JP2006038215A - 高負荷伝動ベルトおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブロックの走行方向の揺動を抑えて、ベルトの振動、騒音、発熱を防止した高負荷伝動ベルトおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】センターベルト3をセンターベルト保持部32にセットした状態で金型30、31内のキャビティに樹脂材料を送り込んでブロック2を成形すると同時にセンターベルト3にブロック2を取り付け、更に隣り合うブロック2とブロック2との間に規制部材6を成形配置することでブロックの動きを規制し揺動を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】センターベルト3をセンターベルト保持部32にセットした状態で金型30、31内のキャビティに樹脂材料を送り込んでブロック2を成形すると同時にセンターベルト3にブロック2を取り付け、更に隣り合うブロック2とブロック2との間に規制部材6を成形配置することでブロックの動きを規制し揺動を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、センターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを固定した高負荷伝動ベルトに係り、ブロックの走行方向の揺動を抑えて、ベルトの振動、騒音、発熱を防止した高負荷伝動ベルトおよびその製造方法に関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変化させることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節するような変速プーリに巻きかけて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルト自体が大きな側圧に耐えるものではなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトに用いられるブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性などの性質をバランスよく保有する必要がある。更にプーリを摩耗させないようにすることも大切な要素である。
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。このベルトのブロックは金属製のインサートをフェノール系樹脂によって被覆した2重構造のブロックを用いたものである。
また、特許文献2には金属製のインサートを埋設していないブロックを用いたベルトであり、金属製のインサートを有していないことから多少ブロックの強度面では劣るところがあるものの、ベルトを大幅に軽量化することが可能となっている。インサートを埋設したブロックを用いたベルトが比較的重量があり、ベルトを高速で回転させると遠心力によるセンターベルトの劣化が早いという問題があるのであまり高回転の用途に向いていないということがあった。それに対して特許文献2に開示されているような金属製のインサートを埋設していないベルトでは遠心力の問題が少なく高回転にも適用できる。
このような高負荷伝動ベルトはセンターベルトに多数のブロックを設けたベルトはベルトの製造の際にセンターベルトへのブロックの装着に手間がかかり、効率のよい機械化もなかなか困難であることからコスト的には不利であった。
特許文献3にはそのようなベルトを製造する方法が開示されている。金型内にセンターベルトを配置してセンターベルトを取り囲むようにキャビティを形成して樹脂を射出することによってブロックを成形すると共にセンターベルトに取り付ける方法である。この方法によればブロックの成形とセンターベルトへのブロックの取り付けが一度で行える。
特許文献4にはブロックの金属補強部材(インサート)が軟質ゴム部材を介して連結されているベルトが開示されている。軟質ゴム部材を介して連結することによって、ベルト走行時のブロックの揺動を防止することができるといったものである。
特許文献3で開示されているベルトは、センターベルトへのブロックの取り付けをブロックの成形と同時に行うことができるため、製造の面では非常に有利であるものの、ブロックを成形するための金型の厚みによって隣り合うブロックの間隔が広くなってしまう。ブロック同士の間隔が広くなるとブロックが動くやすくなり、センターベルトに対して進行方向に揺動するという問題が出てくる。また、ブロックのピッチが大きくなるとベルトの騒音は大きくなるといった問題もある。
特許文献4ではブロックを軟質ゴム部材で連結することによって、ブロックの揺動は防止することができるが、センターベルトにブロックを取り付ける手間はもとより、更にブロックを軟質ゴム部材で連結する作業が必要となるので、ブロックの製造の面ではあまり好ましい形態であるとはいえない。
そこで本発明ではブロックをセンターベルトに取り付ける工程はブロックの成形と共にごく簡単に行うことができ、ベルト走行時のブロックのセンターベルトに対する揺動を抑えることができ、発熱や摩耗といった問題を解消した高負荷伝動ベルトの提供を課題とする。
このような課題を解決するために本発明の請求項1では、センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを設けた高負荷伝動ベルトであって、センターベルト保持部と、該センターベルト保持部に保持されたセンターベルトの所定位置に成形されたブロックが嵌合されるように配置したブロックを成形するためのキャビティを有した金型を用いて、センターベルトを前記センターベルト保持部にセットした状態で金型内のキャビティに樹脂材料を送り込んでブロックを成形すると同時にセンターベルトにブロックを取り付けることによって得た高負荷伝動ベルトにおいて、ブロックとブロックとの間に規制部材を成形配置したことを特徴とする。
請求項2では、規制部材の硬度をJIS K 6253のタイプA硬度で50〜95度の範囲とした請求項1記載の高負荷伝動ベルトとしている。
請求項3では、センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを設けた高負荷伝動ベルトの製造方法において、金型はセンターベルト保持部と、該センターベルト保持部に保持されたセンターベルトの所定位置に成形されたブロックが嵌合されるように配置したブロックを成形するためのキャビティを有しており、センターベルトを前記センターベルト保持部にセットした状態で金型内のキャビティに樹脂を射出することによって、ブロックを成形すると同時にセンターベルトにブロックを取り付け、その後センターベルトをセンターベルト保持部にセットしたままでブロックの間に規制部材を成形すると同時にセンターベルトに固定する工程を含むことを特徴とする。
請求項4では、規制部材の硬度をJIS K 6253のタイプA硬度で50〜95度の範囲とした請求項3記載の高負荷伝動ベルトとしている。
センターベルトを金型にセットした状態で樹脂材料を送り込んでブロックを成形すると共にセンターベルトに対してブロックを固定し、次いでブロックの間に規制部材を成形することによって、ブロックおよびブロックの動きを抑制する規制部材を成形すると同時にセンターベルトに取り付けることができるのでベルトの製造を簡単なものとすることができる。しかも、ブロックのセンターベルトに対する進行方向の揺動を効果的に抑制することができるのでベルトの発熱や振動、騒音の問題を防止できる。
また、請求項2および請求項4においては規制部材を所定の範囲の硬度に設定しており、このようなベルトにおける規制部材として用いるのに十分な強度を有するとともにベルト走行時に繰返し力を受けても発熱を小さく抑えることができる。
本発明の高負荷伝動ベルトは図1、図2に示すようなベルトで、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなるセンターベルト3と、このセンターベルト3の上下面に所定ピッチで形成された凹部に嵌合し、係止固定されている複数のブロック2と隣り合うブロック2の間に配置された規制部材6から構成されている。このブロック2の両側面2a、2bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3を引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
ブロック2は、図1、2に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、両側部13、14が一体的にセンターベルト3の周囲に形成されている。ブロック2の中央にはセンターベルト3を嵌めこむ開口部15を有し、開口部15内の上面および下面にはセンターベルト3の上面に設けた凹条部7と下面に設けた凹条部8に係合する凸条部16、17が形成されている。
このようにブロックにセンターベルトを嵌め込んで形成するような高負荷伝動ベルトの製造するにあたり、図3および図4、図5に示すように一対の金型30、31を用い、その金型30、31にはセンターベルト保持部32を有するとともに、一対の金型30、31が合さった状態でブロック2を成形するためのキャビティ33を形成するようになっており、センターベルト3を前記センターベルト保持部32にセットした状態で金型30、31内のキャビティ33に樹脂を射出する。センターベルト3には上下面のブロック2と嵌合する凹条部7、8の間に金型のセンターベルト保持部32と嵌合する凹部9、10を有しており、ブロック2を射出成形で成形する際にセンターベルト3の位置決めを行うようになっている。
ブロック2を成形するキャビティ33以外のところではセンターベルトは固定する必要がなく、金型を閉じる時のベルトの逃げ場所としてベルトの概略形状よりやや広い通路34が形成されている。
それぞれのキャビティ33にはブロックの上側中央付近に射出成形のゲート35を配置しており、溶融した樹脂を射出することによってブロック1を形成するものである。
キャビティ33はセンターベルト保持部32にセンターベルト3を嵌め込んだ状態でセンターベルト3を取り囲むように配置されており、キャビティ33でブロック2を成形するとセンターベルト3にブロック2が凹条部6、7で嵌合された状態で成形されるようになっている。続いて、図5に示すようにブロック2を成形するための金型30、31のスライド部36、37をスライドさせることによって隣り合うブロック2とスライド部36、37とで囲まれた規制部材6を成形するキャビティ38を形成し、そこにゲート39から樹脂材料を送り込むことによって今度は規制部材6を成形する。
以上のような構成を採ることによって、ブロック2および規制部材6を成形すると同時にセンターベルト3にブロック2を取り付けることができる。
従来、このような高負荷伝動ベルトの製造においてはセンターベルト3を製造し、別途ブロック2を製造した上でセンターベルト3にブロック2を一つ一つ嵌め込んでいく作業を行っており、特にブロック2をセンターベルト3に嵌め込んでいく作業に多くに時間をとられていたが、上記のような製造方法を採ることによって、ブロック2をセンターベルト3の所定位置に成形しているので、ブロック2を成形し終わった時点でブロック2はセンターベルト3に嵌め込まれた状態となり、改めてブロック2をセンターベルト3に嵌め込むといった作業が不要になる。またブロック2だけではなく規制部材6もブロックと同様にブロックに取り付けることができるので、製造に要する時間を大幅に短縮することができるものである。
図4に示す例では、金型30、31に設けられたキャビティ33は5箇所であり、一度に成形できるブロックの数は5個である。よって5個のブロックを成形した後に金型から一度ベルトを取り外してブロック5個分を図4中の矢印方向に回転させて次の位置にブロック2を成形できるようにして再度金型30、31に装着し、次の位置に5個のブロック2を成形する。このような操作を繰り返してベルト全周のブロック2全部を成形してベルトが完成する。
ブロックの成形が完了したら金型30、31を開いてブロック2を金型から脱型する。脱型には金型から突出するイジェクトピンを用いて行うのが便利であり、例えば図6に示すブロックのようにブロック2の傾斜した側面2a、2bの上下位置に垂直面部2cを形成してイジェクトピンを当接させる箇所としてもよい。
このようなセンターベルト3にブロック2を取り付けた高負荷伝動ベルト1においてブロック2のピッチ(センターベルト3に取り付けるブロック2同士の間隔)は騒音の問題などに関与するものであり、ピッチが大きすぎると騒音が増すことになる。しかし、一方でブロック2の成形をする際のブロック間に存在する金型の厚みが薄くなりすぎると射出圧力によって金型が変形しブロック2の変形にもつながるので好ましくない。そこで、ブロック2とブロック2間の金型の厚みはブロック2の厚みの1/6〜3/2程度になってしまう。よってブロック2同士の間にはその金型の厚みに相当する間隔を有することになるが、本発明ではそのブロック2同士の間に規制部材6を成形配置することでブロック2の動きを規制して、走行中のブロック2の揺動を防止することができる。
以上の説明ではブロック2は一度に5個を成形し、順送り的に全数を成形して高負荷伝動ベルト1を完成させているが、ブロック2の全数と同じ数のキャビティを有する金型を用いて一度に全部を成形しても構わない。
本発明の高負荷伝動ベルトは図1で示した例に限られることはなく、様々な形態を採ることができる。図7に示すベルトは図1に示すベルトとほぼ同じ形状を有しているが、センターベルト3の幅方向の中央にブロックを取り付けるのと同じピッチで貫通孔18を有しており、ブロック2が成形される際にその貫通孔18を通して樹脂が連結19されている。
このようにセンターベルト3に設けた貫通孔18を通して上下でブロックを形成する樹脂が連結19されていることによって、ブロック2とセンターベルト3との固定力がより強固なものになる。ベルト1が長期にわたって走行を続けるとブロック2とセンターベルト3とのがたつきが発生し、それが原因でベルト1の騒音が大きくなったり、ブロック2の破損やセンターベルト3の切断したりといった故障につながることがあるが、ブロック2とセンターベルト3の固定力を高めることによってベルト1の寿命を長期化することができるものである。
このブロック2は合成樹脂素材のみからなっているものに限られず、センターベルト3にアルミニウム合金などの金属などからなるインサート材を装着してブロックを成形することも可能である。
このような射出成形でブロックを成形する場合に用いられる素材の樹脂として用いることができるのは、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の合成樹脂が用いられるが、中でも低摩擦係数で耐摩耗性に優れ、剛性があるとともに曲げに対しても弾力性を有しており、簡単に破損してしまうことのない樹脂がよく、ポリアミド樹脂、なかでもナイロン46が好ましいといえる。
本発明では前述のようにブロックを形成する合成樹脂中に繊維状の補強材やウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、繊維状の補強材は15〜40重量%の範囲で配合する。15重量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分でないなどの問題があり、40重量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。合成樹脂に配合する繊維状補強材としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維などを挙げることができる。繊維状補強材として上記の有機繊維のほかにも酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
樹脂材中にインサート材を埋設したものの場合、インサート材は、ブロック2の耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となるインサート材であり、素材としてはアルミ合金、セラミックス、セラミックスとアルミニウムとの複合材料、炭素繊維強化樹脂や鉄などの素材が挙げられる。
耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が好ましく、金属材料の中ではアルミ合金の弾性率が7000kgf/mm2で比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22000kgf/mm2で比重が7.8であり、強度的には鉄を用いるほうが高いといえるが、高速で回転するベルトにとって、ベルト重量は寿命に大きく影響を与えるため軽量化の面で有利なアルミ合金を用いることが好ましい。ただし、耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が優れており、インサート材22の所定箇所に樹脂材21を被覆したブロック2を用いることが好ましい。
樹脂材を所定の箇所に配置する場合、ブロック2の大きさよりもひと回り小さい金属材料からなるインサート材を用いてそのほぼ全面を樹脂材で被覆したものを用いると、部分的に樹脂材を被覆配置したものに比べて、樹脂材の剥離などの問題が発生しにくいので好ましい形態ということができる。ただし、全面といっても製造工程の上で樹脂材を被覆する際にインサート材を固定する部材が接触しているところは、インサート材が露出する箇所が発生することになるが、その程度のインサート材の露出は、実質的に全面を樹脂材で被覆している形態に含まれるといってよいものである。
センターベルト3のエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み布や金属薄板等を使用することもできる。
規制部材6に用いることができる素材としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の合成樹脂やクロロプレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレンプロピレンジエンモノマーゴムなどのゴムを挙げることができる。
また、この規制部材6は硬度をJIS K 6253のタイプAのデュロメーターで測定した硬度で50〜95度の範囲と設定することが好ましい。硬度が前記の50度未満とするとこのようなブロック間の規制部材として用いるには強度が不足し、へたりを生じたり簡単に破損したりするので好ましくない。また硬度が前記の70度を超える硬度となると、ベルト走行時のブロックの動きで繰り返して力を受け発熱が大きくなり、材料の劣化にもつながるので好ましくない。
(実施例1)
実施例1としては、図1に示すよう高負荷伝動ベルトであり、ブロックに用いた樹脂材料としてはカーボン繊維を30質量%含有した46ナイロンを使用した。そしてセンターベルトとして心線5にアラミド繊維、エラストマー4にクロロプレンゴムを用いたものとした。ブロックの間にはポリウレタン樹脂の規制部材が配置されており、ベルトのサイズはベルトピッチ幅18mm、ピッチ周長600mm、ブロックピッチ5mmとした。表1に示すような条件でベルトを走行させて走行時における騒音レベルを測定した。その結果を表2に示す。
実施例1としては、図1に示すよう高負荷伝動ベルトであり、ブロックに用いた樹脂材料としてはカーボン繊維を30質量%含有した46ナイロンを使用した。そしてセンターベルトとして心線5にアラミド繊維、エラストマー4にクロロプレンゴムを用いたものとした。ブロックの間にはポリウレタン樹脂の規制部材が配置されており、ベルトのサイズはベルトピッチ幅18mm、ピッチ周長600mm、ブロックピッチ5mmとした。表1に示すような条件でベルトを走行させて走行時における騒音レベルを測定した。その結果を表2に示す。
(比較例1)
ブロックの間に規制部材を配置しなかった以外は実施例1と全く同じベルトを作成し、表1に示すような条件でベルトを走行させて走行時における騒音レベルを測定した。その結果を表2に示す。
ブロックの間に規制部材を配置しなかった以外は実施例1と全く同じベルトを作成し、表1に示すような条件でベルトを走行させて走行時における騒音レベルを測定した。その結果を表2に示す。
表2の結果から、ブロックの間に規制部材を配置した実施例1のベルトは、規制部材を配置しなかったベルトと比べて走行中における騒音のレベルにかなり差があるということがわかる。
自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトの製造に適用することができる。
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 側面
7 側面
8 嵌合溝
9 嵌合溝
10 保護樹脂層
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
15 凹条部
16 凹条部
17 凸条部
18 凸条部
30 金型
31 金型
32 センターベルト保持部
33 キャビティ
35 スライド部
36 スライド部
37 キャビティ
38 ゲート
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 側面
7 側面
8 嵌合溝
9 嵌合溝
10 保護樹脂層
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
15 凹条部
16 凹条部
17 凸条部
18 凸条部
30 金型
31 金型
32 センターベルト保持部
33 キャビティ
35 スライド部
36 スライド部
37 キャビティ
38 ゲート
Claims (4)
- センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを設けた高負荷伝動ベルトであって、センターベルト保持部と、該センターベルト保持部に保持されたセンターベルトの所定位置に成形されたブロックが嵌合されるように配置したブロックを成形するためのキャビティを有した金型を用いて、センターベルトを前記センターベルト保持部にセットした状態で金型内のキャビティに樹脂材料を送り込んでブロックを成形すると同時にセンターベルトにブロックを取り付けることによって得た高負荷伝動ベルトにおいて、ブロックとブロックとの間に規制部材を成形配置したことを特徴とする高負荷伝動ベルト。
- 規制部材の硬度をJIS K 6253のタイプA硬度で50〜95度の範囲とした請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
- センターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って複数のブロックを設けた高負荷伝動ベルトの製造方法において、金型はセンターベルト保持部と、該センターベルト保持部に保持されたセンターベルトの所定位置に成形されたブロックが嵌合されるように配置したブロックを成形するためのキャビティを有しており、センターベルトを前記センターベルト保持部にセットした状態で金型内のキャビティに樹脂を射出することによって、ブロックを成形すると同時にセンターベルトにブロックを取り付け、その後センターベルトをセンターベルト保持部にセットしたままでブロックの間に規制部材を成形すると同時にセンターベルトに固定する工程を含むことを特徴とする高負荷伝動ベルトの製造方法。
- 規制部材の硬度をJIS K 6253のタイプA硬度で50〜95度の範囲とした請求項2記載の高負荷伝動ベルトの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005180092A JP2006038215A (ja) | 2004-06-21 | 2005-06-21 | 高負荷伝動ベルトおよびその製造方法 |
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