JP2006054978A - モータのサーボ駆動方法 - Google Patents

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Jiro Hayashi
治郎 林
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Abstract

【課題】本発明は、モータの軸受の温度を検出して最適な可変ゲインと可変時定数を用いて、温度に関係なくモータを起動させることを目的とする。
【解決手段】本発明によるモータのサーボ駆動方法は、軸受温度(31)に応じた摩擦係数(12)及び粘性係数(10)を取り込んで得られた可変ゲイン(K)及び可変時定数(Ts)をパラメータとしてサーボ系(50)に入力し、温度に関係のないモータ(M)の起動を行う方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸受の温度を検出し、その温度に最適な摩擦係数及び粘性係数に基づくゲイン推定及び時定数推定により得た可変ゲイン及び可変時定数を用いてサーボ系を駆動し、温度の高低に関係なくモータを駆動できるようにするための新規な改良に関する。
従来、用いられていたこの種のモータのサーボ駆動方法としては、特許文献は開示していないが、軸受の低温時の摩擦、粘性特性変化に対しては、軸受にヒータを取付け、一定温度になるまではモータを駆動させないようにしていると共に、サーボ特性の悪化を所定の温度に達するまでは、許容することになっていた。
従来のモータのサーボ駆動方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、軸受の温度が一定値に達するまでは、モータを駆動させないため、例えば、空間安定装置等の高精度が要求されるサーボ系システムにおいては、電源投入後、所定時間経過するまでは、駆動することができず、迅速な立上りが要求される機器には適用が困難であった。
本発明によるモータのサーボ駆動方法は、モータの軸受をヒータで加熱し、前記モータを駆動するサーボ系に前記軸受の軸受温度を用いるようにしたモータのサーボ駆動方法において、前記軸受温度に基づいて選択した摩擦係数及び粘性係数をゲイン推定部及び時定数推定部に入力し、前記ゲイン推定部から得た可変ゲイン及び前記時定数推定部から得た可変時定数を前記サーボ系に用いることにより、前記軸受の温度に関係なく前記モータを駆動する方法であり、前記摩擦係数及び粘性係数は、予め設定された摩擦テーブル及び粘性テーブルに複数種記憶されている方法である。
本発明によるモータのサーボ駆動方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、軸受温度を測定することにより、軸受の摩擦(静摩擦)及び粘性の各トルク値を推定し、その温度に最適なサーボパラメータ(可変ゲイン、可変時定数)を用い、使用温度範囲内での精度を一定に保つことができる。
また、温度に関係なくモータの立上げを行うことができる。
本発明は、軸受温度に基づいて軸受の摩擦及び粘性の各トルク値を推定し、その温度に最適なサーボパラメータを与えることにより、使用温度範囲内での精度を一定に保つようにすることを目的とする。
以下、図面と共に本発明によるモータのサーボ駆動方法の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号1で示されるものは図3のレゾルバRS付きのモータMに速度指令2が入力される加算器であり、前記加算器1の出力は第1減算器3及び電流補償4を経て1/R+Ls(Rはモータの抵抗、Lsは巻線のインダクタンス)、KT(トルク定数)を経て第2減算器5へ入力される。
前記第2減算器5の出力は、1/JS(Jはイナーシャ)、ねじり6(剛性定数)及び積分器7をR/D変換器8に入力され、前記1/JSの出力側の速度9は後述の粘性係数10を経て第2減算器5に入力され、前記ねじり6の出力11は後述の摩擦係数12を経て第2減算器5に入力されている。
前記R/D変換器8の出力Vel(軸回りの速度)は、J・S(Jはイナーシャ)にてトルクを電流に変換(すなわち、トルクオブザーバ)して第3減算器13に入力される。
前記加算器1の出力は、KT/KIを経て第3減算器13に入力され、この第3減算器13の出力13aは、1/1+Ts(Tsは可変時定数)及びK(可変ゲイン)を経て前記加算器1へ入力されている。
また、前記1/R+Lsの出力20は、KI(電流定数)を経て第1減算器3に入力されている。
前記粘性係数10及び摩擦係数12は、図2で示されるゲイン及び時定数算出処理系30で得られるように構成され、モータの軸受(図示せず)で検出された軸受温度31は摩擦テーブル32及び粘性テーブル33が収納された記憶部34であり、この摩擦テーブル32には複数種の軸受温度31に対応して予め設定された複数の摩擦係数12が記憶されている。
また、前記摩擦テーブル32には、複数種の軸受温度31に対応して予め設定された複数の粘性係数10が記憶され、検出された軸受温度31によって自動的に摩擦係数12及び粘性係数10が読み出されてゲイン/時定数演算部35に入力されるように構成されている。
前記ゲイン/時定数演算部35には、ゲイン推定部36及び時定数推定部37が設けられており、各々摩擦係数12と粘性テーブル33が同時に入力され、前記軸受温度31に対応した最適の可変ゲインK及び可変時定数Tsが前記各推定部36及び37から出力される。
従って、モータMに対して電源をオンとすると、図1に示されるモータMのサーボ系50に対して、その時の軸受M,Mの温度センサTH,THで検出した軸受温度31に最適な摩擦係数12及び粘性係数10が入力され、各推定部36、37から得られた可変ゲインK及び可変時定数Tsが適用されてサーボ駆動が行われ、モータは温度に関係のない起動を行うことができる。
本発明は、大型、小型に拘わらず全種類のモータの駆動に適用可能である。
本発明によるモータのサーボ駆動方法を示すブロック図である。 図1の要部を示す具体的ブロック図である。 本発明のモータの軸受を示す概略構成図である。
符号の説明
1 加算器
2 速度指令
3 第1減算器
4 電流補償
5 第2減算器
6 ねじり
8 R/D変換器
10 粘性係数
12 摩擦係数
13 第3減算器
K 可変ゲイン
Ts 可変時定数
30 ゲイン及び特定数算出処理系
31 軸受温度
32 摩擦テーブル
33 粘性テーブル
34 記憶部
35 ゲイン/時定数演算部
36 ゲイン推定部
37 時定数推定部
M モータ
,M 軸受

Claims (2)

  1. モータ(M)の軸受(M1,M2)をヒータで加熱し、前記モータ(M)を駆動するサーボ系(50)に前記軸受(M1,M2)の軸受温度(31)を用いるようにしたモータのサーボ駆動方法において、 前記軸受温度(31)に基づいて選択した摩擦係数(12)及び粘性係数(10)をゲイン推定部(36)及び時定数推定部(37)に入力し、前記ゲイン推定部(36)から得た可変ゲイン(K)及び前記時定数推定部(37)から得た可変時定数(TS)を前記サーボ系(50)に用いることにより、前記軸受(M1,M2)の温度に関係なく前記モータ(M)を駆動することを特徴とするモータのサーボ駆動方法。
  2. 前記摩擦係数(12)及び粘性係数(10)は、予め設定された摩擦テーブル(32)及び粘性テーブル(33)に複数種記憶されていることを特徴とする請求項1記載のモータのサーボ駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012130160A (ja) * 2010-12-15 2012-07-05 Fujitsu Ltd 摩擦補償方法、モータ制御方法、摩擦補償装置、及びモータ制御装置

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