本発明の実施の形態に係る遊技機は、発射された遊技球を上部側から下部側へ流下案内可能とし、一部又は全部が透明部材により形成された遊技盤と、遊技盤の裏面側に配設され、遊技盤の表面側より特定入賞口に入球した遊技球を通過させる、その通路内の一部又は全部が視認可能に形成されたものであって、その途中から複数に分岐された複数の分岐路を有する遊技球排出路と、分岐路のうちの少なくとも1以上に備えられ、遊技球が分岐路を通過したことを検出する遊技球検出手段と、遊技盤及び遊技球排出路の背後に識別情報の変動表示を行う変動表示領域を形成する表示手段と、特定入賞口に入球したことを検出する特定入賞口入賞検出手段と、特定入賞口入賞検出手段による検出を契機として変動表示領域にて識別情報を変動表示させ、変動結果に応じて遊技状態を変更可能とした可変表示ゲーム実行手段と、遊技球の通過が検出された遊技球検出手段に応じて識別情報の変動表示を行う位置を決定する変動表示位置決定手段と、を備えたことを特徴としている。
すなわち、この遊技機では、特定入賞口入賞検出手段と、特定入賞口入賞検出手段による検出を契機として変動させる可変表示ゲーム実行手段を備えるので、遊技者は可変表示ゲームを楽しむことができるが、特に、一部又は全部が透明部材により形成された遊技盤と、その通路内の一部又は全部が視認可能に形成された遊技球排出路と、遊技盤及び遊技球排出路の背後に変動表示領域を形成する表示手段と、を備えるので、遊技者は遊技球排出路中を通過する遊技球を視認するとともに、その背後に形成される識別情報の変動表示の行われる領域を同時に視認することができる。
しかも、遊技球排出路は、その途中から複数に分岐された複数の分岐路を有し、遊技球が分岐路を通過したことを検出する遊技球検出手段と、遊技球の通過が検出された遊技球検出手段に応じて識別情報の変動表示を行う位置を決定する変動表示位置決定手段とを備えるので、変動表示が行われる位置を遊技盤の背面に設けられた領域内で自由に変化させることが可能となるので従来に無い斬新な変動表示の態様に遊技者は飽きることがなく、更に、遊技球が通過する分岐路に応じて変動表示が行われる位置が変化するので遊技者の興味をより強く引き付けることができる。
ここで、本実施の形態では、可変表示ゲーム実行手段は、メインCPU、メインROM(これに記憶されたプログラムを含む)及びメインRAM並びにサブCPU、プログラムROM(これに記憶されたプログラムを含む)及びワークRAMによって主として構成され、変動表示位置決定手段は、メインCPU、メインROM(これに記憶されたプログラムを含む)及びメインRAMによって主として構成され、表示手段は、液晶表示装置及び表示制御回路によって主として構成されている。
上述の遊技機において、特定入賞口に入球した遊技球を複数の分岐路のうち何れかに振り分ける遊技球振り分け手段を備えることができる。すなわち、このような振り分け手段を用いれば、遊技球を自由落下運動に任せて不規則に複数の分岐路に分かれるようにするのではなく、遊技球を各々の分岐路に均一に振り分けるようにすることもでき、様々な領域で満遍なく識別情報の変動表示を行って飽きのこない変動表示とすることができる。また、複数に分岐する分岐路を通過する遊技球について、特定の分岐路を通過する遊技球の割合を他の分岐路を通過する遊技球の割合よりも高い頻度又はより低い頻度となるように調整することもでき、通常は滅多に変動表示が行われることがない領域で変動表示が行われた場合に、遊技者に新鮮な感動を与えるようにすることもできる。
又、上述の遊技機において、変動表示位置決定手段は、識別情報の変動表示を行う位置を、遊技球の通過が検出された遊技球検出手段に対応して設けられた分岐路の背後に決定することができる。このように、遊技球が通過した分岐路の背後において識別情報を変動表示するようにすれば、遊技者は、容易にかつ自然に、分岐路中を通過する遊技球と識別情報の変動表示の両者を同時に視認することができる。そのため、遊技球の流下態様と識別情報の変動表示との両方を十分に楽しむことができるとともに、遊技球がどの分岐路を通過したかを遊技者にわかりやすく報知することができる。しかも、遊技球が通過した分岐路と識別情報の変動表示との連携性を強く遊技者に認識させて強いインパクトを与え、識別情報の変動表示を楽しませることができる
以下に、実施の形態について詳細に説明をする。
(パチンコ遊技機の構成)
図1は本実施の形態に係るパチンコ遊技機の斜視図であり、図2は同パチンコ遊技機の正面図であり、図3は同パチンコ遊技機における遊技球の排出路である遊技球排出路の一部を示す図であり、図4は同パチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。本実施の形態のパチンコ遊技機は、遊技盤を、略全体が透明部材により形成された透明遊技盤14とした。
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技場に設けられる図示しない遊技機設置基台(遊技島)に当該パチンコ遊技機10を固定するための外枠11と、同外枠11内に配設された本体枠12と、同本体枠12に着脱自在に取付けられた後述する透明遊技盤14及びその他図示しない各種部品と、前記本体枠12に一側が枢着されて開閉自在とした前枠16と、更に、前記透明遊技盤14を通して視認されるように、当該透明遊技盤14の背面側に位置するように、前記本体枠12の裏側に着脱自在に取付けられた液晶表示装置32(図4参照)を備えている。液晶表示装置32は表示制御回路250(図4参照)とともに本実施の形態では表示手段を構成する。
この液晶表示装置32は、透明遊技盤14の全部又は一部に背面側から重なるように配設されていればよく、本実施の形態では、前記液晶表示装置32を透明遊技盤14の略全体に重なるように配設している。すなわち、少なくとも透明遊技盤14上に形成される後述する遊技領域15全体に重なるように配設している。なお、かかる遊技領域15に該当しない透明遊技盤14の前面領域、すなわち遊技領域外域の全部又は一部に重なるように配設しても構わない。
このように、前記液晶表示装置32を、透明遊技盤14の略全体に重なるように配設して透明遊技盤14から透視可能とすることにより、本実施の形態では、少なくとも透明遊技盤14上の遊技領域15全体を含む表示可能領域が形成されることになる。
そして、この表示可能領域内に、後述する可変表示ゲームにおいて識別情報の変動表示を可能とする変動表示領域とともに、識別情報の停止表示(導出表示)をする停止表示領域、遊技に関する演出画像や背景画像を表示可能な領域が形成される。なお、本実施の形態では変動表示領域と停止表示領域とは同一の領域としており、この場合には両方を合わせて可変表示領域と総称する。図2には変動表示領域の一例として変動表示領域32aRを示したが、変動表示領域は固定した場所ではなく、連続的にその位置を変化させて表示することを可能にする液晶表示装置32によって形成される均一な表示可能領域の一区画である。
又、前記本体枠12の上部にはスピーカ46R、スピーカ46Lが取付けられるとともに、下部右側には発射ハンドル26が取付けられている。すなわち、本パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、前記発射ハンドル26等の操作ができるように当該パチンコ遊技機10の前方側に位置することとなり、前記透明遊技盤14と対向状態となる。
又、発射ハンドル26の裏側には、ソレノイド等からなる弾球装置を備える発射装置130(図4を参照)が設けられ、そして、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射装置130に電力が供給されて遊技球が透明遊技盤14に順次発射される。
又、本体枠12の前面下部に取付けられた受皿ユニットとして上皿20及び下皿22が形成され、前記前枠16の下側に位置するように配設されている。前記上皿20に貯留された遊技球が発射装置130に供給されるようになっており、上皿20の容量を越えた遊技球が下皿22に供給されるようになっている。又、19はガラス等からなる透明保護板であり、前記前枠16の開口部に取付けられている。132は演出表示や報知等に用いられる各種ランプである。
本実施の形態に係る前記透明遊技盤14は、アクリル樹脂を用いた透明部材によって形成されて全体が光に対する透過性を有しており、その前面には円弧状のガイドレール30a、ガイドレール30bを設け、このガイドレール30a、ガイドレール30bに囲まれた内側を遊技領域15としている。前記発射ハンドル26の操作により発射された遊技球は、ガイドレール30aにより案内されて前記遊技領域15内を流下する。
又、透明遊技盤14上には、複数の障害釘13を打ち込み、風車4を配して、遊技球が遊技領域15を上部から下部へ流下する際の流下方向を複雑に変化させるようにしている。なお、障害釘13については、図2では1本のみ記載しており、透明遊技盤14の略全面に適宜に配されている他の障害釘13については記載を省略している。
又、透明遊技盤14には、遊技球が入球すると入賞となる複数の一般入賞口5、前記可変表示ゲームが開始される契機を付与するための特定入賞口としての左始動口6L、右始動口6R、及び可変表示ゲームで当選した際に実行される大当たり遊技状態において所定時間開放可能とした大入賞口8、大入賞口8等に入球しなかった遊技球が遊技領域外へ排出されるアウト口7が配設されている。
前記大入賞口8には、開閉自在なシャッタ40が設けられており、大当たり遊技状態においては、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態となる。又、この大入賞口8内には、Vカウントセンサ102(図4参照)を有する、Vゾーンと呼ぶ特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図4参照)を有する一般領域(図示せず)とが設けられており、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで前記シャッタ40が開放状態に駆動される。
つまり、開放状態において大入賞口8への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口8を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口8に受け入れられた遊技球がVカウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口8が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口8内に設けられたVゾーンを通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にし、大当たり遊技状態が継続可能となる。
又、この大入賞口8の上方位置に設けた左始動口6L又は右始動口6Rに遊技球が入球したことを契機として可変表示ゲームが開始され、例えば、図2に示す変動表示領域32aR上において複数列の識別情報群が変動表示される。なお、本実施の形態における可変表示ゲームに用いられる識別情報としての図柄は算用数字0〜9までとしており、識別情報が複数個集合した識別情報群を、所定の大きさの変動表示領域32aR中に横3列で表示可能としている。
ここで、可変表示ゲームが表示可能領域におけるどの位置で行われるかについては変動表示位置決定手段が定めるが、これについては後述する。
又、左始動口6L又は右始動口6Rに遊技球が入球した場合において、可変表示ゲームが実行中の場合であり、上限の保留個数に達していないことを条件として、可変表示ゲームを保留しておくことができる。すなわち、可変表示ゲームにおける識別情報群の変動表示中に遊技球が左始動口6L又は右始動口6Rに遊技球が入球した場合、変動表示中の識別情報群が停止表示されるまで、識別情報の変動表示の実行(開始)が保留される。そして、識別情報群の可変表示(変動表示及び停止表示)の実行が保留されている状態で、各識別情報群の識別情報が停止表示された場合には、保留されている識別情報群の可変表示の実行が開始される。例えば、識別情報群の変動表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が停止表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分はその後も保留される。
なお、前記一般入賞口5及び大入賞口8に入球した場合の入賞には、例えば入球1個につき10球の遊技球が賞球として払い出され、左始動口6L又は右始動口6Rに入球した場合の入賞には、入球1個につき例えば5球の遊技球が賞球として払い出されるようにしている。
又、左通過球検出ゲート55L、右通過球検出ゲート55Rが設けられており、この左通過球検出ゲート55Lが遊技球の通過を検出したときには、図2に示す所定位置において左普通図柄94Lが変動し、右通過球検出ゲート55Rが遊技球の通過を検出したときには、図2に示す所定位置において右普通図柄94Rが変動し、例えば図示するような○印等の所定の図柄で、左普通図柄94L又は右普通図柄94Rのいずれかが停止表示されると、普通電動役物ソレノイド118(図4を参照)により、左始動口6L及び右始動口6Rに付設した各々の可動片58L及び可動片58R(所謂チューリップと呼ばれる電動役物)が初期状態の閉鎖状態から開方向に駆動され、左始動口6L及び右始動口6Rに遊技球が入りやすくなるようにされており、所定時間経過すると可動片58L及び可動片58Rは再び閉鎖されて遊技球が左始動口6L及び右始動口6Rに入りにくい状態に戻る。本実施の形態では、このような左側普通図柄94L、右側普通図柄94Rの変動表示及び停止表示を普通図柄ゲームと呼ぶ。
更に、透明遊技盤14の裏面には、入賞した遊技球を排出する遊技球排出路(図3を参照)が設けられており、左始動口6L、右始動口6Rに入球した遊技球は遊技球排出路を通って回収され、一般入賞口5、大入賞口8に入球した遊技球は入賞通路(図示せず)を通って回収される。なお、遊技球排出路を通過する遊技球は、透明遊技盤14及び後述する光の透過性を有する遊技球排出路を通して遊技者から視認可能とされる。
上記構成により、本実施の形態に係るパチンコ遊技機10は、透明遊技盤14と、この透明遊技盤14から透視可能に配設された液晶表示装置32により、透明遊技盤14の略全域が表示可能領域として形成され、遊技球を発射して入賞による賞球の獲得を目指すパチンコ遊技を従来通りに楽しみながら、遊技に応じた多彩な演出表示を、透明遊技盤14の略全域のいたる個所で表示可能とし、大きな演出効果によって遊技者を楽しませ、興趣の向上を図ることができる。又、従来では、液晶表示装置32のサイズを大きくすると、遊技領域15のサイズが相対的に小さくなり、遊技球の挙動の変化が乏しくなってパチンコ遊技の興趣を削ぐおそれがあったが、本パチンコ遊技機10では、表示可能領域を拡大して多様な演出を実行可能としながら遊技領域15も十分広く確保し、透明遊技盤14の広い領域を、遊技が可能とされる遊技可能面として利用することができる。
(パチンコ遊技機の遊技球排出路)
遊技球排出路について説明する。パチンコ遊技機10の始動口は、左始動口6Lと右始動口6Rとがあり、それぞれの始動口に入球した遊技球は、それぞれの始動口に接続された遊技球排出路を通過した後、最終的には合流されて同一の合流排出路から排出される。しかも、この遊技球排出路はその中途において分岐して分岐路を形成しており、それぞれの始動口に入球した遊技球はどの分岐路を通過するかによって様々な流下態様をとるものである。
図3に示す本実施の形態の遊技球排出路は、左始動口6Lに入球した遊技球が左始動口6Lから排出される左始動口排出路PL0、右始動口6Rに入球した遊技球が右始動口6Rから排出される右始動口排出路PR0、遊技球排出路の中途で分岐する分岐路PL1、分岐路PL2、分岐路PL3、分岐路PL4、分岐路PR1、分岐路PR2、分岐路PR3、分岐路PR4、分岐路PC1、分岐路PC2、分岐して流下する遊技球のすべてが合流する合流排出路PALL、分岐する点に配される遊技球振り分け器KR1、遊技球振り分け器KL1、遊技球振り分け器KC2、合流する点に配される遊技球合流器KC1、遊技球合流器KCALLから成っており、透明遊技盤14の裏面に配されている。なお、以下、必要に応じて右始動口排出路PR0と左始動口排出路PL0を始動口排出路と総称し、分岐路PL1、分岐路PL2、分岐路PL3、分岐路PR1、分岐路PR2、分岐路PR3、分岐路PC1、分岐路PC2、分岐路PR4、分岐路PL4を分岐路と総称し、遊技球振り分け器KR1、遊技球振り分け器KL1、遊技球振り分け器KC2を遊技球振り分け器と総称し、遊技球合流器KC1、遊技球合流器KCALLを遊技球合流器と総称する。
図3に沿って具体的に遊技球排出路の構成を説明する。右始動口排出路PR0は、その入口が右始動口6Rに接続され、その出口が遊技球振り分け器KR1を介して分岐路PR1の入口、分岐路PR2の入口、分岐路PR3の入口に接続されて分岐する。ここで、右始動口排出路PR0、分岐路PR1、分岐路PR2又は分岐路PR3の入口とは、遊技球が流下して入球する側の端面を言い、右始動口排出路PR0、分岐路PR1、分岐路PR2又は分岐路PR3の出口とは、遊技球が流下して出て行く側の端面を言う。以下の説明において、入口、出口の用語は同様な意味で他の始動口排出路、他の分岐路、遊技球振り分け器、遊技球合流器及び合流排出路PALLについても用いられる。なお、図3において矢印は遊技球の流下方向を示す。
本実施の形態においては、右始動口排出路PR0の出口に遊技球振り分け器KR1を設け、この遊技球振り分け器KR1を介して分岐しているが、必ずしも、遊技球振り分け器KR1を設けなければならないという訳ではない。図示しないが、右始動口排出路PR0の出口が遊技球振り分け器を介することなく複数に分岐して、分岐路PR1、分岐路PR2、分岐路PR3の各々の分岐路に分岐する構造を採用しても良い。遊技球振り分け器については後述する。
左始動口排出路PL0も、右始動口排出路PR0と同様に、その入口が左始動口6Lに接続され、その出口が遊技球振り分け器KL1を介して分岐路PL1の入口、分岐路PL2の入口、分岐路PL3の入口に接続されて分岐する。これらの分岐点には遊技球振り分け器KL1を設けているが、上述したように、遊技球振り分け器KL1を必ずしも設ける必要はない。
分岐路PR1及び分岐路PL1の各々の出口は遊技球合流器KC1の入口に接続され、遊技球合流器KC1の出口は分岐路PC1の入口に接続されている。
分岐路PR2及び分岐路PL2及び分岐路PC1の各々の出口は、遊技球振り分け器KC2の入口に接続されている。又、遊技球振り分け器KC2の出口は分岐路PR4、分岐路PC2及び分岐路PL4の各々の入口に接続されている。
分岐路PR4、分岐路PC2、分岐路PL4、分岐路PR3及び分岐路PL3の各々の出口は遊技球合流器KCALLの入口に接続され、遊技球合流器KCALLの出口は合流排出路PALLの入口に接続されている。
本実施の形態の遊技球排出路はこのような構成を有するので、右始動口6Rから入球した遊技球及び左始動口6Lから入球した遊技球は複数の分岐路を通過して種々の流下態様で遊技球排出路中を流下することができる。
例えば、右始動口6Rから入球した遊技球は右始動口排出路PR0を通過した後、分岐路PR3を通過して遊技球合流器KCALLに到達する通過経路、分岐路PR1及び分岐路PC1を通過の後に分岐路PR4、分岐路PC2又は分岐路PL4のいずれか1つの分岐路を通過して遊技球合流器KCALLに到達する通過経路、分岐路PR2を通過の後に分岐路PR4、分岐路PC2又は分岐路PL4のいずれか1つの分岐路を通過して遊技球合流器KCALLに到達する通過経路のいずれの通過経路もとりうる。
同様に、左始動口6Lから入球した遊技球は左始口排出路PL0を通過した後、分岐路PL3を通過して遊技球合流器KCALLに到達する通過経路、分岐路PL1及び分岐路PC1を通過の後に分岐路PR4、分岐路PC2又は分岐路PL4のいずれか1つの分岐路を通過して遊技球合流器KCALLに到達する通過経路、分岐路PL2を通過の後に分岐路PR4、分岐路PC2又は分岐路PL4のいずれか1つの分岐路を通過して遊技球合流器KCALLに到達する通過経路のいずれの通過経路もとりうる。
上述した遊技球排出路の構成は一例示であり、本発明の遊技球排出路の構成はこれに限定されるものではない。
遊技球排出路は上述の構成を有し、遊技球の通過経路は種々であることに基づき、本実施の形態においては、遊技球の遊技球排出路中における流下態様に遊技性を付与している。すなわち、遊技球がどの分岐路を通過するかに応じて可変表示ゲームにおいて、識別情報の変動表示を行う位置を可変としている。この目的を達成するために、本実施の形態では、遊技球が分岐路を通過したことを検出する遊技球検出手段を、特定の分岐路に備えている。
更に、右始動口排出路PR0には右始動口センサSRSAが、左始動口排出路PL0には左始動口センサSLSAが、合流排出路PALLには合流排出路入口センサSALLが、遊技球の通過を検出する遊技球検出手段としてそれぞれ配されている。
以下、説明の必要に応じて、右始動口排出路PR0及び左始動口排出路PL0に設けられる右始動口センサSRSA及び左始動口センサSLSAを始動口センサと総称し、各々の分岐路の入口近傍に配されるセンサを分岐路入口センサと総称し、各々の分岐路の出口近傍に配されるセンサを分岐路出口センサと総称し、分岐路入口センサと分岐路出口センサを分岐路センサと総称し、始動口センサ、分岐路センサ、合流排出路入口センサを排出路センサと総称する。
すなわち、分岐路PR1の入口には分岐路入口センサSRS1iが配され、分岐路PR1の出口には分岐路出口センサSRS1oが配され、分岐路PR2の入口には分岐路入口センサSRS2iが配され、分岐路PR2の出口には分岐路出口センサSRS2oが配され、分岐路PR3の入口には分岐路入口センサSRS3iが配され、分岐路PR3の出口には分岐路出口センサSRS3oが配され、分岐路PR4の入口には分岐路入口センサSRS4iが配され、分岐路PR4の出口には分岐路出口センサSRS4oが配され、分岐路PL1の入口には分岐路入口センサSLS1iが配され、分岐路PL1の出口には分岐路出口センサSLS1oが配され、分岐路PL2の入口には分岐路入口センサSLS2iが配され、分岐路PL2の出口には分岐路出口センサSLS2oが配され、分岐路PL3の入口には分岐路入口センサSLS3iが配され、分岐路PL3の出口には分岐路出口センサSLS3oが配され、分岐路PL4の入口には分岐路入口センサSLS4iが配され、分岐路PL4の出口には分岐路出口センサSLS4oが配され、分岐路PC1の入口には分岐路入口センサSCS1iが配され、分岐路PC1の出口には分岐路出口センサSCS1oが配され、分岐路PC2の入口には分岐路入口センサSCS2iが配され、分岐路PC2の出口には分岐路出口センサSCS2oが配されている。
本実施の形態においては、遊技球がどの分岐路を通過したかに応じて可変表示領域の位置を可変とするものであるので、遊技球が分岐路を通過したことを検出するためには必ずしも、分岐路入口センサと分岐路出口センサの両方を設ける必要もなくその一方だけを設けるものであっても良く、更に、対象とする分岐路のみに分岐路センサを設けるものであっても良く、この目的のために必要とされる分岐路センサ以外は適宜省略できる。
上述した遊技球排出路は、光を透過させるアクリル等の部材で構成されており、背後の液晶表示装置32の映像表示面を遊技者から視認できるようになされている。なお、遊技球排出路は、全部を透明部材で形成するのみならず、液晶表示装置32の映像表示面の必要部分が視認可能となり、同時に分岐路中の遊技球が視認できるような、その一部を透明部材で形成するものであっても良く、更に、不透明部材で形成し、内部の遊技球が視認できる程度の遊技球が脱落しない小穴を設けたもの、例えば金網で形成された筒状のものであっても良い。
遊技球排出路はこのような構成を有するので、透明遊技盤14の表面を流下し、左始動口6L又は右始動口6Rに入球した遊技球は、透明遊技盤14の表面から透明遊技盤14の裏面へと移動し、透明遊技盤14の裏面側において形成された遊技球排出路を流下して排出される。
遊技球振り分け器を代表して、遊技球振り分け器KR1について図16を参照して具体的に説明する。図16は透明遊技盤14の表面側から見た透視図である。透明遊技盤14の裏面は遊技球振り分け器KR1の一部となっている。この遊技球振り分け器は、振り分け器モータ(後述する)以外は光透過部材で構成されているので、遊技者は透明遊技盤14を通して遊技球振り分け器KR1によって振り分けられる遊技球を視認することができる。
図16に示す振り分け器モータKR1MOのモータ外囲部(ステータ)は透明遊技盤14の裏面に固着され、その可動部(ロータ)は直接に又は減速ギヤを介して板部材BBに固着されている。そして、板部材BBは所定の回転数(例えば一回転一秒)で回転するようになされている。
このため、上方から流下する遊技球は、時間の経過に応じて各々の分岐路との相対位置を変える板部材BBに導かれて分岐路PR1、分岐路PR2又は分岐路PR3のいずれかに振り分けられる。
振り分け器モータKR1MO、振り分け器モータKL1MO(図4参照)、振り分け器モータKC2MO(図4参照)の各々にはモータを回転駆動するための巻線コイル(図示せず)が配されており、この巻線コイルにはメインCPU66の割り込み処理により発生された駆動電流波形が、ドライブ回路を介して供給されるようになされている。
又、可動部材は略一秒の周期で規則正しく回転するように設定されているので、確率的には略均一に遊技球を分岐路PR1、分岐路PR2、分岐路PR3に振り分けることができる。なお、分岐路PR1、分岐路PR2、分岐路PR3の各々の分岐路の遊技球が入球する部分の開口面積、分岐路の水平位置からの取り付け角度、板部材BBの動き方を適宜調整することによって、各々の分岐路への遊技球の振り分けの頻度は適宜設定できる。
又、遊技球振り分け器KR1は、可動部材を有することなく、障害釘を遊技球が通過する空間に突出させ、その障害釘の下方に複数の分岐する分岐路を備えるような構成(図示せず)として、障害釘を突出させる位置や数等によって遊技球を各々の分岐路に所望の頻度で誘導できるようにしても良い。
複数の分岐路から遊技球が流れ込む遊技球振り分け器KC2についても図16と略同様の構成が採用でき、分岐路PR2、分岐路PL2及び分岐路PC1を遊技球振り分け器KC2の入口に接続し、分岐路PL4、分岐路PC2、分岐路PR4を遊技球振り分け器KC2の出口に接続することによって複数の分岐路を入口とし複数の分岐路を出口とする遊技球振り分け器を構成できる。
この場合には、遊技球が流入する遊技球振り分け器KC2の入口に接続される分岐路は水平位置から上方に傾けて上方から遊技球が流下するようにし、遊技球が流出する遊技球振り分け器KC2の出口に接続される分岐路は水平位置から下方に傾けて下方に遊技球が流れ出すようにすることにより遊技球を滞りなく流下させることができる。
遊技球合流器を代表して、遊技球合流器KC1について図17を参照して説明する。図17は透明遊技盤14の表面側からの透視図であり、透明遊技盤14は紙面の手前側に配されており、透明遊技盤14の裏面は遊技球合流器KC1の一部となっている。分岐路PR1、分岐路PL1から流入した遊技球は、自由落下をして遊技球合流器KC1の入口から入球し、遊技球合流器KC1を介してその出口に接続された分岐路PC1へと流下する。
遊技球排出路中の遊技球を検知する遊技球検出手段である分岐路センサを代表して、分岐路PR1に配される分岐路入口センサSRS1iについて図16を参照して説明する。分岐路PR1の外側(遊技球の流下しない側)の側面には光ビームを発射する発光素子SRS1iH(例えばL.E.D )が配され、発光素子SRS1iHが配される側面に対抗する他の外側の側面には、受光素子SRS1iJ(例えば、Photo Detector)が配されている。遊技球が発光素子SRS1iHと受光素子SRS1iJとの間を通過すると、発光素子SRS1iHからの光ビームは遮られて受光素子SRS1iJにおける電気信号の出力レベルは低下するので、電気信号のレベル変化を検出して遊技球が分岐路PR1を通過したことを検知できる。
このように、発光素子SRS1iH及び受光素子SRS1iJは分岐路入口センサSRS1iを構成し、発光素子SRS2iH及び受光素子SRS2iJは分岐路入口センサSRS2iを構成し、発光素子SRS3iH及び受光素子SRS3iJは分岐路入口センサSRS3iを構成し、発光素子SRSAH及び受光素子SRSAJは右始動口センサSRSAを構成する。又、同様な発光素子と受光素子によって他の排出路センサも同様に構成されている。
(パチンコ遊技機の電気的構成)
本実施の形態に係るパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図4に示す。
図示するように、遊技制御手段としての主制御回路60は、メインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、本実施の形態では、識別情報の変動表示及び停止表示を行う可変表示ゲームの処理がメインCPU66で行われるとともに、識別情報の変動表示の位置及び停止表示(導出表示)の位置を決定する変動表示位置決定処理の実行がメインCPU66で行われ、可変表示ゲーム実行手段の一部を構成するとともに、変動表示位置決定手段の一部を構成する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラム、特に、本実施の形態では、可変表示ゲームを実行するためのプログラム及び変動表示位置決定処理を実行するためのプログラムが記憶されており、各々可変表示実行手段の一部及び変動表示位置決定手段の一部を構成している。その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
本実施の形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。又、本実施の形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用しても良い。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、可変表示ゲーム、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ、等が存在する。又、後述する副制御回路200に供給するための変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンド等を格納する領域としてコマンド記憶領域が設けられている。ここで、本実施の形態では、変動パターン指定コマンドは、変動態様を特定するデータを含むものであり、具体的には後述するが、図9のステップS109の変動パターン決定処理で決定された変動パターン及び図13の変動表示位置決定処理において決定された変動表示が行われる位置のデータを含むものである。又、導出図柄指定コマンドは、停止表示(導出表示)する導出図柄を特定するためのデータを含むものであり、具体的には後述するが、図9のステップS107の大当たり図柄の決定、又はステップS108のはずれ図柄の決定で決定された導出図柄を含むものである。これらの情報を記憶するメインRAM70は変動表示位置決定手段の一部を構成し、更に、可変表示ゲーム実行手段の一部を構成する。
制御状態フラグは、可変表示ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。
大当たり判定用乱数カウンタは、可変表示ゲームの大当たりを判定するためのものである。大当たり図柄決定用乱数カウンタは、可変表示ゲームで大当たりを判定した場合に、停止表示される大当たりに係る識別情報としての図柄(以下「特別図柄」という)を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当たりではない場合に停止表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次"1"増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、本実施の形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを"1"増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。又、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。又、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口8を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施の形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当たり遊技状態における大入賞口8の開放回数、すなわちラウンド数を示すものである。又、大入賞口入賞カウンタは、大入賞口8の開放中に大入賞口8に入賞し、Vカウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、可変表示ゲームにおける保留個数を示すデータは、左始動口6L又は右始動口6Rに遊技球が入球したが、識別情報の可変表示が実行できないときに、当該可変表示を保留する。更には、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータは、左通過球検出ゲート55L、右通過球検出ゲート55Rに遊技球が通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄の変動表示を保留するが、その保留されている普通図柄の変動回数を示すものである。
又、メインRAM70には、特別図柄記憶領域、普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
特別図柄記憶領域は、可変表示ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)がある。特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。又、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータが記憶されている。又、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないこととなる。又、現在の識別情報の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄領域(1)から(4)にある保留処理が次々と特別図柄領域(0)に送られて消化され特別図柄記憶領域の更新が行われる。一方、普通図柄記憶領域に関しても、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域(0)から普通図柄記憶領域(4)がある。又、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域の更新制御が行われる。
なお、本実施の形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
又、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。又、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
又、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図4に示すように、Vカウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞口センサ106、大入賞口センサ107、通過球センサ114L、通過球センサ114R、右始動口センサSRSA、左始動口センサSLSA、分岐路入口センサSRS1i、分岐路出口センサSRS1o、分岐路入口センサSRS2i、分岐路出口センサSRS2o、分岐路入口センサSRS3i、分岐路出口センサSRS3o、分岐路入口センサSRS4i、分岐路出口センサSRS4o、分岐路入口センサSLS1i、分岐路出口センサSLS1o、分岐路入口センサSLS2i、分岐路出口センサSLS2o、分岐路入口センサSLS3i、分岐路出口センサSLS3o、分岐路入口センサSLS4i、分岐路出口センサSLS4o、分岐路入口センサSCS1i、分岐路出口センサSCS1o、分岐路入口センサSCS2i、分岐路出口センサSCS2o、合流排出路入口センサSALLが接続されており、更に、振り分け器モータKR1MO、振り分け器モータKL1MO及び振り分け器モータKC2MOの振り分け器モータ、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
ここで、前記Vカウントセンサ102は、大入賞口8におけるVゾーン内に設けられている。このVカウントセンサ102は、大入賞口8におけるVゾーンを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口8におけるVゾーンとは異なる一般入球ゾーンに設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口8における一般入球ゾーンを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞口センサ106は、一般入賞口5に設けられている。この一般入賞口センサ106は、各一般入賞口5を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
大入賞口センサ107は、大入賞口8に設けられている。この大入賞口センサ107は、大入賞口8を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114L、通過球センサ114Rは、左通過球検出ゲート55L、右通過球検出ゲート55Rにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114Lは左通過球検出ゲート55Lを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給し、通過球センサ114Rは右通過球検出ゲート55Rを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
左始動口センサSLSAは、左始動口6Lに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給し、右始動口センサSRSAは、右始動口6Rに遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
分岐路入口センサSRS1i、分岐路出口センサSRS1o、分岐路入口センサSRS2i、分岐路出口センサSRS2o、分岐路入口センサSRS3i、分岐路出口センサSRS3o、分岐路入口センサSRS4i、分岐路出口センサSRS4o、分岐路入口センサSLS1i、分岐路出口センサSLS1o、分岐路入口センサSLS2i、分岐路出口センサSLS2o、分岐路入口センサSLS3i、分岐路出口センサSLS3o、分岐路入口センサSLS4i、分岐路出口センサSLS4o、分岐路入口センサSCS1i、分岐路出口センサSCS1o、分岐路入口センサSCS2i、分岐路出口センサSCS2o、合流排出路入口センサSALLは、各々、遊技球が通過したことを検出して所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球振り分け器KL1に用いられる振り分け器モータKL1MO、遊技球振り分け器KR1に用いられる振り分け器モータKR1MO、遊技球振り分け器KC2に用いられる振り分け器モータKC2MOは、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて駆動される。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して左始動口6L及び右始動口6Rに付設された可動片58L及び可動片58Rに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、可動片58L及び可動片58Rを開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、大入賞口8を開閉するシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口8を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40の内側に設けられている図示しないシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、遊技球が前記Vゾーンを通過しやすくなるように、又は前記一般入球ゾーンを通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有するものである。
又、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、賞球となる遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。又、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
又、前記発射装置130には、上述した発射用ソレノイド(あるいは発射用モータ)、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L、スピーカ46Rから発生させる音声に関する制御、各種ランプ132の制御等を行うものである。
なお、本実施の形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
演出表示制御手段としての副制御回路200は、遊技領域15に対する表示制御を行う表示制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R、スピーカ46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、各種ランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されており、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。特に、サブCPU206は、液晶表示装置32に対する表示制御を行うとともに、前記演出表示制御手段をはじめ、後述する各種の手段として機能することとなる。特に、本実施の形態では、サブCPU206は、変動表示領域に識別情報を表示させる指令である変動パターン指定コマンド及び停止表示領域に識別情報を表示させる指令である導出図柄指定コマンドを、メインCPU66から受け取りワークRAM210の所定の領域にセットして、可変ゲーム実行手段の一部を構成する。
前記プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されている。特に、本実施の形態では、メインCPU66からの変動パターン指定コマンドをサブCPU206が受けて、液晶表示装置32に変動する画像を表示するまでの処理手順のプログラムが記憶されるとともに、メインCPU66からの導出図柄指定コマンドをサブCPU206が受けて、液晶表示装置32に停止図柄を表示するまでの手順のプログラムが記憶されており、プログラムROM208及びプログラムROM208に記憶された変動表示の処理手順のプログラムは可変表示ゲーム実行手段の一部を構成する。その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
又、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。副制御回路200による演出表示は、識別情報の変動表示を含む可変表示ゲームの進行に応じて実行される。
なお、本実施の形態に係る副制御回路200において、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。更に、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
更に又、本実施の形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200とを別々に構成したが、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。本実施の形態では、ワークRAM210は、メインCPU66から受信した可変表示ゲームに関係する変動パターン指定コマンドや、導出図柄指定コマンドを一時的に記憶し、可変表示ゲーム実行手段の一部を構成する。
なお、本実施の形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、表示制御手段としてのVDP(画像データプロセッサ)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。表示制御回路250は、液晶表示装置32に画像を表出させ変動表示領域を形成するための信号発生機能を有しており、本実施の形態では、変動表示領域を形成する表示手段の一部を構成する。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。又、VDP212には、液晶表示装置32を用いることにより表示可能となる他の領域に画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで表示可能領域に画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ、大当たり履歴表示を行う枠データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。本実施の形態では、遊技球が通過した分岐路に応じた変動表示領域において表示される識別情報の変動パターン及び停止表示(導出表示)される導出図柄が画像データROM216に記憶されており、可変表示ゲーム実行手段の一部を構成する。
又、VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、識別情報を示す識別情報画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ、背景画像データ、演出画像データ、遊技球の排出経路を示すデータ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。更に、このVDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32へ送出して液晶表示面上に画像を表示する。
又、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するためのAMP(増幅器)236から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46L、スピーカ46Rから発生させる音声の制御を行う。
サブCPU206は、演出パターンを選択し、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。その後、サブCPU206は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音源IC232に供給する。音声データを受け取った音源IC232は、その音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ46L、スピーカ46Rから音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。
(遊技機の動作)
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図5〜図13に示す。又、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図7)の状態遷移について図8を用いて説明する。
(メイン処理)
最初に、図5に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図7を用いて後述するが、可変表示ゲームの進行、可変表示領域に表示される識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
(システムタイマ割込処理)
又、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図6を用いて説明する。
最初に、図6に示すように、メインCPU66は、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を"1"増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。
そして、詳しくは図10を用いて後述するが、左始動口6L、右始動口6R、左通過球検出ゲート55L、右通過球検出ゲート55R、一般入賞口5、遊技球排出路センサ等の出力信号に基づき、遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を賞球として払出す旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。
そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口8の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。
そして、可動部材を用いる遊技球振り分け器KR1等に用いられている振り分け器モータKR1MO等を駆動するための信号を発生する振り分け器モータ制御処理を実行する(ステップS45)。
そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。
そして、遊技球がどの分岐路を通過したかを検出して、表示可能領域のどの位置で識別情報の変動表示又は停止表示を行うかの処理である変動表示位置決定処理を行う(ステップS47)。この処理の詳細は後述する。
そして、コマンド出力処理を実行する(ステップS48)。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、停止表示領域内の左列、中列、右列に導出表示される識別情報の表示結果を示す導出図柄指定コマンド、変動表示領域内の左列、中列、右列に変動表示される識別情報の表示態様を示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。
この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。又、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。
上述のすべての処理が終了した場合には、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。なお、割り込み処理中に実行されるサブルーチンの実行時間も含んだ処理時間の最長となる合計処理時間は、割り込み周期(例えば、2ミリ秒)に対して十分少ない時間にして余裕を持たせ、割り込み処理及び特別図柄制御処理(ステップS15)が円滑に行えるようになされている。
(特別図柄制御処理)
図5のステップS15において実行されるサブルーチンについて図7を用いて説明する。なお、図7において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、可変表示ゲームが進行することとなる。
最初に、図7に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
なお、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、可変表示ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。又、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図9を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当たり判定、停止表示された導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。又、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば一秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当たりか否かを判断する。メインCPU66は、大当たりである場合に、大当たり開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。従って、ステップS74を実行するメインCPU66は、可変表示領域における識別情報の可変表示の結果が特定の識別情報の組合せとなったことを条件として遊技者に有利な大当たり遊技状態への制御を行うこととなる。一方、メインCPU66は、大当たりではない場合に、可変表示ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当たり開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口8を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド遊技間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを"1"増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが"10"以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが"0"である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口8を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば一秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口8における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが"15"以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当たり終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。又、メインCPU66は、ラウンド遊技間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド遊技間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当たり終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示す値(07)であり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、可変表示ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、可変表示ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが可変表示ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータを"1"減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域に記憶する。又、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、可変表示ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図8に示すように、大当たり遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを"00"、"01"、"02"、"08"と順にセットすることにより、図7に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。又、メインCPU66は、大当たり遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、制御状態フラグを"00"、"01"、"02"、"03"と順にセットすることにより、図7に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当たり遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、大当たり遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを"04"、"05"、"06"と順にセットすることにより、図7に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。なお、特定遊技が実行されている場合において、大当たり遊技状態の終了条件(大当たり遊技終了条件)が成立した場合には、"04"、"05"、"07"、"08"と順にセットすることにより、図7に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、大当たり遊技状態を終了することとなる。なお、この特定遊技終了条件には、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、又は、ラウンド遊技最大継続数(本実施の形態においては15回)が終了したことを条件として大当たり遊技状態を終了することとなる。
(特別図柄記憶チェック処理)
図7のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図9を用いて説明する。
最初に、図9に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が"0"であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが"0"であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが"0"であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大当たり判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAが遊技球の通過を検出した時に抽出された大当たり判定用乱数値と、メインROM68の所定領域に記憶された大当たり判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当たり遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当たりであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当たりであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当たりであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107においては、大当たり図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAが遊技球の通過を検出した時に抽出された大当たり図柄用乱数値を抽出し、その大当たり図柄用乱数値に基づいて、停止表示領域の左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示す導出図柄指定コマンドに含まれることとなるデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された停止表示領域内の左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図6のステップS48の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止させる識別情報の導出図柄指定コマンドの内容として供給される。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄決定用乱数カウンタからはずれ図柄決定用乱数値を抽出し、そのはずれ図柄決定用乱数値に基づいて停止表示領域の左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示す導出図柄指定コマンドに含まれることとなるデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された停止表示領域内の左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図6のステップS48の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止させる識別情報の導出図柄指定コマンドの内容として供給される。
なお、メインCPU66は、左列と右列とが同じ識別情報となり、更には、左列と中列とが同じ識別情報となる場合には、中列の識別情報を、所定のコマ数(例えば3コマ)だけ補正するように決定し、大当たりにならないように制御している。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された変動表示領域内の左列、中列、右列の識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターン指定コマンドに含まれることとなる変動パターンを示すデータを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。又、後述するが、図13に示す変動表示位置決定処理にて決定された変動表示領域を示すデータも、変動パターン指定コマンドに含まれるデータとしてメインRAM70の所定領域に記憶される。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
なお、このように記憶された変動パターンを示すデータは、図6のステップS48のコマンド出力処理において、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドの内容として供給される。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルとに基づいて、変動演出時間を算出し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(入力検出処理)
図6のステップS43において実行されるサブルーチンについて図10を用いて説明する。
最初に、図10に示すように、メインCPU66は、賞球関連センサ、排出路センサチェック処理を実行する(ステップS231)。この処理において、メインCPU66は、賞球に関連するセンサであるVカウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞口センサ106、左始動口センサSLSA、右始動口センサSRSAの状態を検出する。又、そして、これら所定の信号の検出処理を行ったメインCPU66は、信号を供給したセンサに応じて、賞球の数を決定し、メインRAM70に記憶する。又、すべての分岐路センサを含む排出路センサの状態を検出し、排出路センサ毎に設けられたメインRAM70の所定の記憶領域にセンサの状態を割り込み周期毎に上書きする。なお、遊技球の通過した分岐路に応じた変動表示又は停止表示をする目的のみであれば、この目的のために必要な分岐路センサのみの状態をメインRAM70に書き込めば十分である。
この処理が終了した場合には、ステップS232に処理を移す。ステップS232においては、特別図柄関連センサ入力処理を実行する。詳しくは図11を用いて後述する。この処理が終了した場合には、ステップS233に処理を移す。
ステップS233においては、普通図柄関連センサ入力処理を実行する。この処理において、通過球センサ114L、通過球センサ114Rは、所定の検知信号をメインCPU66に供給する。これら所定の信号を受け取ったメインCPU66は、普通図柄の始動記憶等の処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(特別図柄関連センサ入力処理)
図10のステップS232において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明する。
最初に、図11に示すように、カウントセンサ入力があるか否かの判断を行う(ステップS261)。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104から供給される所定の信号に応じて、カウントセンサ入力があると判別した場合には、大入賞口入賞カウンタを"1"増加させるように記憶更新するカウントセンサ検出時処理を実行する(ステップS262)。一方、メインCPU66は、カウントセンサ入力があると判別しなかった場合には、ステップS263に処理を移す。
ステップS263においては、Vカウントセンサ入力があるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、Vカウントセンサ102から供給される所定の信号に応じて、Vカウントセンサ入力があると判別した場合には、特定領域を通過した旨のフラグを成立させるとともに大入賞口入賞カウンタを"1"増加させるように記憶更新するVカウントセンサ検出時処理を実行する(ステップS264)。一方、メインCPU66は、Vカウントセンサ入力があると判別しなかった場合には、ステップS265に処理を移す。ステップS265においては、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAからの入力があった(遊技球の通過を検出した)か、否かの判断を行う。メインCPU66は、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAからの入力があったと判別した場合には、ステップS266に処理を移し、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAからの入力があったと判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS266においては、始動口センサ検出時処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAからの入力を受けることにより可変表示ゲームに必要な処理を順次行うこととなる。
(始動口センサ検出時処理)
図11のステップS266において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPU66は、始動記憶数カウンタから始動記憶数(所謂、上述した「保留個数を示すデータ」)を読み出し、始動記憶数が"4"以上であるか否かの判断を行う(ステップS501)。なお、本実施の形態では保留個数は、"4"以上であるか否かが判断される。この処理において、メインCPU66は、始動記憶数が"4"以上であると判別した場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、保留個数が上限数に至っている場合には、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAからの入力があっても、始動記憶情報の記憶を行うことなく、本サブルーチンを終了することとなる。一方、メインCPU66は、始動記憶数が"4"より小さいと判別した場合には、始動記憶数カウンタを"1"増加させ(ステップS502)、ステップS503に処理を移す。
ステップS503においては、メインCPU66は、大当たり判定用乱数カウンタから大当たり判定用乱数値を抽出し、大当たり図柄決定用乱数カウンタから大当たり図柄用乱数値を抽出する。そして、メインCPU66は、抽出した大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値をメインRAM70の所定領域に始動記憶情報として記憶する(ステップS504)。このように記憶された大当たり判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値を示すデータは、図9のステップS105等の処理においてメインCPU66により読み出され、大当たりであるか否かが判断され、導出表示させる識別情報の種類が決定されることとなる。このように、メインCPU66は、右始動口センサSRSA又は左始動口センサSLSAからの入力を発生したが、所定の可変表示保留条件が成立した場合に、その識別情報の可変表示が実行できる所定の可変表示開始条件が成立するまで、その識別情報の可変表示の結果を決定するための始動記憶情報を、所定数を上限として記憶することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンは終了する。
(変動表示位置決定処理)
本実施の形態は、始動口に入球した遊技球がどの分岐路を通過したかによって前記可変表示ゲームにおける識別情報の変動表示領域を決定することに特徴を有し、この処理については変動表示位置決定処理が行う。すなわち、変動表示位置決定処理は、処理の実行を行うメインCPU66が主として変動表示位置決定手段として機能するものであり、分岐路に設けられた前記遊技球検出手段からの検出結果に応じて、複数の変動表示領域のうちからいずれか1の変動表示領域を選択することによって変動表示領域を決定するものである。その最も簡単な方法は、例えば、左始動口6Lから遊技球が入球する場合には表示可能領域の左側部分を変動表示領域と決定して、その位置において可変表示ゲームを行い、右始動口6Rから遊技球が入球する場合に表示可能領域の右側部分を変動表示領域と決定して、その位置において可変表示ゲームを行うようにすることである。
しかしながら、このような変動表示領域の選択の方法は、意外性に乏しい。すなわち、始動口に入球した時点で、左始動口又は右始動口のいずれに入球したかが遊技者に直ぐに分かるので、ゲーム性に乏しい。そこで、本実施の形態では、分岐路PL3を遊技球が通過した場合には、表示可能領域の左側に位置する変動表示領域32aL(図15(A)を参照)で可変表示ゲームを行い、分岐路PR3を遊技球が通過した場合には、表示可能領域の右側に位置する変動表示領域32aR(図2を参照)で可変表示ゲームを行い、分岐路PC2、分岐路PL4、分岐路PR4を遊技球が通過した場合には表示可能領域の中央に位置する変動表示領域32aC(図15(B)を参照)で可変表示ゲームを行うこととした。すなわち、遊技球が左始動口6Lに入球した遊技球しか通過しない分岐路を通過した場合には、変動表示領域32aLで可変表示ゲームを行い、遊技球が右始動口6Rに入球した遊技球しか通過しない分岐路を通過した場合には、前記変動表示領域32aRで可変表示ゲームを行い、遊技球がどちらの始動口に入球した遊技球も通過することのできる分岐路を通過した場合には、変動表示領域32aCで可変表示ゲームを行うこととした。
そのため、可変表示ゲームが表示される位置が一定ではなく多様な位置で表示されることになり、遊技者を飽きさせることがなく、更に、分岐路を流下する遊技球の動きと可変表示ゲームの表示とが連携しているので一層大きなインパクトを与えることができる。
また、このような選択を行うことにより、左始動口6Lに入球した遊技球及び右始動口6Rに入球した遊技球のいずれもが、分岐路PL3、分岐路PL4、分岐路PR3、分岐路PR4、分岐路PC2のいずれかを通過するので左始動口6Lに入球した遊技球及び右始動口6Rに入球した遊技球のすべてを逃さず可変表示ゲームを行うことができ、更に、同一の遊技球は上述の分岐路のいずれか1つしか通過しないので、同じ遊技球について2回以上、変動表示を行うこともない。なお、遊技球が通過する分岐路と表示可能領域における変動表示領域との上述の関係は、一例に過ぎず、この他のどのような関連付けであっても良い。
ここで、分岐路PL3、分岐路PL4、分岐路PR3、分岐路PR4、分岐路PC2における遊技球の通過は、各々の分岐路入口センサによって検出したが、分岐路入口センサに替えて分岐路出口センサによっても検出することができる。
(変動表示位置決定処理)
このような変動表示位置決定処理は、図6のステップS47で呼び出されるものであり、図13を用いて説明する。
まず、ステップS1101の処理内容の説明をする。図10のステップS231での賞球関連センサ、排出路センサチェック処理において、メインRAM70の所定の記憶領域に必要とされる排出路センサの状態が割り込み周期毎に上書きされているので、メインCPU66はメインRAM70の記憶内容に基づき分岐路入口センサSLS3iからの入力が有った(遊技球の通過を検出した)か、否かを判断する(ステップS1101)。分岐路入口センサSLS3iからの入力が有った場合には、変動表示領域32aLにおいて可変表示ゲームを行うことを示すデータを、前述した変動パターン指定コマンドに含まれるデータとして、メインRAM70の今回の始動入賞に対応する始動記憶領域に書き込み、処理は終了する(ステップS1102)。一方、分岐路入口センサSLS3iからの入力が無かった場合には、処理をステップS1103に移す。
そして、ステップS1103では、ステップS231での賞球関連センサ、排出路センサチェック処理に基づいて、分岐路入口センサSRS3iからの入力が有った(遊技球の通過を検出した)か、否かを判断する。分岐路入口センサSRS3iからの入力が有った場合には、変動表示領域32aRにおいて可変表示ゲームを行うことを示すデータを、変動パターン指定コマンドに含まれるデータとして、メインRAM70の今回の始動入賞に対応する始動記憶領域に書き込み、処理は終了する(ステップS1104)。一方、分岐路入口センサSRS3iからの入力が無かった場合には、処理をステップS1105に移す。
そして、ステップS1105では、ステップS231での賞球関連センサ、排出路センサチェック処理に基づいて、分岐路入口センサSCS2i、分岐路入口センサSLS4i又は分岐路入口センサSRS4iからの入力が有った(遊技球の通過を検出した)か、否かを判断する。分岐路入口センサSCS2i、分岐路入口センサSLS4i又は分岐路入口センサSRS4iからの入力が有った場合には、変動表示領域32aCにおいて可変表示ゲームを行うことを示すデータを、変動パターン指定コマンドに含まれるデータとして、メインRAM70の今回の始動入賞に対応する始動記憶領域に書き込み、処理は終了する(ステップS1106)。一方、分岐路入口センサSCS2i、分岐路入口センサSLS4i又は分岐路入口センサSRS4iからの入力が無かった場合には、本サブルーチンの処理を終了する。
上述してきたように、可変表示ゲームを行う変動表示領域を示すデータがメインRAM70の始動記憶領域に書き込まれたことにより、後述する図14のステップS301において、始動記憶領域の記憶内容に基づき構成される変動パターン指定コマンドを受け取ったサブCPU206は、いずれの変動表示領域において可変表示ゲームを行うかの変動パターンをワークRAM210の所定領域にセットすることができる。
(副制御回路の動作)
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンドを受信し、図14に示すようなコマンド受信処理を実行することとなる。本実施の形態では、特に変動パターン指定コマンド及び導出図柄指定コマンドを受信した場合の処理が重要であるので、これらのコマンドを受信したときの処理について説明をする。
(コマンド受信処理)
最初に、図14に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS301)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS302に処理を移す。一方、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信しなかったと判別した場合には、ステップS303に処理を移す。
ステップS302では、変動パターン指定コマンドの内容、すなわち、図9に示すステップS109において、変動パターン指定コマンドの内容の一部としてメインRAM70に書き込まれた変動パターンを示すデータ、及び図13に示すステップS1102、ステップS1104又はステップS1106において、変動パターン指定コマンドの内容の他の一部としてメインRAM70に書き込まれた変動表示を行う位置を示すデータを、ワークRAM210の所定領域にセットして本サブルーチンを終了する。
そして、サブCPU206は、ワークRAM210にセットされた上述のデータに基づいて、表示可能領域内の所定の位置に変動表示領域を形成する。
より具体的には、サブCPU206は、ワークRAM210にセットされた変動パターンを示すデータと変動表示を行う位置を示すデータとに基づいて画像データROM216の所定のアドレスに記憶されている画像データをVDP212のビデオRAMに転送し、液晶表示装置32の指定された位置に指定された変動パターンが変動表示される。
ステップS303では、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS304に処理を移す。一方、サブCPU206は、主制御回路60から導出図柄指定コマンドを受信しなかったと判別した場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS304では、導出図柄指定コマンドの内容、すなわち、図9に示すステップS107又はステップS108において、導出図柄指定コマンドの内容の一部としてメインRAM70に書き込まれた導出図柄を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットして本サブルーチンを終了する。
そして、サブCPU206は、ワークRAM210にセットされた上述のデータに基づいて、識別情報の変動表示の結果を所定の停止表示領域に表示する。
より具体的には、ワークRAM210にセットされた導出図柄を示すデータが指し示す画像データROM216の所定のアドレスに記憶されている画像データをVDP212のビデオRAMに転送し、液晶表示装置32の指定された位置に指定された導出図柄(停止図柄)が停止表示される。なお、本実施の形態においては停止表示領域と変動表示領域とは同一の領域となるようにしたので、停止表示を指定する位置は変動パターン指定コマンドの解析結果が引き継がれている。
ステップS305において、サブCPU206は、その他の受信したコマンドに対応する制御を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施の形態においては、変動表示が行われた後の停止表示が行われる停止表示領域については、変動表示領域と同じ領域としたが、上述した様に変動パターン指定コマンドと導出図柄指定コマンドにおいてそれらを表示する位置を異ならせるように指定をすることによって、両者を異なる領域に表示することもできる。
(遊技球の通過する分岐路に応じた変動表示の実行画面)
本発明の特徴となる可変表示ゲームに関する変動表示の実行画面について、図2及び図15を用いて説明する。
まず、始動口に入球した遊技球が、右始動口6Rに入球した遊技球しか通過しない分岐路を通過した場合について、図2を用いて説明する。
このような場合、変動表示位置決定手段として機能するメインCPU66は、可変表示ゲームにおける識別情報の変動表示を変動表示領域32aRで行うことを決定し、サブCPU206に変動パターン指定コマンドを送り、図2において変動表示領域32aRとして示すように、表示可能領域の右側に位置する領域で可変表ゲームを行う。
次に、始動口に入球した遊技球が、左始動口6Lに入球した遊技球しか通過しない分岐路を通過した場合について、図15(A)を用いて説明する。
このような場合、変動表示位置決定手段として機能するメインCPU66は、可変表示ゲームにおける識別情報の変動表示を変動表示領域32aLで行うことを決定し、サブCPU206に変動パターン指定コマンドを送り、図15(A)において変動表示領域32aLとして示すように、表示可能領域の左側に位置する領域で可変表ゲームを行う。
次に、始動口に入球した遊技球が、どちらの始動口に入球した遊技球も通過することのできる分岐路を通過した場合について、図15(B)を用いて説明する。
このような場合、変動表示位置決定手段として機能するメインCPU66は、可変表示ゲームにおける識別情報の可変表示を前記変動表示領域32aCで可変表示ゲームを行うことを決定し、サブCPU206に変動パターン指定コマンドを送り、図15(B)において変動表示領域32aCとして示すように、表示可能領域の中央部に位置する領域で可変表示ゲームを行う。
このように、始動口に入球した遊技球が通過した分岐路に応じて、可変表示ゲームを行う変動表示領域を様々に変化させることができるので、可変表示ゲームが表示される位置が一定ではなく多様な位置で表示されることになり、遊技者を飽きさせることがなく、更に、分岐路を流下する遊技球の動きと可変表示ゲームの表示とが連携しているので一層大きなインパクトを与えることができる。
なお、変動表示領域は、上述の、変動表示領域32aL、変動表示領域32aC、変動表示領域32aRとして示した領域に限らず、表示可能領域内であれば、図15(C)に示すように、遊技球が通過した分岐路の背後である位置に変動表示領域32aPL3を形成することもできる。この場合には、図13のステップS1104において、メインCPU66は分岐路入口センサSLS3iからの入力が有った場合に、ステップS1105において、変動表示領域32aPL3において可変表示ゲームを行うこと、すなわち、変動表示領域32aPL3において変動表示する変動パターンであることをメインRAM70の始動記憶領域に書き込み、図14のステップS301において変動パターン指定コマンドを受信することによって、図15(C)に示すように位置において変動表示を行うことが可能となる。
このように、可変表示ゲームにおける識別情報の可変表示を、始動口に入球した遊技球が通過した分岐路の背後において行うようにすれば、可変表示ゲームが行われる表示位置を様々に変化させて遊技者を飽きさせることがない可変表示ゲームを行うことができることはもちろんのこと、遊技球が通過した分岐路と可変表示ゲームが行われる表示位置とに相関を持たせることができ、始動口に入球した遊技球がどの分岐路を通過したかについて、遊技者にわかりやすく知らしめることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、ここでは具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本実施の形態は主として、発射された遊技球を上部側から下部側へ流下案内可能とし、一部又は全部が透明部材により形成された遊技盤と、遊技盤の裏面側に配設され、遊技盤の表面側より特定入賞口に入球した遊技球を通過させる、その通路内の一部又は全部が視認可能に形成されたものであって、その途中から複数に分岐された複数の分岐路を有する遊技球排出路と、分岐路のうちの少なくとも1以上に備えられ、遊技球が分岐路を通過したことを検出する遊技球検出手段と、遊技盤及び遊技球排出路の背後に識別情報の変動表示を行う変動表示領域を形成する表示手段と、特定入賞口に入球したことを検出する特定入賞口入賞検出手段と、特定入賞口入賞検出手段による検出を契機として変動表示領域にて識別情報を変動表示させ、変動結果に応じて遊技状態を変更可能とした可変表示ゲーム実行手段と、遊技球の通過が検出された遊技球検出手段に応じて識別情報の変動表示を行う位置を決定する変動表示位置決定手段と、を備えたことを特徴とする遊技機であるが、遊技盤、遊技球排出路、遊技球検出手段、表示手段、特定入賞口入賞検出手段、可変表示ゲーム実行手段、変動表示位置決定手段は、本実施の態様に限られるものではない。
又、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものでもない。