JP2006040804A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 安全性、信頼性を向上させて、低消費電力で低温時の起動性を改善することを課題とする。
【解決手段】 発熱剤の酸化カルシウムと反応剤の水との化学反応により得られる反応熱で、燃料電池スタック1に導入される前の冷却媒体ならびに酸化剤ガスを加熱して昇温し、昇温した冷却媒体ならびに酸化剤ガスを燃料電池スタック1に導入する昇温装置5を備えて構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷機状態での起動性を改善した燃料電池システムに関する。
水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとの化学反応により電気エネルギーを得る燃料電池においては、化学反応を利用することから常温よりも高い温度で動作させることで、効率よく電気エネルギーを得ることができる。したがって、燃料電池の起動時、特に氷点下等の低温状態で起動する場合には、燃料電池を加熱して昇温させる必要がある。
そこで、燃料電池の起動時における従来の昇温方法としては、例えば燃料ガスを燃焼させてその燃焼熱で燃料電池スタックを冷却する水等の冷却媒体を加熱し、加熱された冷却媒体を燃料電池スタックに循環させて燃料電池スタックを加熱して昇温する方法が知られている。燃料ガスを燃焼させて得られる燃焼ガスにより冷却媒体を加熱する方法以外に、冷却媒体を加熱する方法としては、例えば電気ヒータにより加熱する方法も知られている(特許文献1参照)。
また、以下に示す文献(特許文献2参照)に記載されているように、燃料電池スタックの積層方向への加圧力を選択的に低下させ、セル間やセルを構成する部材間の接触抵抗をを増大させることで、燃料電池スタックの内部損失を大きくし、自己発熱量を上げて昇温する手法も知られている。
特開平7−94202号公報 特開平7−302607号公報
以上説明したように、低温起動時に燃料電池スタックを昇温させる従来の手法において、燃料ガスの燃焼熱で加熱された冷却媒体を燃料電池スタックに循環させて昇温する手法では、可燃性の燃料ガスを燃焼器まで分配しなければならない。このため、分配用の配管の長さが増大し、燃料ガスが漏れるおそれが増し、信頼性の低下を招くおそれがあった。また、燃料電池スタックを車両に搭載した場合には、車両の停止状態で燃料ガスを相当消費するため、燃費が悪化する可能性があった。
一方、電気ヒータで燃料ガスを加熱する方法では、外部からの電源を使用しない場合、車両に搭載している2次電池からの電力供給のみで電気ヒータを作動させることになる。このような場合に、燃料電池スタックの温度がある程度上昇するまでは燃料電池スタック本体から電力の取り出しが期待できない。このため、燃料電池スタックの温度が上昇するまでは電気ヒータのみならず、燃料電池スタックに供給される酸化剤ガスを圧縮する酸化剤ガス供給用の圧縮機を初めとする補機類を全て2次電池の電力で賄うことが求められる。
したがって、大電力を賄うためには2次電池の容量を増加させる必要があり、2次電池の大型化、重量化を招くことになる。燃料電池スタックを車両に搭載する場合には、搭載空間に制限があるので、2次電池の大型化は2次電池の車両での設置箇所に制約を与え、2次電池の重量増加は燃費の悪化も招くといった問題があった。
一方、燃料電池スタックの締付け圧力を減少させて自己発熱量の増大により昇温する手法では、燃料電池スタックの締付け圧の減少により燃料電池スタックから燃料漏れが発生することが懸念され、安全上問題があった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安全性、信頼性を向上させて、低消費電力で低温時の起動性を改善した燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、燃料極に供給される燃料ガスと、酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを反応させて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムおいて、発熱剤に反応剤を加えて生じる化学反応により得られる反応熱で、前記燃料電池に導入される前の冷却媒体ならびに酸化剤ガスを加熱して昇温し、昇温した冷却媒体ならびに酸化剤ガスを前記燃料電池に導入する昇温装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、燃料ガス漏れを起こす可能性のある部位を減らせることが可能となり、システムの安全運転の観点から極めて有効である。また、システムの低温起動時に必要な消費電力を低減することができ、システムの低温起動を容易化することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す図である。図1に示す実施例1の燃料電池システムは、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスを化学反応させて電気エネルギーを得る燃料電池スタック1と、この燃料電池スタック1から取り出された電力を消費する、例えば車両を駆動する駆動モータ等の負荷2と、燃料電池スタック1から取り出された電力で充電され、蓄えられた電力を電気ヒータ等の燃料電池システムの運転に必要な構成要素に給電する2次電池3と、燃料電池スタック1から取り出された電力を負荷2ならびに2次電池3に分配管理する電力分配装置4と、燃料電池スタック1に供給される酸化剤ガスならびに燃料電池スタック1を冷却する冷却媒体を昇温する昇温装置5を備えて構成されている。
燃料電池スタック1には、冷媒導入配管6を介して冷却媒体が導入され、燃料電池スタック1に導入された冷却媒体は冷媒排出配管7を介して燃料電池スタック1から排出され、排出された冷却媒体は、図示しない冷却装置で冷却される。一方、排出された冷却媒体は、必要に応じて、バイパス用の三方弁8を介して冷媒導入配管6と冷媒排出配管7と間に設けられたバイパス配管9を通って、冷媒導入配管6にバイパスされる。
冷媒導入配管6には、分岐用の三方弁10を介して、燃料電池スタック1に導入される前の冷却媒体を昇温装置5に分岐バイパスさせて冷媒導入配管6の下流側に戻す冷媒分岐配管11が設けられている。この冷媒分岐配管11は、昇温装置5を貫通するように配管され、システムの低温起動時には、三方弁10を切り替え制御することで、三方弁10を介して冷媒導入配管6と接続されて冷却媒体を昇温装置5に導入し、システムの起動後は冷媒導入配管6と非接続される。
燃料電池スタック1には、酸化剤ガス導入配管12を介して、空気圧縮機13で圧縮されて高温化された酸化剤ガスが導入される。酸化剤ガス導入配管12には、分岐用の三方弁14を介して、燃料電池スタック1に導入される前の酸化剤ガスを昇温装置5に分岐バイパスさせて酸化剤ガス導入配管12の下流側に戻す酸化剤ガス分岐配管15が設けられている。この酸化剤ガス分岐配管15は、昇温装置5を貫通するように配管され、システムの低温起動時には、三方弁14を切り替え制御することで、三方弁14を介して酸化剤ガス導入配管12と接続されて酸化剤ガスを昇温装置5に導入し、システムの起動後は酸化剤ガス導入配管12と非接続される。また、三方弁14間の酸化剤ガス導入配管12は、昇温装置5を貫通して配管されている。
燃料電池スタック1には、燃料電池スタック1から排出されたオフガスを外部に導くオフガス配管16が設けられている。このオフガス配管16は、昇温装置5を貫通するようにして昇温装置5に接続配管されている。昇温装置5を貫通した下流側のオフガス配管16には、水分回収器17が設けられている。この水分回収器17は、燃料電池スタック1から排出されたオフガスに含まれる水分を凝縮させて、オフガスから水分を回収する。回収された水分は、水分回収配管18を介して水タンク19に蓄えられる。
この水タンク19に蓄えられた水は、昇温装置5で行われる昇温動作の際に使用される反応剤として反応剤導入配管20を介して昇温装置5に導入される。水タンク19には、電気ヒータ21が設けられている。この電気ヒータ21は、2次電池3から給電されて水タンク19を加熱し、低温時に蓄えられた水が凍結した際に凍結水を解凍する。
昇温装置5は、図2の断面図に示すように構成されている。図2において、昇温装置5は、最外殻部に蓄熱剤51が設けられ、この蓄熱剤51には、図1に示す三方弁14間の酸化剤ガス導入配管12、ならびにオフガス配管16が貫通して配管されている。蓄熱剤51中の酸化剤ガス導入配管12ならびにオフガス配管16には、酸化剤ガスならびにオフガスの熱を蓄熱剤51に伝達するための熱交換器52,53が設けられている。蓄熱剤51は、熱交換器52,53を介して与えられた酸化剤ガス又はオフガスの熱を蓄熱し、蓄熱した熱によりシステム停止後の昇温装置5の保温を補助する。
蓄熱剤51に取り囲まれるようにして昇温装置5の内部には、冷却媒体ならびに酸化剤ガスを加熱する、例えば酸化カルシウムで構成されて発熱剤容器に収容された発熱剤54が配置されている。この発熱剤54には、冷媒分岐配管11ならびに酸化剤ガス分岐配管15が貫通して配管されている。発熱剤54中の冷媒分岐配管11ならびに酸化剤ガス分岐配管15には、発熱剤54の発熱反応で得られた熱を冷却媒体ならびに酸化剤ガスに伝達するための熱交換器55が設けられている。
昇温装置5には、発熱剤54には、発熱剤54に加えられて発熱反応を発生させる反応剤として作用し、図1に示す水タンク19に蓄えられて反応剤導入配管20を介して与えられた水を発熱剤54に均等に分岐するマニホールド56、ならびに発熱反応後の酸化カルシウムを再生するために使用される電気ヒータ57が設けられている。
発熱剤54は、酸化カルシウムと水タンク19から供給された水との化学反応により得られた反応熱を、熱交換器55を介して冷媒分岐配管11を流通する冷却媒体、ならびに酸化剤ガス分岐配管15を流通する酸化剤ガスに伝達して、燃料電池スタック1に導入される前の冷却媒体ならびに酸化剤ガスを昇温する。酸化カルシウムは水との反応後水酸化カルシウムとなり、水との化学反応により再度反応熱を取り出すことができない。これを回避するために、水酸化カルシウムは、2次電池3から給電された電気ヒータ57により580℃程度以上に加熱され、水との化学反応により反応熱が得られる酸化カルシウムに還元されて再生される。
また、この燃料電池システムは、コントロールユニット(図示せず)を備えている。コントロールユニットは、本システムの運転を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。コントロールユニットは、本システムにおける各センサ(図示せず)からの信号を読み込み、予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、三方弁10、14を含む本システムの各構成要素に指令を送り、昇温装置5における昇温動作を含む本システムの運転/停止に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
このような構成において、この実施例の燃料電池システムでは、低温状態でシステムを起動される場合には、先ず反応剤導入配管20を介して水タンク19に蓄えられた水を昇温装置5に導入する。氷点下時に水タンク19に蓄えられていた水が凍結していた場合には、電気ヒータ21に通電して凍結水を加熱して解凍する。したがって、反応剤導入配管20は、断熱仕様かつ配管長が短い方が好ましい。
反応剤導入配管20を介して水タンク19から昇温装置5に導入された水は、昇温装置5に設けられたマニホールド56で発熱剤54に均等に分配される。これにより、発熱剤54を構成する酸化カルシウムと水が反応し、この反応で反応熱が生じる。反応後所定の時間が経過して、この反応熱により発熱剤54の温度がある程度上がったところで、冷媒導入配管6の三方弁10ならびに酸化剤ガス導入配管12の三方弁14を切り替えて、冷媒分岐配管11を冷媒導入配管6に接続し、かつ酸化剤ガス分岐配管15を酸化剤ガス導入配管12に接続する。これにより、燃料電池スタック1に導入される前の冷媒導入配管6を流通する冷却媒体を冷媒分岐配管11を介して昇温装置5に分岐させ、かつ燃料電池スタック1に導入される前の酸化剤ガス導入配管12を流通する酸化剤ガスを酸化剤ガス分岐配管15を介して昇温装置5に分岐させる。
冷媒導入配管6から冷媒分岐配管11を介して昇温装置5に分岐した冷却媒体は、昇温装置5の発熱剤54を貫通する冷媒分岐配管11を流通する。これにより、発熱剤54の中の冷媒分岐配管11に設けられた熱交換器55を介して発熱剤54で得られた反応熱が冷媒分岐配管11を流通する冷却媒体に伝わり、冷却媒体が昇温される。また、酸化剤ガス導入配管12から酸化剤ガス分岐配管15を介して昇温装置5に分岐した酸化剤ガスは、昇温装置5の発熱剤54を貫通する酸化剤ガス分岐配管15を流通する。これにより、発熱剤54の中の酸化剤ガス分岐配管15に設けられた熱交換器55を介して発熱剤54で得られた反応熱が酸化剤ガス分岐配管15を流通する酸化剤ガスに伝わり、酸化剤ガスが昇温される。
このようにして、昇温装置5で昇温された冷却媒体は、冷媒分岐配管11ならびに三方弁10を介して冷媒導入配管6に戻り、冷媒導入配管6を介して燃料電池スタック1に導入される。また、昇温装置5で昇温された酸化剤ガスは、酸化剤ガス分岐配管15ならびに三方弁14を介して酸化剤ガス導入配管12に戻り、酸化剤ガス導入配管12を介して燃料電池スタック1に導入される。このように、昇温装置5で昇温された冷却媒体ならびに酸化剤ガスが燃料電池スタック1に導入されることで、燃料電池スタック1の昇温が促進される。
その後、燃料電池スタック1が一定の温度に到達したところで、三方弁10,14を切り替え制御し、冷媒分岐配管11を冷媒導入配管6から切り離し、冷却媒体を昇温装置5に分岐バイパスさせることなく燃料電池スタック1に導入し、かつ酸化剤ガス分岐配管15を酸化剤ガス導入配管12から切り離し、酸化剤ガスを昇温装置5の発熱剤54を貫通させることなく燃料電池スタック1に導入する。これにより、燃料電池スタック1を通常運転に切り替える。
燃料電池スタック1が通常運転に切り替えられて、燃料電池スタック1から排出されたオフガスの温度、ならびに空気圧縮機13で圧縮された酸化剤ガスの温度が上がる。これにより、温度が上がったオフガスは昇温装置5の蓄熱剤51を貫通するオフガス配管16を流通することで、蓄熱剤51に設けられた熱交換器52を介してオフガスと蓄熱剤51が熱交換され、蓄熱剤51が加熱される。また、温度が上がった酸化剤ガスは昇温装置5の蓄熱剤51を貫通する酸化剤ガス導入配管12を流通することで、蓄熱剤51に設けられた熱交換器53を介して酸化剤ガスと蓄熱剤51が熱交換され、蓄熱剤51が加熱される。
このようにして、蓄熱剤51が加熱されることで、昇温装置5はシステムの運転停止後もしばらくの間は保温され、次回の低温状態でのシステムの起動を補助することが可能となる。また、昇温装置5より下流側のオフガス配管16に設けられた水分回収器17により、オフガスに含まれる水分が取り出され、取り出された水分が水分回収配管18を介して水タンク19に回収されて蓄えられる。これにより、昇温装置5で使用された水タンク19の水は補充される。
次に、昇温装置5で行われた発熱反応の終わった発熱剤54の酸化カルシウムは、反応が終わった後は水を加えても発熱しない水酸化カルシウムに変化している。このため、水酸化カルシウムに水を加えても反応熱は生じないので、このままでは次回の発熱反応に使用することができない。したがって、水酸化カルシウムを酸化カルシウムに再生処理する必要がある。
この再生処理では、先ず燃料電池システムが起動された後、余剰電力や回生時の電力を使用して昇温装置5に設けられた電気ヒータ57に通電し、電気ヒータ57で水酸化カルシウムを加熱する。なお、システムの運転直後に発電量を増加し、増加分の電力を電気ヒータ57に供給して加熱するようにしてもよいが、通常運転時の余剰電力や回生時の電力を使用することが燃費の面から好ましい。また、昇温装置5の外周に配置されている蓄熱剤51により発熱剤54の昇温が補助される。
これらの加熱手段により、発熱剤54を収容する発熱剤容器を580℃程度以上に加熱する。これにより、発熱反応後の発熱剤54である水酸化カルシウムは元の酸化カルシウムへ還元されて再生される。冬季などの低温下でのシステムの起動時は、この昇温、再生のサイクルを繰り返すことにより、システムの低温起動が容易となる。
以上説明したように、上記実施形態においては、燃料電池スタック1を昇温して起動する際に、従来のように燃料ガスを使用した燃焼器を使用していないので、燃料ガスを燃焼器に導入する燃料分岐用の配管が不要となる。これにより、燃料ガス漏れを起こす可能性のある部位を減らすことが可能となり、システムの安全運転の観点から極めて有効である。
また、システムの低温起動時に、2次電池を使用しないため、2次電池に蓄えられた電力を他の補器の駆動にまわすことができる。これにより、電気ヒータを使用した従来の昇温装置と比較して、起動1回あたりの消費電力を低減することが可能となり、難しい低温起動の回数を増やすことができる。
さらに、昇温装置5における発熱反応で使用される反応剤の水は、容易に入手することが可能であるため、水分回収配管18以外から水タンク19に水を供給できるように水タンク19を構成することで、最悪水タンク19内の水がなくなった場合であっても、反応剤の水を簡単に補充することができる。
昇温装置5の発熱反応で発熱剤54として使用される酸化カルシウムは、広く一般に普及しているため、比較的容易かつ安価に入手することが可能である。したがって、昇温装置5は、量産性に優れ、補修部品等についても容易で安価に供給することができる。
燃料電池スタック1における発電時に水が生成されるため、この水を回収して蓄え、蓄えた水を昇温装置5における発熱反応に使用することで、発熱反応で使用された反応剤の水を補充する手間を省くことができる。
また、昇温装置5の最外殻部に蓄熱剤51を設け、システムの通常運転時に蓄熱剤51に蓄熱し、システム停止後蓄熱された熱で昇温装置5が保温されるので、システムの停止後比較的長く昇温装置5の温度を高く保つことが可能となる。これにより、昇温装置5を貫通する部分の冷媒分岐配管11ならびに酸化剤ガス分岐配管15を長く保温することができるようになり、冷却媒体ならびに酸化剤ガスがそれぞれ対応する分岐配管に導入された際に迅速に昇温することが可能となり、システムの低温起動に有利となる。蓄熱剤51の蓄熱は、発熱剤54を保温するので、使用された発熱剤54を加熱して再生する際にも有利である。
なお、本実施例では、発熱反応に水と酸化カルシウムを使用したが、その他の材料を使用して発熱反応を生じさせても構わない。また、本実施例では、加熱により発熱剤54の水酸化カルシウムを再生処理しているが、その他適切な方法で発熱剤54を再生するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、一部の説明において、燃料電池システムを車両に搭載したものとして説明したが、本システムは使用される環境を選ぶものではなく、車両以外の他の移動体に搭載してもよく、あるいは産業用や一般家庭等で使用される据え置き型のものであっても、同様の効果を得ることができることは勿論である。
本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 図1に示す昇温装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…燃料電池スタック
2…負荷
3…2次電池
4…電力分配装置
5…昇温装置
6…冷媒導入配管
7…冷媒排出配管
8,10,14…三方弁
9…バイパス配管
11…冷媒分岐配管
12…酸化剤ガス導入配管
13…空気圧縮機
15…酸化剤ガス分岐配管
16…オフガス配管
17…水分回収器
18…水分回収配管
19…水タンク
20…反応剤導入配管
21,57…電気ヒータ
51…蓄熱剤
52,53,55…熱交換器
54…発熱剤
56…マニホールド

Claims (5)

  1. 燃料極に供給される燃料ガスと、酸化剤極に供給される酸化剤ガスとを反応させて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムおいて、
    発熱剤に反応剤を加えて生じる化学反応により得られる反応熱で、前記燃料電池に導入される前の冷却媒体ならびに酸化剤ガスを加熱して昇温し、昇温した冷却媒体ならびに酸化剤ガスを前記燃料電池に導入する昇温装置
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記発熱剤は、酸化カルシウムからなり、前記反応剤は水からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記発熱剤の酸化カルシウムと前記反応剤の水との化学反応の後、生成された水酸化カルシウムを加熱して、酸化カルシウムを再生する再生手段
    を有することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池の発電により生成された水を回収して蓄える水分回収蓄積手段を備え、前記水分回収蓄積手段に蓄えられた水を、前記反応剤に用いる
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の燃料電池システム。
  5. 前記昇温装置は、前記発熱剤の周囲に蓄熱剤が配置され、
    前記蓄熱剤は、前記燃料電池から排出されたオフガスの熱、ならびに前記燃料電池に導入される前に圧縮されて高温化された酸化剤ガスの熱が与えられて蓄熱され、前記昇温装置を保温する
    ことを特徴とする請求項1,2,3及び4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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