JP2006043890A - 感熱紙 - Google Patents

感熱紙 Download PDF

Info

Publication number
JP2006043890A
JP2006043890A JP2004223777A JP2004223777A JP2006043890A JP 2006043890 A JP2006043890 A JP 2006043890A JP 2004223777 A JP2004223777 A JP 2004223777A JP 2004223777 A JP2004223777 A JP 2004223777A JP 2006043890 A JP2006043890 A JP 2006043890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
thermal paper
ultraviolet absorber
paper
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004223777A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotoshi Suetsugu
博俊 末次
Hironori Kamiyama
弘徳 上山
Yuji Kuwabara
祐司 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2004223777A priority Critical patent/JP2006043890A/ja
Publication of JP2006043890A publication Critical patent/JP2006043890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Abstract

【課題】 耐候性を有し、長期間放置しても変色することがない感熱紙を提供することを主たる目的とする。
【解決手段】 基材と、前記基材上に形成される感熱記録層と、前記感熱記録層を保護するための電子線硬化樹脂層と、を有する感熱紙において、さらに、バインダ樹脂に紫外線吸収剤を配合してなる耐候性樹脂層を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、感熱紙に関し、具体的には、耐候性を有した感熱紙に関する。
図1は、従来からの感熱紙の構成を説明するための断面図である。
図1に示すように、従来からの感熱紙10は、基材11、感熱記録層12、電子線硬化樹脂層13、をこの順で積層することにより構成されている(例えば、特許文献1)。
このように感熱記録層12の上に電子線硬化樹脂層13を設けることにより、感熱紙10全体に強度を付与することができ、感熱記録層12を外部からの衝撃等から保護することができ、さらには、感熱紙10に光沢感を付与することができる。
特開平10−114150号公報
しかしながら、図1に示すような感熱紙10にあっては、大気中に長期間放置しておくと、太陽光に含まれる紫外線によって、変色してしまう場合があり、従って、従来からの感熱紙10は、比較的短時間でその役割を果たすもの(例えば、レシートや使い捨て記録紙など)に使用される場合がほとんどであった。つまり、従来からの感熱紙10にあっては、「耐候性」については全く考慮されておらず、感熱紙10は、そもそも耐候性はないものとして考えられていたのである。
本発明は、このような状況においてなされたものであり、従来からの、「感熱紙は比較的短時間でその役割を果たし、長時間の記録保存には不向きである」という固定概念を払拭し、耐候性を有し、長期間放置しても変色することがない感熱紙を提供することを主たる課題とする。
上記問題を解決するための発明は、基材と、前記基材上に形成される感熱記録層と、前記感熱記録層を保護するための電子線硬化樹脂層と、を有する感熱紙であって、さらに、バインダ樹脂に紫外線吸収剤を配合してなる耐候性樹脂層が形成されていることを特徴とする。
また、上記発明にあっては、前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂と紫外線吸収剤とが互いに共重合していることが好ましい。
さらに、上記発明にあっては、前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂と紫外線吸収剤との配合割合が、重量比で9:1〜5:5であってもよい。
また、上記発明にあっては、前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂がアクリル樹脂であり、紫外線吸収剤が、以下の化学式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2006043890
感熱紙に耐候性を付与しようと考えた場合、従来から存在する電子線硬化樹脂層中に紫外線吸収剤を配合せしめることを発想するであろう。本願発明者もこの発想に至り、電子線硬化樹脂層中に紫外線吸収剤を配合することを試みたが、期待する効果を得ることはできなかった。つまり、電子線硬化樹脂中に紫外線吸収剤を配合しようとした場合、両者を単純に混合するのみでは、電子線硬化樹脂に対して5%程度しか含有することができなかったのである。この原因については、様々なことが考えられるが、一つには、配合しようとする紫外線吸収剤が「嵩高い」ということが挙げられる(ある程度の耐候性を期待する場合、嵩高い紫外線吸収剤用いる必要がある。)。嵩高い紫外線吸収剤を電子線硬化樹脂中に配合するためには、溶剤を用いることも考えられるが、多量の溶剤を用いると、感熱記録層が発色してしまう場合がある。また、強引に紫外線吸収剤を含有すると、一定時間経過後に、電子線硬化樹脂層の表面に紫外線吸収剤が粉末として析出してしまう場合もある。
本願発明者は、このような実験を繰り返す中で、電子線硬化樹脂層に紫外線吸収剤を配合するのではなく、耐候性を付与するために新たな層を設けるという、全く新規な構成を想到し、本願発明を完成したのである。
感熱記録層を保護するための電子線硬化樹脂層に加え、バインダ樹脂に紫外線吸収剤を配合してなる耐候性樹脂層が設けられてた本願の感熱紙によれば、大気中に長期間放置しても、太陽光等の紫外線の影響で感熱紙が変色することを防止することができる。さらに、当該層を設けることにより、耐擦過性や耐薬品性も向上することができる。
また、上記発明にあって、前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂と紫外線吸収剤とが互いに共重合している状態とすることにより、当該耐候性樹脂層から紫外線吸収剤を樹脂中が粉末として析出することを防止することができるとともに、当該耐候性樹脂層中の紫外線吸収剤の配合割合を高くすることができる。
また、上記発明にあって、前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂と紫外線吸収剤との配合割合を、重量比で9:1〜5:5とすることにより、期待する耐候性を感熱紙に付与することができる。
また、上記発明にあって、前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂をアクリル樹脂とし、紫外線吸収剤を、前記の化学式(1)で表される化合物とすることにより、期待する耐候性を感熱紙に付与することができる。
以下に、本願の感熱紙について図面を用いて説明する。
図2は、本願の一実施形態としての感熱紙の構成を説明するための断面図である。
図2に示すように、この実施形態の感熱紙20は、基材21と、前記基材21上に形成される感熱記録層22と、前記感熱記録層22を保護するための電子線硬化樹脂層23と、を有する感熱紙であって、さらに、バインダ樹脂241に紫外線吸収剤242を配合してなる耐候性樹脂層24が形成されていることを特徴とする。
以下に感熱紙20を構成する各材料(層)についてそれぞれ説明する。
基材層
感熱紙20を構成する基材21については、特に限定されることはなく、従来から用いられている基材を任意選択して用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂や紙(上質紙)などが用いられる。
感熱記録層
感熱記録層22についても、本願は特に限定することはなく、従来公知の感熱記録層を用いればよい。例えば、当該感熱記録層22は、発色剤、顕色剤および結着剤などを含む溶液を基材21の表面に塗布して乾燥させることにより形成することができる。また、感熱記録層22の材料となる混合物には、必要に応じて、顔料、ワックス類、消泡剤などの添加剤、感熱記録層22に任意の着色を行うための嗔料や、感熱記録層22の熱に対する感度を高めるための増感剤や、保存性を向上させるための安定剤などを添加してもよい。さらに、感熱記録層22の材料となる混合物には、その混合物中の結着剤を架橋させるための架橋剤や、滑剤などを添加してもよい。
前記発色剤としては、公知の無色または淡色のロイコ染料などが用いられ、例えば、
(1)3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリドなどのトリアリールメタン系化合物;
(2)4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系化合物;
(3)ローダミン−β−アニリノラクタム、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどのキサンテン系化合物;
(4)ベンゾイルロイコメチレンブル−、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブル−などのチアジン系化合物;
(5)3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピランなどのスピロ系化合物;
(6)その他、3,5’,6−トリス(ジメチルアミノ)−スピロ〔9H−フルオレン−9,1’(3’H)−イソベンゾフラン〕−3’−オン、1,1−ビス〔2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロ(3H)イソベンゾフラン−3−オン
などが挙げられ、これらの染料は1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、前記顕色剤としては、たとえば、p−オクチルフェノ−ル、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノール−A、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エトキシ〕メタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノ−ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸などのフェノール系;安息香酸などの有機カルボン酸系;サリチル酸亜鉛などの金属系;2,4−ジヒドロキシ−N−2’−メトキシベンズアニリドなどのアニリド誘導体系などの顕色剤があげられ、これらの顕色剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
さらに、結着剤としては、たとえば、アクリルエマルジョン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷん類、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体あるいはこれらの変性物などが選択できる。
また、前記嗔料としては、たとえば、水酸化アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリナイト、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化アルミニウムなど無機嗔料や、たとえば、ポリスチレン樹脂粒子、尿素−ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン粒子などの有機嗔料などが選択できる。
また、前記増感剤としては、たとえば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸ドデシルエステル亜鉛塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの有機酸の金属塩;ステアリン酸アミド,ステアリン酸メチロールアミド,ステアロイル尿素、アセトアニリド、アセトトルイジド、安息香酸ステアリルアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオクチル酸アミドなどのアミド化合物;1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、p−ベンジロキシビフェニル、ジフェニルカーボネート、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ジベンジルオキザレート、ビス(4−メチルベンジル)オキザレート、ビス(4−クロロベンジル)オキサレート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、メチレンジベンゾエート、1,4−ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、2−ベンジロキシナフタレン、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジル、ジメチルフタレート、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、4−メチルフェノキシ−p−ビフェニルなどがあげられ、これらの増感剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。また、保存安定剤としては、たとえば、1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどがあげられ、これらの保存安定剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
電子線硬化樹脂層
感熱紙20を構成する電子線硬化樹脂層23についても、本願は特に限定することはなく、従来公知のものを任意選択して用いることができる。当該層23を形成する電子線硬化樹脂としては、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又は、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー及び/又は単量体を適宜混合した組成物を用いればよい。
前記プレポリマー、オリゴマーの例としては、例えば不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート等のアクリレート類等があり、前記単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル、メタクリル酸(N、N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジジエチルアミノ)プロピル等の不飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパンリチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等が挙げられる。
電子線硬化樹脂には上記の化合物を任意に混合することができ、単量体の選定に際しては、硬化物の可とう性が要求される場合は塗工適正上支障のない範囲で単量体の量を少なめにしたり、1官能叉は2官能アクリレート単量体を用い比較的低架橋密度の構造とすることができる。
また、硬化物の耐熱性、硬度、耐溶剤性、を要求される場合には塗工適正上支障のない範囲で単量体の量を多めにしたり、3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以上の単量体を混合し塗工適正と硬化物の物性とを調整することもできる。
以上のような1官能アクリレート系単量体としては、2−ヒドロキアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
2官能性アクリレート系単量体としては、エチレングリコールジアクリレート、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート等が、3官能以上のアクリレート系単量体としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
上記組成物には、上記の化合物が電子線の照射前に硬化するのを防止するために、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン等を重合禁止剤として添加することができる。
上記の組成物を紫外線で硬化可能とするには、この中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いればよい。
また、電子線硬化樹脂中には、必要に応じて分散剤、消泡剤、耐水化剤等を含有してもよい。
耐候性樹脂層
感熱紙20の特徴である耐候性樹脂層24は、バインダ樹脂241に紫外線吸収剤242を配合することにより形成されている。
耐候性樹脂層24を構成するバインダ樹脂241としては、後述する紫外線吸収剤242を配合せしめることができる樹脂であればいかなる樹脂であってもよく特に限定されることはないが、紫外線吸収剤として、後述する化学式(1)で示す化合物を用いる場合には、当該紫外線吸収剤との相性から、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
また、耐候性樹脂層24を構成する紫外線吸収剤242についても、前記バインダ樹脂241に配合され、紫外線を吸収することで感熱紙20に耐候性を付与することができるものであれば、特に限定されることはなく、例えば市販されている紫外線吸収剤を任意に選択して用いればよい。
この紫外線吸収剤242としては、ビニル基を有してる化合物であることが好ましい。紫外線吸収剤242がビニル基を有していることにより、当該紫外線吸収剤242を前記バインダ樹脂241へ配合した際に、バインダ樹脂と紫外線吸収剤とを共重合せしめることができ、これにより、紫外線吸収剤が耐候性樹脂層から脱落したり粉末として析出したりすることを防止することができる。
より具体的には、例えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を用いることが好ましく、特に、以下の化合物(1)、および化合物(1)の各種誘導体(ベンゼン環の一部に官能基が置換されているもの)を紫外線吸収剤として用いることが好ましい。
Figure 2006043890
また、前記バインダ樹脂241へ前記紫外線吸収剤242を配合する際には、紫外線吸収剤242をモノマーの状態で配合してもよく、紫外線吸収剤242を予め含有するポリマーを用意し、当該ポリマーの状態でバインダ樹脂242へ配合してもよい。バインダ樹脂241への紫外線吸収剤242の配合割合は、重量比で9:1〜5:5の範囲が好ましく、8:2〜6:4の範囲が特に好ましい。紫外線吸収剤242の配合割合をバインダ樹脂9に対して1より小さくとすると、期待する耐候性を得ることができず、一方、紫外線吸収剤242の配合割合をバインダ樹脂5に対して5より大きくすると、耐候性樹脂層の安定性、造膜性が悪化する場合があるためである。
図3は、本願の感熱紙の別の実施の形態を示す断面図である。
図2に示した感熱紙20にあっては、耐候性樹脂層24が電子線硬化樹脂層23と感熱記録層22の間に形成されていたが、耐候性樹脂層24が形成される位置は、当該図2に示した位置に限定されることはなく、図3に示すように、電子線硬化樹脂23の上側(つまり、感熱紙の表面側)に形成されてもよい。ただし、この場合には、感熱紙20を加熱するためのサーマルヘッドと耐候性樹脂層23とが直接に接触することとなるため、サーマルヘッドとの摩擦が生じないようなバインダ樹脂を用いる必要がある。
次に、本願の発明を実施例を挙げてさらに説明する。
(実施例1)
図2に示す構成を有する実施例1の感熱紙を製造した。
具体的には、上質紙からなる基材の片面に感熱記録層が形成されている市販の感熱紙(三菱製紙株式会社製、製品名「T215SHD」、紙厚125μm)を用意した。
そして、当該感熱紙の感熱記録層の表面に、紫外線吸収剤(大塚化学株式会社製、製品名「RUVA−93」)が配合されたアクリル樹脂(紫外線吸収剤とアクリル樹脂との重量比は7:3)を塗布して耐候性樹脂層を厚さ5μmで形成した。
さらに、当該耐候性樹脂層の表面に、ポリウレタンアクリレート(平均分子量1000、アクリル官能基数2)50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、滑剤としてのシリカ3質量部を混合撹拌してなる電子線硬化樹脂を塗布し、電子線照射(加速電圧165kV、照射線量30kGy)することで当該樹脂を硬化させて、電子線硬化樹脂層を厚さ3μmで形成した。
(比較例1)
前記実施例1の感熱紙を製造する際に用いた市販の感熱紙を用意し、これを比較例1の感熱紙とした。
(比較例2)
図1に示す構成を有する従来からの感熱紙、つまり耐候性樹脂層を有さない感熱紙(比較例2の感熱紙)を製造した。
具体的には、前記実施例1の感熱紙と同様の、市販の感熱紙(三菱製紙株式会社製、製品名「T215SHD」、紙厚125μm)を用意した。
そして、当該感熱紙の感熱記録層の表面に、ポリウレタンアクリレート(平均分子量1000、アクリル官能基数2)50質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、滑剤としてのシリカ3質量部を混合撹拌してなる電子線硬化樹脂を塗布し、電子線照射(加速電圧165kV、照射線量30kGy)することで当該樹脂を硬化させて、電子線硬化樹脂層を厚さ3μmで形成した。
(耐候性試験)
上記実施例1の感熱紙、および比較例1、2の感熱紙それぞれに、プリンタ(株式会社サトー製、製品名「FR410」)を用いて、バーコードを印刷した。その後、バーコードが印刷された面に紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製、製品名「アイスーパーUVテスター」)を用いて、紫外線を12時間連続照射し、それぞれの感熱紙の白色部分の黄変、および印刷部分の消失を目視で評価した。
その結果を表1に示す。
なお、表1中の耐候性試験の評価「○」は、白色部分の黄変がなく、印刷部分の消失もなかったことを意味する。一方、表1中の「×」は、白色部分の黄変および/または印刷部分の消失があったことを意味する。
(耐擦過試験)
前記耐候性試験と同様に、上記実施例1の感熱紙、および比較例1、2の感熱紙それぞれに、プリンタを用いて、バーコードを印刷した。その後、バーコードが印刷された面に対し、特殊合板の日本農林規格(JAS)摩耗C試験に準じ、ティーバー摩耗試験機を用いて、試験方法:ティーバー社製軟質摩耗輪CS−10、荷重:500g、回数:100回、で試験を行い、印刷された面の外観変化を目視で評価した。
その結果を表1に示す。
なお、表1中の耐擦過試験の評価「○」は、外観の変化がなかったことを意味する。一方、表1中の「×」は、傷や印刷のかすれがあったことを意味する。
(耐薬品性試験)
前記耐候性試験と同様に、上記実施例1の感熱紙、および比較例1、2の感熱紙それぞれに、プリンタを用いて、バーコードを印刷した。その後、バーコードが印刷された面に対し、学振摩耗試験機を用いて、薬品:エタノール・アセトン・トルエン・ヘキサン・IPA・MEK、荷重:500g、回数:200回で試験を行い、印刷された面の外観変化を目視で評価した。
その結果を表1に示す。
なお、表1中の耐薬品試験の評価「○」は、外観の変化がなかったことを意味する。一方、表1中の「×」は、傷、印刷のかすれや消失があったことを意味する。
Figure 2006043890
上記の各試験結果を示す表1からも明らかなように、本願の感熱紙は、耐候性樹脂層が形成されているので、従来の感熱紙に比べて優れた耐候性を有していることが分かった。
また、耐擦過性試験および耐薬品性試験の結果からも分かるように、本願の感熱紙は、紫外線硬化樹脂層が形成されているため、比較例1に比べ優れており、比較例2と同様の耐擦過性、耐薬品性を有していることが分かった(つまり、本願の特徴である耐候性樹脂層を設けても、紫外線硬化樹脂層の性能を悪化させることはないことが分かった)。
従来の感熱紙の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる感熱紙の構成を示す断面図である。 本発明の別の実施形態にかかる感熱紙の構成を示す断面図である。
符号の説明
10、20、30 … 感熱紙
11、21 … 基材
12、22 … 感熱記録層
13、23 … 電子線硬化樹脂層
24 … 耐候性樹脂層
241 … バインダ樹脂
242 … 紫外線吸収剤

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材上に形成される感熱記録層と、前記感熱記録層を保護するための電子線硬化樹脂層と、を有する感熱紙であって、
    さらに、バインダ樹脂に紫外線吸収剤を配合してなる耐候性樹脂層が形成されていることを特徴とする感熱紙。
  2. 前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂と紫外線吸収剤とが互いに共重合していることを特徴とする、請求項1に記載の感熱紙。
  3. 前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂と紫外線吸収剤との配合割合が、重量比で9:1〜5:5であることを特徴とする請求項2に記載の感熱紙。
  4. 前記耐候性樹脂層を形成するバインダ樹脂がアクリル樹脂であり、紫外線吸収剤が、以下の化学式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一の請求項に記載の感熱紙。
    Figure 2006043890
JP2004223777A 2004-07-30 2004-07-30 感熱紙 Pending JP2006043890A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004223777A JP2006043890A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 感熱紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004223777A JP2006043890A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 感熱紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006043890A true JP2006043890A (ja) 2006-02-16

Family

ID=36023021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004223777A Pending JP2006043890A (ja) 2004-07-30 2004-07-30 感熱紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006043890A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2474963B1 (en) Thermosensitive recording label
EP2145771B1 (en) Thermosensitive recording medium
JP4942224B2 (ja) 感熱記録体
CN114786957B (zh) 热敏记录体
JPWO2019172098A1 (ja) 感熱記録体
JP2015123702A (ja) 感熱記録体
JP2006043890A (ja) 感熱紙
JP2013018269A (ja) 感熱紙
JP2021094851A (ja) 感熱記録体
JP5277884B2 (ja) 感熱記録体
JP4771932B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
FI127015B (en) TEMPERATURE-RECORDING MEDIA
JP7413090B2 (ja) 感熱記録体
JP6015219B2 (ja) 感熱記録媒体
JP4771965B2 (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2015030237A (ja) 感熱紙
JP2010115833A (ja) 感熱記録体
JP7413083B2 (ja) 感熱記録体
CN112533967B (zh) 活性能量线硬化型树脂组合物的水中油滴型乳剂及感热记录材料
JP2016078445A (ja) 感熱発色性組成物、それを用いた感熱記録体及び感熱記録体の製造方法
JP2010111037A (ja) 感熱記録体
JP2014000750A (ja) 感熱記録媒体
JP2014000751A (ja) 感熱記録媒体
JP2015030227A (ja) 感熱紙
JP4771967B2 (ja) 可逆性感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091104