JP2006043545A - 有機微結晶作製装置及び有機微結晶作製方法並びに有機微結晶 - Google Patents

有機微結晶作製装置及び有機微結晶作製方法並びに有機微結晶 Download PDF

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Abstract

【課題】 高品質な有機微結晶を大量に製造できる有機微結晶作製装置及び有機微結晶作製方法並びに有機微結晶を提供する。
【解決手段】 溶媒に有機結晶を溶解した溶液103から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバー101と、常圧チャンバー101の上部に配置され溶液103を超音波による微粒化法により霧化して常圧チャンバー内に溶液ミスト106を噴出する超音波発振装置104とを有することによって、分子クラスターの破壊と霧化粒径を制御することができるため、高速で高品質、粒径のそろった有機微結晶を大量に作製することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種エレクトロニクス及び非線形光学分野における光電子機能材料として用いられる非線形光学用の有機微結晶作製装置及び有機微結晶作製方法並びに有機微結晶に関する。
近年、有機材料は無機材料と比較して優れた電気的特性、光学特性を有していることが明らかになり注目されてきている。このため有機材料は熱伝導材料、EL(エレクトロルミネッセンス)材料、PHB(フォトケミカルホールバーニング)材料、フォトクロミック材料、非線形光学材料などの分野への応用開発が盛んに進められている。
中でも、有機材料を非線形光学材料として使用する場合、無機材料と比較して大きな非線形光学定数が得られ、また高速応答性などに優れていることが見出され、有機材料の2次の非線形光学効果を利用した光波長変換用バルク単結晶、光波長変換素子、光変調器、また3次の非線形光学効果を利用した光双安定素子、光シャッター、光位相共役素子などの各種非線形光学素子への開発が盛んに進められている。これらのデバイスにおいては、バルク状結晶や薄膜状結晶を用いた例が多い。
さらにこのようバルクや薄膜結晶ばかりではなく、特許文献1の「表示素子」に開示されたように、溶液中に有機微結晶を分散させ、電界を印加することで、光変調を行うデバイスなど、有機微結晶を用いたデバイスも報告されている。また、このような有機微結晶を樹脂中で配向させ固定化し、その電気光学効果や非線形光学効果を用いた光変調器や波長変換デバイスを作製できる可能性もある。
さらに、このような従来のバルクまたは分子サイズの中間領域を構成するナノ(nm)スケールの微結晶の材料に対する要求が高まっている。このような微結晶では、サイズ効果による光物性、非線形光学特性等のきわめて興味深い性質を発現することも報告されている。
有機微結晶を作製する方法としては、再沈法、気相法が知られている。
気相法は、(1)高温を要すること、(2)分子量10,000以下程度の低分子量化合物に限られることなどの本質的な制約がある。
一般的に、有機材料は熱分解点が低く、熱による分解が発生するなど劣化しやすいため、気相法を適用できる材料が非常に限定されている。
一方、溶媒に対する溶解度の差を用いて結晶化を行う再沈法は、温度による有機微結晶材料の劣化もなく簡便でかつ効果的な方法である(例えば、特許文献2参照)。
しかし、貧溶媒中で数時間から数十時間という長時間にわたって結晶析出するものもある。さらに、再沈法では、できた有機微結晶のサイズの制御が困難で単分散性は悪いものしか得られない。
そこで、中西氏らは、良溶媒に溶解した光電子機能用有機材料を、この良溶媒と相溶する有機材料の貧溶媒中に混入し、マイクロ波を照射して加熱することで、良好な分散性を持つ有機微結晶を作製する方法を報告(例えば、特許文献3参照)している。
しかし、マイクロ波照射によって短時間で結晶化するものの、シリンジを用いて滴下注入する方法によって混合分散液を得ており、微結晶を作製できる量に限りがある。
また、有機微結晶作製法ではないが、超音波による微粒子化を用いた製造装置として、酸化マグネシウム前駆体と有機物とを含んだ有機化合物からなる液体原料を超音波による微粒子化法により霧化し、被処理体に酸化マグネシウム層を形成する報告(例えば、特許文献4参照)がある。
これは、従来のプラズマを用いた成膜手法に比べて真空容器を用いず、低コストな製造装置を提供しているものの、超音波噴霧による霧化状微粒子は、液体原料であり、有機微結晶の作製法を提供するものではない。
一方、図3に示す、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレート(以下「DAST」という。)は、東北大学中西研究室において開発され、極めて大きな非線形光学定数と電気光学定数とを有し、有機結晶特有の低い誘電率を有することから、低電圧、高速の光変調や検波、ミリ波発生など関心を集めている。
ここで、DASTの電気光学定数は、r11=53〔pm/V〕(1.3μm)、92〔pm/V〕(720nm)とLiNbO3のr33=30.8〔pm/V〕(633nm)と比較して大きく、また、DASTの誘電率はε11=5.2と、LiNbO3の28に比べて小さいため、光変調器において高速、低電圧の光変調の可能性がある。
また、DASTは、その透過特性が0.8〜1.6μm帯の光に対してはほぼ平坦であり、光通信波長帯用デバイスに適した材料である。
DASTは融点Tm=256℃以下でも分解してしまうため、融液法や気相法を用いて結晶作製することは困難であり、溶液からの結晶成長がP.Gunter氏から報告されている(例えば、非特許文献1参照)。したがって、DASTの場合も、溶液を用いた有機微結晶の作製方法が望まれる。
KDP(リン酸2水素カリウム)結晶作製において、KDP水溶液に超音波エネルギー(超音波洗浄器程度)を印加することで、分子クラスターの破壊が起こり、結晶の高速育成ができる報告(例えば、非特許文献2参照)が知られており、超音波が結晶成長促進に効果があることがうかがえる。
さらに、超音波噴霧によって、溶液を霧化できることが知られており、そのミストの粒径も制御できることが知られている。そこで、これら超音波噴霧による結晶化促進とミスト径制御による、高品質な有機微結晶を大量に作製できる発明に至った。
特開2002−107773号公報 特許第2723200号公報 特開2001−262137号公報 特開2000−87249号公報 Peter Gunter,Sabine Manetta,C.R.Physique,3(2002),1 March 2002,p.449−462 佐藤清隆編集、共立出版株式会社「溶液からの結晶成長」、2003年6月1日、p.84
以上のように、これまで高品質な有機微結晶を大量に作製した報告はない。
そこで、本発明の目的は、高品質な有機微結晶を大量に製造できる有機微結晶作製装置及び有機微結晶作製方法並びに有機微結晶を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載の発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバーと、前記常圧チャンバーの上部に配置され前記溶液を超音波による微粒化法により霧化して前記常圧チャンバー内に溶液ミストを噴出する超音波発振装置とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記常圧チャンバーには、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガスを導入するキャリアガス導入手段が設けられていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記常圧チャンバーには、前記溶媒の蒸気を導入する溶媒蒸気導入手段が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバーと、前記常圧チャンバーから離隔して配置され、前記溶液を超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生する超音波発振装置と、前記超音波発振装置で発生した溶液ミストをキャリアガスにより前記常圧チャンバー内に搬送する溶液ミスト搬送手段とを有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記搬送手段には、前記溶液ミストのミスト径分布を制御するためのフィルターが設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、前記溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、常圧チャンバー内に配置された容器内の有機結晶が溶けにくい貧溶媒にその溶液ミストを噴霧することによって有機微結晶を作製することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記貧溶媒を撹拌しながら前記有機微結晶を作製することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、前記溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストを常圧チャンバー内に配置された基板上に噴霧し、溶液ミスト中の溶媒を蒸発させて結晶化する溶媒蒸発法によって微結晶を作製することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項6から8のいずれか1項に記載の発明において、前記常圧チャンバー内に窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガスを導入することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項6から9のいずれか1項に記載の発明において、前記常圧チャンバー内に前記溶媒の蒸気を導入することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項6から10のいずれか1項に記載の発明において、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、前記チャンバーから離隔して溶液を微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストをキャリアガスによって前記チャンバー内にダクトで搬送することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記溶液ミストを前記常圧チャンバー内に搬送する直前に、フィルターを通過させることにより前記溶液ミストのミスト径分布を制御することを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項6から12のいずれか1項に記載の発明において、前記有機結晶は、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレート(DAST)であることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項6から13のいずれか1項に記載の有機微結晶作製方法によって作製した有機微結晶であることを特徴とする。
(請求項1に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバーと、常圧チャンバーの上部に配置され溶液を超音波による微粒化法により霧化して常圧チャンバー内に溶液ミストを噴出する超音波発振装置とを有することによって、分子クラスターの破壊と霧化粒径を制御することができるため、高速で高品質、粒径のそろった有機微結晶を大量に作製することができる有機微結晶作製装置を提供することができる。
(請求項2に対する作用効果)
常圧チャンバーは、窒素ガス、希ガス(ヘリウムガスHe、ネオンガスNe、アルゴンガスAr、クリプトンガスKr、キセノンガスXe、ラドンガスRn)などの不活性ガスを導入することによって、高速で粒径のそろった特性を維持したまま、より高品質な有機微結晶を作製することができる装置を提供することができる。
(請求項3に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバーと、常圧チャンバーの上部に配置され溶液を超音波による微粒化法により霧化して常圧チャンバー内に溶液ミストを噴出する超音波発振装置とを有し、常圧チャンバーには、溶媒の蒸気を導入する溶媒蒸気導入手段が設けられていることによって、溶媒蒸発による微結晶サイズのバラツキを抑制することができ、高速で高品質な特性を維持したまま、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる装置を提供することができる。
(請求項4に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバーと、常圧チャンバーから離隔して配置され、溶液を超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生する超音波発振装置と、超音波発振装置で発生した溶液ミストをキャリアガスにより常圧チャンバー内に搬送する溶液ミスト搬送手段とを有することによって、ミスト発生場所と結晶作製場所を分離でき、ミスト発生量の制御やミストの流速制御が容易となり、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる装置を提供することができる。
(請求項5に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、常圧チャンバーと、常圧チャンバーから離隔して配置され、溶液を超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生する超音波発振装置と、超音波発振装置で発生した溶液ミストをキャリアガスにより常圧チャンバー内に搬送する溶液ミスト搬送手段とを有し、搬送手段には、前記溶液ミストのミスト径分布を制御するためのフィルターが設けられていることによって、微結晶サイズのバラツキを抑制することができ、高速で高品質な特性を維持したまま、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる装置を提供することができる。
(請求項6に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、常圧チャンバー内に配置された容器内の有機結晶が溶けにくい貧溶媒にその溶液ミストを噴霧することによって有機微結晶を作製することによって、分子クラスターの破壊と霧化粒径を制御することができるため、高速で高品質、粒径のそろった有機微結晶を大量に作製することができる方法を提供することができる。
(請求項7に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、貧溶媒を撹拌しながら有機微結晶を作製することによって、高速で高品質な特性を維持したまま、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項8に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストを常圧チャンバー内に配置された基板上に噴霧し、溶液ミスト中の溶媒を蒸発させて結晶化する溶媒蒸発法によって微結晶を作製することによって分子クラスターの破壊と霧化粒径を制御することができるため、高速で高品質な有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項9に対する作用効果)
常圧チャンバー内に、窒素ガス、希ガス(ヘリウムガスHe、ネオンガスNe、アルゴンガスAr、クリプトンガスKr、キセノンガスXe、ラドンガスRn)などの不活性ガスを導入することによって、高速で粒径のそろった特性を維持したまま、より高品質な有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項10に対する作用効果)
常圧チャンバー内に溶媒の蒸気を導入することによって、溶媒蒸発による微結晶サイズのバラツキを抑制することができ、高速で高品質な特性を維持したまま、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項11に対する作用効果)
溶媒に溶解した有機結晶から有機微結晶を作製する方法において、微粒化法により霧化された有機結晶が溶解した溶液ミストをキャリアガスによって搬送する手段を有することによって、ミスト発生場所と結晶作製場所を分離でき、ミスト発生量の制御やミストの流速制御が容易となり、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項12に対する作用効果)
溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、常圧チャンバーから離隔して溶液を微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストをキャリアガスによって常圧チャンバー内にダクトで搬送する際に、溶液ミストを常圧チャンバー内に搬送する直前に、フィルターを通過させることにより溶液ミストのミスト径分布を制御することによって、微結晶サイズのバラツキを抑制することができ、高速で高品質な特性を維持したまま、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項13に対する作用効果9)
有機結晶は、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレート(DAST)であることによって、電気光学定数が大きく、有機微結晶を作製することができる方法を提供することができる。
(請求項14に対する作用効果)
高速で大量に作製できるために低コストで、高品質、粒径のそろった有機微結晶を提供することができる。
本発明の有機微結晶作製装置は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置であって、常圧チャンバーと、常圧チャンバーの上部に配置され溶液を超音波による微粒化法により霧化して常圧チャンバー内に溶液ミストを噴出する超音波発振装置とを有することを特徴とする。常圧チャンバーには、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガスを導入するキャリアガス導入手段が設けられているのが好ましい。常圧チャンバーには、溶媒の蒸気を導入する溶媒蒸気導入手段が設けられていることが好ましい。
また、本発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置であって、常圧チャンバーと、常圧チャンバーから離隔して配置され、溶液を超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生する超音波発振装置と、超音波発振装置で発生した溶液ミストをキャリアガスにより常圧チャンバー内に搬送する溶液ミスト搬送手段とを有することを特徴とする。搬送手段には、溶液ミストのミスト径分布を制御するためのフィルターが設けられているのが好ましい。
また、本発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法であって、溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、常圧チャンバー内に配置された容器内の有機結晶が溶けにくい貧溶媒にその溶液ミストを噴霧することによって有機微結晶を作製することを特徴とする。溶媒を撹拌しながら有機微結晶を作製するのが好ましい。
また、本発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストを常圧チャンバー内に配置された基板上に噴霧し、溶液ミスト中の溶媒を蒸発させて結晶化する溶媒蒸発法によって微結晶を作製することを特徴とする。常圧チャンバー内に窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガスを導入するのが好ましい。常圧チャンバー内に溶媒の蒸気を導入するのが好ましい。
また、本発明は、溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、常圧チャンバーから離隔して溶液を微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストをキャリアガスによって常圧チャンバー内にダクトで搬送することを特徴とする。溶液ミストを常圧チャンバー内に搬送する直前に、フィルターを通過させることにより溶液ミストのミスト径分布を制御するのが好ましい。
有機結晶は、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレート(DAST)であるのが好ましい。
本発明の有機微結晶は、いずれかの有機微結晶作製方法によって作製したことを特徴とする。
有機結晶が溶解した溶液を超音波噴霧でミスト化することにより、従来の再沈法では結晶化に長時間かかっていたものが、超音波により結晶化が促進され、より短時間で有機微結晶が形成でき、また、そのサイズもミスト径や溶液濃度などにより制御でき、噴霧法であるため大量の有機微結晶を容易に作製できる。
有機微結晶のサイズは、主に有機材料の溶液濃度、溶液のミスト径によって制御でき、その他貧溶媒の温度、界面活性剤の有無、溶媒蒸気圧、基板の種類及び表面の表面処理などによっても影響を受ける。そのサイズは、特に限定されないが、光変調器などの光デバイスへの応用という点から、10nm〜100μmのものが望ましい。
有機物質としては、従来用いられ、KH2PO4、LiNbO3などに代表される無機材料に比べ、非線形光学定数が大きい有機材料であれば用いることができ、例えば、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレート(DAST)、2−メチル−4−ニトロアニリン(MNA)、メタニトロアニリン(mNA)、3−メチル−4−ニトロピリジン−1−オキサイド(POM)、尿素、2−シアノ−3−(2−メトキシフェニル)−2−プロペン酸メチル(CMPメチル)、L−アルギニンフォスフェイトモノハイドレイト(LAP)、4−(N,Nジメチルアミノ)−3−アセトアミドニトロベンゼン(DAN)、3、5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾール(DMNP)、4’−ニトロベンジリデン−3−アセトアミノ−4−メトキシアニリン(MNBA)等が挙げられる。ここで、極めて大きな非線形光学定数と電気光学定数を有し、有機結晶特有の低い誘電率であることから、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレートであることが好ましい。
良溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、クロロホルム、ジクロロメタンなどの有機ハロゲン化物、1,2−ジクロロエタンジメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類、トルエンなどの芳香族炭化水素、アセトニトリル等、各種有機物質にあわせて、溶解度が大きく、溶質との会合等がない溶媒を選定すればよい。4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレートの場合は、メタノールが最適な溶媒のひとつである。
一方、貧溶媒としては、先の良溶媒と相溶性があり、有機結晶を溶解させることがない、または溶解度が小さい溶媒であれば使用可能である。4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレートの場合は、シクロヘキサン、デカリンが最適な溶媒のひとつである。
基板は、石英、ガラス、Siなどの無機材料やポリイミド、PMMA、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの各種光学用樹脂基板を用いることができる。なお、両基板の表面形状は、特に限定されず、例えば、円形であっても、四角形であっても、楕円形であってもよい。
図1は本発明の有機微結晶作製方法を適用した有機微結晶作製装置の一実施例を示す模式図である。
同図に示す実施例は、請求項1、2、3、6、7、13、14に対応している。
図1に示す有機微結晶作製装置100は、有機結晶(例えばDAST)が溶解した溶液103を用いて有機微結晶を作製する有機微結晶作製装置であって、常圧チャンバー101と、有機微結晶が溶解した溶液103を超音波による微粒子化法により霧化する超音波発振装置104とを備えたことを特徴とする。
有機微結晶の作製方法として、有機結晶(DAST)が溶解した溶液103を超音波による微粒化法により霧化し、有機結晶が溶けにくい貧溶媒108に噴霧することによって微結晶を作製する再沈法を用いることにより、貧溶媒108中に有機微結晶を作製することを特徴とする。
図1において、有機結晶が溶解した溶液103を超音波発振装置104に供給するためのリザーバー102と、一端がリザーバー113に接続された供給用配管110と、供給用配管110に挿入された流量計(図示せず)とからなる供給手段によって、一定量の溶液103を超音波発振装置104に供給する。リザーバー102内の溶液103と接する部分は、常圧チャンバー101と同様に不活性ガスでパージしてもよい。
図1に示す常圧チャンバー101には、常圧チャンバー101内をパージガス(矢印P2)でパージするためのパージガス配管111の一端(図では左端)と、溶媒蒸気を常圧チャンバー101内に導入するキャリアガス配管112と、常圧チャンバー101内の圧力調整のための排気弁を有する排気管119とが接続されている。パージガス配管111の一端(図では右端)には、パージガスである不活性ガス(例えば、窒素、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn))を常圧チャンバー101内に供給するためのガスボンベ(図示せず)が接続され、パージガス配管111の他端(この場合左端)に接続された常圧チャンバー101は、パージガスによってあらかじめ雰囲気が置換され、溶液をミスト化した場合に吸湿や酸素などによる有機材料の劣化を防止するようになっている。
同様にキャリアガス配管112の一端(この場合、右端)には、キャリアガス(矢印P3)である不活性ガス(例えば、窒素、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn))を供給するためのガスボンベ(図示せず)が接続されている。キャリアガス配管112の他端(この場合、下端)は有機微結晶を溶解した溶媒と同じ溶媒115を保持するためのリザーバー113内に挿入されており、溶媒115をバブリングするためのバブラー116が設けられている。溶媒115は温度を一定に保つ恒温槽114に収容されている。リザーバー113は有底有蓋の容器であり、一端(この場合、右下端)が蓋部を貫通すると共に液面から離れ、他端(この場合、左端)が常圧チャンバー101を貫通するように接続されたキャリアガス配管118に接続されている。これらガスボンベ、キャリアガス配管112、118、リザーバー113、恒温槽114、及びバブラー116で溶媒蒸気導入手段を構成している。
溶媒115の蒸気量は、恒温槽114の温度及びキャリアガスの流量等で制御できる。このようにキャリアガスのバブリングによって、溶媒蒸気を常圧チャンバー101内に導入することができるため、霧化中の有機結晶の析出や意図しない析出を抑制できる。
ここでは、溶媒蒸気供給手段として、キャリアガスによるバブリングを用いたが、液体マスフロー及び気化器のように溶媒を直接気化する方法や温度制御によって溶媒蒸気をキャリアガスなどで搬送する方法なども用いることができる。
貧溶媒(例えば、シクロヘキサン)108は容器107中に保持され、攪拌子109で矢印P1方向に攪拌されながら、温度制御手段であるサーモプレート120で溶媒温度を制御されている。貧溶媒108は、攪拌子109で攪拌されることで、貧溶液108の温度の均一化や有機微結晶の均一分散を助けている。
リザーバー102から有機結晶が溶解した溶液103を超音波発振装置である超音波噴霧ヘッド(例えば、SONO TEK8700−60)104に供給することによって、溶液103は分散性の良好な溶液ミスト106となり、ノズル105から温度制御された貧溶媒108に噴霧される。詳細は不明であるが、超音波を用いることで、クラスター破壊効果によると思われる高品質でサイズのそろった微結晶が析出する。また、噴霧法を用いているため、溶液103の供給は連続的に行うことができ、有機微結晶作製のスケールアップが容易に行うことができる。また、通常のスプレーノズルやインジェクションノズルに比べ、溶液ミストの初速が小さいことも本装置の特徴である。
微結晶サイズは、おもに溶液濃度と溶液のミスト径によって制御でき、その他、貧溶媒108の温度、界面活性剤の有無によっても影響を受ける。
有機結晶としてはDASTを用い、良溶媒115としてメタノールを 貧溶媒108としてシクロヘキサンを用いた。パージガスとして窒素ガスを用い、あらかじめ常圧チャンバー10内をパージし、大気中の水分の影響を除去した。
ついで、良溶媒115として用いるメタノールを同じく窒素ガスでバブリングすることで、常圧チャンバー101内にメタノール蒸気を供給する。リザーバー113に保持されたDASTメタノール溶液を超音波噴霧ヘッド(SONO TEK8700−60)104に供給し、60kHz、18Wの超音波によって、DASTメタノール溶液のミストを発生させ、シクロヘキサン中に噴霧した。DASTメタノール溶液の濃度は、1mg/ml、シクロヘキサンの温度は20℃、ミスト径30μmの溶液を噴霧することで、一辺のサイズ5μmの有機微結晶を作製することができる。
図2は本発明の有機微結晶作製方法を適用した有機微結晶作製装置の他の実施例を示す模式図である。
同図に示す実施例は、請求項1、2、3、8、9、10、13、14に対応している。以下、図1に示した部材と同様の部材には共通の符号を用いた。
図2に示す有機微結晶作製装置200は、実施例1と同様、有機結晶(例えばDAST)が溶解した溶液103を用いて有機微結晶を作製する装置であって、常圧チャンバー101と、有機微結晶が溶解した溶液103を超音波による微粒子化法により霧化する超音波発振装置104とを備えたことを特徴とする。その有機微結晶の作製方法として、有機結晶(DAST)が溶解した溶液103を超音波による微粒化法により霧化し、常圧チャンバー101内に配置された基板201上に溶液ミスト106を噴霧し、基板201に付着した溶液ミスト106中の溶媒を蒸発させて結晶化する溶媒蒸発法によって有機微結晶202を作製することを特徴とする。
図2においても、図1同様、溶液供給手段は、有機結晶が溶解した溶液103を供給するためのリザーバー102と、一端(図では上端)がリザーバー113に接続され、他端(この場合、下端)が超音波発振装置104に接続された供給用配管110と、供給用配管110に挿入された流量計(図示しない)とからなっており、一定量の溶液103を超音波発振装置104に供給するようになっている。リザーバー102の溶液103と接する部分は、常圧チャンバー101と同様、不活性ガスでパージしてもよい。
また、図2に示す常圧チャンバー101は、常圧チャンバー100内をパージするためのパージガス配管111の一端(図では左端)と、溶媒蒸気を常圧チャンバー101内に導入するキャリアガス配管118の一端(この場合、左端)と、圧力調整のための排気弁を有する排気管119と接続されている。
パージガス配管111には、パージガス(矢印P2)である不活性ガス(例えば、窒素ガス、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn))を供給するためのガスボンベ(図示せず)が接続されている。常圧チャンバー101は、パージガスによってあらかじめ雰囲気が置換され、溶液103をミスト化した場合に生じる吸湿や酸素などによる有機材料の劣化を防止するようになっている。
同様にキャリアガス配管112の一端(この場合、右端)には、キャリアガスである不活性ガス(例えば、窒素ガス、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn))を常圧チャンバー101内に供給するためのガスボンベ(図示せず)と、有機微結晶を溶解した溶媒と同じ溶媒115を保持するためのリザーバー113及び溶媒の温度を一定に保つ恒温槽114、溶媒115をバブリングするためのバブラー116が設けられており、溶媒蒸気供給手段を形成している。溶媒の蒸気量は、恒温槽114の温度、キャリアガスの流量等で制御できる。このようにキャリアガスのバブリングによって、溶媒蒸気を常圧チャンバー101内に供給することができるため、霧化中の有機結晶の析出を抑制できる。
一方、有機微結晶が成長する基板は、温度制御手段であるサーモプレート120によって温度制御されており、この基板201の温度とキャリアガスによって導入されたメタノールの蒸気圧によって、基板201上に噴霧されたDASTメタノールの蒸発時間を制御することができ、メタノールの蒸発に伴って、DAST微結晶202を作製する。
ここで、基板201は、石英、ガラス、Siなどの無機材料やポリイミド、PMMA、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの各種光学用樹脂基板を用いることができる。
また、ここでは、溶媒蒸気供給手段として、キャリアガスによるバブリングを用いたが、液体マスフローと気化器のように溶媒を直接気化する方法や温度制御によって溶媒蒸気をキャリアガスなどで搬送する方法なども用いることができる。
リザーバー102から有機結晶が溶解した溶液103を超音波発振装置である超音波噴霧ヘッド(例えば、SONO TEK8700−60)104に供給することによって、溶液103は分散性の良好な溶液ミスト106となり、温度制御された基板201に噴霧される。超音波を用いることで、クラスター破壊効果によると思われる高品質でサイズのそろった有機微結晶202が析出する。また、噴霧法を用いているため、溶液103の供給は連続的に行うことができ、有機微結晶作製のスケールアップが容易に行うことができる。また、通常のスプレーノズルやインジェクションノズルに比べ、ミストの初速が小さいことも特徴である。
有機結晶としてDASTを用い、良溶媒115としてメタノールを 基板201として硫酸と過酸化水素水とを用いたSPM洗浄の後、HFによるライトエッチをした親水性処理を行った。パージガスとして窒素ガスを用い、あらかじめ常圧チャンバー101内をパージし、大気中の水分を除去した。ついで、溶媒として用いるメタノールを同じく乾燥窒素でバブリングすることで、常圧チャンバー101内にメタノール蒸気を供給する。リザーバー102に保持されたDASTメタノール溶液103を超音波噴霧ヘッド(SONO TEK8700−60)104に供給し、60kHz、15Wの超音波によって、DASTメタノール溶液103の溶液ミスト106を発生させ、石英基板201上に噴霧した。DASTメタノール溶液の濃度は1mg/mlであり、基板201の温度は20℃とし、ミスト径30μmの溶液ミスト106を噴霧し、蒸発時間を制御することで、一辺のサイズ10μmの有機微結晶204を作製することができる。
図4は本発明の有機微結晶作製方法を適用した有機微結晶作製装置の他の実施例を示す模式図である。
同図に示す実施例は、請求項1,2、4、5、6、7、9、11,12、13、14に対応している。
図4に示す有機微結晶作製装置400は、有機結晶(例えばDAST)が溶解した溶液103を用いて有機微結晶を作製する装置であって、微粒化法により霧化された有機結晶が溶解した溶液ミストをキャリアガス(矢印P4)によって搬送する溶液ミスト搬送手段を有することを特徴とする。
図4に示した装置と図1に示した装置との相違点は、微粒化法により霧化された有機結晶が溶解した溶液ミストをキャリアガスによって常圧チャンバー101内に搬送する溶液ミスト搬送手段を有することによって、ミスト発生場所と結晶作製場所とを分離することができ、ミスト発生量の制御やミストの流速制御が容易となり、より粒径のそろった有機微結晶を作製することができる。また、キャリアガスによって溶液ミストを搬送しているため、搬送路としてのダクト406、408の途中にミスト径をフィルタリングするフィルター407を挿入することで、より分布の少ない溶液ミストを形成することができる。
有機微結晶の作製方法として、有機結晶(DAST)が溶解した溶液15を超音波による微粒化法により霧化し、キャリアガスを用いて有機結晶が溶けにくい貧溶媒108に噴霧することによって有機微結晶を作製する再沈法を用いることにより、貧溶媒108中に有機微結晶を作製することを特徴とする。
図4に示す常圧チャンバー101は、常圧チャンバー101内をパージするためのパージガス配管(図示せず)と、溶液ミストを発生するアトマイザー403から常圧チャンバー101へ搬送するダクトとしてのキャリアガス配管406、408と、溶液ミストを貧溶媒108や基板(図示せず)に供給するノズル409、及び圧力調整のための排気弁(図示せず)を有する排気管119とが接続されている。
パージガス配管には、パージガスである不活性ガス(例えば、窒素、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn))を供給するためのガスボンベ(図示せず)が接続され、常圧チャンバー101は、パージガスによってあらかじめ雰囲気が置換され、溶液ミストが吸湿や酸素などによる有機材料の劣化を防止するようになっている。溶液ミストを噴出するノズル409は、対向する貧溶媒108や図示しない基板に対して所定の間隔で設置されている。
図4において、溶液ミスト供給系は、超音波発振子によって有機結晶が溶解した溶液103をミスト化するアトマイザー(ミスト発生器)403、有機結晶が溶解した溶液103をアトマイザー403に供給するためのリザーバー401、溶液ミストを搬送するためのキャリアガス配管406、408、アトマイザー403にキャリアガス配管405を介して接続され、キャリアガスである不活性ガス(例えば、窒素、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn))を供給するためのガスボンベ(図示せず)からなっている。リザーバー401の溶液103と接する部分は、常圧チャンバー101と同様、不活性ガスでパージしてもよい。また、このようにキャリアガスで溶液ミストを搬送する場合は、キャリアガス配管406、408の途中にミスト径をフィルタリングするフィルター407を挿入して、より分布の少ない溶液ミストを形成でき、また、パーティクルカウンターなどの計測器を接続することで、ミスト径分布をin−situ計測することができる。
貧溶媒(例えば、シクロヘキサン)108は容器107中に保持され、攪拌子109で攪拌されながら、温度制御手段であるサーモプレート120で溶媒温度を制御されている。貧溶媒108は、攪拌子109で矢印P1方向に攪拌されることで、溶液温度の均一化や有機微結晶の均一分散を助けている。
リザーバー401から有機結晶が溶解した溶液103をアトマイザー403によってミスト化し、キャリアガスによって搬送し、温度制御された貧溶媒108に噴霧されることで、有機微結晶が作製できる。超音波を用いることで、クラスター破壊効果によると思われる高品質でサイズのそろった微結晶が析出する。また、ノズル409からミスト410を噴出するため、ミストの噴出は連続的に行うことができ、有機微結晶作製のスケールアップが容易に行うことができる。
微結晶サイズは、おもに溶液103の濃度と溶液103のミスト径とによって制御でき、その他、貧溶媒108の温度、界面活性剤の有無によっても影響を受ける。
有機結晶としてDASTを用い、良溶媒としてメタノールを 貧溶媒108としてシクロヘキサンを用いた。パージガスとしてアルゴンを用い、あらかじめ常圧チャンバー101内をパージし、大気中の水分の影響を除去した。超音波発振子により溶液をミスト化するアトマイザー(ミスト発生器)403を用い、2MHzの超音波によって、DASTメタノール溶液のミスト(ミスト径10μm)を発生させ、キャリアガスもアルゴンを用い、シクロヘキサン中に噴霧した。DASTメタノール溶液の濃度は、0.1mg/ml、シクロヘキサンの温度は20℃とすることで、一辺のサイズ500nmの有機微結晶を作製することができる。
本発明の有機微結晶製方法を適用した有機微結晶作製装置の一実施例を示す模式図である。 本発明の有機微結晶製方法を適用した有機微結晶作製装置の他の実施例を示す模式図である。 4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレートの化学構造式である。 本発明の有機微結晶製方法を適用した有機微結晶作製装置の他の実施例を示す模式図である。
符号の説明
100 有機微結晶作製装置
101 常圧チャンバー
102、113 リザーバー
103 溶液
104 超音波発振装置(超音波噴霧ヘッド)
105 ノズル
106 溶液ミスト
107 容器
108 貧溶媒
109 撹拌子
110 供給用配管
111 パージガス配管
112 キャリアガス配管
114 恒温槽
115 溶媒
116 バブラー

Claims (14)

  1. 溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、
    常圧チャンバーと、
    前記常圧チャンバーの上部に配置され前記溶液を超音波による微粒化法により霧化して前記常圧チャンバー内に溶液ミストを噴出する超音波発振装置とを有することを特徴とする有機微結晶作製装置。
  2. 前記常圧チャンバーには、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガスを導入するキャリアガス導入手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機微結晶作製装置。
  3. 前記常圧チャンバーには、前記溶媒の蒸気を導入する溶媒蒸気導入手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機微結晶作製装置。
  4. 溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する装置において、
    常圧チャンバーと、
    前記常圧チャンバーから離隔して配置され、前記溶液を超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生する超音波発振装置と、
    前記超音波発振装置で発生した溶液ミストをキャリアガスにより前記常圧チャンバー内に搬送する溶液ミスト搬送手段とを有することを特徴とする有機微結晶作製装置。
  5. 前記搬送手段には、前記溶液ミストのミスト径分布を制御するためのフィルターが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の有機微結晶作製装置。
  6. 溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、
    前記溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、常圧チャンバー内に配置された容器内の有機結晶が溶けにくい貧溶媒にその溶液ミストを噴霧することによって有機微結晶を作製することを特徴とする有機微結晶作製方法。
  7. 前記貧溶媒を撹拌しながら前記有機微結晶を作製することを特徴とする請求項6に記載の有機微結晶作製方法。
  8. 溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、
    前記溶液を常圧チャンバーの上部で超音波による微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストを常圧チャンバー内に配置された基板上に噴霧し、溶液ミスト中の溶媒を蒸発させて結晶化する溶媒蒸発法によって微結晶を作製することを特徴とする有機微結晶作製方法。
  9. 前記常圧チャンバー内に窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガスを導入することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の有機微結晶作製方法。
  10. 前記常圧チャンバー内に前記溶媒の蒸気を導入することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の有機微結晶作製方法。
  11. 溶媒に有機結晶を溶解した溶液から有機微結晶を作製する有機微結晶作製方法において、
    前記常圧チャンバーから離隔して溶液を微粒化法により霧化して溶液ミストを発生させ、その溶液ミストをキャリアガスによって前記常圧チャンバー内にダクトで搬送することを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の有機微結晶作製方法。
  12. 前記溶液ミストを前記常圧チャンバー内に搬送する直前に、フィルターを通過させることにより前記溶液ミストのミスト径分布を制御することを特徴とする請求項11に記載の有機微結晶作製方法。
  13. 前記有機結晶は、4−ジメチルアミノ−N−メチル−4−スチルバゾリウムトシレート(DAST)であることを特徴とする請求項6から12のいずれか1項に記載の有機微結晶作製方法。
  14. 請求項6から13のいずれか1項に記載の有機微結晶作製方法によって作製したことを特徴とする有機微結晶。
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