JP2006055690A - 複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム - Google Patents
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Abstract
【課題】空調機器の排水管に継続的かつ簡便に目詰まり防止剤を自動的に注入するシステムを提供する。
【解決手段】1つの圧力調節機構(薬液槽と、薬液槽から液体微量チューブへ薬液を供給するためのポンプと、圧力調節弁を備え、配管内の圧力を一定に保つ機構)に対して、複数の液体微量供給チューブ(圧力に応じて一定流量の液体が流れるチューブ)を備えたことを特徴とする複数の空調機の排水管へ薬液を同時に注入するシステム。
【選択図】図1
【解決手段】1つの圧力調節機構(薬液槽と、薬液槽から液体微量チューブへ薬液を供給するためのポンプと、圧力調節弁を備え、配管内の圧力を一定に保つ機構)に対して、複数の液体微量供給チューブ(圧力に応じて一定流量の液体が流れるチューブ)を備えたことを特徴とする複数の空調機の排水管へ薬液を同時に注入するシステム。
【選択図】図1
Description
本発明は、空調機器の排水管の目詰まり防止剤を自動注入するシステムに関するものである。
空調機器の運転を継続すると、凝縮水の受け皿(ドレンパン)や排水管において微生物の発生に起因するスライム等が付着し、排水管が目詰まりしてドレンパンから凝縮水があふれるトラブルがしばしば発生する。これを防止するためにスライム防止剤や洗浄剤をドレンパンや排水管に注入する方法が知られているが、特に天井埋込型の空調機への薬液の注入作業は非常に煩雑である。
ここで、排水容器の底部に逆止弁および連結器を設置して着脱自在の注入器により排水処理剤を注入して洗浄する方法が提案されているが(特許文献1参照)、多数の空調機を有するビル等においては、作業時間や手間は膨大である。また、この方法は、ドレンパンからのドレンをいったん貯留させるいわゆるサブドレンパンにしか適用できず、特に小型空調機の熱交換器直下にあるドレンパンには適用できない。
薬液を複数の供給先に同時に供給する方法としては、たとえば1台のポンプを用いて薬液を複数の配管に供給し、分岐配管ごとにバルブを設けて流量を調節する方法が考えられる。しかし、各配管に流量調節弁を設置することは、設置およびメンテナンスが煩雑であるとともに経済的にも好ましくない。
一方、固形物の徐放性抗菌剤を結露水で溶解させることによりドレンパンのスライム防止を行う方法が提案されているが(特許文献2参照)、抗菌剤の残り具合を確認するのが困難であるとともに、抗菌剤の固形物自体がドレン管の閉塞を引き起こす可能性がある。
特開2000−329372号公報
特開2003−286113号公報
本発明の目的は、従来技術における上記したような課題を解決し、空調機の排水管に継続的かつ簡便に目詰まり防止剤を注入する方法を提供することにある。
本発明者らは、多数の空調機の排水管に自動的に薬液を注入するシステムについて鋭意研究を重ねた結果、液の圧力調節機構と特定の液体微量供給チューブを組み合わせれば、複数の排水管に定量的に薬液を注入しうることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は、薬液供給のための1つの圧力調節機構に対して、複数の液体微量供給チューブを備えたことを特徴とする、複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システムに関するものである。
本発明により、目詰まり防止剤を多数の空調機の排水管に継続的に確実に注入できるようになり、ドレンパンからの溢水トラブルを防ぐことができる。
本発明における圧力調節機構は、大気圧よりも加圧できれば特に制限は無い。たとえば、薬液槽と液体供給ポンプと圧力調節弁の組合せでよく、薬液を注入する場所より高い位置に薬液槽を置くことでもよい。特に、薬液槽と、薬液槽から液体微量チューブへ薬液を供給するためのポンプと、圧力調節弁との組合せにおいて、ポンプから薬液槽への戻りラインを設け、戻りライン上に圧力調節弁を設置する方法が、容易に圧力を調節することができることから好ましい。
また、タイマーによりポンプを断続的に動作させて、薬液の注入を間欠的に行うこともできる。注入を間欠的に実施する場合は、停止中の液の逆流を防止するために逆流防止機能を持ったポンプを用いるか、圧力調節機構と液体微量供給チューブの間に自動開閉弁を設置することが好ましい。自動開閉弁を設置する場合、自動開閉弁の設置個数を最小限化するために、各空調機向けにラインが分岐される前に自動開閉弁を設置することが好ましい。たとえば、空調機の設置場所が異なる階にまたがる場合等、注入位置の高低差が大きいときは、注入位置の高さ(階数)ごとに自動開閉弁を設置し、それぞれの自動開閉弁を開く時間をずらすことが好ましい。
供給する薬液にかける圧力は、液体微量供給チューブとの組合せにより目的の薬液供給速度が得られるように調節すればよい。一般には圧力を1000kPa以下とし、1つの空調機への液体供給速度を0.05〜50ml/分とすることが好ましい。
本発明における液体微量供給チューブとしては、大気圧下では液体が流れず一定の圧力がかかると液体が流れるものであればよく、毛細管作用を有する部材を用いることができる。毛細管作用を有する部材としては、たとえば、液体の流動抵抗があり、天然繊維、合成繊維あるいは再生繊維からなる不織布、編織物等の紐状物あるいは帯状物を熱可塑性樹脂で被覆したものが使用できる。また、断面開孔形状が極細の円形あるいは異形である熱可塑性樹脂により形成されたチューブを使用することもできる。
本発明においては、1つの圧力調節機構で多数の空調機の排水管への薬剤の供給速度を調節することができる。各空調機の能力・規模が同じかつ同一の高さに設置されている場合は、同一形状・長さの微量供給チューブを用いることで、各空調機への薬剤の供給速度をほぼ一定にすることができる。
各空調機の能力・規模が異なる場合、それに応じて各空調機向けの薬剤供給速度を変える必要が生じる場合がある。その場合、各液体微量供給チューブの種類あるいは長さを変えることで、空調機ごとに異なる薬剤供給速度とすることが可能である。また、各空調機の設置高さが異なる場合等も、やはり各液体微量供給チューブの種類あるいは長さを変えて供給速度を調節することができる。
本発明のシステムにおいては、圧力調節機構に接続された1本の配管から各空調機向けの配管を分岐し、分岐配管に液体微量供給チューブを取り付けることができるので、狭い天井裏等での施工も簡便である。また、液体微量供給チューブの作用により供給配管全体の圧力をほぼ一定に保つことができるので、各空調機への薬液の供給速度の制御がしやすい。
さらに、本発明のシステムにおいては、ドレンパン付近に薬剤タンクやバルブを設置する必要が無いので、天井埋込型や壁掛け型の小型空調機のドレンパンにも薬剤を注入することができる。
本発明のシステムにより注入する薬剤としては、排水管の目詰まりを防止あるいは除去するものとして一般的なスライム防止剤、スケール防止剤、防食剤、洗浄剤等を用いることができる。特に抗菌作用を持つ化合物、たとえば、第4級アンモニウム基、ホスホニウム基、ホスホン基から選ばれた1種または2種以上の基を有する化合物を含有することが好ましい。
試験に使用した装置の概略を図1に示す。薬液タンク1内に排水管用目詰まり防止剤を貯蔵する。ポンプ2を起動するとともに電磁弁(自動開閉弁)3を開くと、配管4・5内の圧力が次第に上昇し、背圧弁(圧力調節弁)6の設定圧力に達すると液体微量供給チューブ7から目詰まり防止剤が定量的に各空調機のドレンパン8に供給される。
上記装置を天井埋込型空調機(冷房能力11.2kW)4台と壁掛け型空調機(冷房能力2.2kW)23台を有する建物に設置し、薬液タンク1に4級アンモニウム塩系の抗菌剤成分を含有するスライム抑制剤20.0kgを仕込んだ。タイマーにより、1日に1回3分間ポンプ2を起動させると同時に、電磁弁3を開くように設定し、背圧弁6の設定圧力を127kPaとした。天井埋込型空調機のドレンパンに対しては、液体微量供給チューブ7として、断面開孔形状が異形で外径2.5mmの熱可塑性樹脂により形成されたチューブで、液体の流動抵抗があり長さ200mmのもの(圧力127kPaのときの流量3.8g/分)を用いた。壁掛け型空調機のドレンパンに対しては、液体微量供給チューブ7として、断面開孔形状が異形で外径2.5mmの熱可塑性樹脂により形成されたチューブで、液体の流動抵抗があり長さ300mmのもの(圧力127kPaのときの流量1.7g/分)を用いた。
3ヵ月後の薬液タンク1中の残存液量は6.0kg(全空調機に対する1日あたりの平均液注入量0.16kg)であり、すべてのドレンパン8およびドレン管9においてスライムの発生は見られず、ドレン水の溢水も無かった。
1 薬液タンク
2 ポンプ
3 電磁弁
6 背圧弁
7 液体微量供給チューブ
8 空調機ドレンパン
9 ドレン管
2 ポンプ
3 電磁弁
6 背圧弁
7 液体微量供給チューブ
8 空調機ドレンパン
9 ドレン管
Claims (7)
- 薬液供給のための一つの圧力調節機構に対して、複数の液体微量供給チューブを備えたことを特徴とする複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム。
- 圧力調節機構と液体微量供給チューブの間に自動開閉弁を備え、注入を間欠的に行うことを特徴とする請求項1記載の複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム。
- 圧力調節機構が、薬液槽と、薬液槽から液体微量チューブへ薬液を供給するためのポンプと、圧力調節弁とからなり、圧力調節弁がポンプから薬液槽への戻りライン上にあることを特徴とする請求項1記載の複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム。
- 最大1000kPaまでの加圧下で、1つの空調機への液体供給速度を0.05〜50ml/分とすることを特徴とする請求項1記載の複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム。
- 液体微量供給チューブが毛細管作用を有することを特徴とする請求項1記載の複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム。
- 薬液が第4級アンモニウム基、ホスホニウム基、ホスホン基から選ばれた1種または2種以上の基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム。
- 請求項1の複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システムを利用した空調機の排水管の目詰まり防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004237250A JP2006055690A (ja) | 2004-08-17 | 2004-08-17 | 複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム |
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JP2004237250A JP2006055690A (ja) | 2004-08-17 | 2004-08-17 | 複数の空調機の排水管への薬液の同時注入システム |
Publications (1)
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Family
ID=36103614
Family Applications (1)
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-08-17 JP JP2004237250A patent/JP2006055690A/ja active Pending
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