JP2006043513A - 電極及びそれを用いた魚病防止用電解装置 - Google Patents

電極及びそれを用いた魚病防止用電解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
電極の利用効率が高く、生け簀の網などの破損や魚を傷つけることがない魚病防止用電解装置の電極を提供することであり、該電極を利用して、大掛かりな給電システムや多大な消費電力を必要とせず、しかも魚に銅イオン等を効果的に与えることが可能な魚病防止用電解装置を提供すること。
【解決手段】
養殖生け簀または養殖水槽に用いられる魚病防止用電解装置の電極において、該電極1は、中空管2で形成されることを特徴とする。好ましくは、該管の上端部は、プレス成形による平板部を形成し、該平板部にリード線を装着した圧着端子を係止具で固定した後、該上端部を防水性樹脂で被覆することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極及びそれを用いた魚病防止用電解装置に関し、特に、養殖生け簀または養殖水槽に設置して、銅イオンを発生させることにより魚病の予防を行うための電極及びそれを用いた魚病防止用電解装置に関する。
近年、食品の安定供給や自然資源の保護の観点から、養殖漁業が急激に増加している。しかしながら、養殖魚には、魚病、例えば、トラフグやヒラメの白点症、ハダムシやエラムシ等の魚類寄生虫の寄生、トラフグのカリグス類や、ヘトロボツリウムやカンパチのベネディア類などが発生し易く、養殖魚の安全かつ安定な供給の障害となっている。
魚病対策としては、従来より、硫酸銅又はホルマリン等の薬剤を投入し魚病を治療する方法が行われているが、硫酸銅は取り扱いに熟練技術が必要であり、海水や河川に設けられ生け簀では、環境汚染の問題から使用が制限されている。また、ホルマリンについては、食品の安全性などの観点から使用が制限されている状況にある。
他方、特許文献1に示すように、魚病の予防及び治療方法として、電解装置(以下、「魚病防止用電解装置」あるいは「電解装置」という)を利用して銅イオンを発生する方法が提案されている。具体的には、銅を陽極とし、鉄を陰極として電流を通じて、陽極である銅電極から一定濃度以上の銅イオンを水中に溶出することにより、魚病の発生を抑制又は発生した魚病を治療するものである。
特公平7−48966号公報
魚病防止用電解装置で利用する陽電極は、比較的短い棒状または板状の金属銅を使用している。しかしながら、電極に通電するためのリード線部分と電極との接合部で、腐食が進み易く、また、金属銅は重量があるため、腐食により電極の一部が落下し、生け簀の網
を破損するという問題があった。しかも、使用済みに電極を調査したところ、電極の全重量の30〜40%程度しか消費されておらず、電極の利用効率が極めて悪い。また、腐食により電極の形状が不均一になるに従い、腐食した電極で魚が傷つき易くなるという問題を生じるだけでなく、溶出する銅イオンの量が低下するため、電極に印加する電圧を増大させると魚へ与える影響が危惧され、さらに、消費電力の増大や通電制御の煩雑化を招き、高コスト化するという問題を生じていた。
また、電極の落下を防止するために、電極の周りに樹脂製の受け部材を配置する方法も考えられるが、樹脂製受け部材に牡蠣などの貝殻などが成長し、遊泳する魚を傷つけるなどの弊害が生じる。
養殖生け簀は、陸地や給電設備のある場所から離れて設置されることが多く、しかも、魚病防止用電解装置には長期間に渡り電気を供給することが求められているため、給電システムが大掛かりな物となる上、多大な消費電力を必要とする欠点があった。
また、生け簀の大きさは様々であり、しかも、海洋や河川に設定された生け簀を利用する場合には、常に、生け簀に水が出入りするため、発生させた銅イオンを生け簀内の魚に効果的に与える工夫も必要となる。
本発明は、上述した問題を解決し、電極の利用効率が高く、生け簀の網などの破損や魚を傷つけることがない魚病防止用電解装置の電極を提供することであり、該電極を利用して、大掛かりな給電システムや多大な消費電力を必要とせず、しかも魚に銅イオン等を効果的に与えることが可能な魚病防止用電解装置を提供する。
請求項1に係る発明では、養殖生け簀または養殖水槽に用いられる魚病防止用電解装置の電極において、該電極は、中空管で形成されることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明では、請求項1に記載の電極において、該管の上端部にリード線を装着すると共に、該リード線の装着部を含む該管の上端部を防水性樹脂で被覆することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明では、請求項1又は2に記載の電極において、該管の上端部は、プレス成形による平板部を形成し、該平板部にリード線を装着した圧着端子を係止具で固定することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明では、請求項2又は3に記載の電極において、該管の下端部は、防水性樹脂で封止又は弾性樹脂で被覆されていることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明では、請求項1乃至4のいずれかに記載の電極において、該電極は、陽電極の場合は銅又は銀、陰電極の場合は鉄、ステンレス又は炭素で形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明では、請求項1乃至5のいずれかに記載の電極を陽電極として用いた魚病防止用電解装置において、陰電極と、電源手段と、該電源手段の一部の電気を蓄積するための蓄電手段と、該電源手段と該蓄電手段との電力を利用し、該陽電極及び該陰電極への通電状態を制御するための通電制御手段とを有することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明では、請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、該電源手段は、太陽光発電装置、又は風力発電装置を用いることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明では、請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、該通電制御手段は、該陽電極及び該陰電極に断続的な通電を行うと共に、所定時間以上の無通電時間を設けることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明では、請求項8に記載の魚病防止用電解装置において、養殖生け簀または養殖水槽を複数の区域に区分けし、該通電制御手段は、少なくとも隣接する区域で同時に通電が行われないように通電を制御することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明では、請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、陽電極の本数を陰電極より多く配置することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明では、請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、少なくとも該陽電極を、魚の遊泳深度と同じ位置に配置することを特徴とする。
請求項1に係る発明により、電極を中空管で形成するため、電極全体に渡り均質に腐食が進行し、電極の利用効率が格段に向上する。しかも、使用途中で腐食により電極の一部が脱落し、生け簀網を破損することもなく、安全性にも優れた魚病防止用電解装置の電極を提供することができる。
請求項2に係る発明により、電極に対するリード線の装着部を含むように、電極の上端部を防水性樹脂で被覆することで、該装着部への浸水を防止し、電極の腐食の進行を抑制することが可能となる。
請求項3に係る発明により、電極を形成する管の上端部をプレス成形により平板部とするため、該平板部にリード線を装着した圧着端子を、係止具により簡単かつ強固に固定でき、しかも、平板部が管を密閉構造とするのを補助するため、請求項2に係る発明の防水性樹脂の防水効果をより一層向上させることが可能となる。
請求項4に係る発明により、電極を形成する管の下端部を防水性樹脂で封止又は弾性樹脂で被覆している。これにより、防水性樹脂による封止の場合には、請求項2の構造と相まって管を密閉構造とし、管内への浸水を防止するため、管内の空気により電極自体に浮力を与え、電極の保持に係る負担を軽減することが可能となる。しかも、電極の腐食の進行は、初期には管の外側のみから進行し、より長期に渡り電極の形状を保持することが可能となる。
また、弾性樹脂で被覆する場合には、管の下端部での腐食の進行により、管壁に凹凸が形成された場合でも、弾性樹脂で被覆しているため、魚を傷つけることが無く、極めて安全に電極を利用することができる。
請求項5に係る発明により、電極は、陽電極の場合は銅又は銀、陰電極の場合は鉄、ステンレス又は炭素で形成されているため、魚病防止効果を長期的に安定して提供することが可能となる。特に、銅金属に無酸素銅を用いる場合には、無酸素銅が電気伝導性に優れ、耐食性や耐候性にも優れているため、専ら電気分解による銅イオンの放出のみにより腐食が進み、電極として長期間に渡り、水中で使用することが可能となる。しかも、請求項1に記載の電極の形状と相まって、極めて長期に渡り使用することができる。
請求項6に係る発明により、請求項1乃至5のいずれかに記載の電極を陽電極として用いるため、上述した請求項1乃至5に係る発明の効果を実現する魚病防止用電解装置を提供することが可能となる。また、蓄電手段を有するため、電源手段による電力の供給が停止した場合でも、安定的に電解装置を動作させることが可能となる。
請求項7に係る発明により、電源手段に太陽光発電装置又は風力発電装置を用いるため、
陸地や給電設備のある場所に魚病防止用電解装置を設置した場合でも、生け簀や水槽に近接して電源手段を設置でき、大掛かりな給電システムが不要となる。しかも、太陽光発電や風力発電は自然エネルギーを利用するため、電気使用に係るコストを削減することが可能となる。
請求項8に係る発明により、通電制御手段は、陽電極及び陰電極に断続的な通電を行うと共に、所定時間以上の無通電時間を設けるため、連続的に銅イオン等を魚に与える場合と比較し、魚病防止効果を長期に渡り維持することが可能であり、しかも、消費電力を抑制することも可能となる。
請求項9に係る発明により、養殖生け簀または養殖水槽を複数の区域に区分けし、少なくとも隣接する区域で同時に通電が行われないように通電を制御するため、大容量な生け簀や水槽に対しても、瞬間的な消費電力の増大を抑制し、電源に掛る設備コストの増加を抑制することが可能となる。
請求項10に係る発明により、陽電極の本数を陰電極より多く配置するため、生け簀や水槽の平面内に離散的に陽電極を配置した場合でも、陰電極の本数が陽電極より少ないため、リード線の配線を少なくでき、リード線による電力損失を低減することが可能となる。しかも、陰電極に対して陽電極から向かう電気力線を多方向に設定することが可能となるため、生け簀や水槽内の銅イオン等の分布をより空間的に広げることが可能となる。
請求項11に係る発明により、少なくとも陽電極を魚の遊泳深度と同じ位置に配置するため、銅イオン等の濃度分布が、魚が存在する場所を中心に分布するため、効果的に銅イオン等を魚に提供することが可能となる。
本発明に係る電極及びそれを用いた魚病防止用電解装置について、以下に詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る電極1の構造を示す断面図である。電極では、電極の重量を軽減させると共に、電極の表面積を十分確保するため、金属製の中空管2を利用する。中空管の断面形状は、円形が市販の材料を活用でき、コスト的にも安価に構成できるため好ましいが、これに限らず四角形状などの多角形の管を利用することも可能である。
電極1を陽電極として用いる場合には、市販の銅管を用いるが、電極の材料は、電気伝導性に優れ、耐食性や耐候性にも優れている無酸素銅を利用する。銅の純度は、99%以上が好ましく、純度99.9%以上であればより好ましい。銅管の径は、入手が容易な外径25mm〜30mm程度、肉厚は3mm〜5mmが好ましい。また、銀イオンについても魚病防止効果があることが知られており、陽電極として銀管を上記銅管と同様に利用することも可能である。以下では、銅管を中心に説明する。
陽電極をこのような管状にすることで、電極が減量しても、電極面積の変化率が小さいため、電圧印加時には一定の電流密度となり、付加する電圧が安定する。しかも、電解による銅イオン等の溶出が均一に進行するため、従来の棒状電極では、不均一に銅イオン等の溶出が進行し、電極銅全重量の30〜40%程度しか利用できなかったが、本発明による電極では、電極重量の90%以上の利用が可能になる。
魚病防止用電解装置に用いる陰電極には、鉄、ステンレス鋼又は炭素を材料として利用する。電極の形状については、陽電極のように急激な腐食が進行しないため、従来のような棒状又は板状、あるいは球状や多面体などの電極を利用することも可能であるが、陽電極と同様に管状にすることで、電極重量の軽減や電極表面積の増大が期待でき、かつ後述のように電極の浮力を得ることで、電極保持に必要な力を軽減することが可能となる。
電極1の長さについては、生け簀や水槽の深さに対して、2/3以上の長さを有するものであれば、十分に生け簀や水槽全体に銅イオン等を存在させることが可能となる。例えば、8mの深さを有する生け簀では、5m程度の長さの電極が必要となる。ただし、生け簀等の深さが深い場合には、1本の電極の長さを長くすると、その電極の保持に必要な保持力も増大するため、電極の取付けが高コスト化する。このため、複数の電極を、深度を変えて配置することにより、結果として必要な長さの電極が存在する場合と同様の効果も持たせることが可能となる。
次に、管状電極2とリード線5との接続構造について説明する。
管状電極の上端部をプレス成形により、図1(a)に示すように一定の長さの平板部3とする。リード線5には圧着端子4が接続されており、平板部3と圧着端子4とを重ね合わせ、各部材に形成された開口を貫通するようにボルトなどの締結手段により、両者を密着接合する。リード線は、水中で長期間に渡り電極に電気を供給する必要があることから、水の多様な流れによりリード線が捩れても、容易に切断しないよう構成することが必要であり、例えば、複数の細線を利用した撚り線を利用することが好ましい。
電極に対するリード線の装着部においては、図1(a)に示すように、ポリオレフィン樹脂などの熱収縮性のある防水性樹脂を用いて、該装着部を密着状態で被覆し、海水等の浸入を防止するよう構成されている。
他方、管状電極の下端部においては、図1(a)のように弾性樹脂で管を被覆し、電極の先端部が水中に露出しないよう構成する。この構成により、魚体が電極の下端部に接しても、弾性樹脂が衝撃緩和材として機能するため、魚体を傷つけることを防止することが可能となる。
また、図1(b)に示すように、電極の下端部を防水性樹脂で封止栓を形成し、海水中に下垂した際に管内部に海水が進入しないよう構成することも可能である。このように、管内部に空気を保持することにより、電極自体に浮力を発生させ、電極保持部に掛る負担を軽減することができ、より長尺の電極を使用することも可能となる。
次に、上述した電極を利用する魚病防止用電解装置について説明する。
図2は、魚病防止用電解装置の構成を示すブロック図である。電解装置では、陽電極及び陰電極に所定の電圧を印加することにより、陽電極を構成する銅材料から銅イオンを水中に溶出するよう構成されている。本発明においては、図1に示す電極を少なくとも陽電極17に用いている。
電源手段10としては、海洋上や河川に生け簀を設置する場合を考慮し、容易に電力を得る手段として、ソーラーパネルなどの太陽光発電装置や、風力発電装置を利用する。また、電源手段10から供給される電力の一部を蓄積し、曇りや夜間又は無風状態の時でも、電解装置を稼働させることが可能なように、バッテリー11である蓄電手段が設けられている。電源制御回路12は、通電制御ユニット13に常に一定の電圧を供給可能なように、電源手段10と蓄電手段11、及び通電制御ユニットとの間で電気的な接続を自動的に切り換えるよう構成されている。
通電制御ユニット13には、タイマー14、電流値設定手段15、及び電流(A)や電圧(V)を測定する計器16などが適宜接続されている。
タイマー14は、後述するように、所定時刻又は所定時間の通電を制御するために利用される。電流値設定手段15は、電極17,18間に流れる流量を設定するものであり、陽電極や陰電極が複数存在する場合には、各電極対毎に流れる電流量を設定可能なように構成することもできる。また、計器16は、電極17,18間の電圧や電流状態をモニターする電圧計や電流計である。計器16は、これに限らず、必要に応じて、電源手段10の発電状態、蓄電手段11の蓄電状態、更には、電源制御回路12からの給電状態をモニターするよう構成することも可能であり、このために、複数の電流計・電圧計を設置したり、各計器を切り換えて利用するなど、各種構成を付加しても良い。
次に、生け簀や水槽において電解装置が提供する銅イオン等を効果的に魚に付与する方法について説明する。
図3は、生け簀や水槽を上方から見た平面図であり、(a)は陽電極2本と陰電極1本を配置したもの、(b)は陽電極4本と陰電極1本とを配置したもの、さらに(c)は1つの生け簀又は水槽を4分割した場合の状態を、各々示す。
基本的に、水を循環して利用する場合においては、一旦発生した銅イオン等が長く水中に残存するため、余り電極の配置にこだわらずに電解装置を設計することが可能であるが、水の出入りがある海洋上等の生け簀においては、銅イオン等を効果的に魚に付与するためには、電極の配置が特に重要な役割を示す。
図3(a)のように、生け簀20内において、陰電極21を挟むように陽電極22,23を配置することにより、電気力線24が空間的に広がり、生け簀内で泳ぐ魚に効果的に銅イオン等を付与することが可能となる。このような電界の広がりは、陰電極と陽電極との電極本数を異ならせることにより容易に達成することが可能であるが、陽電極は腐食により減少するため、陽電極を陰電極より多く配置することが好ましい。
また、本発明に係る電極のように、長尺化した電極を利用することで、負荷通電した直後から、電極間の電位差により発生する海水中の等電電場の効果により、魚の遊泳状況が電場に沿って同じ方向に活発に泳ぐようになることが観測されており、本発明の電解装置は、魚の運動量が増し、ストレスを緩和するにも効果的であることが理解される。したがって、この効果をより高めるためには、魚の遊泳を阻害しないように電界(電場)を形成することが好ましい。図3(b)では、陰電極25の周りに陽電極26〜29を配置しており、放射状に電気力線を発生させ、陰電極25に対して略同心円状に電場を形成することが可能である。
図3(c)は、生け簀や水槽を、網31〜34を利用して、4つの区域A,B,C,Dに分割する場合を示す。複数の区域に区切る方法は、図3(c)の方法に限らず、各区域毎に生け簀を用意し、それらを隣接配置する方法も可能である。各区域には、陽電極及び陰電極が配置され、生け簀全体の略中央には、各電極への通電を制御するための制御盤35が設置されている。制御盤35には、図2に示すような通電制御ユニットを含む各種機器が配置されている。また、制御盤35から各電極へ給電する給電線36〜39については、給電線が長くなると電圧降下効果により、供給する電圧が増加することとなる。このため、制御盤35は、各区域の生け簀から略等距離の位置に配置する方が、給電に係る電力損失や供給する電力の変動などを防止する観点から好ましい。
このように複数の区域からなる生け簀に対して、通電制御を行うには、全ての生け簀に同時に通電を行うと、消費電力が大きくなり、電源手段や蓄電手段も消費電力に応じて大掛かりなものとなる。このため、通電時刻を各区域毎に分け、例えば、A〜Dの区域を別々の時刻に通電する方法や、AとCの区域を同時に通電し、次にBとDの区域を同時に通電するよう、通電する区域を適宜組合わせる方法などがある。
魚に銅イオン等を与える方法として、連続的に与える方法と断続的に与える方法とがあるが、連続的に与えた場合には、銅イオン等による魚病防止効果が徐々に低下する傾向や、魚の餌食いの低下、さらには魚の体表面色の変化などが見られる。このため、魚病防止効果を長期に渡り維持するためには、断続的な通電を行い、無通電時間を設けることが効果的である。例えば、タイマー14を利用し、1日の内で、2時間毎に通電と停止を交互に3回程度繰り返し、残りの時間は無通電状態で放置する方法などがある。また、通電時刻についても、魚病の原因となる虫が日の出頃に生け簀に来ることが多いため、このような時刻に合わせて通電を行うことがより好ましい。
電極への通電に関する電気量については、電極の本数や配置に応じて異なるが、通常は、陽電極と陰電極との間の距離を約2m程度とする場合には、両電極に約24Vの電圧を印加し、2A程度の電流を発生させるよう構成することが好ましい。ただし、稚魚や幼魚など、比較的抵抗力の弱い魚を対象とする場合には、より弱い電気量で通電制御することが好ましく、魚の種類等に応じても適宜、変更・調整することが必要である。
また、魚の種類により電極の形状や深さ方向の配置を調整することが好ましい。例えば、かんぱちなどは、深度3〜5m程度を遊泳しているため、約4m程度の長さの電極を、電極の上端部が深度2m程度に位置するよう配置する。また、河豚は、水面近くを遊泳するため、長さ3m程度の電極を、電極の上端部が水面に接する位置に配置する。このように、魚の遊泳深度は、ほぼ一定しているため、該深度を考慮して、電極の長さ及び深さ方向の配置を決める。
本発明は、上述したものに限定されるものではなく、例えば、通電制御ユニットから電極に流す電流量を所定値に維持するため、通電制御ユニットに電流安定化回路を組み込む方法や、水の銅イオン等の濃度を検知し、電極に供給する電流量を自動的に制御するなど、本発明に係る技術分野において公知の技術を、上述した本発明の電極や魚病防止用電解装置に適宜組み合わせることができることは言うまでもない。
以上、説明したように、本発明に係る電極により、電極の利用効率が高く、生け簀の網などの破損や魚を傷つけることがない魚病防止用電解装置の電極を提供することができる。また、このような電極を利用して、大掛かりな給電システムや多大な消費電力を必要とせず、しかも魚に銅イオン等を効果的に与えることが可能な魚病防止用電解装置を提供することも可能となる。
本発明に係る電極の断面図を示す。 本発明に係る魚病防止用電解装置のブロック図を示す。 生け簀や水槽における電極の配置を説明する図である。
符号の説明
1 電極
2 中空管
3 平板部
4 圧着端子
5 リード線
6 係止具
7,9 防水性樹脂
8 弾性樹脂
10 電源手段
11 蓄電手段
12 電源制御回路
13 通電制御ユニット
14 タイマー
15 電流値設定手段
16 計器
17 陽電極
18 陰電極

Claims (11)

  1. 養殖生け簀または養殖水槽に用いられる魚病防止用電解装置の電極において、該電極は、中空管で形成されることを特徴とする電極。
  2. 請求項1に記載の電極において、該管の上端部にリード線を装着すると共に、該リード線の装着部を含む該管の上端部を防水性樹脂で被覆することを特徴とする電極。
  3. 請求項1又は2に記載の電極において、該管の上端部は、プレス成形による平板部を形成し、該平板部にリード線を装着した圧着端子を係止具で固定することを特徴とする電極。
  4. 請求項2又は3に記載の電極において、該管の下端部は、防水性樹脂で封止又は弾性樹脂で被覆されていることを特徴とする電極。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電極において、該電極は、陽電極の場合は銅又は銀、陰電極の場合は鉄、ステンレス又は炭素で形成されていることを特徴とする電極。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の電極を陽電極として用いた魚病防止用電解装置において、陰電極と、電源手段と、該電源手段の一部の電気を蓄積するための蓄電手段と、該電源手段と該蓄電手段との電力を利用し、該陽電極及び該陰電極への通電状態を制御するための通電制御手段とを有することを特徴とする魚病防止用電解装置。
  7. 請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、該電源手段は、太陽光発電装置、又は風力発電装置を用いることを特徴とする魚病防止用電解装置。
  8. 請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、該通電制御手段は、該陽電極及び陰電極に断続的な通電を行うと共に、所定時間以上の無通電時間を設けることを特徴とする魚病防止用電解装置。
  9. 請求項8に記載の魚病防止用電解装置において、養殖生け簀または養殖水槽を複数の区域に区分けし、該通電制御手段は、少なくとも隣接する区域で同時に通電が行われないように通電を制御することを特徴とする魚病防止用電解装置。
  10. 請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、陽電極の本数を陰電極より多く配置することを特徴とする魚病防止用電解装置。
  11. 請求項6に記載の魚病防止用電解装置において、少なくとも該陽電極を、魚の遊泳深度と同じ位置に配置することを特徴とする魚病防止用電解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2017098598A1 (ja) * 2015-12-09 2018-09-27 株式会社富士計器 水素水生成器

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