JP2006045142A - NCX1阻害剤を含有する、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環障害の治療薬または診断用薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する末梢循環障害、冠循環障害および脳循環障害に対する治療薬および診断薬を提供すること。
【解決手段】内因性Na+ポンプ抑制物質の異常増加が引き起こす血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体(NCX1)を介する細胞内Ca2+濃度の上昇が関与している末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)および脳循環障害などの治療および診断を可能とする特異的なNCX1阻害剤として有用なフェノキシアニリン誘導体およびフェノキシピリジン誘導体またはその製薬上許容されうる酸付加塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、特異性の高い血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体(以下、「NCX1」と略す)阻害薬を医薬品として使用することによる、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)および脳循環障害等による種々の循環器系疾患治療薬に関する。また、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する種々循環器系疾患の診断用薬として使用することに関する。
細胞内の遊離Ca2+は、心筋や種々平滑筋の収縮、神経伝達物質の放出、遺伝子発現を制御する重要なイオンであり、このCa2+濃度の調節は細胞膜および筋小胞体膜のCa2+‐pump、Ca2+channelやNa+/Ca2+交換輸送体(NCX)により調節されている。特にこのなかでもNCXは心筋および血管平滑筋の収縮・弛緩に重要な役割を演じている(非特許文献1参照)。
現在、哺乳動物から3種のNCX遺伝子が分離同定されている。そしてNCX1蛋白は、脳、心臓、腎臓で多量に発現しており、NCX2蛋白はおもに脳で発現し内臓平滑筋でも少量発現しており、NCX3蛋白は脳でおもに発現し骨格筋に少量発現していることが知られている(非特許文献2及び非特許文献3参照)。
近年、生体内に植物由来の強心ステロイドと類似した機能を示す内因性Na+ポンプ抑制物質(例えば、ウアバイン様物質、ジゴキシン様物質、Bufodienolide様物質など)が存在していることが証明され、これらが血圧および循環動態(末梢循環、冠循環および脳循環など)を調節している可能性が考えられている(非特許文献4参照)。
これまでに、部分腎摘食塩高血圧ラット、デオキシコルチコステロン酢酸塩(deoxycorticosterone acetate:以下、「DOCA」と略す)食塩高血圧ラット、副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:以下、「ACTH」と略す)高血圧ラット、Dahl食塩感受性高血圧ラット、ミラノ高血圧ラットなどの実験動物、ならびに高食塩を摂取した正常者および本態性高血圧患者、妊娠高血圧患者、原発性アルドステロン症患者、異所性ACTH産生腫瘍患者、虚血性心疾患者、糖尿病患者などにおいて、内因性Na+ポンプ抑制物質の血漿中濃度が増加することが報告され、これら物質が種々循環器系疾患の発症にかかわることが示唆されている(非特許文献5参照)。さらに、実験動物にウアバインを持続投与すると、血圧上昇および循環障害が起こることも観察されている。
従って、内因性Na+ポンプ抑制物質の異常亢進が種々循環器系疾患(末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)、脳循環障害、高血圧症など)と関係している可能性がある。そこで、血漿中の内因性Na+ポンプ抑制物質を定量すれば、それらの疾患の診断に利用できると考えられる。
しかし、内因性Na+ポンプ抑制物質は生体内に多くの種類が存在し、それぞれが微量(nMレベル)しか存在しないため、特異抗体やHPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いてそれらを定量することは極めて困難である。そのため、生体内の内因性Na+ポンプ抑制物質の亢進を診断できる方法の開発は実施されていない。
内因性Na+ポンプ抑制物質は、主に副腎あるいは視床下部で合成されることが知られている。いろいろな疾患で異常産生された内因性Na+ポンプ抑制物質は、血管平滑筋のNa+ポンプを阻害して細胞内Na+濃度を増加させ、それに伴ってNCX1を介して細胞内Ca2+濃度を増加させると考えられている。その結果、血管トーヌスの亢進、細胞障害の発生、増殖関連遺伝子の発現、アポトーシスの誘導などが引き起こされる(非特許文献6参照)。
しかし、血管平滑筋におけるNCX1を介する細胞内Ca2+濃度の増加が、NCX1のCa2+汲み出し反応の抑制によるのか、それともNCX1を介するCa2+取り込み反応によるのかについては明確になっていない。
一方、2-[4-[(2,5-difluorophenyl)methoxy]phenoxy]-5-ethoxyaniline(SEA0400)を始めとするフェノキシアニリン誘導体およびフェノキシピリジン誘導体は、NCX1を阻害する濃度で他の受容体、チャネルおよびトランスポーターにはほとんど影響を及ぼさないことが報告されている(非特許文献7参照)。
また、SEA0400は、他の分子種(NCX2、NCX3)に比較してNCX1に高い選択性を有しており、NCX1のCa2+汲み出し反応に影響を及ぼさずに、Ca2+取り込み反応を選択的に阻害することが明らかとなっている(非特許文献8参照)。これらのフェノキシアニリン誘導体およびフェノキシピリジン誘導体は、高血圧症(例えば、食塩感受高血圧症、腎性高血圧症、本態性高血圧症、妊娠性高血圧症、原発性アルドステロン症)の治療、予防に有用であることが既に公知である(特許文献1参照)。
しかしながら、これらの化合物が、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連した種々循環障害(末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)、脳循環障害など)の治療やこれらの疾患の診断に有用であることは知られていない。
Ann. Rev. Physiol. 第52巻467頁(1990) 血管 第24巻No.3, 101頁(2001) Am. J. Physiol., 272, C1250-C1261(1997) Wilhelm Schoner, Eur. J. Biochem. No.269, Vol.10, 2440-2448(2002). 後藤淳郎、山田薫、「循環器科」、No.46、Suppl.1、pp106-116(1999). Wilhelm Schoner, Eur. J. Biochem. No.269, Vol.10, 2440-2448(2002). 松田ら、J. Pharmacol. Exp. Ther. Vol.298, No.1, 249-256(2001). 岩本ら、J. Biol. Chem. Vol.279, No.9, 7544-7553(2004). WO03/068263
本発明は、選択的なNCX1阻害剤をNa+ポンプ抑制物質と関連する種々循環障害の治療薬または診断用薬として提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、内因性Na+ポンプ抑制物質の異常亢進を模倣したモデル動物である、ウアバイン誘発高血圧ラットにおいて、NCX1を特異的に阻害する化合物が血管拡張作用、末梢循環改善作用を示すことを見出し、NCX1阻害剤がNa+ポンプ抑制物質と関連する種々循環疾患の治療薬、特に、末梢循環障害、冠循環障害および脳循環障害による疾患の治療薬として有用であることを見出して本発明を完成するに至った。
また、NCX1を特異的に阻害する化合物がNa+ポンプ抑制物質と関連する種々循環器系疾患の診断用薬として有用であることを見出して本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬を含有する、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患治療薬。
(2)循環器系疾患が末梢循環障害による疾患である、上記(1)に記載の循環器系疾患治療薬。
(3)循環器系疾患が冠循環障害による疾患である、上記(1)に記載の循環器系疾患治療薬。
(4)循環器系疾患が脳循環障害による疾患である、上記(1)に記載の循環器系疾患治療薬。
(5)血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬を含有する、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患の診断用薬。
(6)血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が下式(1)
Figure 2006045142
[式中、R1は水素原子又はC1〜C6アルコキシ基を示し、R2はハロゲン原子又はニトロ基を示し、R3は水素原子又はハロゲン原子を示す。]で表される2−フェノキシアニリン誘導体またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、上記(1)〜(4)いずれかに記載の循環器系疾患治療薬。
(7)血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が式(1)の化合物またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、上記(5)に記載の循環器系疾患の診断用薬。
(8)血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が下式(2)
Figure 2006045142
[式中、R、R5およびR6は、同一または異なって水素原子又はハロゲン原子を示し、Xは
Figure 2006045142
で表される基を示す。R7は水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基又は置換若しくは無置換のC1〜C6アルコキシ基を示し、Zはニトロ基、アミノ基又はNHC(O)CH2R8基を示し、R8は水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜C6アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C2〜C7アシロキシ基、NR9R10又は
Figure 2006045142
を示し、R9およびR10は同一又は異なって水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基、N―メチル−4―ピペリジニル基を示し、R11は水素原子、ヒドロキシ基又はC2〜C7アルコキシカルボニル基を示し、Yはメチレン基、エポキシ基、チオ基又はNR12基を示し、nは1から4の整数を示す。R12は水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基又は置換もしくは無置換のフェニル基を示す。]で表される化合物またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、上記(1)〜(4)いずれかに記載の循環器系疾患治療薬。
(9)血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が式(2)の化合物またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、上記(5)に記載の循環器系疾患の診断用薬。
(10)NCX1阻害剤、および当該NCX1阻害剤を、末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)および脳循環障害からなる群より選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(11)式(1)により表される化合物およびその製薬上許容されうる酸付加塩、および当該化合物を、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)および脳循環障害からなる群より選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(12)式(2)により表される化合物およびその製薬上許容されうる酸付加塩、および当該化合物を、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)および脳循環障害からなる群より選択される少なくとも一種の疾患の治療に使用しうるかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
本発明のNCX1阻害薬は、内因性Na+ポンプ抑制物質の異常亢進によって生ずる循環器系疾患の治療薬、すなわち、末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症治療薬)および脳循環障害による循環器系疾患の治療薬として有用である。
特に、式(1)および式(2)の化合物は、NCX1に対する親和性は非常に高いが、NCX2やNCX3に対する親和性は低いことから、目的とする循環器系疾患に対する選択性の高い治療薬とすることが可能である。
また、本発明のNCX1阻害薬は、内因性Na+ポンプ抑制物質の異常亢進によって生ずる末梢循環障害、冠循環障害および脳循環障害等の循環器の障害を改善することができることから、内因性Na+ポンプ抑制物質に関連する種々の循環器系疾患の診断を行う際に、直接生体内の内因性Na+ポンプ抑制物質を定量する必要がない。したがって、患者に負担をかけることなく簡易に当該循環器系疾患の診断をすることが可能である。
さらに本発明のNCX1阻害薬の放射性活性物質(ラジオリガンド)は、NCX1の選択的なラジオリガンドとして有用である。従って、本発明のNCX1阻害薬又はそれらの修飾物(例えば、当該化合物のラジオリガンド等)を利用すれば、NCX1および内因性Na+ポンプ抑制物質に関与する研究の試薬やこれらの関与する疾患の診断薬として有用である。
本発明の「内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患」とは、内因性Na+ポンプ抑制物質の異常亢進が確認される循環器系疾患を意味し、例えば、末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症)、脳循環障害等による疾患がこれに該当する。
ここで「内因性Na+ポンプ抑制物質」とは、血管平滑筋のNa+ポンプを阻害して、細胞内のNa+濃度を増加させる機能を有する生体内物質を意味する。このような物質としては、例えば、ウワバイン、ジゴキシン、Bufodienolide又は生体内に存在することが確認されているこれらの類似物質(Wilhelm Schoner, Eur. J. Biochem. No.269, Vol.10, 2440-2448(2002).)を挙げることができる。
本発明の「血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬」とは、NCX1に親和性を有し、NCX1に結合することにより細胞内のCa2+濃度の増加を抑制する物質をいい、腎臓由来のNCX1を阻害する化合物であれば特に限定されないが、後述する試験(参考例3)において15μM以下の濃度で50%以上阻害するものが好ましく、特に3μM以下が好ましい。さらに副作用を防止する目的からNCX1を特異的に阻害する化合物が好ましい。
NCX1を特異的に阻害する化合物とは、NCX1を阻害する濃度で他の受容体、チャネルおよびトランスポーターをほとんど阻害しない化合物をいい、具体的には、例えば3μMの濃度においてCa2+channel、Na+channel、K+channel、Na+/H+ transporter、norepinephrin transporter、Na+,K+-ATPase、Ca2+-ATPase、phosoholipase A2、phospholipase C、5-lipoxygenase、inducible nitric-oxidase synthetase、Adenosine receptor、Adrenergic receptor、Glutamate receptor、Bradykinin receptor、LTB4 receptor、PAF receptorを50%以上阻害しないことが好ましい。なお、各々のイオンチャネル、酵素、レセプターを用いたこれらの阻害試験は、J. Pharmacol. Exp. Ther. 第298巻249頁(2001)およびこれに引用された文献に記載の方法に従って実施することができる。
NCX1を特異的に阻害する化合物の例としては、フェノキシアニリン誘導体およびフェノキシピリジン誘導体を挙げることができる。例えば、式(1)および(2)で示される化合物が挙げられる。
式(1)および(2)においてC1〜C6アルコキシ基とは、炭素原子数1〜6の直鎖又は分枝状のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチロキシ基、イソペンチロキシ基、ネオペンチロキシ基、tert−ペンチロキシ基、1−メチルブトキシ基、2−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、ヘキシロキシ基、イソヘキシロキシ基等が挙げられる。
置換C1〜C6アルコキシ基の置換基としては、クロロ基、フルオロ基、ニトロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、カルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルバモイル基等が挙げられる。
ハロゲン原子とは、フッソ原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子をいう。
C1〜C6アルキル基とは、炭素原子1〜6の直鎖又は分枝状のアルキル基を意味し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
置換C1〜C6アルキル基の置換基としては、クロロ基、フルオロ基、ニトロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、カルボキシル基、メトキシカルモニル基、エトキシカルボニル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルバモイル基等が挙げられる。
C2〜C7アシロキシ基とは、炭素原子2〜7の直鎖または分枝状のアシロキシ基を意味し、アシル部分は、環状であっても、芳香族基を含んでもよい。例えばアセトキシ基、プロピオニロキシ基、イソプロピオニロキシ基、シクロヘキシニロキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
C2〜C7アルコキシカルボニル基とは、炭素原子2〜7の直鎖又は分枝状のアルコキシカルボニル基を意味し、アルコキシル部分は、環状であっても芳香族基を含んでもよい。具体的には、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチロキシカルボニル基、イソペンチロキシカルボニル基、ネオペンチロキシカルボニル基、tert−ペンチロキシカルボニル基、1−メチルブトキシカルボニル基、2−メチルブトキシカルボニル基、1,2−ジメチルプロポキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、イソヘキシロキシカルボニル基等が挙げられる。
置換フェニル基の置換基としては、クロロ基、フルオロ基、ニトロ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボモイル基等が挙げられる。
また、さらに本発明の循環器系疾患に対して選択性の高い治療薬を得るためには、NCX2、NCX3よりもNCX1を強力に阻害する化合物であることが好ましい。例えば、後述のNa+/Ca2+交換輸送体の測定法にて、IC50(副腎皮質由来)/ IC50(脳由来)及びIC50(副腎皮質由来)/ IC50(心筋膜由来)の計算値が0.5以下、好ましくは0.4以下、さらに好ましくは、0.3以下の化合物を選択すれば所望の効果を有する治療薬とすることができる。
このような優れた選択性を有するNCX1阻害薬としては
Figure 2006045142
で表される化合物(SEA0400)、
Figure 2006045142
で表される化合物(SEA0064)等を挙げることができる。
なお、式(1)および(2)であらわされる化合物は、WO98/43943、WO99/20598、特開平10−265460、特開平10−21884、特開平11−49752、特開平11−92454に記載の製造方法により合成することができる。
本発明のNCX1阻害剤を各種循環器系疾患の治療薬、例えば、末梢循環障害、冠循環障害(例えば、狭心症治療薬)および脳循環障害による循環器系障害として使用する場合は、一般的な医薬製剤として調製される。例えば、本発明のNCX1阻害剤を製剤上許容しうる担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯味剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤等)と混合して得られる医薬組成物または錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、座剤、吸入剤、経皮吸収剤等の製剤として経口または非経口に適した形態で処方される。
これら製剤を製造するには溶剤、可溶化剤、当張化剤、保存剤、抗酸化剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定化剤等を添加することができる。溶剤としては、例えば水、生理食塩水等が、可溶化剤としては、例えばエタノール、ポリソルベート類、クレモルファ等が、賦形剤としては、例えば乳糖、デンプン、結晶セルロース、マンニトール、マルトース、リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム等が、結合剤としては、例えばデンプン、ポリビニルピロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ケルボキシメチルセルロース、アラビアゴム等が、崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等が、安定化剤としては、例えば乳糖、マンニトール、マルトース、ポリソルベート類、マクロゴール類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等があげられる。
また、必要に応じて、グリセリン、ジメチルアセトアミド、70%乳酸ナトリウム、界面活性剤、塩基性物質(例えば、水酸化ナトリウム、エチレンジアミン、エタノールアミン、炭酸ナトリウム、アルギニン、メグルミン、トリスアミノメタン)を添加する。
これらの成分を用いて、注射剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の剤型に製造することができる。
本発明に係る化合物の投与量は、動物実験の結果および種々の状況を勘案して、単回および反復投与したときに総投与量が一定量を超えないように定められる。具体的な投与量は、投与方法、患者または被処理動物の状況、例えば0.1mg−1000mgの範囲内で、年齢、体重、性別、感受性、食事(食餌)、投与時間、併用する薬剤、患者またはその病気の程度に応じて変化することはいうまでもなく、一定の条件のもとにおける適量と投与回数は、上記指針をもととして専門医の適量決定試験によって決定されなければならない。
本発明の末梢循環改善作用、冠循環改善作用(例えば、抗狭心症作用)および脳循環改善作用は、血管収縮抑制作用および血流量増加作用等によって確認することができる。
血管収縮抑制作用を確認する場合には、例えば哺乳動物の胸部大動脈を摘出した後、内因性Na+ポンプ抑制物質で処理し、内因性Na+ポンプ抑制物質による動脈の収縮を誘発させる。その後、NCX1阻害薬で処理した場合の内因性Na+ポンプ抑制物質による動脈の収縮を測定し、当該阻害薬を投与していない時の収縮を基準とすることで血管収縮の抑制作用を確認することができる。
また、血流量の増加作用を確認する場合には、例えば,哺乳動物に内因性Na+ポンプ抑制物質を投与し、内因性Na+ポンプ抑制物質によって高血圧が誘発された哺乳動物を作製する。NCX1阻害薬を当該高血圧動物に腹腔内投与した後、皮膚血流量を測定し、投与前の血流量と比較することで血流量の増加作用を確認することができる。具体的な測定方法については、実験例2又は3に詳細に説明する。
さらに、本発明の各種循環器系疾患の診断用薬を利用して、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患の診断をすることが可能である。
例えば、各種循環器系疾患患者にNCX1阻害薬を投与し、血管収縮の抑制作用および血流量の増加作用等を測定することによって内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患かどうか判断することができる。
本発明の診断方法を使用すれば、生体内に多種類存在し且つ微量である内因性Na+ポンプ抑制物質を特異抗体やHPLCを用いて定量する必要がなくなるため、簡便でかつ短時間に当該疾患の診断が可能であり、患者に対する負担も少ない。
具体的には、例えば、NCX1阻害薬を患者に対して経口又は外用(塗布等)的に投与し、レーザードップラー式血流画像化装置(MoorLD1,モンテシステム)を用いて患者の手指等の皮膚血流量を測定することにより、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患の診断をすることが可能である。
以下に、製剤例、試験例等を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製剤例1
SEA0400 50mg
乳糖 40mg
コーンスターチ 49.75mg
結晶セルロース 17mg
カルメロースカルシウム 17mg
ヒドロキシプロピルセルロース 5.25mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
合計 180mg
SEA0400、乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース、カルメロースカルシウムを均一に混合し、これに10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を添加し、連合後、乾燥し、その顆粒を30M篩で篩過し、均一の顆粒として、ステアリン酸マグネシウムを添加し、打錠して錠剤とした。
製剤例2
SEA0064 50mg
乳糖 40mg
コーンスターチ 49.75mg
結晶セルロース 17mg
カルメロースカルシウム 17mg
ヒドロキシプロピルセルロース 5.25mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
合計 180mg
SEA0064、乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース、カルメロースカルシウムを均一に混合し、これに10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を添加し、連合後、乾燥し、その顆粒を30M篩で篩過し、均一の顆粒として、ステアリン酸マグネシウムを添加し、打錠して錠剤とした。
参考例1 大脳ミクロソームNa+/Ca2+交換輸送体の測定法
ラット(8週齢)の大脳より得られたミクロソーム(1.5mg/ml)を160mM NaCl含有バッファーで前処理し、膜小胞内にNaをロードした。この懸濁液を20μM45CaCl2含有バッファーで50倍希釈して45Ca取り込みを誘発した後、バッファー(0℃)で希釈して反応を停止させ、速やかにニトロセルロース膜上に膜小胞を回収する。その後、膜小胞内の45Caを液体シンチレーター法で定量した。上記の大脳ミクロソームにおけるNa+/Ca2+交換活性の測定はJ. Biol. Chem. 第257巻5111頁(1982)の方法に準じておこなった。
参考例2 イヌ心筋膜小胞Na+/Ca2+交換輸送体の測定方法
イヌ心筋膜小胞(0.5mg/ml)をMethods enzymology 第157巻85頁(1988)に準じた遠心分画法により調製し、溶液A(20mM MOPS-tris(pH7.4), 160mM NaCl or KCl)に懸濁して室温で 約1時間静置して小胞内にNa又はKをロードした。この懸濁液を20μM45CaCl含有バッファーで50倍希釈して45Ca取り込みを誘発した後、バッファー(0℃)で希釈して反応を停止させ、速やかにニトロセルロース膜上に膜小胞を回収した。その後、膜小胞内の45Caを液体シンチレーター法で定量した。Na+/Ca2+交換活性は、Naをロードした場合の値から、Kをロードした場合の値を差し引いた値で評価した。上記のイヌ心筋膜小胞におけるNa+/Ca2+交換活性の測定はJ. Biol. Chem. 第257巻5111頁(1982)の方法に準じて行った。
参考例3 ラット副腎皮質由来BLMV(basolateral membrane vesicles)の調製法およびNa+/Ca2+交換活性の測定法
(BLMVの調製法)
ラット腎臓皮質由来のBLMVの調整およびNa+/Ca2+交換活性の測定にはAm. J. Physiol. 第266巻785頁(1994)の方法に準じて行った。
ラットより腎臓を摘出後、氷冷sucrose buffer(0.25mM sucrose, 0.1mM PMSF, 10mM Tris-HCl(pH7.6)に入れ、皮膜を除いた後、単離した皮質をsucrose buffer中で細かく切断した。ダウンス型ホモジェナイザーでホモジェナイズした後、ポリトロン型ホモジェナイザーでホモジナイズした。その後 2500g、15min遠心して上清を回収した。さらに24000g、20min遠心し、white fluffy protion of the pelletを回収した。さらにsucrose bufferを添加してダウンス型ホモジェナイザーでホムジェナイズし、Percollを添加した後、30000g、35min遠心してmiddle layerを回収した。その後 buffer(100mM KCl, 100mM mannitol, 5mM HEPES-Tris(pH7.4))を添加した後、34000g、30min遠心してloose white pellet(BLMV)を回収した。さらにKCl−mannitol bufferに懸濁した後、34000g、30min遠心して沈殿を回収し、活性測定に用いた。
(Na+/Ca2+交換輸送体(Na+依存性45Ca取り込み)の測定方法)
BLMVをpreequilibration buffer(100mM NaCl, 40mM KCl, 1mM MgSO4, 10mM glucose, 5mM HEPES-Tris(pH7.4))で平衡化(37℃, 10min)した後、遠心(20000g、5min)して沈殿を回収した後、preequilibration bufferで再懸濁した。再遠心して沈殿を回収した後、preequilibration bufferで再懸濁した。このBLMV懸濁液をexternal medium(100mM choline chloride, 40mM KCl, 1mM MgSO4, 10mM glucose, 5mM HPES-Tris(pH7.4), 25μM valinomycin, 10μM CaCl2, 1mCi/l 45CaCl2)で20倍希釈して取り込みを開始した。25℃で一定時間反応後、stop solution(ice-cold 150mM KCl)2mM添加して反応を停止した後、速やかに限外濾過膜(0.45μmニトロセルロースフィルター)で濾過し、BLMVをフィルター上に回収した。その後 2ml stop solutionで2回洗浄した後、液体シンチレーター法でBLMV内へ取り込まれた45Caを定量した。
実験例1:SEA0400のNa+/Ca2+交換阻害活性
参考例1〜3の測定方法によりSEA0400及びNCX阻害剤として公知の2-[2-[4[nitrobenzyloxy]phenyl]ethyl]isothio−ureamethanesulfonate(K-BR7943)のNa+/Ca2+交換阻害活性(IC50値(μM))を測定した。結果を表1に示す。
SEA0400のIC50(副腎皮質由来)/ IC50(脳由来)の値は約0.10であり、IC50(副腎皮質由来)/ IC50(心筋膜由来)の値は約0.22であった。一方、KB-R9743のIC50(副腎皮質由来)/ IC50(脳由来)の値は約0.62、IC50(副腎皮質由来)/ IC50(心筋膜由来)の値は、共に約0.97であった。SEA0400は、K-BR7943に比べて、NCX1に対する選択性が極めて高いことが示された。
Figure 2006045142
また、SEA0064について上記と同様にしてNa+/Ca2+交換阻害活性を測定した結果、SEA0400の約0.07倍の阻害活性が確認された。
次に、本発明の医薬の薬理作用を実験例により説明する。
実験例2:ウアバイン誘発収縮に対する血管収縮抑制作用
雄性C57BL/6Jマウス(10週齢)をエーテル麻酔後、脱血死させ、胸部大動脈を摘出した。幅約4mmのリング状標本を作製し、37℃の正常栄養液(118.5 mM NaCl, 4.74 mM KCl, 1.18 mM MgSO4, 1.18 mM KH2PO4, 2.54 mM CaCl2, 24.9 mM NaHCO3, 10.0 mM ブドウ糖)を満たした容量20mlのマグヌス管に1gの負荷で懸垂した。マグヌス管内は常時、混合ガス(95%酸素+5%炭酸ガス)を通気した。標本の張力は等尺性トランスデューサーで測定した。標本を高カリウム栄養液(40 mM KCl)で収縮させた後、正常栄養液で洗って再び弛緩させた。この高カリウム収縮反応を3回繰り返した後、内因性Na+ポンプ抑制物質の一種であるウアバイン0.1 mMを30分間処置した。その後、標本をナトリウム除去栄養液(118.5 mM N-methyl-D-glucamine, 4.74 mM KCl, 1.18 mM MgSO4, 1.18 mM KH2PO4, 2.54 mM CaCl2, 25 mM choline bicarbonate, 10.0 mM ブドウ糖)に交換し、ウアバイン誘発収縮を引き起こした。SEA0400の血管収縮抑制作用は、高カリウム収縮もしくはウアバイン収縮(溶媒処置時)の最大収縮を100%とし、SEA0400処置時のそれぞれの収縮反応%を算出した。その結果を第2表に示す。
ウアバインによる血管の収縮作用は、SEA0400により顕著に抑制されたが、高カリウムによる血管収縮は抑制していない。内因性Na+ポンプ抑制物質による血管収縮作用を特異的に抑制していることがわかった。
Figure 2006045142
実験例3:ウアバイン誘発高血圧ラットに対する末梢血流量増加作用
雄性SDラット(5週齢)にミニ浸透圧ポンプ(ALZET2002)を用いてウアバイン(30μg/kg/day)を5週間皮下投与し、ウアバイン誘発高血圧ラットを作製した。また、正常血圧動物として、雄性SDラット(10週齢)を用いた。ペントバルビタール麻酔下のラットに、SEA0400を服腔内投与し、後肢皮膚血流量をレーザー組織血流計(FLO-N1, オメガフロー)で測定した。SEA0400の血流量増加作用は、投与前血流量からの増加率で表した。その結果を表3に示す。また、別の実験では、20%脂肪乳剤に溶かしたSEA0400(5 mg/ml)を0.25 ml塗布し、尾部血流量をレーザー・ドップラー式血流画像化装置(MoorLD1, モンテシステム)で測定した。図1に、尾部血流の経時的変化を画像で示した。また、血流量の増加率を図2のグラフで示した。
ウアバイン誘発高血圧ラットにおいてはSEA0400の投与又は塗布により、血流量の増加が確認されたが、正常血圧のラットにおいては血流量に変化は見られなかった。したがって、SEA0400は、内因性Na+ポンプ抑制物質による血流量の低下を改善していることがわかった。
Figure 2006045142
図1上段は、ウアバイン誘発高血圧ラットにSEA0400を塗布後、レーザー・ドップラー式血流画像化装置を用いて測定した尾部血流量の経時的変化を示した画像である。図1下段は、正常血圧SDラットにSEA0400を塗布後、レーザー・ドップラー式血流画像化装置を用いて測定した尾部血流量の経時的変化を示した画像である。 図2は、ウアバイン誘発高血圧ラット及び正常血圧SDラットにそれぞれSEA0400を塗布後の尾部血流量を測定し、その増加率を示したグラフである。

Claims (9)

  1. 血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬を含有する、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患治療薬。
  2. 循環器系疾患が末梢循環障害による疾患である、請求項1に記載の循環器系疾患治療薬。
  3. 循環器系疾患が冠循環障害による疾患である、請求項1に記載の循環器系疾患治療薬。
  4. 循環器系疾患が脳循環障害による疾患である、請求項1に記載の循環器系疾患治療薬。
  5. 血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬を含有する、内因性Na+ポンプ抑制物質と関連する循環器系疾患の診断用薬。
  6. 血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が下式(1)
    Figure 2006045142
    [式中、R1は水素原子又はC1〜C6アルコキシ基を示し、R2はハロゲン原子又はニトロ基を示し、R3は水素原子又はハロゲン原子を示す。]で表される2−フェノキシアニリン誘導体またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、請求項1〜4いずれかに記載の循環器系疾患治療薬。
  7. 血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が式(1)の化合物またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、請求項5に記載の循環器系疾患の診断用薬。
  8. 血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が下式(2)
    Figure 2006045142
    [式中、R、R5およびR6は、同一または異なって水素原子又はハロゲン原子を示し、Xは
    Figure 2006045142
    で表される基を示す。R7は水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基又は置換若しくは無置換のC1〜C6アルコキシ基を示し、Zはニトロ基、アミノ基又はNHC(O)CH2R8基を示し、R8は水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基、置換若しくは無置換のC1〜C6アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C2〜C7アシロキシ基、NR9R10又は
    Figure 2006045142
    を示し、R9およびR10は同一又は異なって水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基、N―メチルー4―ピペリジニル基を示し、R11は水素原子、ヒドロキシ基又はC2〜C7アルコキシカルボニル基を示し、Yはメチレン基、エポキシ基、チオ基又はNR12基を示し、nは1から4の整数を示す。R12は水素原子、置換若しくは無置換のC1〜C6アルキル基又は置換若しくは無置換のフェニル基を示す。]で表される化合物又はその製薬上許容されうる酸付加塩である、請求項1〜4いずれかに記載の循環器系疾患治療薬。
  9. 血管平滑筋の1型Na+/Ca2+交換輸送体阻害薬が式(2)の化合物またはその製薬上許容されうる酸付加塩である、請求項5に記載の循環器系疾患の診断用薬。
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JP2011527002A (ja) * 2008-03-20 2011-10-20 サノフィ ナトリウム/カルシウム交換体「フォワードモード」調節化合物を検出するための蛍光ベースのアッセイ
JP2011529564A (ja) * 2008-03-20 2011-12-08 サノフイ ナトリウム/カルシウム交換体(ncx)「リバースモード」調節化合物を検出するための蛍光ベースのアッセイ

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