学蒸着工程によって基板上に形成され、さらに前記常圧化学蒸着工程の温度が700〜1100℃の間にあることを特徴とする、請求項10に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  12. 前記常圧化学蒸着工程が、ジクロロジヒドロケイ素と一酸化二窒素を反応気体として使用することを特徴とする、請求項11に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  13. 前記ジクロロジヒドロケイ素と一酸化二窒素の流量比が10:1〜1:10の間にあることを特徴とする、請求項12に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  14. 前記常圧化学蒸着工程が、シランと一酸化二窒素を反応気体として使用することを特徴とする、請求項11に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  15. 前記シランと一酸化二窒素の流量比が10:1〜1:10の間にあることを特徴とする、請求項14に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  16. 前記常圧化学蒸着工程の搬送気体が、水素、窒素およびアルゴンで構成されたグループから選択されることを特徴とする、請求項11に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  17. 前記第1の熱処理工程における処理温度が800〜1300℃の間にあり、処理時間が1〜300分の間にあることを特徴とする、請求項10に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  18. 前記第1の熱処理工程と異なる第2の熱処理工程を有し、該第2の熱処理工程における処理温度が500〜600℃の間にあり、処理時間が1〜120分の間にあることを特徴とする、請求項17に記載の赤色光発光素子の製造方法。
  19. 前記第2の処理工程がアルゴン雰囲気中で行われることを特徴とする、請求項18記載の赤色光発光素子の製造方法。

JP2004239174A 2004-08-19 2004-08-19 赤色光発光素子とその製造方法 Pending JP2006059950A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239174A JP2006059950A (ja) 2004-08-19 2004-08-19 赤色光発光素子とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004239174A JP2006059950A (ja) 2004-08-19 2004-08-19 赤色光発光素子とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006059950A true JP2006059950A (ja) 2006-03-02

Family

ID=36107180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004239174A Pending JP2006059950A (ja) 2004-08-19 2004-08-19 赤色光発光素子とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006059950A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009113375A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 コニカミノルタエムジー株式会社 シリコンナノ粒子蛍光体含有酸化ケイ素膜、シリコンナノ粒子蛍光体及び単一分子観察方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009113375A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 コニカミノルタエムジー株式会社 シリコンナノ粒子蛍光体含有酸化ケイ素膜、シリコンナノ粒子蛍光体及び単一分子観察方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tong et al. Intense violet-blue photoluminescence in as-deposited amorphous Si: H: O films
CN108682719A (zh) 一种多量子阱层、led外延结构及其制备方法
CN102255026A (zh) 一种垂直结构氮化镓发光二极管芯片及其制造方法
CN106328780B (zh) 基于AlN模板的发光二极管衬底外延生长的方法
Wu et al. Room temperature visible electroluminescence in silicon nanostructures
CN100446290C (zh) 掺氧硅基氮化物薄膜黄绿波段发光二极管及制备方法
JP2006059950A (ja) 赤色光発光素子とその製造方法
US7115427B2 (en) Red light-emitting device and method for preparing the same
JP2006059951A (ja) 白色光発光素子とその製造方法
JP2006059949A (ja) 赤外光発光素子とその製造方法
TWI233703B (en) White light emitting device and method for preparing the same
US20060043884A1 (en) White light-emitting device and method for preparing the same
Chen et al. Effect of excimer laser annealing on the silicon nanocrystals embedded in silicon-rich silicon nitride film
Jamei et al. The preparation of nanocrystalline silicon by plasma-enhanced hydrogenation for the fabrication of light-emitting diodes
JP2015154005A (ja) 鉄シリサイド半導体、鉄シリサイド半導体薄膜の製造方法、並びに発光素子及び受光素子
EP1626445A1 (en) Red light-emitting device and method for preparing the same
US7163902B2 (en) Infra-red light-emitting device and method for preparing the same
EP1626446A1 (en) White light-emitting device and method for preparing the same
CN109830497A (zh) 一种单电导层紫外光电子器件
JP3061811B2 (ja) 非単結晶薄膜の作製方法
TWI450320B (zh) 製備光激發光奈米矽薄膜結構之方法
TWI233212B (en) Red light emitting device and method for preparing the same
JP4106849B2 (ja) 太陽電池
TWI229945B (en) Infra-red light emitting device and method for preparing the same
Saidov et al. Diamond films obtained on silicone substrates by the CVD method and properties of structures based on them.

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090630

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091201