JP2006039518A - 偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなり、該透明保護膜の少なくとも一方が膜厚40μm〜180μmの1枚のセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートであり、偏光度Pが99.9%以上であり、かつ偏光膜の膜厚が22μm以下である偏光板、並びにその偏光板を用いたVAモード液晶表示装置。
【選択図】なし
Description
また、従来の偏光板は、偏光膜の厚みが約25μm程度あり、特に15インチ以上の液晶モニターにてモニターの周辺部から光漏れが発生する故障(額縁故障)が発生し、改良されることが望まれていた。これに対し、上市されている偏光膜は、最も薄いものでも22.5μmであった。
従って、本発明の目的は、液晶セルを光学的に補償し、更に経時での光漏れを少ない偏光板を提供することである。
本発明の更なる目的は、広視野角で、経時による光漏れが少ないVAモード液晶表示装置を提供することである。
式(1):偏光度P=〔(H0−H1)/(H0+H1)〕1/2×100
[ここで、H0は2枚の偏光板の吸収軸を一致させて重ねた場合の透過率(%)、H1は2枚の偏光板の吸収軸を直交させて重ねた場合の透過率(%)である。]
2.偏光膜の膜厚が20μm以下であることを特徴とする上記第1項に記載の偏光板。
式(4):2.0≦A+B≦3.0
式(5):0≦B
5.アシル基がブチリル基である上記第4項に記載の偏光板。
6.アシル基がプロピオニル基であり、置換度Bが1.3以上である上記第5項に記載の偏光板。
7.セルロースの6位の水酸基の置換度の総和が0.75以上である上記第4〜6項のいずれか1項に記載の偏光板。
8.セルロースを構成するグルコース単位の2位の水酸基のアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基による置換度をDS2、3位の水酸基のアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基による置換度をDS3、6位の水酸基のアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基による置換度をDS6としたときに、下記式(I)および(II)を満たす上記第4〜7項のいずれか1項に記載の偏光板。
(I) :2.0≦DS2+DS3+DS6≦3.0
(II) :DS6/(DS2+DS3+DS6)≧0.315
10.少なくとも2つの芳香族環を有する化合物が、直線的な分子構造を有する棒状化合物である上記第9項に記載の偏光板。
12.セルロースアシレートフィルムがセルロースアシレートを含んでなり、該セルロースアシレートが酢化度59.0乃至61.5%であるセルロースアセテートであり、かつ延伸倍率1%あたりのRe/Rth変化量が0.01乃至0.1である上記第11項に記載の偏光板。
14.透明保護膜の一方がセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護膜に、少なくとも光散乱層と低屈折率層からなる鏡面反射率2.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする上記第1〜13項のいずれか1項に記載の偏光板。
15.透明保護膜の一方がセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護膜に、少なくとも中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層がこの順に積層されてなる鏡面反射率0.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする上記第1〜13項のいずれか1項に記載の偏光板。
17.液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板からなり、視認側または反対側のいずれか一方の偏光板が上記第14又は15項に記載の偏光板からなる液晶表示装置であって、該反射防止層が視認側になるように配置されており、該光学補償シートの遅相軸と光学補償シートに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
すなわち、前記偏光板は、下記の(a)及び(b)の条件を満たすものである。
(a)下記式(1)から算出される偏光度Pが99.9%以上であり、
(b)偏光膜の膜厚が22μm以下である。
式(1):偏光度P=〔(H0−H1)/(H0+H1)〕1/2×100
[ここで、H0は2枚の偏光板の吸収軸を一致させて重ねた場合の透過率(%)、H1は2枚の偏光板の吸収軸を直交させて重ねた場合の透過率(%)である。]
偏光度は、島津自記分光光度計UV3100にて測定する。
偏光度は、2枚の偏光板を吸収軸を一致させて重ねた場合の透過率をH0(%)、吸収軸を直交させて重ねた場合の透過率をH1(%)として、前記式(1)により求める。
偏光度は視感度補正を行う。
偏光膜の厚みを薄くする方法は、従来の延伸法において、延伸倍率を高くする、膜厚の薄い偏光膜延伸用ポリマーフィルムを用いる等の方法を適宜組み合わせて工夫することにより達成できる。例えば、偏光膜用ポリマーフィルムとして通常用いられているPVAフィルムの膜厚は、75μm(例えばクラレ製VF−P、VF−PSなど)であるが、この場合は、例えば、長手方向の縦一軸延伸法では8倍程度以上延伸すると、偏光膜の膜厚は20μm以下となる。また、テンター方式などにより、横一軸延伸法では4倍以上延伸すると、偏光膜の膜厚は20μm以下となる。あるいは、偏光膜用ポリマーフィルムの膜厚を50μm以下に薄くして、一軸延伸にて6倍程度以上延伸することにより、偏光膜の膜厚を20μm以下とすることができる。
以下、本発明の偏光板を作製する場合の各工程について説明する。
ポリマーフィルムの膨潤工程は、水のみで行うことが好ましいが、特開平10−153709号に記載されているように、光学性能の安定化及び、製造ラインでの偏光フィルム基材のシワ発生回避のために、偏光フィルム基材をホウ酸水溶液により膨潤させて、偏光フィルム基材の膨潤度を管理することもできる。
また、膨潤工程の温度は、時間は、任意に定めることができるが、10℃〜50℃、5秒以上が好ましい。
染色工程は、特開2002−86554号に記載の方法を用いることができる。また、染色方法としては浸漬だけでなく、ヨウ素又は染料溶液の塗布又は噴霧等、任意の手段が可能である。
染色に用いる二色性物質は特に限定されるものではないが、高コントラストな偏光板を得るためには、染色工程はヨウ素を用いて液相で行うのが好ましい。
ヨウ素を用いる場合には、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液にポリマーフィルムを浸漬させて行われる。ヨウ素は0.05〜20g/L、ヨウ化カリウムは3〜200g/L、ヨウ素とヨウ化カリウムの質量比は1〜2000が好ましい。染色時間は10〜1200秒が好ましく、液温度は10〜60℃が好ましい。さらに好ましくは、ヨウ素は0.5〜2g/L、ヨウ化カリウムは30〜120g/L、ヨウ素とヨウ化カリウムの質量比は30〜120がよく、染色時間は30〜600秒、液温度は20〜50℃がよい。前述の通り、硬膜剤としてホウ酸,ホウ砂等のホウ素系化合物硼酸などのホウ素化合物を添加することも有効であり、硼酸を用いる場合には、ヨウ素に対し質量比で1から30倍添加することが好ましい。
硬膜工程は、架橋剤溶液に浸漬、または溶液を塗布して架橋剤を含ませるのが好ましい。また、特開平11−52130号に記載されているように、硬膜工程を数回に分けて行うこともできる。
架橋剤としては米国再発行特許第232897号に記載のものが使用でき、特許第3357109号に記載されているように、寸法安定性を向上させるため、架橋剤として多価アルデヒドを使用することもできが、ホウ酸類が最も好ましく用いられる。
硬膜工程に用いる架橋剤としてホウ酸を用いる場合には、ホウ酸−ヨウ化カリウム水溶液に金属イオンを添加しても良い。金属イオンとしては塩化亜鉛が好ましいが、特開2000−35512号に記載されているように、塩化亜鉛の変わりに、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛塩を用いることもできる。
水溶液中の添加物量を一定にすることは、偏光性能維持のために重要であることから、連続して製造する場合には、染色工程同様に補充しつつ製造することが好ましい。
延伸は、前述の通り、22μm以下、好ましくは20μm以下の偏光膜になるように調整したうえで、米国特許2,454,515号などに記載されているような、一軸延伸方法を用いることができる。本発明においては、特開2002−86554号に記載されているようなテンター方式による斜め延伸法で行うことも好ましい。
乾燥条件は、特開2002−86554号公報に記載の方法に従う。
本発明で製造された偏光膜は、セルロースアシレートからなる光学補償シートとともに、両面あるいは片面に保護フィルムを貼り付けて偏光板として用いられる。保護フィルムの種類は特に限定されず、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル等を用いることができる。市販品としては、富士写真フイルム(株)製フジタック、コニカ(株)製のトリアセチルセルロースフィルム、日本ゼオン(株)製ゼオノア、日本合成ゴム(株)製アートンなどが挙げられる。その他、例えば特開平8−110402号公報あるいは特開平11−293116号公報に記載されているような非複屈折性光学樹脂材料が挙げられる。
偏光板の保護膜には、透明性、適度な透湿度、低複屈折性、適度な剛性といった物性が求められ、膜厚は取り扱い性や耐久性の観点から5〜500μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、20〜100μmが特に好ましい。
偏光膜と保護フィルムの貼り合わせは、貼合直前に接着液を供給し、偏光膜と保護フィルムを重ね合わせるように、一対のロールで貼り合わせることが好ましい。
接着剤層厚みは乾燥後に0.001乃至5μmであることが好ましく、0.005乃至3μmが特に好ましい。また、特開2001−296426号及び特開2002−86554号に記載されているように、偏光膜の延伸に起因するレコードの溝状の凹凸を抑制するには、貼り合わせ時の偏光膜の水分率を調整することが好ましく、本発明では0.1%〜30%にすることが好ましい。
貼り合わせ後乾燥条件は、特開2002−86554号に記載の方法に従う。
本発明で用いる偏光膜用ポリマーフィルムは、PVAフィルムが好ましい。
PVAは、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
特許2978219号に記載されているようにPVAフィルムのシンジオタクティシティーは耐久性を改良するために、55%以上のPVAフィルムを用いてもよいし、特許第3317494号に記載されているようにシンジオタクティシティーが45〜52.5モル%のPVAフィルムを用いてもよい。
本発明の偏光板の保護フィルムまたはセルロースアシレートからなる光学補償シートの表面には、反射性偏光子や、例えば特開平4−229828号、特開平6−75115号、特開平8−50206号等の各公報に記載されているLCDの視野角補償のための光学異方層や、ディスプレイの視認性向上のための防眩層や反射防止層、偏光板の耐傷性を高めるためのハードコート層、水分や酸素の拡散を抑えるガスバリア層、偏光膜あるいは接着剤、粘着剤との密着力を高める易接着層、スベリ性を付与する層等、任意の機能層を設けることができる。
本発明の偏光板を直接液晶セルに貼合するために設けられる上記粘着剤層は、光学的に透明であることはもとより、適度な粘弾性や粘着特性を示す層である。本発明における粘着剤層は、例えばアクリル系共重合体、エポキシ系樹脂、ポリウレタン、シリコーン系ポリマー、ポリエーテル、ブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、合成ゴムなどを含有するポリマー組成物からなる塗布液を偏光膜に塗布し、塗布層を乾燥法、化学硬化法、熱硬化法、熱熔融法、光硬化法等により硬化して形成することができる。就中アクリル系共重合体において最も粘着物性を制御しやすく、かつ透明性や耐候性や耐久性などに優れるので、好ましく用いることができる。
前述の通り、本発明の偏光板は、前記(a)及び(b)の条件を満たし、かつ、偏光膜の両側に配置された二枚の透明保護膜の少なくとも一方が、膜厚40μm〜180μmの1枚のセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートである。
セルロースアシレートフィルムを光学補償シートとして用いるには、レターデーションを調節することが好ましい。以下、レターデーションについて説明する。
Reレターデーション値およびRthレターデーション値は、それぞれ、下記で定義される。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本発明では光学補償シートの透湿度を、40℃、90%RH条件下で、700g/m2・日以下に調節することが好ましい。さらに好ましくは、500g/m2・日以下に調節することである。
透湿度の測定は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285ページ〜294ページ:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)に記載の方法を用いることができる。
調節は、セルロースアシレートフィルムへの添加剤の種類と量によって、前記の範囲とすることができる。特に、レターデーション調節剤によって調節することが好ましい。
次に、セルロースアシレートフィルムを作製する際の組成物に含有される、化合物について順次説明する。
(セルロースアシレート]
本発明に用いられるセルロースアシレートの原料綿は、公知の原料を用いることができる(例えば、発明協会公開技法2001−1745号記載等)。また、セルロースアシレートの合成も公知の方法で行うことができる(例えば、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)記載等)。セルロースアシレートの粘度平均重合度は200乃至700が好ましく250乃至500が更に好ましく250乃至350が最も好ましい。また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.5乃至5.0であることが好ましく、2.0乃至4.5であることがさらに好ましく、3.0乃至4.0であることが最も好ましい。
式(4):2.0≦A+B≦3.0
式(5):0≦B
ここで、式中AおよびBはセルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換基を表し、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
(I) :2.0≦DS2+DS3+DS6≦3.0
(II) :DS6/(DS2+DS3+DS6)≧0.315
式(I)、(II)を満たすセルロースアシレートは、レターデーションの発現が容易になるため、本発明において好ましい。
セルロースアシレートフィルムのレターデーションを調整するため、少なくとも2つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション調節剤として使用することが好ましい。芳香族化合物は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲で使用することが好ましく、1乃至20質量部がより好ましい。また、2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
c1:−CO−O−
c2:−CO−NH−
c3:−アルキレン−O−
c4:−NH−CO−NH−
c5:−NH−CO−O−
c6:−O−CO−O−
c7:−O−アルキレン−O−
c8:−CO−アルケニレン−
c9:−CO−アルケニレン−NH−
c10:−CO−アルケニレン−O−
c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−
c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O−
c13:−O−CO−アルキレン−CO−O−
c14:−NH−CO−アルケニレン−
c15:−O−CO−アルケニレン−
一般式(I):Ar1−L1−Ar2
上記一般式(I)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。
L−1:−O−CO−アルキレン基−CO−O−
L−2:−CO−O−アルキレン基−O−CO−
L−3:−O−CO−アルケニレン基−CO−O−
L−4:−CO−O−アルケニレン基−O−CO−
L−5:−O−CO−アルキニレン基−CO−O−
L−6:−CO−O−アルキニレン基−O−CO−
L−7:−O−CO−アリーレン基−CO−O−
L−8:−CO−O−アリーレン基−O−CO−
L−9:−O−CO−アリーレン基−CO−O−
L−10:−CO−O−アリーレン基−O−CO−
一般式(II):Ar1−L2−X−L3−Ar2
上記一般式(II)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基である。芳香族基の定義および例は、一般式(I)のAr1およびAr2と同様である。
L2およびL3は、−O−CO−または−CO−O−であることが特に好ましい。
以下に、一般式(I)または(II)で表される化合物の具体例を示す。
棒状化合物は、文献記載の方法を参照して合成できる。文献としては、Mol.Cryst.Liq.Cryst.,53巻、229ページ(1979年)、同89巻、93ページ(1982年)、同145巻、111ページ(1987年)、同170巻、43ページ(1989年);J.Am.Chem.Soc.,113巻、1349ページ(1991年)、同118巻、5346ページ(1996年)、同92巻、1582ページ(1970年);J.Org.Chem.,40巻、420ページ(1975年);Tetrahedron,48巻16号、3437ページ(1992年)を挙げることができる。
前記セルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートフィルムを通常作製する方法であればいずれの方法においても製造することができるが、特にソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することができる。
2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加してもよい。
セルロースアシレートフィルムは、延伸処理によりレターデーションを調整することが
できる。延伸倍率は、3乃至100%であることが好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートを偏光板の透明保護膜として使用する場合、セルロースアシレートフィルムを表面処理することが好ましい。
偏光板は、偏光膜およびその両側に配置された2枚の透明保護膜からなる。本発明では少なくとも一方の保護膜として、上記のセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートを用いる。他方の保護膜は、通常のセルロースアシレートフィルムを用いてもよい。
偏光板の、液晶セルと反対側に配置される透明保護膜には反射防止層を設けることが好ましい。特に本発明では透明保護膜上に少なくとも光散乱層と低屈折率層がこの順で積層した反射防止層(i)または透明保護膜上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層した反射防止層(ii)が好適に用いられる。以下にそれらの好ましい例を記載する。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.44の範囲である。さらに、低屈折率層は下記数式(6)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(6)
(m/4)×0.7<n1d1<(m/4)×1.3
[式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。]
本発明の低屈折率層には、低屈折率バインダーとして、含フッ素ポリマーを含むことが好ましい。フッ素ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.20、水に対する接触角90〜120°、純水の滑落角が70°以下の熱または電離放射線により架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。本発明の反射防止フィルムを画像表示装置に装着した時、市販の接着テープとの剥離力が低いほどシールやメモを貼り付けた後に剥がれ易くなり好ましく、500gf以下が好ましく、300gf以下がより好ましく、100gf以下が最も好ましい。また、微小硬度計で測定した表面硬度が高いほど、傷がつき難く、0.3GPa以上が好ましく、0.5GPa以上がより好ましい。
光散乱層は、表面散乱および/または内部散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。従って、ハードコート性を付与するためのバインダー、光拡散性を付与するためのマット粒子、および必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを含んで形成されることが好ましい。
マット粒子の形状は、球状あるいは不定形のいずれも使用できる。
マット粒子の粒子径分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
反射防止層の高い屈折率を有する層は、平均粒径100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子およびマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜から成る。
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層して成る。低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55である。好ましくは1.30〜1.50である。耐擦傷性、防汚性を有する最外層として構築することが好ましい。耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、従来公知のシリコーンの導入、フッ素の導入等から成る薄膜層の手段を適用できる。
さらに、ハードコート層、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
ハードコート層は、反射防止層を設けた透明保護膜に物理強度を付与するために、透明保護膜の表面に設ける。特に、透明保護膜と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
帯電防止層を設ける場合には体積抵抗率が10-8(Ωcm-3)以下の導電性を付与することが好ましい。吸湿性物質や水溶性無機塩、ある種の界面活性剤、カチオンポリマー、アニオンポリマー、コロイダルシリカ等の使用により10-8(Ωcm-3)の体積抵抗率の付与は可能であるが、温湿度依存性が大きく、低湿では十分な導電性を確保できない問題がある。そのため、導電性層素材としては金属酸化物が好ましい。金属酸化物には着色しているものがあるが、これらの金属酸化物を導電性層素材として用いるとフィルム全体が着色してしまい好ましくない。
上記のセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートを用い、さらに反射防止層を設けた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
1.セルロースアシレートフィルムの製膜
(1)セルロースアシレートの調製
表1に記載のアシル基の種類、置換度の異なるセルロースアシレートを調製した。触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の種類、量を調整することでアシル基の種類、置換度を調整した。またアシル化後の40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。また、表中CABとは、セルロースアセテートブチレート(アシル基がアセテートとブチリル基からなるセルロースエステル誘導体)の略称であり、CAPとは、セルロースアセテートプロピオネート(アシル基がアセテート基とプロピオニル基からなるセルロースエステル誘導体)の略称であり、CTAとは、セルローストリアセテート(アシル基がアセテート基のみからなるセルロースエステル誘導体)を意味する。
表1に記載のセルロースアシレート、可塑剤、レターデーション調節剤を次の混合溶媒、ジクロロメタン/メタノール(87/13質量部)に綿の質量濃度が15質量%となるように攪拌しながら投入して加熱攪拌し溶解させた。このとき、同時にセルロースアシレート100質量部に対してそれぞれ可塑剤[“Sumisorb 165F”住友化学(株)製]1質量部を投入し、加熱しながら攪拌させた。紫外線吸収剤を用いる場合は、セルロースアシレート100質量部に対して紫外線吸収剤B[“TINUVIN 327”チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]0.375質量部、紫外線吸収剤C[“TINUVIN 328”チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]0.75質量部を添加した。
[偏光板比較例1]
平均重合度が2400、膜厚75μmのPVAフィルムを15℃のイオン交換水で48秒予備膨潤し、ステンレス製のブレードを用いて表面水分を掻き取ったのち、濃度が一定になるように濃度補正しつつヨウ素0.9g/L、ヨウ化カリウム60.0g/Lの水溶液(染色液)(濃度が一定になるように濃度補正しつつ)にPVAフィルムを40℃で55秒浸漬し、さらに濃度が一定になるように濃度補正しつつホウ酸42.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの水溶液にPVAフィルムを40℃で90秒浸漬後、(硬膜液)(その濃度が一定になるように濃度補正しつつ)中で6.3倍に延伸した。このときの偏光膜の厚みは29μmであった。その後、幅方向から3cm、カッターにて耳きりをした後、PVA((株)クラレ製PVA−124H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、面内レターデーション値3.0nm、膜厚80μm)と貼り合わせ、さらに60℃で15分間加熱して有効幅650mm、長さ100mのロール形態の偏光板を作製した。表2に作製した偏光板を記載した。
平均重合度が2400、膜厚75μmのPVAフィルムを15℃のイオン交換水で48秒予備膨潤し、ステンレス製のブレードを用いて表面水分を掻き取ったのち、濃度が一定になるように濃度補正しつつヨウ素0.9g/L、ヨウ化カリウム60.0g/Lの水溶液(染色液)(濃度が一定になるように濃度補正しつつ)にPVAフィルムを40℃で40秒浸漬し、さらに濃度が一定になるように濃度補正しつつホウ酸42.5g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの水溶液にPVAフィルムを40℃で90秒浸漬後、(硬膜液)(その濃度が一定になるように濃度補正しつつ)中で6.3倍に延伸した。このときの偏光膜の厚みは29μmであった。その後、幅方向から3cm、カッターにて耳きりをした後、PVA((株)クラレ製PVA−124H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、面内レターデーション値3.0nm、膜厚80μm)と貼り合わせ、さらに60℃で15分間加熱して有効幅650mm、長さ100mのロール形態の偏光板を作製した。表2に作製した偏光板を記載した。
数平均重合度が2400、膜厚50μmのPVAフィルムを、15℃の水にて60秒予備膨潤し、余剰水分を取ったのち、該PVAフィルムを、ヨウ素1.0g/Lおよびヨウ化カリウム60.0g/Lの水溶液(染色液)(濃度が一定になるように濃度補正しつつ)に40℃にて65秒浸漬し、さらに濃度が一定になるように濃度補正しつつ硼酸42.5g/L、ヨウ化カリウム30g/L、の水溶液(硬膜液)(その濃度が一定になるように濃度補正しつつ)中で6.3倍に延伸した。このときの偏光膜の厚みは19μmであった。その後、幅方向から5cm、カッターにて耳切りをした後、PVA[“PVA−124H”(株)クラレ製]3質量%水溶液を接着剤として、片側を表1記載のケン化処理したセルロースアシレートフィルムで、反対側をケン化処理した富士写真フィルム(株)製「フジタック」(セルローストリアセテート、面内レターデーション値3.0nm、膜厚80μm)と貼り合わせ、さらに60℃で15分間加熱して有効幅1340mm、長さ500mの偏光板を作製した。表2に作製した偏光板を記載した。
数平均重合度が2400、膜厚75μmのPVAフィルムを、15℃の水にて60秒予備膨潤し、余剰水分を取ったのち、該PVAフィルムを、ヨウ素1.0g/Lおよびヨウ化カリウム60.0g/Lの水溶液(染色液)(濃度が一定になるように濃度補正しつつ)に40℃にて60秒浸漬し、さらに濃度が一定になるように濃度補正しつつ硼酸50.0g/L、ヨウ化カリウム15g/Lの水溶液(硬膜液)(その濃度が一定になるように濃度補正しつつ)中で7.5倍に延伸した。このときの偏光膜の厚みは21μmであった。その後、幅方向から5cm、カッターにて耳切りをした後、PVA[“PVA−124H”(株)クラレ製]3質量%水溶液を接着剤として、片側を表1記載のケン化処理したセルロースアシレートフィルムで、反対側をケン化処理した富士写真フィルム(株)製「フジタック」(セルローストリアセテート、面内レターデーション値3.0nm、膜厚80μm)と貼り合わせ、さらに60℃で15分間加熱して有効幅1340mm、長さ500mの偏光板を作製した。表2に作製した偏光板を記載した。
1.5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.01モル/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製したセルロースアシレートフィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
(1)偏光度
この偏光板について、偏光度は、島津自記分光光度計“UV3100”[(株)島津製作所製]にて測定した。
2枚の偏光板を、吸収軸を一致させて重ねた場合の透過率をH0(%)、吸収軸を直交させて重ねた場合の透過率をH1(%)として、次式により求めた。
単板透過率、偏光度は視感度補正を行った。
偏光度P=〔(H0−H1)/(H0+H1)〕1/2×100
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置[富士通(株)製]に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、液晶セルを取り出した。
実装した垂直配向型液晶セルを60℃dry条件下で72時間放置後、25℃60%Rh条件下で72時間放置し、パネルをライトオンして光漏れを目視で評価した。光漏れが発生する場合、パネルの四隅に光漏れが観察された。
1.反射防止層付き偏光板02の作製
(光散乱層用塗布液の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[“PETA”日本化薬(株)製]50gをトルエン38.5gで希釈した。更に、重合開始剤[「イルガキュア184」チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]を2g添加し、混合攪拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光散乱層の塗布液を調製した。
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー[“JN−7228”、固形分濃度6%、JSR(株)製]13g、シリカゾル[シリカ、“MEK−ST”の粒子サイズ違い、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製]1.3g、ゾル液a 0.6gおよびメチルエチルケトン5g、シクロヘキサノン0.6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム[“TAC−TD80U”富士写真フィルム(株)製]をロール形態で巻き出して、上記の機能層(光散乱層)用塗布液を線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ[アイグラフィックス(株)製]を用いて、照度400mW/cm2 、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの機能層を形成し、巻き取った。
実施例1と同様に偏光膜を作製した。
作製した反射防止層付き透明保護膜01に実施例1と同様のケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の片側に貼り付けた。また実施例1で作製したセルロースアシレートフィルムF1に実施例1と同様のケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて偏光膜の反対側に貼り付けた。
(ハードコート層用塗布液の調製)
トリメチロールプロパントリアクリレート[“TMPTA”日本化薬(株)製]750.0質量部に、質量平均分子量3000のポリ(グリシジルメタクリレート)270.0質量部、メチルエチルケトン730.0g、シクロヘキサノン500.0gおよび光重合開始剤[「イルガキュア184」日本チバガイギー(株)製]50.0gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液を調製した。
二酸化チタン微粒子としては、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子[“MPT−129”石原産業(株)製]を使用した。この粒子257.1gに、下記分散剤38.6g、およびシクロヘキサノン704.3gを添加してダイノミルにより分散し、質量平均径70nmの二酸化チタン分散液を調製した。
上記の二酸化チタン分散液88.9gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)58.4g、光重合開始剤(「イルガキュア907」)3.1g、光増感剤[「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製]1.1g、メチルエチルケトン482.4gおよびシクロヘキサノン1869.8gを添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用塗布液を調製した。
上記の二酸化チタン分散液586.8gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物[“DPHA”日本化薬(株)製]47.9g、光重合開始剤[「イルガキュア907」日本チバガイギー(株)製]4.0g、光増感剤[「カヤキュアーDETX」日本化薬(株)製]1.3g、メチルエチルケトン455.8g、およびシクロヘキサノン1427.8gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用の塗布液を調製した。
下記パーフルオロオレフィン共重合体(1)をメチルイソブチルケトンに7質量%の濃度になるように溶解し、末端メタクリレート基含有シリコーン樹脂“X−22−164C”[信越化学(株)製]を固形分に対して3質量%、光ラジカル発生剤「イルガキュア907」(商品名)を固形分に対して5質量%添加し、低屈折率層用塗布液を調製した。
膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム[“TD−80UF”富士写真フィルム(株)製]上に、ハードコート層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ[アイグラフィックス(株)製]を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ8μmのハードコート層を形成した。ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液を3つの塗布ステーションを有するグラビアコーターを用いて連続して塗布した。
反射防止層付き透明保護膜01の代わりに反射防止層付き透明保護膜02を用いた以外は偏光板02と同様にして偏光板03を作製した。
積分球平均反射率を鏡面反射率として代用した。分光光度計[日本分光(株)製]を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定し、450〜650nmの積分球平均反射率を求めたところ、0.4%であった。
実施例1と同様に、垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、液晶セルを取り出した。
また、光漏れも評価した結果、光漏れは観察されず、良好であった。
Claims (17)
- 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなり、該透明保護膜の少なくとも一方が膜厚40μm〜180μmの1枚のセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートである偏光板であって、下記一般式(1)で算出される偏光度Pが99.9%以上であり、かつ偏光膜の膜厚が22μm以下であることを特徴とする偏光板。
式(1):偏光度P=〔(H0−H1)/(H0+H1)〕1/2×100
[ここで、H0は2枚の偏光板の吸収軸を一致させて重ねた場合の透過率(%)、H1は2枚の偏光板の吸収軸を直交させて重ねた場合の透過率(%)である。] - 偏光膜の膜厚が20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
- 光学補償シートが、Reレターデーション値が20乃至80nmであり、Rthレターデーション値が70乃至400nmであり、該Reレターデーション値と該Rthレターデーション値との比(Re/Rth比)が0.1乃至0.5である請求項1または2に記載の偏光板。
- セルロースアシレートフィルムが、セルロースの水酸基をアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基で置換して得られたセルロースの混合脂肪酸エステルを含有することからなるセルロースアシレートフィルムであって、アセチル基の置換度Aおよび炭素原子数が3以上のアシル基の置換度Bが下記式(4)および(5)をみたす請求項3に記載の偏光板。
式(4):2.0≦A+B≦3.0
式(5):0≦B - アシル基がブチリル基である請求項4に記載の偏光板。
- アシル基がプロピオニル基であり、置換度Bが1.3以上である請求項5に記載の偏光板。
- セルロースの6位の水酸基の置換度の総和が0.75以上である請求項4〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
- セルロースを構成するグルコース単位の2位の水酸基のアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基による置換度をDS2、3位の水酸基のアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基による置換度をDS3、6位の水酸基のアセチル基および炭素原子数が3以上のアシル基による置換度をDS6としたときに、下記式(I)および(II)を満たすことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の偏光板。
(I) :2.0≦DS2+DS3+DS6≦3.0
(II) :DS6/(DS2+DS3+DS6)≧0.315 - セルロースアシレートフィルムが、セルロースアシレート100質量部に対して、少なくとも2つの芳香族環を有する化合物を0.01乃至20質量部含んでなる請求項1から8のいずれか1項に記載の偏光板。
- 少なくとも2つの芳香族環を有する化合物が、直線的な分子構造を有する棒状化合物である請求項9に記載の偏光板。
- 光学補償シートが、3乃至100%の延伸倍率で延伸したセルロースアシレートフィルムからなる請求項1から10のいずれか1項に記載の偏光板。
- セルロースアシレートフィルムがセルロースアシレートを含んでなり、該セルロースアシレートが酢化度59.0乃至61.5%であるセルロースアセテートであり、かつ延伸倍率1%あたりのRe/Rth変化量が0.01乃至0.1である請求項11に記載の偏光板。
- 光学補償シートが、セルロースアシレートフィルムの残留溶媒量2質量%乃至30質量%の状態で、長手方向に搬送しながら長手方向と直交する方向に延伸されたものであり、該光学補償シートの遅相軸が該シートの長尺方向に対して直交する方向にある請求項1から12のいずれか1項に記載の偏光板。
- 透明保護膜の一方がセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護膜に、少なくとも光散乱層と低屈折率層からなる鏡面反射率2.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の偏光板。
- 透明保護膜の一方がセルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートであり、該光学補償シートと反対側の透明保護膜に、少なくとも中屈折率層、高屈折率層および低屈折率層がこの順に積層されてなる鏡面反射率0.5%以下の反射防止層を設けたことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の偏光板。
- 液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板からなり、少なくとも一方の偏光板が請求項1から15のいずれか1項に記載の偏光板からなる液晶表示装置であって、該液晶セル側に、該偏光板の光学補償シートが配置されており、該光学補償シートの遅相軸と光学補償シートに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
- 液晶セルおよびその両側に配置された2枚の偏光板からなり、視認側または反対側のいずれか一方の偏光板が請求項14または15に記載の偏光板からなる液晶表示装置であって、該反射防止層が視認側になるように配置されており、該光学補償シートの遅相軸と光学補償シートに隣接する偏光膜の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とするVAモードの液晶表示装置。
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