JP2006043759A - プレス方法及びプレス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 略筒状のワークに一対の内向フランジが設けられている場合であっても、該内向フランジに加工を容易に施すことができるプレス方法を提供する。
【解決手段】 パンチ110をワークWの軸方向に移動させて内向フランジF側からワークWの内部に挿入する第一工程と、パンチ110をワークWの内部でワークWの径方向に移動させる第二工程と、パンチ110をワークWの軸方向にさらに移動させて内向フランジFに接触させる第三工程とを経て、内向フランジFに加工を施すようにした。パンチ110は、パンチ110を従動節とするカムドライバ210によってワークWの径方向に移動させられる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、略筒状のワークを加工するためのプレス方法と、該プレス方法に好適に用いることができるプレス装置に関する。
複数個の転動体が内筒と外筒との間に介在されたころがり軸受と呼ばれるものがある。ころがり軸受の転動体は、通常、保持器によって保持されて、互いに接触しないように配される。転動体の保持器としては、例えば、特許文献1に示すように、筒状ワークの両端に内向フランジが設けられたものが知られている。この保持器の各内向フランジには、転動体に係合するための舌片が設けられている。このような形態の保持器は、筒状ワークの両端に一対の内向フランジを形成した後、プレス装置のパンチで各内向フランジに切欠きを形成することによって製造されることが多い。しかし、両端に内向フランジが設けられた筒状ワークを加工してその内向フランジに寸法精度の高い切欠きを形成することは、必ずしも容易ではなかった。
例えば、内向フランジをワーク外部からワーク内部に向かって打ち抜く加工方法では、打ち抜かれる内向フランジを直接ダイで支えることができないために、切欠き形成後の筒状ワークの寸法精度が著しく低下するおそれがあった。また、この加工方法では、パンチによって切り取られた破片がワーク内部に飛散するために、その破片によってワークが傷つくおそれもあった。筒状ワークの寸法精度を高めようとすると、内向フランジのパンチ当接面とは反対側の面にダイを当接させておくことが好ましいが、ダイを筒状ワークの内部に挿入しようとすると、ダイが挿入される側の端部に設けられた内向フランジにダイが接触して、該内向フランジが変形するおそれがあった。
これに対し、パンチをワーク内部に挿入して内向フランジをワーク内部からワーク外部に向かって打ち抜く加工方法では、上記の不具合は解消できるものの、パンチをワーク内部に挿入する際に、パンチが挿入される側の端部に設けられた内向フランジにパンチが接触して、該内向フランジが変形するおそれがあった。この変形は、パンチをワーク軸方向に対して傾斜した方向からワーク内部に挿入することで防ぐことができるが、この場合には、内向フランジの打抜き方向も、ワーク軸方向に対して傾斜するために、切欠きのエッジを直角に形成することができなくなる。また、内向フランジの複数個所を一度に打ち抜くといった加工が困難になるために、加工の効率が低下するおそれもあった。
筒状ワークを加工するためのプレス方法やプレス装置としては、例えば、特許文献2〜特許文献4に示すように、筒状ワークの周壁に加工を施すことができるものはいくつか提案されているものの、上述した不具合を解消しながら、両端に内向フランジが形成された筒状ワークを加工して、内向フランジに切欠きを寸法精度高く形成できるものについては見当たらないのが実状であった。
特公昭64−008207号公報(特許請求の範囲、2頁左欄、第4図) 特開昭63−154226号公報(特許請求の範囲、発明の効果、第2図) 実開昭56−006518号公報(実用新案登録請求の範囲、18頁、第6図) 実開昭56−015699号公報(実用新案登録請求の範囲、4頁、第1図)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、略筒状のワークに一対の内向フランジが設けられている場合であっても、一方の内向フランジに加工を容易に施すことができ、ワークの寸法精度を高くすることもできるプレス方法を提供するものである。すなわち、パンチやダイが他方の内向フランジに接触して該他方の内向フランジが変形するのを防止することができるだけでなく、パンチによってワークから切り取られた破片がワーク内部に飛散するのを防止することもできるプレス方法を提供するものである。また、このプレス方法に好適に用いることができるプレス装置を提供するものである。
上記課題は、内向フランジF,Fを有する略筒状のワークに加工を施すプレス方法であって、パンチをワーク軸方向(ワークを完全な筒とみなした場合における該筒の中心軸の方向)に移動させて内向フランジF側からワーク内部に挿入する第一工程と、前記パンチをワーク内部でワーク径方向(ワークを完全な筒とみなした場合における該筒の径の方向)に移動させる第二工程と、前記パンチをワーク軸方向にさらに移動させて内向フランジFに接触させる第三工程とを経てから、内向フランジFに加工を施すことを特徴とするプレス方法を提供することによって解決される。これにより、内向フランジF,Fを有する略筒状のワークであっても、パンチを内向フランジFに接触させずにワーク内部に挿入して、内向フランジFにワーク内部から加工を施すことが可能になる。
ここで、「パンチをワーク軸方向に移動」とは、パンチとワークの運動を相対的に捉えた表現であり、ワークを静止させてパンチをワーク軸方向に移動させる場合だけでなく、パンチを静止させてワークをワーク軸方向に移動させる場合や、パンチとワークの双方をワーク軸方向に移動させる場合をも含むものとする。これは、本発明のプレス方法やプレス装置の技術的範囲が、パンチが可動型でワークが固定型に固定されたものに限定されないことを明確にするためである。
第二工程において前記パンチをワーク径方向に移動させるパンチ移動手段としては、カム機構を利用するものや、リンク機構を使用するもの等が例示されるが、通常、プレス装置を簡素で壊れにくい構造とすることが容易なカム機構が選択される。第二工程において、前記パンチをカムスライド(従節)とするカムドライバ(原節)を前記パンチに対して摺動させることによって、前記パンチをワーク軸方向に移動させると好ましい。例えば、前記カムドライバとして、略柱状の先端部と、該先端部よりも太い略柱状の基端部と、先端部と基端部とを連結する略錐台状の中間部とを有するものを用い、第一工程では前記カムドライバ先端部の外周面を前記パンチに当接させ、第二工程では前記カムドライバ中間部の外周面を前記パンチに当接させ、第三工程では前記カムドライバ基端部の外周面を前記パンチに当接させるようにして、前記カムドライバを前記パンチに対して摺動させると所望の動作を得ることができる。前記パンチを、前記カムドライバを中心として放射状に配すると、内向フランジFの複数個所に同時に加工を施すことが可能になる。内向フランジFに加工を施した後に、パンチ復帰手段によって前記パンチを初期位置に復帰させることも好ましい。
第二工程において、前記パンチのワーク軸方向への移動を制限することも好ましい。第二工程においてパンチがワーク軸方向に移動すると、パンチがワーク径方向に移動し終えるよりも前に内向フランジFに当接してしまい、内向フランジFに所望の加工が施せなくなるおそれがあるためである。この構成は、内向フランジFと内向フランジFの間隔が狭い場合等に特に有効である。第二工程において前記パンチのワーク軸方向への移動を制限するパンチ移動制限手段としては、パンチや該パンチを保持するパンチホルダ等に係合するピンやアームであってもよいが、スプリングを用いると、プレス装置の構造をさらに簡素にすることができるために好ましい。例えば、第二工程において、内向フランジF側に配されたスプリングで前記パンチを内向フランジF側に付勢することによって、前記パンチのワーク軸方向への移動を制限することができる。前記スプリングを、予め強制圧縮状態に設定すると、第二工程において、前記パンチがワーク軸方向へ全く移動しないようにすることも可能になるためにより好ましい。
ここで、「強制圧縮状態」とは、前記スプリングがつりあいの状態よりも強制的に圧縮されている状態をいう。強制圧縮状態は、例えば、前記スプリングがシリンダとシリンダ内部で往復動可能なピストン(ピストンには、通常、ピストンロッドが取り付けられ、該ピストンロッドは、シリンダの一端からシリンダ外部に突出される。)とからなり、シリンダ内部に気体が封入されてなるガススプリングである場合には、シリンダの内部圧力が高められてピストンがシリンダ内部の一端部に押しやられた状態からさらにシリンダの内部圧力を高めることや、ピストンやピストンロッドをシリンダの内部圧力に逆らって押し込んだ状態で掛止しておくこと等によって実現することができる。強制圧縮状態は、前記スプリングが、油圧スプリング等の他の流体スプリングや、コイルスプリングである場合であっても実現することができる。強制圧縮状態に設定されたスプリングは、ある閾値を超える外力が加えられるまでは全く縮まない。
また、上記課題は、内向フランジF,Fを有する略筒状のワークに加工を施すのに用いられるプレス装置であって、パンチと、該パンチをワーク内部でワーク径方向に移動させるパンチ移動手段とが備えられ、前記パンチをワーク軸方向に移動させて内向フランジF側からワーク内部に挿入する第一工程と、前記パンチをパンチ移動手段によって移動させる第二工程と、前記パンチをワーク軸方向にさらに移動させて内向フランジFに接触させる第三工程とを経てから、内向フランジFに加工を施すことができるプレス装置を提供することによっても解決される。このプレス装置は、前記プレス方法に好適に用いることができるものである。
以上のように、本発明のプレス方法及びプレス装置は、パンチをワーク内部でワーク径方向に移動させるものであるために、略筒状のワークに一対の内向フランジが設けられている場合であっても、パンチを前記内向フランジに干渉させることなく、該内向フランジに加工を施すことができるものである。また、本発明のプレス方法及びプレス装置は、パンチをワーク内部に挿入して内向フランジをワーク内部からワーク外部に向かって打ち抜くものであるために、パンチによってワークから切り取られた破片がワーク内部に飛散するおそれがないだけでなく、ダイをワーク外部に配置することが可能なものである。このため、ワークの損傷を防止しながら、ワークを高い寸法精度で加工することも可能になる。さらに、本発明のプレス方法及びプレス装置は、一度の加工で、前記内向フランジの複数個所に加工を施すことも可能なものである。このため、加工を効率的に行うことも可能になる。
以上のように、本発明によって、内向フランジF,Fを有する略筒状のワークであっても、内向フランジFに加工を容易に施すことができ、かつワークの寸法精度を高くすることも可能になる。具体的には、パンチやダイが内向フランジFに接触して内向フランジFが変形するのを防止することができるだけでなく、パンチによってワークから切り取られた破片がワーク内部に飛散するのを防止することもできるようになる。また、一度の加工で、内向フランジFの複数個所に加工を施すことも容易になる。
以下、本発明のプレス方法及びプレス装置の好適な実施態様を、図面を用いてより具体的に説明するが、本発明のプレス方法及びプレス装置は、この態様に限定されるものではない。
[第一工程開始時〜第一工程終了時(第二工程開始時)]
図1は、第一工程開始時におけるプレス装置を示した断面図である。図1のプレス装置は、パンチユニット100と、上下動可能なスライド200と、ワークWを下方から支えるダイ300とを備えている。スライド200の下面には、パンチ移動手段としてのカムドライバ210が固定されている。スライド200は、図示省略の油圧装置等の駆動手段によって駆動される。本実施態様において、パンチユニット100は、上下動可能なスライド200に吊支されて上下動する可動上型となっており、ダイ300は、床面400に対して固定された固定下型となっている
まず、パンチユニット100について説明する。図2は、第一工程開始時におけるプレス装置のパンチユニット周辺部を拡大した断面図である。図3は、パンチユニット100を分解した状態を示した斜視図である。パンチユニット100は、図2と図3に示すように、ワークWを打ち抜くためのパンチ110と、パンチ110を保持するためのパンチホルダ120とを備えている。
パンチ110の形状は、加工の種類等によって適宜選択され、特に限定される物ではないが、本実施態様においては、図3に示すように、厚板状であり、その下端面でワークWを打ち抜くものとした。パンチ110の上端面には、後述のパンチ復帰手段を係合させるための係合部を設けている。該係合部は、本実施態様において、略V字状の凹部111としている。パンチ110の一対の側端面のうち一方は、カムドライバ210の外周面に当接する縦壁部112となっている。パンチ110の上端面と縦壁部112を有する側端面との間には、傾斜部113が形成されている。パンチ110の中央部には、後述のパンチ抜止手段を係合させるための係合部を設けている。該係合部は、本実施態様において、パンチ110を板厚方向に貫通する貫通孔114としている。
パンチホルダ120の形状は、パンチ110の形状等によって適宜選択され、特に限定されるものではないが、本実施態様においては、図3に示すように、水平断面が略扇形の4本の柱状部材121に分割することが可能なものとして、各柱状部材121の境界部にパンチ110を1つずつ保持することができるものとした。このため、パンチホルダ120は、4個のパンチ110を保持することができるようになっている。また、パンチホルダ120を分割可能な構造としたために、パンチ110をパンチホルダ120に容易に取り付けることができるようになっている。パンチホルダ120に配するパンチ110の数は、加工の種類等によって適宜選択される。
各柱状部材121の上端部(スライド200に対向する側の端部)は、図3に示すように、外方に張り出た形状とし、パンチホルダ120の上面を広く確保できるようにした。これにより、第二工程や第三工程においてパンチホルダ120の上面がスライド200の下面に当接した際に、パンチホルダ120からスライド200に加えられる押圧力が局所的に集中しないようにして、パンチホルダ120やスライド200が破損するのを防止することができる。
柱状部材121の両側面(各柱状部材の境界部となる一対の側面)には、図3に示すように、パンチ110を嵌め込むための貫通溝122を水平方向に設けた。一の貫通溝122は、該一の貫通溝122が設けられた柱状部材121に隣接して配される他の柱状部材121に設けられた他の貫通溝122と組み合わさって貫通孔となる。貫通溝122には、貫通溝122が組み合わさって形成される貫通孔からパンチ110が抜け落ちるのを防止するパンチ抜止防止手段を設けている。該パンチ抜止防止手段は、本実施態様において、前記一の貫通溝122と前記他の貫通溝122のうち一方の底部に、棒状部123を垂設することによって設けた。棒状部123は、パンチ110に設けられた貫通孔113に遊挿されて、その先端は他方の貫通溝122の底部に設けられた穴124に嵌め込むことができるようになっている。
柱状部材121には、ワーク加工後にパンチ110を初期位置に復帰させるためのパンチ復帰手段を設けている。該パンチ復帰手段は、本実施態様において、柱状部材121の貫通溝122の上方にスプリングSを配することによって設けている。スプリングSは、貫通溝の下方に配してもよい。スプリングSには、ピストンロッドPを取り付けている。ピストンロッドPの下端は、略V字状に形成し、パンチ110に設けられた凹部111に係合する。このため、パンチ110は、ピストンロッドPを介してスプリングSから付勢力を受けるようになる。
各柱状部材121の前記両側面の間には、図3に示すように、カムドライバ210を案内するための貫通溝125を鉛直方向に設けた。一の貫通溝125は、該一の貫通溝125が設けられた柱状部材121とは別の他の柱状部材121に設けられた他の貫通溝125と組み合わさって貫通孔となる。
続いて、スライド200について説明する。スライド200の下面の中央部には、図1に示すように、カムドライバ210を固定し、スライド200の下面の縁部には、上側エンドブロック220を固定した。カムドライバ210と上側エンドブロック220は、スライド200と一体的に上下動する。
カムドライバ210は、図3に示すように、略四角柱状の先端部211と、先端部211よりも太い略四角柱状の基端部212と、先端部211と基端部212とを連結する略四角錐台状の中間部213とからなるものとした。カムドライバ210は、貫通溝125が組み合わさって形成される貫通孔に遊挿されて、パンチホルダ120の内部を鉛直方向に摺動するものとなっている。
上側エンドブロック220は、後述の下側エンドブロック320に対向する位置に配した。スライド200が下降して上側エンドブロック220の下端と下側エンドブロック320の上端とが当接した瞬間に、スライド200は下死点となり、それ以上、下降することができなくなる。スライド200の下死点の高さは、上側エンドブロック220や下側エンドブロック320の高さを変化させることによって調整することができる。
スライド200の内部には、パンチユニット100に付勢力を加えるためのスプリングSと、ワークWを押さえるストリッパ500に付勢力を加えるためのスプリングSとを収容した。スプリングS,Sは、スライド200の上面に設けてもよい。スプリングS,Sの本数は、スプリングS,Sの弾性定数やパンチユニット100やストリッパ500に必要な付勢力等を考慮して適宜調整する。パンチユニット100は、ピストンロッドPを介してスプリングSに接続し、ストリッパ500は、ピストンロッドPを介してスプリングSに接続している。このため、パンチユニット100やストリッパ500は、スライド200やカムドライバ210に対して相対的に上下動することが可能になっている。
続いて、ダイ300について説明する。ダイ300の上面の中央部には、図1に示すように、パンチユニット100が嵌入するためのパンチ嵌入穴310を設け、ダイ300の上面の縁部には、下側エンドブロック320を固定した。ワークWは、パンチ嵌入穴310の上端の周部に載置され、通常、その中心軸がパンチ嵌入穴310の中心軸に一致するように配される。このため、ワークWの内向フランジFは、その外側の面(下面)がダイ300の上面によって支持された状態となり、加工中に歪が生じにくいようになっている。ワークWには、図4に示すように、両端に内向フランジF,Fを有する筒状のものを使用した。ダイ300の上面には、ワークWを囲繞してワークWの位置ずれを防止するためのワークガイド330を固定している。
パンチ嵌入穴310の底部には、パンチ移動制限手段としてスプリングSを配している。スプリングSには、スプリングSによる付勢力を第二工程や第三工程においてパンチユニット100に伝達するためのピストンロッドPを取り付けている。スプリングSは、予め強制圧縮状態に設定している。ピストンロッドPの上端は、通常、スライド200が下降してパンチ110がワークWの内部に完全に挿入された状態となったときにパンチユニット100の下端に当接することができる高さに設定する。ピストンロッドPの上端は、パンチ110がワークWの内部できるだけ高い位置にあるときにパンチユニット100の下端に当接することができる高さに設定するとより好ましい。本実施態様のプレス装置では、後述の理由により、パンチ110のワーク軸方向への移動速度(下降速度)は、第二工程開始時に実質的に0[m/s]になるが、このときパンチ110がワークWの内部の低い位置にあると、第三工程においてパンチ110が内向フランジFに達するまでの間にパンチ110を十分に加速できなくなり、内向フランジFを綺麗に打ち抜くことができなくなるおそれがあるためである。
スライド200が、図1の状態から下降すると、やがてパンチユニット100の下端がピストンロッドPの上端に当接する。
[第二工程開始時(第一工程終了時)〜第二工程終了時(第三工程開始時)]
図5は、図1に示す第一工程開始時の状態からスライド200が下降して、パンチユニット100の下端がピストンロッドPの上端に当接した瞬間のプレス装置を示した断面図である。第一工程はこの瞬間に終了し、この瞬間から第二工程が開始される。このとき、パンチ110は、ワーク内部に完全に挿入された状態となっており、ワークWは、ストリッパ500によって上方から押さえられた状態となっている。スライド200は、第二工程においても、第一工程と同様に下降を続ける。
第二工程において、パンチユニット100は、図5に示すように、ピストンロッドPによって鉛直下側から支えられて下降が制限された状態となっている。これに対し、スライド200は、第二工程においても下降を続けるために、パンチユニット100の上面からスライド200の下面までの距離は減少する。このとき、ピストンロッドPはスプリングSに押し込まれ、スプリングSがパンチユニット100を鉛直下側に付勢する付勢力(以下、付勢力fと呼ぶことがある。)は徐々に大きくなってゆくが、スプリングSは、予め強制圧縮状態に設定しており、ピストンロッドPの上端に付勢力fに相当する大きさの力が加えられても縮まないようになっている。このため、パンチユニット100は、第二工程においては実質的に全く下降しないようになっている。スライド200に固定されたカムドライバ210は、パンチホルダ120の中心に設けられた貫通孔の内部を摺動する。
第二工程において、カムドライバ210がパンチホルダ120の中心に設けられた貫通孔の内部を摺動しながら下降していく様子を、図6〜図8に段階的に示す。図6は、第二工程開始時におけるプレス装置のワーク周辺部(図5のA部)を拡大した断面図である。第二工程開始時におけるパンチ110は、図6に示すように、その殆どがパンチホルダ120の内側に入り込んだ状態となっている。パンチ110の縦壁部112は、カムドライバ210の先端部211の外周面に当接している。このとき、ピストンロッドPの先端は、パンチ110の凹部111に完全に係合した状態となっており、棒状部123は、パンチ110の貫通孔114の外側の端部に当接した状態となっている。カムドライバ210が、図6の状態からさらに下降すると、カムドライバ210の中間部213の外周面が、パンチ110の傾斜部113に当接する。
図7は、カムドライバ210が図6の状態からさらに下降して、カムドライバ210の中間部213の外周面がパンチ110の傾斜部113に当接した瞬間のプレス装置のワーク周辺部を拡大した断面図である。このとき、ピストンロッドPの先端は、未だ、パンチ110の凹部111に完全に係合した状態となっており、棒状部123は、パンチ110の貫通孔114の外側の端部に当接した状態となっている。カムドライバ210が、図7の状態からさらに下降すると、パンチ110は、カムドライバ210の中間部213によってパンチホルダ120の外方に押し出され始め、やがてカムドライバ210の基端部212に当接する。
図8は、カムドライバ210が図7の状態からさらに下降して、カムドライバ210の基端部212の外周面がパンチ110の縦壁部112に当接し始めた瞬間のプレス装置のワーク周辺部を拡大した断面図である。このとき、棒状部123は、パンチ110の貫通孔114の内側の端部に当接した状態となっており、パンチ110は、パンチホルダ120の外方にそれ以上突出することができないようになっている。また、ピストンロッドPの先端は、その一部のみがパンチ110の凹部111の内側の角部に係合した状態となっている。パンチ110は、ピストンロッドPが押し上げられて圧縮された状態にあるスプリングSによってパンチホルダ120の内方に付勢された状態となっている。カムドライバ210が、図8の状態からさらに下降すると、やがてスライド200の下面がパンチユニット100の上面に当接する。
[第三工程開始時(第二工程終了時)〜第三工程終了時]
図9は、カムドライバ210が図8の状態からさらに下降して、スライド200の下面がパンチユニット100の上面に当接した瞬間のプレス装置を示した断面図である。第二工程はこの瞬間に終了し、この瞬間から第三工程が開始される。スライド200は、第三工程においても、第一工程や第二工程と同様に下降を続ける。
第三工程において、パンチユニット100の上面は、図9に示すように、スライド200の下面に当接し、パンチユニット100は、スライド200から直接的に押圧力を受けるようになる。このため、パンチユニット100とスライド200は、第三工程においては一体的に移動する。スライド200は、図示省略の油圧装置等の駆動手段によって駆動されているが、該駆動手段がスライド200に加える鉛直下向きの駆動力は、圧縮状態にあるスプリングSや強制圧縮状態にあるスプリングSを同時に押し込むことができる大きさに設定されている。従って、パンチユニット100は、ピストンロッドPを押し下げながら下降する。パンチユニット100が、図9の状態からさらに下降すると、パンチ110の下端面がワークWの内向フランジFの内側の面(上面)に当接して第三工程は終了する。
[第三工程終了時〜ワーク加工後]
パンチユニット100を第三工程終了時からさらに下降させると、ワークWの内向フランジFは、パンチホルダ120の外周面から突出したパンチ110によって打ち抜かれる。パンチユニット100がさらに下降を続けると、やがて上側エンドブロック220の下面と下側エンドブロック320の上面とが当接して、パンチユニット100及びスライド200は、下死点に到達する。図10は、パンチユニット100が図9の状態からさらに下降して、上側エンドブロック220の下面と下側エンドブロック320の上面とが当接した瞬間のプレス装置を示した断面図である。このとき、ワークWの内向フランジFには、パンチ110の下端面によって打ち抜かれた切欠きが形成されている。この後、スライド200を上昇させてパンチユニット100を上昇させると、プレス装置は、今までの工程を遡り、再び図1の状態に戻る。このとき、パンチ110は、スプリングSに付勢されて初期位置に復帰している。
以上により、ワークWの加工は終了する。図11は、本発明のプレス方法及びプレス装置によって加工されたワークWの一例を示した斜視図である。ただし、ワークWは、内向フランジFに対して上記工程を経る一連の加工を複数回繰り返したものとなっている。各加工は、ワークWをその都度ワークWの中心軸を回転軸として一定角度ずつ回転させながら行った。このようにすることで、内向フランジFに多数の切欠きを形成することができる。同様の加工を、ワークWをひっくり返して行うと、内向フランジFにも複数個の切欠きを形成することができる。このとき得られるワークWは、例えば、ころがり軸受の転動体の保持器として好適に用いることができる。本発明のプレス方法やプレス装置では、従来は加工が困難とされていたこのような製品を、高い寸法精度で加工することができる。本発明のプレス方法及びプレス装置を用いて加工できる製品は、ころがり軸受の保持器に限定されず、その他各種の製品を加工するのに用いることができる。
第一工程開始時におけるプレス装置を示した断面図である。 第一工程開始時におけるプレス装置のパンチユニット周辺部を拡大した断面図である。 パンチユニットを分解した状態を示した斜視図である。 両端に内向フランジF,Fを有する筒状のワークWを示した斜視図である。 図1に示す第一工程開始時の状態からスライドが下降して、パンチユニットの下端がピストンロッドPの上端に当接した瞬間のプレス装置を示した断面図である。 第二工程開始時におけるプレス装置のワーク周辺部(図5のA部)を拡大した断面図である。 カムドライバが図6の状態からさらに下降して、カムドライバの中間部の外周面がパンチの傾斜部に当接した瞬間のプレス装置のワーク周辺部を拡大した断面図である。 カムドライバが図7の状態からさらに下降して、カムドライバの基端部の外周面がパンチの縦壁部に当接し始めた瞬間のプレス装置のワーク周辺部を拡大した断面図である。 カムドライバが図8の状態からさらに下降して、スライドの下面がパンチユニットの上面に当接した瞬間のプレス装置を示した断面図である。 パンチユニットが図9の状態からさらに下降して、上側エンドブロックの下面と下側エンドブロックの上面とが当接した瞬間のプレス装置を示した断面図である。 本発明のプレス方法及びプレス装置によって加工されたワークWの一例を示した斜視図である。
符号の説明
100 パンチユニット
110 パンチ
111 凹部
112 縦壁部
113 傾斜部
114 貫通孔
120 パンチホルダ
121 柱状部材
122 貫通溝
123 棒状部
124 穴
125 貫通溝
200 スライド
210 カムドライバ
211 先端部
212 基端部
213 中間部
220 上側エンドブロック
300 ダイ
310 パンチ嵌入穴
320 下側エンドブロック
330 ワークガイド
400 床面
500 ストリッパ
,F 内向フランジ
〜P ピストンロッド
〜S スプリング
W ワーク

Claims (9)

  1. 内向フランジF,Fを有する略筒状のワークに加工を施すプレス方法であって、パンチをワーク軸方向に移動させて内向フランジF側からワーク内部に挿入する第一工程と、前記パンチをワーク内部でワーク径方向に移動させる第二工程と、前記パンチをワーク軸方向にさらに移動させて内向フランジFに接触させる第三工程とを経てから、内向フランジFに加工を施すことを特徴とするプレス方法。
  2. 第二工程において、前記パンチをカムスライドとするカムドライバを前記パンチに対して摺動させることによって、前記パンチをワーク軸方向に移動させる請求項1記載のプレス方法。
  3. 前記カムドライバとして、略柱状の先端部と、該先端部よりも太い略柱状の基端部と、先端部と基端部とを連結する略錐台状の中間部とを有するものを用い、第一工程では前記カムドライバ先端部の外周面を前記パンチに当接させ、第二工程では前記カムドライバ中間部の外周面を前記パンチに当接させ、第三工程では前記カムドライバ基端部の外周面を前記パンチに当接させるようにして、前記カムドライバを前記パンチに対して摺動させる請求項2記載のプレス方法。
  4. 前記パンチを、前記カムドライバを中心として放射状に配する請求項2又は3記載のプレス方法。
  5. 第二工程において、前記パンチのワーク軸方向への移動を制限する請求項1〜4いずれか記載のプレス方法。
  6. 第二工程において、内向フランジF側に配されたスプリングで前記パンチを内向フランジF側に付勢することによって、前記パンチのワーク軸方向への移動を制限する請求項5記載のプレス方法。
  7. 前記スプリングを、予め強制圧縮状態に設定する請求項6記載のプレス方法。
  8. 内向フランジFに加工を施した後に、パンチ復帰手段によって前記パンチを初期位置に復帰させる請求項1〜7いずれか記載のプレス方法。
  9. 内向フランジF,Fを有する略筒状のワークに加工を施すのに用いられるプレス装置であって、パンチと、該パンチをワーク内部でワーク径方向に移動させるパンチ移動手段とが備えられ、前記パンチをワーク軸方向に移動させて内向フランジF側からワーク内部に挿入する第一工程と、前記パンチをパンチ移動手段によって移動させる第二工程と、前記パンチをワーク軸方向にさらに移動させて内向フランジFに接触させる第三工程とを経てから、内向フランジFに加工を施すことができるプレス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011079012A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Honda Motor Co Ltd 切断装置
JP2012071364A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Star Techno Co Ltd タンクにおける部品固定用開口部の切欠き形成装置
CN118143116A (zh) * 2024-05-13 2024-06-07 浙江海川电气科技有限公司 基于永磁辅助同步磁阻电机转子冲片的连续冲压成型设备

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