JP2006048048A - 光重合可能な組成物 - Google Patents

光重合可能な組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006048048A
JP2006048048A JP2005223189A JP2005223189A JP2006048048A JP 2006048048 A JP2006048048 A JP 2006048048A JP 2005223189 A JP2005223189 A JP 2005223189A JP 2005223189 A JP2005223189 A JP 2005223189A JP 2006048048 A JP2006048048 A JP 2006048048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
metal atom
printing plate
groups
substituent selected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005223189A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4681387B2 (ja
Inventor
Alexander Williamson
アレクサンダー・ウイリアムソン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agfa Gevaert NV
Original Assignee
Agfa Gevaert NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agfa Gevaert NV filed Critical Agfa Gevaert NV
Publication of JP2006048048A publication Critical patent/JP2006048048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4681387B2 publication Critical patent/JP4681387B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/027Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds
    • G03F7/028Non-macromolecular photopolymerisable compounds having carbon-to-carbon double bonds, e.g. ethylenic compounds with photosensitivity-increasing substances, e.g. photoinitiators
    • G03F7/031Organic compounds not covered by group G03F7/029

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

【課題】 300〜450nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る組成物の感度をさらに向上させること、ならびに高い増感効率を有する光重合可能な組成物のための代替増感剤を見出すこと。
【解決手段】 結合剤、重合可能な化合物、増感剤及び光開始剤を含んでなる、300〜450nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る組成物であって、増感剤が二重又は三重結合を介して芳香族又はヘテロ芳香族基と共役しているフルオレン化合物であり、高い感度を特徴とする組成物。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、300〜450nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る組成物に関し、組成物は結合剤、重合可能な化合物、増感剤及び光開始剤を含んでなる。本発明は、また、該組成物を含んでなる印刷版前駆体ならびにそれを用いる印刷版の作製方法に関する。
発明の背景
平版印刷では、印刷版のようないわゆる印刷マスターが印刷機の胴上に搭載される。マスターはその表面上に平版印刷画像を保有しており、該画像にインキを適用し、次いでインキをマスターから典型的には紙である受容材料上に転写することにより印刷コピーが得られる。通常のいわゆる「湿式」平版印刷の場合、インキならびに水性湿し液(aqueous fountain solution)(湿し液(dampening liquid)とも呼ばれる)が、親油性(又は疎水性、すなわちインキ−受容性、水−反発性)領域ならびに親水性(又は疎油性、すなわち水−受容性、インキ−反発性)領域から成る平版印刷画像に供給される。いわゆる「ドライオグラフィー」印刷の場合、平版印刷画像はインキ−受容性及びインキ−忌避性(インキ−反発性)領域から成り、ドライオグラフィー印刷の間にはインキのみがマスターに供給される。
印刷マスターは一般にいわゆるコンピューター−ツウ−フィルム(computer−to−film)(CtF)法により得られ、その方法では活字書体選択、走査、色分解、スクリーニング、トラッピング、レイアウト及び組付けのような種々のプリ−プレス段階がデジタル的に行われ、各色選択がイメージ−セッターを用いてグラフィックアートフィルムに転写される。処理の後、版前駆体と呼ばれる画像形成材料の露出のためのマスクとしてフィルムを用いることができ、版の処理の後、マスターとして用いることができる印刷版が得られる。1995年頃から、いわゆる「ダイレクト刷版(computer−to−plate)」(CtP)法が多くの興味を得てきた。「ダイレクト刷版(direct−to−plate)」とも呼ばれるこの方法は、いわゆるプレート−セッターによりデジタル文書が版前駆体に直接移されるので、フィルムの作製を迂回する。CtPのための版前駆体は多くの場合にディジタル版(digital plate)と呼ばれる。
ディジタル版はおおまかに3つの範疇に分けることができる:(i)銀塩拡散転写機構に従って働く銀版;(ii)光に露出されると硬化する(harden)光重合可能な組成物を含有するフォトポリマー版ならびに(iii)画像形成機構が熱により、又は光から熱への変換により開始される熱的版。熱的版は主に830〜1064nmで発光する赤外レーザーに関して増感される。典型的なフォトポリマー版は可視光に関して、主にArレーザー(488nm)又はFD−YAGレーザー(532nm)による露出に関して増感される。最初はDVDによるデータ保存のために開発された低コストの青もしくは紫レーザーダイオードの広いスケールの(wide−scale)利用性は、もっと短い波長で働くプレート−セッターの製造を可能にした。さらに特定的に、350〜450nmで発光する半導体レーザーがInGaN材料を用いて実現された。
350〜450nmの波長領域に関して増感されたフォトポリマー版も先行技術に記載されている。フォトポリマー版は一般に重合可能なモノマー、結合剤、光開始剤及び増感色素を含有する。特許文献1は、光開始剤としてチタノセン化合物及び350〜450n
mの波長領域に関する増感剤として特別な色素を含んでなる組成物を記載している。特許文献2は、増感色素として1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−インデン誘導体を開示している。特許文献3及び特許文献4も、チタノセン光開始剤と組み合わされたある種の色素を開示している。300〜1200nmの波長領域に関する広範囲の色素が特許文献5に開示されている。先行技術において開示された増感色素は、低出力を特徴とする光出力(light output)を有する商業的に入手可能な青もしくは紫レーザーダイオードを用いて、短い露出時間を可能にするのに十分なスピード(speed)(感度(sensitivity))を与えない。
特許文献6から、紫レーザーダイオードを用いて露出することができる光学的増白剤(optical brightheners)を用いる組成物が既知であるが、露出時間をさらに短縮するため及びレーザーダイオードの必要出力をさらに低下させるために、さらにもっと高い感度が望ましい。さらに、特許文献6に開示された増感剤のための代替物を見出すことが望ましい。
欧州特許出願公開第985683号明細書 欧州特許出願公開第1035435号明細書 欧州特許出願公開第1048982号明細書 欧州特許出願公開第1070990号明細書 欧州特許出願公開第1091247号明細書 欧州特許出願公開第1349006号明細書
発明の概略
本発明の目的は、300〜450nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る組成物の感度をさらに向上させることである。
本発明のさらなる目的は、高い増感効率を有する光重合可能な組成物のための代替増感剤を見出すことである。
驚くべきことに、本発明の目的は、増感剤が少なくとも2個の置換基を有する置換フルオレン化合物であり、且つ該2個の置換基がフルオレン環系のパイ−電子と共役している少なくとも合計で16個のパイ−電子を含んでなる光重合可能な組成物により実現される。フルオレン環系と共役しているパイ−電子を含んでなる置換基を下記においてパイ−置換基と呼び、適宜に置換された本発明のフルオレン化合物を共役フルオレン化合物と呼ぶ。
該光重合可能な組成物を適した支持体上にコーティングすると、300〜450nmの波長領域に感受性の本発明に従う印刷版前駆体が得られる。本発明の印刷版前駆体はフレキソグラフィーもしくは平版印刷版前駆体であり、後者が非常に好ましい。300〜450nmの波長領域内の放射線を含んでなる光を用いて該印刷版前駆体を露出する、印刷版の作製方法も本発明の側面である。好ましい本発明に従うフォトポリマー版前駆体を、版の表面上で測定される100μJ/cmかもしくはそれ未満のエネルギー密度で露出す
ることができる。
本発明に従う組成物、印刷版前駆体及び印刷版の作製方法の好ましい態様は、従属クレイムにおいて定義される。
発明の詳細な記述
本発明は300〜450nm、好ましくは380〜430nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る組成物に関し、組成物は結合剤、重合可能な化合物、増感剤及び光開始剤を含んでなり、増感剤が二重もしくは三重結合を介して芳香族もしくはヘテロ芳香族基と共役しているフルオレン化合物であることを特徴とする。
本発明に従う光重合可能な組成物は、既知の欠点なしで既知の材料より高い感度を特徴とし、低出力低コストのレーザーダイオードの使用を可能にする。
本発明のために用いられる増感剤は、少なくとも2個のパイ−置換基を有し、それらは一緒になってフルオレン環系のパイ−電子と共役している少なくとも合計で16個のパイ−電子を含んでなる。共役を可能にするために、該パイ−置換基はフルオレン環系の1〜8位に結合する。好ましくは、該2個のパイ−置換基の1個はフルオレン環系の2位に結合し、他は7位に結合し、該2個のパイ−置換基のそれぞれがフルオレン環系のパイ−電子と共役している少なくとも8個のパイ−電子を含んでなる。
本発明の増感剤の特性化のために用いられる「パイ−電子」という用語は、a)原子−原子結合に垂直な軌道に局在化した電子及びb)自由電子対を意味する。炭素、窒素及び酸素原子の場合、パイ−電子は通常p−軌道内に位置する。
本発明の増感剤の特性化のために用いられる「共役している(conjugated)」又は「共役している(in conjugation with)」という用語は、通常、単結合と多重結合及び/又は自由電子対を有する原子と多重結合の交互の配列を有する系に関して既知である。例えば単結合により隔てられた2個の二重結合のパイ−電子は、分子の形状が2個の二重結合の軌道の重なりを許し、それらの4個のパイ−電子が非局在化している場合、共役していると言われる。特に、形状は、共役(非局在化)パイ−電子系を有する分子の部分が平面状の基本的分子骨格を有するようなものである。
以下の式を用いてフルオレン環系及びその番号付けを示す:
Figure 2006048048
本発明の好ましい態様において、増感剤は、フルオレン環系をアリール又はヘテロアリール(ヘタリール)基と連結する炭素−炭素二重もしくは三重結合を有する連結基を含んでなるパイ−置換基を有する。連結基は、フルオレン環系のパイ−電子からパイ−置換基のアリールもしくはヘテロアリール基への共役が可能である限り、1個より多い共役二重結合を含んでなることもできる。好ましくは、パイ−置換基は基−L−アリール又は−L−ヘテロアリールから選ばれ、ここでLはアルケニレン又はアルキニレン基、そして特に好ましくはエテニレン(ビニレン)又はエチニレン(−CC−)基を意味する。パイ−置換基として好ましいアリール基はフェニル基であり、好ましいヘタリール基はピリジニル
基のような6員環複素環及び5員環複素環である。本発明に従う好ましい増感剤に関する例はジスチリルフルオレン化合物、ジヘテロアリールビニルフルオレン化合物及びジアリールエチニルフルオレン化合物である。
本発明の特に好ましい態様において、増感剤は式(I)、(II)又は(III):
Figure 2006048048
[式中、
〜A10、X〜X及びY、Yは互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
、Lは互いに独立して−CR=CR−又はエチニレンから選ばれる連結基を意味し、そして
〜Rは互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
且つここで該置換基の1つもしくはそれより多い対は一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる]
Figure 2006048048
[式中、
11〜A16は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
、Lは互いに独立して−CR=CR−又はエチニレンから選ばれる連結基を意味し、そして
〜Rは互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
ここでピリジニル基は非置換であるか又は非−金属原子基から選ばれる1〜4個の置換基により置換されており、
L3、L4はピリジル基の炭素原子への結合であり、
且つここで該置換基の1つもしくはそれより多い対は一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる]
あるいは
Figure 2006048048
[式中、
17〜A22は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
、Lは互いに独立して−CR11=CR12−又はエチニレンから選ばれる連結基を意味し、
〜R12は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
〜Z及びZ〜Zは互いに独立して窒素又は炭素原子を意味し、それは非置換であることができるか又は非−金属原子基から選ばれる置換基により置換されていることができ、
、Z10は互いに独立してO、S、C、CR13、CR1415又はNR16を意味し、
そして
13〜R16は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
且つここで該置換基の1つもしくはそれより多い対は一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる]
の1つに従う構造を有する。
本発明に従う非−金属原子基は、好ましくは、水素原子又はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバルコキシ、ハロゲノ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アルキルセレノ、アリールセレノ、ヘテロシクリルセレノ、アシル、アシルオキシ、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アシルアミノ、シアノ、ニトロ、アミノもしくはメルカプト基から成り、ここで複素環は飽和、不飽和もしくは芳香族複素環を意味し、アシルは脂肪族、オレフィン性もしくは芳香族炭素酸(carbon acid)、カルバミン酸(carbaminic acid)、スルホン酸、アミドスルホン酸又はホスホン酸の残基を意味する。
本発明の好ましい態様において、非−金属原子基は水素原子又はアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバルコキシ、ハロゲノ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロシクリルチオ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シアノ、ニトロ、アミノもしくはメルカプト基から成り、ここで複素環は上記で示したと同じ意味を有し、アシルは脂肪族、オレフィン性もしくは芳香族炭素酸、スルホン酸、アミドスルホン酸又はホスホン酸の残基を意味する。
本発明に従うアルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル及びアルキニレン基は線状(直鎖状)、分枝鎖状又は環状であることができる。
本発明のアルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アリール、ヘテロシクリル、アルコキシ及びアルキルチオ基は、場合により本発明の非−金属原子基から選ばれる置換基により置換されていることができ、増感剤の溶解度の
調整のために置換基を選ぶことができ、置換基は好ましくはハロゲノ、アルコキシ、アルキルチオ、カルバルコキシ、アシルオキシ又はヒドロキシであることができる。
該一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる1つもしくはそれより多い置換基の対は、好ましくはAとX;XとY;YとX;XとA;AとX;XとY;YとX;XとA;AとA;RとR;AとA10;A、A、A又はAとLのR又はR;A、A、A又はAとLのR又はR;A11とA12;A15とA16;A12又はA13とLのR又はR;A14又はA15とLのR又はR;A17とA18;A21とA22;A18又はA19とLのR11又はR12;及びA20又はA21とLのR11又はR12から選ばれる。
本発明の特に好ましい態様において、該一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる1つもしくはそれより多い置換基の対は、好ましくはRとR;A、A、A又はAとLのR又はR;A、A、A又はAとLのR又はR;A12又はA13とLのR又はR;A14又はA15とLのR又はR;A18又はA19とLのR11又はR12;及びA20又はA21とLのR11又はR12から選ばれる。
本発明に従う環は炭素−もしくは複素環を意味し、それらは例えば本発明の非−金属原子基から選ばれる置換基により置換されていることができ、それらは飽和、不飽和もしくは芳香族であることができ、且つそれら自身はさらに別の環により置換されていることができる。好ましくは、環は5〜8員環、そして特に5もしくは6員環である。
本発明のさらに別の好ましい態様において、増感剤は、L、Lが互いに独立して−CR=CR−を意味し;L、Lが互いに独立して−CR=CR−を意味し;そしてL、Lが互いに独立して−CR11=CR12−を意味する式(I)、(II)又は(III)の1つに従う構造を有する。この態様において、R、R、R、R、R11及びR12は水素原子を意味するのが特に好ましい。
本発明の他の好ましい態様において、増感剤は、
〜A22が水素を意味し、及び/又は
〜Xが互いに独立して水素、アルコキシ又はアルキルチオから選ばれる置換基を意味し、及び/又は
、Yが互いに独立してアルコキシ又はアルキルチオから選ばれる置換基を意味し、及び/又は
、R、R、R、R、R10が互いに独立して直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを意味し、及び/又は
〜Lが−CH=CH−を意味する
式(I)、(II)又は(III)の1つに従う構造を有する。
以下の一般式(I−A)及び/又は(I−B):
Figure 2006048048
の増感剤を用いて、感度に関するさらなる利点を達成することができ、
式中、
アルキル基は互いに独立して1〜20個の炭素原子を有する、そして好ましくは1〜10個の炭素原子を有する非置換線状もしくは分枝鎖状アルキル基を意味し、
及びXは互いに独立してO又はS、好ましくはOを意味し、
n、mは互いに独立して1〜3の整数、好ましくは3を意味し、
、Yは互いに独立してO、S、NH又はN−アルキル、好ましくはO又はSを意味し、
17〜R20は互いに独立して1〜20個の炭素原子を有する、そして好ましくは1〜10個の炭素原子を有する非置換線状もしくは分枝鎖状アルキル基を意味し、
且つここで置換基アルキル−X及びアルキル−Xはそれぞれフェニル環の3位及び/又は4位及び/又は5位で結合している。n及び/又はmが1の場合、1個の置換基は好ましくは関連するフェニル環の4位(パラ位)で結合している。
対称増感剤を用い、感度に関するさらなる利点を達成することができる。本発明に従う対称増感剤は、A=A、A=A、A=A、A=A10、A=A、X=X、X=X、Y=Y、R=R及びL=Lである式(I)の化合物;A11=A16、A12=A15、A13=A14、R=R、L=Lであり、且つ2個のピリジル環が同じ置換を有する式(II)の化合物;あるいはA17=A22、A18=A21、A19=A20、R=R10、L=Lであり、且つ2個の5員環複素環が同じ置換を有する式(III)の化合物を意味する。
構造(I)及び(III)の増感剤は構造(II)の増感剤より好ましく、構造(I)の増感剤が特に好ましい。
以下の構造は、本発明の好ましい増感剤の例である:
Figure 2006048048
Figure 2006048048
Figure 2006048048
単独の化合物として、又は式(I)及び/又は(II)及び/又は(III)の化合物の混合物として本発明の増感剤を用いることができる。これらの化合物の全体的な量は、組成物中の不−揮発性化合物の全重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%の範囲である。本発明の増感剤を既知の増感剤と組み合わせることもできる。
本発明のために有用な増感剤は、好ましくは普通溶剤中で優れた溶解度を有する。100mLもしくはそれより多いメチルエチルケトン当たりに0.5g、特に1.5gの増感剤の溶解度を有する増感剤が特に有利であることが見出された。
本発明の好ましい態様において、組成物は、350〜430nm、好ましくは380〜430nm、そして特に390〜420nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る。
本発明のために有用な増感剤は既知の方法により、例えばJ.M.Kauffman,G.Moyna著,J.Org.Chem.,68,2003年,p.839−853に記載されている通りに合成することができ、特に好ましくは、以下に記載される増感剤(I−2)の合成に類似して合成を行なうことができる。
増感剤I−2の合成
段階1:9,9−ジプロピルフルオレン(
Figure 2006048048
ジメチルホルムアミド(300mL)中のフルオレン()(41.5g)の溶液に、20℃において水素化ナトリウム(24.7g)を分けて加えた。赤色の溶液を、さらなる気体が発生しなくなるまで、35℃で2時間攪拌した。この溶液に1−ブロモプロパン(62.7g)を5℃で1時間かけて滴下し、次いで混合物を40℃で1時間攪拌した。
懸濁液を氷−水(1.5L)中に注ぎ、得られる油を塩化メチレン(0.5L)中に溶解した。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を真空蒸留により精製した(122〜125℃/0.5mmHg)。冷却後、が結晶性生成物として得られた(47.0g,74%)。
段階2:2,7−ビス(ブロモメチル)−9,9−ジプロピルフルオレン(
Figure 2006048048
酢酸(50mL)中の9,9−ジプロピルフルオレン(25.0g)の溶液に、15℃でパラホルムアルデヒド(パラホルム)(18.0g)を加えた。混合物に次いで酢酸中の臭化水素の溶液(250mL,30%w/w)を0.5時間かけて加え、溶液を60℃で5時間攪拌した。反応混合物を氷−水(1.0L)中に注ぎ、0.5時間攪拌した。沈殿を濾過し、40℃においてアセトニトリル(200mL)中で攪拌し、濾過し、乾燥することにより精製し、を黄色の粉末として得た(33.g,77%)。
段階3:2,7−ビス(ジエチルホスホホナトメチル)−9,9−ジプロピルフルオレン(
Figure 2006048048
2,7−ビス(ブロモメチル)−9,9−ジプロピルフルオレン()(33.0g)
及びトリエチルホスファイト(40mL)の混合物を150℃で3時間攪拌した。過剰のトリエチルホスファイトを減圧下に100℃で除去し、得られる油をヘキサンから結晶化させた。乾燥後、が白色の粉末として得られた(31.5g,67.5%)。
段階4:増感剤I−2
Figure 2006048048
テトラヒドロフラン(200mL)中の2,7−ビス(ジエチルホスホホナトメチル)−9,9−ジプロピルフルオレン()(26.8g)及び3,5−ジメトキシ−4−(1−メチルプロポキシ)−ベンズアルデヒド()(26.2g)の溶液に、水酸化カリウム(8.4g)及びジメチルスルホキシド(5.0mL)を加えた。懸濁液を70℃で4時間攪拌し、次いでイソプロパノール(150mL)を加えた。上澄み溶液の溶媒を減圧下で除去し、得られる油をメタノール(200mL)中で攪拌した。沈殿を濾過し、沸騰エタノール(200mL)中で2回攪拌することにより精製した。乾燥後、I−2が黄色の粉末として得られた(25.8g,72%)。
本発明の組成物中で、既知の光重合開始剤を用いることができる。適した種類には芳香族ケトン、芳香族オニウム塩、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物及び炭素−ハロゲン結合を有する化合物が含まれる。そのような光開始剤の多くの特定の例を欧州特許出願公開第1091247号明細書中で見出すことができる。
本発明に従う増感剤及び光開始剤としてのヘキサアリールビスイミダゾール(HABI,トリアリール−イミダゾールの二量体)の組み合わせにより、優れた結果、特に高い感度を得ることができる。
HABIsの製造のための方法は、独国特許第1470154号明細書に記載されており、光重合可能な組成物中におけるそれらの使用は、欧州特許第24629号明細書、欧州特許第107792号明細書、米国特許第4410621号明細書、欧州特許第215453号明細書及び独国特許第3211312号明細書において記録されている。好ましい誘導体は、例えば2,4,5,2’,4’,5’−ヘキサフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビスイミダゾール、2,5,2’,5’−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4’−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ジ−o−トリル−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾール及び2,2’−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルビスイミダゾールである。HABI光開始剤の量は、典型的には光重合可能な組成物の不揮発性成分の全重量に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲である。
結合剤は広い系列の有機ポリマーから選ばれることができる。種々の結合剤の組成物を用いることもできる。有用な結合剤には、例えば塩素化ポリアルキレン、特に塩素化ポリエチレン及び塩素化ポリプロピレン;ポリ(メタクリル酸)アルキルエステル又はアルケニルエステル、特にポリ(メチル(メタ)アクリレート)、ポリ(エチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(イソブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(ヘキシル(メタ)アクリレート)、ポリ((2−エチルヘキシル)(メタ)アクリレート)及びポリ(アルキル(メタ)アクリレート);(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はアルケニルエステルと他の共重合可能なモノマー、特に(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン及び/又はブタジエンとのコポリマー;ポリ(塩化ビニル)(PVC);塩化ビニル/(メタ)アクリロニトリルコポリマー;ポリ(塩化ビニリデン)(PVDC);塩化ビニリデン/(メタ)アクリロニトリルコポリマー;ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリロニトリル/スチレンコポリマー;(メタ)アクリルアミド/アルキル(メタ)アクリレートコポリマー;(メタ)アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ターポリマー;ポリスチレン;ポリ(α−メチルスチレン);ポリアミド;ポリウレタン;ポリエステル;セルロース又はメチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース、ヒドロキシ−(C1−4−アルキル)セルロース、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース化合物;ポリ(ビニルホルマール)ならびにポリ(ビニルブチラール)が含まれる。特に適しているのは、水中で不溶性であるが、他方、水性−アルカリ性溶液中で可溶性であるか、もしくは少なくとも膨潤性である結合剤である。さらに別の有効な結合剤は、通常の有機コーティング溶媒中で可溶性のポリマーである。
本発明の目的のために特に適しているのは、カルボキシル基を含有する結合剤、特にα,β−不飽和カルボン酸のモノマー単位及び/又はα,β−不飽和ジカルボン酸のモノマー単位、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸又はイタコン酸を含有するポリマーもしくはコポリマーである。「コポリマー」という用語により、本発明の範囲内で、少なくとも2種の異なるモノマーの単位を含有するポリマー、かくしてターポリマー及びもっと高次の(higher)混合ポリマーも理解されるべ
きである。特に有用なコポリマーの例は、(メタ)アクリル酸の単位及びアルキル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アクリロニトリルの単位を含有するものならびにクロトン酸の単位及びアルキル(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アクリロニトリルの単位を含有するコポリマーならびにビニル酢酸/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーである。無水マレイン酸又はマレイン酸モノアルキルエステルの単位を含有するコポリマーも適している。それらの中に、例えば無水マレイン酸及びスチレン、不飽和エーテルもしくはエステル又は不飽和脂肪族炭化水素の単位を含有するコポリマーならびにそのようなコポリマーから得られるエステル化生成物がある。さらに別の適した結合剤は、分子内ジカルボン酸無水物を用いるヒドロキシ−含有ポリマーの転換から得ることができる生成物である。さらに別の有用な結合剤は、酸水素原子を有する基が存在し、そのいくつか又は全部が活性化イソシアナートを用いて転換されているポリマーである。これらのポリマーの例は、脂肪族もしくは芳香族スルホニルイソシアナート又はホスフィン酸イソシアナートを用いるヒドロキシル−含有ポリマーの転換により得ることができる生成物である。脂肪族もしくは芳香族ヒドロキシル基を有するポリマー、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシスチレン又はビニルアルコールの単位を含有するコポリマーならびにエポキシ樹脂も適しており、但し、それらは十分な数の遊離のOH基を有している。
結合剤として用いられる有機ポリマーは、600〜200000、好ましくは1000〜100000の典型的な平均分子量Mを有する。さらに10〜250、好ましくは20〜200の酸価又は50〜750、好ましくは100〜500のヒドロキシル価を有するポリマーが好ましい。結合剤の量は一般に、組成物の不−揮発性成分の全重量に対して10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲である。
重合可能な化合物は、広い系列の光−酸化可能な化合物から選ばれることができる。適した化合物は第1級、第2級そして特に第3級アミノ基を含有する。少なくとも1個のウレタン及び/又はウレア基及び/又は第3級アミノ基を含有するラジカル重合可能な化合物は特に好ましい。「ウレア基」という用語により、本発明の範囲内で、式>N−CO−N<の基が理解されるべきであり、ここで窒素原子上の原子価は水素原子及び炭化水素基により飽和される(但し、2個の窒素原子のいずれかの上の1個以下の原子価が1個の水素原子により飽和される)。しかしながら、1個の窒素原子上の1個の原子価がカルバモイル(−CO−NH−)基に結合し、ビウレット構造を形成することもできる。
光−酸化可能なアミノ、ウレアもしくはチオ基を含有する化合物も適しており、それらは複素環式環の構成成分であることもできる。光−酸化可能なエノール基を含有する化合物を用いることもできる。光−酸化可能な基の特定の例はトリエタノールアミノ、トリフェニルアミノ、チオウレア、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、アセチルアセトニル、N−フェニルグリシン及びアスコルビン酸基である。特に適した化合物は、次式(XVIII):
(m−n)Q[(−CH−CR−O)−CO−NH−(X−NH−CO−O)−X−(O−CO−CR=CH
(XVIII)
[式中、
Rは2〜8個の炭素原子を有するアルキル基((C−C)アルキル基)、(C−C)ヒドロキシアルキル基又は(C−C14)アリール基を示し、
Qは−S−、
Figure 2006048048
を示し、
ここで
Eは2〜12個の炭素原子の2価飽和炭化水素基、最高で2個の窒素、酸素及び/又は硫黄原子を環中に含有することができる2価5−〜7−員飽和同素−(iso−)もしくは複素環式基、6〜12個の炭素原子の2価芳香族単−もしくは二環式同素環式(isocyclic)基又は2価5−もしくは6−員芳香族複素環式基を示し;そして
及びDは独立して1〜5個の炭素原子の飽和炭化水素基を示し、
及びRは独立して水素原子、アルキルもしくはアルコキシアルキル基を示し、
は水素原子、メチルもしくはエチル基を示し、
は、1〜12個の炭素原子の直鎖状もしくは分枝鎖状飽和炭化水素基を示し、
は(c+1)価の炭化水素基を示し、その中で最高で5個のメチレン基は酸素原子により置き換えられていることができ、
aは0〜4の整数であり、
bは0又は1であり、
cは1〜3の整数であり、
mは2〜4の整数であり、そして
nは1〜mの整数である]
に対応する光−酸化可能な基を含有するモノマーである。
この性質の化合物及びそれらの製造のための方法は、欧州特許第287818号明細書に記載されている。一般式(XVIII)の化合物が数個の基R又は角括弧間に示される構造に従う数個の基を含有する場合、すなわち(n−m)>1及びn>1の場合、これらの基は同一であるか、又は互いに異なることができる。n=mである式(XVIII)に従う化合物は特に好ましい。この場合、すべての基が重合可能な基を含有する。好ましくは、指数aは1であり;数個の基が存在する場合、1個より多い基においてaは0であることができない。Rがアルキル又はヒドロキシアルキル基の場合、Rは一般に2〜6個、特に2〜4個の炭素原子を含有する。アリール基Rは一般に単核又は二核であるが、好ましくは単核であり、(C−C)アルキル又は(C−C)アルコキシ基で置換されていることができる。R及びRがアルキル又はアルコキシ基の場合、それらは好ましくは1〜5個の炭素原子を含有する。Rは好ましくは水素原子又はメチル基である。Xは好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状の、好ましくは4〜10個の炭素原子の脂肪族及び/又は環状脂肪族基である。好ましい態様において、Xは2〜15個の炭素原子を含有し、特にこの量の炭素原子を含有する飽和、直鎖状もしくは分枝鎖状脂肪族及び/又は環状脂肪族基である。これらの基の中の最高で5個のメチレン基は酸素原子により置き換えられていることができ;Xが純粋な炭素鎖から構成される場合、基は一般に2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。Xは5〜10個の炭素原子の環状脂肪族基、特にシクロヘキサンジイル基であることもできる。D、D及び両窒素原子により形成される飽和複素環式環は、一般に5〜10個の環メンバー、特に6個の環メンバーを有する。後者の場合、複素環式環は好ましくはピペラジンであり、それから誘導される基はピペラジン−1,4−ジイル基である。好ましい態様において、基Eは通常約2〜6個の炭素原子を含有するアルカンジイル基である。好ましくは、2価5−〜7−員飽和同素環式基Eはシクロヘキサンジイル基、特にシクロヘキサン−1,4−ジイル基である。2価同素環式芳香族基Eは、好ましくはオルト−、メタ−もしくはパラ−フェニ
レン基である。最後に、2価5−もしくは6−員芳香族複素環式基Eは、好ましくは複素環式環中に窒素及び/又は硫黄原子を含有する。cは好ましくは1であり、すなわち角括弧内のそれぞれの基は一般に1個のみの重合可能な基、特に1個のみの(メタ)アクリロイルオキシ−基を含有する。
b=1であり、従って角括弧内に示される基のそれぞれの中に2個のウレタン基を含有する式(XVIII)の化合物は、遊離のヒドロキシル基を含有するアクリルエステル又はアルカクリルエステルを、等モル量のジイソシアナートを用いて転換することにより、既知の方法で製造することができる。過剰のイソシアナート基を次いで、例えばそれぞれにおいて個々のヒドロキシアルキル基がアルキルもしくはアリール基Rにより置き換えられていることができるトリス(ヒドロキシアルキル)アミン、N,N’−ビス(ヒドロキシアルキル)ピペラジン又はN,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシアルキル)アルキレンジアミンと反応させる。a=0の場合、結果はウレア基(urea grouping)である。ヒドロキシアルキルアミン出発材料の例はジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリス(2−ヒドロキシブチル)アミン及びアルキル−ビス−ヒドロキシアルキルアミンである。適したジイソシアナートの例はヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアナート(=1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン)及び1,1,3−トリメチル−3−イソシアナトメチル−5−イソシアナトシクロヘキサンである。用いられるヒドロキシ−含有エステルは、好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレートである。
b=0である式(XVIII)の重合可能な化合物は、イソシアナート−含有アクリルもしくはアルカクリルエステルを用いて上記のヒドロキシアルキルアミノ化合物を転換することにより製造される。好ましいイソシアナート−含有エステルはイソシアナト−エチル(メタ)アクリレートである。
本発明の目的に適した光酸化可能な基を含んでなるさらに別の重合可能な化合物は、次式(XIX):
(m−n)Q[(−CH−CR−O)a’−(CH−CH[CH−O−CO−CR=CH]−Ob’−H] (XIX)[式中、a’及びb’は独立して1〜4の整数を示し、Q、R、R、R、n及びmは上記と同じ意味を有し、Qは式>N−E’−N<の基であることもでき、ここで基E’は次式(XX):
−CH−CH(OH)−CH−[O−(p)C−C(CH−(p)C−CH−CH(OH)−CH−] (XX)
に対応し、ここでcは式(I)におけると同じ意味を有し、(p)Cはパラ−フェニレンを示す]
に従う化合物である。
式(XIX)の化合物は、ヒドロキシアルキルアクリレート又はアルカクリレート及びジイソシアナートの転換生成物を、対応するアクリル及びアルカクリルグリシドエステルにより置き換える以外は、式(XVIII)の化合物に類似して製造される。式(XX)の化合物及びそれらの製造方法は、欧州特許第316706号明細書に開示されている。
光酸化可能な基を含有するさらに別の有用な重合可能な化合物は、次式(XXI):
Q’[(−X1’−CH−O)−CO−NH(−X−NH−CO−O)−X−O−CO−CR=CH (XXI)[式中、
Q’は
Figure 2006048048
を示し、
ここでD及びDは独立して1〜5個の炭素原子の飽和炭化水素基を示し、Dは4〜8個の炭素原子の飽和炭化水素基を示し、それは窒素原子と一緒になって5−もしくは6−員複素環式環を形成し;
1’は−C2i−又は
Figure 2006048048
を示し、
Zは水素原子又は次式:
−C2k−O−CO−NH(−X−NH−CO−O)−X−O−CO−CR=CH
の基を示し;
i、kは独立して1〜12の整数を示し;
n’は1〜3の整数を示し;
aは0又は1であり;但しQに結合している基の少なくとも1個においてaは0であり;X、R、a及びbは上記の式(VIII)において示したと同じ意味を有し;
は、最高で5個のメチレン基が酸素原子により置き換えられていることができる2価炭化水素基を示す]
のアクリル及びアルカクリルエステルである。
式(XXI)において、指数aは好ましくは0又は1であり、iは好ましくは2〜10の数を示す。好ましい基Qはピペラジン−1,4−ジイル(D=D=CH−CR)、ピペリジン−1−イル(D=(CH,Z=H)及び2−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン−1−イル(D=(CH,Z=CHCHOH)である。
式(XXI)の化合物の中で、ウレア基の他に少なくとも1個のウレタン基を含有する化合物が好ましい。この場合も、「ウレア基」という用語により、すでに上記で言及した式>N−CO−N<の基が理解されるべきである。式(XXI)の化合物及びそれらの製造方法は、欧州特許第355387号明細書に開示されている。
モノ−もしくはジイソシアナートと、ヒドロキシ基が部分的又は完全に(メタ)アクリル酸でエステル化された多官能基性アルコールとの反応生成物も適した重合可能な化合物である。好ましい化合物は、ヒドロキシアルキル−(メタ)アクリレートとジイソシアナートの反応により合成される材料である。そのような化合物は基本的に既知であり、例え
ば独国特許第2822190号明細書及び独国特許第2064079号明細書に記載されている。
光酸化可能な基を含んでなる重合可能な化合物の量は、一般に光重合可能な組成物の不揮発性化合物の全重量に対して5〜75重量%、好ましくは10〜65重量%の範囲である。
さらに、組成物は多官能基性(メタ)アクリレート又はアルキル(メタ)アクリレート化合物を架橋剤として含有することができる。そのような化合物は2個より多い、好ましくは3〜6個の(メタ)アクリレート及び/又はアルキル(メタ)アクリレート基を含有し、特に飽和脂肪族もしくは脂環式3価もしくは多価アルコール、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール又はジペンタエリトリトールの(メタ)アクリレートを含む。
重合可能な化合物の合計量は、一般に本発明の光重合可能な組成物の不揮発性成分の全重量に対して約10〜90重量%、好ましくは約20〜80重量%の範囲である。
以下の特定の例も適した重合可能な化合物である:
Figure 2006048048
高い感度を達成するために、欧州特許第107792号明細書に記載されているようなラジカル連鎖移動剤を本発明の光重合可能な組成物に加えるのが有利である。好ましい連鎖移動剤は硫黄含有化合物、特に例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール又は2−メルカプト−ベンズイミダゾールのようなチオールである。連鎖移動剤の量は、一般に光重合可能な組成物の不揮発性成分の全重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。
組成物及びそれを用いて形成される層を着色するために、場合により顔料、例えば予備
分散されたフタロシアニン顔料を本発明の組成物に加えることができる。それらの量は一般に、組成物の不揮発性成分の全重量に対して約1〜15重量%、好ましくは約2〜7重量%の範囲である。特に適した予備分散されたフタロシアニン顔料は、独国特許第19915717号明細書及び独国特許第19933139号明細書に開示されている。金属−非含有フタロシアニン顔料が好ましい。
本発明に従う光重合可能な組成物を特定の要求に合わせるために、熱重合を妨げるための熱抑制剤(thermal inhibitors)又は安定剤を加えることができる。さらに追加の水素ドナー、染料、有色もしくは無色顔料、カラーフォーマー(color formers)、指示薬(indicators)及び可塑剤が存在することができる。これらの添加剤は、画像通りに適用される放射線の化学線領域におけるそれらによる吸収が可能な限り小さいように、簡便に選ばれる。
本発明は、本発明の光重合可能な組成物を含有する層(光重合可能な層)を支持体上に含んでなるフォトポリマー印刷版前駆体にも関する。
本発明に従う光重合可能な組成物は、それ自体当該技術分野における熟練者に既知である方法により、支持体に適用される。一般に、光重合可能な組成物の成分を有機溶媒又は溶媒混合物中に溶解するか、又は分散させ、溶液又は分散液をポアリングオン(pouring on)、噴霧、浸漬、ローラー適用(roll application)又は類似の方法により、意図される支持体上に適用し、続く乾燥の間に溶媒を除去する。
例えば金属又はプラスチックから、ならびにスクリーン−印刷の場合にはPerlonガーゼからも作られる箔、テープ又は版のような既知の支持体を、本発明のフォトポリマー印刷版のために用いることができる。好ましい金属はアルミニウム、アルミニウム合金、スチール及び亜鉛であり、アルミニウム及びアルミニウム合金が特に好ましい。好ましいプラスチックはポリエステル及び酢酸セルロースであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。
ほとんどの場合、支持体の表面を機械的及び/又は化学的及び/又は電気化学的に処理し、支持体と感光性コーティングの間の接着を最適に調整する、及び/又は支持体の表面上における画像通りに露出される放射線の反射を軽減する(ハレーション防止)のが好ましい。
本発明のために用いられるべき最も好ましい支持体はアルミニウム又はアルミニウム合金から作られ、その表面は電気化学的に粗面化され、その後陽極酸化され、そして場合により例えばポリ(ビニルホスホン酸)のような親水性化剤で処理される。
本発明の印刷版前駆体は、好ましくは光重合可能な層の上に設けられる保護層(上塗り層)を有する。
該保護層は当該技術分野において既知の成分、特にポリ(ビニルアルコール)又はポリ(ビニルピロリドン)のような水溶性ポリマー、表面湿潤剤、着色剤、錯体化剤及び殺生物剤を含有することができる。該錯体化剤の中で、エトキシル化エチレンジアミン化合物は、本発明のために特に好ましいことが見出された。
好ましくは、本発明に従う保護上塗り層は、平均けん化度が93モル−%より低い少なくとも1つの型のポリ(ビニルアルコール)を含んでなる。
けん化度はポリ(ビニルアルコール)の製造に関連する。ポリ(ビニルアルコール)の
モノマー、ビニルアルコールは実在しないので、ポリ(ビニルアルコール)の製造に間接的な方法しか利用できない。ポリ(ビニルアルコール)のための最も重要な製造方法は、ビニルエステル又はエーテルの重合及び続くけん化又はエステル交換反応である。本発明のポリ(ビニルアルコール)のための好ましい出発材料は、モノカルボン酸によりエステル化されたビニルアルコール、そして特に酢酸ビニルであるが、酢酸ビニルの誘導体、ジカルボン酸のビニルエステル、ビニルエーテルなどを用いることもできる。本発明に関して定義されるけん化度は、加水分解に用いられる方法に無関係に、モル加水分解度(molar degree of hydrolysis)である。純粋なポリ(ビニルアルコール)は、例えば100モル−%のけん化度を有するが、市販製品は多くの場合、98モル−%のけん化度を有する。本発明のために好適に用いられるポリ(ビニルアルコール)は主に1,3−ジオール単位を含有するが、少量の1,2−ジオール単位を含有することもできる。部分的にけん化されたポリ(ビニルアルコール)において、エステル又はエーテル基は統計学的に又はブロック状(blockwise)に分布することができる。本発明の好ましい部分的にけん化されたポリ(ビニルアルコール)は、4〜60mPa.s、好ましくは4〜20mPa.sそして特に4〜10mPa.sの20℃における4%水溶液の粘度を有する。
本発明のための好ましいポリ(ビニルアルコール)は、例えばMowiolの商品名の下に商業的に入手可能である。それらの製品は、粘度及びけん化度を意味する2つの添付される数字により特徴付けられる。例えばMowiol 8−88又はMowiol 8/88は、20℃における4%水溶液として約mPa.sの粘度及び88モル−%のけん化度を有するポリ(ビニルアルコール)を意味する。2種もしくはそれより多い化合物の混合物を用いるのがさらに好ましい。好ましくは、上記で定義した粘度及び/又はけん化度において異なるポリ(ビニルアルコール)を組み合わせる。特に好ましいのは、それらの20℃における4%水溶液の粘度が少なくとも2mPa.s異なる、あるいはけん化度が少なくとも5モル−%異なるポリ(ビニルアルコール)の混合物である。最も好ましいのは、少なくとも3つの型のポリ(ビニルアルコール)を含んでなる混合物であり、ここで少なくとも2種の化合物は上記で定義した粘度が少なくとも2mPa.s異なり、且つ少なくとも2種の化合物はけん化度が少なくとも5モル−%異なる。
好ましくは、保護層中で用いられるすべてのポリ(ビニルアルコール)の全体的平均けん化度は、93モル−%より低くなければならない。本発明のさらに別の好ましい態様において、該全体的平均けん化度は71モル−%から93モル−%未満まで、そして特に80モル−%から92.9モル−%までの範囲である。
印刷版前駆体の保護上塗り層において用いられるポリ(ビニルアルコール)の全体的平均けん化度を13C−NMRを介して実験的に決定することができる。13C−NMRの測定のために、約200mgの保護上塗り層を1.0mlのDMSO中に溶解し、この溶液から75MHz 13C−NMRスペクトルをとり、その共鳴を容易に解釈し、けん化度(実験値)の計算を可能にすることができる。該実験値とポリ(ビニルアルコール)の製品規格から既知の値の間で優れた関連性が得られる。後者の値を下記で平均けん化度の理論値と呼び、ポリ(ビニルアルコール)の混合物が用いられる場合、それを容易に計算することができる。
好ましくは、本発明のポリ(ビニルアルコール)は、保護上塗り層の不−揮発性化合物の全重量に対して50〜99.9重量パーセント(重量%)で用いられる。さらに、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレンオキシド)、ゼラチン、アラビアゴム、欧州特許第352630B1号明細書から既知の脂肪族アミン基を有する酸素結合ポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリ(カルボン酸)、エチレンオキシドとポリ(ビニルアルコール)のコポリマー、炭水化物、ヒドロキシエチルセルロース、酸
性セルロース、セルロース、ポリ(アクリル酸)及びこれらのポリマーの混合物のような他の水溶性ポリマーを層に加えることができる。
好ましくは、ポリ(ビニルピロリドン)はポリ(ビニルアルコール)に比べて少量でのみ使用される。本発明の好ましい態様において、ポリ(ビニルピロリドン)は、用いられるポリ(ビニルアルコール)の0〜10重量部で用いられ、0〜3重量部が特に好ましい。最も好ましくは、ポリ(ビニルピロリドン)化合物を用いない。
本発明のポリ(ビニルアルコール)及び上記で開示した場合による水溶性ポリマーの他に、既知の保護層の成分を用いることができる。
保護層は化学線に関して透明でなければならず、好ましくは0.2〜10g/mの乾燥厚さを有し、1.0〜5g/mが特に好ましい。好ましくは、それは均一であり、実質的に酸素に対して不透過性であり、水浸透性であり、好ましくは感光層の画像通りの露出の後に印刷レリーフを形成するために用いられる通常の現像液を用いて洗い落とすことができる。該光重合可能な層は画像通りに除去されるが、保護層は作られる要素の全領域に及んで除去可能である。保護層の洗い落としは別の段階に行なうことができるが、同様に現像段階に行なうことができる。
既知の方法で保護層を感光層上にコーティングすることができ、コーティング溶液は、好ましくは水又は水と有機溶媒の混合物を含有する。より良い湿潤を可能にするために、コーティング溶液は、好ましくは固体含有物に関して最高で10重量%そして特に好ましくは最高で5重量%の界面活性剤を含有する。界面活性剤の適した代表的例は、12〜18個の炭素原子を有するアルキル硫酸もしくは−スルホン酸ナトリウムのようなアニオン性、カチオン性及び非イオン性界面活性剤を含んでなり、その例はドデシル硫酸ナトリウム、N−セチル−及びC−セチルベタイン、アルキルアミノカルボキシレート及び−ジカルボキシレートならびに最高で400の平均分子量を有するポリエチレングリコールである。
さらに、保護層にさらに別の機能を加えることができる。例えば300〜450nmの波長を有する光への優れた透過率を有し、且つ500nmもしくはそれより長波長を有する光を吸収する着色剤、例えば水溶性染料を加えることにより、層の感度を低下させずに安全光適性を向上させることができる。この原理を種々の波長に関して容易に変化させ、印刷版前駆体の有効分光感度分布を必要通りに調整することができる。
本発明は、本発明のフォトポリマー印刷版前駆体を準備し、300〜450nmの波長領域内の放射線を含んでなる光、好ましくは300〜450nmの領域内の発光波長を有するレーザーを用いて該印刷版前駆体を露出し、印刷版前駆体を水性アルカリ性現像液中で処理する段階を含んでなる、平版印刷版の作製方法にも関する。
本発明の方法の好ましい態様において、露出は350〜430nm、好ましくは380〜430nm、特に390〜420nmの波長領域内の放射線を含んでなる光を用いて行なわれ、好ましくは、露出は350〜430nm、好ましくは380〜430nmの領域内、特に390〜420nmの領域内の発光波長を有するレーザーを用いて行なわれ、且つ露出は、版の表面上で測定される100μJ/cmもしくはそれ未満、好ましくは80μJ/cmもしくはそれ未満のエネルギー密度で行なわれる。
本発明の印刷版前駆体の処理は通常の方法で行なわれる。画像通りの露出の後、感光層の架橋を向上させるために予備−加熱段階が行なわれる。通常、予備−加熱段階に次いで現像段階が続き、その段階に上塗り層全体及び感光層の非露出部分が除去される。上塗り
層の除去(洗い落とし)及び感光層の現像は、この順序で2つの別の段階において行なうことができるが、1つの段階で同時に行なうこともできる。好ましくは、現像段階の前に水を用いて上塗り層を洗い落とす。現像段階の後に支持体上に残るものは、感光層の、露出され、それにより光重合した部分である。本発明の露出された印刷版前駆体の現像に用いられる現像液は、好ましくは少なくとも11のpHを有する水性アルカリ性溶液であり、11.5〜13.5のpHが特に好ましい。現像液は小さいパーセンテージの、好ましくは5重量%未満の有機、水−混和性溶媒を含有することができる。溶液のpHを調整するために、好ましくは水酸化アルカリが用いられる。
現像液の好ましい追加の成分の例は、単独の又は組み合わされた、リン酸アルカリ、炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、有機アミン化合物、ケイ酸アルカリ、緩衝剤、錯体化剤、脱泡剤、界面活性剤及び染料を含んでなるが、適した成分は好ましい例に限られず、さらに別の成分を用いることができる。
用いられる現像方法は特に制限されず、現像液中に版を浸し、振ることにより、例えばブラシにより非−画像部分を現像液中に溶解しながら物理的に除去することにより、あるいは版上に現像液を噴霧し、非−画像部分を除去することにより行なわれ得る。現像のための時間は、非−画像部分が十分に除去され得るように、用いられる上記の方法に依存して選ばれ、場合により5秒〜10分の範囲内で選ばれることができる。
現像の後、版を、例えば必要な場合に印刷版に場合により適用されるアラビアゴムによる親水性処理に供することができる(ゴム引き段階)。
A.感光層の形成(コーティング)
表1に規定される成分を混合することにより組成物を調製した(pw=重量部;wt.%=重量パーセンテージ)。この組成物を等しく10個の部分に分け、各部分に表2に従う量の増感剤を加えた。得られる組成物を、ポリビニルホスホン酸の水溶液を用いる処理により表面が親水性にされた、電気化学的に粗面化され且つ陽極酸化されたアルミニウムシート(酸化物重量 3g/m)上にコーティングし、120℃で1分間乾燥した(循環炉)。得られる層の厚さは1.5g/mであった。
Figure 2006048048
Figure 2006048048
感光層の上に、表3に規定される組成を有する水中の溶液をコーティングし、それを110℃で2分間乾燥した。
Figure 2006048048
そのようにして形成される保護上塗り層は2.0g/mの乾燥厚さを有した。
392〜417nmで発光する紫レーザーダイオードが備えられたPolaris XsV紫プレートセッター装置(平床システム)を用いて画像形成を行なった。以下の画像形成条件を用いた:
走査速度:1000m/秒
可変画像面出力:0〜10.5mW
スポット直径:20μm
アドレッサビリティー(addressability):1270dpi
画像形成の後、Agfa VSP85s処理機において1.2m/分の速度で版を処理した。処理の間、版を最初に110℃に加熱し(予備−加熱段階)、次に保護上塗り層を洗い落とし、28℃において水に基づくアルカリ性現像液(Agfa PD91)中で光層(photolayer)を処理した。水洗及びゴム引き段階の後、印刷版は準備ができた。0.15の濃度増分を有する13−段階露出ウェッジを用い、版の感度を決定した。露出試験の結果を表4に相対的値として示し、その表においては、実験Aを用いて作製される版(材料A)の感度を任意に100%に設定した。例えば200%の相対的感度は、3ウェッジ段階の完全な硬膜のために、材料Aに比べて50%の露出エネルギー密度(μJ/cm)しか要しない材料に相当する(処理された材料の濃度がフィルターなしで露出された版の濃度の少なくとも97%である場合に、コーティングは完全に硬膜したと考えられる)。
Figure 2006048048
当該技術の現状から既知の増感剤と比べて、ジスチリルフルオレン−型増感剤が用いられると、感度が有意に向上することが明らかにわかる。実験B、E及びFは、B(2)、E(2)及びF(2)として2回行なわれた。それらの結果は、データの非常に優れた再現性を示した。

Claims (5)

  1. 結合剤、重合可能な化合物、増感剤及び光開始剤を含んでなる、300〜450nmの波長領域内の光を吸収すると光重合し得る組成物であって、増感剤が二重又は三重結合を介して芳香族又はヘテロ芳香族基と共役しているフルオレン化合物であることを特徴とする組成物。
  2. 増感剤が式(I)、(II)又は(III):

    Figure 2006048048
    [式中、
    〜A10、X〜X及びY、Yは互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    、Lは互いに独立して−CR=CR−又はエチニレンから選ばれる連結基を意味し、そして
    〜Rは互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    且つここで該置換基の1つもしくはそれより多い対は一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる]
    Figure 2006048048
    [式中、
    11〜A16は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    、Lは互いに独立して−CR=CR−又はエチニレンから選ばれる連結基を意味し、そして
    〜Rは互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    ここでピリジニル基は非置換であるか又は非−金属原子基から選ばれる1〜4個の置換基により置換されており、
    L3、L4はピリジル基の炭素原子への結合であり、
    且つここで該置換基の1つもしくはそれより多い対は一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる]
    あるいは
    Figure 2006048048
    [式中、
    17〜A22は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    、Lは互いに独立して−CR11=CR12−又はエチニレンから選ばれる連結基を意味し、
    〜R12は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    〜Z及びZ〜Zは互いに独立して窒素又は炭素原子を意味し、それは非置換であることができるか又は非−金属原子基から選ばれる置換基により置換されていることができ、
    、Z10は互いに独立してO、S、C、CR13、CR1415又はNR16を意味し、
    そして
    13〜R16は互いに独立して非−金属原子基から選ばれる置換基を意味し、
    且つここで該置換基の1つもしくはそれより多い対は一緒になって環を形成する残りの原子を意味することができる]
    の1つに従う構造を有する請求項1に従う組成物。
  3. 感光性コーティングを含んでなり、コーティングが請求項1に従う組成物を含んでなることを特徴とするフォトポリマー印刷版前駆体。
  4. 感光性コーティングの上に保護層が設けられる請求項3に従うフォトポリマー印刷版前駆体。
  5. フォトポリマー印刷版前駆体を準備し、300〜450nmの波長領域内の放射線を含んでなる光を用いて該印刷版前駆体を露出し、そして水性アルカリ性現像液中で平版印刷版前駆体を処理する段階を含んでなり、請求項3に従うフォトポリマー印刷版前駆体を準備することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
JP2005223189A 2004-07-30 2005-08-01 光重合可能な組成物 Expired - Fee Related JP4681387B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20040103670 EP1621928B1 (en) 2004-07-30 2004-07-30 Photopolymerizable composition.

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006048048A true JP2006048048A (ja) 2006-02-16
JP4681387B2 JP4681387B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=34929395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005223189A Expired - Fee Related JP4681387B2 (ja) 2004-07-30 2005-08-01 光重合可能な組成物

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP1621928B1 (ja)
JP (1) JP4681387B2 (ja)
DE (1) DE602004018483D1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BRPI0811196A2 (pt) 2007-05-25 2014-10-29 Agfa Graphics Nv Precursor de placa de impressão litográfica, processo para preparar uma mistura de sensibilizantes e método para manufaturar uma placa de impressão
ATE493688T1 (de) 2007-05-25 2011-01-15 Agfa Graphics Nv Flachdruckplattenvorläufer

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0970897A (ja) * 1995-07-06 1997-03-18 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 光造形法
JP2003020469A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Fuji Photo Film Co Ltd 2光子吸収組成物
JP2003295426A (ja) * 2002-03-28 2003-10-15 Agfa Gevaert Nv 300〜450nmの波長範囲に関して増感された光重合可能な組成物
JP2004503616A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多光子感光化システム
JP2004503928A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多方向光反応吸収方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5510633B2 (ja) * 1972-05-19 1980-03-18
DE2700292C2 (de) * 1977-01-05 1981-09-24 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verwendung von bestimmten Bisstyryl-phenyl- oder -biphenyl- Verbindungen sowie deren Metall- oder organischen Ammoniumsalzen zur Erzeugung einer kohärenten Laseremission

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0970897A (ja) * 1995-07-06 1997-03-18 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 光造形法
JP2004503616A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多光子感光化システム
JP2004503928A (ja) * 2000-06-15 2004-02-05 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多方向光反応吸収方法
JP2003020469A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Fuji Photo Film Co Ltd 2光子吸収組成物
JP2003295426A (ja) * 2002-03-28 2003-10-15 Agfa Gevaert Nv 300〜450nmの波長範囲に関して増感された光重合可能な組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP1621928B1 (en) 2008-12-17
JP4681387B2 (ja) 2011-05-11
EP1621928A1 (en) 2006-02-01
DE602004018483D1 (de) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7241557B2 (en) Photopolymerizable composition
US7527916B2 (en) Photopolymerizable composition
EP1749240B1 (en) Photopolymer printing plate precursor.
EP1810081B1 (en) Photopolymerizable composition
EP1810082B1 (en) Photopolymerizable composition
EP1349006B1 (en) Photopolymerizable composition sensitized for the wavelength range from 300 to 450 nm.
US20080160447A1 (en) Photopolymer Printing Plate Precursor
US20030186165A1 (en) Photopolymerizable composition sensitized for the wavelength range from 300 to 450 nm
US7615323B2 (en) Lithographic printing plate precursors with oligomeric or polymeric sensitizers
US8632937B2 (en) UV-sensitive lithographic printing plate precursor with benzoxazole derivative and analogues thereof as sensitizer
EP1757981B1 (en) Photopolymer printing plate precursor
JP2005517979A (ja) 可視放射感光性組成物
JP2006070023A (ja) ジビニルフルオレン類
JP4681387B2 (ja) 光重合可能な組成物
US7439537B2 (en) Divinylfluorenes

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080319

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080725

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20081110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees