JP2006057123A - アルミニウム合金製締結具の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製締結具の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 粗大結晶粒の存在しないアルミニウム合金製締結具の製造方法を提供する。
【解決手段】 wt%で、Cu:2.2〜3.0%、Mg:0.20〜0.50%を含有するアルミニウム合金鋳塊を均質化する均質化処理工程、前記均質化処理を施した前記鋳塊を押出加工する押出工程、前記押出加工して得られた押出材を溶体化し焼入する溶体化焼入処理工程、および前記溶体化焼入処理した押出材を塑性変形させて頭部を成形する頭部成形工程を含むことを特徴とするアルミニウム合金製締結具の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、内部組織が微細で、粗大再結晶粒の存在しないアルミニウム合金製締結具の製造方法に関する。
例えば大型構造物を構成するアルミニウム熱処理合金製の桁、梁や床等の部材の接合には溶接熱によって強度が低下しない接合、即ちリベットやボルト等の締結具による結合が適している。締結具が鋼製であると、アルミニウム部材との異種金属接触により電位差を生じ電気化学的腐食が起こるため、締結具が破壊する虞がある。このような場合はアルミニウム製の締結具を用いることが好ましい。特に、熱処理によって高強度の付与できるJIS2000系、JIS6000系、JIS7000系等のアルミニウム合金製締結具が想定される。
特許文献1(特開平11−172359号公報)には、JIS A6061、A5052、A5056、A2024、A7N01の各合金製のねじが開示され、それらの製造方法として、押出材を線引加工して線素材とし、該線素材を裁断して所定長さとした中間素材にヘッダー加工して頭部を成形する等の諸工程を経てねじを作製し、しかる後、最後の工程で焼入れ(溶体化処理)および焼戻し(時効処理)を施して強度を付与するねじの製造方法が提案されている。
特開平11−172359号公報
しかしながら、近年のアルミニウム合金製構造物はますます大型化し、構造物の振動等の動的な衝撃力は相当に大きく、構造物を構成する部材同士を締結するリベットやねじ等の締結具もそのような衝撃力に耐える必要があるところから、使用されるアルミニウム製の締結具にも高靭性が求められている。特にリベットの場合は製造工数を省く必要性から、胴部の長いものを一律の長さで製造しておき、締結部位に応じて必要な長さに胴部を切断して使用することが考えられる。
前記特許文献1(特開平11−172359号公報)が提案する方法によってねじを作製すると、首下部に粗大結晶粒が発生してしまう。同方法を用いてリベットを作製しても同様に粗大結晶粒が発生するはずであり、靭性低下を招く虞れがあるため、大型構造物の締結具の製造方法としては採用できない。また、リベットの胴部を使用時の長さに切断する時に、粗大結晶粒の発生箇所が切断位置になることもあり、その場合には切断により形成されたリベット尾部に粗大結晶粒が現れる。このリベットを用いて締結を行なう際に、粗大結晶粒の現れている尾部を塑性変形させると固定部に割れが発生し易くなって好ましくない。
本発明の目的は、粗大結晶粒の存在しないアルミニウム合金製締結具の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記特許文献1に開示されている製造方法でA2000系合金ねじを作製し、該ねじの破壊検査を実施し、ねじの破壊箇所を解析した結果、該破壊箇所の結晶粒が粗大であることを見出し、この粗大結晶粒が生成しないように製造すれば、安全に使用できるとの知見を得て本発明を完成した。
即ち本発明は、wt%で、Cu:2.2〜3.0%、Mg:0.20〜0.50%を含有するアルミニウム合金鋳塊を均質化する均質化処理工程、前記均質化処理を施した前記鋳塊を押出加工する押出工程、前記押出加工して得られた押出材を溶体化し焼入する溶体化焼入処理工程、および前記溶体化焼入処理した押出材を塑性変形させて頭部を成形する頭部成形工程を含むことを特徴とするアルミニウム合金製締結具の製造方法である。
本発明の製造方法は、従来の製造方法と異なり、溶体化焼入処理後に頭部を成形しているので、頭部成形時の加工歪の不均一によって生じる溶体化処理時の粗大再結晶粒の発生が防止できる。
また、溶体化焼入した押出材の頭部成形のための塑性変形は、溶体化焼入処理した押出材を100〜200℃の温度に加熱して行なうと、成形型からの被成形材の型抜きが容易で生産性向上に寄与できる。
本発明の製造方法は、リベットの製造に適用すると最も効果的である。
本発明の製造方法によれば、粗大結晶粒が存在しない締結具を製造できるから、得られた締結具を使用すれば、橋や建物等の構造物を構成する梁や桁等のアルミニウム部材を強靭に締結することができ、橋や建物等の構造物全体として衝撃や強度に耐え得る高い信頼性が達成できる。
本発明による製造の対象とするアルミニウム合金製締結具を説明する。
図1は本発明の方法による製造に適したアルミニウム合金製締結具としてのリベットの一例を示す(A)縦断面図および(B)下面図である。
一体成形体のリベット1は大径の頭部2と小径の胴部4とを有し、頭部2は首部3を介して胴部4に連なり、胴部4は首部3の直下にある首下部6を含む。胴部4の尾部5は、使用に際してはそのまま或いは切除されて所定長のリベットとされる。7はリベット1の胴芯である。16は粗大結晶粒の発現し易い範囲を示しており、そのうち特にX部は首下部6の断面中央部であり、そこの結晶粒径がリベットの強靭性に大きく影響するため、後述の実施例において組織観察の対象部位としている。
次にリベット1を用いた締結方法の一例を説明する。
図2は複数の被締結材9,9をリベット1で締結して構成した構造物8を説明する図である。構造物8は、被締結材9,9の両側に補強用の添接板19,19を添えてリベット1により締結して構成されている。10,10,10,10は被締結材9,9と添接板19,19の対応箇所に穿孔された締結孔である。
被締結材9,9に添接板19,19を積層し、リベット1を被締結材9,9と添接板19,19の締結孔10,10,10,10に挿通し、次いでリベット1の頭部2を治具(図示せず)で固定し、胴部4の尾部5(図1参照)を胴部4の長手方向12に圧縮塑性変形させて固定部13を形成し接合する。この際、胴部4は締結孔10,10,10,10内を充填し、被締結材9,9を緊密に締結して構造物8を構成する。なお図5は前記のようにリベット1の尾部5を圧縮塑性変形させて形成した固定部13の健全性を示す説明図であり、(A)は固定部13に割れが発生していない健全な締結状態を示し、(B)は固定部13に割れ14が発生していて健全な締結状態が得られていないことを示す。
図3はリベット1の頭部2の成形型の1例を示す説明図である。
31は溶体化焼入処理してある所定寸法に切断された押出材である。32は胴部4を成形する胴部成形型である。胴部成形型32は型受台33に載置される。型受台33は成形後のリベット1を胴成形形32から押し出して抜き取るための押抜ピン34を備えている。胴部成形型32の中央部には胴部成形孔36が穿孔されている。胴部成形孔36内に押出材31をセットして、成形圧Pを上下から負荷して、頭部成形型35で頭部2を成形する。頭部成形型35の下部中央には頭部成形用キャビティー37が設けてある。なお、押出材31を表わす二点鎖線と胴部成形型36を表わす破線とは便宜上離して描いてあるが、実際には両者はほとんど隙間なく接触した状態である。成形完了後、頭部成形型35を上方に移動させ、押抜ピン34を作動させて胴部成形孔36内からリベット1を取り出す。
この際、被成形材である押出材31が室温であると胴部4が胴部成形孔36から抜け難いので、例えば100〜200℃に加熱しておくとアルミニウムと鋼製成形型の熱膨張率の差で成形後に室温で抜けやすくなる。
図4は、締結具の図1に示す首下部6の中央部Xをスケッチした金属組織図であり、(A)は本発明の方法により得られた微細な再結晶粒を示し、(B)は従来方法により得られた比較例の粗大な再結晶粒を示す。
なお(A)は、溶体化焼入処理後170℃に一旦加熱した後の押出材の組織である。この170℃の加熱は後述するが、胴部成形型32から成形後のリベット1を押抜きし易くするために、頭部2の成形時に押出材31を加熱するときの温度で、170℃に加熱しても微細組織は変化することなく維持される。
次に本発明によるアルミニウム合金製締結具の製造方法について説明する。
最初に合金組成について説明する。本明細書中で、組成を示す「%」は「wt%」を意味する。
<Cu:2.2〜3.0%>
<Mg:0.20〜0.50%>
CuおよびMgはいずれも、熱処理(溶体化焼入+時効)によって合金に強度を付与するためのものであって、下限値未満では効果が少なく、上限値を超えると自然時効が速く、焼入れ後直ちに加工しなくてはならず、工業的生産に不適当である。
CuおよびMg以外の各種元素は必要に応じて含有させることができる。例えば、Siは不純物範囲であっても含有させると、熱処理によってMgとの化合物を形成し合金に強度を付与することができる。
この他、鋳造割れを防止するための鋳造組織微細化元素としてTi,B,Zr等を添加することができる。例えば、Ti:0.005〜0.15%を単独添加するか、あるいはTi:0.005〜0.15%とB:0.0003〜0.05%とを複合添加する。いずれも、下限値未満では効果が少なく、上限値を超えるとTiを含有する粗大な金属間化合物が晶出して加工性を損ねる。好ましくはTi:0.05%以下である。Zrの場合は、適正な添加量は0.01〜0.15%である。
上記元素以外の残部はAlおよび不可避的不純物であり、含有量はJIS2000系合金について規定されている範囲内で許容され、好ましくはJIS2117合金について規定されている範囲内である。本発明に係る締結具の前記の組成からなる合金の溶製は常法によればよい。CuおよびMgの添加は、金属銅および金属マグネシウムの形で行なってもよいし、Al−Cu合金およびAl−Mg合金として添加してもよい。Ti単独添加またはTiおよびBの複合添加は、金属チタンあるいはAl−Ti合金によるTi単独添加およびAl−Ti−B合金による複合添加ができる。その他の元素も同様に添加形態を選択できる。
上記のように成分調整した溶湯を脱ガス、脱滓、鎮静した後に、必要に応じてフィルターを通過させ、鋳造してビレットにする。
鋳造ままのビレットは偏析が多いので均質化処理を行なう。均質化処理の好ましい条件は、鋳塊を450〜500℃の温度に1時間以上加熱保持する。下限値未満では均質化が不十分となる。上限値を大幅に超えるとバーニングが生じて靭性が低下する。保持時間の上限は限定されないが、経済的な観点から24時間程度である。
均質化熱処理の終了した鋳塊に押出加工を施す。押出は300〜400℃に加熱して行なうことが望ましい。これは押出工程における押出圧力が不当に高くなるのを抑制するためのものであって、下限値未満では押出圧力が高くなりすぎ、上限値を大幅に超えると押出工程の加工熱が加わり、押出材にティアリングが生じて好ましくない。この加熱は、均質化処理温度から冷却速度50℃/時間以上で強制空冷して300〜400℃の温度範囲とするか、あるいは上記冷却速度で一旦冷却した後、再度加熱して300〜400℃の温度範囲に調整する。
ビレットの押出工程は、単に所定の形状の押出材を得るためだけのものではなく、十分に塑性変形させて押出材に展延性を付与して靭性を高めるためのものであるから、好ましくは押出比(ビレット断面積/押出材断面積)を10以上とする。下限値未満では歪量が少なく微細再結晶粒組織の押出材が得難い。また押出材の結晶粒径は押出機コンテナに挿入する時点のビレットの加熱温度に左右されるが、押出ダイスを出た時点で300℃を大幅に超えており、かつ押出比10以上なら押出材に蓄積される歪も十分に大きいので、再結晶が起きて、結晶粒径が円相当径で150μm以下の微細再結晶組織が得られる。結晶粒径は、好ましくは130μm以下、順次120μm以下、110μm以下、100μm以下であれば更に好ましい。
得られた押出材は、押出ままあるいは整直後に溶体化焼入処理を施す。溶体化焼入処理後に整直加工してもよい。溶体化焼入処理は常法でよく、たとえば470〜530℃に1時間以上加熱保持後焼入れする。焼入剤は油、温水、水のいずれでもよいが、時効処理で高強度を得るには水焼入れが最も有利である。押出材は所定長さに切断後に溶体化焼入処理を施してもよい。ここで押出材は押出加工時に再結晶しているので残留歪は小さく、その後溶体化焼入処理しても再結晶することはない。押出材の微細再結晶の成長が局部的に生じたとしても成長による粒径変化は小さい。そのため、溶体化焼入処理後の結晶粒径は押出工程で得られた粒径とほぼ同等の円相当径150μm以下の微細組織が得られる。溶体化処理の保持時間の上限は4時間程度とすることが好ましい。保持時間が長過ぎると再結晶粒の成長が生じて好ましくない。
この溶体化焼入処理後に締結具の頭部を成形する。頭部2を成形するにあたって胴部4を成形する胴部成形型32は割型でもよい。ただし、頭部2を塑性変形させるには頭部2の形状にもよるが120トン程度の力を負荷するので、胴部4を成形する割型の型締装置も大掛かりになる。このような型締め装置を省くには、割型でない一体成形型が好ましい。頭部2を成形するにあたって胴部4をこの一体成形型を用いて成形する場合は、胴部4を容易に型から抜き出すために被成形体である押出材を100〜200℃の温度に加熱しておく。この加熱温度が下限値未満では型から抜き出し難く、大きな押抜力の押抜ピン34が必要である。また抜き出せたとしても胴部4を損傷する虞がある。加熱温度が上限値を超えると締結具が過時効されて強度が低下する。
押出材31を加熱しておくと型32から抜き易くなる理由は、胴部成形型32の鋼に比べて押出材31のアルミニウムの方が熱膨張係数が大きいためである。すなわち、押出材31を加熱しておくと、成形後の冷却による熱収縮代は胴部成形型32よりもリベット1の方が大きいため、リベット1は胴部成形型32に拘束される力が小さくなって容易に取り出せる。
押出材31を塑性変形させて頭部2を成形する工程では、塑性変形は頭部2以外にも伝播する。即ち頭部2の歪は20%以上と相当に大きいので、首下部6においても2〜5%程度の小さな歪が生ずる。従って、各部位の蓄積歪量の異なるものを前記溶体化処理温度の如く再結晶化温度以上に加熱すれば再結晶化開始時期も異なり、小さな蓄積歪の部位にはサイズの大きい再結晶粒が発生するし塑性加工自体にも悪影響を及ぼす。
本発明は上述のように加工性に悪影響を及ぼす粗大再結晶粒の発生を防止したものであり、微細再結晶粒組織の押出材31を溶体化焼入処理した後で頭部2の塑性変形を行い、塑性変形後には再結晶化温度以上に加熱しないので、押出材31の結晶サイズは変わらないから、頭部2を成形した押出材31の組織は微細再結晶粒組織のまま変化せず、粗大再結晶粒の存在しない締結具が得られる。
本発明に係る組成の押出材は常温時効速度が遅いので、頭部2の成形は溶体化焼入処理後の任意の時点で行うことができる。
表1に示す組成の325mmφビレットを一般的なDC鋳造法によって準備し、均質化処理480℃×5時間保持、320℃加熱−押出比36で押出加工、溶体化処理495℃×2時間保持−水焼入、頭部成形(成形時押出材が室温のものと170℃に加熱したもの)を、表2に示したように本発明の工程順および比較例の工程順で行ない、図1に示す形状のリベットを得た。成形金型は図2に示す如く、胴部が割型でない一体成形できる金型を使用した。
押出材の寸法、リベットの寸法は下記のとおりである。
<押出材の寸法> 21.8mmφ
<リベットの寸法> 頭部高さ15.5mm、首直径35mm、胴部直径22.2mm、首下から胴部端まで100mm。
このようにして得たリベットについて、以下の測定を行なった。
<強度、伸び>
サンプル位置…頭部2〜胴部4にかけて、長さ70mm、径10mmの部位を測定した。
<再結晶粒径>
サンプル位置…首下部6の胴芯中央部(図1のX部:一辺10mm)を光学顕微鏡で観察した。本発明例は5視野、比較例は3視野の平均値を再結晶粒径とした。結晶粒径Dは、該結晶粒を円相当形とみなし、視野面積Sを結晶粒個数Nで除して算出した。即ち前記視野面積SはS=π(D/2)2 ×Nで表わせるから、結晶粒径Dは、D=sqrt(4S/(πN))の式で求めた。最大粒径dは、視野内で最大結晶粒を目視選定し、該結晶粒を円相当形とみなし、プラニメーターで面積sを測定し算出した。即ち前記最大結晶粒の面積sはs=π(d/2)2 で表わせるから、最大粒径dは、d=sqrt(4s/π)の式で求めた。
本発明例の粒径測定試料は溶体化焼入処理後170℃に一旦加熱したものであり、比較例の試料はこの加熱を行なっていない。X部の代表的な金属組織のスケッチ図を図4に示す。
測定時期は頭部成形後10日目とした。
<胴部の型抜け性>
図2に示す一体成形できる金型を用いて成形し、型抜き時の押抜ピン34にかけた押抜力で示す。
<固定部13の健全性>
前記と同様のリベットを用い、従来方法で製造されたリベットは粗大結晶粒の存在する長さ方向位置で切断し、また本発明方法で製造されたリベットは従来方法で製造されたリベットと同じ長さ方向位置で切断した。これらのリベットを用い図2に示す構造物8を製作し、固定部13の割れ発生の有無を目視で調べた。
結果を表3に示す。
Figure 2006057123
Figure 2006057123
Figure 2006057123
表3の結果から、押出し材を溶体化焼入処理した後に、塑性変形による頭部成形を行なった本発明例(試料番号1,2)は、粗大結晶粒の発生し易いX部位において、図4(A)に金属組織のスケッチ図で示したように結晶粒径(円相当径)150μm以下の微細粒組織が得られており、締結具の製造方法として優れた方法であることが判る。
また、本発明例(試料番号1,2)は、図5(A)に示されるように固定部13の割れ発生も無く、特にリベットの製造方法として優れた方法であることが判る。
また、押出材の頭部成形時、該押出材を170℃に加熱して成形する方法(試料番号1)は、室温で成形する方法(試料番号2)より押抜力が低く、作業性の良好な方法であることが判る。
一方、押出材を塑性変形により頭部成形した後に、溶体化焼入処理を行なった比較例(試料番号3)は、粗大結晶粒の発生し易いX部位において、図4(B)に金属組織のスケッチ図で示したように粗大再結晶粒組織となり、締結具の製造方法として好ましくなく、しかも図5(B)に示されるように固定部13に割れ14が発生してしまい、リベットの製造方法としても好ましくない方法であることが判る。
本発明は、押出時ままの微細再結晶組織を有する締結具が製造できるので、種々の部材を締結して構造物として使用しても振動や衝撃に十分に耐える締結具の有効な製造方法である。
図1は、本発明に係るアルミニウム合金製締結具としてのリベットの一例を示す(A)縦断面図および(B)下面図である。 図2は、複数の被締結材をリベットで締結して構成した構造物の側面図である。 図3は、リベットの頭部成形を行なう成形型の1例を示す正面図である。 図4は、(A)本発明例および(B)比較例について、リベットの首下部中央部分Xにおける金属組織を示すスケッチ図である。 図5は、(A)本発明例および(B)比較例について、リベット尾部を塑性変形させて形成した固定部のスケッチ図である。
符号の説明
1 リベット
2 頭部
3 首部
4 胴部
5 尾部
6 首下部
7 胴芯
8 構造物
9 被締結材
10 締結孔
12 長手方向
13 固定部
14 割れ
16 粗大結晶粒が発生し易い領域
19 添接板
31 押出材
32 胴部成形型
33 型受台
34 押抜ピン
35 頭部成形型
36 胴部成形孔
37 頭部成形用キャビティー

Claims (3)

  1. wt%で、
    Cu:2.2〜3.0%、および
    Mg:0.20〜0.50%
    を含有するアルミニウム合金鋳塊を均質化する均質化処理工程、
    前記均質化処理を施した前記鋳塊を押出加工する押出工程、
    前記押出加工して得られた押出材を溶体化し焼入する溶体化焼入処理工程、および
    前記溶体化焼入処理した押出材を塑性変形させて頭部を成形する頭部成形工程
    を含むことを特徴とするアルミニウム合金製締結具の製造方法。
  2. 前記溶体化焼入処理した押出材を100〜200℃の温度に加熱して前記塑性変形させて前記頭部を成形することを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金製締結具の製造方法。
  3. 前記締結具がリベットであることを特徴とする請求項1または2記載のアルミニウム合金製締結具の製造方法。
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