JP2006054200A - El素子 - Google Patents

El素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2006054200A
JP2006054200A JP2005313673A JP2005313673A JP2006054200A JP 2006054200 A JP2006054200 A JP 2006054200A JP 2005313673 A JP2005313673 A JP 2005313673A JP 2005313673 A JP2005313673 A JP 2005313673A JP 2006054200 A JP2006054200 A JP 2006054200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
light emitting
blue
conversion layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005313673A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawamura
義裕 河村
Tomoyuki Shirasaki
友之 白嵜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP2005313673A priority Critical patent/JP2006054200A/ja
Publication of JP2006054200A publication Critical patent/JP2006054200A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】色発光のエネルギー効率が良好で、かつ色純度の高い表示が行える有機EL素子を提供する。
【解決手段】ガラス基板12の背面に、赤色表示部分に赤色フィルタ層13を、緑色表示部分に緑色フィルタ層14を配置し、これらのフィルタ層を覆うように第1保護膜17Aが平坦に形成され、赤色フィルタ層13に対応する位置の第1保護膜17Aには青・赤色変換層15を積層し、緑色フィルタ層14に対応する位置の第1保護膜17Aには青・緑色変換層16を積層して形成する。そして、これらの表示部分に発光領域が対応するように、青色発光を行う有機発光層19の前面に透明電極18を所定方向に沿って形成すると共に、背面に背面電極20を透明電極18に交差するように形成する。このような構成とすることにより、発光領域で発生した青色光は、色変換層で赤色や緑色の光に変換され、色変換層が対応して配置されていない発光領域では、そのまま青色光が表示光として発生する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、EL素子に関し、さらに詳しくは、効率のよいカラー表示を行うEL素子に関する。
従来、EL素子には有機材料からなる有機EL素子があり、図17に示すような構成のものが知られている。このEL素子は、透明なガラス基板1の後面に赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ2R、2G、2Bが配置され、保護膜3を介して複数の前面電極4が所定方向に平行に配置され、前面電極4に対して有機発光層5を介して直交する背面電極6が複数設けられた構成となっている。この有機発光層5は、R、G、Bの蛍光材料がランダムかつ均一に分散されており、電界の印加により白色光を発生するように設定されている。また、前面電極4と背面電極6とが交差するドット部分とカラーフィルタ2R、2G、2Bのそれぞれとが対応するような配置となっている。すなわち、前面電極4と背面電極6との間に電界を印加すると、両電極が交差するドット部分の有機発光層5でキャリアの再結合に起因して発光が起こるが、この光が対応するカラーフィルタに入射するように位置設定されている。
上記した従来の有機EL素子では、R、G、Bの各カラーフィルタを用いてカラー表示を行うため、必然的に有機発光層5の発光色を白色にしなければならないが、有機材料の白色蛍光体では、R蛍光材料とG蛍光材料とが混合されているので、無輻射の遷移を生じる確立が高くなるため、良好な変換効率を得ることが困難であるという問題があった。また、白色光をカラーフィルタに通してR、G、B光を生じさせる手法では、原理的にR、G、Bの各カラーフィルタでは、それぞれ白色光の波長域のうちR、G、Bの波長域を除く波長域の成分を概ね吸収してしまうので、有機発光層5での発光輝度に対しカラーフィルタから出射される表示光の輝度がかなり低くなってしまっていた。このような理由から、図17に示した有機EL素子では、エネルギー効率の高い表示を実現することは極めて困難であった。
また支持基板上に設けられた有機EL素子と、支持基板との間で有機EL素子を挟み込むように張り合わせた透明ガラス基板と、その後、透明ガラス基板上に形成された蛍光体層と、で構成された発光装置によって多色発光することが示されている(特許文献1参照。)。
特開平8−222369号公報
特許文献1に記載されている構造では、有機EL素子の光を蛍光体層に入射させるために、蛍光体層側の有機EL素子の電極を透明電極としなければならなかった。透明電極は仕事関数が高く電子注入性の点で劣るので陽極として用いなければならず、陰極は必然的に支持基板側に配置されることになる。つまり、支持基板上に陰極を形成後、発光層、透明陽極を順次形成することになる。ところで、陰極は仕事関数が低いほど電子注入性に優れると同時に酸化されやすい傾向があるために、発光層、透明陽極の成膜プロセス中に雰囲気に含まれる酸素、水によって酸化される恐れがあり、酸化が進行した陰極では電子が注入されず発光面積が小さくなってしまうという問題があった。
この発明が解決しようとする課題は、良好に発光できかつ色純度の高い表示を可能にする有機EL素子を得るにはどのような手段を講じればよいかという点にある。
請求項1記載の発明は、発光層の前面に透明電極が形成され、かつ該発光層の背面に当該発光層を挟んで前記透明電極に対向して複数の発光領域を形成する背面電極が形成されると共に、前記発光領域のうち所定の発光領域の発光層で発生した光の波長変換を行って変換光を透過させる色変換層が前記所定の発光領域に位置する前記透明電極の前方に対応するように配置され、当該色変換層の前方に前記変換光の透過波長域を制限する色フィルタ層が前記色変換層に対応するように配置され、基板の一方の面に、前記色フィルタ層、前記色フィルタ層を覆うように形成された一の保護膜、前記色変換層、前記色変換層を覆うように形成された他の保護膜、前記透明電極、前記発光層、前記背面電極の順に積層されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明においては、基板上の一方の面に、色フィルタ層、色変換層を配置させ、この上側に色変換層に光を照射する有機発光層を配置させるので、透明電極は、有機発光層に対して基板側に位置し、背面電極を有機発光層に対して基板の反対側に位置させている。このため、基板上に、色フィルタ層、色フィルタ層を覆うように形成された一の保護膜、色変換層、前記色変換層を覆うように形成された他の保護膜、透明電極、有機発光層、背面電極の順に形成できるので、つまり、発光層、透明陽極の製造プロセス中の雰囲気が酸素、水を含んでいたとしてもその後に背面電極を成膜するので、背面電極は酸化されにくく、良好に発光できるといった効果をもたらす。そして、有機発光層の発光領域から発生した光の波長を色変換層で効率的に変換して色変換を行うことができる。また、色フィルタ層が色変換層の前方に配置されているため、色変換された光の色純度を高める作用を奏することができる。
請求項2記載の発明は、前記発光領域に対応する色変換層は複数の色の種類に応じて複数あることを特徴としている。請求項3記載の発明は、前記色変換層が、前記発光領域の発光層から入射する光の波長を長波長側へ変換させることを特徴としている。請求項4記載の発明は、前記発光層で発光する光は青色光であり、前記色変換層は青色光を赤色光に変換する第1変換層と青色光を緑色光に変換する第2変換層との2種類が存在すると共に、前記色変換層が配置されない前記発光領域が存在し、前記第1変換層に対応するように特定波長域の赤色光のみを透過させる第1色フィルタ層が配置され、前記第2変換層に対応するように特定波長域の緑色光のみを透過させる第2色フィルタ層が配置され、前記色変換層が対応して配置されない前記発光領域の前方には特定波長域の青色光のみを透過させる第3フィルタ層が配置されていることを特徴としている。
請求項2〜4に記載された発明によれば、多色表示が可能でエネルギー効率の高い表示を行えるEL素子の実現が可能となる。
この発明によれば、エネルギー効率が良好でかつ色純度の高い表示を可能にするEL素子を実現できるという効果を奏する。
以下、この発明に係る有機EL素子の詳細を図面に示す各実施形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る有機EL素子の実施形態を示す断面図である。本実施形態は、有機発光層の発光領域がマトリクス状に配置された有機EL素子に本発明を適用したものである。発光領域は、赤色に発光する赤色発光部と、緑色に発光する緑色発光部と、青色に発光する青色発光部と、が所定の配列で隣接して配置され、この3色のドット部分で画素が構成されている。このため、本実施形態の有機EL素子は、多色表示パネルとして用いることができるものである。
以下、図1を用いて有機EL素子11の構成を説明する。まず、透明なガラス基板12の背面に、第1色フィルタ層としての赤色フィルタ層13と、第2色フィルタ層としての緑色フィルタ層14と、が所定の配列で形成されている。なお、これら赤色フィルタ層13と緑色フィルタ14とは、後記する発光領域と対応するように設定されている。赤色フィルタ層13は、赤色波長域の光を含む光を入射すると、赤色波長域の光の透過しそれ以外の波長域の光を吸収する層であり、緑色フィルタ層14は、緑色波長域の光を含む光を入射すると、緑色波長域の光の透過しそれ以外の波長域の光を吸収する層である。赤色フィルタ層13の背面には、青色の波長域の光を吸収し、より長波長域の赤色の波長域の光を発光するフォトルミネッセンス層としての青・赤色変換層15が対応するように接合して形成されている。また、緑色フィルタ層14の背面には、青色の波長域の光を吸収し、より長波長域の緑色の波長域の光を発光するフォトルミネッセンス層としての青・緑色変換層16が対応するように接合して形成されている。そして、これら色フィルタ層や色変換層が形成されたガラス基板12の背面を覆うように保護膜17が平坦に形成されている。
さらに、保護膜17の背面には、所定方向に沿ってITOでなる、複数の透明電極18が互いに平行に形成されている。なお、この透明電極18は、所定の列をなす青・赤色変換層15、青・緑色変換層16などと平面的に重なるように設定されている。さらに、保護膜17および透明電極18を覆うように、有機発光層19が背面側に形成されている。この有機発光層19は、電界が印加されることにより青色光が発生するような有機エレクトロルミネッセンス材料が用いられている。この有機発生層19の背面には、透明電極18と交差(直交)するように複数の背面電極20が形成されている。有機発光層19、背面電極20側から順にトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(以下、Alq3)からなる電子輸送層と、4,4′−ビス(2,2−ジフェニルビニレン)ビフェニル(以下、DPVBi)96wt%と4,4′−ビス(2−カルバゾールビニレン)ビフェニル(以下、BCzVBi)4wt%とからなる発光層と、N,N′−ジ(α−ナフチル)−N,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(以下、α−NPD)からなる正孔輸送層と、から構成されている。
以下にAlq3、DPVBi、BCzVBi、α−NPDの構造式を示す。

Figure 2006054200

Figure 2006054200

Figure 2006054200

Figure 2006054200

なお、本実施形態では、背面電極20を光反射性を有しかつ有機発光層19にキャリアを注入し易い性質をもつメタル材料(例えば、MgIn、AlLiなど)で形成した。これら背面電極20と透明電極18との交差部分の有機発光層19は、電界が印加されると発光する発光領域となる。上記した青・赤色変換層15や青・緑色変換層16は、発光領域と対応する配置となるように設定されている。上記した本実施形態の有機EL素子11では、発光領域と青・赤色変換層15とが平面的に重なる部分と、発光領域と青・緑色変換層16とが平面的に重なる部分と、発光領域に対して色変換層が重ならない部分と、の3つのドット部分が形成されている。すなわち、発光領域と青・赤色変換層15とが平面的に重なる部分では、赤色の発光表示を行うことができ、発光領域と青・緑色変換層16とが平面的に重なる部分では、緑色の発光表示を行うことができ、発光領域に対して色変換層が重ならない部分では青色の発光表示を行うことができる。このため、これら3つのドット部分の発光を制御することにより、自発光多色表示を行うことが可能となる。
次に、上記した有機EL素子11の作用・動作について説明する。
まず、青・赤色変換層15に対応する発光領域で発光が起こるように透明電極18と背面電極20とが選択された場合は、有機発光層19の発光領域に電界が印加されることにより、青色光がその発光領域で発生する。この青色光は、透明電極18および保護膜17を透過して青・赤色変換層15に入射する。この青色光は、青・赤色変換層15に吸収され、新たに青・赤色変換層15では赤色光を発生させる。この赤色光は、赤色フィルタ層13を透過することにより、赤色の色純度が高められる。この赤色光は、ガラス基板12を透過して表示光として前方に出射される。赤色フィルタ層13は、特定の赤色波長域のみを透過し、その他の波長域の光を吸収するが、赤色フィルタ層13に入射される光は、主に赤色の波長域を主体とした光なので、赤色フィルタ層13の光吸収は少なく、表示光の輝度は高いものとなる。
また、青・緑色変換層16に対応する発光領域で発光が起こるように透明電極18と背面電極20とが選択された場合は、有機発光層19の発光領域に電界が印加されることにより、青色光がその発光領域で発生する。この青色光は、透明電極18および保護膜17を透過して青・緑色変換層16に入射する。この青色光は、青・緑色変換層16に吸収され、新たに青・緑色変換層16では緑色光を発生させる。この緑色光は、緑色フィルタ層14を透過することにより、緑色の色純度が高められる。この緑色光は、ガラス基板12を透過して表示光として前方に出射される。緑色フィルタ層14は、特定の緑色波長域のみを透過し、その他の波長域の光を吸収するが、緑色フィルタ層14に入射される光は、主に緑色の波長域を主体とした光なので、緑色フィルタ層14の光吸収は少なく、表示光の輝度は高いものとなる。
さらに、色変換層が対応して配置されない部分の発光領域で発光が起こるように透明電極18と背面電極20とが選択された場合は、有機発光層19の発光領域に電界が印加されることにより、青色光がその発光領域で発生する。この青色光は、透明電極18、保護膜17およびガラス基板12を透過して前方に表示光として出射される。なお、各ドット部分において、青色光が背面電極20側に向けて出射しても背面電極20自体に光反射性があるため、青色光を前方に向けて反射させることができ、光の利用効率を高めることができる。
本実施形態では、上記した3つのドット部分の色表示を制御することにより、加法混色を行うことができ、多色表示またはフルカラー表示を行うことが可能となる。特に、本実施形態では、有機発光層19の発光色が青色であるため、従来の白色発光を利用したRGB発光システムに比較してエネルギー効率を大幅に高めることができる。また、本実施形態においては、赤色表示ドット部分に赤色フィルタ層13を、緑色表示ドット部分に緑色フィルタ層14を、配置したことにより、仮に青色発光の輝度を高くした結果、各色変換層を透過する青色光が発生した場合にも赤色フィルタ層13や緑色フィルタ層14が配置されているため、これらのフィルタで青色光を吸収させることができる。このため、これらの部分では表示を見る観察者側に青色光が視認されることがなく、色純度の高い表示が可能となる。
(実施形態2)
図2は、本発明に係る有機EL素子の実施形態2を示す断面図である。本実施形態の有機EL素子11の構成は、有機EL素子11の色変換層が対応して配置されないドット部分の発光領域に対応するように、ガラス基板12の背面に青色の波長域の光を透過し、他の可視光波長域の光を吸収する青色フィルタ層21を形成したものであり、他の構成は上記実施形態1と同様である。
本実施形態においては、有機発光層19で発光した青色光を青色フィルタ層21を透過させることにより、表示光としての青色の色純度をより高めることが可能となる。他の作用・動作は上記実施形態1と同様である。
(実施形態3)
図3は、本発明に係る有機EL素子の実施形態3を示す断面図である。本実施形態は、ガラス基板12の背面に、赤色フィルタ層13、緑色フィルタ層14、青色フィルタ層21が配置・形成され、ガラス基板12およびこれらフィルタ層を覆うように第1保護膜17Aが平坦に形成され、さらにこの第1保護膜17Aの背面に青・赤色変換層15および青・緑色変換層16が配置・形成されこれらを覆うように第2保護膜17Bが形成されている。さらに、第2保護膜17Bの背面には、上記実施形態1および実施形態2と同様に透明電極18、有機発光層19、および背面電極20が形成されている。
本実施形態においては、色フィルタ層を覆う第1保護膜17Aと色変換層を覆う第2保護膜17Bを形成することにより、各色フィルタ層の透過特性を互いに均一にさせるために色フィルタ層の厚さをそれぞれ最適値に設定することにより発生する凸凹を補償することができ、またフィルタ層とガラス基板12との段差を第1保護膜17Aで平坦化でき、色変換層と第1保護膜17Aとの段差を第2保護膜17Bで平坦化できるため、素子全体としての平坦化を達成することができる。また、平坦化を達成することにより、色変換層の寸法精度を向上できるという利点がある。なお、他の作用・動作は、上記した実施形態1および実施形態2と同様である。
(実施形態4)
図4は、本発明に係る有機EL素子の実施形態4を示す断面図である。本実施形態では、同図に示すように、ガラス基板12の前面に赤色フィルタ層13、緑色フィルタ層14、青色フィルタ層21が配置され、ガラス基板12の前面およびこれらのフィルタ層を覆うように第1保護膜17Aが平坦に形成されている。また、ガラス基板12の背面には、赤色フィルタ層13に対応するように配置された青・赤色変換層15と、緑色フィルタ層14に対応するように配置された青・緑色変換層16と、が形成され、ガラス基板12の背面およびこれら光変換層を覆うように第2保護膜17Bが平坦に形成されている。そして、この第2保護膜17Bの背面には、上記した実施形態1〜3と同様の構成で透明電極18、有機発光層19、および背面電極20が形成されている。
本実施形態では、1枚のガラス基板12の表背面にフィルタ層や色変換層を形成するため、これらの形成プロセスを簡略化することができる。
(実施形態5)
図5は、本発明に係る有機EL素子の実施形態5を示す断面図である。本実施形態では、ガラス基板12の前面に青・赤色変換層15と青・緑色変換層16とが所定の配置になるように形成され、ガラス基板12およびこれら色変換層の上に平坦な第2保護膜17Bが形成されている。この第2保護膜17Bの上には、赤色フィルタ層13、緑色フィルタ層14、および青色フィルタ層21がそれぞれ所定の位置に配置され、これらフィルタ層および第2保護膜17Bの上に平坦な第1保護膜17Aが形成されている。一方、ガラス基板12の背面には、上記した実施形態1〜4と同様の構成で透明電極18、有機発光層19、および背面電極20が形成されている。
(実施形態6)
図6は、本発明に係る有機EL素子の実施形態6を示す断面図である。本実施形態の有機EL素子11は、同図に示すようにガラス基板12の前面側に作成されている。まず、ガラス基板12の前面には、所定方向に向けて平行をなす複数の背面電極20がパターン形成されている。また、ガラス基板12および背面電極20の上には、有機発光層19が形成されている。有機発光層19の上には、背面電極20と交差(直交)するように複数の透明電極18が形成されている。さらに、有機発光層19および透明電極18の上には、第1保護膜22Aが平坦に形成されている。そして、背面電極20と透明電極18とが交差する部分(発光領域)にそれぞれ対応するように、青・赤色変換層15と、青・緑色変換層16と、が所定位置に配置されている。第1保護膜22Aおよびこれら色変換層の上には、第2保護膜22Bが平坦に形成されている。さらに、第2保護膜22Bの上には、青・赤色変換層15に対応するように赤色フィルタ層13が、青・緑色変換層16に対応するように緑色フィルタ層16が、また色変換層が配置されていない発光領域に対応するように青色フィルタ層21が、形成されている。そして、第2保護膜22Bおよびこれらフィルタ層の上には、第3保護膜22Cが平坦に形成されている。
なお、上記した本実施形態では、ガラス基板12を用いたが、電気絶縁性を有する基板であれば合成樹脂を用いてもよい。
本実施形態では、ガラス基板12を基にして、順次薄膜を積層するプロセスを繰り返すことにより有機EL素子11を製造することができる。なお、上記した第1保護膜22A、第2保護膜22B、第3保護膜22Cは、いずれかを省略してもよい。本実施形態によれば、発光した光をガラス基板12を透過させずに表示光として用いることができるため、ガラス内での光損失および屈折による視認性の悪化などの問題を解消することができる。なお、他の作用・動作は、上記した実施形態1と同様である。
(実施形態7)
図7は、本発明に係る有機EL素子の実施形態7を示す断面図である。本実施形態は、上記した実施形態2のガラス基板12の前面に、例えば紫外光等の励起光の入射を防止する励起光吸収フィルタ層23を配置した構成をもつ。なお、他の構成は、上記実施形態2と同様である。
本実施形態においては、励起光フィルタ層23を素子の最前部に配置したことにより、有機発光層19に励起光が入射して、有機発光層19の励起、発光が生ずるのを抑制することができる。このような励起、発光を抑制することにより、有機EL素子11のコントラストを向上させることができる。また、励起光の入射を防止することにより、色変換層や有機発光層19などの劣化を防止することもできる。なお、他の作用・動作ならびに効果は、上記した実施形態2と同様であるので説明を省略する。
(実施形態8)
図8は、本発明に係る有機EL素子の実施形態8を示す断面図である。本実施形態の有機EL素子の構成を同図を用いて説明する。本実施形態においては、第1ガラス基板24と第2ガラス基板25との2枚用いた構成である。まず、第1ガラス基板24の前面には、青・赤色変換層15と、青・緑色変換層16と、が所定の位置に配置されるように形成されている。また、青・赤色変換層15の上には、赤色フィルタ層13が形成されてる。さらに、青・緑色変換層16の上には、緑色フィルタ層14が形成されている。他方、第2ガラス基板25の背面には、所定方向に沿ってそれぞれ平行をなす複数の透明電極18が形成されている。第2ガラス基板25およびこれら透明電極18の背面側には、有機発光層19が形成されている。さらに、有機発光層19の背面には、この有機発光層19を挟んで透明電極18と交差(直交)する複数の背面電極20が形成されている。そして、第1ガラス基板24の背面と、第2ガラス基板25の前面と、が対向し、かつ、有機発光層19の発光領域と、色変換層などが対応するように設定されている。
本実施形態においては、第1ガラス基板24と第2ガラス基板25とを重ね合わせる際に、液晶表示装置の製造プロセスで用いられるパネル張り合わせ技術を用いることができる。これにより、本実施形態では、第1ガラス基板24と第2ガラス基板25とを、数μm程度の精度で重ね合わせることができる。
(変形例1)
なお、図9は本実施形態8の変形例1であり、第1ガラス基板24の前面の色変換層が配置されていない、発光領域に対応する位置に青色フィルタ層21を配置した構成であり、他の構成は本実施形態8と同様である。
(変形例2)
図10は変形例2を示す断面図である。この変形例2は、変形例1の色変換層とフィルタ層とをそれぞれ保護膜で覆うようにした構成である。すなわち、第1ガラス基板24の上に、青・赤色変換層15、青・緑色変換層16を所定の位置に配置させた後、これらの色変換層を覆うように、平坦な第1保護膜26が形成されている。この第1保護膜26の上には、赤色フィルタ層13、緑色フィルタ層14および青色フィルタ層21が適宜配置され、これらフィルタ層の上に第2保護膜27が平坦に形成されている。この変形例2における他の構成、すなわち第2ガラス基板25側の構成は、本実施形態8と同様である。
(変形例3)
図11は、本実施形態8の変形例3を示している。この変形例3においては、本実施形態8の第1ガラス基板24の前面側にフィルタ層を設け、背面側に色変換層を設けた構成であり、背面側が第1保護膜26で覆われ、前面側が第2保護膜27で覆われている。
(変形例4)
図12は、本実施形態8の変形例4を示している。この変形例4においては、本実施形態8の第1ガラス基板24の背面側に色変換層や色フィルタ層を設けたものであり、第2ガラス基板25と第1ガラス基板24側とを対向させた構成である。すなわち、第1ガラス基板24の背面に、赤色フィルタ層13、緑色フィルタ層14、青色フィルタ層21が配置され、これらが第2保護膜27で覆われている。また、第2保護膜27の背面に、青・赤色変換層15、青・緑色変換層16が適宜配置され、これら変換層が第1保護膜26で覆われている。
(変形例5)
図13は、本実施形態8の変形例5を示す断面図である。この変形例5は、上記変形例4の第1ガラス基板24の前面に励起光吸収フィルタ層23を配置した構成である。本実施形態においては、励起光フィルタ層23を素子の最前部に配置したことにより、有機発光層19に励起光(例えば紫外光)が入射して、有機発光層19の励起、発光が生ずるのを抑制することができる。このような励起、発光を抑制することにより、有機EL素子11のコントラストを向上させることができる。また、紫外光の入射を防止することにより、色変換層や有機発光層19などの劣化を防止することもできる。
(変形例6)
図14および図15は、本実施形態8の変形例6を示している。この変形例6における第1ガラス基板24側の構成は上記変形例4と同様であるが、これに対向する第2ガラス基板25側の構成が異なっている。すなわち、第2ガラス基板25の前面に、所定方向に沿って複数の背面電極20が形成され、第2ガラス基板25および背面電極20を覆うように有機発光層19が形成されている。また、有機発光層19の前面には、有機発光層19を挟んで背面電極20と交差する複数の透明電極18が形成されている。このような構成の第1ガラス基板24側と第2ガラス基板25側とを対向させた状態で支持するには、図15に示すように第1ガラス基板24側と第2ガラス基板25側との周縁部にシール材28を介在させて支持している。このような接合方法は、液晶表示装置の製造プロセスを用いることで可能である。このようにシール材28を用いて接合することにより、各電極や有機発光層19を外気から遮蔽することができるため、素子の劣化を抑制することが可能となる。シール材28で囲まれた内部には、窒素ガスや希ガス或いはシリコーンオイルを封入してもよい。
(実施形態9)
図16は、本発明に係る有機EL素子の実施形態9を示す断面図である。本実施形態では、フィルタ層として、ある波長を境としてそれより短波長光は吸収し、長波長光を透過させる短波長遮断型の光学的ローパスフィルタを用いている。本実施形態の有機EL素子11の構成は、上記した実施形態1における赤色フィルタ層13および緑色フィルタ層14をローパスフィルタ層29で置き換えたものである。このローパスフィルタ層29は、隣接するドット部分の青・赤色変換層15および青・緑色変換層16に共に重なるように、ガラス基板12の背面に形成されている。なお、本実施形態における他の構成は、上記した実施形態1と同様である。
本実施形態では、各色変換層の前方(観察者側)に設けたローパスフィルタ層29が青の波長帯のみ吸収し、赤や緑のより長波長側の光を透過するように設定されている。このローパスフィルタ層29を設けた理由は、高輝度表示において青色の抜けを防止し、色純度を向上することであり、このような構成では赤色(R)、緑色(G)の共通層によりこれを実現することができる。なお、青・緑色変換層16が高輝度な青色光を透過させなければ、青・赤色変換層15のみと対応するローパスフィルタ層29を設けてもよい。一般に、光学的ローパスフィルタは、バンドパスフィルタに比べ吸収端の設計が容易であり、また透過波長域の透過率を向上させることも容易であるという利点がある。
以上、実施形態1〜9を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、有機発光層19として青色光を発生させる有機EL材料を用いたが、これに限定されず適宜変更することが可能である。また、保護膜も適宜省略することが可能である。
本発明に係る有機EL素子の実施形態1を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態2を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態3を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態4を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態5を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態6を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態7を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態8を示す断面図。 実施形態8の変形例1を示す断面図。 実施形態8の変形例2を示す断面図。 実施形態8の変形例3を示す断面図。 実施形態8の変形例4を示す断面図。 実施形態8の変形例5を示す断面図。 実施形態8の変形例6を示す断面図。 実施形態8の変形例6を示す断面図。 本発明に係る有機EL素子の実施形態9を示す断面図。 従来例を示す断面図。
符号の説明
11 有機EL素子
12 ガラス基板
13 赤色フィルタ層
14 緑色フィルタ層
15 青・赤色変換層
16 青・緑色変換層
18 透明電極
19 有機発光層
20 背面電極
21 青色フィルタ層

Claims (4)

  1. 発光層の前面に透明電極が形成され、かつ該発光層の背面に当該発光層を挟んで前記透明電極に対向して複数の発光領域を形成する背面電極が形成されると共に、前記発光領域のうち所定の発光領域の発光層で発生した光の波長変換を行って変換光を透過させる色変換層が前記所定の発光領域に位置する前記透明電極の前方に対応するように配置され、当該色変換層の前方に前記変換光の透過波長域を制限する色フィルタ層が前記色変換層に対応するように配置され、基板の一方の面に、前記色フィルタ層、前記色フィルタ層を覆うように形成された一の保護膜、前記色変換層、前記色変換層を覆うように形成された他の保護膜、前記透明電極、前記発光層、前記背面電極の順に積層されていることを特徴とするEL素子。
  2. 前記発光領域に対応する色変換層は複数種類あることを特徴とする請求項1記載のEL素子。
  3. 前記色変換層は、前記発光領域の発光層から入射する光の波長を長波長側へ変換させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のEL素子。
  4. 前記発光層で発光する光は青色光であり、前記色変換層は青色光を赤色光に変換する第1変換層と青色光を緑色光に変換する第2変換層との2種類が存在すると共に、前記色変換層が配置されない前記発光領域が存在し、前記第1変換層に対応するように特定波長域の赤色光のみを透過させる第1色フィルタ層が配置され、前記第2変換層に対応するように特定波長域の緑色光のみを透過させる第2色フィルタ層が配置され、前記色変換層が対応して配置されない前記発光領域の前方には特定波長域の青色光のみを透過させる第3フィルタ層が配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のEL素子。
JP2005313673A 2005-10-28 2005-10-28 El素子 Pending JP2006054200A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313673A JP2006054200A (ja) 2005-10-28 2005-10-28 El素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005313673A JP2006054200A (ja) 2005-10-28 2005-10-28 El素子

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8331389A Division JPH10162958A (ja) 1996-11-28 1996-11-28 El素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006054200A true JP2006054200A (ja) 2006-02-23

Family

ID=36031505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005313673A Pending JP2006054200A (ja) 2005-10-28 2005-10-28 El素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006054200A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014160644A (ja) * 2013-02-19 2014-09-04 Au Optronics Corp カラー発光ダイオード、表示パネル及びその製造方法
WO2017138632A1 (ja) * 2016-02-12 2017-08-17 パイオニア株式会社 発光装置
WO2017138633A1 (ja) * 2016-02-12 2017-08-17 パイオニア株式会社 発光装置
KR20190110660A (ko) * 2018-03-20 2019-10-01 삼성디스플레이 주식회사 색변환 패널 및 이를 포함하는 표시 장치

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014160644A (ja) * 2013-02-19 2014-09-04 Au Optronics Corp カラー発光ダイオード、表示パネル及びその製造方法
US9035286B2 (en) 2013-02-19 2015-05-19 Au Optronics Corporation Multi-color light emitting diode and method for making same
JP2021007101A (ja) * 2016-02-12 2021-01-21 パイオニア株式会社 発光装置
US10454053B2 (en) 2016-02-12 2019-10-22 Pioneer Corporation Light-emitting device with a first and a second optical filter
JPWO2017138633A1 (ja) * 2016-02-12 2018-11-29 パイオニア株式会社 発光装置
JPWO2017138632A1 (ja) * 2016-02-12 2018-11-29 パイオニア株式会社 発光装置
US20190036057A1 (en) * 2016-02-12 2019-01-31 Pioneer Corporation Light-emitting device
US20190049637A1 (en) * 2016-02-12 2019-02-14 Pioneer Corporation Light-emitting device
US11754762B2 (en) 2016-02-12 2023-09-12 Pioneer Corporation Light-emitting device
WO2017138633A1 (ja) * 2016-02-12 2017-08-17 パイオニア株式会社 発光装置
US10686151B2 (en) 2016-02-12 2020-06-16 Pioneer Corporation Light-emitting device with see-through property using optical filters
JP2020202194A (ja) * 2016-02-12 2020-12-17 パイオニア株式会社 発光装置
WO2017138632A1 (ja) * 2016-02-12 2017-08-17 パイオニア株式会社 発光装置
US10928567B2 (en) 2016-02-12 2021-02-23 Pioneer Corporation Light-emitting device
JP2022079637A (ja) * 2016-02-12 2022-05-26 パイオニア株式会社 発光装置
JP2022079636A (ja) * 2016-02-12 2022-05-26 パイオニア株式会社 発光装置
KR102515812B1 (ko) 2018-03-20 2023-03-31 삼성디스플레이 주식회사 색변환 패널 및 이를 포함하는 표시 장치
KR20190110660A (ko) * 2018-03-20 2019-10-01 삼성디스플레이 주식회사 색변환 패널 및 이를 포함하는 표시 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10162958A (ja) El素子
CN105280686B (zh) 一种显示面板及显示装置
CN100379044C (zh) 白光光源的产生方法,白光发光元件及其制造方法
JP4557289B2 (ja) 表示装置
JP2007157514A (ja) 表示装置
JP2005122980A (ja) 画像表示装置
JP6718955B2 (ja) 有機el表示装置
CN105914228B (zh) Oled器件与oled显示器
JP5847619B2 (ja) 発光装置および照明装置
US20090085471A1 (en) Organic El Display Device
JP2004158469A (ja) El素子
JP2013191778A5 (ja)
US10134814B2 (en) OLED display device and display apparatus including the same
JP2006054200A (ja) El素子
US10749127B2 (en) White organic light-emitting diode device
TW201624775A (zh) 用於發光二極體之顏色轉換基板及其製造方法
KR20000073118A (ko) 유기 전계발광 표시소자
CN109950271B (zh) 一种显示器
JP2008052950A (ja) 表示装置
KR20160084282A (ko) 탠덤형 유기발광소자
JP2006338910A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP3796853B2 (ja) 表示装置
JP2007059250A (ja) 有機el素子
JPH11204263A (ja) 電界発光素子
JP4639642B2 (ja) 面発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071127