JP2006041055A - 半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置 - Google Patents

半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体発光素子を有する半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置において高出力を図り、これに加えて半導体発光素子の出力端面の劣化を、戻り光の発生回避によって抑制する。
【解決手段】 半導体発光素子21の複数の端面23及び24を出力端面とし、受光面51に集中させる構成とする。両出力端面23及び24からの発振光の光路が重ならないように、つまり入射光路6と反射光路9、及び入射光路7と反射光路8が重複しない構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置に関する。
通常の半導体発光装置、例えば半導体レーザ素子を有する半導体レーザ装置においては、半導体レーザ素子の共振器を構成するストライプ部の両端面のうち、一方の端面の反射率を選択的に高くすることによって反射端面とし、他方の端面を主たる出力端面とすることによって、半導体レーザ素子外部への主たる光発振が、出力端面から優先的になされる構成がとられてきた。
このような半導体発光装置においては、半導体発光素子外部への光発振が、半導体発光素子の共振器を構成するストライプ部の長手方向に沿って選択的になされ、装置の用途に応じて例えばミラーやレンズ等の光学素子により発振光の光路形成がなされる。
この発振光の光路は、半導体発光装置の目的に応じ、発振光の空間的な広がりに相当する幅や集光点までの距離等の選定によって定められる。すなわち、ミラーやレンズ等の光学素子によって、発振光の、進行方向、幅、ならびに焦点距離等の要素を有する光路の規定がなされ、これによって例えば光ファイバ等の受光体の受光面に対する光の入射などの作用が生じる。
一方、半導体発光素子外部への光発振が特定の方向へ選択的になされない半導体発光素子、例えば発光ダイオード(LED)素子による半導体発光装置においては、半導体発光素子外部への光発振において選択的に光路が形成されない。このため、このような半導体発光素子による半導体発光装置においては、少なくとも装置外部への光出力の段階では出力光が特定の方向へ向けられること、そして低消費電力、高出力による光出力がなされることが課題とされてきた。
この課題に対し、図10にその概略断面図を示すように、内面に反射膜を有する基板と構造物とでLED素子を囲んで半導体発光装置を構成することによって、LED素子からの出力光が、装置外部の特定の方向へ向けて、効率よく装置外部への出力光として取り出される構造が形成されて、低消費電力と高出力とが両立された半導体発光装置が提案されている(例えば特許文献1)。
しかし、LED素子による発振光はコヒーレントな光ではなく、また、装置外部へと出力された光の光路も、半導体レーザ素子からの発振光による光路に比して広がりが大きいことから、例えば光学素子によって選択的に光路を規定することも難しい。したがって、半導体レーザ素子が適用されてきた用途に対して、特許文献1に記載されているようなLED素子による半導体発光装置を用いることは適切でない。
特開2000−294831号公報
近年、半導体発光装置の周辺技術の進歩により、半導体レーザ素子をはじめとする半導体発光素子に対する高出力化の要求が、より一層強まっている。
一般に、半導体レーザ素子における高出力化は、半導体レーザ素子の出力端面に対する光密度の増大化を伴うことから、出力端面における発熱による光損傷が問題となる。
また、上述のLED素子等の半導体発光素子による半導体発光装置においては、反射等による素子への光の再入射が素子の光発振特性に悪影響を及ぼさないことから、発光素子からの発振光を装置外部へと効率良く取り出す有用性が認められるが、例えば高出力半導体レーザ素子等の高出力半導体発光素子による半導体発光装置においては、反射等によって素子の端面から素子内部へと再入射するいわゆる戻り光の存在が、発振光のビームの質的劣化すなわち光学的特性の劣化をもたらす。
すなわち、高出力半導体レーザ素子においては、少量でも戻り光が存在した場合には、その構造が共振器を構成するストライプ部の幅によらず、つまり素子がナローストライプ型であるかブロードエリア型であるかによらず、ビームスポットの形状や位置、出力強度をはじめとする光学的特性の変動が引き起こされる。
殊に、高出力半導体レーザ素子においては、上述した共振器を構成するストライプ部の、一方の端面に高反射率コーティングがなされて反射端面とされ、他方の端面にできるだけ反射率を小さくする反射防止コーティングがなされて出力光を効率良く取り出す出力端面とされることから、戻り光の半導体レーザ素子内部への入り込みが大となって、著しい光学的特性の劣化、不安定性の増大を来たす。
更に、出力端面における戻り光の表面準位による吸収、非発光再結合により、この端面における発熱がより大きくなること、活性層内部へ再入射した戻り光との非線形相互作用による活性層内部光の局在化現象(フィラメンテーション)により、高出力半導体レーザ素子においては出力端面の劣化及び破壊が生じ易くなり、半導体発光素子の回復不能な光損傷による端面劣化ないし破壊等をもたらすことから、装置の短寿命化等の深刻な問題が生じる。
本発明は、上述したような、半導体発光素子の高出力化と、その高出力化に伴う特性の劣化、不安定化、端面劣化、端面破壊等の回避と、装置の長寿命化とを図ることができるようにした例えば半導体レーザ素子等の半導体発光素子を有する半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置を提供するものである。
本発明による半導体発光装置は、半導体発光素子を有し、この半導体発光素子の複数の出力端面から発振される複数の発振光を得る光源部と、光学素子を有し、上述の複数の発振光に対応する複数の光路を規定する光学系と、受光面を有する受光部とからなり、上述の光学系によって、複数の発振光に対応する複数の光路が、上述の受光面に集中されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、複数の反射光路の少なくとも1つが、複数の入射光路の少なくとも1つを生成する出力端面を除いて形成されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、上述の複数の光路のうち、1つの光路を構成する入射光路軸が、他の1つの光路の反射光路軸とのなす角に比し、上述の他の1つの光路の入射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、上述の複数の光路のうち、1つの光路を構成する入射光路軸が、他の1つの光路の入射光路軸とのなす角に比し、上述の他の1つの光路の反射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、上述の複数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と受光面でのみ重複することを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、上述の複数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と受光面以外で交叉することを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、上述の複数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路に重ならないことを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光装置において、受光面が、導波路構造を有するファイバの端面であることを特徴とする。
本発明による半導体発光アレイ装置は、少なくとも2つ以上の半導体発光素子からなる半導体発光アレイ装置であって、上述の半導体発光素子の複数の出力端面から発振される多数の発振光を得る光源部と、光学素子を有し、上述の多数の発振光に対応する多数の光路を規定する光学系と、受光面を有する受光部とからなり、上述の光学系によって、多数の発振光に対応する多数の光路が、上述の受光面に集中されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の複数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、上述の多数の反射光路の少なくとも1つが、多数の入射光路の少なくとも1つを生成する出力端面を除いて形成されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、多数の光路のうち、1つの光路を構成する入射光路軸が、他の1つの光路の反射光路軸とのなす角に比し、上述の他の1つの光路の入射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、多数の光路のうち、1つの光路を構成する入射光路軸が、他の1つの光路の入射光路軸とのなす角に比し、上述の他の1つの光路の反射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、多数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と受光面でのみ重複することを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、多数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と受光面以外で交叉することを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の各光路が、それぞれ、受光面への入射光路と、受光面からの反射光路とを有し、多数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路に重ならないことを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の複数の半導体発光素子が、それぞれ個別のチップ上に形成されてなることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の複数の半導体発光素子の少なくとも一部が、互いに異なる発光波長帯を有することを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の少なくとも一部が、合波されて出力されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の複数の半導体発光素子の少なくとも一部が、共通のアレイバー上に形成され、それぞれの素子の出力端面から発振光が出力されてなることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の複数の半導体発光素子の少なくとも一部が、互いに異なる発光波長帯を有することを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、上述の多数の発振光の少なくとも一部が、合波されて出力されることを特徴とする。
また、本発明は、上述の半導体発光アレイ装置において、受光面が、導波路構造を有するファイバの端面であることを特徴とする。
なお、本明細書において、多数は、上述の複数以上の数を指称するものとする。
また、本明細書において、重複は、複数ないし多数の光路が互いに重なる重複領域が形成された状態を指称し、交叉は、この重複領域が、各光路の形状及び相互関係によって限定的なものとして形成された状態を指称するものである。
本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置によれば、これら装置を構成する半導体発光素子による光発振が複数ないし多数の出力端面例えば共振器構造の両端面からなされ、発振された光が所望の対象に集中される構成をとることによって高出力光を得ることから、高出力半導体発光素子の各出力端面にかかる負担の軽減、すなわち端面劣化や端面破壊の低減を図ることが可能となった。
したがって、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置によれば、高出力化に伴う半導体発光装置の故障及び短寿命化の回避が図られるものである。
また、半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置を構成する半導体発光素子として、共振器構造の両端面を出力端面とした半導体レーザ素子を用いた場合、この両出力端面からの出力光は、主として上述のように共振器構造を形成するストライプ部の長手方向に直進するように発振されることから、これらの出力光を、同一の対象例えば一受光面に集中させると、例えば反射等によって、一方の出力端面からの発振光から受光面へ向けて入射光路が形成されるのみならず、他方の出力端面へ向かう反射光路までもが生じ、いわゆる戻り光が発生してしまう。
しかし、本発明による半導体発光装置によれば、複数の出力端面から出力される発振光の受光面への集中において、レンズやミラー等の光学素子によって発振光の光路の規定がなされ、この規定の態様を装置の構成によって制御することができることから、上述の戻り光の発生の回避が可能とされるものである。
また、例えば、上述のような多数の半導体発光素子からなる半導体発光アレイ装置によって、複数もしくは多数の入射光を集中させて所望の光強度や光量を得る場合にも、戻り光が発生すれば装置の寿命すなわち耐用性は大きく損なわれ、問題となる。このような、アレイ構造によって多数の発振光を所望の対象に集中させる構成によるときは、素子の数が多数にのぼることから、問題は特に深刻となる。
しかし、本発明による半導体発光アレイ装置によれば、多数の出力端面から出力される発振光の受光面への集中において、レンズやミラー等の光学素子によって発振光の光路の規定がなされ、この規定の態様を装置の構成によって制御することができることから、上述の戻り光の発生の回避が可能とされるものである。
したがって、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置によれば、出力端面を有する複数の半導体発光素子から複数ないし多数の発振光が出力される半導体発光装置において、それぞれの発振光に由来する反射光が他の発振光の出力端面へ向かう戻り光となることを所望の態様で回避できることから、半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置の設計における自由度が拡張される。
そして、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置によれば、所望の対象例えば光ファイバ等の受光体の受光面に、半導体発光素子からの複数ないし多数の発振光を集中することが、光発振における各出力端面の負担軽減と、各出力端面への戻り光発生の回避とによって、装置の高出力化とともに可能とされる。
すなわち、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置においては、装置を構成する半導体発光素子の光学的特性の低下が回避され、出力端面の劣化防止によって装置の長寿命化つまり耐用性向上が図られ、戻り光発生の回避とともに合波及び高出力化も可能とされる。
更に、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置においては、偏光多重方式を用いていないことから、上述の受光体例えば光ファイバへ入射して光ファイバの他端から出射される光の偏光は単一の直線偏光となる。したがって、偏光が重要な用途にも適用が可能であるなど、本発明構成によれば、重要かつ多くの効果をもたらすことができるものである。
以下、図面を参照して、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置の実施の形態について説明するが、本発明は、この実施の形態例に限られるものではない。
まず、本発明による半導体発光装置の実施の形態例について、図1を参照して説明する。
この実施の形態例においては、本発明による半導体発光装置1は、図1に概略構成図を示すように、光源部2と、光学系3及び4と、受光体5とを有する。
光源部2は、例えば半導体レーザ素子等による例えば長さ1mmの半導体発光素子21を有し、この半導体発光素子21の複数例えば2つの出力端面、この例では半導体レーザ素子の共振器構造の両端面である出力端面23及び24から、出力端面の数に対応する複数の光が発振される。
受光体5は、この例ではダブルクラッド構造による光ファイバであり、上述の光源部2からの複数の発振光が集中される受光面51を有する。また、この実施例では、開口数(NA)は0.21とする。
光学系3は、光学素子、例えばシリンドリカルレンズ31及び32とミラー33とを有し、これら光学素子によって、半導体発光素子21の出力端面23からの発振光に対応する光路、この例では第1の光路を構成する入射光路6が、受光体5の受光面51に向かうように規定される。
光学系4は、光学素子、例えばシリンドリカルレンズ41及び42とミラー43とを有し、これら光学素子によって、半導体発光素子21の出力端面24からの発振光に対応する光路、この例では第2の光路を構成する入射光路7が、受光体5の受光面51に向かうように規定される。
この構成において、半導体発光素子21から発振される光の垂直方向の出射角は半値全幅で約24度と大きいことから、光源部2内の光源実装部26の近傍に設けられる段差27は、この実施例では約1mmに選定されることが望ましい。
また、この実施例において、半導体発光素子21の出力端面23からの発振光の高速軸方向に対応して設けられたシリンドリカルレンズ31は焦点距離f=5.6mm、出力端面24からの発振光の高速軸方向に対応して設けられたシリンドリカルレンズ41は焦点距離f=4.2mmのものを用いている。なお、各発振光の低速軸方向に対応して設けられるシリンドリカルレンズ32及び42の焦点距離は、半導体発光素子21の構造に応じて、受光面51上が各発振光の焦点となるよう、適宜選定がなされる。
すなわち、この実施の形態例においては、出力端面23から生じる光路、つまり光学系3によって規定される第1の光路を構成する入射光路6と、出力端面24から生じる光路、つまり光学系4によって規定される第2の光路を構成する入射光路7とが、受光体5の受光面51に、例えば受光体5の内部への光の取り込みを目的として集中される。
なお、上述の高速軸及び低速軸に対応する各シリンドリカルレンズは、互いに離れて設置されてもよいし、ミラー33及び43と一体に形成されてもよい。
この実施例において、ミラー33は斜度50度を有し、半導体発光素子21の中心から8.8mm離れた位置に、半導体発光素子21の出力端面23と等しい高さに設定される。一方、ミラー43は斜度47度を有し、半導体発光素子21の中心から3.5mm離れた位置に、これも半導体発光素子21の出力端面24と等しい高さに設定される。
この構成によれば、後述するように、半導体発光素子21の出力端面23からの第1の光路を構成する入射光路6は、出力端面24からの第2の光路を構成する反射光路9と重複する光路を持たないため、第1の光路を構成する反射光路8が出力端面24に向かって戻り光が発生することが回避される。更に、受光面51に向けられる入射光路6及び7の入射角は、後述する臨界入射角の範囲内であるため、各発振光を高効率で光ファイバ等の受光体5内部に入射させることが可能である。
また、この構成によれば、光発振が複数の出力端面例えば半導体発光素子21の共振器構造の両端面である出力端面23及び24からなされ、出力された各発振光が所望の対象この例では受光体5の受光面51に集中されることから、高出力光を得ることができ、高出力化に伴って半導体発光素子の各出力端面にかかる負担の軽減、すなわち端面劣化や端面破壊の低減も図られる。
続いて、図2を参照して、この実施の形態例における、光学系3及び4による反射光路8及び9の規定の態様の、装置の構成による制御の例について説明する。
この例においては、まず、光源部2において、電源22によって半導体発光素子21に対する順方向電圧の印加がなされて、半導体発光素子21の共振器構造の両端面である出力端面23及び24(図示せず)からの光発振がなされる。そして、各出力端面23及び24から発振された光は、それぞれ光学系3及び4によって入射光路6及び7を規定されて、受光体5の受光面51へと集中される。
この受光面51への発振光の集中は、光源部2から出力された発振光の、受光体5の内部への取り込み等の目的によってなされるが、第1及び第2の入射光路6及び7を形成する各発振光が受光面51で一部反射された場合には、各入射光路6及び7に対応して、第1の光路を構成する反射光路8と第2の光路を構成する反射光路9とが生じる。
これに対し、本発明による半導体発光装置1においては、光学系3及び4による反射光路8及び9の規定の態様が、後述するように、入射光路6及び7の受光面51に対する角度つまり進行方向、各光路の幅及び焦点距離、各出力端面23及び24とミラー33及び43との距離等の選定によって制御をなされることにより、各反射光路8及び9が、出力端面24及び23を除いて形成されるように装置の構成を制御することができるものである。
そして、例えば、図2に示すように受光体5が半導体発光素子21の直上部よりも十分に奥まって配置される構成とすることによって、反射光路8及び9が出力端面23及び24を除いた他部にのみ形成される構成とすることができる。
すなわち、半導体発光装置1において、各反射光路8及び9が、上述の光学系4及び3を構成するミラー43及び33、シンドリカルレンズ42及び32、シンドリカルレンズ41及び31を経て、上述の出力端面24及び23に至る構成を回避することによって、これら反射光路8及び9を形成する各反射光が半導体発光素子21に対する戻り光となることが回避される。
したがって、この例においては、本発明による半導体発光装置1において、半導体発光素子21の出力端面数が複数とされたことに伴う戻り光の発生が回避され、半導体発光装置1の長寿命化が図られる。
更に、本発明による半導体発光装置によれば、所望の対象例えば光ファイバ等の受光体の受光面に、半導体発光素子からの複数ないし多数の発振光を集中することが、光発振における各出力端面の負担軽減と、各出力端面への戻り光発生の回避とによって、装置の高出力化とともに可能とされることから、装置の設計における自由度も拡張されるものである。
上述の本発明による半導体発光装置の実施の形態例においては、上述の複数の反射光路8及び9に対する、光学系3及び4と受光体5とを含む装置の構成による規定の態様の制御によって、各反射光路8及び9が、上述の複数の入射光路の少なくとも1つ、この場合は互いの反射光路9及び8に対応する入射光路7及び6を生成する各出力端面24及び23を除いて形成される構成としたものである。
なお、各出力端面24及び23に対する戻り光の発生をより確実に回避するため、上述の反射光路8及び9はレンズやミラー等の光学素子の外部に形成されることが望ましい。
続いて、図3〜図6を参照して、本発明による半導体発光装置における、複数の発振光を構成する反射光路に対する、装置の構成による態様制御の例について説明する。
まず、同一の受光面に向けて複数の入射光路が形成され、これら入射光路が受光面で厳密に集束される場合の戻り光の発生に関して、図3A及び図3Bを参照して説明する。
まず、図3Aに示す態様例では、1つの光路(以下、第1の光路とする)を構成する入射光路6の光軸(図示せず)が、他の1つの光路(以下、第2の光路とする)を構成する反射光路9の光軸(図示せず)とのなす角に比し、この第2の光路を構成する入射光路7の光軸(図示せず)とのなす角を、より小とされて成る。すなわち、この態様例では、第1の光路を構成する入射光路6と第2の光路を構成する入射光路7とが、受光面51に垂直な、紙面に直交する平面a(破線図示)に関して、同じ側から受光面51に向けて形成される。
この態様例においては、第1の光路を構成する反射光路8と第2の光路を構成する反射光路9とが、受光面51上に始点を有して、上述の平面aに関して同じ側に形成される。したがって、いずれかの光路が受光面51に垂直な破線aを跨いで形成されない限り、上述の入射光路6及び入射光路7間に重複領域bが生じても、反射光路8及び反射光路9間に生じる重複領域b´は、上述の複数の出力端面に対する戻り光の光路とはならない。
一方、図3Bに示す態様例では、第1の光路を構成する入射光路6の光軸が、第2の光路を構成する入射光路7の光軸とのなす角に比し、この第2の光路を構成する反射光路9の光軸とのなす角を小とされて成る。すなわち、この態様例では、第1の光路を構成する入射光路6と第2の光路を構成する入射光路7とが、受光面51に垂直な、紙面に直交する平面aに関して、異なる側から受光面51に向けて形成される。
この態様例においては、第1の光路を構成する反射光路8と第2の光路を構成する反射光路9とが、受光面51上に始点を有して、上述の平面aに関して異なる側に形成される。したがって、このとき、入射光路6及び反射光路9間に、図3Bに領域cで示すような重複領域が生じると、この重複領域c内の反射光路9が、入射光路6を形成する出力端面(図1における出力端面23)へ向かう光路となってしまい、戻り光が発生してしまう。また、このとき、入射光路7及び反射光路8間には、図3Bに領域c´で示すような重複領域が生じてしまうことから、この重複領域c´内の反射光路8も、入射光路7を形成する出力端面(図1における出力端面24)へ向かう光路となってしまい、戻り光が発生してしまう。
このような、受光面に対して複数の入射光路が、受光面に垂直な一平面に関して異なる側から形成される場合には、上述したように、受光面で生成する反射光路が上述の出力端面へ向かう戻り光となることを回避することが必要となる。
この戻り光の発生を回避するための、本発明による半導体発光装置の構成による、複数の反射光路に対する態様制御の例について、図4を参照して説明する。
この例においては、複数の反射光路の態様が、受光面51に対する入射光路6及び7の進行方向を定める角度つまり入射角や、各入射光路の幅及び焦点距離を定める集光角等の選定によって制御をなされることにより、各反射光路8及び9が、出力端面24及び23を除いて形成される構成とするものである。
以下では、発振光の集光角および発散角を、放射強度分布において最大強度の1/e2となる角度の半角として定義する。図4に示すように、受光体5の受光面51をx−y平面とし、受光面51の法線をz軸とする。z軸方向の単位ベクトルをn=(0,0,1)とする。次に、出力端面23からの発振光が受光面51に向かう入射光路6の光軸をRとし、Rの単位ベクトルをa=(a,a,a)、集光角をφとする。
同様に、出力端面24からの発振光が受光面51に向かう入射光路7の光軸をRとし、その光軸の単位ベクトルをb=(b,b,b)、集光角をφとする。
一方、反射光路8の光軸をR´とし、その光軸の単位ベクトルをa´=(a´,a´,a´)、発散角をφ´とする。また、反射光路9の光軸をR´とし、その光軸の単位ベクトルをb´=(b´,b´,b´)、発散角をφ´とする。光軸Rと光軸R´とのなす角度をΔθ(R,R´)とし、光軸Rと光軸R´とのなす角度をΔθ(R,R´)とし、光軸Rと光軸R´とのなす角度をΔθ(R,R´)、光軸Rと光軸R´とのなす角度をΔθ(R´,R)とする。
受光体5の受光面51に対する光軸Rの入射角をθとすると、θはaの逆ベクトルとnの内角の式から、[数1]に示すようになる。
Figure 2006041055
受光体5が例えば光ファイバである場合、光軸Rが最高効率で入射するためには、光ファイバの開口数をNAとすると、光軸Rが光ファイバの臨界入射角θNA=arcsin(NA)以内で入射する必要があるので、[数2]を満たさなければならない。
Figure 2006041055
[数1]及び[数2]より、[数3]が成立する。
Figure 2006041055
同様に、光軸Rに関して、[数4]が成立する。
Figure 2006041055
また、上述のように、受光面51へ向かう入射光路6と反射光路9とが重複すると、反射光路8が出力端面24を含んで形成され、反射光路9も出力端面23を含んで形成されてしまい、戻り光が発生してしまうことから、入射光路6の光軸Rの集光角φと反射光路9の光軸R´の発散角φ´の和が、光軸Rと光軸R´の逆ベクトルとのなす角度Δθ(R,R´)に対して、[数5]の条件を満たす必要がある。
Figure 2006041055
ここで、Δθ(R,R´)に関して、上述のaと、b´の逆ベクトルとの内積の関係から[数6]が成立する。
Figure 2006041055
[数5]及び[数6]より、[数7]が成立する。
Figure 2006041055
´とRに関しても、同様に[数8]を満たす必要がある。
Figure 2006041055
ここで、Δθ(R´,R)に関して、上述のa´の逆ベクトルと、bとの内積の関係から[数9]が成立する。
Figure 2006041055
[数8]及び[数9]より、[数10]が成立する。
Figure 2006041055
一方、入射光路6と反射光路8とが重複すると、出力端面23への戻り光が発生してしまうため、光軸Rと、光軸R´の逆ベクトルとのなす角度Δθ(R,R´)に対して、[数11]の条件を満たす必要がある。
Figure 2006041055
ここで、Δθ(R,R´)に関して、上述のaと、a´の逆ベクトルとの内積の関係から[数12]が成立する。
Figure 2006041055
[数11]及び[数12]より、[数13]が成立する。
Figure 2006041055
とR´に関しても、同様に[数14]を満たす必要がある。
Figure 2006041055
ここで、Δθ(R,R´)に関して、上述のbと、b´の逆ベクトルとの内積の関係から[数15]が成立する。
Figure 2006041055
[数14]及び[数15]より、[数16]が成立する。
Figure 2006041055
以上のように態様を制御することにより、この実施の形態例において、本発明による半導体発光装置における出力端面に向かう戻り光の発生を回避するには、第1の光路を構成する入射光路6、第2の光路を構成する入射光路7、第1の光路を構成する反射光路8、第2の光路を構成する反射光路9に関して、[数3]、[数4]、[数7]、[数10]、[数13]、[数16]の全てが成立することが必要十分条件となる。
特に、受光面51が回折格子のような回折素子ではなく、平面形状かつ均一なガラスや石英などによって構成されている場合、φ=φ´、φ=φ´でありa´=(a,a,−a)、b´=(b,b,−b)であるため、[数7]と[数10]はともに[数17]となり、[数13]、[数16]はそれぞれ、[数18]、[数19]となる。
Figure 2006041055
Figure 2006041055
Figure 2006041055
なお、上述の必要十分条件は、複数の出力端面からの発振光が、厳密な集束をもって受光面に集中される場合に、上述の複数の出力端面へ向かう戻り光の発生が回避されるものであるが、本発明による半導体発光装置の構成による各反射光路の態様制御は、これに限られるものではない。
すなわち、半導体発光装置に対する高出力化の要求が特に強く、上述の受光体例えば光ファイバのコアの断面積の拡大によって、より多数の出力端面から発振される多数の発振光をコアに入射させるなどの場合には、上述の臨界入射角の制限等によって、多数の発振光による入射光路は受光面上の一定領域内、例えば上述のコアの断面内に分布して集中される。
この場合、図5に示すように、第1の光路を構成する入射光路6と第2の光路を構成する反射光路9との間に重複領域dが生じ、第1の光路を構成する反射光路8と第2の光路を構成する入射光路7との間に重複領域d´が生じると、これら重複領域d及びd´の少なくとも一方は、その重複領域内の入射光路を形成する出力端面へ向かう戻り光となってしまう可能性がある。
しかし、本発明による半導体発光装置においては、複数の出力端面からの発振光が、受光面への集中において厳密な集束をなされない場合にも、例えば図6に示すように、一方の光路例えば第1の光路を構成する入射光路6と第2の光路を構成する反射光路9及び入射光路7との間に重複領域e及びe´が生成する構成とするとか、図7に示すように、一方の光路例えば第1の光路を構成する出射光路8と第2の光路を構成する反射光路9及び入射光路7との間に重複領域f及びf´が生成する構成とすることが、上述の必要十分条件と同様に条件を選定することによって可能であり、この場合には、重複領域の生成すなわち光路の交叉によって上述の各出力端面へ向かう戻り光は発生しない。
また、本発明による半導体発光装置においては、複数の出力端面からの発振光が、受光面への集中において厳密な集束をなされない場合に、例えば図8に概略図を示すように、第1の光路を構成する入射光路6と、第2の光路を構成する入射光路7とが、受光面51の一定領域内の異なる位置に分布して集中される場合に、受光面51に向かう入射光路7と受光面51で生じる反射光路9とによって構成される第2の光路が、入射光路6と反射光路8とによって構成される第1の光路を跨いで形成される、つまり互いに重ならない構成とすることも、上述の必要十分条件と同様に条件を選定することによって可能であり、この場合にも、重複領域の生成すなわち光路の交叉によって上述の各出力端面へ向かう戻り光は発生しないものである。
次に、本発明による半導体発光アレイ装置の実施の形態例について、図9の概略構成図を参照して説明する。
この実施の形態例においては、本発明による半導体発光アレイ装置11は、光源部2と、光学系3及び4と、受光体5とを有する。
光源部2は、例えば共通のアレイバー25の上に形成された半導体発光素子21a〜21cを有し、この半導体発光素子21a〜21cの多数例えば6つの出力端面、この例では各半導体レーザ素子の共振器構造の両端面である出力端面23a〜23c及び24a〜24cから、出力端面の数に対応する多数の光が発振される。
受光体5は、この例ではダブルクラッド構造による光ファイバであり、上述の光源部2からの複数の発振光が集中される受光面51を有する。
光学系3は、光学素子、例えばシリンドリカルレンズ31a〜31c及び32a〜32cとミラー33とを有し、これら光学素子によって、半導体発光素子21a〜21cの出力端面23a〜23cからの発振光に対応する光路、この例では第1の光路を構成する入射光路6a〜6cが、受光体5の受光面51に向かうように規定される。
光学系4は、光学素子、例えばシリンドリカルレンズ41a〜41c及び42a〜42cとミラー43とを有し、これら光学素子によって、半導体発光素子21a〜21cの出力端面24a〜24cからの発振光に対応する光路、この例では第2の光路を構成する入射光路7a〜7cが、受光体5の受光面51に向かうように規定される。
すなわち、この実施の形態例においては、出力端面23a〜23cから生じる光路、つまり光学系3によって規定される第1の光路を構成する入射光路6a〜6cと、出力端面24a〜24cから生じる光路、つまり光学系4によって規定される第2の光路を構成する入射光路7a〜7cとが、受光体5の受光面51に、例えば受光体5の内部への光の取り込みを目的として集中される。
この構成によれば、光発振が複数の出力端面例えば半導体発光素子21a〜21cの共振器構造の両端面である出力端面23a〜23c及び24a〜24cからなされ、出力された各発振光が所望の対象この例では受光体5の受光面51に集中されることから、高出力光を得ることができ、高出力化に伴って半導体発光素子の各出力端面にかかる負担の軽減、すなわち端面劣化や端面破壊の低減も図られる。
また、複数の発振光に対してミラーを共通に用いる構成としたことにより、材料及び部品点数の低減がなされる。
この例においては、まず、光源部2において、電源22a〜22cによって半導体発光素子21a〜21cに対する順方向電圧の印加がなされて、半導体発光素子21a〜21cの共振器構造の両端面である出力端面23a〜23c(図示せず)及び24a〜24c(図示せず)からの光発振がなされる。そして、各出力端面23a〜23c及び24a〜24cから発振された光は、それぞれ光学系3及び4によって入射光路6a〜6c及び入射光路7a〜7cを規定されて、受光体5の受光面51へと集中される。
この受光面51への発振光の集中は、光源部2から出力された発振光の、受光体5の内部への取り込み等の目的によってなされるが、第1及び第2の入射光路6a〜6c及び7a〜7cを形成する各発振光が受光面51で一部反射された場合には、各入射光路に対応して、第1の光路を構成する反射光路8a〜8cと第2の光路を構成する反射光路9a〜9cとが生じる。
これに対し、本発明による半導体発光アレイ装置11においては、光学系3及び4による反射光路8a〜8c及び9a〜9cの規定の態様が、上述したように、入射光路6a〜6c及び7a〜7cの受光面51に対する角度つまり進行方向、各光路の幅及び焦点距離、出力端面23a〜23c及び24a〜24cとミラー33及び43との距離等の選定によって制御をなされることにより、各反射光路8a〜8c及び9a〜9cが、出力端面24a〜24c及び23a〜23cを除いて形成されるように装置の構成を制御することができるものである。
すなわち、半導体発光アレイ装置11において、各反射光路8a〜8c及び9a〜9cが、上述の光学系4及び3を構成するミラー43及び33、シンドリカルレンズ42a〜42c及び32a〜32c、シンドリカルレンズ41a〜41c及び31a〜31cを経て、上述の出力端面24a〜24c及び23a〜23cに至る構成を回避することによって、これら反射光路8a〜8c及び9a〜9cを形成する各反射光が、半導体発光素子21a〜21cに対する戻り光となることが回避される。
したがって、この例においては、本発明による半導体発光アレイ装置11において、半導体発光素子21a〜21cの合波と出力端面数が多数とされたことに伴う戻り光の生成が回避され、半導体発光アレイ装置11の長寿命化が図られる。
更に、本発明による半導体発光アレイ装置によれば、所望の対象例えば光ファイバ等の受光体の受光面に、半導体発光素子からの多数の発振光を集中することが、光発振における各出力端面の負担軽減と、各出力端面への戻り光発生の回避とによって、装置の高出力化とともに可能とされることから、装置の設計における自由度も拡張されるものである。
上述の本発明による半導体発光装置の実施の形態例においては、光学系3及び4と受光体5とを含む装置の構成による、上述の多数の反射光路8a〜8c及び9a〜9cに対する規定の態様の制御によって、各反射光路8a〜8c及び9a〜9cが、上述の複数の入射光路の少なくとも1つ、この場合は互いの反射光路9a〜9c及び8a〜8cに対応する入射光路7a〜7c及び6a〜6cを生成する各出力端面24a〜24c及び23a〜23cを除いて形成される構成としたものである。
なお、各出力端面24a〜24c及び23a〜23cに対する戻り光の発生をより確実に回避するため、上述の反射光路8a〜8c及び9a〜9cは、レンズやミラー等の光学素子の外部に形成されることが望ましい。
また、この本発明による半導体発光アレイ装置においても、多数の反射光路の生成に伴う戻り光の発生回避が、上述したような、半導体発光装置における装置構成による反射光路の態様の制御を適用することによってなされるものである。
そして、この反射光路の態様の制御によって、受光体5が第3の半導体発光素子21cの直上部よりも十分に奥まって配置される構成とすることによって、反射光路8a〜8c及び9a〜9cが、各出力端面23a〜23c及び24a〜24cを除いて他部に形成される構成とすることができる。
すなわち、入射光路と反射光路から成る光路、すなわち光源部2からの発振光が多数とされても、各反射光路が光源部を構成する多数の出力端面を除いて形成される構成とすることによって、本発明による半導体発光アレイ装置の光学的特性劣化及び短寿命化の回避が図られるものである。
以上、本発明による半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法の実施の形態例について説明したが、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置は、この実施の形態例に限られるものでないことは言うまでもない。
例えば、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置は、必ずしも全ての戻り光の発生の回避を図る構成に限られず、例えば所定の戻り光の選択的な低減ないしは抑制を伴って、所望の対象への光の集中、例えば出力端面の数に比して少ない受光面への光の集中がなされ、低減ないしは抑制する戻り光の選択に応じて装置の高出力化や長寿命化がなされる。
また、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置は、装置を構成する半導体発光素子の数に制限されることなく、より多くの光路を形成し、受光面に集中される構成とすることができる。
また、上述の本発明による半導体発光アレイ装置の実施例においては、各半導体発光素子21a〜21cに対して個別に電源22a〜22cを設ける構成としたが、これら電源を一体として複数の半導体発光素子に対する電圧印加がなされる構成とすることもできる。
また、上述の本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置の実施の形態例においては、受光体5を1つ設け、複数の半導体発光素子からの全ての発振光を1つの受光面51に集中する構成としたが、受光体を複数設け、各受光体の受光面に所望の態様で合波ないし集中させることも可能である。
また、上述の半導体発光アレイ装置を構成する複数例えば3つの半導体発光素子21a〜21cの発光波長帯を互いに異なるものとすることも可能である。そして、これら複数の半導体発光素子は、共通のアレイバー上に形成される構成のほか、個別のチップ上に形成してこれらを並べる構成とすることもできる。
更に、本発明による半導体発光装置及び半導体発光アレイ装置は、受光面の役割によって投影装置等の装置にも適用できるなど、上述の実施の形態に限られるものでないことはいうまでもない。
本発明による半導体発光装置の一例の概略構成図である。 本発明による半導体発光装置の一例の、一部を切欠した概略斜視図である。 図3A及び図3Bは、それぞれ、受光面において複数の光が厳密に一点に集束される場合の、複数の光の入射光路及び反射光路の態様例を示す概略図である。 本発明による半導体発光装置における、受光面で生じる反射光路の態様制御の例を示す模式図である。 受光面において複数の光が厳密に一点に集束されない場合の、複数の光の入射光路及び反射光路の態様例を示す概略図である。 受光面において複数の光が厳密に一点に集束されない場合の、複数の光の入射光路及び反射光路の態様例を示す概略図である。 受光面において複数の光が厳密に一点に集束されない場合の、複数の光の入射光路及び反射光路の態様例を示す概略図である。 受光面において複数の光が厳密に一点に集束されない場合の、複数の光の入射光路及び反射光路の態様例を示す概略図である。 本発明による半導体発光アレイ装置の一例の、一部を切欠した概略斜視図である。 従来の半導体発光装置の概略図である。
符号の説明
1・・・半導体発光装置、2・・・光源部、3・・・光学系、4・・・光学系、5・・・受光体、6(6a,6b,6c)・・・第1の光路を構成する入射光路、7(7a,7b,
7c)・・・第2の光路を構成する入射光路、8(8a,8b,8c)・・・第1の光路を構成する反射光路、9(9a,9b,9c)・・・第2の光路を構成する反射光路、11・・・半導体発光アレイ装置、21(21a,21b,21c)・・・半導体発光素子、22(22a,22b,22c)・・・電源、23(23a,23b,23c)・・・出力端面、24(24a,24b,24c)・・・出力端面、25・・・アレイバー、26・・・光源実装部、27・・・段差、31(31a,31b,31c)・・・シリンドリカルレンズ、32(32a,32b,32c)・・・シリンドリカルレンズ、33・・・ミラー、41(41a,41b,41c)・・・シリンドリカルレンズ、42(42a,42b,42c)・・・シリンドリカルレンズ、43・・・ミラー、51・・・受光面、101・・・従来の半導体発光装置、102・・・基板、103・・・LEDチップ、104・・・構造物、105・・・半導体基板、106・・・半導体基板、107・・・反射膜、108・・・樹脂、109・・・光出射口

Claims (22)

  1. 半導体発光素子を有し、該半導体発光素子の複数の出力端面から発振される複数の発振光を得る光源部と、
    光学素子を有し、上記複数の発振光に対応する複数の光路を規定する光学系と、
    受光面を有する受光部とからなり、
    上記光学系によって、上記複数の発振光に対応する上記複数の光路が、上記受光面に集中されることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記複数の反射光路の少なくとも1つが、上記複数の入射光路の少なくとも1つを生じる上記出力端面を除いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記複数の光路のうち、1つの光路を構成する上記入射光路軸が、他の1つの光路の上記反射光路軸とのなす角に比し、上記他の1つの光路の上記入射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  4. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記複数の光路のうち、1つの光路を構成する上記入射光路軸が、他の1つの光路の上記入射光路軸とのなす角に比し、上記他の1つの光路の上記反射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  5. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記複数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と上記受光面でのみ重複することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  6. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記複数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と上記受光面以外で交叉することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  7. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記複数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路に重ならないことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
  8. 上記受光面が、導波路構造を有するファイバの端面であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  9. 少なくとも2つ以上の半導体発光素子からなる半導体発光アレイ装置であって、
    上記半導体発光素子の複数の出力端面から発振される多数の発振光を得る光源部と、
    光学素子を有し、上記多数の発振光に対応する多数の光路を規定する光学系と、
    受光面を有する受光部とからなり、
    上記光学系によって、上記多数の発振光に対応する上記多数の光路が、上記受光面に集中されることを特徴とする半導体発光アレイ装置。
  10. 上記複数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記多数の反射光路の少なくとも1つが、上記多数の入射光路の少なくとも1つを生じる上記出力端面を除いて形成されることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光アレイ装置。
  11. 上記多数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記多数の光路のうち、1つの光路を構成する上記入射光路軸が、他の1つの光路の上記反射光路軸とのなす角に比し、上記他の1つの光路の上記入射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  12. 上記多数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記多数の光路のうち、1つの光路を構成する上記入射光路軸が、他の1つの光路の上記入射光路軸とのなす角に比し、上記他の1つの光路の上記反射光路軸とのなす角を、より小とされて成ることを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  13. 上記多数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記多数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と上記受光面でのみ重複することを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  14. 上記多数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記多数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路と上記受光面以外で交叉することを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  15. 上記多数の発振光の各光路が、それぞれ、上記受光面への入射光路と、上記受光面からの反射光路とを有し、
    上記多数の光路のうち、少なくとも1つの光路を構成する反射光路が、他の1つの光路を構成する入射光路に重ならないことを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  16. 上記複数の半導体発光素子が、それぞれ個別のチップ上に形成されてなることを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  17. 上記複数の半導体発光素子の少なくとも一部が、互いに異なる発光波長帯を有することを特徴とする請求項16に記載の半導体発光アレイ装置。
  18. 上記多数の発振光の少なくとも一部が、合波されて出力されることを特徴とする請求項16に記載の半導体発光アレイ装置。
  19. 上記複数の半導体発光素子の少なくとも一部が、共通のアレイバー上に形成され、それぞれの素子の出力端面から発振光が出力されてなることを特徴とする請求項9または10に記載の半導体発光アレイ装置。
  20. 上記複数の半導体発光素子の少なくとも一部が、互いに異なる発光波長帯を有することを特徴とする請求項19に記載の半導体発光アレイ装置。
  21. 上記多数の発振光の少なくとも一部が、合波されて出力されることを特徴とする請求項19に記載の半導体発光アレイ装置。
  22. 上記受光面が、導波路構造を有するファイバの端面であることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光アレイ装置。
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