JP2006050812A - 電池の満充電判定方法、充電システム及び充電器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ニッケル水素電池20の充電開始電圧E0の記録、電圧ピーク値Emaxのリセット、及びフラット検出カウンタCのリセットを行う(S101)。ニッケル水素電池20の電圧Eの計測を開始し(S102)、充電時間Tの計測を開始する(S103)。ニッケル水素電池20の電圧Eが第1の電圧値E1mV未満でないときには(S104)、フラット検出カウンタCを作動させる(S105)。電圧ピーク値Emaxが更新されていないときには(S106)、フラット検出カウンタCを加算する(S108)。フラット検出カウンタCが第1の閾値C1未満でなく(S109)、かつ充電時間Tが閾値(所定時間)T1分以上でないときは(S110)、満充電と判断し(S111)、充電を終了する(S112)。
【選択図】 図2
Description
マイナスΔV検出方法とは、充電を開始して電池電圧が上昇してピーク電圧に達した後に電池電圧が急に下がる現象を利用して満充電を検出する検出方法をいう。フラット検出方法とは、電池電圧の上昇率をモニターし、ある一定時間内に規定以上の電圧上昇がない場合に満充電を検出する方法をいう。
また、フラット検出方法では、高温環境下での充電や長期間放置された不活性化電池の充電の場合には、充電途中に満充電を誤検出することが想定される。そのような場合には、充電途中にもかかわらず充電が終了してしまい、満充電できないという事態が懸念される。
電池の充電時間を計測し、フラット状態の継続時間が所定値(C1)に達したときの電池の充電時間が所定時間(T1)を超えていない場合に電池は満充電であると判定することを特徴とすることができる。
フラット状態の継続時間が、所定値(C1)よりも大きい値(C2)に達したか否かを検出し、フラット状態の継続時間がその値(C2)に達したときのフラット状態の電圧値が第1の電圧値(E1)を超えた場合に電池は満充電であると判定することを特徴とすることができる。
図1は、本実施の形態に係るポータブルミニディスク機器(以下MDと省略する)の主要部分の制御ブロック図である。
MD10は、電流リミット回路11と定電圧回路12と電池電圧増幅回路13と満充電検出回路14とトランジスタ(transistor)制御回路15とタイマー16とを備えている。また、MD10は、トランジスタ17とダイオード(diode)18とを備え、充電されるニッケル水素電池20が接続されている。
電流リミット回路11は、充電電流をモニターしトランジスタ制御回路15に制御信号を送ることで充電電流を500mAに保つための回路である。定電圧回路12は、出力電圧をモニターし電池が挿入されていないときはトランジスタ制御回路15に制御信号を送ることで出力を一定に保つための回路である。電池電圧増幅回路13は、満充電検出回路14により電池電圧の変動を確実にモニターできるようにするために電池電圧を6倍に増幅する回路である。
また、満充電検出回路14は、電池電圧の上昇値及び充電時間をモニターすることで満充電を検出する回路である。また、満充電検出回路14は、満充電を検出したときにトランジスタ制御回路15に制御信号を送り、これによって充電を停止させる。トランジスタ制御回路15は、電流リミット回路11、定電圧回路12、満充電検出回路14及びタイマー16からの制御信号により、トランジスタ17を介して充電電流を一定に保ったり、充電を停止させたりするための回路である。また、タイマー16は、充電開始からの時間計測を行うためのものであり、満充電検出後には時間計測を止める。
図2は、充電中の制御を示すフローチャートである。
図2に示すように、まず、ニッケル水素電池20の充電を開始すると、満充電検出回路14により、ニッケル水素電池20の開始電圧E0の記録、電圧ピーク値Emaxのリセット、及びフラット検出カウンタCのリセットが行われる(S101)。
ここで、電圧ピーク値Emaxは、満充電検出回路14が充電中の電池電圧Eをモニターし、規定以上の電圧上昇があったときに更新される電圧値である。具体的には、規定以上の電圧上昇があったときにはその電圧上昇後の電池電圧Eを図示しない記憶手段に記憶し、その後に更に規定以上の電圧上昇があったときには電圧上昇後の電圧に置き換えて記憶する。ここにいう「規定以上の電圧上昇」とは、単位時間当たりの電圧上昇率を演算し、その電圧上昇率の値が予め定めた値以上の場合を指す。
また、フラット検出カウンタCは、充電中に電圧ピーク値Emaxが更新されていない経過時間を計測するためのものであり、満充電検出回路14により計測される。
次に、ニッケル水素電池20の電池電圧Eが第1の電圧値E1mV未満か否かを判定する(S104)。ニッケル水素電池20の電池電圧Eが第1の電圧値E1mV未満のときは(E<E1)、ステップ102に戻る。また、ニッケル水素電池20の電池電圧Eが第1の電圧値E1mV未満でないときには(E≧E1)、フラット検出カウンタCを作動させる(S105)。
その後、電圧ピーク値Emaxが更新されているか否かを判定する(S106)。電圧ピーク値Emaxが更新されているときには、フラット検出カウンタCをリセットし(S107)、ステップ105に戻る。電圧ピーク値Emaxが更新されていないときには、フラット検出カウンタCを加算する(S108)。
ステップ113では、充電開始当初からの上昇電圧ΔE(ΔE=Emax−E0)が第2の電圧値E2mV未満か否かを判定する。すなわち、上昇電圧ΔEが第2の電圧値E2mV未満でないときには(ΔE≧E2)、満充電と判断し(S111)、充電を終了した後に(S112)、処理を終了する。上昇電圧ΔEが第2の電圧値E2mV未満のときは(ΔE<E2)、ステップ114に進む。
ステップ114では、フラット検出カウンタCが、第1の閾値C1よりも大きい第2の閾値(所定値よりも大きい値)C2分未満か否かを判定する。すなわち、フラット検出カウンタCが第2の閾値C2分未満でないときには(C≧C2)、満充電と判断し(S111)、充電を終了した後に(S112)、処理を終了する。フラット検出カウンタCが第2の閾値C2未満のときは(C<C2)、ステップ102に戻る。
図3は、低電流充電の場合の電圧上昇の推移を説明するためのグラフであり、図4は、本実施の形態における電圧上昇の推移を示すグラフである。また、図5は、本実施の形態において満充電の電池を充電した場合の電圧上昇の推移を示すグラフであり、図6は、本実施の形態において満充電の電池を充電した場合の電圧上昇の推移を示すグラフである。図3〜図6のいずれのグラフも縦軸は電池電圧(mV)、横軸は充電時間(分)である。
例えば1Aの大電流で充電すると、充電に伴う発熱量が多くなり、MD10にとっては好ましくない。そのため、例えば0.5C以下の低電流で充電するように設計することが考えられる。ここにいう「C」は充放電レートを表すのに用いられる記号である。
しかし、そのような低電流充電を行うと、図3に示すように、満充電後の電池電圧の電圧降下は十分発生せずほぼフラットに推移する(図3の3a部分参照)。また、残容量が少ない電池を低電流充電すると、充電初期に電池電圧フラットに推移するポイントが現れる(図3の3b部分参照)。かかる充電初期の現象は、不活性電池や、高温環境下での充電においては顕著となる。
したがって、満充電後の電圧降下に着目した従来のマイナスΔV検出方法や、電池電圧の電圧上昇がフラットに推移することのみを主眼に置いた従来のフラット検出方法では、電池電圧の推移が図3に示す場合には、満充電検出を誤検出するおそれがある。
本実施の形態では、次の2つの方法によって、さらに満充電電池の充電に対する誤検出にも対応している。すなわち、第1の方法は、図5に示すように、充電開始からの充電時間Tが閾値T1分未満のときに上記(1)のフラット検出があった場合に限り、上記(2)及び(3)の条件を満たさなくても、充電中の電池は満充電であると判定し、充電を終了するものである。
また、第2の方法は、図6に示すように、充電開始からの充電時間Tが閾値T1分以降に、上記(1)及び(2)を満たし、上記(3)を満たさないときには、上記(1)における電池電圧Eの上昇が第2の閾値C2(C2>C1)分以上継続された場合に限り、充電中の電池は満充電であると判定し、充電を終了するものである。
このように、本実施の形態における満充電を判定する方法によれば、充電により上昇した電池電圧E、充電時間T及びフラット検出カウンタCを利用することにより常に安定した満充電検出を実現することができる。また、高温環境下や不活性化電池などの今までのフラット検出において満充電を誤検出する可能性がある状態においても常に安定した満充電検出が可能となる。
また、MD10内のニッケル水素電池を充電する場合には、MD10の本体に電源コードを直接つないで充電する場合のみならず、充電スタンド(クレードル)を介して充電する場合にも採用することができる。
Claims (9)
- 充電する電池の満充電を判定する電池の満充電判定方法であって、
充電中の前記電池の電圧値を計測し、
前記電池の電圧値の変化が所定の範囲内になるフラット状態を検出し、
前記フラット状態の継続時間が所定値(C1)に達したか否かを検出し、
前記フラット状態の継続時間が所定値(C1)に達したときの当該フラット状態の電圧値が第1の電圧値(E1)を超え、かつ当該フラット状態を検出した時点での電池の電圧値と充電開始当初の電圧値との差分が第2の電圧値(E2)を超えた場合に前記電池は満充電であると判定する、電池の満充電判定方法。 - 前記電池の充電時間を計測し、
前記フラット状態の継続時間が前記所定値(C1)に達したときの前記電池の充電時間が所定時間(T1)を超えていない場合に当該電池は満充電であると判定することを特徴とする請求項1に記載の電池の満充電判定方法。 - 前記フラット状態の継続時間が、前記所定値(C1)よりも大きい値(C2)に達したか否かを検出し、
前記フラット状態の継続時間が前記値(C2)に達したときの当該フラット状態の電圧値が前記第1の電圧値(E1)を超えた場合に前記電池は満充電であると判定することを特徴とする請求項1に記載の電池の満充電判定方法。 - 充電可能な電池を電子機器に接続して充電する充電システムにおいて、
充電中の前記電池の電圧を計測する電圧計測手段と、
前記電圧計測手段により計測された電圧値の変化が所定の範囲内になるフラット状態を検出するフラット検出手段と、
前記フラット検出手段により検出された前記フラット状態の継続時間を計測するフラット時間計測手段と、
前記フラット時間計測手段により計測された前記フラット状態の継続時間が所定値(C1)に達した場合に、前記フラット検出手段により検出された前記フラット状態の電圧値が第1の電圧値(E1)を超え、かつ当該フラット状態を検出した時点での前記電圧計測手段により計測された電池のピーク電圧値と前記電圧計測手段により計測された充電開始当初の電圧値との差分が第2の電圧値(E2)を超えたことを条件に前記電池の充電を停止させる充電停止手段と
を含む充電システム。 - 前記電池の充電時間を計測する充電時間計測手段を更に含み、
前記充電停止手段は、前記フラット時間計測手段により計測された前記フラット状態の継続時間が前記所定値(C1)に達した場合に、前記充電時間計測手段により計測された前記充電時間が所定時間(T1)を超えていないことを条件に前記電池の充電を停止させることを特徴とする請求項4に記載の充電システム。 - 前記充電停止手段は、前記フラット時間計測手段により計測された前記フラット状態の継続時間が、前記所定値(C1)よりも大きい値(C2)に達した場合に、当該フラット状態の電圧値が前記第1の電圧値(E1)を超えたことを条件に前記電池の充電を停止させることを特徴とする請求項4に記載の充電システム。
- 充電中の電池の電圧値が入力され、当該電池の電圧値の変化が所定の範囲内になるフラット状態を検出するフラット検出手段と、
前記フラット検出手段により検出された前記フラット状態の継続時間を計測するフラット時間計測手段と、
前記フラット時間計測手段により計測された前記フラット状態の継続時間が所定値(C1)に達した場合に、前記フラット検出手段により検出された前記フラット状態の電圧値が第1の電圧値(E1)を超え、かつ当該フラット状態の電圧値と充電開始当初の電圧値との差分が第2の電圧値(E2)を超えたことを条件に前記電池の充電を停止させる充電停止手段と
を含む充電器。 - 前記電池の充電時間を計測する充電時間計測手段を更に含み、
前記充電停止手段は、前記フラット時間計測手段により計測された前記継続時間が所定値(C1)に達した場合に、前記充電時間計測手段により計測された前記充電時間が所定時間(T1)を超えていないことを条件に前記電池の充電を停止させることを特徴とする請求項7に記載の充電器。 - 前記充電停止手段は、前記フラット時間計測手段により計測された前記継続時間が、前記所定値(C1)よりも大きい値(C2)に達した場合に、前記フラット状態の電圧値が前記第1の電圧値(E1)を超えたことを条件に前記電池の充電を停止させることを特徴とする請求項7に記載の充電器。
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