JP2006042900A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転アダプタの動作状態等を把握して、回転アダプタを効率良く制御可能な内視鏡を実現する。
【解決手段】内視鏡は、体腔内に挿入可能な挿入部21と、この挿入部21の先端側に設け、外周に形成した螺旋状部54が体腔内管路の内壁に当接して回転することにより推進力を発生する回転アダプタ14とを具備して構成されている。内視鏡は、回転アダプタ14の少なくとも回転部分の一部が挿入部21の先端部に設けられた観察窓の観察視野範囲内に入るよう回転アダプタ14を配置して構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、挿入部を体腔内の目的部位に到達させるための推進力を発生する回転アダプタを備えた内視鏡に関する。
近年、内視鏡は、工業用や医療用に広く用いられている。医療用内視鏡は、体腔内に細長な挿入部を挿入することで、体腔内の臓器等を観察したり、必要に応じて処置具挿入用チャンネル内に挿入した処置具を用いて、各種治療処置ができるようになっている。
一般的に、細長な挿入部を有する内視鏡では、上記挿入部の先端側に湾曲部が設けられている。上記湾曲部は、この湾曲部を構成する湾曲駒に接続されている湾曲操作ワイヤを進退させることによって、例えば上下方向/左右方向に湾曲動作するように構成されている。上記湾曲操作ワイヤの進退は、術者が操作部に設けられている例えば湾曲ノブを回動操作することによって行える。
上記挿入部を複雑に入り組んだ体腔内である、例えば大腸などのように360°のループを描く管腔に挿入する際、術者は、湾曲ノブを操作して湾曲部を湾曲動作させるとともに、挿入部を捻り操作しながら、上記挿入部の先端部を観察目的部位に向けて導入していく。
しかしながら、複雑に入り組んだ大腸の深部まで挿入部を導入させる際、患者に苦痛を与えることなく、スムーズに、短時間で目的部位までの導入を行えるようになるまでには熟練を要する。このため、挿入部の導入性を向上させるための提案が各種なされている。
例えば、特開平10−113396号公報には、生体管の深部まで容易に且つ低侵襲で医療機器を誘導し得る推進装置が示されている。この推進装置では、回転部材に、この回転部材の軸方向に対して斜めのリブが設けてある。従って、推進装置は、回転部材を回転動作させることにより、回転部材の回転力がリブによって推進力に変換される。すると、この推進装置に連結されている医療機器は、上記推進力によって深部に向かって移動される。
また、特開2001−179700号公報には移動可能なマイクロマシン及びその移動制御システムが開示されている。このマイクロマシンは、外部回転磁界よって微小磁石に働く磁気トルクを利用した、磁気力を駆動源とする磁気マイクロマシンである。この磁気マイクロマシンでは、エネルギー供給のためのケーブルを必要とせず、ケーブルや電源等の制約から離れ、シンプルな構造で所望の運動が実現される。そして、このマイクロマシンは、静水中や流水中で良好な移動特性を示すことから医用マイクロロボットへの応用において極めて有望であることが判明している。
また、特開2003−260026号公報には患者に抵抗感を与えず、小型で取り扱い易い医療用磁気誘導装置が示されている。この医療用磁気誘導装置では、磁界発生部が形成する回転磁界により、磁石を設けたカプセル型医療機器である内視鏡やカテーテル、ガイドワイヤ等の挿入部を磁気的に誘導するようになっている。
上記特開2003−260026号公報、特開2001−179700号公報及び特開平10−113396号公報等の記載から図36に示す構成の内視鏡装置を容易に想到することができる。
図36に示す内視鏡装置は、内視鏡100と、この内視鏡100の挿入部101の先端部102に取り付けられる回転アダプタ103と、この回転アダプタ103を回転させる図示しない医療用磁気誘導装置とを備えて構成されている。上記回転アダプタ103は、内部に図示しない磁石が設けられ、外周面には螺旋形状部104が設けられている。
図37に示すように回転アダプタ103を矢印Aに示す回転磁界中に配置させることによって、回転アダプタ103が挿入部101に対して矢印B方向に回転される。
これにより、回転アダプタ103は、挿入部101を例えば、大腸などの体腔内管腔に挿入した状態において、外部から回転磁界を発生させて回転磁界中に配置した場合、回転状態になる。回転アダプタ103は、外周面に設けられた螺旋状部104が図示しない大腸内壁に当接することによって摩擦力が発生し、この摩擦力が挿入部101を体腔内管腔の深部へ向けて挿入していく推進力となる。
特開平10−113396号公報 特開2001−179700号公報 特開2003−260026号公報
上記図36及び図37に示した内視鏡装置では、上記回転アダプタを用いているので、上記挿入部先端部まで上記挿入部を押し引き、捻り操作の力を伝達することができる。
しかしながら、上記従来の内視鏡装置は、上記回転アダプタが内視鏡に設けられた観察窓の観察視野範囲外に位置している。このため、術者は、上記回転アダプタの動作状態等を上記観察窓により観察することができなかった。
従って、上記従来の内視鏡は、上記回転アダプタの動作状態等を把握できなかった。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、回転アダプタの動作状態等を把握して、回転アダプタを効率良く制御可能な内視鏡を提供することを目的とする。
本発明による内視鏡は、体腔内に挿入可能な挿入部と、前記挿入部の先端側に設け、外周に形成した螺旋状部が体腔内管路の内壁に当接して回転することにより推進力を発生する回転アダプタと、を具備し、前記回転アダプタの少なくとも回転部分の一部が前記挿入部の先端部に設けられた観察窓の観察視野範囲内に入るよう前記回転アダプタを配置したことを特徴としている。
本発明の内視鏡は、回転アダプタの動作状態等を把握して、回転アダプタを効率良く制御できるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1ないし図27は本発明の第1実施例に係り、図1は第1実施例の内視鏡を備えた内視鏡装置を示す全体構成図、図2は図1の内視鏡本体の挿入部先端側を示す拡大斜視図、図3は図1の磁気誘導装置により発生する回転磁界を説明する模式図、図4は図1の回転アダプタ付近を示す拡大図、図5は図4の回転アダプタの内部構成を示す説明図、図6は内視鏡本体の挿入部先端部を肛門から挿入し回転アダプタを回転させた状態で且つ、挿入部の先端部がS状結腸部の腸壁に接触した際の断面図、図7は挿入部先端部が回転アダプタにより得られた推進力によりS状結腸部を進んでいく際の説明図、図8は図7に示す状態から更に挿入部先端部がS状結腸部を介して進んでいる際の説明図、図9は図8に示す状態から更に挿入部先端部が下行結腸部へと進んでいる際の説明図、図10は回転アダプタをロックするための電磁石を設けた変形例を示す説明図、図11は内視鏡像のアップ(Up)方向を示す指標を重畳した際の内視鏡画像表示例、図12は中空キャップを内視鏡本体の挿入部先端部に取り付ける際の中空キャップ及び挿入部先端側の斜視図、図13は図12の中空キャップを取り付けた内視鏡本体の挿入部先端部の正面図、図14は図13の状態から反転させた際の内視鏡本体の挿入部先端部の正面図、図15は図12の中空キャップを内視鏡本体の挿入部先端部に取り付けた際の回転アダプタの内部構成を示す説明図、図16は回動自在なリング状回転体を設けた中空キャップを内視鏡本体の挿入部先端部に取り付ける際の中空キャップ及び挿入部先端側の斜視図、図17は図16の中空キャップの正面図、図18は図16の中空キャップを取り付けた内視鏡本体の挿入部先端部の正面図、図19は図18の状態から反転させた際の内視鏡本体の挿入部先端部の正面図、図20は姿勢角度センサを撮像ユニット内に設けた内視鏡本体の要部断面図、図21は接触センサを本体部に設けた際の回転アダプタ付近を示す拡大図、図22は接触センサを内視鏡挿入部先端側に設けた際の回転アダプタ付近を示す拡大図、図23は上下左右方向(U/D、R/L)の指標を重畳した際の内視鏡画像表示例、図24はアップ(Up)方向の指標のみを重畳した際の内視鏡画像表示例、図25は本体部に設けた接触センサに対して無線受信部を内視鏡本体内部に設けた際の回転アダプタの内部構成を示す説明図、図26は内視鏡挿入部先端側に設けた接触センサに対して無線受信部を内視鏡本体内部に設けた際の回転アダプタの内部構成を示す説明図、図27は図25に対して接触センサを有線にした際の回転アダプタの内部構成を示す説明図である。
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、体腔内に挿入される細長な挿入部21を有する内視鏡本体2と、この内視鏡本体2の挿入部21を体腔内に導入する際の推進力を得るための内視鏡挿入補助装置3と、を有して構成されている。
内視鏡本体2には、外部装置として光源装置11、カメラコントロールユニット(以下、CCUと略記する)12及びモニタ13が設けられている。
光源装置11は内視鏡本体2に照明光を供給する。CCU12は内視鏡本体2に設けられている固体撮像素子に対する信号処理等を行う。モニタ13にはCCU12で生成された映像信号が入力される。このことによって、モニタ13の表示画面13a上には、内視鏡画像が表示される。
一方、内視鏡挿入補助装置3は、挿入補助具である回転アダプタ14と、医療用磁気誘導装置(以下、磁気誘導装置と略記する)15とを有して構成されている。磁気誘導装置15には外部装置として制御装置16及び電源装置17が設けられている。
内視鏡本体2は、挿入部21、操作部22を有して構成されている。挿入部21は、細長で可撓性を有している。操作部22は、挿入部21の基端側に連設され、把持部を兼ねている。内視鏡本体2は、前記操作部22側部からユニバーサルコード23が延出して設けられている。このユニバーサルコード23には、図示しないライトガイドや信号線が挿通配設されている。このユニバーサルコード23の端部に設けられているコネクタ部23aが前記CCU12に接続されるようになっている。
挿入部21は、先端側から順に硬質の先端部24(挿入部先端部24ともいう)、湾曲自在な湾曲部25及び長尺で可撓性を有する可撓管部26を連設して構成されている。
操作部22には、湾曲部25を湾曲動作させるための湾曲操作手段である湾曲操作ノブ27が設けられている。また、この操作部22には、送気・送水を指示するための送気・送水ボタン28a及び吸引を指示するための吸引ボタン28bが設けられている。更に、操作部22には、CCU12を遠隔操作するためのビデオ用スイッチ29aや各種周辺機器の制御等行うリモートスイッチ29b等が設けられている。また、操作部22には、生検鉗子等の処置具が挿入される鉗子口30が設けられている。鉗子口30は、挿入部21内を挿通する処置具挿通用チャンネル30bに連通している。
従って、内視鏡本体2は、鉗子口30から例えば生検鉗子を挿入していくことにより、生検鉗子が処置具挿通用チャンネル30b内を通過して先端部24に形成されているチャンネル開口24a(図2参照)から突出される。
尚、図2において、符号24bは観察光学系を構成する観察窓であり、符号24cは照明光学系を構成する照明光が出射される照明窓であり、符号24dは前記観察窓24bに向けて送気送水する送気送水ノズルである。
ユニバーサルコード23内には、照明窓24cに一端面が臨む図示しないライトガイドファイバ束や固体撮像素子から延出する信号線、吸引チャンネルや送気・送水チャンネルを構成するチューブ等が挿通されている。ユニバーサルコード23の端部には、光源装置11に着脱自在に連結される内視鏡コネクタ23aが設けられている。内視鏡コネクタ23aの側部には電気コネクタ部(不図示)が設けられており、この電気コネクタ部にCCU12に接続される電気ケーブル23bのコネクタ23cが連結されるようになっている。
また、内視鏡挿入補助装置3を構成する回転アダプタ14は、挿入部21を例えば大腸などの体腔内管路に挿入する際の推進力を得るようになっている。この回転アダプタ14は、挿入部21の先端部24に配置される。尚、この回転アダプタ14の詳細構成は、後述する。
前記磁気誘導装置15は、図1に示すように例えば患者が横たわることが可能なベッド部41と、このベッド部41に横たわった患者の体の所望の部分を覆うように構成された磁界発生部42とを有して構成されている。尚、前記ベッド部41は、非磁性検査台として筐体部が木やプラスティックなどの非磁性体で形成されている。これにより、ベッド部41は、回転アダプタ14の安定した動作が可能となっている。
前記磁界発生部42は、枠体部43と、窓部44とで構成されている。前記枠体部43には、図示しない電磁コイルが設けられている。具体的に、枠体部43を構成する互いに対向する3組の平面部43a、43b、43cにそれぞれ一対の電磁コイルが図示しないヘルムホルツコイルを形成するように設けられている。つまり、磁界発生部42に設けられた3組のヘルムホルツコイルは、ベッド部41上で略キュービック状に構成されている。このことによって、磁界発生部42からは、図中のX方向、Y方向及びZ方向にそれぞれ対応する磁界が発生されるようになっている。
前記窓部44は、患者の首、脚、腕、胴体が自在に抜き差し可能に設けられている。
磁気誘導装置15からは接続ケーブル45が延出している。接続ケーブル45の端部にはコネクタ45aが設けられている。このコネクタ45aは電源装置17に着脱自在に接続される。電源装置17には信号ケーブル46を介して制御装置16が電気的に接続される。
制御装置16は、磁界発生部42に設けられている3組のヘルムホルツコイルに対して通電される電流の強弱、向き等の制御を行って、3組のヘルムホルツコイルによって所望の3次元的な回転磁界を形成する。
また、本実施形態においてはCCU12と制御装置16とを信号ケーブル47によって電気的に接続すると共に、前記操作部22に設けられているリモートスイッチ29bを例えば、前記磁気誘導装置15が形成する回転磁界を制御するための誘導装置用スイッチとしている。
このことによって、術者が誘導装置用スイッチ29bを手元操作することで、磁気誘導装置15が駆動制御される。つまり、誘導装置用スイッチ29bを操作することによって出力される指示信号は、CCU12及び制御装置16を介して磁気誘導装置15に伝送される。尚、リモートスイッチ29bを誘導装置用スイッチとして設定する代わりに、誘導装置用スイッチを別体に設け、操作部22に着脱可能に取り付ける構成や他の術者が操作するようにしてもよい。この場合においては、例えば誘導用スイッチと制御装置16とを電気的に接続する構成にする。
図3に示すように前記磁気誘導装置15では、例えば矢印Aに示すような回転磁界を形成する。このとき、この回転磁界中に配置された回転アダプタ14を構成する後述の回転体(永久磁石)が矢印Bに示すように回転される。
このことにより、回転アダプタ14は、回転体の外周面に設けられている後述の螺旋状部が管腔内壁に当接することによって摩擦力が発生し、このとき発生する摩擦力が挿入部21を管腔の深部に向けで導入する際の推進力になる。
従って、内視鏡本体2は、前記挿入部21に対する押し引き、捻り操作の力を分散することなく、挿入部先端部24まで伝達することができる。
次に、図4及び図5を参照して前記回転アダプタ14の詳細構成を説明する。
回転アダプタ14は、前記挿入部先端部24に取り付けられるフランジ状の本体部51と、この本体部51の外周に設けられ、一対のベアリング部52により回動自在な回転体53と、この回転体53の外周面側に設けられ、体腔内管路の内壁に当接して前記回転体53の回転により回転し推進力を発生する螺旋状部54とを有して構成されている。
前記本体部51には、前記挿入部先端部24を挿通可能な貫通孔51bが形成されている。この本体部51は、例えば、ゴム部材のように弾性を有する弾性体或いは軟性樹脂部材、又は硬質樹脂によって形成されている。尚、この本体部51は、図示しないが前記挿入部先端部24の外装部にビス又はねじにて固定されるようになっており、挿入部先端部24から回転アダプタ14の脱落を防止するようになっている。
前記ベアリング部52は、前記本体部51の外周面所定位置に固設される。前記回転体53は、前記ベアリング部52の外周面側に配置される。このことによって、回転体53は、本体部51に対して回動自在に構成されている。
前記回転体53は、永久磁石により例えば管状に形成されている。この永久磁石は、ネオジウム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、鉄・クロム・コバルト磁石、プラチナ磁石、アルニコ(Alnico)磁石などである。フェライト磁石においては安価であるというメリットがあり、プラチナ磁石においては耐腐食性に優れ、医療用に好適である。
前記螺旋状部54は、例えば、接着剤等により回転体53の外周面側に接着固定されている。この螺旋状部54は、所望の推進力が得られるように条数、ピッチ、或いは高さ寸法や幅寸法等を適宜設定されている。前記螺旋状部54の形成範囲は、図に示すように回転体53の一端部(縁部)近傍から他端部近傍までに限定されるものではなく、所望の推進力が得られるのであれば、回転体53の中途部に設ける構成であってもよい。尚、前記回転アダプタ14は、前記本体部51及び前記回転体53の両端側に面取り加工が施されている。
本実施例では、前記回転アダプタ14の少なくとも回転部分の一部が前記挿入部先端部24に設けられた観察窓の観察視野範囲内に入るよう前記回転アダプタ14を配置して構成されている。
即ち、前記回転アダプタ14は、前記回転体53よりも前記螺旋状部54が前方に突出するように形成されており、且つこの螺旋状部54が前記挿入部先端部24の前記観察窓24bよりも突出するように取り付けられている。
更に、前記回転アダプタ14は、前記螺旋状部54が前記挿入部先端部24の前記観察窓24bの観察視野範囲内に入るように前記本体部51の一部を切り欠いた切欠部55を形成している。尚、前記本体部51は、切欠部55を形成することなく透明部材により形成してもよい。
このことにより、前記回転アダプタ14は、前記挿入部先端部24の前記観察窓24bの観察視野範囲内に前記螺旋状部54の内周面が入るようになっている。
従って、前記内視鏡装置1は、前記回転アダプタ14の動作状態等を前記観察窓24bにより観察することが可能となっている。
上述のように構成した内視鏡装置1の作用を説明する。
先ず術者は、前記電源装置17の電源をオンし、制御装置16を作動させる。
術者は、内視鏡本体2を観察状態にすると共に、誘導装置用スイッチ29bを操作して磁気誘導装置15の磁界発生部42に設けられている3組のヘルムホルツコイルにそれぞれ電流を供給して所定の回転磁界を形成する状態にする。
次に、術者は、磁気誘導装置15のベッド部41上で磁界発生部42内に検査対象部位が位置するように横たわっている患者の肛門71から挿入部21を構成する先端部24及び湾曲部25を大腸(直腸72)内に挿入していく。そして、回転アダプタ14も直腸72に挿入されていく。
次いで、図6に示すように肛門71から挿入された回転アダプタ14が磁界発生部42の回転磁界内に到達すると、回転アダプタ14を構成する回転体53が所定の回転状態になる。ここで、回転アダプタ14は、回転体53の外周面に設けられている螺旋状部54が大腸壁に当接することによって摩擦力が発生する。このとき発生する摩擦力は、挿入部21を管腔深部に向けて挿入する際の推進力になる。このことによって、術者は、回転アダプタ14によって得られる推進力を利用して、小さな力量で押し込み操作を行いながら挿入部先端部24を目的部位に向けて挿入していくことができる。
このとき、術者は、モニタ13の表示画面13a上に表示される内視鏡画像を観察している。術者は、図7に示すように挿入部先端部24がS状結腸部73のような屈曲部近傍に到達したことを内視鏡画像から判断することができる。
ここで、従来の内視鏡は、回転アダプタが観察窓の観察視野範囲外に位置しているため、回転アダプタの動作状態等を観察窓により観察することができなかった。
本実施例の回転アダプタ14は、前記挿入部先端部24の前記観察窓24bの観察視野範囲内に前記螺旋状部54の内周面が入るようになっており、前記回転アダプタ14の動作状態等を前記観察窓24bにより観察することができる。
図8に示すように回転アダプタ14は、上述のように回転しながら推進力を得て推進することで、腸管深部方向へ推進して腸管を直線化していく。これにより、更に、この直線化した腸管内を回転アダプタ14が推進していくことで、内視鏡本体2は、挿入部先端部24が管腔深部に向けて更に挿入されていく。
従って、挿入部先端部24は、回転アダプタ14によって得られる推進力と、湾曲部25を湾曲動作させる術者の手元操作や及び捻り操作によって腸管深部方向へ進み、目的部位へ到達可能である。
ここで、挿入部先端部24は、図6及び図7に示したようにS状結腸部73を通過して図8及び図9に示すように可動性に乏しい下行結腸部74と可動性に富む横行結腸部75との境界である脾湾曲76に挿入部先端部24が至る。
以降、図示しないが同様に挿入部先端部24は、脾湾曲76を介して横行結腸75と上行結腸78との境界である肝湾曲77の壁に沿うようにスムーズに前進して例えば目的部位である盲腸部79近傍に挿入部先端部24が到達する。
そして、術者は、挿入部先端部24が目的部位である盲腸部79近傍に到達したことをモニタ13の表示画面13a上に表示されている内視鏡画像で確認したなら、大腸内の内視鏡検査を行うために挿入部21の引き戻し操作に移行して検査を行う。
これにより、本実施例の内視鏡装置1は、通過困難なS状結腸部など湾曲した管腔の屈曲が急激すぎる腸管を、挿入部21に複雑な操作を加えることなく容易に直線状に短縮しながら挿入できるようになる。
この結果、本実施例は、回転アダプタ14の動作状態等を観察窓24bにより観察することができるので、術者は、回転アダプタ14の動作による問題発生時に迅速に状況を知ることができる。
従って、内視鏡装置1は、回転アダプタ14の動作状態等を把握して、回転アダプタ14を効率良く制御可能である。
尚、術者は、目的部位に到達した際、内視鏡本体2の誘導装置用スイッチをオフし、回転磁界の発生を停止して回転アダプタ14を回転フリーの状態にして内視鏡検査等を行う。
術者は、内視鏡画像を見ながら、鉗子等を用いて目的部位における内視鏡処置を行っている。
このとき、術者の操作等によって、内視鏡本体2はゆれたり、位置を変えたりすると、回転アダプタ14が回転してしまい挿入部部先端部24がその位置を変えてしまい、目的部位からずれてしまうことになる。このため、術者は、もう一度目的部位を探さなければならず、煩雑な作業によって内視鏡処置が困難になってしまう虞れが生じる。
そこで予期せぬ回転アダプタ14の回転を防止可能に構成する。
即ち、図10に示すように内視鏡本体2Bは、前記回転アダプタ14の回転体53(永久磁石)に対して、通電により磁力を発生可能な電磁石81を設けて構成されている。
前記電磁石81は、延出する信号線81aが前記ユニバーサルコード23を挿通して前記CCU12を経由し前記磁気誘導装置15の制御装置16に電気的に接続している。前記電磁石81は、前記制御装置16の制御により、通電されるようになっている。
尚、前記内視鏡本体2Bは、前記誘導装置用スイッチとして割り当てた以外の前記リモートスイッチ29bのうち、1つを回転アダプタ14のロック用スイッチとして設定するようになっている。
内視鏡装置は、前記ロック用スイッチが押下操作されることにより、このロック用スイッチからのロック信号が出力されて前記制御装置16に伝達し、この制御装置16が前記電磁石81への通電を制御して前記CCU12を経由して前記電磁石81へ通電する。
通電された前記電磁石81は、磁力を発生してこの磁力により前記回転アダプタ14の回転体53(永久磁石)に作用して電磁的にロックするようになっている。尚、上記電磁的ロックを解除する際には、前記ロック用スイッチを再度押下操作することで、行うようになっている。
これにより、内視鏡装置は、回転磁界の発生を停止して内視鏡検査を行う際、予期せぬ回転アダプタ14の回転を防止可能である。従って、本内視鏡装置は、内視鏡検査の際に処置性が向上する。
尚、内視鏡装置1は、前記挿入部先端部24が目的部位に到達するまでに、上述したように例えば、上行結腸78等を通過していくため、内視鏡像の上下が常に変化する。
このため、内視鏡装置1は、モニタ13(の表示画面13a)に表示される内視鏡画像上の左右と、操作部22における捻り操作や湾曲操作等の左右操作が一致せず、術者による内視鏡操作が困難である。
そこで、内視鏡像のアップ(Up)方向とモニタ13に表示される内視鏡画像の上側(内視鏡画像のアップ方向)が常に一致するように構成する。
即ち、前記CCU12は、後述する重力方向検知手段による重力方向の検知情報に基づき、内視鏡像に対してモニタ13に表示される内視鏡画像の上側(内視鏡画像のアップ方向)が常に一致するように、生成した内視鏡画像に対して上下一致補正処理を行うようになっている。
これにより、内視鏡装置1は、内視鏡像のアップ方向に対してモニタ13に表示される内視鏡画像の上側(内視鏡画像のアップ方向)が常に一致する。
このため、術者は、例えば、見たい方向へそのまま湾曲操作ノブ27を操作すれば、術者が所望した通り、見たい方向へ湾曲部25が湾曲する。
従って、内視鏡装置1は、より自然な内視鏡操作が可能となり、挿入性が向上する。
尚、内視鏡装置1は、上記上下一致補正処理を行っている際、内視鏡像のアップ方向に対してモニタ13に表示される内視鏡画像の上側が一致した状態である。
しかしながら、上記上下一致補正処理を行っている際、上述した目的部位付近での内視鏡検査等を行う場合、体腔内管路における挿入部先端部24の方向に対してモニタ13に表示される内視鏡画像が一致していない状態となっている場合もある。
この場合、術者は、モニタ13に表示される内視鏡画像を見ながら、体腔内管路に対して上下方向を確認しつつ、鉗子等を用いて目的部位における内視鏡処置を行う必要がある。このため、術者は、一々体腔内管路に対して上下方向を確認しつつ、鉗子等を用いるので煩雑であり操作が行い難くなっていまい、内視鏡処置が困難となる。
そこで、内視鏡装置1は、目的部位付近において手元操作により上記上下補正処理を解除するように構成する。つまり、内視鏡装置1は、前記誘導装置用スイッチ及び前記ロック用スイッチとして割り当てた以外の前記リモートスイッチ29bのうち、1つを上下一致補正解除用スイッチとして設定するようになっている。
内視鏡装置1は、上下一致補正解除用スイッチが押下操作されることによって前記CCU12が上記上下一致補正処理を解除する。これにより、体腔内管路における挿入部先端部24の方向と、モニタ13に表示される内視鏡画像との方向が一致するよう元に戻る。従って、術者は、目的部位付近において、内視鏡処置の際、手元の上下一致補正解除用スイッチを押下操作するのみにより上記上下一致補正処理を解除でき、体腔内管路に即したモニタ13に表示される内視鏡画像を見ながら内視鏡処置を行えることが可能となる。
尚、CCU12は、上記上下一致補正処理を行うことなく、検知した重力方向に基づいて内視鏡像のアップ(Up)方向を指標により表すようにしてもよい。
即ち、CCU12は、図11に示すように検知した重力方向に基づいて内視鏡像のアップ(Up)方向を示す指標▲を内視鏡画像に重畳するようにしている。
これにより、術者は、モニタ13に表示される内視鏡画像により、内視鏡像のアップ(Up)方向を確認しながら左右操作を行うことができる。
尚、上記上下一致補正処理における重力方向の検知は、以下に記載する重力方向検知手段により行うようになっている。
図12に示すように内視鏡本体2は、重力方向検知手段として挿入部先端部24の先端側に着脱自在に中空キャップ82を取り付けられるようになっている。
この中空キャップ82は、透明部材もしくは半透明部材により中空状に形成され、この外装部材内部に気泡83aを有する流体(液体)83を封止して構成されている。
前記中空キャップ82は、前記気泡83aが反重力方向に位置するようになっている。尚、図12において、気泡83aが下側にあるので、重力方向は鉛直上向きであることが判る。
ここで、例えば、内視鏡本体2を半回転すると、中空キャップ82は、気泡83aが図13に示す位置から図14に示す位置に移動することで、重力方向が鉛直下向きに変わることが判る。
このように中空キャップ82を挿入部先端部24に取り付けた内視鏡本体2は、上記第1実施例で説明したのとほぼ同様な回転アダプタ14Bが取り付けられるようになっている。
即ち、図15に示すように前記回転アダプタ14Bは、前記中空キャップ82が配置される切欠部85が前記本体部51の先端側内周面に形成されている。尚、それ以外の前記回転アダプタ14Bの構成は、上記回転アダプタ14と同様であるので説明を省略する。
これにより、前記内視鏡本体2は、挿入部先端部24に設けられた観察窓の観察視野範囲内に前記回転アダプタ14Bの前記螺旋状部54の内周面が入ると共に、前記中空キャップ82が入るようになっている。尚、図15に示す重力方向は、鉛直上向きとなっている。
前記CCU12は、前記観察窓から取り込まれる観察像を撮像して得た内視鏡画像から前記気泡83aの位置を検知して、重力方向を検知するようになっている。前記CCU12は、検知した重力方向に基づき上述した上下一致補正処理を行うようになっている。
尚、上記重力方向検知は、前記中空キャップとして気泡83a(流体)を用いるのではなく、リング状回転体を用いてもよい。
図16に示すように中空キャップ82Bは、この外装部材内部に回動自在なリング状回転体が組み付いて構成されている。この中空キャップ82Bには指標部分86が突起しており、偏心重量となっている。
前記中空キャップ82Bは、前記指標部分86が偏心重量となっているので、この指標部分86が錘の働きをして常に重力方向に回転移動して下方向に位置し、図17に示すように上下方向が正確に検知可能である。
ここで、例えば、前記中空キャップ82Bを前記挿入部先端部24に取り付けた内視鏡本体2を半回転した場合、中空キャップ82Bは、前記指標部分86が一旦、図18に示す位置から図19に示す位置に移動するが、すぐに重力方向に回転移動して下方向に位置し、重力方向を指し示すようになっている。
尚、この中空キャップ82Bは、前記中空キャップ82と同様に内視鏡本体2に回転アダプタ14Bが取り付けられた際に、この回転アダプタ14Bの切欠部85に配置されるようになっている。また、前記CCU12は、画像処理により中空キャップ82Bの指標部分86の位置を検知して、重力方向を検知するようになっている。前記CCU12は、検知した重力方向に基づき上述した上下一致補正処理を行うようになっている。
尚、重力方向検知は、前記中空キャップ82を用いるのではなく、内視鏡本体に設けた姿勢角度センサを用いてもよい。
図20に示すように、内視鏡本体2Cは、撮像ユニット87の回路基板87aに重力方向を検知する姿勢角度センサ88を設けている。尚、撮像ユニット87は、観察窓24bの後方に対物光学系87b及び固体撮像素子であるCCD87cと回路基板87aとを有して構成されている。
前記姿勢角度センサ88は、図示しないジャイロ、傾斜計、加速度計、地磁気センサなどを搭載し、重力方向に対する角度を検知するようになっている。
ここで、一般に、ジャイロと言った場合は、レートジャイロ(角速度計)を示すことが多く、積分して角度とするようになっている。但し、レートジャイロ(角速度計)は、センサ出力にずれがあると、積分結果がどんどんずれていくため、以下の傾斜計及び加速度計により補正を行うようになっている。
前記傾斜計は、振り子の傾きをポテンショメータなどで測定し、鉛直方向を検知するセンサである。前記加速度計は、重力加速度を検知することで、鉛直方向を検知するセンサである。前記地磁気センサは、鉛直軸回りの旋回角度を検知するセンサである。
前記姿勢角度センサ88で検知された重力方向の情報は、前記CCU12へ出力されるようになっている。これにより、前記CCU12は、取得した重力方向に基づき上述した上下一致補正処理を行うようになっている。
尚、内視鏡装置は、重力方向のみでなく、左右方向を検知可能なように構成してもよい。
図21に示すように回転アダプタ14Cは、前記本体部51から露出して接触センサ89を片側にのみ設けている。又は、この他に、接触センサ89は、図22に示すように内視鏡本体2の挿入部先端側の蛇菅側面に設けてもよい。
これら接触センサ89は、体腔内壁に接触することにより検知信号を出力するようになっている。
尚、図21及び図22に示す接触センサ89は、無線通信により体外に設けた図示しない無線受信部へ検知信号を送信するようになっている。
受信した検知信号は、前記CCU12へ出力されて、重力方向と左右方向とが同時に検知でき、体腔内管路に対する挿入部先端部24の上下左右方向を検知するようになっている。
前記CCU12は、体腔内管路に対する挿入部先端部24の上下左右方向を検知することで、図23に示すようにモニタ13に表示される内視鏡画像に上下左右方向(U/D、R/L)の指標▲を重畳できるようになっている。
また、前記CCU12は、上述した上下一致補正処理を行っている際には、図11で説明したのと同様に図24に示すアップ(Up)方向のみ指標▲を重畳表示するようになっている。この理由は、内視鏡像に対してモニタ13に表示される内視鏡画像の上側(内視鏡画像のアップ方向)が常に一致しているので、これらの上下左右関係が常にモニタ13を見たままの状態に一致しており、指標▲はアップ(Up)方向のみでも十分である。
術者は、モニタ13を見たまま、動かしたい方向へ湾曲操作ノブ27を操作するだけでよい。
これにより、内視鏡装置1は、体腔内管路に対する挿入部先端部24の上下左右方向を検知でき、内視鏡画像に上下左右方向を表示できる。
術者は、モニタ13に表示されるU/D、R/L指標を頼りに操作部22における捻り操作や湾曲操作等の左右操作を容易に行うことが可能となる。
尚、接触センサ89は、図25に示すように無線受信部90を内視鏡本体の内部に設けて構成してもよい。
図25に示すように内視鏡本体2Dは、接触センサ89の無線受信部90を内部に設けて構成されている。又は、この他に、接触センサ89は、図26に示すように内視鏡本体2の挿入部先端側の蛇菅側面に設けた場合においても、接触センサ89の無線受信部90を内部に設けて構成してもよい。
これら無線受信部90は、延出する信号線90aが前記ユニバーサルコード23を挿通して前記CCU12に電気的に接続している。これにより、前記CCU12は、前記接触センサ89からの検知信号を受信可能となっている。
また、接触センサ89は、図27に示すように有線により前記CCU12に電気的に接続するようにしてもよい。
図27に示すように接触センサ89は、延出する信号線89aが前記回転アダプタ14Dを挿通して前記内視鏡本体2の外周面に沿って前記CCU12に接続されるようになっている。
更に、具体的に説明すると、前記接触センサ89から延出する信号線89aは、前記本体部51を挿通して前記内視鏡本体2側から外部へ到達し、この内視鏡本体2の外周面に沿って体外へ導かれる。尚、接触センサ89は、図示しないが内視鏡本体2の挿入部先端側の蛇菅側面に設けた場合においても、延出する信号線89aを前記蛇菅内部に設けて構成してもよい。
これにより、前記接触センサ89は、有線により前記CCU12に電気的に接続して、検知信号を伝達することができる。
図28ないし図35は本発明の第2実施例に係り、図28は第2実施例の内視鏡を示す挿入部先端側の説明図、図29は図28のレーザセンサを本体部に設けた際の回転アダプタ付近を示す拡大図、図30は図29の挿入部先端部の正面図、図31は図30のレーザセンサから得られる反射レーザの時間に対するレーザ強度を示すグラフ、図32は湾曲方向検知手段を設けた際の内視鏡本体の蛇菅内部を示す説明図、図33は図32の固定部を示す蛇菅の正面図、図34は図32の状態から上行結腸時に180度反転した際の内視鏡本体の蛇菅内部を示す説明図、図35は指標検知部として光電センサを用いた際の要部斜視図である。
上記第1実施例は回転アダプタの少なくとも回転部分の一部が挿入部先端部24に設けられた観察窓24bの観察視野範囲内に入るよう回転アダプタを配置して回転アダプタの動作状態等を把握するよう構成しているが、第2実施例は更に挿入部先端部の前進/後進等の動作状態を把握するように構成する。それ以外の構成は上記第1実施例と同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
即ち、図28に示すように第2実施例の内視鏡装置は、前進/後進検知手段としてレーザセンサ92を挿入部先端部24に設けて内視鏡本体2Eを構成している。
前記レーザセンサ92は、公知のレーザ変位の原理を利用している。即ち、前記レーザセンサ92は、人体に影響を及ぼさないレベルのレーザを発信し、体腔内壁からの反射レーザを受信して体腔内壁からの距離を検知するようになっている。
前記レーザセンサ92は、延出する信号線92aが前記ユニバーサルコード23を挿通して前記CCU12を経由し前記磁気誘導装置15の制御装置16に電気的に接続している。これにより、前記制御装置16は、前記レーザセンサ92からの検知信号を受信可能となっている。
従って、前記制御装置16は、検知した体腔内壁からの距離に基づき、挿入部先端部24が前進しているのか又は後進しているのかを判断して前記回転アダプタ14の回転を制御することが可能である。
尚、前記レーザセンサ92は、回転アダプタの外周に設けて構成してもよい。
図29に示すように回転アダプタ14Eは、前記本体部51から露出して前記レーザセンサ92を設けている。
前記レーザセンサ92は、延出する信号線92aが前記回転アダプタ14Eを挿通して前記内視鏡本体2の外周面に沿って前記CCU12を介して前記磁気誘導装置15の制御装置16に接続されるようになっている。
更に、具体的に説明すると、前記レーザセンサ92から延出する信号線92aは、前記本体部51を挿通して前記内視鏡本体2側から外部へ到達し、この内視鏡本体2の外周面に沿って体外へ導かれる。
前記本体部51に設けられた前記レーザセンサ92は、図30に示すように前記回転アダプタ14Eからレーザを発信し、体腔内壁からの反射レーザを受信する。
この反射レーザは、例えば、図31に示すように表される。図31は、時間に対するレーザ強度を示している。
これにより、前記制御装置16は、反射レーザ反射の検出波形が移動する方向により前記挿入部先端部24が前進しているか又は後進しているかの判断を行うようになっている。
尚、レーザセンサ92は、図示しないが内視鏡本体2の挿入部先端側の蛇菅側面に設けた場合においても、延出する信号線92aを前記蛇菅内部に設けて構成してもよい。
ところで、内視鏡本体2は、回転アダプタ14を装着した際、挿入部先端部の方向が挿入部位によって一義的に決まるようになっている。しかしながら、内視鏡本体2は、回転アダプタ14の装着時に反転視が困難であるため、下行結腸や上行結腸など挿入部先端部24が位置している部位によってその向きが決まってしまう。
そこで、挿入部先端部24の湾曲向きを検知し、この検知した挿入部先端部24の湾曲向きに応じて前記回転アダプタ14を制御するように湾曲方向検知手段を設けて構成する。
図32に示すように、内視鏡本体は、前記可撓菅部26を構成している蛇菅93内に前記湾曲部25を湾曲操作するための湾曲操作ワイヤとは別に湾曲方向検知手段として検知ワイヤ94を挿入して構成されている。この検知ワイヤ94は、図33に示すように前記湾曲部25の手前で蛇菅93に固定部93aにより固定されている。この検知ワイヤ94は、後端側にワイヤ指標95を設けている。
更に、前記蛇菅93内部には、前記検知ワイヤ94のワイヤ指標95を検知するための指標検知部96を設けている。この指標検知部96は、前記検知ワイヤ94の上下方向(又は左右方向)の両方に配置されている。
前記指標検知部96は、延出する信号線96aが前記ユニバーサルコード23を挿通して前記CCU12を経由し前記磁気誘導装置15の制御装置16に電気的に接続している。これにより、前記制御装置16は、前記指標検知部96からの検知信号を受信可能となっている。
例えば、挿入部先端部24は、下行結腸時には、ほぼ真っ直ぐに向いているが、上行結腸時には蛇菅93が手元側に達して180度反転している。
このため、図34に示すように上行結腸時(180度反転)には内側になった検知ワイヤ94は圧縮(縮み)、外側になった検知ワイヤ94は引っ張り状態になるため検知ワイヤ94が進退し、ワイヤ指標95も進退する。
これにより、前記指標検知部96は、前記ワイヤ指標95を検知して検知信号を前記制御装置16に出力する。
従って、前記制御装置16は、前記指標検知部96からの検知信号に基づき、前記湾曲部25が上下方向(又は左右方向)に湾曲した際に、挿入部先端部24がどちらの方向を向いているのかを判断して前記回転アダプタ14の回転を制御することが可能である。
尚、図34に示した指標検知部96は、コイルセンサである。この場合、ワイヤ指標95は、磁石により形成されている磁石指標である。このコイルセンサ96は、前記磁石指標95がコイル内を通過することで、発生する電流により検出するようになっている。
尚、指標検知部96は、図35に示すように光電センサ97を用いて形成してもよい。この光電センサ97は、ワイヤ指標95が通過するとオン信号を出力するので電子的に処理可能である。
尚、上述した各実施例等を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
[付記]
(付記項1)
体腔内に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部の先端側に設け、外周に形成した螺旋状部が体腔内管路の内壁に当接して回転することにより推進力を発生する回転アダプタと、
を具備し、前記回転アダプタの少なくとも回転部分の一部が前記挿入部の先端部に設けられた観察窓の観察視野範囲内に入るよう前記回転アダプタを配置したことを特徴とする内視鏡。
(付記項2)
前記挿入部先端側の重力方向を検知する重力方向検知手段を設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項3)
前記回転アダプタの回転動作をロックするロック手段を設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項4)
前記挿入部先端側に湾曲自在な湾曲部を有し、この湾曲部の湾曲方向を検知する湾曲方向検知手段を設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項5)
前記挿入部先端部の前進又は後進を検知する前進/後進検知手段を設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項6)
前記重力方向検出手段を前記挿入部又は前記回転アダプタに設けたことを特徴とする付記項2に記載の内視鏡。
(付記項7)
前記重力方向検知手段は、流体及び気泡を封止し、前記挿入部先端側に着脱自在に装着した中空キャップであることを特徴とする付記項6に記載の内視鏡。
(付記項8)
前記重力方向検知手段は、回動自在なリング状回転体を設け、前記挿入部先端側に着脱自在に装着した中空キャップであることを特徴とする付記項6に記載の内視鏡。
(付記項9)
前記重力方向検知手段は、重力方向に対する角度を検知する姿勢角度センサであり、この姿勢角度センサを前記挿入部先端側に設けたことを特徴とする付記項6に記載の内視鏡。
本発明の内視鏡は、回転アダプタの動作状態等を把握して、回転アダプタを効率良く制御可能としたことにより、医療分野に適している。
第1実施例の内視鏡である内視鏡装置を示す全体構成図である。 図1の内視鏡本体の挿入部先端側を示す拡大斜視図である。 図1の磁気誘導装置により発生する回転磁界を説明する模式図である。 図1の回転アダプタ付近を示す拡大図である。 図4の回転アダプタの内部構成を示す説明図である。 内視鏡本体の挿入部先端部を肛門から挿入し回転アダプタを回転させた状態で且つ、挿入部の先端部がS状結腸部の腸壁に接触した際の断面図である。 挿入部先端部が回転アダプタにより得られた推進力によりS状結腸部を進んでいく際の説明図である。 図7に示す状態から更に挿入部先端部がS状結腸部を介して進んでいる際の説明図である。 図8に示す状態から更に挿入部先端部が下行結腸部へと進んでいる際の説明図である。 回転アダプタをロックするための電磁石を設けた変形例を示す説明図である。 内視鏡像のアップ(Up)方向を示す指標を重畳した際の内視鏡画像表示例である。 中空キャップを内視鏡本体の挿入部先端部に取り付ける際の中空キャップ及び挿入部先端側の斜視図である。 図12の中空キャップを取り付けた内視鏡本体の挿入部先端部の正面図である。 図13の状態から反転させた際の内視鏡本体の挿入部先端部の正面図である。 図12の中空キャップを内視鏡本体の挿入部先端部に取り付けた際の回転アダプタの内部構成を示す説明図である。 回動自在なリング状回転体を設けた中空キャップを内視鏡本体の挿入部先端部に取り付ける際の中空キャップ及び挿入部先端側の斜視図である。 図16の中空キャップの正面図である。 図16の中空キャップを取り付けた内視鏡本体の挿入部先端部の正面図である。 図18の状態から反転させた際の内視鏡本体の挿入部先端部の正面図である。 姿勢角度センサを撮像ユニット内に設けた内視鏡本体の要部断面図である。 接触センサを本体部に設けた際の回転アダプタ付近を示す拡大図である。 接触センサを内視鏡挿入部先端側に設けた際の回転アダプタ付近を示す拡大図である。 下左右方向(U/D、R/L)の指標を重畳した際の内視鏡画像表示例である。 アップ(Up)方向の指標のみを重畳した際の内視鏡画像表示例である。 本体部に設けた接触センサに対して無線受信部を内視鏡本体内部に設けた際の回転アダプタの内部構成を示す説明図である。 内視鏡挿入部先端側に設けた接触センサに対して無線受信部を内視鏡本体内部に設けた際の回転アダプタの内部構成を示す説明図である。 図25に対して接触センサを有線にした際の回転アダプタの内部構成を示す説明図である。 第2実施例の内視鏡を示す挿入部先端側の説明図である。 図28のレーザセンサを本体部に設けた際の回転アダプタ付近を示す拡大図である。 図29の挿入部先端部の正面図である。 図30のレーザセンサから得られる反射レーザの時間に対するレーザ強度を示すグラフである。 湾曲方向検知手段を設けた際の内視鏡本体の蛇菅内部を示す説明図である。 図32の固定部を示す蛇菅の正面図である。 図32の状態から上行結腸時に180度反転した際の内視鏡本体の蛇菅内部を示す説明図である。 指標検知部として光電センサを用いた際の要部斜視図である。 従来の内視鏡装置の構成を示す構成図である。 図36の磁気誘導装置により発生する回転磁界を説明する模式図である。
符号の説明
1 内視鏡装置
2 内視鏡本体
3 内視鏡挿入補助装置
12 CCU
14 回転アダプタ
15 磁気誘導装置
16 制御装置
17 電源装置
21 挿入部
24 先端部
24b 観察窓
25 湾曲部
51 本体部
52 ベアリング部
53 回転体
54 螺旋状部
51 ベッド部
52 磁界発生部
代理人 弁理士 伊藤 進

Claims (3)

  1. 体腔内に挿入可能な挿入部と、
    前記挿入部の先端側に設け、外周に形成した螺旋状部が体腔内管路の内壁に当接して回転することにより推進力を発生する回転アダプタと、
    を具備し、前記回転アダプタの少なくとも回転部分の一部が前記挿入部の先端部に設けられた観察窓の観察視野範囲内に入るよう前記回転アダプタを配置したことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記挿入部先端側の重力方向を検知する重力方向検知手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記回転アダプタの回転動作をロックするロック手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
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