JP2006046566A - 金属ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】面圧を分散させることができると共に、増厚部によるシール性低下を、弾圧反発力を大きくすることで全体のシール機能を安定させる金属ガスケットを提供する。
【解決手段】気筒列の両側の少なくとも4箇所をヘッドボルトで締結するエンジンに用いられ、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持され、ボアシール用のビード部23とガスケット外周のシール用の外周ビード部25とを備えた基板と、基板に積層される副板とを積層した金属ガスケット11であって、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部の間で、かつボアシール用のビード部23と外周ビード部25との中間位置に島状の増厚部27を配設する一方、増厚部27に近接する外周ビード部25Xの弾圧反発力を他の外周ビード部25Yの弾性反発力より大きく設定したことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

この発明は、基板と副板とを積層して構成され、多気筒エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持される金属ガスケットに関する。
従来、上述例の金属ガスケットは、エンジンの燃焼室のガス、オイルリターン路のオイル、冷却水通路の冷却水のシールを行なうものであって、その基本的構成は特許文献1に開示されている。
すなわち、上下一対の基板と、上下の基板間に介設される副板とを備え、基板には、シリンダブロックのボアに対応してボアシール部としてのフルビード部(断面が円弧状のビード部)と、オイル孔や水孔に対してオイルや冷却水をシールするビード部を形成し、最もシール性が要求される部位つまり一方の基板のフルビード部と他方の基板のフルビード部とが対向し、かつシリンダブロックのボア外周部に相当する部位には上述の副板にストッパを重合して、面圧を確保すべく構成し、上記一対の基板、副板およびストッパの全体を積層一体化したものである。
ところで、多気筒エンジンにおいては、シリンダブロックに対してシリンダヘッドを、気筒列方向のボアサイドにて一対のヘッドボルトで締結するようになっており、例えば、直列4気筒エンジンでは1番気筒や4番気筒の端部側と、ボア間部(例えば1番気筒と2番気筒との間、2番気筒と3番気筒との間といった気筒間)とでは面圧に差が生ずる。
つまり、エンジンの端部側の面圧はヘッドボルト締結によるボルト軸力が分散されないので、これが分散されるボア間部の面圧に対して高くなり、これによりボアの変形(シリンダブロックのトップデッキの内向き倒れ)が大きくなって、ピストンのシール性に悪影響を与える恐れがあった。
このような技術的課題は、特許文献2に開示されており、該特許文献2によれば、ボアグロメット部とアスベストからなる所謂ソフトガスケットにおいて、エンジンの端部側に変形防止用高圧部材としてのグロメット部(高面圧部)を設けて、ボアのエンジン端部側とボア間部との面圧を平均化しようとするものであるが、ソフトガスケットと金属ガスケットとではその構成要素が全く異なる関係上、ソフトガスケットの技術思想を直ちに金属ガスケットに適用することはできない。
特開2001−82610号公報 実開昭56−20045号公報
この発明は、エンジン端部側の気筒の外寄りの面圧偏重で、ボア近傍に過大な荷重がかかる現象を、その外側を増厚して面圧を分散させることにより抑制することができると共に、増厚部によるその近傍の外周ビード部のシール性低下を、弾性反発力を大きくすることで補うことができ、ガスケット全体のシール機能を安定させることができる金属ガスケットの提供を目的とする。
この発明による金属がスケットは、複数のシリンダボア部を列状に有するシリンダブロックの気筒列の両側の少なくとも4箇所をヘッドボルトで締結するエンジンに用いられ、該シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持され、ボアシール用のビード部とガスケット外周のシール用の外周ビード部とを備えた基板と、該基板に積層される副板とを積層した金属ガスケットであって、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部の間で、かつボアシール用のビード部と外周ビード部との中間位置に島状の増厚部を配設する一方、上記増厚部に近接する外周ビード部の弾性反発力を他の外周ビード部の弾性反発力より大きく設定したものである。
上述のシリンダブロックは、ウオータジャケットのトップデッキ側が開放されたオープンデッキタイプに対して、ウオータジャケットのトップデッキ側が閉塞されて剛性が高いクローズドデッキタイプのものが望ましい。
上記構成によれば、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部間において、ボアシール用のビード部と、外周ビード部との中間位置に島状の増厚部を配設したので、面圧偏重によりボア近傍に過大な荷重がかかるのを上記増厚部にて面圧を分散させることで、抑制することができる。
また、増厚部に近接する外周ビード部の弾性反発力を他の外周ビード部のそれよりも大きく設定したので、増厚部の配設によりその近傍の外周ビード部のシール性が低下するのを、弾性反発力を大きくすることにより補うことができ、ガスケット全体のシール機能を安定させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記増厚部がエンジンの各気筒中心線を通る線上に配設されたものである。
上記構成によれば、増厚部を上記線上に配設したので、該増厚部による面圧分散をより一層効果的に行うことができる。
この発明の一実施態様においては、上記増厚部に近接する外周ビード部の自由長高さが他の外周ビード部の自由長高さより大きく設定されたものである。
上記構成によれば、外周ビード部の自由長高さを他部のそれに対して大きく設定することで、所定部位の弾性反発力を大きくすることができ、この結果、外周ビード部による外周シール性の確保を、一部の形状変更のみで対応することができる。
この発明の一実施態様においては、上記増厚部に近接する外周ビード部の平面視での幅が他の外周ビード部の幅より小さく設定されたものである。
上記構成によれば、外周ビード部の平面視での幅を他部のそれに対して小さく設定することで、所定部位の弾性反発力を大きくすることができ、この結果、外周ビード部による外周シール性の確保を、一部の形状変更のみで対応することができる。
この発明の一実施態様においては、上記増厚部に近接する弾性反発力が大きい外周ビード部と、他の外周ビード部との間には、外周ビード部の自由長高さ、または、外周ビード部の幅が漸次変化する連続ビード部が形成されたものである。
上記構成によれば、ボアシール用のビード部と、ガスケット外周のシール用の外周ビード部とを備えた基板は、ステンレス等の金属板をプレス成形して構成されるが、弾性反発力が大きい外周ビード部と、他の外周ビード部との間には自由長の高さ、または幅が漸次変化する連続ビード部を形成したので、シール性が安定するとともに、プレス形成が容易となる。
この発明の一実施態様においては、2枚の基板の間に副板が介設され、副板のボア開口側に折返し係合したストッパ板を設け、該ストッパ板に増厚部としての板部材が固着されたものである。
上記構成によれば、増厚部としてはストッパ板とは別部材の板部材を用いるので、この板部材はストッパ板の板厚の制約を受けることがなく、板部材の厚みの選定により、面圧調整を容易に行うことができる。
この発明の一実施態様においては、2枚の基板の間に副板が介設され、副板のボア開口側に折返し係合したストッパ板を設け、該ストッパ板を延長させて、その延長部を折り返して増厚部と成したものである。
上記構成によれば、ストッパ板の延長部を折り返して増厚部を形成したので、部品点数の増加を招くことなく、増厚部を設けることができる。
この発明によれば、エンジン端部側の気筒の外寄りの面圧偏重で、ボア近傍に過大な荷重がかかる現象を、その外側を増厚して面圧を分散させることにより抑制することができると共に、増厚部によるその近傍の外周ビード部のシール性低下を、弾性反発力を大きくすることで補うことができ、ガスケット全体のシール機能を安定させることができる効果がある。
エンジン端部側の気筒の外寄りの面圧偏重に起因して、ボア近傍に過大な荷重がかかるのを増厚部にて面圧を分散させて抑制し、かつ増厚部によるその近傍の外周ビード部のシール性低下を補って、ガスケット全体のシール機能を安定させるという目的を、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部の間で、かつボアシール用のビード部と外周ビード部との中間位置に島状の増厚部を配設する一方、上記増厚部に近接する外周ビード部の弾性反発力を他の外周ビード部の弾性反発力より大きく設定するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は金属ガスケットを示すが、まず図1を参照してシリンダブロックの構成を概略的に説明する。
図1はシリンダブロックの平面図であって、このシリンダブロック1には直列4気筒エンジンに対応して複数のシリンダボア部2,3,4,5が列状に形成されると共に、シリンダボア間およびシリンダボア部5の端部側にはオイルリターン通路6が開口形成されている。
また各シリンダボア部2,3,4,5の外周部にはボア間を含んで、エンジン冷却水用の通路7が形成されている。
さらに、このシリンダブロック1には後述する金属ガスケット11(図2参照)を介してシリンダヘッド(図示せず)が締結されるが、これらの締結に用いるヘッドボルト8…は、シリンダボア部2,5の外端部側と各シリンダボア部間(ボア部2,3間、ボア部3,4間、ボア部4,5間)の合計10本が用いられる。
ここで、上述のシリンダブロック1は、ウオータージャケットのトップデッキ側が閉塞されて剛性が高いクローズドデッキタイプに設定されている。
なお図中、矢印Fはエンジンの前方を示し、矢印Rはエンジンの後方を示し、矢印INは吸気側を示し、矢印EXは排気側を示す。
図2は図1で示したシリンダブロック1のトップデッキ面とシリンダヘッド(図示せず)のロアデッキ面との間に挟持されて、エンジンの燃焼室のガス、オイルリターン路のオイル、冷却水通路の冷却水のシールを行う金属ガスケット11の概略平面図であって、この金属ガスケット11にはシリンダブロック1の複数のシリンダボア部2,3,4,5に対応して、ボア開口12,13,14,15が形成され、またシリンダブロック1の複数のオイルリターン通路6…に対応して、複数のオイル孔16…が形成され、さらにシリンダブロック1の複数のエンジン冷却水用の通路7…に対応して、複数の冷却水通路17…が形成され、加えて図1で示した複数のヘッドボルト8…を挿通させるためのヘッドボルト挿通孔18…がそれぞれの対応部位に形成されている。
図3は図2の要部拡大平面図、図4は図3のA−A矢視断面図であって、上述の金属ガスケット11は、上下一対の基板19,19と、2枚の基板19,19の間に介設された副板20と、副板20のボア開口15側に折返し係合したストッパ板21と、シリンダヘッド側の基板(上側の基板)19上面に配設したスペーサ22とを積層して一体化したものである。
ここで、上述の基板19は耐熱性および耐食性を有する金属たとえばステンレス鋼(具体的にはSUS301)により形成され、副板20も同様にステンレス鋼(具体的にはSUS304)により形成され、スペーサ22も同様にステンレス鋼(具体的にはSUS301)により形成され、ストッパ板21は金属板(具体的には304K2)により形成されている。
上述のスペーサ22は、フラット形状に構成され、ステンレス製の基板19とアルミ製のシリンダヘッドとの熱膨張によって、両者間に擦り合いが生ずるのを防止するものである。
上下一対の基板19のうち上側の基板19のボア開口15側には下向きに膨出する断面が円弧状で、かつ平面視で環状のボアシール用のビード部(いわゆるフルビード部)23が形成され、上下一対の基盤19のうち下側の基板19のボア開口15側には上向きに膨出する断面が円弧状で、かつ平面視で環状のボアシール用のビード部(いわゆるフルビード部)24が上記ビード部23と対向するように形成されている。
図4では1つのシリンダボア部5に対応するビード部23,24のみを示しているが、このビード部23,24は各シリンダボア部2,3,4,5に対応してそれぞれ形成されるものである。
また上述の2枚の各基板19,19のガスケット外周側には、2枚の基板19,19が互いに近接する方向に傾斜する断面スラント状のシール用の外周ビード部25,25(いわゆるハーフビード部)が形成されている。
上述のストッパ板21は副板20のボア開口15側において下側から上側に向けて副板20を抱き込むように折返した折返し部21aを形成し、この折返し部21aを副板20のボア開口15側に係合したもので、ヘッドボルト8による金属ガスケット11の締付け時に面圧を確保するものである。
図4では1つのシリンダボア部5に対応する折返し部21aのみを示しているが、この折返し部21aは他のシリンダボア部2,3,4に対しても同様に形成されている。
また上述のストッパ板21の外端部21bは、ボア開口12,13,14,15側と金属ガスケット11の外周端部との中間位置に位置するように形成されている。
そして、このストッパ板21の外端部21b側上面には板部材としての金属製の板片26を固着して、増厚部27を形成している。
この増厚部27は図3に示すように、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト8,8による締結部の間つまりヘッドボルト挿通孔18,18間で、かつボアシール用のビード部23,24と外周ビード部25との中間位置に島状に配設されている。さらに詳しくは、上述の増厚部27はエンジンの端部側における2つの冷却水通路17,17間で、かつフルビード部23,24とハーフビード部25との中間位置に島状に配設されたものであり、しかも、この増厚部27はエンジンの各気筒中心線を通る線28,29(図1、図2参照)上に配設されている。
上述の増厚部27はエンジン端部側の気筒(シリンダボア部5参照)の外寄りの面圧偏重に起因して、ボア近傍に過大な荷重が付勢されるのを該増厚部27により面圧を分散させて抑制するものであるが、この増厚部27の形状により、該増厚部27近傍の外周ビード部25のシール性が低下するので、このシール性低下を補うべく、増厚部27に近傍する外周ビード部25の弾性反発力を他の外周ビード部25の弾性反発力よりも大きく設定しているので、次に斯る構成について詳述する。
図5は図3のB−B線矢視断面図であって外周ビード部25のノーマル形状部25Yの拡大断面図である。図6は図3のA−A線矢視断面図であって、増厚部27に近接する外周ビード部25の弾性反発力を大きく設定した高反発力部25Xの拡大断面図である。但し、図6においては25Y,25Xの比較を明確化するために誇大して図示している。
図5のノーマル形状部25Yにおいては外周ビード部25の自由長の高さを所定高さH1に設定し、図6の高反発力部25Xにおいては外周ビード部25の自由長の高さを、他部としてのノーマル形状部25Yの自由長の高さH1よりも大きくH2(但し、H2>H1)設定し、これら両部25Y,25Xの自由長の高さH1,H2の大小により、増厚部27に近接する外周ビード部25つまり高反発力部25Xを他の外周ビード部のそれよりも大きく設定している。
また上述の増厚部27に近接する弾性反発力が大きい高反発力部25Xと、他の外周ビード部としてのノーマル形状部25Yとの間には、外周ビード部25の自由長の高さが漸次変化する連続ビード部25Z(25Yから25Xに向けて自由長高さが漸増し、25Xから25Yに向けて自由長高さが漸減する部分)(図3参照)を形成している。
図6の実施例においては高反発力部25Xは自由長の高さH2により構成したが、これは図7に示すように外周ビード部25の平面視での幅の設定により構成してもよい。
つまり、図5は前述同様に図3のB−B線矢視断面図であって外周ビード部25のノーマル形状部25Yの拡大断面図であり、図7は図3のA−A線矢視断面図であって、増厚部27に近接する外周ビード部25の弾性反発力を大きく設定した高反発力部25Xの拡大断面図である。
但し、図7においても両部25Y,25Xの比較を明確化するために誇大して図示している。
図5のノーマル形状部25Yにおいては外周ビード部25の平面視での幅を所定の幅L2に設定し、図7の高反発力部25Xにおいては外周ビード部25の平面視での幅を、他部としてのノーマル形状部25Yの平面視での幅L2よりも小さくL1(但し、L1<L2)設定し、これら両部25Y,25Xの幅L2,L1の長短により、増厚部27に近接する外周ビード部25つまり高反発力部25Xを他の外周ビード部のそれよりも大きく設定している。
また上述の増厚部27に近接する弾性反発力が大きい高反発力部25Xと、他の外周ビード部としてのノーマル形状部25Yとの間には、外周ビード部25の平面視での幅が漸次変化する連続ビード部25Z(25Yから25Xに向けて平面視での幅が漸減し、25Xから25Yに向けて平面視での幅が漸増する部分)(図3参照)を形成したものであり、図6で示したように自由長の高さH2の設定により高反発力部25Xを構成してもよく、図7で示したように平面視での幅L1の設定により高反発力部25Xを構成してもよい。
図8は図3のC−C線に沿う拡大断面図であって、シリンダブロック1のトップデッキと、シリンダヘッドのロアデッキとが上下に重合しない部分において、一対の基板19,19と、基板19,19間の副板20と、スペーサ22とは、金属グロメット28,29による2重はとめ構造にて積層一体化されている。この2重はとめ構造は図2に示すように金属ガスケット11に対して複数箇所に設けられている。
また、図3に示すように、上述の外周ビード部25全体の形成パターンにより、金属ガスケット11には冷却水用のシーリングライン30が形成される一方、このシーリングライン30の内側とストッパ板21の外端部21bの外側との間にはオイル用の環状のシーリングライン31が形成されている。
このように、図1〜図8で示した実施例の金属ガスケット11は、複数のシリンダボア部2,3,4,5を列状に有するシリンダブロック1の気筒列の両側の少なくとも4箇所をヘッドボルト8で締結するエンジンに用いられ、該シリンダブロック1とシリンダヘッドとの間に挟持され、ボアシール用のビード部23,24とガスケット外周のシール用の外周ビード部25とを備えた基板19と、該基板19に積層される副板20とを積層した金属ガスケットであって、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部の間で、かつボアシール用のビード部23,24と外周ビード部25との中間位置に島状の増厚部27を配設する一方、上記増厚部27に近接する外周ビード部(高反発力部25X参照)の弾圧反発力を他の外周ビード部(ノーマル形状部25Y参照)の弾性反発力より大きく設定したものである。
この構成によれば、エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部間において、ボアシール用のビード部23,24と、外周ビード部25との中間位置に島状の増厚部27を配設したので、面圧偏重によりボア(シリンダボア部5参照)近傍に過大な荷重がかかるのを上記増厚部27にて面圧を分散させることで、抑制することができる。
また、増厚部27に近傍する外周ビード部(高反発力部25X参照)の弾性反発力を他の外周ビード部(ノーマル形状部25Y参照)のそれよりも大きく設定したので、増厚部27の配設によりその近傍の外周ビード部25のシール性が低下するのを、弾性反発力を大きくすることにより補うことができ、金属ガスケット11全体のシール機能を安定させることができる。
さらに、上記増厚部27がエンジンの各気筒中心線を通る線28,29(図1,図2参照))上に配設されたものである。
この構成によれば、増厚部27を上記線上に配設したので、該増厚部27による面圧分散をより一層効果的に行うことができる。
しかも、図6で示したように、上記増厚部27に近接する外周ビード部(高反発力部25X参照)の自由長高さH2が他の外周ビード部(ノーマル形状部25Y参照)の自由長高さH1より大きく設定されたものである。
この構成によれば、外周ビード部(高反発力部25X参照)の自由長高さH2を他部(ノーマル形状部25Y参照)の高さH1に対して大きく(H2>H1)設定することで、所定部位の弾性反発力を大きくすることができ、この結果、外周ビード部25による外周シール性の確保を、一部の形状変更のみで対応することができる。
一方、図7で示したように、上記増厚部27に近接する外周ビード部(高反発力部25X参照)の平面視での幅Lが他の外周ビード部(ノーマル形状部25Y参照)の幅L2より小さく設定されたものである。
この構成によれば、外周ビード部(高反発力部25X参照)の平面視での幅L1を他部(ノーマル形状部25Y参照)の幅L2に対して小さく(L1<L2)設定することで、所定部位の弾性反発力を大きくすることができ、この結果、外周ビード部25による外周シール性の確保を、一部の形状変更のみで対応することができる。
また、上記増厚部27に近接する弾性反発力が大きい外周ビード部(高反発力部25X)と、他の外周ビード部(ノーマル形状部25Y参照)との間には、外周ビード部25の自由長高さ、または、外周ビード部25の幅が漸次変化する連続ビード部25Zが形成されたものである。
この構成によれば、ボアシール用のビード部23,24と、ガスケット外周のシール用の外周ビード部25とを備えた基板19は、ステンレス等の金属板をプレス成形して構成されるが、弾性反発力が大きい外周ビード部(高反発力部25X参照)と、他の外周ビード部(ノーマル形状部25Y参照)との間には自由長の高さ、または幅が漸次変化する連続ビード部25Zを形成したので、シール部分の形状の急変をなくしてシール性を安定させるとともに、プレス形成が容易となる。
さらに、2枚の基板19,19の間に副板20が介設され、副板20のボア開口側に折返し係合したストッパ板21を設け、該ストッパ板21に増厚部27としての板部材(板片26参照)が固着されたものである。
この構成によれば、増厚部27としてはストッパ板21とは別部材の板部材(板片26参照)を用いるので、この板部材(板片26参照)はストッパ板21の板厚の制約を受けることがなく、板部材(板片26参照)の厚みの選定により、面圧調整を容易に行うことができる。
図9は金属ガスケットの他の実施例を示し、図4の実施例においてはストッパ板21に別部材の板片26を固着して増厚部27を形成したが、図9に示すこの実施例においては、ストッパ板21をボア開口側から金属ガスケット11の中間位置まで外方に延長させて、その延長部を折り返して折返し部21cを形成し、この折返し部21cを増厚部27と成したものである。
要するに図9に示す実施例の金属ガスケットは、2枚の基板19,19の間に副板20が介設され、副板20のボア開口側に折返し係合したストッパ板21を設け、該ストッパ板21を延長させて、その延長部を折り返して増厚部27と成したものであるから、部品点数の増加を招くことなく、増厚部27を設けることができる。
この図9に示す実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図10、図11は金属ガスケットのさらに他の実施例を示し、図10の実施例においてはボアシール用のビード部23,24と外周ビード部25との中間位置に位置するように基板19の内面(例えば下側の基板19の上面)に板片26を固着して、この板片26で増厚部27を構成したものである。
また、図11の実施例においては、ボアシール用のビード部23,24と外周ビード部25との中間位置に位置するように副板20に対して板片26を固着して、この板片26で増厚部27を構成したものである。
図10、図11の各実施例においてはストッパ板21とは別部材の板片26を用いて増厚部27を構成するので、板片26の厚みの選定を任意に行うことができ、この結果、面圧調整が容易となる。
なお、図10、図11に示す各実施例においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例と同様であるから、図10、図11において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の増厚部に近接する外周ビード部は、実施例の高反発力部25Xに対応し、
以下同様に、
他の外周ビード部は、ノーマル形状部25Yに対応し、
増厚部を形成する板部材は、板片26に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施例においては直列4気筒エンジン用の金属ガスケットを例示したが、これは他の直列多気筒エンジンやV型多気筒エンジンにも適用することができる。
シリンダブロックの平面図。 本発明の金属ガスケットの概略平面図。 図2の要部拡大平面図。 図3のA−A線矢視断面図。 図3のB−B線に沿うノーマル形状部の拡大断面図。 図3のA−A線に沿う高反発力部の拡大断面図。 高反発力部の他の実施例を示す断面図。 図3のC−C線矢視断面図。 増厚部の他の実施例を示す断面図。 増厚部のさらに他の実施例を示す断面図。 増厚部のさらに他の実施例を示す断面図。
符号の説明
1…シリンダブロック
2〜5…シリンダボア部
8…ヘッドボルト
11…金属ガスケット
12〜15…ボア開口
19…基板
20…副板
21…ストッパ板
23,24…ビード部
25…外周ビード部
25X…高反発力部
25Y…ノーマル形状部
25Z…連続ビード部
26…板片(板部材)
27…増厚部

Claims (7)

  1. 複数のシリンダボア部を列状に有するシリンダブロックの気筒列の両側の少なくとも4箇所をヘッドボルトで締結するエンジンに用いられ、該シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持され、
    ボアシール用のビード部とガスケット外周のシール用の外周ビード部とを備えた基板と、
    該基板に積層される副板とを積層した金属ガスケットであって、
    エンジンの端部側の一対のヘッドボルト締結部の間で、かつボアシール用のビード部と外周ビード部との中間位置に島状の増厚部を配設する一方、
    上記増厚部に近接する外周ビード部の弾性反発力を他の外周ビード部の弾性反発力より大きく設定した
    金属ガスケット。
  2. 上記増厚部がエンジンの各気筒中心線を通る線上に配設された
    請求項1記載の金属ガスケット。
  3. 上記増厚部に近接する外周ビード部の自由長高さが他の外周ビード部の自由長高さより大きく設定された
    請求項1または2記載の金属ガスケット。
  4. 上記増厚部に近接する外周ビード部の平面視での幅が他の外周ビード部の幅より小さく設定された
    請求項1または2記載の金属ガスケット。
  5. 上記増厚部に近接する弾性反発力が大きい外周ビード部と、他の外周ビード部との間には、外周ビード部の自由長高さ、または、外周ビード部の幅が漸次変化する連続ビード部が形成された
    請求項3または4記載の金属ガスケット。
  6. 2枚の基板の間に副板が介設され、副板のボア開口側に折返し係合したストッパ板を設け、
    該ストッパ板に増厚部としての板部材が固着された
    請求項1または2記載の金属ガスケット。
  7. 2枚の基板の間に副板が介設され、副板のボア開口側に折返し係合したストッパ板を設け、
    該ストッパ板を延長させて、その延長部を折り返して増厚部と成した
    請求項1または2記載の金属ガスケット。
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