上述のプログラマブルコントローラシステムに含まれる入力ユニットや入力スレーブユニット等の信号入力装置には、各種の入力機器(例えば、光電センサ、近接センサ、リミットスイッチ、押しボタンスイッチ等)が接続される。信号入力装置と入力機器とを接続するための接続構造としては、電気コードを介するコード接続方式と、プラグとソケットとを介してケース同士を直接に接続するプラグイン接続方式とが存在する。コード接続方式の場合、一般的には、入力機器のケースからは固定式又はコネクタ着脱式に電気コードが引き出される。この電気コード先端から引き出された芯線と入力装置との接続は、入力装置側の端子台と芯線側の圧着端子片とを用いたビス止め構造又は圧入構造、あるいは芯線側のプラグと信号入力装置側のレセプタクルとを用いたコネクタ構造を介して行われる。プラグイン接続方式の場合、信号入力装置のケース側にはプラグ又はソケットが配置され、これに対応する入力機器側にはソケット又はプラグが配置される。これにより、両者はケースごと、機械的及び電気的に接続される。
入力機器が、光電センサや近接センサ等のように、信号入力装置側から電源供給を受けて動作する能動型の入力機器である場合、接続構造に採用される配線方式としては3線式と2線式とが存在する。
より具体的には、3線式の配線方式が採用された場合、入力機器(例えば、光電センサ、近接センサ等)の側には、受電端子とグランド端子と信号端子との3個の端子が存在する。入力機器の内部回路(例えば、センサ回路部等)は、受電端子とグランド端子とを介して給電されて動作する。動作の結果として生成されたセンシング信号は信号端子から外部へと出力される。これに対する信号入力装置(例えば、入力ユニット、入力通信スレーブユニット等)の側には、入力機器の電源端子に接続されるべき装置側電源端子と、入力機器のグランド端子に接続されるべき装置側グランド端子と、入力機器の信号端子に接続されるべき装置側信号端子との3個の端子と、装置側信号端子に繋がる内部信号ラインを流れる電流値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路とが存在する。そして、この弁別二値化回路の出力状態が接続対象となる3線式センサのオンオフ状態として装置内に取り込まれる。つまり、弁別二値化回路の出力状態がオン電流状態であれば、接続対象となる3線式センサ(例えば、光電センサ、近接センサ等)はオン状態として入力され、逆に弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態であれば、当該3線式センサはオフ状態として入力される。
2線式の配線方式が採用された入力機器の場合、入力機器側には、受電と制御出力とに兼用される電源端子とグランド端子との2個の端子が存在する。入力機器の内部回路は、それら2個の端子を介して給電されて動作する。動作の結果として生成されるセンシング信号は、上述の電源端子から外部へと出力される。これに対する信号入力装置の側には、入力機器の電源端子に接続されて、給電とセンシング信号の入力とに兼用される装置側電源端子と、入力機器のグランド端子に接続されるべき装置側グランド端子と、装置側電源端子に繋がる内部電源ライン又は装置側グランドラインに繋がる内部グランドラインを流れる電流値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路とが存在する。そして、この弁別二値化回路の出力状態が接続対象となる2線式センサのオンオフ状態として装置内に取り込まれる。つまり、弁別二値化回路の出力状態がオン電流状態であれば、接続対象となる2線式センサ(例えば、光電センサ、近接センサ等)はオン状態として入力され、逆に弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態であれば、当該2線式センサはオフ状態として入力される。
ところで、信号入力装置のひとつであるPLCの入力スレーブユニットには、それに接続された入力機器の異常を検出する機能が従来より組み込まれている。入力スレーブユニットがそれに接続された入力機器の異常を検知すると、そのことはフィールドバスを介して、フィールドバス上のコンフィギュレータ(パソコンにコンフィギュレータ動作ソフトがインストールされている)やPLC上の通信マスタユニットへと通知される。入力機器の異常を通知されたコンフィギュレータの側では、その旨をシステム管理者に伝えるために、コンフィギュレータの画面上に特定の表示(異常の旨の表示)を行なう。通信マスタへ送られた情報は、さらに、CPUユニットにてパトライトの点灯やブザーの鳴動を行わせたり、周辺サービス処理を介して上位パソコンへと送られる。これにより、システム管理者や現場作業員は当該故障に係る入力機器を交換する等の迅速な対応をとることができる。
従来、入力機器の異常を検出するために、入力スレーブユニットが採用している手法は、入力スレーブユニット内に存在する入力機器への給電路を流れる電流を過電流検出部と低電流検出部を介して監視するものである。例えば、電源端子とグランド端子と信号端子との3個の端子を有する3線式の入力機器に対応する入力スレーブユニットの場合、入力スレーブユニット内の給電路(例えば、グランドライン)には、過電流検出部と低電流検出部とが介在される。過電流検出部は、給電路に介在されて、それを流れる電流が所定の上限値を超えると急激に抵抗値が増大して電流を実質的に遮断する正特性サーミスタ(通称ポリスイッチ)と、正特性サーミスタの両端電位差が規定値を越えると過電流有りを判定して出力するコンパレータとで構成することができる。低電流検出器は、給電路に介在された微小抵抗と、この微小抵抗の両端電位差がVBE(ベース・エミッタ間の順方向電位差)を下回ると低電流を判定してスイッチング(オン→オフ)するバイポーラトランジスタとで構成することができる。
入力スレーブユニットと入力機器とを繋ぐ電気コード内には、電源線とグランド線と信号線とが芯線として含まれている。電気コードの被覆が傷ついて電源線とグランド線とが電気コードの途中で短絡したり、入力通信スレーブユニットの端子台上で電源線とグランド線とが短絡したことは、過電流検出部からの検出信号により判定することができる。入力通信スレーブユニットと入力機器とを繋ぐ電気コード内において、電源線又はグランド線が断線したり、入力通信スレーブユニットの端子台から電源線又はグランド線が外れたりしたことは、低電流検出部からの検出信号により判定することができる。
しかし、上述の異常判定手法は、過電流検出部と低電流検出部とを介して単に電流値を監視するに過ぎないものであるから、監視される電流値が、正常時オン電流値を大きく越える値を示すか、正常時オフ電流値を大きく下回る値を示さない限り、なんら異常判定は行われない。そのため、発生された故障は検知できても、発生する以前の故障を予知することはできない。殊に、昨今、自動車の生産ライン等においては、クーラントの降り注ぐ劣悪環境下において、光電センサや近接センサが多数使用され、それらがクーラントの侵入を原因として、しばしば漏電故障を起こし、ライン停止や欠陥品発生等により大きな損失を生ずると言う問題点が指摘されており、その解決にはそれらセンサに生ずる漏電故障の予知が望まれている。
この発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされてものであり、その目的とするところは、接続対象となる近接センサや光電センサ等の2線式又は3線式センサに、例えばクーラントの侵入等を原因として漏電故障が発生する場合、漏電故障が発生する以前に、そのことを的確に予知する機能を備えた信号入力装置を提供することにある。
この発明の他の目的とするところは、上述のように、漏電故障を予知した場合には、その旨を視覚的又は聴覚的に報知することが可能な信号入力装置を提供することにある。
この発明の他の目的とするところは、様々な種類乃至機種のセンサに対しても、上述の漏電故障予知を柔軟に適用可能な信号入力装置を提供することにある。
この発明の他の目的とするところは、接続対象となる近接センサや光電センサ等の2線式又は3線式センサに、例えばクーラントの侵入等を原因として漏電故障が発生する場合、漏電故障が発生する以前に、そのことを的確に予知する機能を備えたプログラマブルコントローラの通信スレーブユニットを提供することにある。
この発明の他の目的とするところは、いずれかのチャンネルのセンサにおいて漏電故障が予知された場合、その旨をプログラマブルコントローラの側で認識することができるようにしたプログラマブルコントローラの通信スレーブユニットを提供することにある。
この発明の他の目的とするところは、通信を介する遠隔制御にて、各チャンネルの漏電故障検知仕様を適切に設定が可能なプログラマブルコントローラの通信スレーブユニットを提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の説明を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
この発明の信号入力装置は、2線式センサのセンサ側電源端子に接続されるべき装置側電源端子と、2線式センサのセンサ側グランド端子に接続されるべき装置側グランド端子と、装置側電源端子に繋がる内部電源ライン又は装置側グランド端子に繋がる内部グランドラインを流れる電流の値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路と、を有する。そして、弁別二値化回路の出力状態を接続対象となる2線式センサのオンオフ状態として装置内に取り込むようになされている。この信号入力装置には、さらに、装置側電源端子に繋がる内部電源ライン又は装置側グランドラインに繋がる内部グランドラインを流れる電流値を計測するための電流計測手段と、弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態であるときに、電流計測手段にて計測される計測電流値と予め設定された設定電流値とに基づいて、接続対象となる2線式センサの漏電程度に相当する情報を生成する漏電情報生成手段と、漏電情報生成手段により生成された漏電程度に相当する情報を外部へと出力する漏電情報出力手段と、が含まれている。
このような構成によれば、2線式センサ(例えば、近接センサ)において、クーラントの侵入等を原因として、電源端子とグランド端子との間で漏電が開始された場合、漏電程度が進行するにつれて、オフ電流状態における内部電源ライン又は内部グランドラインを流れる電流が、正常値に比べて顕著に増加するから、計測電流値と予め設定された設定電流値とに基づいて、漏電程度に相当する情報を生成し、漏電故障の予知が可能となる。
ここで、「漏電故障」とは、漏電が進むことにより、センサが使用不能に陥る状態を広く意味している。この漏電故障の中には、例えば、漏電電流が増加することにより、正常なオン電流との区別がつかなくなり、センサがオン状態にあるのかオフ状態にあるのかが判明できなくなる状態等が含まれる。
また、「計測電流値と設定電流値とに基づいて」について、種々の態様が含まれる。それらの態様の中には、例えば、(1)正常時のオフ電流値(センサ内部回路にて消費される)と異常時(漏電故障時)のオフ電流値との中間のどこかに1段階又は2段階以上の設定電流値を設けておき、計測電流値がこれを越えたときに漏電程度に相当する情報(「漏電故障が間近」、「漏電程度が〜段階に達している」等)を生成するもの、(2)正常時のオフ電流増加速度と異常時(漏電故障時)に至る途中のオフ電流増加速との中間のどこかに設定電流値(この場合は電流増加速度)を設けておき、計測電流値の増加速度がこれを越えたときに漏電程度に相当する情報(「漏電故障間近」等)を生成するもの、等が含めることができる。
このとき、「計測電流値」としては、例えばタイマにより計測タイミングを遅らせたり、あるいは、計測対象となる電流値を常時監視すること等により、オンオフ過渡期における電流変動期間終了後の計測電流値を取得することが好ましい。オフ電流状態と判定されても、実際の計測対象となる電流値は瞬時にはオフ電流値とはならないからである。
別の一面から見た本発明の信号入力装置は、3線式センサのセンサ側電源端子に接続されるべき装置側電源端子と、3線式センサのセンサ側グランド端子に接続されるべき装置側グランド端子と、3線式センサのセンサ側信号端子に接続されるべき装置側信号端子と、装置側信号端子に繋がる内部信号ラインを流れる電流値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路と、を有する。そして、弁別二値化回路の出力状態を接続対象となる3線式センサのオンオフ状態として装置内に取り込むようになされている。この信号入力装置は、装置側電源端子に繋がる内部電源ラインと装置側グランド端子に繋がる内部グランドラインとのうちで、センサ信号電流とセンサ制御用電流とが合流する側のラインを流れる電流値を計測するための第1の電流計測手段と、弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態(又はオン電流状態)であるときに、第1の電流計測手段により計測される計測電流値と予め設定されたオフ電流状態用(又はオン電流状態用)の設定電流値とに基づいて、接続対象となる3線式センサの漏電程度に相当する情報を生成する漏電情報生成手段と、漏電情報生成手段により生成された漏電程度に相当する情報を外部へと出力する漏電情報出力手段と、をさらに含んでいる。
このような構成によれば、3線式センサ(例えば、近接センサ)において、クーラントの侵入等を原因として、電源端子とグランド端子との間、あるいは信号端子とグランド端子との間、等で漏電が開始された場合、漏電程度が進行するにつれて、オフ電流状態における内部電源ライン又は内部グランドラインを流れる電流が、正常値に比べて増加するから、計測電流値と予め設定された設定電流値とに基づいて、漏電程度に相当する情報を生成し、漏電故障の予知が可能となる。
ここで、「漏電故障」、「計測電流値と設定電流値とに基づいて」について、は先に説明した通りである。このときも、「計測電流値」としては、例えばタイマにより計測タイミングを遅らせたり、あるいは、計測対象となる電流値を常時監視すること等により、オンオフ過渡期における電流変動期間終了後の計測電流値を取得することが好ましい。オフ電流状態と判定されても、実際の計測対象となる電流値は瞬時にはオフ電流値とはならないからである。
このとき、好ましい実施の形態においては、装置側信号端子に繋がる内部信号ラインを流れる電流値を計測する第2の電流計測手段を有し、漏電程度に相当する情報を生成するために、弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態であるときに、第2の電流計測手段にて計測される計測電流値をさらに使用する、ようにしてもよい。このような構成によれば、オフ電流状態における内部信号ラインの電流を判断要素に加味することにより、漏電程度に相当する情報の信頼性を一層高めることができる。このとき、先の理由から、計測電流値としては、オンオフ過渡期における電流変動期間終了後の計測電流値を取得することが好ましい。
好ましい実施の形態においては、上述の発明においては、計測電流値と比較されるべき設定電流値を変更するための設定値変更手段を有する、ことがこのましい。このような構成によれば、センサの種類や型式等に合わせて、設定電流値を適切に調整することにより、汎用性が向上する。
本発明のプログラマブルコントローラの通信スレーブユニットは、それぞれ外部機器と接続される所定チャンネル数分の外部インタフェース部と、プログラマブルコントローラとの間で通信を行うための通信部と、各チャンネルのそれぞれに対応する記憶領域を有するメモリと、を有する。
外部インタフェース部の中で、センサに接続されるべきチャンネルの外部インタフェース部には、2線式センサのセンサ側電源端子に接続されるべき装置側電源端子と、2線式センサのセンサ側グランド端子に接続されるべき装置側グランド端子と、装置側電源端子に繋がる内部電源ライン又は装置側グランド端子に繋がる内部グランドラインを流れる電流の値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路と、が設けられている。
さらに、制御部には、メモリ内のセンサに割り当てられたチャンネルの入力信号の状態を、該当するチャンネルの外部インタフェース部の弁別二値化回路の出力状態により周期的に更新する入力更新手段と、通信を介してプログラマブルコントローラから入力信号送信要求が到来するのに応答して、該当するチャンネルの入力信号をチャンネルメモリから読み出して、プログラマブルコントローラへと送信する入力信号送信手段と、が設けられている。
この通信スレーブユニットには、所定チャンネル数分の外部インタフェース部の中で、センサに接続されるべき外部インタフェース部には、内部電源ライン又は内部グランドラインを流れる電流の値を計測する電流計測手段が設けられ、かつ制御部には、弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態であるときに、電流計測手段にて計測された計測電流値と予め設定された設定電流値とに基づいて、該当するチャンネルに接続された2線式センサの漏電程度に相当する情報を生成する漏電情報生成手段と、漏電情報生成手段にて生成された漏電程度に相当する情報を外部に出力する漏電情報出力手段と、が設けられている。
このような構成によれば、プログラマブルコントローラの通信スレーブユニットとしての機能を維持しつつも、各チャンネルに接続された2線式センサ(例えば、近接センサや光電センサ等)のそれぞれに関する漏電程度を示す情報を生成し、これを外部へと出力させることができ、漏電故障の予知が可能となる。すなわち、接続対象となる近接センサや光電センサ等の2線式センサに、例えばクーラントの侵入等を原因として漏電故障が発生する場合、漏電故障が発生する以前に、そのことを的確に予知することが可能となる。
この発明のプログラマブルコントローラの通信スレーブユニットは、それぞれ外部機器と接続される所定チャンネル数分の外部インタフェース部と、プログラマブルコントローラとの間で通信を行うための通信部と、各チャンネルのそれぞれに対応する記憶領域を有するメモリと、を有する。
外部インタフェース部の中で、センサに接続されるべきチャンネルの外部インタフェース部には、3線式センサのセンサ側電源端子に接続されるべき装置側電源端子と、3線式センサのセンサ側グランド端子に接続されるべき装置側グランド端子と、3線式センサのセンサ側信号端子に接続されるべき装置側信号端子と、装置側信号端子に繋がる内部信号ラインを流れる電流値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路と、が設けられている。
さらに、制御部には、メモリ内のセンサに割り当てられたチャンネルの入力信号の状態を、該当するチャンネルの外部インタフェース部の弁別二値化回路の出力状態により周期的に更新する入力更新手段と、通信を介してプログラマブルコントローラから入力信号送信要求が到来するのに応答して、該当するチャンネルの入力信号をチャンネルメモリから読み出して、プログラマブルコントローラへと送信する入力信号送信手段と、が設けられている。
所定チャンネル数分の外部インタフェース部の中で、センサに接続されるべき外部インタフェース部には、装置側電源端子に繋がる内部電源ラインと装置側グランド端子に繋がる内部グランドラインとのうちで、センサ信号電流とセンサ制御用電流とが合流する側のラインを流れる電流値を計測するための第1の電流計測手段が設けられ、かつ制御部には、弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態(又はオン電流状態)であるときに、第1の電流計測手段により計測される計測電流値と予め設定されたオフ電流状態用(又はオン電流状態用)の設定電流値とに基づいて、接続対象となる3線式センサの漏電程度に相当する情報を生成する漏電情報生成手段と、漏電情報生成手段により生成された漏電程度に相当する情報を外部へと出力する漏電情報出力手段と、が設けられている。
このような構成によれば、プログラマブルコントローラの通信スレーブユニットとしての機能を維持しつつも、各チャンネルに接続された3線式センサ(例えば、近接センサや光電センサ等)のそれぞれに関する漏電程度を示す情報を生成し、これを外部へと出力させることができ、漏電故障の予知が可能となる。すなわち、接続対象となる近接センサや光電センサ等の3線式センサに、例えばクーラントの侵入等を原因として漏電故障が発生する場合、漏電故障が発生する以前に、そのことを的確に予知することが可能となる。
上述の3線式センサ対応の通信スレーブユニットにおける好ましい実施の形態においては、装置側信号端子に繋がる内部信号ラインを流れる電流値を計測する第2の電流計測手段を有し、漏電程度に相当する情報を生成するために、弁別二値化回路の出力状態がオフ電流状態であるときに、第2の電流計測手段にて計測される計測電流値をさらに使用する、ようにしてもよい。このような構成によれば、オフ電流状態における内部信号ラインの電流を判断要素に加味することにより、漏電程度に相当する情報の信頼性を一層高めることができる。
上述した2線式センサ対応又は3線式センサ対応の通信スレーブユニットにおける好ましい実施の形態においては、漏電情報出力手段が、通信を介して所定の送信要求が到来するのに応答して、該当するチャンネルの漏電情報を送信要求元へと送信する漏電情報送信手段である、ようにしてもよい。このような構成によれば、いずれかのチャンネルのセンサにおいて漏電故障が予知された場合、その旨を通信を介して結ばれたプログラマブルコントローラや上位コンピュータ等の側で認識することができる。
上述した2線式センサ対応又は3線式センサ対応の通信スレーブユニットにおける好ましい実施の形態においては、漏電情報出力手段が、漏電情報生成手段により生成された漏電程度に相当する情報を外部へと視覚的に又は聴覚的に出力する、ようにしてもよい。このような構成によれば、いずれかのチャンネルに接続されたセンサにおいて、漏電故障予知が行われた場合、その旨が通信スレーブユニット側においても、視覚的又は聴覚的に報知される。
上述した2線式センサ対応又は3線式センサ対応の通信スレーブユニットにおける好ましい実施の形態においては、通信を介して所定の要求が到来するのに応答して、該当するチャンネルの設定電流値を当該要求により教示された値又は学習された値に更新する設定電流値更新手段をさらに含む、ようにしてもよい。このような構成によれば、通信を介して、各チャンネルの漏電故障検知仕様を適切に設定可能となる。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、接続対象となる近接センサや光電センサ等の2線式又は3線式センサに、例えばクーラントの侵入等を原因として漏電故障が発生する場合、漏電故障が発生する以前に、そのことを的確に予知することが可能となる。
以下に、この発明の好適な実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明が適用された入力スレーブユニットを含むPLCシステム全体の構成図が図1に示されている。同図に示されるように、このPLCシステムの全体は、1台のPLC本体1と、2台の入力スレーブユニット2,2と、1台の出力スレーブユニット3と、1台の入出力スレーブユニット4とを、フィールドバス5を介して通信により接続して構成されている。尚、図において符号6で示されるものは、パソコンで構成されたコンフィグレータである。当業者にはよく知られているように、コンフィグレータ6とは、フィールドバス5を構成するネットワークを統括管理する機能を有する情報処理装置である。
PLC本体1には、電源ユニット101と、CPUユニット102と、I/Oユニット103と、通信マスタユニット104とが含まれている。これらのユニット101〜104は、バックプレーン上に敷設されたPLCバス105に対して着脱自在に装着される。電源ユニット101は、バックプレーン上の電源線を介して、CPUユニット102、I/Oユニット103、通信マスタユニット104に対して電源を供給する。CPUユニット102は、PLC本体1の全体を統括制御する。I/Oユニット103は、各種の入力機器(例えば、センサやスイッチ等)から入力データを取り込んだり、各種の出力機器(例えば、リレーやアクチュエータ等)に対して出力信号を送出する機能を有する。通信マスタユニット104は、フィールドバス5を介して、入力スレーブユニット2,2、出力スレーブユニット3、入出力スレーブユニット4との間でデータ通信を行うために使用される。
2台の入力スレーブユニット2,2のうちで、図中左側に描かれた入力スレーブユニット2には、例えば16台のセンサ7,7,…が接続される。これらのセンサ7としては、光電センサ、近接センサ、変位センサ等のように、電源の供給を受けてセンサ内部回路が動作し、その結果、センサ出力信号を生成して、入力スレーブユニット2に対して出力する機能を有する。この例では、入力スレーブユニット2はローカル電源である直流電源11から給電されて動作すると共に、入力スレーブユニット2に接続された例えば16台のセンサ7,7,…についても、入力スレーブユニット2を介して、直流電源11から給電される。
2台の入力スレーブユニット2,2のうちで図中右側に描かれた入力スレーブユニット2には、例えば16台のスイッチ8,8,…が接続されている。これらのスイッチ8,8としては、例えばリミットスイッチや押しボタンスイッチ等のように、受動的なスイッチが採用されている。尚、この場合にも、入力スレーブユニット2については、直流電源11から給電されて動作する。
出力スレーブユニット3には、リレー9やアクチュエータ10等のような各種の出力機器が接続される。出力スレーブユニット3についても直流電源11から給電されて動作すると共に、出力スレーブユニット3に接続されたリレー9,アクチュエータ10等の出力機器についても、出力スレーブユニット3を介して直流電源11から給電される。
入出力スレーブユニット4には、センサ7等の入力機器と、リレー9等の出力機器とが混在する形で接続される。この入出力スレーブユニット4についても、直流電源11から給電されて動作すると共に、入出力スレーブユニット4に接続されたセンサ7,リレー9についても、入出力スレーブユニット4を介して直流電源11から給電される。
PLC本体1のCPUユニット102における制御は、当業者にはよく知られているように、I/Oユニット103を構成する入力ユニットから入力した入力信号または通信マスタユニット104を経由して入力スレーブユニット2,2から入力した入力信号をCPUユニット102のI/Oメモリに取り込み(INリフレッシュ)、予め登録されたユーザプログラム記述言語(例えばラダー言語)で組まれたユーザプログラムに基づき論理演算を行い(ユーザプログラム実行)、その演算実行結果をI/Oメモリに書き込んで、I/Oユニット103を構成する出力ユニットに送り出し、または通信マスタユニット104を介して出力スレーブユニット3へ送る(OUTリフレッシュ)、その後に、いわゆる周辺サービス処理(周辺処理)をサイクリックに繰り返し行うような処理である。
次に、本発明が適用された入力スレーブユニット2の外観図が図2に示されている。同図に示されるように、この入力スレーブユニット2は、直方体状の箱形ケース201を有する。このケース201はDINレール取付ホック202を介して図示しないDINレールに装着可能となされている。ケース201の前面側には、16個のコネクタソケット203,203,…が上段と下段に分けて8個ずつ水平方向2列に配列されている。各コネクタ203,203…には、4個の端子が設けられている。図中右側に示されるように、ファイバ型光電センサ7aのアンプケースからは電気コード701が引き出され、その先端にはコネクタプラグ702が取り付けられている。また同様にして、近接センサ7bからも電気コード701が引き出され、その先端にもコネクタプラグ702が取り付けられている。そして、これらのコネクタプラグ702,702が先ほど説明したケース201側のコネクタソケット203に対して着脱自在に装着される。図に示されるように、センサ側のコネクタプラグ702内にも4個の端子(端子ピン)が内蔵されていることは言うまでもない。
入力スレーブユニット2のケース201の上部には、16個の動作表示灯205と、1個のネットワークステータス(MS)表示灯206と、1個のモジュールステータス(NS)表示灯207と、2個のロータリスイッチ208,209とが設けられている。
16個の動作表示灯205のそれぞれは、16個のコネクタソケット203のそれぞれに接続される各種センサの動作状態を表示する。この例では、オン状態のセンサに対しては黄色点灯、オフ状態のセンサに対しては消灯、異常状態にあるセンサに対しては赤色点灯が割り当てられている。この実施形態においては、動作表示灯の赤色点灯状態によって、該当するチャンネルのセンサ(例えば、近接センサ、光電センサ等)の漏電故障予知の報知がなされる。ネットワークステータス表示灯206は、ネットワークの通信(マスタとの通信)の状態を表示する。モジュールステータス表示灯207は、このスレーブユニットの動作状態を表示する。この例では、正常状態に対しては緑色点灯、異常状態に対しては赤色点灯が割り当てられている。そのため、これらのネットワークステータス表示灯206やモジュールステータス表示灯207を観察することによって、当該入力スレーブユニット2の動作状態やそれが接続されたネットワーク(フィールドバス5)の状態をオペレータは理解することができる。2個のロータリスイッチ208,209は、当該入力スレーブユニット2のノードアドレスを設定するために使用される。図中左側に位置するロータリスイッチ209は一の桁に、また右側に位置するロータリスイッチ208は十の桁に割り当てられており、例えばアドレス『12』を設定する場合、左側のロータリスイッチ209には『1』が、右側のロータリスイッチ208には『2』が設定される。ケース201の前面左側部分には、フィールドバス5と接続するためのフィールドバス用コネクタ204が設けられている。
尚、図2の例では、センサ側から延びる電気コード701と入力スレーブユニット2とを、コネクタプラグ702とコネクタソケット203とを介してコネクタ接続しているが、これは端子台接続に代えることもできる。その場合、入力スレーブユニット2の側には各々4個の端子を有する16組の端子台が備えられると共に、センサ側の電気コード701から引き出された4本の電線(芯線)のそれぞれには例えば圧着端子片が取り付けられ、両者はビス止め或いは圧入構造等により電気的に接続される。
入力スレーブユニットの電気的なハードウェア構成を示すブロック図が図3に示されている。同図に示されるように、この入力スレーブユニット2は、マイクロプロセッサ(MPU)21と、ROM22と、RAM23と、フィールドバス通信部24と、センサインタフェース部25と、表示部26と、操作部27とを含んでいる。これらの回路要素21〜27は、内部バス28を介して互いに結ばれており、またそれら回路要素21〜27に対する動作電源は、先ほど説明した直流電源11から供給される。
マイクロプロセッサ(MPU)21は、ROM22に格納された各種のシステムプログラムを必要に応じて実行することにより、入力スレーブユニットとして必要な様々な機能を実現するものである。ROM22には、入力スレーブユニットに必要な各種の機能を出現するためのシステムプログラムが格納されている。後にフローチャートを参照しながら説明する各種のシステムプログラムについてもこのROM22に格納されている。RAM23は、マイクロプロセッサ(MPU)21が各種のシステムプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される他、このRAM23には、第0チャンネル〜第15チャンネルのそれぞれに関する各種の情報(例えば、オン状態、オフ状態、短絡(漏電)状態、非短絡(非漏電)状態など)が格納されている。フィールドバス通信部24は、フィールドバス用コネクタ204を介してフィールドバス5に接続され、通信マスタユニット(図1参照)104との間におけるデータ通信制御を実行する。表示部26は、先に図2を参照して説明したように、16個の動作表示灯205、1個のネットワークステータス表示灯206、1個のモジュールステータス表示灯207を含んでいる。操作部27は、先に図2を参照して説明したように、2個のロータリスイッチ208,209を含んでいる。
次に、センサインタフェース部25について詳細に説明する。このセンサインタフェース部25は、0チャンネル〜15チャンネルに相当する16個の外部インタフェース部(図示せず)を含んでいる。これら16個の外部インタフェース部には、センサ(例えば、光電センサ、近接センサ等)7が接続可能となっている。先に説明したように、センサ7と外部インタフェース部との接続は、コネクタソケット203とコネクタプラグ702とを介して行われる。そして、以下に説明するように、本発明にあっては、これらのセンサ7のいずれかに、クーラントの侵入を原因として漏電が開始された場合、最終的な短絡故障(漏電故障)に至る以前に、これを予知して、その旨を動作表示灯205の赤色点灯により報知したり、あるいは通信を介してプログラマブルコントローラ側へと通報することなどを可能としているのである。
ここで、本発明が問題とするセンサの漏電故障、中でも最も頻度の高い近接センサにおける漏電故障を、図28〜図32を参照しながら詳細に説明する。
クーラント侵入経路を示す近接センサの断面図が図28(a)に示されている。図において、aは近接センサ、bはセンサケース、cは検知コイル組立体、eは封止樹脂、fはセンサコード、gは外皮、hは芯線である。図から明らかなように、近接センサaは円筒状ケースbを有する。このケースbの先端部は検知コイル組立体eによって塞がれている。またセンサケースb内には、回路組立体dが収容され、その隙間には封止樹脂eが充填されている。センサケースbの後端部からは、センサコードfが引き出され、このセンサコードfは外皮g内に芯線hを有する。
ところで、この種の近接センサaは、自動車生産ライン等においては、クーラントの降り注ぐ劣悪な環境下に設置されることが多い。このような場合、センサケースb内の検知コイル組立体c及び回路組立体dは封止樹脂eによって一応封止されてはいるが、回路組立体dは発生する熱によって膨張収縮を繰り返すことから、センサコードfの外皮gからのクーラント染み込みは完全には防げない。そのため、図中矢印に示されるように、センサコードfから侵入したクーラントはセンサコードfを伝ってケース内bへと侵入し、回路組立体d内に漏れ電流を生じさせる結果となる。そのため、この種の近接センサaが、長期間クーラントの降り注ぐ状況下におかれると、漏電電流によって、芯線h,h間は最終的に短絡されてしまい、動作不良を来す結果となる。
正常な漏れ電流と短絡電流とを示す等価回路が図28(b)に示されている。図において、iは近接主回路、jは短絡電流経路、kは負荷、lは電源、IL1は正常な漏れ電流、IL2は短絡電流である。図から明らかなように、近接センサaが正常な状態であっても、近接主回路iを動作させるために、正常な漏れ電流IL1が存在する。これに対して、近接センサaにクーラントの侵入等を原因として、短絡電流経路jが生ずると、短絡電流IL2が流れることとなる。この短絡電流IL2が無視できない値となると、負荷kが誤動作してしまう。
正常な漏れ電流IL1の値は、近接センサの型式によってまちまちではあるが、特定の型式の近接センサ製品について見ると、ほぼ一定の値を維持している。例えば、図29に示されるように、出願人会社の製品(形E2EC)について見ると、4種類の製品バリエーションは存在するが、正常時の漏れ電流の値は、おおよそ0.5〜0.7mAの範囲に収まっている。図30に示されるように、同社の他の製品(形E2E−X□)について見ると、3種類の製品バリエーションはあるとは言え、正常時の漏れ電流の値は、0.4〜0.6mAの範囲に収まっている。図31に示されるように、同社の他の製品(形E2−X□D□)について見ると、4種類の製品バリエーションは存在するが、正常時の漏れ電流の値は、おおよそ0.4〜0.5mAの範囲に収まっている。
近接センサのクーラント侵入に伴う漏れ電流の経時的変化のグラフが図32に示されている。上述したように、正常時の漏れ電流の値はほぼ一定であって、例えば正常な漏れ電流レベル(I0)以下に維持されている。これに対して、クーラントの侵入等によって漏れ電流が流れ始めると、漏れ電流全体(正常な漏れ電流IL1+短絡電流IL2)は次第に増加していき、最終的に負荷動作レベル(I1)を超えることとなる。もっとも、正常な漏れ電流レベル(I0)と負荷動作レベル(I1)との間には何れにも属さない領域が存在するから、この領域に故障予知検出レベル(I2)を設定すれば、漏れ電流が負荷動作レベル(I1)に至るに先立ち、故障を予知して、その旨を外部へ報知することができる。本発明にあっては、以上の動作原理に基づいて、2線式並びに3線式の近接センサについて、短絡故障(漏電故障)の予知を可能としている。
次に、入力スレーブユニットの外部インタフェース部(1チャンネル分)と2線式近接センサとの接続状態における回路図(その1)が図4に示されている。
まず、2線式近接センサ7Aについて詳細に説明する。2線式近接センサ7Aは、外部端子として、電源端子P1とグランド端子G1とを有する。同センサ7Aの内部には、近接主回路71と出力トランジスタ72とが内蔵されている。近接主回路71は、近接センサとしての動作を実現するためのものであり、例えば検知コイル、発振器、スイッチングのための比較器などが含まれている。この近接主回路71は、電源端子P1とグランド端子G1との間に接続されて、それらの端子から給電されて動作する。近接主回路71の出力端子OUTには、物体検知状態を示す“H”または物体非検知状態を示す“L”が出力される。出力トランジスタ72はこの例ではNPN型が使用され、そのコレクタ端子は電源端子P1へと、エミッタ端子はグランド端子G1へと接続され、またベース端子には近接主回路の出力端子OUTからの信号が入力される。図から明らかなように、電源端子P1とグランド端子G1との間には、何ら漏電の生じていない状態にあっても、近接主回路71を経由する漏れ電流(正常時の漏れ電流)が流れる。一方、先に説明したように、この種の2線式近接センサ7Aにあっては、特に自動車生産ラインにおいて、クーラントの降り注ぐ劣悪な環境下にしばしば設置される。その場合、同センサ7Aのケース内にクーラントが侵入して漏電が開始される。図中符号Lが付されているのが、この漏電時の漏れ電流の経路である。
次に、外部インタフェース部25Aについて詳細に説明する。外部インタフェース部25Aは、外部端子として、電源端子P2とグランド端子G2とを有する。また外部インタフェース部25Aは、内部バスインタフェース2510を介して内部バス28に接続される。さらに、外部インタフェース部25Aは、直流電源11から給電される。より具体的には、直流電源11の正側端子は、内部電源ラインPLを介して電源端子P2へと接続され、負側端子は内部グランド端子GLを介してグランド端子G2に接続される。内部電源ラインPLには、抵抗2501と抵抗2502とが直列に介挿されている。フォトカプラ2503は、内部電源ラインPLを流れる電流の値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路として機能する。このフォトカプラ2503の発光ダイオード2504は、抵抗2502と並列に接続されている。同フォトカプラ2503のフォトトランジスタ2505は、抵抗2506を介して内部電源ラインPLにプルアップされ、コレクタ端子に出力信号が生成される。そのため、このフォトカプラ2503は、内部電源ラインPLを流れる電流が、規定値以上のとき(オン電流状態)には“L”となり、逆に規定値未満の場合(オフ電流状態)には“H”となる。上述の規定値の値は、2線式近接センサ7Aのオン状態とオフ状態とに合わせて、予め決定されている。もっとも、内部電源ラインPLを流れる電流がオン電流状態であったとしても、必ずしもそのことは、センサ7Aがオン状態であることを意味するものではない。すなわち、先に説明したように、漏れ電流経路Lを介して大量の漏れ電流が存在すれば、出力トランジスタ72はオフ状態であっても、内部電源ラインPLには大きな電流が流れ、フォトカプラ2503はこれをオン電流状態と誤認する虞れがある。この問題を解決するために、本発明にあっては、内部グランドラインGLを流れる電流値を計測するための電流計測手段が設けられている。この電流計測手段は、電流検出抵抗2507とADコンバータ2508とから構成される。すなわち、内部グランドラインGL2は電流検出抵抗2507が介挿されると共に、この抵抗2507の両端電位差は、ADコンバータ2508を介して多ビットデジタル信号に変換される。ADコンバータ2508は、内部グランドラインGLを流れる微弱な電流を検出できるように、例えば10ビット程度の分解能に設定されている。尚、ADコンバータ2508の出力側に設けられた絶縁分離回路2509は、例えば多数のフォトカプラを並列に設けて構成される。こうして得られたフォトカプラ2503のオンオフ電流状態とADコンバータ2508の検出電流値とは、内部バスインタフェース2510を介して、内部バス28へと取り込まれ、最終的にMPU21における演算に供せられる。
2線式近接センサ7Aと外部インタフェース部25Aとはセンサコード701で結ばれる。すなわち、センサ7Aの電源端子P1と外部インタフェース部25Aの電源端子P2とはセンサコード701内の電源芯線701Pを介して接続され、同様にグランド端子G1とグランド端子G2とは、センサコード701内のグランド芯線701Gを介して接続される。尚、符号Igで示されるものは内部グランドラインGLを流れる電流である。
入力スレーブユニットの信号入力部(1チャンネル分)と2線式近接センサとの接続状態における回路図(その2)が図5に示されている。図5に示される回路と図4に示される回路とは、電流検出抵抗の位置のみが異なる。すなわち、先に説明した図4の回路の場合には、電流検出抵抗2507は内部グランドラインGLに介挿されていたのに対し、図5に示される回路にあっては、電流検出抵抗2511は内部電源ラインPLに介挿されている。そして、ADコンバータ2512は、電流検出抵抗2511の両端電位差を多ビットデジタル信号に変換する。その他、図5において、図4と同一構成部分については同符号を付して説明は省略する。
次に、本発明が採用する短絡予知原理について説明する。近接センサのセンサOFF電流のクーラント侵入に伴う経時変化を示すグラフが図6に、状態変化と流れる電流の例が図7にそれぞれ示されている。それらの図から明らかなように、漏電の生じていない正常な状態にあっては、センサOFF電流の値は正常OFF電流(Ioff)に維持されているのに対し、クーラント侵入により漏電が開始されると、センサOFF電流の値は次第に増加していき、ついには漏電故障状態、すなわち短絡状態へと移行する。そこで、本発明にあっては、図6に示されるように、短絡予知しきい値(Ith)を設けることによって、漏電に伴う短絡予知を行うものである。図7に示されるように、出願人会社の近接センサ製品の1つを例にとると、正常OFF時の電流は約0.4mA、正常ON時の電流は約3〜7mAとされている。そのため、故障予知のための短絡予知しきい値(Ith)としては、例えば1.2mA以上に設定すればよい。
次に、フォトカプラのON/OFF状態と電流との関係(正常時)が図8に示されている。いま仮に、ある時点においてセンサ7Aの出力トランジスタ72がオフ状態からオン状態へと変化すると、内部グランドラインGLを流れる電流は正常OFF電流(約0.4mA)から正常ON時電流(約3〜7mA)へと増加する。その間に、内部グランドラインを流れる電流が、オン電流状態とオフ電流状態とを識別するためのしきい値Ith(on/off)を超えると、時刻t0において、フォトカプラ2503のON/OFF状態は、OFF状態からON状態へと瞬時に移行する。その後再び、センサ7A内の出力トランジスタ72が、オン状態からオフ状態へと変化すると、時刻t1において、内部グランドラインの電流はしきい値Ith(on/off)を下回り、フォトカプラ2503はON状態からOFF状態へと瞬時変化する。以後、センサ7Aが正常である限り、内部グランドラインGLを流れるOFF電流は約0.4mAに維持される。その後再び、センサ7A内の出力トランジスタ72がOFF状態からON状態へと変化すると、内部グランドラインGLの電流も増加を開始し、時刻t4においてしきい値Ith(on/off)を超える。すると、フォトカプラ2503はOFF状態からON状態へと瞬時に変化する。以後、同様な動作が繰り返し行われる。これに対して、クーラントの侵入に伴って漏電が開始され、その電流値Ierが図中仮想線に示されるように、短絡予知しきい値Ith(er)を超えると、そのことに基づいて、漏電の程度がかなり進み、短絡状態が間近であることを予知することができる。
但し、気を付けねばならないことは、センサ7A内の出力トランジスタ72がオン状態からオフ状態へと変化したことに伴い、フォトカプラ2503がON状態からOFF状態へと変化したとしても、その変化時点t1から実際に内部グランドラインを電流が正常OFF時電流(約0.4mA)まで低下するには幾分の遅れ時間が存在することである。すなわち、短絡の生じていない正常な状態においても、フォトカプラがON状態からOFF状態へと変化した直後一定時間帯にあっては、内部グランドラインの電流は短絡故障しきい値Ith(er)を超えている場合もあるので、このことを考慮しないと、センサ7Aが正常であるにも拘わらず、これを短絡故障が近いものと予知してしまう虞れがある。同様に、もう1つ気を付けねばならないことは、時刻t3に示されるように、センサ7A内の出力トランジスタ72がオフ状態からオン状態へと変化する過程においては、センサ7Aが正常であっても、フォトカプラがOFF状態でかつ内部グランドラインの電流が短絡しきい値Ith(er)を超えている状態があり得る点である。そのため、このような期間において、フォトカプラがOFF状態かつ内部グランドラインの電流がしきい値Ith(er)を超えていることに基づいて、直ちに短絡故障予知を行うと、センサ7Aの状態を誤認することとなる。
そこで、この発明にあっては、時刻t1において、フォトカプラがOFF状態かつ内部グランドラインの電流がしきい値Ith(er)を超えていると判定されたとしても、直ちにこれを短絡間近と認定することなく、さらに時間Td遅れた時刻t2における内部グランドラインの電流を参照し、これがしきい値Ith(er)以下であった場合には、センサ7Aは正常と判定するようにしている。さらに、時刻t3において、フォトカプラがOFF状態かつ内部グランドラインの電流がしきい値Ith(er)を超えていたとしても、直ちに短絡間近と認定することなく、さらに時間Td遅れた時刻t5におけるフォトカプラのON/OFF状態を参照し、これがON状態であれば、センサ7Aは正常と判定するようにしている。後に詳細に述べる短絡チェック処理(ステップ905)においては、以上図6〜図8を参照して説明した判定アルゴリズムが組み込まれている。
次に、入力スレーブユニットの処理内容を示すゼネラルフローチャートが図9に示されている。このフローチャートに示されるシステムプログラムは、先に図3を参照して示したROM22に格納される。
同図において、電源投入により処理が開始されると、まずイニシャライズ処理が実行されて、各種のフラグやレジスタ類の初期設定が行われる(ステップ901)。この初期設定の中には、図12に示されるチャンネル情報の更新等も含むことができる。
イニシャライズ処理(ステップ901)が終了すると、続いて受信チェック処理(ステップ902)が実行される。この受信チェック処理(ステップ902)では、図3に示されるフィールドバス通信部24を介して、図1に示される通信マスタユニット104あるいはコンフィグレータ6から、何らかのメッセージが来ていないかのチェックが行われる。受信チェックの結果、受信なしと判定されると(ステップ903YES)、入力更新処理(ステップ904)、短絡チェック処理(ステップ905)、各種サービス処理(ステップ906)が順に実行される。
入力更新処理(ステップ904)においては、RAM23内に格納された各チャンネル毎のフォトカプラの状態情報を更新する処理が実行される。すなわち、図12に示されるように、RAM23内には、入力スレーブユニットのチャンネル情報が記憶されている。このチャンネル情報は、0チャンネル〜15チャンネルのそれぞれについて、フォトカプラの状態、故障予知フラグ、OFF時しきい値電流(短絡予知用)を記憶させたものである。そして、この入力更新処理(ステップ904)においては、各チャンネルの外部インタフェース部に含まれるフォトカプラ2503の状態を読み込み、これをそれぞれ該当するチャンネルのフォトカプラの状態領域に書き込む処理を実行するのである。
入力更新処理(ステップ904)が終了すると、本発明の要部である短絡チェック処理ステップ905)が実行される。2線式センサに関する短絡チェック処理(1チャンネル分)の詳細フローチャートが図11に示されている。以下、この図11のフローチャート並びに図8の波形図を参照しながら、短絡チェック処理の詳細を説明する。
図11において処理が開始されると、フォトカプラ2503がON状態からOFF状態になることを待機する(ステップ1101)。この状態において、フォトカプラ2503がON状態からOFF状態へと変化すると(ステップ1101OFF)、一定時間の待ち処理(ステップ1102)が実行される。ここで、一定時間とは、先に図8を参照して説明した時間Tdのことを意味している。
一定時間の待ち処理(ステップ1102)が終了すると、フォトカプラ2503の状態が再び参照される(ステップ1103)。ここでフォトカプラ2503がなおもOFF状態であれば(ステップ1103)、オンオフ過渡期の電流変動期間が終了して、既に電流安定期間に移行したと見なして、電流モニタ処理(ステップ1104)が実行される。この電流モニタ処理(ステップ1104)においては、図4に示される電流検出抵抗2507及びADコンバータ2508を介して、内部グランドラインGLを流れる電流IgをCPUに読み込む処理が実行される。
電流モニタ処理(ステップ1104)が終了すると、モニタされた電流値Igが短絡予知用しきい値Ith(er)以上であるか否かの判定が行われる(ステップ1105)。ここで、電流Igがしきい値Ith(er)未満であれば、その状態が継続する限り、ステップ1103〜1105が繰り返し実行される。
この状態において、フォトカプラの状態がOFF状態からON状態へと復帰すれば(ステップ1103YES)、再度プログラムの最初に戻って、フォトカプラがON状態からOFF状態へと変化するのを待機する。以上が、センサ7Aに漏電が生じていない正常な状態の動作である。
これに対して、センサ7A内において漏電が生ずると、判定処理(ステップ1105)において、しきい値以上との判定が行われ(ステップ1105YES)、先ほどのステップ1102,1103と同様に、一定時間経過後にフォトカプラの状態を確認する処理(ステップ1106)が実行される。その後、フォトカプラの状態が変化したか否かの判定が行われる(ステップ1107)。ここで、センサ7A内に真に漏電が生じた場合、フォトカプラの状態変化なしとの判定が行われ(ステップ1107NO)、その場合には短絡予知を報知するために、図12に示される短絡予知フラグは“1”にセットされ、同時に短絡予知LEDの点灯処理(図2に示される動作表示灯205の赤色点灯)が実行される(ステップ1108)。
尚、先に図8を参照して説明したように、電流モニタ処理(ステップ1104)が時刻t3において行われ、誤った電流値が計測されたような場合には、ステップ1107の判定処理において、状態変化ありとの判定が行われるから(ステップ1107YES)、処理はプログラムの最初に復帰され、短絡予知動作(ステップ1108)が誤って実行されることはない。
図12に示されるように、各チャンネルにおいて短絡チェック処理が実行される結果、チャンネル情報を構成する短絡予知フラグの内容は、各チャンネル毎に“1”又は“0”に設定される。この例にあっては、4チャンネルのみが“1”にセットされており、これにより4チャンネルのセンサ7Aにおいて短絡間近の状態が記憶される。
図9に戻って、短絡チェック処理(ステップ905)が終了すると、各種サービス処理(ステップ906)が実行される。この各種サービス処理(ステップ906)においては、サービス処理の1つとして、図13に示される学習処理が実行される。
すなわち、各種サービス処理に含まれる学習処理(1チャンネル分)の詳細フローチャートが図13に示されている。同図において処理が開始されると、フォトカプラの状態がON状態からOFF状態へと変化するのを待って(ステップ1301OFF)、一定時間の待ち処理(ステップ1302)を実行し、その終了と共に、再度フォトカプラの状態を参照し(ステップ1303)、これがなおもOFF状態であった場合に限り(ステップ1303OFF)、電流モニタ処理が実行される(ステップ1304)。このような複雑な処理を行うのは、先ほど説明したように、オンオフ過渡期の電流変動期間を避けて、電流安定期間において電流値をモニタするためである。
電流をモニタした後(ステップ1304)、先ほどと同様に、さらに一定時間経過後にフォトカプラの状態を確認し(ステップ1305)、状態変化がなかった場合に限り(ステップ1306NO)、モニタされた電流値を記録し(ステップ1307)、オペレータからの操作またはタイマの終了等により学習処理終了指令が来るのを待って(ステップ1308YES)、しきい値生成処理(ステップ1309)へと移行する。このしきい値生成処理においては、記録した電流値からしきい値を計算する。この計算は、例えば、ピーク値又は平均値を求め、その1.5倍をしきい値として設定するなどにより実行される。
このように、図13に示される処理が実行される結果、正常時のOFF電流値が自動的にモニタされ、そのモニタされた値が電流変動期間のものでないことを確認した上で、これを記録すると共に、記録した電流値から所定の演算式によって短絡予知のためのしきい値が自動的に求められ、いわゆる学習処理が実行されるのである。こうして学習されたしきい値は、図12に示されるように、各チャンネル毎にOFF時しきい値電流(短絡予知用)としてチャンネルメモリに記憶される。
図9のフローチャートに戻って、受信チェック処理(ステップ902)に続いて、受信ありと判定されると(ステップ903NO)、受信されたメッセージの解読が行われる(ステップ907)。ここで受信されたメッセージが入力送信要求であれば(ステップ908YES)、入力データ読出処理(ステップ909)及び短絡予知フラグ読出処理(ステップ910)が実行される。ここで、入力データ読出処理(ステップ909)では、図12に示されるチャンネル情報の中から、フォトカプラの状態が入力データとして読み出される。また、短絡予知フラグ読出処理(ステップ910)においては、チャンネル情報に含まれる短絡予知フラグの内容が読み出される。
続いて、応答メッセージ作成処理が実行され(ステップ911)、先に読み出された入力データ及び短絡予知フラグを用いて所定のフォーマットで応答メッセージが作成され、こうして得られた応答メッセージは送信処理(ステップ912)によって、フィールドバス通信部24の作用により、送信元ノード(通信マスタユニット104、コンフィグレータ6、上位パソコン等)へと送信される。
尚、図9を参照して説明した例にあっては、短絡予知しきい値の値を常時学習処理により更新するようにしているが、これは通信により所定のメッセージが到来した場合に限って、選択的に実行するようにしてもよい。このような通信メッセージの解読結果に基づく短絡予知しきい値の更新処理(教示処理、学習処理)が図10に示されている。尚、図10に示される処理は、図9のフローチャートにおいて、判定処理(ステップ908)と置換されるものである。
すなわち、図10において、解読されたメッセージが短絡チェック用しきい値教示要求であると判定されると(ステップ1003YES)、しきい値教示処理(ステップ1004)が実行される。このしきい値教示処理(ステップ1004)においては、受信解読されたメッセージからチャンネル名及び短絡チェック用しきい値の値を読み出し、これを図12に示されるチャンネル情報内の該当するチャンネルのOFF時しきい値電流(短絡予知用)として記憶させる。一方、図14に示されるように、PLCのツール側に保持された短絡予知しきい値テーブルには、予め各センサ形式毎の最適な短絡予知しきい値の値が記憶されている。この例では、センサ型式Aにあっては短絡しきい値は1.2mAとされ、センサ型式Bに対しては短絡予知しきい値は1.0mAとされ、センサ型式Cについては短絡予知しきい値は2.0mAとされている。これらの短絡予知しきい値は、予め各センサ形式に対応して計算により求めたものである。そしてこれらセンサ形式、短絡予知しきい値を所定フォーマットに従って編集して送信メッセージを生成し、これをPLCの通信マスタユニット104からフィールドバスを経由して該当する通信スレーブユニットに送信することにより、通信スレーブユニット側ではこれを受信解読して、センサ形式に合った短絡予知しきい値並びに該当するチャンネル情報を抽出し、これを図12に示されるように、チャンネル情報としてメモリに記憶させるのである。
尚、この図10に示される例にあっては、しきい値教示処理(ステップ1004)のみならず、しきい値学習処理(ステップ1006)についても、メッセージ通信を介して起動するようにしている。すなわち、受信解読されたメッセージが、短絡チェック用しきい値学習要求であれば(ステップ1005YES)、しきい値学習処理(ステップ1006)が実行される。このしきい値学習処理(ステップ1006)の内容は、先に説明したしきい値学習処理(図13参照)と同様である。
次に、3線式センサに対して短絡予知を可能とした通信スレーブユニットについて説明する。入力スレーブユニットの外部インタフェース部(1チャンネル分)と3線式近接センサとの接続状態における回路図(その1)が図15に示されている。
3線式近接センサ7Bは、電源端子P1とグランド端子G1と信号端子S1とを有する。また、センサ7Bのケース内部には、近接主回路73と出力トランジスタ74とが内蔵されている。近接主回路73は、電源端子P1とグランド端子G1を介して給電される。出力トランジスタ74は、この例ではNPN型とされており、そのコレクタ端子は信号端子S1に接続され、エミッタ端子はグランド端子G1に接続される。近接主回路73の出力端子OUTには、物体検知状態では“H”が、また物体非検知状態では“L”が出力される。そのため、出力トランジスタ74は、物体検知状態では近接主回路73の出力端子OUTからの信号“H”を受けてオン状態となり、逆に物体非検知状態にあっては、出力端子OUTからの信号“L”を受けてオフ状態とされる。2線式近接センサの場合と同じように、近接主回路73にも、常時動作電流(正常時の漏れ電流)が流れる。3線式近接センサ7Bにクーラントが侵入すると、図中3本の白抜き矢印で示されるように、第1の漏れ電流経路L1、第2の漏れ電流経路L2、第3の漏れ電流経路L3からなる3つの漏れ電流経路が生ずる。
外部インタフェース部25Bは、電源端子P2とグランド端子G2と信号端子S2とを有する。この外部インタフェース部25Bについても、直流電源11から給電される。すなわち、直流電源11の正側端子は、内部電源ラインPLを介して電源端子P2に接続される。直流電源11の負側端子は、内部グランドラインGLを介してグランド端子G2に接続される。この内部グランドラインGL2は電流検知用抵抗2521が介挿されている。信号端子S2に繋がる内部信号ラインSLには、抵抗2514と抵抗2515とが直列に介挿されている。外部インタフェース部25Bは内部バスインタフェース2520を介して内部バス28に接続されている。フォトカプラ2516は、内部信号ラインSLを流れる電流値を、オン電流状態とオフ電流状態とに弁別二値化する弁別二値化回路として機能する。フォトカプラ2516の発光ダイオード2517は、内部信号ラインを構成する抵抗2515と並列接続されている。フォトカプラ2516のフォトトランジスタ2518は抵抗2519を介して内部電源ラインPLにプルアップされている。そのため、フォトカプラ2516は、内部信号ラインSLを流れる電流が規定値を超えるとオン状態となり、逆に規定値未満の場合オフ状態となる。フォトカプラ2516がオン状態のとき、フォトトランジスタ2518のコレクタ出力は“L”となり、逆にオフ状態のときには“H”となる。
内部グランドラインGLに介挿された電流検知抵抗2521の両端電位差は、ADコンバータ2522によって多ビットデジタル信号に変換される。ADコンバータ2522は絶縁分離回路2523を介して内部バスインタフェース2520に接続される。従って、フォトカプラ2516のON/OFF状態並びにADコンバータ2522から出力される計測電流値は、内部バスインタフェース2520の作用によって、内部バス28へと送り出され、最終的にマイクロプロセッサに読み込まれる。
3線式近接センサ7Bと外部インタフェース部25Bとはセンサコード702を介して結ばれる。より具体的には、センサ側の電源端子P1とインタフェース部側の電源端子P2とはセンサコード702内の電源芯線702Pを介して結ばれる。同様にして、センサ側の信号端子S1とインタフェース部側の信号端子S2とは、信号芯線702Sを介して結ばれる。同様に、センサ側のグランド端子G1とインタフェース部側のグランド端子G2とはグランド芯線702Gを介して結ばれる。近接センサ7Bが正常な場合、出力トランジスタ74のオフ状態にあっては、内部グランドラインGLには、近接主回路73の動作に起因する正常時の漏れ電流のみが流れる。また、出力トランジスタ74のオン状態にあっては、上述の正常時の漏れ電流に比べ、出力トランジスタ74のオン電流が加算されて流れる。これに対して、クーラントの侵入によって、3系統の漏れ電流経路L1〜L3が形成された後にあっては、出力トランジスタ74のオフ状態にあっても、3系統の漏れ電流経路L1〜L3を経由する漏れ電流が加算されて流れる。また、出力トランジスタ74のオン状態にあっては、電源端子P1と信号端子S1との間が漏れ電流経路L3により結ばれることにより、オン電流の値は正常時のものに比べてより大きな値となり、これが内部グランドラインGLに流れる。
フォトカプラの状態変化と流れる電流の例が図16に示されている。以上の考察から、出願人会社の近接センサの一例を見ると、正常OFF時電流は約10mA、正常ON時電流は約13〜17mAとなるのに対し、漏電の際のOFF時電流は11mA以上、漏電の際のON時電流は19mA以上となる。そのため、OFF時短絡予知のためのしきい値電流は11mA以上とすればよく、同様に短絡予知のためのON時しきい値電流は19mA以上とすればよいことが分かる。
フォトカプラのON/OFF状態と内部信号ラインの電流との関係(正常時)が図17に示されている。同図に示されるように、接続された3線式センサ7Bが正常な場合、内部信号ラインを流れる電流の値は、出力トランジスタ74のオン状態にあっては、約13〜17mA、オフ状態にあっては約10mAの値を示す。内部信号ラインの電流がオフ時電流値からオン時電流値へと所定の遅れ時間をもって変化する過渡期において、電流値がしきい値Ith(on/off)を超えると、フォトカプラがOFF状態からON状態へと変化する。同様に、内部信号ラインの電流がON時電流値からOFF時電流値へと変化する過渡期において、電流値がしきい値Ith(on/off)を下回ると、フォトカプラはON状態からOFF状態へと変化する。一方、先に説明したように、3線式センサ7Bにおいて漏電が生ずると、OFF時電流値は11mA以上となり、ON時電流値は19mA以上となる。そのため、短絡予知のためのしきい値Ith(er.off)を11mA以上の適当な値に設定すると共に、同様な短絡予知のためのしきい値Ith(er.on)の値を19mA以上の適切な値に設定しておけば、フォトカプラのOFF状態又はON状態における内部信号ラインの電流値をそれら2つのしきい値Ith(er.off)、Ith(er.on)と比較することによって、短絡予知を行うことができる。
3線式センサに関する短絡チェック処理(1チャンネル分)の詳細フローチャート(その1)が図18に示されている。このフローチャートに示される処理は、先に図16及び図17を参照して説明した判定アルゴリズムを実施するものである。
図18において処理が開始されると、まず、フォトカプラ2516の状態が参照される。ここでフォトカプラがOFF状態であれば(ステップ1801OFF)、一定時間を待って(ステップ1802)、なおもフォトカプラの状態がOFF状態であった場合に限り(ステップ1803OFF)、電流値モニタ処理が行われて(ステップ1804)、内部信号ラインSLを流れる電流値が計測され、その値がしきい値Ith(on/off)以上であったとしても(ステップ1805YES)、さらに一定時間経過後にフォトカプラの状態を確認し(ステップ1806)、なおもその状態がOFF状態であった場合に限り(ステップ1807OFF)、短絡予知フラグオン、短絡予知LED点灯処理(ステップ1810)が実行される。なお以上説明した個々の処理の詳細については、先に図11を参照して説明した処理とほぼ同様である。
これに対して、フォトカプラの状態がON状態である場合には(ステップ1801ON)、直ちに電流値モニタを行い(ステップ1807)、計測された電流値がしきい値Ith(er.on)以上であることを条件として(ステップ1808YES)、短絡予知フラグオン、短絡予知LED点灯処理(ステップ1810)が実行される。
尚、センサの状態がOFF状態と判定されても(ステップ1801OFF)、一定時間の待ち処理の後(ステップ1802)、フォトカプラの状態がOFF状態からON状態へと変化していた場合には(ステップ1803ON)、フォトカプラの状態がON状態であったとき(ステップ1801)と同様な処理へと移行する。また、一定時間の待ち処理の後(ステップ1802)、フォトカプラの状態がなおもOFF状態であったとしても(ステップ1803OFF)、電流値モニタ処理の結果(ステップ1804)、計測された電流値がしきい値Ith(er.off)に満たない場合には(ステップ1805NO)、ステップ1803〜1805を繰り返すことによって、その後フォトカプラの状態変化あるいはモニタされた電流値がしきい値を超えるのを待機する。
一方、フォトカプラの状態がON状態と判定され(ステップ1801ON)、電流モニタを行った結果(ステップ1807)、モニタされた電流値がしきい値Ith(er.on)に満たない場合には(ステップ1808NO)、フォトカプラの状態がON状態である限り、ステップ1807〜1809を繰り返すことによって、モニタされた電流値がしきい値Ith(er.on)を超えること(ステップ1808YES)、あるいはフォトカプラの状態がON状態からOFF状態へ変化するのを待機し、変化した場合には(ステップ1809OFF)、フォトカプラの状態がOFF状態である場合の処理へと移行する。
これらの処理を実行することによって、図17に示されるように、内部信号ラインの電流が変化する過渡期において、電流値をモニタすることに起因する誤動作を未然に防止している。すなわち、時刻t1において、フォトカプラがOFF状態と判定された場合であっても、それより時間Td遅れた時刻t2において内部信号ラインの電流値がしきい値Ith(er.off)以上でない限り、短絡予知動作は行われない。また、時刻t3において、内部信号ラインの電流値がしきい値Ith(er.off)を超えたとしても、それからさらに時間Td遅れた時刻t4において、フォトカプラの状態がOFF状態と判定されない限り、短絡予知動作は行われないのである。
入力スレーブユニットのチャンネル情報記憶内容を表にして示す図が図19に示されている。同図に示されるように、入力スレーブユニットのチャンネル情報は、フォトカプラの状態、短絡予知フラグ、異常検出値(1)、異常検出値(2)とから構成される。ここで、異常検出値(1)はON時しきい値電流Ith(er.on)に相当し、異常検出値(2)はOFF時しきい値電流Ith(er.off)に相当する。そして、各チャンネルのそれぞれについて、それらの項目の内容が記憶されている。フォトカプラの状態の項目については、先に図9を参照して説明したように、入力更新処理(ステップ904)において周期的に更新される。また、短絡予知フラグの項目については、図18のフローチャートにおける短絡予知処理(ステップ1810)において更新される。異常検出値(1)及び異常検出値(2)の各項目については、先の例と同様に、学習処理または教示処理により更新することができる。
図9に示される各種サービス処理(ステップ906)に含まれる3線式センサ用学習処理の詳細フローチャート(その1)が図20に示されている。この処理は、メッセージ通信を介することなく、自発的かつ定期的にOFF時しきい値Ith(er.off)及びON時しきい値Ith(er.on)の値を更新するものである。図20において処理が開始されると、フォトカプラ2516の状態が参照される(ステップ2001)。ここで、フォトカプラがOFF状態と判定されると(ステップ2001OFF)、一定時間の待ち処理(ステップ2002)の後、なおもフォトカプラの状態がOFF状態であることを条件として(ステップ2003OFF)、電流値モニタ(ステップ2004)を行い、しかる後一定時間経過後にフォトカプラの状態の再確認を行い(ステップ2005)、なおもOFF状態が維持されている場合に限り(ステップ2006NO)、OFF時電流値を記録し(ステップ2007)、所定の学習モード終了条件の成立を待って(ステップ2008YES)、しきい値生成処理(ステップ2012)へと移行する。
これに対して、フォトカプラの状態を参照した結果、これがON状態と判定されると(ステップ2001)、直ちに電流値モニタを行い(ステップ2009)、モニタされた計測値をON時電流値として記録し(ステップ2010)、所定の学習モード終了条件の成立を待って(ステップ2011YES)、しきい値生成処理(ステップ2012)へと移行する。
このしきい値生成処理(ステップ2012)においては、記憶したOFF時の電流値からOFF時しきい値Ith(er.off)を、ON時の電流値からON時しきい値Ith(er.on)を計算する。この計算は、例えば、ピーク値を求め、その1.5倍をしきい値として設定する、などにより実施される。
こうして得られたON時しきい値電流Ith(er.on)及びOFF時しきい値電流Ith(er.off)は、図19に示されるように、チャンネル情報を構成する異常検出値(1)及び異常検出値(2)として記憶され、短絡予知のための判定処理に利用される。
尚、図20のフローチャートにおいて、フォトカプラの状態がOFF状態からON状態へと変化していると判定されたり(ステップ2003ON)、あるいは状態変化ありと判定された場合には(ステップ2006YES)、オンオフ過渡期の電流変動期間と見なされて、OFF時電流値記録処理(ステップ2007)が実行されることはない。
先に図10を参照して説明したように、この実施形態においても、プログラマブルコントローラからのメッセージ通信を介して、ON時しきい値、OFF時しきい値をそれぞれ教示処理または学習処理によって設定することができる。図21には、その場合にPLCのツール側に保持された3線式センサの短絡しきい値テーブルの内容を示す図(その1)が示されている。図から明らかなように、PLCのツール側には、各センサ形式(A,B,C)毎に、ON時しきい値Ith(er.on)並びにOFF時しきい値Ith(er.off)の内容が格納されている。これらしきい値の値は、各センサ形式における信号電流値実測値に基づき、予め計算により適切な値に設定されたものである。これらのON時しきい値、OFF時しきい値は、通信マスタユニット104と入力スレーブユニット2との間に行われるメッセージ通信を介して、入力スレーブ2側へと送られる。すると、先に図10を参照して説明したように、しきい値教示処理(ステップ1004)又はしきい値学習処理(ステップ1006)が実行されて、それらしきい値の値は適切に設定されることとなる。
次に、入力スレーブユニットの外部インタフェース部(1チャンネル分)と3線式近接センサとの接続状態における回路図(その2)が図22に示されている。この実施形態においては、短絡予知の判定処理のために、内部グランドラインGLを流れる電流値のみならず、内部信号ラインSLを流れる電流も利用している。これは、信号ラインとグランドラインとの間の短絡予知を行う場合に、内部グランドラインGLを流れる電流だけで判断すると、正常時の電流と異常時の電流との差が小さいために、誤検出する可能性があり、これを回避するために、OFF時に信号ラインを流れる電流をモニタするようにしているのである。
すなわち、図22において、内部信号ラインSLには、2つの抵抗2514,2515の他に、さらに電流検知用抵抗2514が直列に介挿されており、この抵抗2524の両端電位差は、第1ADコンバータ2522aを介して多ビットデジタル信号に変換される。内部グランドラインGLにも先の例と同様に電流検知抵抗2521が介挿されており、この抵抗2521の両端電位差は第2ADコンバータ2522bを介して多ビットデジタル信号に変換される。第1ADコンバータ2522aから出力されるデジタル信号並びに第2ADコンバータ2522bから出力されるデジタル信号は、それぞれ絶縁分離回路2523a及び2523bをそれぞれ介して、内部バスインタフェース2520へと取り込まれる。尚、その他図22において、図15の例と同一構成部分については、同符号を付して説明は省略する。
フォトカプラの状態変化と流れる電流の例が図23に示されている。同図(a)に示されるように、フォトカプラがON状態のときの電源ライン電流値に着目すると、正常ON時電流は約13〜17mA、漏電発生時のON時電流は19mA以上となる。そのため、それら両者を識別するためには、短絡予知しきい値Ith(er.on)として、19mA以上の適切な値を選択すればよいことが分かる。また、同図(b)に示されるように、フォトカプラがOFF状態のときの信号ライン電流値に着目すると、正常OFF時の電流は約0.1mA、正常ON時電流値は約3〜7mA、漏電発生時のOFF時電流は1mA以上であることが認められる。そのため、OFF状態のときの信号ライン電流値に基づいて短絡予知を行う場合、短絡予知しきい値Ith(er.off)としては、1mA以上の値を設定すればよいことが分かる。
フォトカプラのON/OFF状態と電流との関係(正常時)が図24に示されている。図から明らかなように、センサ7Bが正常な場合、内部信号ラインSLを流れる電流値は、ON時は約3〜7mA、OFF時は約0.1mAの値を示す。同様に、内部グランドラインを流れる電流値は、ON時は約13〜17mAを示す。そこで、この判定アルゴリズムにおいては、内部信号ラインSLに関しては、OFF時電流値と比較されるべき短絡予知しきい値Ith(er.off)としては、1mA以上の適切な値を設定する。同様に、内部グランドラインGLに関しては、ON時電流値と比較されるべき短絡予知しきい値Ith(er.on)として、19mA以上の適切な値を設定する。そして、フォトカプラがOFF状態であって、内部信号ラインSLを流れる電流値がしきい値Ith(er.off)以上であるとき(時刻t2参照)、あるいはフォトカプラがON状態であって、内部グランドラインGLを流れる電流値がOFF時しきい値Ith(er.on)を超えているときに、短絡間近と見なして短絡予知を行う。
3線式センサに関する短絡チェック処理(1チャンネル分)の詳細フローチャート(その2)が図25に示されている。この短絡チェック処理についても、先に図9を参照して説明したフローチャートの短絡チェック処理(ステップ905)において実行される。
同図において、処理が開始されると、フォトカプラの状態が参照される(ステップ2501)。ここで、フォトカプラがOFF状態であると判定されると(ステップ2501OFF)、一定時間(Td)の待ち処理(ステップ2502)を実行した後、フォトカプラの状態が再度参照され(ステップ2503)、なおもフォトカプラの状態がOFF状態であると判定された場合に限り(ステップ2503OFF)、第1ADコンバータ2522aを介して電流値モニタ処理が実行される(ステップ2504)。ここでモニタされた信号ライン電流値がOFF時しきい値Ith(er.off)以上と判定されると(ステップ2505YES)、さらに一定時間経過後にフォトカプラの状態が再度確認され(ステップ2506)、フォトカプラの状態がなおもOFF状態であった場合に限り(ステップ2507OFF)、短絡予知処理(ステップ2511)が実行される。一方、フォトカプラの状態がON状態と判定されると(ステップ2501ON)、直ちに第2ADコンバータ2522bを介して電流モニタが行われ(ステップ2508)、モニタされたグランドライン電流値がON時しきい値Ith(er.on)以上の場合に限り(ステップ2509YES)、短絡予知処理(ステップ2511)が実行される。この短絡予知処理(ステップ2511)においては、短絡予知フラグON処理、短絡予知LED点灯処理がそれぞれ実行される。
尚、図25のフローチャートにおいて、フォトカプラの状態がOFF状態からON状態へと変化していれば、ON状態に対応する処理への移行が行われる。また、モニタされた信号ライン電流値がOFF時しきい値Ith(er.off)に満たないと判定されれば(ステップ2505NO)、ステップ2503〜2505の処理が繰り返される。また、一定時間経過後に、フォトカプラの状態がOFF状態からON状態へと変化していれば(ステップ2507ON)、ON状態対応処理への移行が行われる。さらに、モニタされたグランドライン電流値の値がON時しきい値Ith(er.on)に満たない場合であって、フォトカプラの状態がなおもON状態である場合には、ステップ2508〜2510が繰り返される。その間に、フォトカプラの状態がON状態からOFF状態へと変化すれば(ステップ2510OFF)、OFF状態対応処理への移行が行われる。以上の判定処理において利用されたON時しきい値Ith(er.on)及びOFF時しきい値Ith(er.off)は、学習処理または教示処理の何れで設定してもよい。教示処理で設定する場合、その手順は先に図9及び図10を参照して説明したとおりである。このとき、PLCのツール側に保持された3線式センサの短絡しきい値テーブルの内容を示す図(その2)が図26に示されている。図から明らかなように、センサ形式(A,B,C)のそれぞれについて、最適なON時しきい値Ith(er.on)及びOFF時しきい値Ith(er.off)が記憶されており、これらのしきい値を所定フォーマットで通信マスタユニット104を介して入力スレーブユニット2へと送信することで、先に図10を参照して説明したように、しきい値教示処理が実行されることとなる。
各種サービスに含まれる3線式センサ用学習処理の詳細を示すフローチャート(その2)が図27に示されている。同図において処理が開始されると、フォトカプラの状態が参照される(ステップ2701)。ここでフォトカプラがOFF状態と判定されると(ステップ2701OFF)、一定時間の待ち処理(ステップ2702)を経て、再度フォトカプラの状態が参照され(ステップ2703)、ここでなおもフォトカプラの状態がOFF状態であった場合に限り(ステップ2703OFF)、第1ADコンバータ2522aを介して内部信号ラインSLの電流値がモニタされ(ステップ2704)、一定時間経過後にフォトカプラの状態を確認し(ステップ2705)、なおもフォトカプラの状態が変化していなかった場合に限り(ステップ2706NO)、モニタされたOFF時電流値を記録し(ステップ2707)、所定の学習モード終了条件の成立を待って(ステップ2708YES)、しきい値生成処理(ステップ2712)への移行が行われる。一方、フォトカプラの状態がON状態と判定されると(ステップ2701ON)、第2ADコンバータ2522bを介して内部グランドラインGLの電流値がモニタされ(ステップ2709)、こうして得られたON時電流値は記録され(ステップ2710)、その後所定の学習モード終了条件の成立を待って(ステップ2711YES)、しきい値生成処理(ステップ2712)への移行が行われる。
このしきい値生成処理(ステップ2712)においては、記録したOFF時の電流値からOFF時しきい値を、ON時の電流値からON時しきい値をそれぞれ計算する。この計算手法としては、例えば、ピーク値を求め、その1.5倍をしきい値として設定する、などが考えられる。
以上の実施形態の説明でも明らかなように、本発明によれば、接続対象となる近接センサや光電センサ等の2線式又は3線式センサに、例えばクーラントの侵入などを原因として漏電故障が発生する場合、漏電故障が発生する以前に、そのことを的確に予知することが可能となるのである。