JP2006046426A - 歯車式無段変速機 - Google Patents

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眞 舟橋
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Abstract

【課題】 一方向クラッチの配置を適宜に設定することで、歯車式無段変速機全体としての構成をコンパクトにする。
【解決手段】 複数の非円形第1歯車13a〜13dのいずれかの非円形第1歯車13b、13dが第1軸3に一体となるように取り付けられるとともに、その非円形第1歯車13b、13dに隣接する他の非円形第1歯車13a、13cと前記第1軸3との間に一方向クラッチ14,15が配置され、前記第1軸3に一体化されている前記非円形第1歯車13b、13dに非円形第2歯車16b、16dを介して連結されている非円形第3歯車18b、18dと第3軸11との間に他の一方向クラッチ23,24が配置され、前記非円形第1歯車13a、13cに前記非円形第2歯車16a、16cを介して連結されている非円形第3歯車18a、18cが前記第3軸11に一体となるように取り付けられている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、楕円歯車や指数関数歯車あるいは中心から外れた偏心位置を中心に回転させられる歯先円が円形の歯車などの非円形歯車、換言すれば、歯の噛み合い箇所の回転中心からの距離が変化する非円形歯車を使用した無段変速機に関するものである。
この種の非円形歯車を使用した無段変速機の例が、特許文献1に記載されている。その構成を簡単に説明すると、この特許文献1に記載された無段変速機は、第1の回転軸に2枚の第1の非円形歯車を位相を互いにずらして取り付け、これらの各第1の非円形歯車のそれぞれにいわゆるアイドル歯車となる第2の非円形歯車が噛み合わされており、これらのいわゆるアイドル歯車は相互に相対回転するように第2の回転軸に支持されている。これらのアイドル歯車に噛み合っている第3の非円形歯車が設けられており、これらの第3の非円形歯車は、第3の回転軸に一方向クラッチを介して支持されている。
その一方向クラッチは、第3の非円形歯車が第3の回転軸より低速で回転する場合(第3の非円形歯車が第3の回転軸に対して相対的に逆回転する場合)には解放状態となり、これとは反対に第3の非円形歯車が第3の回転軸より速く回転しようとする場合には係合して両者一体となるように構成されている。すなわち第3の非円形歯車から第3の回転軸にトルクを伝達するように構成されている。さらに、その第3の回転軸がアイドル歯車の回転中心軸線を中心に公転するようにフレームによって支持されている。したがってフレームを回転させることにより、第3の非円形歯車のアイドル歯車に対する位相が変化するようになっている。そして、特許文献1には、その非円形歯車の例として、楕円を半割りして右半分と左半分とで所定寸法ずらした形状の歯車や指数関数歯車の例が示されている。
この特許文献1に記載された例においては、歯の噛み合い箇所の回転中心からの距離が連続的に変化する。したがって入力歯車が一定回転数で回転しても、アイドル歯車の回転数が連続的に変化し、さらに第3の非円形歯車の回転数がその歯車の形状に従って連続的に変化する。その場合、第3の非円形歯車の第3の回転軸に対する相対回転数が、第3の回転軸に同軸上に設けられている各第3の非円形歯車で逐次変化するので、それに応じて一方向クラッチが順次係合・解放を繰り返し、その結果、第3の回転軸は複数の第3の非円形歯車のうち最も回転速度の速い第3の非円形歯車と一体となって回転する。
これら互いに噛み合っている非円形歯車同士の間の回転速度比が非円形歯車のピッチ円形状から定まる所定の関数で表される。その関係は、アイドル歯車と第3の非円形歯車との間でも成立するが、第3の回転軸と共に第3の非円形歯車を、第2の非円形歯車であるアイドル歯車の回転中心軸線を中心にして公転させて、第2の非円形歯車と第3の非円形歯車との相対的な位相を、第1の非円形歯車と第2の非円形歯車との位相に対して変化させると、その変位が回転速度比に現れる。歯車機構の全体としての変速比は、これらの回転速度比の比率となるから、結局、上記のフレームの回動角度に応じて、歯車機構の全体としての変速比が連続的に(無段階に)変化することになる。
特公平5−78705号公報
上述したように、特許文献1に記載されている装置では、入力歯車からのトルクが、第1の非円形歯車および第2の非円形歯車を介して第3の回転軸へ伝達される場合に、第3の回転軸と第3の非円形歯車との間に設けられた一方向クラッチにより、最も回転速度の速い第3の非円形歯車を経由して第3の回転軸へ伝達される。この一方向クラッチとしては、例えば、内輪と外輪との間にばねにより付勢される多数のローラが組み込まれ、それらの間でのくさび作用によって一方向のみにトルクを伝達するローラタイプ、あるいは内輪と外輪との間に特殊な形状のカムである多数のスプラグが組み込まれ、それらの間でのくさび作用によって一方向のみにトルクを伝達するスプラグタイプ、あるいは爪車とその爪車に付勢される爪とで構成されるラチェット機構の作用によって一方向のみにトルクを伝達するものなどが知られている。
これらいずれの形式の一方向クラッチにおいても、所望のトルク容量を確保するために、例えばローラあるいはスプラグあるいは爪などの一方向クラッチを構成する各部材に、それらに作用する負荷に対抗する強度を持たせるため、各部材の大きさを大きくせざるを得ない場合がある。その結果、一方向クラッチの全体としての構成が、その径方向あるいは幅方向において大型化することがある。
このように、一方向クラッチが大型化すると、上記の特許文献1に記載されている装置のように、第3の非円形歯車が一つの軸(第3の回転軸)に並んで一方向クラッチを介して支持される場合は、特に一方向クラッチの幅方向の大型化に伴い無段変速機の軸方向の長さも長大化させる必要がある。その結果、無段変速機全体としての大型化を招くことになり、その点で改良の余地があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、いわゆる非円形歯車と一方向クラッチとを使用した無段変速機において、一方向クラッチの配置を適宜に設定することで、無段変速機全体としての構成をコンパクトにすることを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の非円形歯車を噛み合わせてなる非円形歯車無段変速ユニットを備えた歯車式無段変速機において、前記非円形歯車無段変速ユニットは、第1軸上に設けられた複数の非円形第1歯車と、前記第1軸と平行な第2軸上に配置されかつ複数の前記非円形第1歯車にそれぞれ噛み合っている複数の非円形第2歯車と、前記第2軸と平行な第3軸上に配置されかつ複数の前記非円形第2歯車にそれぞれ噛み合っている複数の非円形第3歯車と、前記第1軸と前記第2軸とを結んだ線と前記第2軸と前記第3軸とを結んだ線とのなす角度を変化させるようにいずれかの軸を該軸に隣接する他の軸を中心にして回動させる回動機構とを有し、さらに複数の前記非円形第1歯車のいずれかの非円形第1歯車が前記第1軸に一体となるように取り付けられるとともに、その非円形第1歯車に隣接する他の非円形第1歯車と前記第1軸との間に一方向クラッチが配置され、前記第1軸に一体化されている前記非円形第1歯車に前記非円形第2歯車を介して連結されている非円形第3歯車と前記第3軸との間に他の一方向クラッチが配置され、かつ前記第1軸に前記一方向クラッチを介して取り付けられている前記非円形第1歯車に前記非円形第2歯車を介して連結されている非円形第3歯車が前記第3軸に一体となるように取り付けられていることを特徴とする歯車式無段変速機である。
請求項1の発明によれば、回動機構を動作させることにより、非円形第2歯車に対する非円形第1歯車の位相もしくは非円形第3歯車の位相が変化し、非円形歯車無段変速ユニットでの変速比が変化する。このようにして非円形歯車無段変速ユニットにおける変速比が個別にもしくは同時に変化することにより、歯車式無段変速機の全体としての変速比が連続的に変化させられる。そして、非円形歯車無段変速ユニットを構成している複数の各非円形歯車列のそれぞれに一方向クラッチが介装されているが、互いに隣接する非円形歯車列においては、その一方向クラッチが同一軸線上に並ばずに、半径方向にずれて配置される。したがって一方向クラッチが相対的に小径であることによりトルク容量を確保するべく軸線方向での寸法を大きくしても、これらの一方向クラッチが軸線方向で干渉することが回避もしくは抑制され、その結果、歯車式無段変速機の全体としての軸長の短縮化およびコンパクト化を図ることができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1および図2はこの発明の一例を模式的に示しており、図1は図2のI−I線に沿う断面図である。ここに示す例は、3個の非円形歯車を噛み合わせた歯車列を4列使用して非円形歯車無段変速ユニットが構成されている。その非円形歯車は、指数関数歯車や楕円歯車などであって、ピッチ円の形状が円形となっていない歯車である。図1および図2に示す例では、楕円歯車を使用した例を示してあり、この場合の非円形歯車無段変速ユニットとしての無段変速ユニット1は、4列で合計12個の楕円歯車によって構成されている。なお、図1にはピッチ円の形状で各歯車を示しており、歯は省略してある。
具体的に説明すると、ケーシングあるいは機台部もしくは機枠となっている固定フレーム2の内部に、入力軸3が配置されている。この入力軸3の一方の端部は、固定フレーム2の一方の側壁部を貫通しかつ軸受4によって回転自在に保持されている。また、入力軸3の他方の端部は、固定フレーム2の他方の側壁部に軸受5を介して回転自在に保持されている。
また、入力軸3と平行に、出力軸としての機能を兼ね備えた中間軸6が配置されている。この中間軸6の一方の端部は、固定フレーム2の一方の側壁部に軸受7を介して回転自在に保持されていて、中間軸6の他方の端部は、固定フレーム2の他方の側壁部を貫通しかつ軸受8によって回転自在に保持されている。
さらに、中間軸6は中間歯車および可動保持部材(あるいは可動フレームもしくはキャリヤ)9を保持するためのものであって、そのキャリヤ9は、門型をなす枠状の部材、あるいは中間軸6を一辺とする矩形をなす部材であって、その中間軸6から半径方向に延びた状態に形成されている。そしてキャリヤ9は、軸受10を介して中間軸6に回転自在に保持され、中間軸6と相対回転可能となって回動動作するようになっている。
そして、中間軸6と平行に配置された可動軸11がそのキャリヤ9に保持されている。すなわち、可動軸11の両端部が、軸受12を介してキャリヤ9によって回転自在に保持されている。このように、上述した入力軸3が、この発明の非円形歯車無段変速ユニットにおける第1軸に相当し、また中間軸6が、この発明の非円形歯車無段変速ユニットにおける第2軸に相当し、そして可動軸11が、この発明の非円形歯車無段変速ユニットにおける第3軸に相当している。
前記入力軸3に、無段変速ユニット1を構成する複数(具体的には4個)の非円形第1歯車である入力歯車13a,13b,13c,13dが保持されている。これらの入力歯車13a,13b,13c,13dは、歯数やピッチ円などの諸元が同一の楕円歯車である。それらのうち一つ置きに配置された二つの入力歯車13a,13cは一方向クラッチ14,15を介して入力軸3に取り付けられ、これに対して他の一つ置きに配置された二つの入力歯車13b,13dは、入力軸3にこれと一体となって回転するようにスプラインなどの手段によって取り付けられている。
なお、それらの一方向クラッチ14,15は、入力軸3が入力歯車13a,13cに対して例えば図1の矢印で示す方向(時計回り)に相対回転しようとする場合には係合して入力軸3と入力歯車13a,13cとが一体となって回転し、入力歯車13a,13cから入力軸3にトルクを伝達するように設定されている。そして、これとは反対の方向には解放して入力軸3と入力歯車13a,13cとが相対的に回転し、トルクを伝達しないように設定されている。言い換えると、一方向クラッチ14,15は、入力軸3が、入力歯車13a,13cより低速で回転する場合(入力軸3が入力歯車13a,13cに対して相対的に逆回転する場合)には解放状態となり、これとは反対に入力軸3が入力歯車13a,13cより速く回転しようとする場合には係合して両者一体となって回転し、入力軸3から入力歯車13a,13cにトルクを伝達するように構成されている。
また、同軸上に配列された4個の入力歯車13a,13b,13c,13dの内の2個に一方向クラッチ14,15を設けたことにより、それらの一方向クラッチ14,15を設けた入力歯車13a,13c(もしくは少なくともそのボス部)の幅が、他方の入力歯車13b,13dよりも大きくなっている。
各入力歯車13a,13b,13c,13dに対応し、かつそれぞれに噛み合う複数(具体的には4個)の非円形第2歯車である中間歯車16a,16b,16c,16dが、前記中間軸6によって保持されている。これらの中間歯車16a,16b,16c,16d同士は、諸元が同じ非円形歯車であって、上記の入力歯車13a,13b,13c,13dが楕円歯車であれば、それに合わせて楕円歯車が使用される。そして、これらの中間歯車16a,16b,16c,16dは、軸受17を介して中間軸6に対して回転自在に保持されている。なお、入力歯車13a,13b,13c,13dと中間歯車16a,16b,16c,16dとを楕円歯車で構成した場合は、入力軸3と中間軸6との軸間距離は、楕円の長軸方向の半径と短軸方向の半径とを加算した距離に設定される。
上記の中間歯車16a,16b,16c,16dに対応し、かつそれぞれに噛み合う複数(具体的には4個)の非円形第3歯車である可動歯車18a,18b,18c,18dが、前記可動軸11によって保持されている。これらの可動歯車18a,18b,18c,18dは、歯数やピッチ円などの諸元が同一の楕円歯車である。これらの可動歯車18a,18b,18c,18dのうち、前述した一方向クラッチ14を備えている入力歯車13a、および中間歯車16aと共に、いわゆる第1の歯車列19を構成している可動歯車18aと、前述した一方向クラッチ15を備えている入力歯車13c、および中間歯車16cと共に、いわゆる第3の歯車列21を構成している可動歯車18cとが、可動軸11にこれと一体となって回転するようにスプラインなどの手段によって取り付けられている。これに対して、前述した入力軸3と一体回転するように取り付けられている入力歯車13b、および中間歯車16bと共に、いわゆる第2の歯車列20を構成している可動歯車18bが、一方向クラッチ23を介して、また前述した入力軸3と一体回転するように取り付けられている入力歯車13d、および中間歯車16dと共に、いわゆる第4の歯車列22を構成している可動歯車18dが、一方向クラッチ24を介してそれぞれ可動軸11に取り付けられている。
なお、それらの一方向クラッチ23,24は、可動歯車18b,18dが可動軸11に対して例えば図1の矢印で示す方向(時計回り)に相対回転しようとする場合には係合して可動歯車18b,18dと可動軸11とが一体となって回転し、可動歯車18b,18dから可動軸11にトルクを伝達するように設定されている。そして、これとは反対の方向には解放して可動歯車18b,18dと可動軸11とが相対的に回転し、トルクを伝達しないように設定されている。言い換えると、一方向クラッチ23,24は、可動歯車18b,18dが、可動軸11より低速で回転する場合(可動歯車18b,18dが可動軸11に対して相対的に逆回転する場合)には解放状態となり、これとは反対に可動歯車18b,18dが可動軸11より速く回転しようとする場合には係合して両者一体となって回転し、可動歯車18b,18dから可動軸11にトルクを伝達するように構成されている。
また、同軸上に配列された4個の可動歯車18a,18b,18c,18dの内の2個に一方向クラッチ23,24を設けたことにより、それらの一方向クラッチ23,24を設けた可動歯車18b,18dの幅(もしくは少なくともそのボス部の幅)が、他方の可動歯車18a,18cよりも大きくなっている。そして、各一方向クラッチ14,15,23,24が同一軸線上に並ばずに、半径方向にずれていることにより、スペースの有効利用および軸長の短縮化が図られている。なお、中間歯車16a,16b,16c,16dと可動歯車18a,18b,18c,18dとを楕円歯車で構成した場合は、中間軸6と可動軸11との軸間距離は、楕円の長軸方向の半径と短軸方向の半径とを加算した距離に設定される。
上記の可動軸11と中間軸6とには、カウンタギヤ25,26が取り付けられている。すなわち、カウンタギヤ25は、可動軸11にこれと一体になって回転するようにスプラインなどの手段によって取り付けられている。そして、カウンタギヤ26は、前記カウンタギヤ25に噛合し、中間軸6にこれと一体になって回転するようにスプラインなどの手段によって取り付けられている。したがって、この無段変速ユニット1においては、入力軸3に入力されたトルクが、第1ないし第4の各歯車列19,20,21,22のいずれかの歯車列を介して可動軸11に伝達され、さらにカウンタギヤ25,26によるカウンタギヤ対を介して中間軸6すなわち出力軸6に伝達されるように構成されている。
上記のキャリヤ9と共に可動軸11および可動歯車18a,18b,18c,18dを中間歯車16a,16b,16c,16dの周りに回動させるための回動機構について説明すると、キャリヤ9の一端側(図2での右側)の側面に従動ギヤ27がキャリヤ9と一体回転するように取り付けられるとともに、モータ28で回転させられる駆動ギヤ29がその従動ギヤ27に噛み合っている。なお従動ギヤ27は、中間軸6に対しては軸受30を介して回転自在に保持されている。したがってそのモータ28を駆動することにより、従動ギヤ27と共にキャリヤ9が回転し、その結果、可動軸11およびこれによって保持している可動歯車18a,18b,18c,18dが、中間歯車16a,16b,16c,16dの回転中心軸線を中心に旋回(あるいは公転)するようになっている。
つぎに上述した歯車式無段変速機の作用について説明する。3個の非円形歯車を順次噛み合わせた第1ないし第4の各歯車列19,20,21,22においては、入力歯車13a,13b,13c,13dなどの非円形第1歯車と、中間歯車16a,16b,16c,16dなどの非円形第2歯車との間で変速が生じ、かつその非円形第2歯車と可動歯車18a,18b,18c,18dなどの非円形第3歯車との間で変速が生じ、したがって全体としての変速比は、それらの歯車の間での変速比の比として表される。これを、無段変速ユニット1における第1の歯車列19について示すと、入力歯車13aの回転速度ω1とこれに噛み合っている中間歯車16aの回転速度ω2との速度比ω2/ω1は、各歯車13a,16aの接触点(噛み合い位置)の回転中心からの距離の連続的な変化に対応して変化する。図1に示す状態では、その速度比ω2/ω1は、最も小さく(増速側に)なっている。同様に、可動歯車18aの回転速度をω3とすると、中間歯車16aとの速度比ω3/ω2は、各歯車16a,18aの接触点(噛み合い位置)の回転中心からの距離の連続的な変化に対応して変化する。図1に示す状態では、その速度比ω3/ω2は、最も大きく(減速側に)なっている。
図3に、各歯車を楕円歯車で構成し、かつ各軸3,6,10を同一平面上に配列した状態における各速度比ω2/ω1,ω3/ω2を線図で示してある。上記のように入力歯車13aと中間歯車16aとの間の速度比ω2/ω1が最小の時に、中間歯車16aと可動歯車18aとの間の速度比ω3/ω2が最大となるから、それぞれの速度比を示す線は、位相がπ/2ずれた線となる。したがってこの状態での入力歯車13aと可動歯車18aとの間の速度比ω3/ω1は、“1”となる。すなわち、増減速が生じない。
一方、入力歯車13aと中間歯車16aとの相対的な位相と、中間歯車16aと可動歯車18aとの相対的な位相とを上記の変速比“1”の状態から変化させると、入力歯車13aと中間歯車16aとの間の変速の関係に対して中間歯車16aと可動歯車18aとの間の変速の関係が反対であったのが、位相の変化に応じて変化する。例えば、前記キャリヤ9を図1の半時計方向に所定角度α回転させると、入力歯車13aと中間歯車16aとの間の速度比が最増速比となっていても、中間歯車16aと可動歯車18aとの間の速度比は最減速比からずれた比となる。その結果、入力歯車13aと可動歯車18aとの間の速度比ω3/ω1は、“1”より小さくなる。
一例として、非円形歯車からなる入力歯車13aと非円形歯車からなる中間歯車16aとの間の速度比ω2/ω1を、
ω2/ω1=1+C・sin2θ (Cは絶対値が1より小さい定数)
で表すと、中間歯車16aと可動歯車18aとの間の速度比ω3/ω2は、
ω3/ω2=1+C・sin2(θ+α)
で表され、結局、歯車列の全体としての速度比ω3/ω1は、
ω3/ω1=(1+C・sin2(θ+α))/(1+C・sin2θ)
となる。すなわち、上記のキャリヤ9の回動角度αを変化させることにより、歯車列の全体としての変速比が連続的に変化する。
なお、上記の具体例のように、各非円形歯車が楕円歯車である場合の速度比ω2/ω1、および速度比ω3/ω2はそれぞれ、
ω2/ω1=(1−ε2)/(1+ε2+2・ε・cos2θ1
ω3/ω2=(1−ε2)/(1+ε2+2・ε・cos2θ2
として表すことができ、歯車列の全体としての速度比ω3/ω1は、
ω3/ω1=(1+ε2+2・ε・cos2θ2)/(1+ε2+2・ε・cos2θ1
として表すことができる。なお、ここでεは楕円の離心率であって、歯車の中心から歯車同士の噛み合い点までの距離の変化を示すものである。
図1および図2に示す無段変速ユニット1は、各列が3個の楕円歯車で構成された4列の歯車列19,20,21,22を備えているから、第1の歯車列19における各歯車回転角度に対して第2の歯車列20の各歯車の回転角度がπ/4ずれている。同様に、第2の歯車列20における各歯車回転角度に対する第3の歯車列21の各歯車の回転角度、および第3の歯車列21における各歯車回転角度に対する第4の歯車列22の各歯車の回転角度がそれぞれπ/4ずつずれている。したがって第1の歯車列19で増速が生じている状態では、第2ないし第4の歯車列20,21,22は減速状態となっているが、上述したように各歯車列には一方向クラッチ14,15,23,24が介装されているので、入力軸3に対して可動軸11を増速させるように機能するいずれかの歯車列がトルクの伝達をおこなう。したがってこの無段変速ユニット1による変速比は、第1ないし第4の歯車列19,20,21,22による各変速比のピーク(図3の線図では上側の部分)をそれぞれつないだ線で表され、“1”以下の領域で大小に変化するものとなる。
以上のように、この発明に係る歯車式無段変速機によれば、キャリヤ9と、駆動ギヤ29および従動ギヤ27と、モータ28となどから構成される回動機構を動作させることにより、中間歯車16a,16b,16c,16dなどの非円形第2歯車に対する、可動歯車18a,18b,18c,18dなどの非円形第3歯車の位相が変化し、無段変速ユニット1における変速比を連続的に(無段階に)変化させることができる。
また、第1ないし第4の歯車列19,20,21,22のそれぞれに一方向クラッチ14,15,23,24が設けられているが、これらの一方向クラッチは、第1軸である入力軸3と第3軸である可動軸11との間で交互に配置されている。すなわち、第1の歯車列19では入力軸3と入力歯車13aとの間に一方向クラッチ14が介装され、第2の歯車列20では可動軸11と可動歯車18bとの間に一方向クラッチ23が介装され、また第3の歯車列21では入力軸3と入力歯車13cとの間に一方向クラッチ15が介装され、第4の歯車列22では可動軸11と可動歯車18dとの間に一方向クラッチ24が介装されている。そのため、強度上の要請で一方向クラッチの軸線方向での寸法が大きくなっても、これらの一方向クラッチ14,15,23,24を介装した各歯車13a,13c,18b,18dが、軸線方向で互いに干渉することを回避もしくは抑制することができ、その結果、歯車式無段変速機全体全体としての軸長の短縮化およびコンパクト化を図ることができる。
なお、この発明は上述した各具体例に限定されないのであって、キャリヤを回動させるためのアクチュエータとしてモータ以外の回転式のアクチュエータや直動型のアクチュエータを使用してもよい。また使用できる歯車は楕円歯車以外に指数関数歯車であってもよく、あるいは偏心位置を中心に回転しかつ互いに噛み合っている円形歯車(歯先円が円形の歯車)であってもよい。
この発明の一例を模式的に示す図であって、図2のI−I線に沿う断面図である。 この発明の一例を模式的に示す正面図である。 入力歯車と中間歯車と可動歯車との間の回転速度比を示す線図である。
符号の説明
1…無段変速ユニット、 2…固定フレーム、 3…入力軸、 6…中間軸(出力軸)、 9…キャリヤ、 11…可動軸、 13a,13b,13c,13d…入力歯車、 16a,16b,16c,16d…中間歯車、 18a,18b,18c,18d…可動歯車、 25,26…カウンタギヤ、 27…従動ギヤ、 28…モータ、 29…駆動ギヤ。

Claims (1)

  1. 複数の非円形歯車を噛み合わせてなる非円形歯車無段変速ユニットを備えた歯車式無段変速機において、
    前記非円形歯車無段変速ユニットは、第1軸上に設けられた複数の非円形第1歯車と、 前記第1軸と平行な第2軸上に配置されかつ複数の前記非円形第1歯車にそれぞれ噛み合っている複数の非円形第2歯車と、
    前記第2軸と平行な第3軸上に配置されかつ複数の前記非円形第2歯車にそれぞれ噛み合っている複数の非円形第3歯車と、
    前記第1軸と前記第2軸とを結んだ線と前記第2軸と前記第3軸とを結んだ線とのなす角度を変化させるようにいずれかの軸を該軸に隣接する他の軸を中心にして回動させる回動機構とを有し、
    さらに複数の前記非円形第1歯車のうちのいずれかの非円形第1歯車が前記第1軸に一体となるように取り付けられるとともに、
    その非円形第1歯車に隣接する他の非円形第1歯車と前記第1軸との間に一方向クラッチが配置され、
    前記第1軸に一体化されている前記非円形第1歯車に前記非円形第2歯車を介して連結されている非円形第3歯車と前記第3軸との間に他の一方向クラッチが配置され、
    かつ前記第1軸に前記一方向クラッチを介して取り付けられている前記非円形第1歯車に前記非円形第2歯車を介して連結されている非円形第3歯車が前記第3軸に一体となるように取り付けられていることを特徴とする歯車式無段変速機。
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