JP2006048809A - 最尤復号装置、その方法及びそのプログラム、並びに、デジタルデータ再生装置 - Google Patents

最尤復号装置、その方法及びそのプログラム、並びに、デジタルデータ再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ビタビ復号回路と比較して、回路構成が簡単で処理時間が早く、且つ、ビタビ復号回路のエラー抑制精度の劣化を抑えた最尤復号装置、その方法及びそのプログラム、並びに、デジタルデータ再生装置を提供する。
【解決手段】 最尤復号装置10は、遅延手段101によって、等化データから時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成し、判定手段102によって、サンプルデータ列と過去データ記憶手段103に記憶されている過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定し、NRZ変換手段104によって、判定手段102で判定されたビットデータの値と、過去データ記憶手段103に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算することで、NRZ符号を生成することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光記録等の信号の再生時に、その再生された信号の最もあり得る信号系列を推定する最尤復号装置、その方法及びそのプログラム、並びに、デジタルデータ再生装置に関する。
近年、映像、音声等の情報を記録する光ディスク等の記録・再生を行う光ディスク記録再生装置は、高密度化、高速度化が急速に進んでいる。このように、高密度化及び高速度化が進むと、記録媒体である光ディスクの特性、記録情報を電気信号として認識する光ピックアップの特性、再生信号を伝達する電子回路のノイズ等によって、再生信号の劣化が生じ、記録された通りの情報が再生されず、再生信号にエラーが発生してしまう。このような問題を解決するために、(1,7)RLL(Run Length Limited)符号方式と、パーシャルレスポンス(Partial Response)及び最尤復号(Maximum Likelihood)方式とを組み合わせたPRML方式が、種々提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
ここで、図6を参照して、従来の光ディスク記録再生装置について説明する。図6は、従来の光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、光ディスク記録再生装置1Bは、図示していないコンピュータ等から出力されるデジタルデータ(原データ)を、光ディスク2等の記録媒体に符号化して符号化データとして書き込む記録系3と、その記録された符号化データを読み出して、元のデジタルデータとして再生する再生系7Bとで構成される。
まず、光ディスク記録再生装置1Bは、デジタルデータを光ディスク2に書き込む場合、記録系3の(1,7)RLL符号化手段4によって、原データを、(1,7)符号として符号化する。なお、(1,7)RLL符号化手段4は、図7に示した(1,7)符号化ルールに基づいて、原データの符号化を行う。すなわち、(1,7)RLL符号化手段4は、図7に示すように、先に符号化された符号化データ(先行符号化データ)の最終ビットと、後に続く情報ビット(後行情報ビット)の値に基づいて、2ビットの情報ビットを3ビットの符号化データに符号化する。例えば、先行符号化データの最終ビットが「0」、情報ビットが「01」、後行情報ビットが「0×」(×は不定を示す)の場合、符号化データ((1,7)符号)「001」を生成する。
さらに、光ディスク記録再生装置1Bは、NRZI(Non Return to Zero Invert)符号化手段5によって、(1,7)符号でデータ「1」が現れる毎に、極性(「1」、「0」)を反転する。
そして、光ディスク記録再生装置1Bは、書き込み手段6によって、ヘッド20を介して、NRZI符号(符号化データ)をレーザ光等の光信号に変換し、光ディスク2に書き込む。
また、光ディスク記録再生装置1Bは、光ディスク2に書き込まれている符号化データを読み出す場合、再生系7Bの増幅手段(プリアンプ)8によって、ヘッド20(光ピックアップ)により認識された再生信号を増幅する。そして、光ディスク記録再生装置1Bは、等化手段(パーシャルレスポンス等化器)9によって、増幅手段8で増幅された再生信号を(1,7)符号に再生する。なお、この等化手段9によって再生された(1,7)符号は、ノイズ成分によって多くの誤差要素を含んでいる。そこで、光ディスク記録再生装置1Bは、最尤復号手段10Bによって、誤差要素を含んでいる(1,7)符号を最尤復号することで、誤差が最も少ないと推論される(1,7)符号を生成(再生)する。
なお、最尤復号とは、再生された過去のデータの時系列推移を参照し、(1,7)符号としてあり得るデータと、実際に再生されたデータとを比較することで、最もあり得るデータ系列を決定していく復号方法である。
そして、光ディスク記録再生装置1Bは、(1,7)RLL復号手段11によって、(1,7)符号を復号し、元のデジタルデータとして再生する。
ここで、図8及び図9を参照(適宜図6参照)して、最尤復号手段10Bとして、従来よく知られているビタビ(Viterbi)方式を用いた最尤復号回路(ビタビ復号回路)の例について説明する。図8は、ビタビ復号回路のパスメトリック加算比較選択回路の例を示す回路構成図である。図9は、ビタビ復号回路のパスメモリ回路の例を示す回路構成図である。
なお、ここでは、等化手段(パーシャルレスポンス等化器)9に、パーシャルレスポンスとしてPR(a,b,a)(a,bは、a≦bとなる正数)を適用することとする。すなわち、等化手段9における出力値の理想値は、「0」、「a」、「a+b」、「2a+b」の4値をとる。ここでは、等化手段9は、出力値を2倍し、「2a+b」を減算することで、「−2a−b」、「−b」、「b」、「2a+b」の4値をとることとする。
また、ここでは(1,7)RLL符号方式と、パーシャルレスポンスとしてPR(a,b,a)とを組み合わせているため、等化手段9から出力される出力値は、過去に出力される出力値に拘束されることになる。具体的には、等化手段9から出力される出力値は、図10に示したような状態遷移図に従って出力される。
例えば、1つ前の入力値が「0」である状態S1において、入力値「1」が入力された場合、等化手段9は、出力値「b」を出力し、状態S3に遷移する。なお、(1,7)RLL符号方式と、パーシャルレスポンスPR(a,b,a)との組み合わせでは、等化手段9は、4つの状態(S0、S1、S2及びS3)を有している。また、図10に示したように、状態S3においては、入力値「1」によって状態S2に遷移する経路(パス)と、状態S3に留まる経路との2つの経路を取り得る。また、状態S0においても同様に2つの経路を取り得る。また、状態S1は状態S3に、状態S2は状態S0に遷移する1つの経路を取り得る。
そこで、ビタビ復号回路(最尤復号手段10B)は、どの状態に遷移するのが確からしいかを、等化手段9からの出力値と、理想値(「−2a−b」、「−b」、「b」、「2a+b」)とのユークリッド距離(パスメトリック)に基づいて決定する。
なお、ビタビ復号回路(最尤復号手段10B)は、時系列上のk時点における各状態のパスメトリック(Mk(S0)、Mk(S1)、Mk(S2)、Mk(S3))を、以下の(1)式〜(4)式に基づいて算出する。なお、Ykは等化手段9からの出力値を示す。
k(S0)=min{Mk-1(S0)+(Yk−(−2a−b))2
k-1(S2)+(Yk−(−b))2] …(1)式
k(S1)=Mk-1(S0)+(Yk−(−b))2 …(2)式
k(S2)=Mk-1(S3)+(Yk−b)2 …(3)式
k(S3)=min{Mk-1(S1)+(Yk−(2a+b))2
k-1(S3)+(Yk−b)2} …(4)式
この(1)式〜(4)式を実現する回路例が、図8に示したパスメトリック加算比較選択回路10Baである。図8のパスメトリック加算比較選択回路10Baは、減算器S、乗算器M、加算器A、選択器Se及び遅延手段としてのメモリDを備えている。なお、選択器Se1(Se)は、加算値swa1が加算値swa2よりも大きい場合、スイッチ値swaに「1」を、それ以外では「0」をセットして出力する。また、選択器Se2(Se)は、加算値swb1が加算値swb2よりも大きい場合、スイッチ値swbに「1」を、それ以外では「0」をセットして出力する。これによって、どの経路(パス)が選択されたかが逐次、パスメモリ回路10Bb(図9参照)に出力されることになる。
また、パスメモリ回路10Bbは、図9に示すように、遅延器(メモリ)Dと選択器Seとからなる、パスを記憶するパスメモリ単位ブロックBを複数段備えている。これによって、パスメモリ回路10Bbは、過去の履歴の中でパスメトリックが最小となるときのデータ値を、D0〜D3の中から多数決ロジックによって決定し、最も確からしいデータを逐次出力する。
特開2002−344331号公報(段落0046〜0061、図1、図6、図10) 岩永 他,「PRMLを書き換え可能な光ディスクに応用、片面に5.2Gバイトを記録」,NIKKEI ELECTRONICS BOOKS データ圧縮とディジタル変調98年版,p.201−215
従来の光ディスク記録再生装置において、一般的に用いられているビタビ方式を用いた最尤復号装置(ビタビ復号回路)は、過去に再生されたデータから、現時点における再生データとして最もあり得るデータを逐次決定することで、再生データ中のエラーの発生頻度を抑えることについては、非常に優れている。
しかし、ビタビ復号回路におけるパスメトリック加算比較選択回路10Ba(図8参照)は、時系列上のk時点におけるパスメトリックを計算するために、それ以前のk−1時点での計算結果を参照する必要がある。このため、パスメトリック加算比較選択回路は、時間的に遡ったデータをフィードバックさせて計算を行わなければならず、ビタビ復号回路における処理時間が大きくなってしまうという問題がある。
さらに、ビタビ復号回路におけるパスメモリ回路10Bb(図9参照)は、過去の履歴を参照するために、パスメモリ単位ブロックを複数段備える必要がある。このパスメモリ単位ブロックの段数は、通常、5段から10段備えるものが一般的である。このため、ビタビ復号回路の回路構成が複雑になってしまうという問題がある。
このように、従来の最尤復号装置(ビタビ復号回路)は、処理時間がかかるとともに、回路構成が複雑であるため、さらなる高密度化、高速度化が要求される光ディスク記録再生装置の開発の障害になっている。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、ビタビ復号回路と比較して、回路構成が簡単で処理時間が早く、且つ、ビタビ復号回路のエラー抑制精度の劣化を抑えた最尤復号装置、その方法及びそのプログラム、並びに、デジタルデータ再生装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の最尤復号装置は、RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを再生する際に、前記変換データをパーシャルレスポンス方式により等化することで得られる等化データから、前記RLL符号化されたNRZ符号を生成する最尤復号装置であって、遅延手段と、判定手段と、過去データ記憶手段と、NRZ変換手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、最尤復号装置は、遅延手段によって、等化データを、RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成する。なお、パーシャルレスポンス方式における等化データは、RLL符号化の変換則における変換後のビット数分のビットデータと相関性を持っている。そこで、ここでは、遅延手段が、RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上のサンプルデータ列を生成する。
そして、最尤復号装置は、判定手段によって、遅延手段で生成されたサンプルデータ列と、過去に復号され確定している過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定する。すなわち、サンプルデータ列以外に、過去に復号され確定している過去データを参照することで、サンプルデータ列における相関性の精度を高め、次に入力されるビットデータの値の精度を高めることが可能になる。
なお、この判定手段によって判定された、すなわち、復号されたビットデータの値は、過去データ記憶手段に記憶しておく。これによって、判定手段が、順次過去データを参照することが可能になる。
そして、最尤復号装置は、NRZ変換手段によって、判定手段で判定されたビットデータの値と、過去データ記憶手段に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算する。これによって、NRZI符号を逆変換したNRZ符号(RLL符号化データ)が生成される。
また、請求項2に記載の最尤復号装置は、請求項1に記載の最尤復号装置において、前記RLL符号化は(1,7)RLL符号化、前記パーシャルレスポンス方式はPR(a,b,a)(a,bは、a≦bとなる正数)であり、前記判定手段は、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データで時系列で2つ前のビットデータの値が「0」、1つ前のビットデータの値が「1」の場合に、次に入力されるビットデータの値を「1」と判定し、2つ前のビットデータの値が「1」、1つ前のビットデータの値が「0」の場合に、次に入力されるビットデータの値を「0」と判定することを特徴とする。
かかる構成によれば、最尤復号装置は、判定手段によって、過去データ記憶手段に記憶されている、時系列で直前に復号されている2ビット分の過去データの値が「0」、「1」と続いた場合に、次に入力されるビットデータの値を「1」と判定し、過去データの値が「1」、「0」と続いた場合に、次に入力されるビットデータの値を「0」と判定する。これは、(1,7)RLL符号化された後にNRZI変換された変換データをPR(a,b,a)により等化することで得られる等化データは、2ビット分の過去データの値が異なる場合は、次に入力されるビットデータの値が一意に特定される特性を有しているためである。
さらに、請求項3に記載の最尤復号装置は、請求項2に記載の最尤復号装置において、前記判定手段は、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データにおける時系列で1つ前及び2つ前のビットデータの値がともに「1」である場合、
時刻kにおける前記サンプルデータ列をYk-1,Yk,Yk+1,Yk+2としたとき、
≪条件1≫ Yk≧b
≪条件2≫ aYk-1+bYk+aYk+1≧0 且つ
aYk-1+bYk−aYk+2≧a(a+b)
における前記≪条件1≫又は前記≪条件2≫のいずれか一方の条件が成り立つときに、次に入力されるビットデータの値を「1」と判定することを特徴とする。
かかる構成によれば、最尤復号装置は、判定手段によって、時系列で直前に復号されている2ビット分の過去データの値がともに「1」で、≪条件1≫又は≪条件2≫を満たす場合に、次に入力されるビットデータ(時刻kに入力されるビットデータ)の値を「1」と判定する。これは、PR(a,b,a)の等化データにおけるデータの遷移が、≪条件1≫又は≪条件2≫を満たす場合、サンプルデータ列において、時刻kに入力されるデータの値が「1」となる確率が高くなるためである。なお、この理由については、「発明を実施するための最良の形態」において、詳細に説明することとする。
また、請求項4に記載の最尤復号装置は、請求項2又は請求項3に記載の最尤復号装置において、前記判定手段は、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データにおける時系列で1つ前及び2つ前のビットデータの値がともに「0」である場合、
時刻kにおける前記サンプルデータ列をYk-1,Yk,Yk+1,Yk+2としたとき、
≪条件3≫ aYk-1+bYk+aYk+1≧0
≪条件4≫ Yk≧−b 且つ aYk-1+bYk−aYk+2≧−a(a+b)
における前記≪条件3≫又は前記≪条件4≫のいずれか一方の条件が成り立つときに、次に入力されるビットデータの値を1と判定することを特徴とする。
かかる構成によれば、最尤復号装置は、判定手段によって、時系列で直前に復号されている2ビット分の過去データの値がともに「0」で、≪条件3≫又は≪条件4≫を満たす場合に、次に入力されるビットデータ(時刻kに入力されるビットデータ)の値を「1」と判定する。これは、PR(a,b,a)の等化データにおけるデータの遷移が、≪条件3≫又は≪条件4≫を満たす場合、サンプルデータ列において、時刻kに入力されるデータの値が「1」となる確率が高くなるためである。なお、この理由については、「発明を実施するための最良の形態」において、詳細に説明することとする。
さらに、請求項5に記載の最尤復号方法は、RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを再生する際に、前記変換データをパーシャルレスポンス方式により等化することで得られる等化データから、前記RLL符号化されたNRZ符号を生成する最尤復号方法であって、遅延ステップと、判定ステップと、過去データ記憶ステップと、NRZ変換ステップとを含む手順とした。
この手順によれば、最尤復号方法は、遅延ステップによって、等化データを、RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成する。
そして、最尤復号方法は、判定ステップによって、遅延ステップで生成されたサンプルデータ列と、過去に復号され確定している過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定する。すなわち、サンプルデータ列以外に、過去に復号され確定している過去データを参照することで、サンプルデータ列における相関性の精度を高め、次に入力されるビットデータの値の精度を高めることが可能になる。
続けて、最尤復号方法は、過去データ記憶ステップによって、判定ステップで判定された、すなわち、復号されたビットデータの値を過去データ記憶手段に記憶しておく。これによって、判定ステップが、順次過去データを参照することが可能になる。
そして、最尤復号方法は、NRZ変換ステップによって、判定ステップで判定されたビットデータの値と、過去データ記憶手段に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算する。これによって、NRZI符号を逆変換したNRZ符号(RLL符号化データ)が生成される。
また、請求項6に記載の最尤復号プログラムは、RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを再生する際に、前記変換データをパーシャルレスポンス方式により等化することで得られる等化データから、前記RLL符号化されたNRZ符号を生成するために、コンピュータを、遅延手段、判定手段、NRZ変換手段として機能させる構成とした。
かかる構成によれば、最尤復号プログラムは、遅延手段によって、等化データを、RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成する。
そして、最尤復号装置は、判定手段によって、遅延手段で生成されたサンプルデータ列と、過去に復号され確定している過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定する。なお、この判定手段によって判定された、すなわち、復号されたビットデータの値は、過去データ記憶手段に記憶しておく。
そして、最尤復号装置は、NRZ変換手段によって、判定手段で判定されたビットデータの値と、過去データ記憶手段に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算する。これによって、NRZI符号を逆変換したNRZ符号(RLL符号化データ)が生成される。
さらに、請求項7に記載のデジタルデータ再生装置は、(1,7)RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを、元のデジタルデータに再生するデジタルデータ再生装置であって、等化手段と、請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の最尤復号装置と、(1,7)RLL復号手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、デジタルデータ再生装置は、等化手段によって、変換データをパーシャルレスポンスPR(a,b,a)((a,bは、a≦bとなる正数))により等化することで、等化データを生成する。これによって、生成された等化データは、4値4状態で遷移するデータ列となる。
そこで、デジタルデータ再生装置は、最尤復号装置によって、等化手段で生成された等化データから、次に入力されるビットデータの値を推定して復号する。
そして、デジタルデータ再生装置は、(1,7)RLL復号手段によって、最尤復号装置で復号されたビットデータを逐次(1,7)RLL復号することで、デジタルデータとして再生する。
請求項1、請求項5又は請求項6に記載の発明によれば、サンプルデータ列と、過去に復号されたビットデータとに基づいて、入力されるデータの値を決定するため、ビタビ復号のように、時間的に遡ったデータをフィードバックさせて計算を行う必要がないため、復号を行うための処理時間を軽減することができる。これによって、本発明は、光ディスク等の記録・再生を行う光ディスク記録再生装置における高速度化を実現することができる。
請求項2、請求項3又は請求項4に記載の発明によれば、(1,7)RLL符号化を用いたパーシャルレスポンス方式PR(a,b,a)において、4つのサンプルデータと、過去に復号された2ビットのデータとに基づいて、入力されるデータの値を決定することができる。そのため、本発明は、ビタビ復号のように、パスメモリ単位ブロックを5段から10段備えるような構成をとる必要がなく、構成を簡略化することができる。これによって、本発明は、光ディスク記録再生装置における高密度化を実現することができる。
請求項7に記載の発明によれば、デジタルデータ再生装置は、(1,7)RLL符号化を用いたパーシャルレスポンス方式PR(a,b,a)において、4つのサンプルデータと、過去に復号された2ビットのデータとに基づいて、データを再生することができる。これによって、本発明は、復号を行うための処理時間を軽減することができるため、光ディスクの高速読み出しを実現することができる。さらに、本発明は、装置の構成を簡略化することができるため、光ディスクの高密度化に対応することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[光ディスク記録再生装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明に係る光ディスク記録再生装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、光ディスク記録再生装置1は、光ディスク2等の記録媒体にデジタルデータを符号化して記録するとともに、その記録されたデータを再生データとして復号するものである。ここでは、光ディスク記録再生装置1は、記録系3と再生系7とを備えている。
記録系3は、図示していないコンピュータ等から出力されるデジタルデータ(原データ)を、光ディスク2等の記録媒体に符号化して符号化データとして書き込む制御系である。この記録系3は、(1,7)RLL符号化手段4と、NRZI符号化手段5と、書き込み手段6とを備えている。
(1,7)RLL符号化手段4は、デジタルデータ(原データ)を、データ「1」とその次に現れるデータ「1」との間にデータ「0」が1つ以上7つ以下となるように制限されたデータ列((1,7)符号)として符号化するものである。この(1,7)RLL符号化手段4は、前記した図7に示した(1,7)符号化ルールに基づいて、符号化を行う。このように、(1,7)RLL符号化手段4は、データ「0」の数を1〜7に制限し、2ビットの情報を3ビットに変換することで、(1,7)符号を生成する。なお、(1,7)RLL符号化手段4で生成された(1,7)符号は、NRZI符号化手段5に出力される。
NRZI(Non Return to Zero Invert)符号化手段5は、(1,7)RLL符号化手段4で生成(符号化)された(1,7)符号を、データ「1」が現れる毎に、極性(「1」、「0」)を反転するものである。このように、データ「0」の数が1〜7に制限された(1,7)符号に対して、データ「1」が現れる毎に、極性を反転させることで、生成されるデータ列は、データ「0」及びデータ「1」のそれぞれの連続が2つ以上8つ以下となるように制限されたデータ列(NRZI符号)となる。これによって、同じ値のデータが無制限に連続することがなく、直流成分が抑えられることになる。なお、ここで生成されたNRZI符号は、逐次書き込み手段6に出力される。
書き込み手段6は、ヘッド20を介して、NRZI符号(符号化データ)をレーザ光等の光信号に変換し、光ディスク2に書き込むものである。
再生系7は、光ディスク2等の記録媒体に書き込まれている符号化データを読み出して、元のデジタルデータとして再生するものである。この再生系7は、増幅手段8と、等化手段9と、最尤復号手段10と、(1,7)RLL復号手段11とを備えている。
増幅手段(プリアンプ)8は、ヘッド20(光ピックアップ)により読み出された再生信号である、光ディスク2に書き込まれているNRZI符号(符号化データ)の信号レベルを増幅させるものである。この増幅手段で8で増幅されたNRZI符号は、等化手段9に出力される。
等化手段(パーシャルレスポンス等化器)9は、増幅手段8で増幅された再生信号を、PR(パーシャルレスポンス)等化信号に等化するものである。ここでは、等化手段9は、PR(a,b,a)(a,bは、a≦bとなる正数)等化方式により、再生信号を波形整形することとする。なお、PR(a,b,a)等化方式は、再生信号である孤立波を、…,0,0,a,b,a,0,0,…のサンプル値になるように等化する方法である。ここでは、等化手段9は、出力値を2倍し、「2a+b」を減算することで、「−2a−b」、「−b」、「b」、「2a+b」の4値をサンプル値としてとることとする。これによって、PR(a,b,a)等化方式で動作する等化手段9は、前記した図10に示した状態遷移図に従って出力値(等化データ)を出力することになる。なお、この出力値(4値のサンプル値)は、最尤復号手段10に出力される。
最尤復号手段(4サンプル・ルックアップ復号回路;最尤復号装置)10は、等化手段9で等化された等化データ(サンプル値)を、最尤復号することで、誤差が最も少ないと推論される(1,7)符号を生成(再生)するものである。この最尤復号手段10で生成された(1,7)符号は、(1,7)RLL復号手段11に出力される。
なお、この最尤復号手段10は、従来のようなビタビ復号手法(ビタビ復号回路)を用いずに、新たな手法として、4サンプル・ルックアップ復号手法(4サンプル・ルックアップ復号回路)を用いることとする。
この4サンプル・ルックアップ復号手法を用いた最尤復号手段(最尤復号装置)10の詳細については、後記することとする。
(1,7)RLL復号手段11は、最尤復号手段10で生成(復号)された(1,7)符号を復号することで、元のデジタルデータを再生するものである。この(1,7)RLL復号手段11は、前記した図7に示した(1,7)符号化ルールの逆変換を行うことで、3ビットの情報を2ビットの情報に変換し、元のデジタルデータ(再生データ)を再生する。
以上、光ディスク記録再生装置1の構成について説明したが、この光ディスク記録再生装置1における記録系3及び再生系7は、それぞれ別の構成としてもよい。すなわち、記録系3をデジタルデータ記録装置、再生系7をデジタルデータ再生装置として構成してもよい。
[最尤復号手段の構成]
次に、図1に示した4サンプル・ルックアップ復号手法を用いた最尤復号手段(最尤復号装置)10について詳細に説明する。
図1の等化手段9において、(1,7)RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを、パーシャルレスポンスPR(a,b,a)(a,bは、a≦bとなる正数)で等化することで得られる等化データ(サンプル値)は、時系列に対して相関を持っている。
そこで、以下では、最初に、(1,7)RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを、パーシャルレスポンスPR(a,b,a)により等化する場合において、再生データの時系列に対する相関性について説明する。そして、その相関性に基づいて、最も確からしいデータを再生データとして再生する最尤復号手段10の構成について説明を行うこととする。
(再生データの相関性について)
まず、図10を参照して、等化手段9(図1参照)において、パーシャルレスポンスPR(a,b,a)で等化された出力系列Y(ここでは、時系列に連続した4つのデータ(サンプル値)Yk-1、Yk、Yk+1、Yk+2とする)、及び、すでに復号され決定している2ビットのデータs1、s0(s1は2つ前のデータ、s0は1つ前のデータとする)と、次に入力されるデータ(ビットデータ)との相関性について説明する。図10は、(1,7)RLL符号化方式にパーシャルレスポンスPR(a,b,a)を適用した場合の等化手段9(図1参照)の状態遷移図を示している。この状態遷移図では、パーシャルレスポンスPR(a,b,a)は、例えば、状態S1において、NRZI(NRZI符号)の入力値が「1」の場合、出力値を等化データ「b」として出力し、状態S3に遷移することを示している。
<s1=0、s0=1のときの相関性>
(1,7)RLL符号化された後にNRZI変換された変換データにおいては、データ「0」「1」(s1=0、s0=1)の次に入力されるデータは必ず「1」になる。これは、図10の状態遷移図において、状態S0から状態S1を経由した後、必ず状態S3に至る状態遷移(S0→S1→S3)に対応している。
このように、すでに復号され決定している2ビットのデータs1、s0が、「0」、「1」の場合は、次に入力されるビットデータの値は「1」と確定されることになる。
<s1=1、s0=0のときの相関性>
また、同様に、データ「1」「0」(s1=1、s0=0)の次のデータは必ず「0」になる。これは、図10の状態遷移図において、状態S3から状態S2を経由した後、必ず状態S0に至る状態遷移(S3→S2→S0)に対応している。
このように、すでに復号され決定している2ビットのデータs1、s0が、「1」、「0」の場合は、次に入力されるビットデータの値は「0」と確定されることになる。
すなわち、すでに復号され決定している2ビットのデータs1、s0の値が異なるときは、次に入力されるビットデータの値(論理値RD1)は一意に確定される。この相関性を論理式として表現すると、以下の≪論理式1≫となる。なお、≪論理式1≫中において、「・」は論理積(AND)、「−」は否定(NOT)を表すものとする。
≪論理式1≫ RD1=s0・(−s1)
このように、データs1、s0の値が異なる場合、次に入力されるデータ(ビットデータ)は一意に特定される。しかし、データs1、s0の値が同じである場合、次のデータは「0」又は「1」のいずれかになる。そこで、以下、データs1、s0の値が同じ場合におけるデータの相関性について説明する。
<s1=1、s0=1のときの相関性>
まず、データs1、s0が「1」、「1」の場合に、次に入力されるデータの入力値が「1」になる条件について検討する。
この条件に適合するのは、図10の状態遷移図を参照すると、現時点をkとしたとき、kよりも前のデータの理想出力値(Yk-2,Yk-1)が、(b,b)、(b,2a+b)、(2a+b,2a+b)、(2a+b,b)の場合である。ここで、Yk-2、Yk-1の次に出力される出力値Ykが、Yk≧bであったとすると、そのときの状態遷移は、S1→S3→S3→S3〔(Yk-2,Yk-1,Yk)=(b,2a+b,2a+b)〕、S1→S3→S3→S2〔(Yk-2,Yk-1,Yk)=(b,2a+b,b)〕、S3→S3→S3→S3〔(Yk-2,Yk-1,Yk)=(2a+b,2a+b,2a+b)〕又はS3→S3→S3→S2〔(Yk-2,Yk-1,Yk)=(2a+b,2a+b,b)〕である確率が高い。いずれの場合も、k時点における入力データの値は「1」である。
すなわち、データs1、s0が「1」、「1」の場合に、以下の≪条件1≫を満たせば、入力値(現時点のデータ)が「1」であると考えられる。
≪条件1≫ Yk≧b
ここで、この≪条件1≫を満たす場合に「真(値“1”)」、満たさない場合に「偽(値“0”)」となる論理値をR2とすると、過去の確定データs1(=1)、s0(=1)と、現時点におけるビットデータRD2との相関性は、以下の≪論理式2≫として表すことができる。なお、≪論理式2≫中において、「・」は論理積(AND)を表すものとする。
≪論理式2≫ RD2=R2・s0・s1
次に、データs1、s0が「1」、「1」で、且つ、出力値Yk<bの場合において、次に入力されるデータの値が「1」になる条件について検討する。
ここで、図4を参照して、データs1、s0が「1」、「1」となる出力系列について説明する。図4は、データs1、s0が「1」、「1」となる出力系列を、時間と出力値との関係で示したグラフ図である。なお、図4で、実線は、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「1」である場合の出力系列、破線は、実線で示した出力系列に対して、復号誤りが生じ、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「0」である場合の出力系列を示し、○印に出力値のレベルの例をプロットしている。
ここでは、図4(a)〜(d)として、時間k−2、k−1、k、k+1、k+2において、データs1、s0が「1」、「1」、且つ、出力値Yk<bで、時刻kにおいて入力されるデータの値が「1」になる出力系列と、それぞれの出力系列で、復号誤りが生じやすい出力系列をパターン化している。
例えば、図4(a)の実線は、時間k−2、k−1、k、k+1、k+2における理想出力値(Yk-2,Yk-1,Yk,Yk+1,Yk+2)が、(2a+b,2a+b,b,−b,−2a−b)であることを示している。この場合、図10の状態遷移図によれば、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「1」となる。
また、図4(a)の破線は、出力値Yk<bの場合に、図4(a)の実線の出力系列において復号誤りが生じ、時間k−2、k−1、k、k+1、k+2における理想出力値(Yk-2,Yk-1,Yk,Yk+1,Yk+2)が、(2a+b,b,−b,−2a−b,−2a−b)となる出力系列を示している。この場合、図10の状態遷移図によれば、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「0」となる。
ここで、図4(a)〜(d)の各パターンにおいて、○印に示した出力値のレベルが、実線に近いほど、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「1」である確率が高いといえる。
すなわち、図4(a)(b)においては、以下の(5)式の関係が成り立てば、出力系列が、実線の出力系列に近くなるため、入力値が「1」である確率が高いといえる。
{(Yk-1−b)2+(Yk−(−b))2+(Yk+1−(−2a−b))2
−{(Yk-1−(2a+b))2+(Yk−b)2+(Yk+1−(−b))2}≧0
…(5)式
この(5)式をまとめると、以下の(6)式となる。
aYk-1+bYk+aYk+1≧0 …(6)式
また、同様に、図4(c)(d)においては、以下の(7)式の関係が成り立てば、出力系列が、実線の出力系列に近くなるため、入力値が「1」である確率が高いといえる。
{(Yk-1−b)2+(Yk−(−b))2+(Yk+2−b)2
−{(Yk-1−(2a+b))2+(Yk−b)2+(Yk+2−(−b))2}≧0
…(7)式
この(7)式をまとめると、以下の(8)式となる。
aYk-1+bYk−aYk+2≧a(a+b) …(8)式
ここで、図4(a)(b)において、入力値が「0」である確率が高くなる関係式は、以下の(9)式で表すことができる(前記(6)式の逆の関係)。
aYk-1+bYk+aYk+1<0 …(9)式
この(9)式に示した関係が成り立つとき、出力系列は、図4(c)(d)の破線の出力系列に近いことは図4により明らかである。すなわち、前記(9)式の関係が成り立つとき、出力系列は、図4(a)〜(d)のすべてにおいて、破線の出力系列に近くなるため、入力値が「0」である確率が高いといえる。
次に、図4(c)(d)において、入力値が「0」である確率が高くなる関係式は、以下の(10)式で表すことができる(前記(8)式の逆の関係)。
aYk-1+bYk−aYk+2<a(a+b) …(10)式
この(10)式に示した関係が成り立つとき、出力系列は、図4(a)(b)の破線の出力系列に近いことは図4により明らかである。すなわち、前記(10)式の関係が成り立つとき、出力系列は、図4(a)〜(d)のすべてにおいて、破線の出力系列に近くなるため、入力値が「0」である確率が高いといえる。
このように、データs1、s0が「1」、「1」で、且つ、出力値Yk<bの場合において、次に入力されるデータの入力値が「1」になるのは、前記(6)式と前記(8)式が同時に成り立つ場合のみである。すなわち、以下の≪条件2≫を満たせば、入力値が「1」であると考えられる。
≪条件2≫ aYk-1+bYk+aYk+1≧0 且つ
aYk-1+bYk−aYk+2≧a(a+b)
ここで、≪条件2≫の「aYk-1+bYk+aYk+1≧0」を満たす場合に「真(値“1”)」、満たさない場合に「偽(値“0”)」となる論理値をR3、≪条件2≫の「aYk-1+bYk−aYk+2≧a(a+b)」を満たす場合に「真」、満たさない場合に「偽」となる論理値をR5とすると、過去の確定データs1(=1)、s0(=1)と、現時点におけるビットデータRD3との相関性は、以下の≪論理式3≫として表すことができる。なお、≪論理式3≫中において、「・」は論理積(AND)を表すものとする。
≪論理式3≫ RD3=R3・R5・s0・s1
<s1=0、s0=0のときの相関性>
次に、データs1、s0が「0」、「0」の場合に、次に入力されるデータの入力値が「1」になる条件について検討する。
なお、出力値が、Yk<−bの場合は、図10の状態遷移図を参照すると、入力値が「0」である確率が高い。そこで、以下では、データs1、s0が「1」、「1」で、且つ、出力値Yk≧−bの場合において、次に入力されるデータの値が「1」になる条件について検討する。
ここで、図5を参照して、データs1、s0が「0」、「0」となる出力系列について説明する。図5は、データs1、s0が「0」、「0」となる出力系列を、時間と出力値との関係で示したグラフ図である。なお、図5で、実線は、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「1」である場合の出力系列、破線は、実線で示した出力系列に対して、復号誤りが生じ、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「0」である場合の出力系列を示し、○印に出力値のレベルの例をプロットしている。
ここでは、図5(a)〜(d)として、時間k−2、k−1、k、k+1、k+2において、データs1、s0が「0」、「0」、且つ、出力値Yk≧−bで、時刻kにおいて入力されるデータの値が「1」になる出力系列と、それぞれの出力系列で、復号誤りが生じやすい出力系列をパターン化している。
例えば、図5(a)の実線は、時間k−2、k−1、k、k+1、k+2における理想出力値(Yk-2,Yk-1,Yk,Yk+1,Yk+2)が、(−2a−b,−b,b,2a+b,2a+b)であることを示している。この場合、図10の状態遷移図によれば、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「1」となる。
また、図5(a)の破線は、出力値Yk≧−bの場合に、図5(a)の実線の出力系列において復号誤りが生じ、時間k−2、k−1、k、k+1、k+2における理想出力値(Yk-2,Yk-1,Yk,Yk+1,Yk+2)が、(−2a−b,−2a−b,−b,b,2a+b)となる出力系列を示している。この場合、図10の状態遷移図によれば、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「0」となる。
ここで、図5(a)〜(d)の各パターンにおいて、○印に示した出力値のレベルが、実線に近いほど、時間kにおけるデータYkに対する入力値が「1」である確率が高いといえる。
すなわち、図5(a)(b)においては、以下の(11)式の関係が成り立てば、出力系列が、実線の出力系列に近くなるため、入力値が「1」である確率が高いといえる。
{(Yk-1−(−2a−b))2+(Yk−(−b))2+(Yk+1−b)2
−{(Yk-1−(−b))2+(Yk−b)2+(Yk+1−(2a+b))2}≧0
…(11)式
この(11)式をまとめると、以下の(12)式となる。
aYk-1+bYk+aYk+1≧0 …(12)式
ここで、前記(12)式が成り立つときは、図5(a)(b)において、出力系列が、実線の出力系列に近く、入力値が「1」である確率が高いといえる。また、前記(12)式が成り立つとき、出力系列は、図5(c)(d)の実線の出力系列に近いことは図5により明らかである。
すなわち、前記(12)式が成り立つときは、出力系列は、図5(a)〜(d)のすべてにおいて、実線の出力系列に近くなるため、入力値が「1」である確率が高いといえる。
なお、ここではデータs1、s0が「0」、「0」であるため、時刻k−1における理想出力値Yk-1は、「−2a−b」又は「−b」となる。このとき、出力系列(Yk-1,Yk,Yk+1)の取り得る理想出力値は、図10の状態遷移図によれば、(−2a−b、−2a−b、−2a−b)、(−2a−b、−2a−b、−b)、(−2a−b、−b、b)、(−b、−b、b)、(−b、b、b)、(−b、b、2a+b)のみである。このうち、前記(12)式が成立するのは、理想出力値が(−b、b、b)、(−b、b、2a+b)のみであり、Yk+1≧−bの条件も満たしている。
このように、前記(12)式が成り立てば、データs1、s0が「0」、「0」で、次に入力されるデータの入力値が「1」になる確率が高い。すなわち、以下の≪条件3≫を満たせば、入力値が「1」であると考えられる。
≪条件3≫ aYk-1+bYk+aYk+1≧0
ここで、≪条件3≫を満たす場合に「真(値“1”)」、満たさない場合に「偽(値“0”)」となる論理値は、前記≪条件2≫の「aYk-1+bYk+aYk+1≧0」と同一であるのでR3とすると、過去の確定データs1(=0)、s0(=0)と、現時点におけるビットデータRD4との相関性は、以下の≪論理式4≫として表すことができる。なお、≪論理式4≫中において、「・」は論理積(AND)、「−」は否定(NOT)を表すものとする。
≪論理式4≫ RD4=R3・(−s0)・(−s1)
また、図5(c)(d)においては、以下の(13)式の関係が成り立てば、出力系列が、実線の出力系列に近くなるため、入力値が「1」である確率が高いといえる。
{(Yk-1−(−2a−b))2+(Yk−(−b))2+(Yk+2−b)2
−{(Yk-1−(−b))2+(Yk−b)2+(Yk+2−(−b))2}≧0
…(13)式
この(13)式をまとめると、以下の(14)式となる。
aYk-1+bYk−aYk+2≧−a(a+b) …(14)式
ここで、前記(14)式が成り立つとき、出力系列は、図5(c)(d)において、実線の出力系列に近く、入力値が「1」である確率が高いといえる。また、前記(14)式が成り立つときは、出力系列は、図5(a)(b)の実線の出力系列に近いことは図5により明らかである。
なお、ここではデータs1、s0が「0」、「0」であるため、時刻k−1における理想出力値Yk-1は、「−2a−b」又は「−b」となる。このとき、出力系列(Yk-1,Yk,Yk+1,Yk+2)の取り得る理想出力値は、図10の状態遷移図によれば、(−2a−b、−2a−b、−2a−b、−2a−b)、(−2a−b、−2a−b、−2a−b、−b)、(−2a−b、−2a−b、−b、b)、(−2a−b、−b、b、b)、(−2a−b、−b、b、2a+b)、(−b、−2a−b、−2a−b、−2a−b)、(−b、−2a−b、−2a−b、−b)、(−b、−2a−b、−b、b)、(−b、−b、b、b)、(−b、−b、b、2a+b)、(−b、b、b、−b)、(−b、b、2a+b、b)、(−b、b、2a+b、2a+b)のみである。このうち、(−2a−b、−2a−b、−2a−b、−2a−b)のときは、明らかに入力値は「0」にもかかわらず前記(14)は成立してしまう。そこで、前記(14)式以外に、Yk≧−bを満たすこととすれば、誤判定は発生しにくくなる。
すなわち、以下の≪条件4≫を満たせば、入力値が「1」であると考えられる。
≪条件4≫ Yk≧−b 且つ
aYk-1+bYk−aYk+2≧−a(a+b)
ここで、≪条件4≫の「Yk≧−b」を満たす場合に「真(値“1”)」、満たさない場合に「偽(値“0”)」となる論理値をR1、≪条件4≫の「aYk-1+bYk−aYk+2≧−a(a+b)」を満たす場合に「真」、満たさない場合に「偽」となる論理値をR4とすると、過去の確定データs1(=0)、s0(=0)と、現時点におけるビットデータRD5との相関性は、以下の≪論理式5≫として表すことができる。なお、≪論理式5≫中において、「・」は論理積(AND)、「−」は否定(NOT)を表すものとする。
≪論理式5≫ RD5=R1・R4・(−s0)・(−s1)
すなわち、前記した≪論理式1≫〜≪論理式5≫の論理和である以下の≪論理式6≫の値RDが「真」であれば、次に入力されるデータ(ビットデータ)の値は「1」となる確率が高い。なお、≪論理式6≫中において、「+」は論理和(OR)、「・」は論理積(AND)、「−」は否定(NOT)を表すものとする。
≪論理式6≫ RD=RD1+RD2+RD3+RD4+RD5
= R1・s0・s1+R2・R3・s0・s1
+R2・(−s0)・(−s1)
+R4・R5・(−s0)・(−s1)
+s0・(−s1)
このように、パーシャルレスポンスPR(a,b,a)で等化された時系列に連続した4つのデータYk-1、Yk、Yk+1、Yk+2及び、すでに復号され決定している2ビットのデータs1、s0とに基づいて、次に入力されるビットデータは、前記≪論理式6≫式により、高い相関性を保ったまま特定することができる。
そこで、ここでは、図1の最尤復号手段10を、前記≪論理式6≫の等価回路(4サンプル・ルックアップ復号回路)として実現する。
(最尤復号手段の回路例(4サンプル・ルックアップ復号回路))
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、最尤復号手段10の構成について説明する。図2は、本発明に係る最尤復号装置(最尤復号手段)の回路例を示すブロック図である。
図2に示すように、最尤復号手段10は、等化手段(パーシャルレスポンス等化器)9から時系列に出力される出力値(サンプル値)を最尤復号し、(1,7)符号を生成するものである。ここでは、最尤復号手段10は、遅延手段101と、判定手段102と、過去データ記憶手段103と、NRZ変換手段104とを備えている。
遅延手段101は、等化手段9で等化された等化データ(サンプル値)を、RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成するものである。なお、(1,7)RLL符号化手段4において、RLL符号化として、(1,7)RLL符号化を行っているため、遅延手段101は、入力される等化データを、ビットデータ単位に、(1,7)符号化ルール(変換則)における変換後のビット数である3ビット分順次遅延させる。ここでは、遅延手段101は、1ビットデータ毎に遅延させる遅延器Dを3つ(D1、D2、D3)備えている。
遅延器Dは、等化データが入力された段階で、時系列で1サンプル時間前の等化データを遅延して出力するものである。そして、等化データYが入力された段階で、遅延器D1からは1サンプル時間前の等化データ、遅延器D2からは2サンプル時間前の等化データ、遅延器D3からは3サンプル時間前の等化データが出力されることになる。図2では、遅延器D3からの出力、遅延器D2からの出力、遅延器D1からの出力、並びに、遅延器D1への入力を、それぞれ、時系列にYk-1、Yk、Yk+1、Yk+2で示している。
これによって、遅延手段101は、遅延された複数のビットデータと現時点のビットデータとからなる4つのサンプル値のデータ列(サンプルデータ列)(Yk-1、Yk、Yk+1、Yk+2)を生成することができる。この遅延手段101で生成されたサンプルデータ列は、判定手段102に出力される。
判定手段102は、遅延手段101から出力されるサンプルデータ列と、後記する過去データ記憶手段103に記憶されている、すでに復号され値が決定している2ビットのデータ(過去データ)s1、s0とに基づいて、現時点で入力されたビットデータの値が、「0」又は「1」であるかどうかを判定し、復号するものである。ここでは、判定手段102は、係数乗算・加算部102aと、条件比較部102bと、条件判定部102cとを備えている。
係数乗算・加算部102aは、遅延手段101から出力されるサンプルデータ列(Yk-1、Yk、Yk+1、Yk+2)に対して、所定の演算を行うことで、後記する条件比較部102bにおける所定値との比較対象となる数値を算出するものである。ここでは、係数乗算・加算部102aは、乗算器M(M1、M2、M3及びM4)と、加算器P(P1及びP2)とを備えている。
この係数乗算・加算部102aは、乗算器M1、乗算器M3及び乗算器M4、並びに、加算器P1によって、前記≪条件2≫及び≪条件4≫の一部である{aYk-1+bYk−aYk+2}を算出する。また、係数乗算・加算部102aは、乗算器M2、乗算器M3及び乗算器M4、並びに、加算器P2によって、前記≪条件2≫の一部である{aYk-1+bYk+aYk+1}を算出する。
条件比較部102bは、係数乗算・加算部102aで算出された演算値及び現時点(時刻k)における等化データ(サンプル値)Ykと、所定値とを比較することで、前記≪条件1≫〜≪条件5≫の比較結果を出力するものである。ここでは、条件比較部102bは、比較器C(C1、C2、C3、C4及びC5)を備えている。
この条件比較部102bは、比較器C1によって、現時点における等化データYkと“−b”とを比較し、前記≪条件4≫の一部である{Yk≧−b}を満たす場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる論理値R1を出力する。また、条件比較部102bは、比較器C2によって、現時点における等化データYkと「b」とを比較し、前記≪条件1≫である{Yk≧b}を満たす場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる論理値R2を出力する。
さらに、条件比較部102bは、比較器C3によって、係数乗算・加算部102aの加算器P2から出力される演算値と、“0”とを比較し、前記≪条件2≫の一部である{aYk-1+bYk+aYk+1≧0}を満たす場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる論理値R3を出力する。また、条件比較部102bは、比較器C4によって、係数乗算・加算部102aの加算器P1から出力される演算値と、“−a(a+b)”とを比較し、前記≪条件4≫の一部である{aYk-1+bYk−aYk+2≧−a(a+b)}を満たす場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる論理値R4を出力する。また、条件比較部102bは、比較器C5によって、係数乗算・加算部102aの加算器P1から出力される演算値と、“a(a+b)”とを比較し、前記≪条件2≫の一部である{aYk-1+bYk−aYk+2≧a(a+b)}を満たす場合に“1”、それ以外の場合に“0”となる論理値R5を出力する。
この各比較器Cの比較結果(R1〜R5)は、条件判定部102cに出力される。
条件判定部102cは、条件比較部102bから出力される比較結果(R1〜R5)と、後記する過去データ記憶部103に記憶されている過去データs1、s0とに基づいて、現時点で入力されたビットデータの値が、「0」又は「1」であるかどうかを判定し、「0」又は「1」に復号するものである。ここでは、条件判定部102cは、論理積回路A(A1、A2、A3、A4及びA5)と、論理和回路ORとを備えている。
この条件判定部102cは、論理積回路A1によって、R1、R4、s1の否定(NOT)及びs0の否定(NOT)を論理積演算することで、前記≪論理式5≫の論理値RD5を算出する。また、条件判定部102cは、論理積回路A2によって、R2、s1及びs0を論理積演算することで、前記≪論理式2≫の論理値RD2を算出する。また、条件判定部102cは、論理積回路A3によって、R3、s1の否定及びs0の否定を論理積演算することで、前記≪論理式4≫の論理値RD4を算出する。
さらに、条件判定部102cは、論理積回路A4によって、R3、R5、s1及びs0を論理積演算することで、前記≪論理式3≫の論理値RD3を算出する。また、条件判定部102cは、論理積回路A5によって、s1の否定及びs0を論理積演算することで、前記≪論理式1≫の論理値RD1を算出する。
そして、条件判定部102cは、論理和回路ORによって、各論理積回路Aの算出結果である論理値(RD1〜RD5)を論理和演算することで、論理値RDを算出する。この論理値RDは、前記≪論理式6≫の論理演算結果となり、現時点におけるビットデータの値として、特定されたことになる。
なお、この条件判定部102cで復号された論理値(現時点におけるビットデータの値)RDは、NRZI符号化手段5(図1)で符号化されたNRZI符号化データであるため、さらに、後記するNRZ変換手段104に出力され、NRZ符号に変換される。また、論理値RDは、現時点におけるビットデータの復号された値として、過去データ記憶手段103に記憶される。
過去データ記憶手段103は、判定手段102によって復号(判定)された現時点におけるビットデータの値(論理値RD)を、過去データとして記憶しておくものである。この過去データ記憶手段103は、少なくともRLL符号化(ここでは(1,7)RLL符号化)の変換則における変換後のビット数から1減算した数(ここでは2ビット)のビットデータを記憶するものであればよい。ここでは、過去データ記憶手段103は、フリップフロップ回路F(F1及びF2)を備えている。
このフリップフロップ回路Fには、ディレイ(D)フリップフロップ回路を用いることで、各フリップフロップ回路F1及びF2は、1ビットのデータを記憶することができる。そこで、ここでは、フリップフロップ回路F1及びF2を直列に連結することで、2ビットの過去データを記憶させることとする。
なお、フリップフロップ回路F1には、現時点におけるビットデータの1ビット前の過去データs0が記憶され、フリップフロップ回路F2には、現時点におけるビットデータの2ビット前の過去データs1が記憶される。
このフリップフロップ回路Fは、過去データs0及びs1、並びに、s0及びs1の各否定(NOT)を、判定手段102の条件判定部102cに出力する。s0及びs1の各否定(NOT)は、図2中では、s0及びs1の上にバーを付けて示している。
さらに、フリップフロップ回路F1は、1ビット前の過去データs0を、NRZ変換手段104に出力する。
NRZ(Non Return to Zero)変換手段104は、判定手段102で復号(判定)されたビットデータの値と、過去データ記憶部103に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算することで、NRZ符号を生成するものである。ここでは、NRZ変換手段104を、排他的論理和回路EORで構成している。
判定手段102で復号されたビットデータの値(論理値RD)は、NRZI符号化データである。そこで、排他的論理和回路EORは、論理値RDと、過去データの中で最新のビットデータの値s0とに対して、排他的論理和の演算を行う。
これによって、NRZ変換手段104から出力されるデータはNRZ符号となり、(1,7)RLL符号化手段4(図1参照)で符号化された(1,7)符号が再生される。ここで再生された(1,7)符号(NRZ符号)は、(1,7)RLL復号手段11に出力され、元のデジタルデータに復号される。
以上、最尤復号手段(最尤復号装置)10の構成について説明したが、本発明は、前記≪論理式6≫を実現するものであれば、この構成に限定されるものではない。例えば、前記≪論理式6≫を変形した以下の≪論理式7≫により、論理回路を構成することとしてもよい。
≪論理式7≫ RD´= (R1+R2・R3)・s0・s1
+(R2+R4・R5)・(−s0)・(−s1)
+s0・(−s1)
また、ここでは、最尤復号手段(最尤復号装置)10を論理回路で実現した例について説明したが、論理回路をFPGA(Field Programmable Gate Array)等のカスタムLSIに書き込んで動作させることも可能である。また、最尤復号手段10の論理回路による論理演算を汎用的なコンピュータ言語で記述することで最尤復号プログラムとして動作させることも可能である。
[光ディスク記録再生装置(デジタルデータ再生装置)の動作]
次に、図3を参照(適宜図1及び図2参照)して、光ディスク記録再生装置の動作について説明する。なお、記録系3の動作は、従来と同一であるため、ここでは、再生系(デジタルデータ再生装置)7の動作のみ説明することとする。図3は、デジタルデータ再生装置の動作を示すフローチャートである。
まず、デジタルデータ再生装置7は、増幅手段8によって、ヘッド20により読み出された再生信号である、光ディスク2に書き込まれているNRZI符号の信号レベルを増幅させる(ステップS1)。
そして、デジタルデータ再生装置7は、等化手段9によって、再生信号をPR(a,b,a)等化方式により波形整形し、「−2a−b」、「−b」、「b」、「2a+b」の4値をサンプル値とする等化データに等化する(ステップS2)。この等化データは逐次最尤復号手段(最尤復号装置)10に出力される。
そして、デジタルデータ再生装置7は、最尤復号手段10の遅延手段101によって、(1,7)RLL符号化の変換則における変換後の3ビット数分、ビットデータ単位で順次遅延させることで、時系列に連続する4つのサンプルデータ列を生成する(ステップS3;遅延ステップ)。
さらに、デジタルデータ再生装置7は、最尤復号手段10の判定手段102によって、ステップS3で生成されたサンプルデータ列と、過去データ記憶手段103に記憶されている、すでに復号され、値が決定している2ビットの過去データとに基づいて、現時点で入力されたビットデータの値が、「0」又は「1」のいずれであるかを判定し、復号する(ステップS4;判定ステップ)。なお、このステップS4における復号動作は、前記≪論理式6≫に基づいて、論理値RDを決定する。
そして、デジタルデータ再生装置7は、ステップS4で復号されたビットデータの値(判定結果=論理値RD)を過去データ記憶手段103に記憶する(ステップS5;過去データ記憶ステップ)。この過去データ記憶手段103には、ステップS4で復号されたビットデータを2ビット分順次記憶していく。
なお、ステップS4で決定された論理値RDは、記録系3において、(1,7)RLL符号化手段4によってRLL符号化された後に、NRZI符号化手段5によってNRZI変換された変換データ(NRZI符号)である。
そこで、デジタルデータ再生装置7は、最尤復号手段10のNRZ変換手段104によって、ステップS4で復号されたビットデータの値(論理値RD)と、過去データ記憶手段103に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算することで、NRZ符号を生成する(ステップS6;NRZ変換ステップ)。
このステップS6で生成されたNRZ符号は、記録系3において、(1,7)RLL符号化手段4によってRLL符号化された(1,7)符号のデータである。
そこで、デジタルデータ再生装置7は、(1,7)RLL復号手段11によって、ステップS6で生成されたNRZ符号((1,7)符号)を、(1,7)符号化ルールの逆変換を行うことで、3ビットの情報を2ビットの情報に変換し、再生データ(元のデジタルデータ)を再生する(ステップS7)。
デジタルデータ再生装置7は、以上の動作を、ヘッド20により読み出された再生信号のビット毎に連続して行う。これによって、デジタルデータ再生装置7は、4つのサンプル値と、過去データとに基づいて、原データに対して誤差が最も少ないと推論されるデジタルデータを再生することができる。
また、デジタルデータ再生装置7は、ステップS4において、最尤復号手段10の判定手段102が、予め定めた論理式に基づいて演算を行うことでNRZI符号を生成するため、ビタビ復号回路のパスメモリ単位ブロックを複数段備えるような構成をとる必要がない。このため、デジタルデータ再生装置7や、最尤復号手段10を簡単な回路で構成することができる。
[4サンプル・ルックアップ復号の評価]
次に、図11を参照して、本発明に係る最尤復号装置10で用いた4サンプル・ルックアップ復号方式と、他の復号方式との比較を行った評価結果について説明する。図11は、信号/ノイズ比(S/N)に対するエラーレート(誤り率)のシミュレーション結果を示すグラフ図である。ここでは、横軸に信号/ノイズ比(S/N)、縦軸にエラーレート(誤り率)を示している。
また、図11では、本発明に係る最尤復号方式である4サンプル・ルックアップ復号方式におけるS/Nに対する誤り率を、グラフ図中に「○印」でプロットしている。また、従来のビタビ復号方式におけるS/Nに対する誤り率を、グラフ図中に「×印」でプロットしている。さらに、参考として、再生信号の振幅レベルの1/2に設定したスライサによって、ビットデータの検出を行うスライス検出方式におけるS/Nに対する誤り率を、グラフ図中に「△印」でプロットしている。
図11に示すように、複雑な回路を必要とするビタビ復号方式と、回路構成が簡単な4サンプル・ルックアップ復号方式との性能差は、S/Nに換算して、わずかに0.5デシベル以下である。また、4サンプル・ルックアップ復号方式と、スライス検出方式との性能差は、S/Nに換算して5デシベル以上である。
このように、4サンプル・ルックアップ復号方式は、従来のビタビ復号方式と比較して、回路構成が簡単で、しかもほぼ同等のエラーレート性能を得ることができる。これによって、本4サンプル・ルックアップ復号方式を用いた最尤復号装置(方法、プログラム)は、高密度化、高速度化が要求される光ディスク記録再生装置の開発に極めて有効な効果をもたらすことができる。
本発明に係る光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る最尤復号装置(最尤復号手段)の回路例を示すブロック図である。 本発明に係るデジタルデータ再生装置の動作を示すフローチャートである。 過去データがs0=1,s1=1のときの出力系列を説明するための説明図である。 過去データがs0=0,s1=0のときの出力系列を説明するための説明図である。 従来の光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。 (1,7)RLL符号化における符号化ルール((1,7)符号化ルール)を示す変換表である。 従来のビタビ復号回路におけるパスメトリック加算比較選択回路の例を示す回路構成図である。 従来のビタビ復号回路におけるパスメモリ回路の例を示す回路構成図である。 パーシャルレスポンスPR(a,b,a)の状態遷移図である。 信号/ノイズ比に対するエラーレートのシミュレーション結果を示すグラフ図である。
符号の説明
1 光ディスク記録再生装置
3 記録系
4 (1,7)RLL符号化手段
5 NRZI符号化手段
6 書き込み手段
7 再生系(デジタルデータ再生装置)
8 増幅手段
9 等化手段
10 最尤復号手段(最尤復号装置)
101 遅延手段
102 判定手段
103 過去データ記憶手段
104 NRZ変換手段
11 (1,7)RLL復号手段

Claims (7)

  1. RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを再生する際に、前記変換データをパーシャルレスポンス方式により等化することで得られる等化データから、前記RLL符号化されたNRZ符号を生成する最尤復号装置であって、
    前記等化データを、前記RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成する遅延手段と、
    この遅延手段で生成されたサンプルデータ列と、過去に復号されている過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定する判定手段と、
    この判定手段で判定されたビットデータの値を、時系列に前記過去データとして記憶する過去データ記憶手段と、
    前記判定手段で判定されたビットデータの値と、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算することで、前記NRZ符号を生成するNRZ変換手段と、
    を備えていることを特徴とする最尤復号装置。
  2. 前記RLL符号化は(1,7)RLL符号化、前記パーシャルレスポンス方式はPR(a,b,a)(a,bは、a≦bとなる正数)であり、
    前記判定手段は、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データで時系列で2つ前のビットデータの値が「0」、1つ前のビットデータの値が「1」の場合に、次に入力されるビットデータの値を「1」と判定し、2つ前のビットデータの値が「1」、1つ前のビットデータの値が「0」の場合に、次に入力されるビットデータの値を「0」と判定することを特徴とする請求項1に記載の最尤復号装置。
  3. 前記判定手段は、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データにおける時系列で1つ前及び2つ前のビットデータの値がともに「1」である場合、
    時刻kにおける前記サンプルデータ列をYk-1,Yk,Yk+1,Yk+2としたとき、
    ≪条件1≫ Yk≧b
    ≪条件2≫ aYk-1+bYk+aYk+1≧0 且つ
    aYk-1+bYk−aYk+2≧a(a+b)
    における前記≪条件1≫又は前記≪条件2≫のいずれか一方の条件が成り立つときに、次に入力されるビットデータの値を「1」と判定することを特徴とする請求項2に記載の最尤復号装置。
  4. 前記判定手段は、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データにおける時系列で1つ前及び2つ前のビットデータの値がともに「0」である場合、
    時刻kにおける前記サンプルデータ列をYk-1,Yk,Yk+1,Yk+2としたとき、
    ≪条件3≫ aYk-1+bYk+aYk+1≧0
    ≪条件4≫ Yk≧−b 且つ aYk-1+bYk−aYk+2≧−a(a+b)
    における前記≪条件3≫又は前記≪条件4≫のいずれか一方の条件が成り立つときに、次に入力されるビットデータの値を「1」と判定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の最尤復号装置。
  5. RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを再生する際に、前記変換データをパーシャルレスポンス方式により等化することで得られる等化データから、前記RLL符号化されたNRZ符号を生成する最尤復号方法であって、
    前記等化データを、前記RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成する遅延ステップと、
    この遅延ステップで生成されたサンプルデータ列と、過去に復号されている過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定する判定ステップと、
    この判定ステップで判定されたビットデータの値を、時系列に前記過去データとして過去データ記憶手段に記憶する過去データ記憶ステップと、
    前記判定ステップで判定されたビットデータの値と、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算することで、前記NRZ符号を生成するNRZ変換ステップと、
    を含んでいることを特徴とする最尤復号方法。
  6. RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを再生する際に、前記変換データをパーシャルレスポンス方式により等化することで得られる等化データから、前記RLL符号化されたNRZ符号を生成するために、コンピュータを、
    前記等化データを、前記RLL符号化の変換則における変換後のビット数以上について順次遅延させることで、時系列に沿った複数のビットデータからなるサンプルデータ列を生成する遅延手段、
    この遅延手段で生成されたサンプルデータ列と、過去に復号されている過去データとに基づいて、次に入力されるビットデータの値を判定するとともに、その判定されたビットデータの値を、時系列に前記過去データとして過去データ記憶手段に記憶する判定手段、
    この判定手段で判定されたビットデータの値と、前記過去データ記憶手段に記憶されている過去データの中で最新のビットデータの値とを排他的論理和演算することで、前記NRZ符号を生成するNRZ変換手段、
    として機能させることを特徴とする最尤復号プログラム。
  7. (1,7)RLL符号化された後にNRZI変換された変換データを、元のデジタルデータに再生するデジタルデータ再生装置であって、
    前記変換データをパーシャルレスポンスPR(a,b,a)((a,bは、a≦bとなる正数))により等化することで、等化データを生成する等化手段と、
    この等化手段で生成された等化データから、次に入力されるビットデータの値を推定して復号する請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の最尤復号装置と、
    この最尤復号装置で復号されたビットデータを逐次(1,7)RLL復号することで、前記デジタルデータとして再生する(1,7)RLL復号手段と、
    を備えていることを特徴とするデジタルデータ再生装置。
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