JP2006044849A - 運搬作業の計画立案装置及び運搬作業管理方法 - Google Patents

運搬作業の計画立案装置及び運搬作業管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 積載する荷物を調整することによって、効率的な運搬作業の計画を立案する計画立案装置を提供する。
【解決手段】 牽引部2と荷物積載部3が分離可能な複数の運搬車両1を用いて、複数の搬送元の1つで荷物積載部3に積載した荷物4を、複数の搬送先の1つへ運搬する運搬作業の計画立案装置であって、パラメータと運搬作業データを記憶する記憶手段21と、演算手段20とを備え、演算手段20が、(A)パラメータ及び運搬作業データから運搬作業計画を作成し、(B)(A)で作成された運搬作業計画の、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業の中から荷物積載部3を用いる作業を選択し、(C)(B)で選択された荷物積載部3を用いる作業と、この作業と相互に荷物の積載量を調整可能な他の荷物積載部3を用いる作業との間で荷物4の積載量を調整するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運搬作業の計画立案装置及び運搬作業管理方法に関し、特に、荷物積載部と牽引部が分離可能な運搬車両による荷物の運搬作業の計画を立案する計画立案装置及びこの運搬作業の計画立案装置によって作成された運搬作業の計画に基づいた運搬作業管理方法に関する。
従来の運搬作業の計画立案方法及び装置では、荷物積載部と牽引部が一体となった運搬車両による宅配センターから顧客への荷物の運搬作業の計画を立案するものがあった。このような、一般的な運搬車両(いわゆる、トラック)による荷物の運搬作業では、荷物の積み降ろし(積み込み及び荷降ろし)の時間に比べて、運搬車両の移動時間が運搬作業時間の大半を占める場合が多かった。
また、従来の車両の運行管理方法では、鉄鋼等の重量物を運搬するために、荷物積載部と牽引部が分離可能な運搬車両を使用して、荷物、荷物積載部、牽引部の位置を常時監視しながら運転手に行き先指示を与えて荷物を運搬するものがあった(例えば、特許文献1参照)。このような荷物の運搬作業では、運搬車両の移動時間に比べて、荷物の積み降ろしの時間が占める割合が大きくなることが多かった。
特開平6−271021号公報(図1、図2)
従来の運搬作業の計画立案方法及び装置では、荷物積載部と牽引部が一体となった運搬車両による宅配センターから顧客への荷物の運搬作業の計画を立案するが、鉄鋼等の荷物の積み降ろしの時間が長い運搬作業に、このような運搬作業の計画立案方法及び装置をそのまま適用することはできないという問題点があった。
また、従来の車両の運行管理方法では(例えば、特許文献1参照)、荷物、荷物積載部、牽引部の位置を常時監視しながら運転手に行き先指示を与えて荷物を運搬しているが、その時々で行き先指示を与えるため、例えば、運搬車両が搬送元に到着したときに荷物積載部への荷物の積み込みが終了していなかった場合には、運搬車両は荷物の積み込みが終了するまで待たなければならないという問題点があった。また同様に、運搬車両が空の荷物積載部を取りに行ったときに、荷物の荷降ろしが終了していない場合にも、荷降ろしが終了するまで待たなければならないという問題が生じる場合があった。
さらに、従来の牽引部と荷物積載部が分離可能な運搬車両を用いた運搬作業の計画立案方法及び装置では、例えば、まず搬送元に空の荷物積載部を搬入し、次に搬送元で荷物積載部に荷物を積み込み、搬送元から搬送先に荷物を搬送するという作業の先行関係を満たしながら最適な運搬計画を作成するのは困難であった。このように従来の牽引部と荷物積載部が分離可能な運搬車両を用いた運搬作業の計画立案方法及び装置では、比較的単純なルールに基づいて運搬計画を作成しているため、きめの細かい運搬作業の計画が作成できないという問題点があった。
本発明は、牽引部と荷物積載部が分離可能な運搬車両を使用した運搬作業の計画を立案するもので、作業の先行関係を考慮し、また積載する荷物を調整することによって、運搬車両の搬送元及び搬送先での待ち時間等が少なく、無駄のない運搬作業の計画を立案する計画立案装置を提供することを目的とする。また、この運搬作業の計画立案装置によって作成された運搬作業の計画に基づいた運搬作業管理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る運搬作業の計画立案装置は、牽引部と荷物積載部が分離可能な複数の運搬車両を用いて、複数の搬送元の1つで荷物積載部に積載した荷物を、複数の搬送先の1つへ運搬する運搬作業の計画立案装置であって、搬送元の荷物の積み込み能力及び搬送先の荷物の降ろし能力を含むパラメータと荷物の搬送元及び搬送先を含む運搬作業データを記憶する記憶手段と、演算手段とを備え、この演算手段が、(A)パラメータ及び運搬作業データから運搬作業計画を作成し、(B)(A)で作成された運搬作業計画の、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業の中から荷物積載部を用いる作業を選択し、(C)(B)で選択された荷物積載部を用いる作業と、この作業と相互に荷物の積載量を調整可能な他の荷物積載部を用いる作業との間で荷物の積載量を調整して運搬作業計画を変更するものである。
また本発明に係る運搬作業の計画立案装置は、牽引部と荷物積載部が分離可能な複数の運搬車両を用いて、複数の搬送元の1つで荷物積載部に積載した荷物を、複数の搬送先の1つへ運搬する運搬作業の計画立案装置であって、搬送元の荷物の積み込み能力及び搬送先の荷物の降ろし能力を含むパラメータと荷物の搬送元及び搬送先を含む運搬作業データを記憶する記憶手段と、演算手段とを備え、この演算手段が、(A)パラメータ及び運搬作業データから運搬作業計画を作成し、(B)(A)で作成された運搬作業計画の、要求された作業時刻から遅れている作業を制約している先行作業の中から荷物積載部を用いる作業を選択し、(C)(B)で選択された荷物積載部を用いる作業と、この作業と相互に荷物の積載量を調整可能な他の荷物積載部を用いる作業との間で荷物の積載量を調整して運搬作業計画を変更するものである。
また本発明に係る運搬作業の計画立案装置は、演算手段が、上記の(B)及び(C)を有限回繰り返すものである。
また本発明に係る運搬作業の計画立案装置は、演算手段が、上記の(C)で変更された運搬作業計画を所定の運搬効率指標に基づいて評価し、運搬効率が上がる場合には、既に作成された運搬作業計画を(C)で変更された運搬作業計画に置き換えるものである。
本発明に係る運搬作業管理方法は、上記のいずれかの運搬作業の計画立案装置で作成された運搬作業の計画に基づき運搬作業を管理するものである。
本発明に係る運搬作業の計画立案装置では、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業、又は要求された作業時刻から遅れている作業を制約している先行作業の中から荷物積載部を用いる作業を選択し、この作業と他の荷物積載部を用いる作業との間で荷物の積載量を調整して運搬作業計画を変更する。このため、荷物の積載量が最適な運搬作業の計画を作成することができる。また直近の運搬作業計画のみを作成していた従来の車両の運行管理方法に比較して効率のよい運搬作業を実現することが可能となる。
実施形態1.
図2及び図3は、本発明の実施形態1に係る荷物の運搬作業の計画立案装置において、実際の運搬作業に使用される運搬車両を示した模式図である。なお本実施形態1では、1又は複数種類の荷物積載部を搭載可能な複数の運搬車両による荷物の運搬作業の計画立案装置について説明する。また、1度の運搬作業で搬送先が異なる荷物4を荷物積載部3に積み込むことは行わず、1つの搬送元から1つの搬送先へ荷物4の運搬を行うように運搬作業の計画を作成するものとする。
図2に示される運搬車両1は、ヘッドと呼ばれる牽引部2と、パレットと呼ばれる荷物積載部3からなっている。牽引部2は、1又は複数種類の荷物積載部3を搭載可能であって、荷物4を荷物積載部3に積み込み又は荷降ろし(以下、2つをまとめて積み降ろしという)をするときには、牽引部2と荷物積載部3が分離されるようになっている。このようなタイプの運搬車両1は、製鉄所等の構内において鉄鋼などの重量物を運搬する際に使用され、パレット積載タイプと呼ばれる。
また、図3に示す運搬車両1はトラクタ・トレーラタイプと呼ばれ、トラクタと呼ばれる牽引部2とトレーラと呼ばれる荷物積載部3からなり、パレット積載タイプと同様に、牽引部2に1又は複数種類の荷物積載部3を接続することにより、牽引部2に荷物積載部3を搭載可能となっている。また、荷物4を荷物積載部3に積み込み又は荷降ろしをするときには、牽引部2と荷物積載部3が分離されるようになっている。
本実施形態1では、図2のパレット積載タイプを使用するが、図3のトラクタ・トレーラタイプを使用してもよい。
図4は、本発明の実施形態1で作成された運搬作業の計画が適用される荷物の運搬作業の流れを示した図である。なお図4では、搬送元である工場と搬送先である倉庫が1つずつ示されているが、実際には複数の工場及び倉庫があるものとし、運搬作業を行う運搬車両1も複数あるものとする。また一般的には、荷物積載部3の種類は複数あるものとし、運搬車両1は複数種類の荷物積載部3を搭載可能で、複数種類の荷物4を搭載可能であるとする。
まず運搬車両1が、複数の工場(搬送元)の1つへ空の荷物積載部3(パレット)を運搬する(図4(1))。なおこのとき、運搬車両1はこの工場が必要としている種類の荷物積載部3を運搬するものとする。搬送元である工場の工場間口にはクレーン5が備えられており、既に運ばれていた空の荷物積載部3に荷物4を積み込む作業を開始しているか又は荷物4を積み込む作業を終了している。工場に到着した運搬車両1は、空の荷物積載部3を工場間口に降ろし、この工場から、上述の荷物4が積み込まれた荷物積載部3を複数の倉庫(搬送先)の1つへ運搬する(図4(2))。このとき工場間口で荷物4を積み込む作業を終了していれば、運搬車両1は工場での待ち時間を生じない。
搬送先である倉庫の倉庫間口にもクレーン5が備えられており、既に運ばれていた荷物4の積み込まれた荷物積載部3から荷物4を荷降ろしする作業を開始しているか又は荷物4を荷降ろしする作業を終了している。倉庫に到着した運搬車両1は荷物4の積み込まれた荷物積載部3を倉庫間口に降ろし、必要があればこの倉庫から上述の荷降ろしの終了した空の荷物積載部3を撤去する(図4(3))。なおこのとき、撤去した空の荷物積載部3を複数の工場の1つに運搬するようにすれば、図4(1)の空のパレットの運搬作業と繋がることとなる。
図1は、本実施形態1に係る荷物の運搬作業の計画立案装置のシステム構成の例を示した図である。システムの演算手段20が読み込み可能なデータとして、運搬作業の計画の作成に必要な定数・パラメータが記憶手段21に記憶されている。運搬作業の計画の作成に必要な定数・パラメータには、工場・倉庫のリスト、各工場の荷物4の積み込み能力、各倉庫の荷物4の降ろし能力、工場・倉庫間の運搬車両1の運搬時間等が含まれる。各工場の荷物4の積み込み能力及び各倉庫の荷物4の降ろし能力とは、例えばクレーン5の能力その他から算出される単位時間当たりの作業量であり、後に示す工場(搬送元)での荷物4の積み込み作業時間及び倉庫(搬送先)での荷物4の降ろし作業時間を算出する際に使用される。なお本実施形態1では、各工場での荷物4の積み込み作業時間及び各倉庫での荷物4の降ろし作業時間が荷物4の量に比例するものとする。
この定数・パラメータに変更が生じた場合には、入力端末22又は遠隔通信端末24から新しいデータを入力し、データ管理部23を介してデータが変更できるようになっている。
また記憶手段21には、既に作成された運搬作業計画、及び荷物4の数量、荷物4の搬送元、荷物4の搬送先を含む運搬作業データが記憶されており、運搬作業の計画を作成する際に演算手段20が読み込むようになっている。運搬作業データは、客先からの受注状況や工場生産状況等によって変更されるが、運搬作業データを変更するときは入力端末22から入力するか、工場及び倉庫にある遠隔通信端末24から新しい情報を送信することにより、データ管理部23を介して更新されるようになっている。演算手段20は、データ読み込み部20aと運搬計画作成部20bからなり、定数・パラメータ及び運搬作業データを読み込んで、運搬作業の計画を作成する。その結果は、ディスプレイやプリンタ等からなる運搬計画出力部25に出力され、運搬車両1の運転者に対して指示を与えることができるようになっている。また、記憶手段21は、新たに運搬作業の計画が作成されると、新しい運搬作業の計画を記憶するようになっている。
図5は、本発明の実施形態1に係る荷物の運搬作業の計画立案装置によって、計画を作成する際の処理の流れを示したフローチャートである。この運搬作業計画の作成は、図1に示されるシステム(計算機)によって自動的に行われるものとし、運搬作業の計画が実際に運搬車両1によって実行される前に作成されるものとする。
まず演算手段20は、例えば、操作者による入力端末22からの演算開始指令の入力や、予め指定された時刻に自動的に演算が開始されて、記憶手段21から定数・パラメータを読み込む(STEP1)。運搬作業の計画の作成に必要な定数・パラメータとしては、例えば各工場(搬送元)の荷物4の積み込み能力、各倉庫(搬送先)の荷物4の降ろし能力、運搬車両1の運搬能力が挙げられる。なお本実施形態1では、運搬車両1による工場から倉庫への荷物4の運搬時間は、荷物4の積載量に依存しないものとする。
次に演算手段20は、運搬作業データを読み込む(STEP2)。本実施形態1では運搬作業データとして、荷物4の数量、荷物4の搬送元、荷物4の搬送先の他に、荷物積載部3の種類、個々の荷物4の重量、1回の荷物4の運搬において運搬される荷物4の集合(以下、運搬ロットという)の種類を読み込むものとする。なお本実施形態1では、1つの運搬ロットに1種類の荷物4が積載されるものとする。
また運搬作業データとして、荷物4の搬送準備が完了して搬送が可能となる最早運搬可能時刻や、荷物4を遅くともこの時間までには搬送先へ運ばなければならないという最遅運搬終了時刻を含めるようにしてもよい。最早運搬可能時刻や最遅運搬終了時刻を運搬作業データに含めることで、例えば工場又は倉庫における荷物4の総量が保管余力を越えないように運搬作業計画を作成することができ、より正確な運搬作業計画の作成が可能となる。
そして演算手段20は、運搬作業データの荷物4の数量、荷物4の搬送元、荷物4の搬送先、運搬ロットの種類を基に、荷物積載部3の最大積載量の範囲内で荷物4を順次運搬ロットにまとめる(STEP3)。このSTEP3では、とりあえず仮の運搬ロットを作成するため、荷物積載部3が最大積載量となるように、荷物4を荷物積載部3に順次割り当てる。なおSTEP2において、最早運搬可能時刻、最遅運搬終了時刻を読み込んでいる場合には、これらのデータを考慮して仮の運搬ロットを作成するようにする。
その後演算手段20は、STEP3で作成した仮の運搬ロットについて、STEP1で読み込まれた定数・パラメータの各工場(搬送元)の荷物4の積み込み能力、及び各倉庫(搬送先)の荷物4の降ろし能力から、各工場及び各倉庫における荷物4の積み降ろし時間を算出する(STEP4)。
それから演算手段20は、運搬作業計画の計画対象期間の初めの時間帯における、複数の運搬車両1の牽引部2及び荷物積載部3の初期状態を生成する(STEP5)。これは例えば、運搬作業計画の計画対象期間が8時から16時であり、ある牽引部2の8時以前の運搬作業計画がずれ込んでこの牽引部2が9時からしか運搬作業ができない場合に、この牽引部2の運搬作業の開始時刻を9時以降とするものである。なお、荷物積載部3についても同様に初期状態を生成するものとする。この運搬作業計画の計画対象期間の初めの時間帯における牽引部2及び荷物積載部3の状態は、例えば演算手段20が遠隔通信端末24からデータ管理部23及び記憶手段21を介して読み込むようにすればよい。また運搬作業計画の計画対象期間の初めの時間帯における牽引部2及び荷物積載部3の状態を、STEP2において運搬作業データと共に読み込むようにしてもよい。
次に演算手段20は、STEP5において初期状態に設定された運搬車両1の牽引部2及び荷物積載部3、又は以下に示すSTEP7において運搬作業を途中まで割り当てられた牽引部2及び荷物積載部3について、次に割り当てる運搬作業の候補を列挙する(STEP6)。
そして演算手段20は、STEP6で列挙された運搬作業の候補のそれぞれについて運搬効率を評価し、運搬効率の最も高い運搬作業の候補を新たな運搬作業として、既に割り当てられている運搬作業の後に追加し運搬作業計画を作成していく(STEP7)。本実施形態1では、運搬効率を評価する基準として、運搬作業データで与えられたすべての運搬作業が最も早く終了する運搬作業計画を作成するようにしている。なおSTEP7において運搬効率を評価する基準として、例えば稼働する牽引部2が最も少なくなる運搬作業計画を作成するようにしたり、コストが最小になる運搬作業計画を作成するようにしてもよい。
このSTEP7では牽引部2が行う運搬作業の他に、各工場での積み込み作業及び各倉庫での降ろし作業も運搬作業計画に追加していく。この際、演算手段20は、(1)工場への空の荷物積載部3の搬入、(2)工場における荷物4の荷物積載部3への積み込み、(3)倉庫への荷物積載部3の運搬、(4)倉庫における荷物4の荷降ろし、(5)倉庫からの空になった荷物積載部3の撤去、という作業の順番(先行関係)を満たすように運搬作業計画を作成していく。
次に演算手段20は、運搬作業計画の計画対象期間が終了するまで作業が埋まったか、又はすべての作業が運搬作業計画に組み込まれたかを判断し、運搬作業計画の計画対象期間が終了するまで作業が埋まっているか、又はすべての作業が運搬作業計画に組み込まれている場合には、初期の運搬作業計画の作成を終了する(STEP8)。
ここで、運搬作業計画の計画対象期間が終了するまで作業が埋まっておらず、すべての作業が運搬作業計画に組み込まれていない場合には、上記のSTEP6及びSTEP7の処理を繰り返す。
その後演算手段20は、STEP8までの処理で作成された初期の運搬作業計画の中の、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業、又は要求された作業時刻から遅れている作業を制約している先行作業の中から荷物積載部3を用いる作業を、同一種類の運搬ロットごとに選択する(STEP9)。ここで、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業とは、作業終了時刻が最も遅い作業の前の作業の内、作業終了時刻が最も遅い作業の終了時刻を決めるのに関係する作業であり、演算手段20が判断するようになっている。同様に、要求された作業時刻から遅れている作業を制約している先行作業とは、この要求された作業時刻から遅れている作業の前の作業の内、要求された作業時刻から遅れている作業の終了時刻を決めるのに関係する作業であり、演算手段20が判断する。また荷物積載部3を用いる作業には、運搬車両1による荷物4の運搬の他に、工場における荷物4の積み込みや、倉庫における荷物4の降ろし作業が含まれる。
そして演算手段20は、STEP9で選択された作業と、この作業と相互に荷物4の積載量を調整可能(運搬ロットの種類が同一)な他の荷物積載部3を用いる作業との間で荷物4の積載量を調整して、運搬作業計画を変更する(STEP10)。
それから演算手段20は、STEP10で変更された運搬作業計画を所定の運搬効率指標に基づいて評価し(STEP11)、運搬効率が上がる場合には、記憶手段21に記憶されている既に作成された運搬作業計画を、STEP10で変更された運搬作業計画に置き換える(STEP12)。なお本実施形態1の運搬効率指標は、運搬作業データで与えられたすべての運搬作業が最も早く終了する運搬作業計画を作成するものである。なおSTEP12の運搬効率指標として、例えば稼働する牽引部2が最も少なくなる運搬作業計画を作成するものや、コストが最小になる運搬作業計画を作成するものを採用してもよい。
演算手段20は、STEP9からSTEP12までの処理を、運搬ロットの種類ごとに予め決められた回数だけ繰り返す。予め決められた回数の繰り返しが終了すると(STEP13)、次の運搬ロットの種類についてSTEP9からSTEP12までの処理を行い、すべての運搬ロットの種類について繰り返しが終わると(STEP14)、演算手段20は処理を終了する(STEP15)。
図6は、本実施形態1に係る運搬作業の計画立案装置で用いられる定数・パラメータ及び運搬ロットの例を示した図である。また図7は、図5のフローチャートのSTEP8において作成された初期の運搬作業計画を示した図であり、図8は運搬作業が変更されて最終的に作成された運搬作業計画を示した図である。なお、図7に示す初期の運搬作業計画及び図8に示す最終的に作成された運搬作業計画は、図6に示す定数・パラメータ及び運搬ロットを基に作成されたものである。以下図6から図8を用いて、本実施形態1に係る運搬作業の計画立案装置で運搬作業計画を作成する際の、運搬作業計画の変更の方法について説明する。
図6(a)は、図5のSTEP1で演算手段20が読み込む定数・パラメータの中の運搬時間を示した図である。図6(a)に示すように、ここでは搬送元がA、Bの2カ所、搬送先がX、Yの2カ所あるものとする。
図6(b)は、図5のSTEP3で作成された仮の運搬ロットの例を示した図である。運搬ロットの情報として、運搬ロット番号、運搬ロット種類、搬送元、搬送先、最早運搬可能時刻、仮の運搬ロットの積み降ろし時間がある。この中で仮の運搬ロットの積み降ろし時間は、図5のSTEP4で算出されたものである。
図6では、搬送元としてA、Bの2カ所があるが、実際に荷物4の搬出を行うのは便宜上Aのみであるとする。
図7は、図5のフローチャートのSTEP8において作成された初期の運搬作業計画である。なお図7及び図8において、「積」は積み込み作業、「降」は降ろし作業、「空」は荷物4を積載していない荷物積載部3の運搬作業、「実」は荷物4を積み込んだ荷物積載部3の運搬作業を表している。また図7及び図8において、矢印の部分は作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業を表し、斜線部はその設備が他の作業等で使用できない状態を表す。なお図7及び図8の運搬作業計画では、2台の運搬車両P、Qを使用するものとする。
図6(b)及び図7に示すように、AX−2とAX−4の運搬ロットは運搬ロットの種類が同一であり、図5のSTEP3における仮の運搬ロットの作成で、AX−2の積み降ろし時間が32単位時間、AX−4の積み降ろし時間が16単位時間となっている。
この結果、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業が、積AX−1、積AX−2、積AY−3、実AY−3、降AY−3となり、作業終了時刻が144となっている。
図8は運搬作業が変更されて最終的に作成された運搬作業計画を示した図である。図8に示す最終的な運搬作業計画は、図7の初期の運搬作業計画が変更されたものである。この最終的な運搬作業計画では、図5のSTEP10において、AX−2とAX−4の運搬ロットの間で荷物4の積載量を調整し、AX−2の積み降ろし時間が28単位時間、AX−4の積み降ろし時間が20単位時間となっている。この結果、最終的な運搬作業計画において作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業が、積AX−1、積AX−2、積AY−3、実AY−3、降AY−3、且つ積AX−1、積AX−2、積AY−3、積AX−4、実AX−4、降AX−4となり、作業終了時刻が140となって、図7に示すものよりも効率的な運搬作業計画となっている。
なお、図5のSTEP10において荷物4の積載量を調整した後に、作業の順番を変更する処理を行うようにしてもよい。
本実施形態1では、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業、又は要求された作業時刻から遅れている作業を制約している先行作業の中から荷物積載部3を用いる作業を選択し、この作業と他の荷物積載部3を用いる作業との間で荷物4の積載量を調整して運搬作業計画を変更する。このため、荷物4の積載量が最適で効率的な運搬作業の計画を作成することができる。また直近の運搬作業計画のみを作成していた従来の車両の運行管理方法に比較して効率のよい運搬作業を実現することが可能となる。
実施形態1の運搬作業の計画立案装置のシステム構成の例を示した図。 本発明において、実際の運搬作業に使用される運搬車両を示した模式図。 本発明において、実際の運搬作業に使用される運搬車両の他の例を示した模式図。 実施形態1で作成された運搬作業の計画が適用される荷物の運搬作業の流れを示した図。 本発明の運搬作業の計画立案方法において、計画作成の際の処理の流れを示すフローチャート。 実施形態1に係る運搬作業の計画立案装置で用いられる定数・パラメータ及び運搬ロットの例を示した図。 図5のフローチャートのSTEP8において作成された初期の運搬作業計画を示した図。 運搬作業が変更されて最終的に作成された運搬作業計画を示した図。
符号の説明
1 運搬車両、2 牽引部、3 荷物積載部、4 荷物、20 演算手段、20a データ読み込み部、20b 運搬計画作成部、21 記憶手段、22 入力端末、23 データ管理部、24 遠隔通信端末、25 運搬計画出力部。

Claims (5)

  1. 牽引部と荷物積載部が分離可能な複数の運搬車両を用いて、複数の搬送元の1つで荷物積載部に積載した荷物を、複数の搬送先の1つへ運搬する運搬作業の計画立案装置であって、前記搬送元の荷物の積み込み能力及び前記搬送先の荷物の降ろし能力を含むパラメータと前記荷物の搬送元及び搬送先を含む運搬作業データを記憶する記憶手段と、演算手段とを備え、該演算手段は、
    (A)前記パラメータ及び前記運搬作業データから運搬作業計画を作成し、
    (B)前記(A)で作成された運搬作業計画の、作業終了時刻が最も遅い作業を制約している先行作業の中から荷物積載部を用いる作業を選択し、
    (C)前記(B)で選択された荷物積載部を用いる作業と、この作業と相互に荷物の積載量を調整可能な他の荷物積載部を用いる作業との間で荷物の積載量を調整して運搬作業計画を変更する
    ことを特徴とする運搬作業の計画立案装置。
  2. 牽引部と荷物積載部が分離可能な複数の運搬車両を用いて、複数の搬送元の1つで荷物積載部に積載した荷物を、複数の搬送先の1つへ運搬する運搬作業の計画立案装置であって、前記搬送元の荷物の積み込み能力及び前記搬送先の荷物の降ろし能力を含むパラメータと前記荷物の搬送元及び搬送先を含む運搬作業データを記憶する記憶手段と、演算手段とを備え、該演算手段は、
    (A)前記パラメータ及び前記運搬作業データから運搬作業計画を作成し、
    (B)前記(A)で作成された運搬作業計画の、要求された作業時刻から遅れている作業を制約している先行作業の中から荷物積載部を用いる作業を選択し、
    (C)前記(B)で選択された荷物積載部を用いる作業と、この作業と相互に荷物の積載量を調整可能な他の荷物積載部を用いる作業との間で荷物の積載量を調整して運搬作業計画を変更する
    ことを特徴とする運搬作業の計画立案装置。
  3. 前記演算手段は、前記(B)及び(C)を有限回繰り返すことを特徴とする請求項1又は2記載の運搬作業の計画立案装置。
  4. 前記演算手段は、前記(C)で変更された運搬作業計画を所定の運搬効率指標に基づいて評価し、運搬効率が上がる場合には、既に作成された運搬作業計画を前記(C)で変更された運搬作業計画に置き換えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の運搬作業の計画立案装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の運搬作業の計画立案装置で作成された運搬作業の計画に基づき運搬作業を管理する運搬作業管理方法。
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