JP2006040593A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の信頼性を向上し、かつ小型化を可能とした燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 液体ポンプを用いず、順行運転と逆行運転の二つの燃料供給方法により燃料電池に燃料を供給、発電するための燃料電池システムであって、第1の燃料タンクC1と、第2の燃料タンクC2と、前記第1の燃料タンク内に貯蔵されるメタノール水溶液燃料を加圧し前記燃料を供給する空気供給ポンプAPと、前記第2の燃料タンクC2内に供給される燃料を加圧し燃料電池に前記燃料を供給する弾性エネルギー蓄積体27を備えることにより、燃料電池の長寿命化を可能とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は固体電解質膜を使用して発電する燃料電池に関するものである。
燃料電池の発電方式は多くの方式が考案されているが、小型化できる利点から、直接メタノール型燃料電池が注目されている。直接メタノール型燃料電池(以下、DMFCと表記する)のセル1(MEA = Membrane Electrode Assembly)の構成を図8に示す。
燃料電池のセル1は、固体電解質膜2の両面に電極触媒層3,4を形成し、固体電解質膜2の一方の側の電極触媒層3を介して固体電解質膜2の片面にメタノール水溶液5を供給し、固体電解質膜2のもう一方の側の電極触媒層4に酸素6を供給するように構成されている(非特許文献1)。
この発電原理を説明する。
セル1は固体電解質膜2の片側に電極触媒層3を有する燃料極7が形成され、固体電解質膜2のもう一方の側に電極触媒層4を有する空気極8が形成されている。燃料極7に燃料のメタノール水溶液5を供給すると、燃料極7で化学反応が進行して、二酸化炭素とプロトンと電子とが生成する。
CHOH + HO → CO + 6H + 6e
このうち、プロトンは固体電解質膜2を透過し、電子は外部回路を経由したのち、これらのプロトンと電子と空気極8に供給した酸素とで、空気極8で化学反応が進行して、水を生成する。
燃料極7に供給するメタノール水溶液のメタノールと水の理論濃度は、モル比で1:1(64重量%メタノール水溶液)であるが、固体電解質膜2をメタノールが透過して空気極8に到達(メタノールクロスオーバー)することで電池出力が低下する。実際のメタノール水溶液の最適濃度は約30〜3重量%くらいになり、メタノールと水が発電反応すると水が余る状態になる。
DMFCの燃料供給方式は次の2通りに大別される。
1つは液体ポンプのような補機を用い強制的に燃料を供給させる能動方式であり、他は毛細管現象など利用してセル内で消費された燃料分のみ、補機無しで供給する受動方式である。
この二つの方式を比較すると、受動方式は補機が不要なため小型化には適するが、発電時にセル内で燃料濃度が低下するので、電池出力が安定しない。一方、能動方式では、常に供給される燃料の濃度が安定するため電池出力が安定するという利点がある。
図9は能動方式のDMFC(特許文献2)を引用したもので、高濃度メタノールがメタノール貯蔵タンク9にセットされており、メタノール貯蔵タンク9は燃料+水注入装置10を介して循環タンク11に接続されている。ポンプ12によって循環タンク11から取り出されたメタノール水溶液5は、セル1の燃料極7と熱交換器13を介して循環タンク11に戻るように循環経路が形成されている。また、セル1の空気極8には、酸化剤供給装置14を介して空気が供給されている。
これによってセル1では、メタノール水溶液が電池反応を起こして、メタノールが消費されて二酸化炭素が発生する。この低濃度になったメタノール液とガスの混合流体は循環タンク11に戻り、二酸化炭素ガスは重力分離され循環タンク11の上方から排出される。一方、前記電池反応によってメタノールと水が消費されて燃料が減るので、燃料+水注入装置10から最適なメタノール燃料となる濃度で所定量が循環タンク11の内部に注入される。15は水回収装置である。
また、(特許文献3)には、燃料タンクの燃料貯蔵領域にストックされている燃料液体を、液体ポンプを使用してセルの燃料極に供給し、燃料極を通過した使用済み燃料液体を前記燃料タンクの内部を可動障壁で前記燃料貯蔵領域とは分離した廃棄物貯蔵領域に回収する燃料電池システムが示されている。前記廃棄物貯蔵領域にはスプリングが設けられているが、このスプリングは、燃料貯蔵領域の内部圧を大気圧よりも高く燃料液体の安定した流れを実現することを目的としている。
工業調査会「電子材料」2003年2月 第31頁 「携帯用小型燃料電池」(神谷信行) 特許第2939978号公報 特表平10−507572号公報 特開2003−142135公報
しかしながら、従来の能動方式では燃料をポンプ12によって循環させる必要があるが、循環させる液体内に空気が混入した場合にポンプ12が誤動作を起こし停止する問題がある。
また、このポンプ12は液体用ポンプであって、駆動トルクが空気用ポンプに比べ高いため、軸受け部の寿命が短く、長時間にわたって連続駆動させることが困難である。
本発明は、能動方式DMFCにおいて、液体用ポンプを用いず流路に空気や気泡が混入したことによるトラブルを低減し、且つ、長寿命で信頼性の高いコンパクトな能動方式の燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の燃料電池システムは、セルの空気極に空気を供給する空気ポンプと、燃料液体を溜めることができセルの燃料極を中央にしてその両側に配設される第1、第2の燃料タンクと、前記第1の燃料タンクに設けられ送り出す燃料液体を前記空気ポンプによって加圧する第1の加圧手段と、前記第2の燃料タンクに設けられ前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体の加圧力を蓄積する第2の加圧手段と、第2の燃料タンクに流入した燃料液体量を検出する液量検出手段と、前記第1の燃料タンクの燃料液体を前記燃料極を経て前記第2の燃料タンクへ供給して発電する順行運転と、前記第2の燃料タンクの内の燃料を加圧して第2の燃料タンクの燃料液体を前記燃料極を経て前記第1の燃料タンクへ供給して発電する逆行運転とを切り換えるための切り換え回路と、前記液量検出手段からの信号により前記切り換え回路を制御するコントローラとを設けたことを特徴とする。
本発明の請求項2記載の燃料電池システムは、請求項1において、前記コントローラは、順行運転では前記空気ポンプから第1の燃料タンクに空気を供給して燃料液体をセルの燃料極を経て第2の燃料タンクに供給し、前記第2の燃料タンクに供給される燃料の供給圧力を前記弾性エネルギー蓄積体に蓄え、前記逆行運転では、前記順行運転で前記弾性エネルギー蓄積体に蓄えられた弾性エネルギーによって第2の燃料タンクからセルの燃料極を経て第1の燃料タンクに液体燃料を供給するよう構成したことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の燃料電池システムは、請求項1において、第1の加圧手段は、前記空気ポンプから供給される空気によって増加する加圧室の圧力が燃料液体を収容する第1の容量可変容器を縮小させるように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の燃料電池システムは、請求項1において、第2の加圧手段は、弾性エネルギー蓄積体と、この弾性エネルギー蓄積体によって縮小方向に付勢されるとともに前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によって前記付勢に抗して膨張する第2の容量可変容器とで構成したことを特徴とする。
本発明の請求項5記載の燃料電池システムは、請求項1において、第2の加圧手段は、セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によってから拡張するとともに第2の容量可変容器に、自身の容量が縮小する方向の付勢を持たせて構成したことを特徴とする。
本発明の請求項6記載の燃料電池システムは、請求項1において、第2の加圧手段は、弾性エネルギー蓄積体と、前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によって前記弾性エネルギー蓄積体から作用する付勢力と自身の付勢力とに抗して膨張する第2の容量可変容器とで構成したことを特徴とする。
本発明の請求項7記載の燃料電池システムは、請求項1において、前記切り換え回路は、自己保持機構を有する開閉バルブまたは自己保持機構を有する3方切り換え弁からなることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の燃料電池システムは、請求項1において、前記液量検出手段は、接触式センサーからなることを特徴とする。
本発明の請求項9記載の燃料電池システムは、請求項1において、前記第1の燃料タンク内の容量可変容器内に初期充填される燃料容量が、前記第2タンク内の容量可変容量の上限と、燃料供給経路と、燃料極容積の総和より多くなるように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項10記載の燃料電池システムは、請求項1において、前記第1の燃料タンクを着脱可能なカートリッジとしたことを特徴とする。
本発明の請求項11記載の燃料電池発電方法は、セルの燃料極を中央にしてその両側に第1、第2の燃料タンクを配置し、起動によって前記セルの空気極へ酸化としての空気を供給する空気ポンプによって第1の燃料タンクの内部圧力を加圧して第1の燃料タンクからセルの燃料極を経て第2の燃料タンクへ燃料液体を輸送し、第2の燃料タンクでは流入した燃料液体の加圧力を第2の加圧手段によって蓄積し、第2の燃料タンクに流入した燃料液体の量が上限値に達したことを検出して前記空気ポンプによる第1の燃料タンクの内部圧力の加圧を解除し、かつ第2の加圧手段の蓄積力によって第2の燃料タンクの燃料液体をセルの燃料極を経て第1の燃料タンクへ輸送して発電することを特徴とする。
本発明の燃料電池システムによると、液体ポンプを使用せずに一つの空気ポンプにより、燃料供給と酸化剤供給を行うことが可能となり、燃料内に気体が混入した状態でも燃料供給が可能で出力特性を安定させることができる。また、機構的な可動部が無いので寿命が長く長時間連続駆動させることを可能とすることができる。
以下、本発明の燃料電池システムを図1〜図7に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図5は本発明の燃料電池システムの構成とその運転過程を示している。
図1は本発明の燃料電池システムにおける初期及び停止時の状態を示す。
この燃料電池システムは、図8の構成と同じセル1と、第1,第2の燃料タンクC1,C2と、単一の空気ポンプAPと、これらの間を接続する空気供給経路P1,P2,P3,P4,P5と、この空気供給経路に接続された切り換え回路としての開閉バルブV1,V2や気液分離器L1,L2などを組み合わせて構成されている。50はコントローラで、第2の燃料タンクC2に流入した燃料液体量を検出する液量検出手段SとしてのセンサーSより入力される信号を元に各運転状態に応じて開閉バルブV1,V2、空気ポンプAPを制御している。
具体的には、セル1の燃料極7を中央にしてその両側に、第1,第2の燃料タンクC1,C2が配設されている。第1の燃料タンクC1の内部には、送り出す燃料液体を前記空気ポンプAPによって加圧する第1の加圧手段30として、第1の容量可変容器23とこの第1の容量可変容器23により閉鎖される加圧室24が設けられている。第1の容量可変容器23の内部に液体燃料である希釈メタノールが封入されている。
この第1の容量可変容器23は耐メタノール性を有する材質からなり、外圧により形状を変化させることが可能なもので、可撓性を有する袋状、具体例としてはベローズ状の容器を挙げることができ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素樹脂製の袋や、フッ素樹脂にて内部をコーティングされた袋状のもの等を用いることができる。
第2の燃料タンクC2の内部には、前記セル1の燃料極7を通過して流入した燃料液体の加圧力を蓄積する第2の加圧手段40として、第2の容量可変容器25と、送り込まれた燃料液体によって膨張した第2の容量可変容器25によって圧縮される弾性エネルギー蓄積体27とが設けられている。
ここで、第2の容量可変容器25は、第1の容量可変容器23と同様の耐メタノール性を有する材質からなり、外圧により形状を変化させることが可能なものが好ましく、可撓性を有する袋状、具体例としてはベローズ状の容器を挙げることができ、PTFEに代表されるフッ素樹脂製の袋や、フッ素樹脂にて内部をコーティングされた袋状のもの等を用いることができる。
第2の燃料タンクC2には、第2の容量可変容器25の拡張と収縮を妨げないように一部を開放した空間26が形成されており、この空間26内に弾性エネルギー蓄積体27が設置される。本実施例では、前記弾性エネルギー蓄積体として圧縮バネを用いるが、所定圧力において弾性変形するものであればよい。
第1の容量可変容器23は第1の配管16と発電後の燃料中に含まれる二酸化炭素を分離するため第1の気液分離器L1を介してセル1の燃料極7の一端に接続されている。燃料極7の他端は第2の配管17と燃料中に含まれる二酸化炭素を分離するため気液分離器L2を介して第2の容量可変容器25に接続されている。
第1の燃料タンクC1の加圧室24は、空気供給経路P4と開閉バルブV1と空気供給経路P3,P1を介して空気ポンプAPの吐出口に接続されている。また、第1の燃料タンクC1の加圧室24は空気供給経路P4と開閉バルブV2と空気供給経路P5を介して大気に開放されている。
弾性エネルギー蓄積体27は、図1に示す装置停止時や、図2に示す起動状態及び逆行運転から順行運転への切り替わりの状態(容量可変容器25が空の状態)において、第2の容量可変容器25に対し圧力を与えて第2の容量可変容器25に燃料が残らないように配置する。このときの圧力値は、逆行運転を可能とする値であれば良く、逆行運転において必要とされる流量や、第1、第2の配管経路16,17と、燃料極7と、第1の容量可変容器23から受ける抵抗等により決定される。
第2の燃料タンクC2に取り付けられたセンサーSは、第2の容量可変容器25に供給された液体燃料が上限量に達したか、液体燃料が下限量に達したかを検出するセンサーで、第2の燃料タンクC2に固定配置された上限検出接点S2と下限検出接点S3と、第2の容量可変容器25に取り付けられ第2の容量可変容器25の拡張状態に応じて上限検出接点S2と下限検出接点S3との間を移動するセンサー接点S1とから構成された接触式センサーが設けられている。
具体的には、第2の燃料タンクC2に設けられた下限検出接点S3と第2の容量可変容器25に取り付けられたセンサー接点S1が接触して、電気的に導通状態を検出するポイントを下限量とし、同様に上限検出接点S2と容量可変容器25に設けられたセンサー接点S1が接触し、電気的に導通状態を検出するポイントを上限量とする。なお、下限量については第2の燃料タンクC2内の第2の容量可変容器25が空になった状況を検知すればよい。
この燃料電池システムは、センサーSの出力信号を入力信号としたコントローラ50によって、次のように運転されるように構成されている。なお、コントローラ50によって開閉状態を切り換えることができる開閉バルブV1,V2には電磁弁などが使用される。この電磁弁は、消費電量を低減するため、流路切り換え時にのみ電力が消費され、流路開状態、閉状態を任意に選択できかつ流路状態保持中は電力を消費しない自己保持機能を有する電磁弁が好ましい。コントローラ50には起動時に各種バルブなどを作動させるための起動専用電池を備えている。
液体燃料であるメタノール水溶液をセル1へ供給する方法として、第1の燃料タンクC1側からセル1を経て第2の燃料タンクC2側への供給状態を順行運転とし、第2の燃料タンクC2側からセル1を経て第1の燃料タンクC1側への供給状態を逆行運転とする。図1が初期及び停止時の状態であるが、図2は起動状態および逆行運転から順行運転への切り替わりを示す。図3は順行運転状態、図4は順行運転から逆行運転への切り替わりを示すものであり、図5は逆行運転の状態を示す。
−− 初期及び停止状態 −−
図1に燃料電池システム初期及び停止状態を示す。初期状態としては、バルブV1は閉状態にセットされており、第2の燃料タンクC2内にはメタノール水溶液が入っていない状態となっており、メタノール水溶液は配管経路16,17、セル1の燃料極7と第1の燃料タンクC1内の第1の容量可変容器23内に存在する。開閉バルブV2が開放状態に切り換えられている。
起動を指示すると、コントローラ50がこの起動指示を検出して、図2に示した起動状態および逆行運転から順行運転へ切り替わる。
−− 起動状態 −−
この図2に示す起動状態において、空気ポンプAPをオンにすると同時に、第1の開閉バルブV1が開状態に、第2の開閉バルブV2が閉状態にコントローラ50からの信号により制御される。空気ポンプAPから供給される空気は、空気供給経路P1,P2、セル1内の空気極8を経て、大気に開放される経路と、空気供給経路P1,P3、第1の開閉バルブV1、空気供給経路P4,第1の燃料タンクC1内の加圧室24の経路に供給され、順行運転を開始する。
また、開閉バルブV1を介して第1の燃料タンクC1の加圧室24に送り込まれた空気によって第1の容量可変容器23が次第に収縮し、配管経路16と第1の気液分離器L1を介してセル1の燃料極7を通過し、配管経路17と第2の気液分離器L2を介して第2の燃料タンクC2の第2の容量可変容器25に送り込まれて、この第2の容量可変容器25が弾性エネルギー蓄積体27の付勢に抗して膨張する。
第1の容量可変容器23の容積、及びメタノール水溶液の最低必要とされる初期充填容量は、発電動作によってメタノールが消費され、メタノール水溶液が所定の電力を得ることのできる最低濃度となった状態の残存メタノール水溶液量でも順行運転から逆行運転への切り換えが可能となる量が好ましい。
順行運転と逆行運転に必要な量とは、すなわち前記上限検出接点S2とセンサー接点S1を接触させるための量である。具体的には第2の容量可変容器25及び配管経路17,18、燃料極7の全ての容量を満たすことのできるメタノール水溶液の量である。
また、第2の燃料タンクC2内に設置される第2の容量可変容器25の容量は、1回の順行・逆行運転で、セル1の燃料極7と配管経路16,17に充填された燃料を全て入れ替えることができる量、すなわち配管経路16,17、燃料極7の容積の総和よりも大きく設定することが好ましい。
−− 順行運転及び順行運転から逆行運転への切り換え −−
図2,図3に示す順行運転状態において、空気ポンプAPによって加圧されて増加する加圧室24の圧力が第1の燃料タンクC1内の第1の容量可変容器23を縮小させて、第1の容量可変容器23からメタノール水溶液が、配管経路16を通ってセル1内の燃料極7に供給され、発電を行う。セル1の燃料極7から排出される未反応メタノール水溶液と二酸化炭素の気液混合流体が配管経路17に設けられる気液分離器L2によって分離され、二酸化炭素は大気に開放され、未反応メタノール水溶液のみ第2の燃料タンクC2内に設けられる第2の容量可変容器25内に送られる。第2の容量可変容器23内に送られたメタノール水溶液は弾性エネルギー蓄積体27にエネルギーを蓄えながら(ここでは圧縮バネが圧縮される状態である)第2の容量可変容器25を膨張させる。
この順行運転は、図4に示すように第2の燃料タンクC2内に設けられた容量可変容器25に設置されたセンサー接点S1と、第2の燃料タンクC2に設置された上限検出接点S2とが接触したことをコントローラ50が検出して、バルブV1を開状態、バルブV2を閉状態にするまで行われる。
−− 逆行運転 −−
図4,図5に本発明の燃料電池システムの逆行運転状態を示す。順行運転にてエネルギーを蓄えられた弾性エネルギー蓄積体27(ここでは圧縮されたバネとする)により逆行運転が行われる。具体的には、開閉バルブV2を開状態,開閉バルブV1を閉状態にセットし、第1の燃料タンクC1の加圧室24を大気解放状態とする。一方、第2の燃料タンクC2内に設けられている圧縮されたバネは大気開放状態となった燃料タンクC1内の加圧室24と圧力バランスを保つため第2の容量可変容器25を圧縮し始める(可変容量容器25よりメタノール水溶液を供給開始する)。第2の容量可変容器25からメタノール水溶液が配管経路17を通ってセル1内の燃料極7に供給され、発電を行う。セル1の燃料極から排出される未反応メタノール水溶液と二酸化炭素の気液混合流体が配管経路16に設けられる気液分離器L1によって分離され、二酸化炭素は大気に開放され、未反応メタノール水溶液のみ第1の燃料タンクC1内に設けられる第1の容量可変容器23内に送られる。この逆行運転は、図2に示す状態、すなわち第2の燃料タンクC2内に設けられた第2の容量可変容器25に設置されたセンサー接点S1と、第2の燃料タンクC2に設置された下限検出接点S3とが接触し、バルブV1を閉状態、バルブV2を開状態にするまで行われる。
−− 停止状態 −−
燃料電池システムが所定の発電を行えなくなった場合や、前記センサーSにおいて下限量を検出した時点から所定の時間内に上限検出できない場合には、図1に示す停止状態に切り換えられる。
そのような状態を検出した場合に開閉バルブV1を閉状態、V2を開状態にする。なお、この実施の形態ではシステムを停止させると運転状態によらず常に図1に示す状態に復帰し、装置起動時は常に順行運転から行うことが可能であり、燃料電池システムの起動時の状態をいちいち確認することなく運転を開始することができる。
このように、液体ポンプを用いることなく、一つの空気ポンプAPによって燃料供給と酸化剤供給を行うことが可能となり、燃料液体の供給に液体ポンプを使用しないため小型軽量化を実現できるとともに、液体燃料内に気体の混入が非常に少なく出力特性を安定させることができる。
また、機構的な可動部無いので寿命が長く長時間連続駆動させることを可能とすることができる。
また、運転ステージ切り換えタイミングの検出をセンサーSにより簡単に行うことが可能である。
また、順行運転と逆行運転の繰り返しにより燃料供給を行うため、燃料は燃料電池セルに対して往復運動をするように供給される。そのため燃料供給配管のコーナー部分や、フィルタの役割を兼ねる気液分離部に堆積物が溜まったりすることがない。
また、燃料経路において直接外気にさらされる部分が無い(実質的に閉鎖されている)ため、燃料系に外部からゴミが進入する恐れがなく、使用時の姿勢制約を受けない。
(実施の形態2)
図2,図3における破線A部と、図4,図5における破線B部の2つの開閉バルブV1,V2は、図6,図7に示すように一つの3方向バルブV3とすることにより、バルブ数を少なくすることができ、よりシステムを簡略にすることができる。この三方向バルブV3単体の場合もコントローラ50によって同様の制御を行うことも可能である。また、V3もV1,V2と同様に、消費電力を低減するため、流路切り換え時にのみ電力を消費し、流路状態保持中は電力を消費しない自己保持機能を有する三方向バルブが好ましい。
上記の各実施の形態において、第2の燃料タンクC2は燃料電池システムに固定して設置されるのに対して、第1の燃料タンクC1は例えば着脱式カートリッジとして設ける。第1の燃料タンクC1と燃料電池システムとの着脱個所は、(特許文献3)の燃料タンクの着脱機構などを使用することができる。
上記の各実施の形態において、センサーSはセンサー接点S1を第2の容量可変容器25に設けたが、弾性エネルギー蓄積体27に設け構成することもできる。また、上限検出接点S2、下限検出接点S3のどちらか一方にのみ接触式センサーを用い、他方の検出を接触式センサーを検知してからの運転時間により検出するように構成することもできる。
なお、上記の各実施の形態では、第2の燃料タンクC2の内部には、第2の容量可変容器25と、弾性エネルギー蓄積体27とを設け、第2の容量可変容器25に流入した燃料液体によって弾性エネルギー蓄積体27が圧縮され、燃料液体の流れ方向を切り換えた場合には、弾性エネルギー蓄積体27によって第2の容量可変容器25を縮小させて燃料液体を送り出すように構成したが、弾性エネルギー蓄積体27を設けずに第2の容量可変容器25だけで、第2の加圧手段40を構成することもできる。具体的には、容量可変容器25自体が弾性エネルギー蓄積体を兼ねるものでもよく、第2の容量可変容器25に、セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によって拡張するとともに、自身の容量が縮小する方向の付勢を持たせて構成する。また、弾性エネルギー蓄積体27と、前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によって前記弾性エネルギー蓄積体27から作用する付勢力と自身の付勢力とに抗して膨張する第2の容量可変容器25とで構成することもできる。
なお、上記の各実施の形態の第1の加圧手段30は、加圧室24と第1の容量可変容器23とで構成したが、第1の容量可変容器23を設けずに燃料液体を第1の燃料タンクC1に収容して、第1の燃料タンクC1の空き空間に前記空気ポンプAPから供給される空気によって容積が拡大する容器を加圧室24の代わりに設けて構成することもできる。また、第1の加圧手段30は、第1の容量可変容器23に燃料液体を収容して、第1の燃料タンクC1の空き空間に前記空気ポンプから供給される空気によって容積が拡大する容器を前記加圧室24の代わりに設けて構成することもできる。また、第1の燃料タンクC1に機密状態で可動する可動隔壁を設け、可動隔壁で仕切られた一方に前記空気ポンプAPから空気を供給し、可動隔壁で仕切られた他方に燃料液体を収容し、空気ポンプAPから供給される空気によって前記可動隔壁が移動して前記他方を加圧して燃料液体を押し出すようにして第1の加圧手段30を構成することもできる。
本発明の燃料電池システムは、信頼性の向上と小型軽量化を実現することができ、この種の燃料電池を電源として使用する各種の携帯機器に有用である。
本発明の燃料電池システムにおける初期及び停止状態の構成図 同実施の形態の起動状態および逆行運転から順行運転への切り替わり状態の構成図 同実施の形態の順行運転状態の構成図 同実施の形態の順行運転から逆行運転への切り替わり状態の構成図 同実施の形態の逆行運転状態の構成図 別の実施の形態の順行運転状態の要部の構成図 別の実施の形態の逆行運転状態の要部の構成図 燃料電池の発電システムを説明するセルの拡大断面図 従来の燃料電池の構成図
符号の説明
1 セル
7 燃料極
8 空気極
16,17 配管経路
23 第1の容量可変容器(容量可変容器)
24 加圧室
25 第2の容量可変容器(容量可変容器)
26 一部を開放する空間
27 弾性エネルギー蓄積体
30 第1の加圧手段
40 第2の加圧手段
50 コントローラ
V1,V2 開閉バルブ
V3 3方向バルブ
AP 空気ポンプ
C1 第1の燃料タンク
C2 第2の燃料タンク
L1 第1の気液分離器
L2 第2の気液分離器
P1〜P5 空気供給経路
S センサー(液量検出手段)
S1 センサー接点
S2 上限検出接点
S3 下限検出接点

Claims (11)

  1. セルの空気極に空気を供給する空気ポンプと、
    燃料液体を溜めることができ前記セルの燃料極を中央にしてその両側に配設される第1、第2の燃料タンクと、
    前記第1の燃料タンクに設けられ送り出す燃料液体を前記空気ポンプによって加圧する第1の加圧手段と、
    前記第2の燃料タンクに設けられ前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体の加圧力を蓄積する第2の加圧手段と、
    前記第2の燃料タンクに流入した燃料液体量を検出する液量検出手段と、
    前記第1の燃料タンクの燃料液体を前記燃料極を経て前記第2の燃料タンクへ供給して発電する順行運転と、前記第2の燃料タンクの内の燃料を加圧して第2の燃料タンクの燃料液体を前記燃料極を経て前記第1の燃料タンクへ供給して発電する逆行運転とを切り換えるための切り換え回路と、
    前記液量検出手段からの信号により前記切り換え回路を制御するコントローラとを設けた燃料電池システム。
  2. 前記コントローラは、
    順行運転では前記空気ポンプから第1の燃料タンクに空気を供給して燃料液体をセルの燃料極を経て第2の燃料タンクに供給し、前記第2の燃料タンクに供給される燃料の供給圧力を前記弾性エネルギー蓄積体に蓄え、前記逆行運転では、前記順行運転で前記弾性エネルギー蓄積体に蓄えられた弾性エネルギーによって第2の燃料タンクからセルの燃料極を経て第1の燃料タンクに液体燃料を供給するよう構成した
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 第1の加圧手段は、前記空気ポンプから供給される空気によって増加する加圧室の圧力が燃料液体を収容する第1の容量可変容器を縮小させるように構成した
    請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 第2の加圧手段は、弾性エネルギー蓄積体と、この弾性エネルギー蓄積体によって縮小方向に付勢されるとともに前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によって前記付勢に抗して膨張する第2の容量可変容器とで構成した
    請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 第2の加圧手段は、セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によってから拡張するとともに第2の容量可変容器に、自身の容量が縮小する方向の付勢を持たせて構成した
    請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 第2の加圧手段は、弾性エネルギー蓄積体と、前記セルの燃料極を通過して流入した燃料液体によって前記弾性エネルギー蓄積体から作用する付勢力と自身の付勢力とに抗して膨張する第2の容量可変容器とで構成した
    請求項1記載の燃料電池システム。
  7. 前記切り換え回路は、
    自己保持機構を有する開閉バルブまたは自己保持機構を有する3方切り換え弁からなる
    請求項1記載の燃料電池システム。
  8. 前記液量検出手段は、接触式センサーからなる
    請求項1記載の燃料電池システム。
  9. 前記第1の燃料タンク内の容量可変容器内に初期充填される燃料容量が、前記第2タンク内の容量可変容量の上限と、燃料供給経路と、燃料極容積の総和より多くなるように構成した
    請求項1記載の燃料電池システム。
  10. 前記第1の燃料タンクを着脱可能なカートリッジとした
    請求項1記載の燃料電池システム。
  11. セルの燃料極を中央にしてその両側に第1、第2の燃料タンクを配置し、起動によって前記セルの空気極へ酸化としての空気を供給する空気ポンプによって第1の燃料タンクの内部圧力を加圧して第1の燃料タンクからセルの燃料極を経て第2の燃料タンクへ燃料液体を輸送し、第2の燃料タンクでは流入した燃料液体の加圧力を第2の加圧手段によって蓄積し、
    第2の燃料タンクに流入した燃料液体の量が上限値に達したことを検出して前記空気ポンプによる第1の燃料タンクの内部圧力の加圧を解除し、かつ第2の加圧手段の蓄積力によって第2の燃料タンクの燃料液体をセルの燃料極を経て第1の燃料タンクへ輸送して発電する
    燃料電池発電方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101007868B1 (ko) 2008-01-15 2011-01-14 난 야 프린티드 서킷 보드 코포레이션 에너지 관리 모듈 및 구동 장치

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